JP2006349309A - 冷凍サイクル用蒸発器 - Google Patents

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Kenji Matsuda
憲兒 松田
Noboru Higashiyama
登 東山
Koji Fujita
孝二 藤田
Kenichi Terauchi
健一 寺内
Jun Ito
潤 伊藤
Kazuhiro Tomimasu
和宏 冨増
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Abstract

【課題】 冷媒流動音が小さく、ダンパーシーラントが不要な冷凍サイクル用蒸発器を提供することを目的とする。
【解決手段】 互いに平行に配置される複数のチューブ11と、各チューブ11の一端部同士を接続する第一ヘッダ12と、各チューブ11の他端部同士を接続する第二ヘッダ13と、第一ヘッダ12と第二ヘッダ13とのうちの少なくともいずれか一方の内部に設けられる仕切り板14とを設けて、直列接続された複数のブロックBからなる流路を形成する。各ブロックBのうち、流路の最下流に位置する最終ブロックB3のチューブ11の総断面の流路断面積が最終ブロックB3の上流の各ブロックの流路断面積以上とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば車両用空気調和装置等の冷凍サイクルに用いられる蒸発器に関するものである。
蒸発器は、冷凍サイクル内の気液二相状態の冷媒と周辺雰囲気との間で熱交換を行うものである。
このような蒸発器としては、例えば後記の特許文献1に記載の熱交換器が知られている。この熱交換器は、複数のチューブをそれぞれ並設し、これら複数のチューブの一端側及び他端側にそれぞれ各チューブの配列方向に延びるタンクを接続した構成とされている。
これらタンクの一方には、長手方向の一端側に冷媒供給管が接続されており、また、いずれか一方のタンク内には、冷媒をタンクの長手方向に導く供給管が設置されている。
特開2003−287391号公報
蒸発器では、内部を冷媒が流通する関係上、冷媒流動音を発する。この冷媒流動音は、蒸発器の周囲にダンパーシーラント等を設置することによって低減することができるが、この場合には、蒸発器の重量の増加と、製造コストの増大を招いてしまう。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、冷媒流動音が小さく、ダンパーシーラントが不要な冷凍サイクル用蒸発器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明は、互いに平行に配置される複数のチューブと、該各チューブの一端部同士を接続する第一ヘッダと、前記各チューブの他端部同士を接続する第二ヘッダと、前記第一ヘッダと前記第二ヘッダとのうちの少なくともいずれか一方の内部に設けられる仕切り板とが、直列接続された複数のブロックからなる流路を形成しており、前記各ブロックのうち、前記流路の最下流に位置する最終ブロックの前記チューブの総断面の流路断面積が最終ブロックの上流の各ブロックの流路断面積以上とされている冷凍サイクル用蒸発器を提供する。
本発明者らは、実験により、従来の構成の蒸発器において、流路を構成する複数のブロックのうちの最終ブロックで発生する冷媒流動音が、他のブロックで発生する冷媒流動音よりも大きいことを発見した。
冷媒は、各ブロックを通過する過程で周辺雰囲気との熱交換が行われて次第に液からガスに状態変化し体積膨張してゆく。さらに、最終ブロックに到達した冷媒は、他のブロック内の冷媒よりも乾き度が大きく、ほぼ気体の状態となる。
このため、最終ブロックでは、他のブロックに比べて冷媒の流速が速く、その分、冷媒流動音も大きいことがわかった。特に、空気調和装置の起動時には、上記の冷媒の状態変化が急激に生じるので、冷媒の噴流や渦が生じやすく、騒音が生じやすい。
本発明は、このような新規な知見に基づいてなされたものであって、最終ブロックのチューブの総断面の流路断面積が最終ブロックの上流の各ブロックの流路断面積以上とされている。
これにより、最終ブロック内での冷媒の流速が他のブロックよりも低減されて、冷媒流動音が低減される。
一般的な蒸発器の構成では、各ブロックごとに第一ヘッダ、第二ヘッダ、チューブの断面形状を変えることに比べて、各ブロックを構成するチューブの本数を変更することのほうが容易である。このため、各ブロックを構成するチューブの本数を変更することによって流路断面積を調整する方が、製造コストがかからずに済む。
この冷凍サイクル用蒸発器において、前記最終ブロックの容積は、前記流路全体の容積の60%以下とされていることが好ましい。
最終ブロックの冷媒出口側では、内部の冷媒がガス状態に変化し、過熱領域が生じるため、最終ブロックは、他のブロックに比べて各部の温度ムラが大きい。この温度ムラは、最終ブロック内の適宜位置に、供給された冷媒を各部に分配する分配調整板(詳細は後述する)を設けて、最終ブロックの各部に冷媒を均等に分配することで軽減することができる。
しかし、最終ブロックの容積が大きすぎると、例えば隅の方に冷媒が届きにくくなるなど、均等な冷媒の分配が困難となり、温度ムラが大きくなってしまう。
本発明者らは、実験により、最終ブロックの容積が流路全体の60%以内であれば、分配調整板による冷媒の均一な分配が容易であることを突き止めた。
このことから、最終ブロックの容積は、流路全体の容積の60%以下とすることが好ましい。
また、上記冷凍サイクル用蒸発器において、前記第一ヘッダと前記第二ヘッダとのうちの一方の、前記最終ブロックを構成する領域には、長手方向の端部に、前段の前記ブロックを通過した冷媒を取り入れる取入口が設けられており、前記一方のヘッダ内には、該一方のヘッダよりも開口面積が小さい開口を有し前記冷媒の一部のみについて下流側への流通を許容する分配調整板が設けられており、該分配調整板は、前記取入口との間に、前記最終ブロックに設けられる全ての前記チューブのうちの3/10以上の数の前記チューブを挟んで配置されていることが好ましい。
このように構成される冷凍サイクル用蒸発器では、最終ブロックに設けられる分配調整板が、取入口との間に十分な数のチューブを挟んで配置されているため、取入口から取入れた冷媒が分配調整板に到達するまでにその一部がこれらチューブ内に流れ込むこととなり、分配調整板に当たる冷媒の量が少なく、分配調整板を通過する冷媒のガス流速が小さくなる。
このため、冷媒が分配調整板に当たることによって生じる騒音や分配調整板を冷媒ガスが通過するときに生じる騒音が低減され、静粛性が向上する。
また、この冷凍サイクル用蒸発器において、前記一方のヘッダの開口面積に対する前記分配調整板の開口面積が65%以下とされていることが好ましい。
最終ブロックに設けられる分配調整板の開口面積が大きすぎると、取入口から取り入れた冷媒が必要以上に分配調整板の後方に供給されてしまい、分配調整板の前方のチューブに供給される冷媒の量が少なくなるので、最終ブロック内での冷媒の均等な分配が困難になる。発明者らは、実験により、この分配調整板の開口面積を、一方のヘッダの開口面積の65%以下とすることで、最終ブロック内での冷媒の均等な分配が可能になることを発見した。
このため、一方のヘッダの開口面積に対する分配調整板の開口面積は、65%以下とすることが好ましい。
このように構成される冷凍サイクル用蒸発器では、ダンパーシーラント等を用いずに、冷媒流動音を低減することができる。
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
[第一実施形態]
以下、本発明の第一実施形態について、図1から図5を用いて説明する。
本実施形態に係る冷凍サイクル用蒸発器10(以下単に「蒸発器10」とする)は、車両用空気調和装置の冷凍サイクルの一部を構成するものであって、冷凍サイクルから送り込まれた低温の気液二相冷媒を蒸発させるためのものである。
蒸発器10は、互いに平行に配置される複数のチューブ11と、これらチューブ11の配列方向に沿って設けられて各チューブ11の一端部同士(図1では下端部同士)を接続する第一ヘッダ12と、各チューブ11の配列方向に沿って設けられて各チューブ11の他端部同士(図1では上端部同士)を接続する第二ヘッダ13とを有している。
第一ヘッダ12及び第二ヘッダ13のそれぞれの内部には、これらヘッダ内を長手方向に隣接する複数領域に仕切る仕切り板14が設けられており、これによって、蒸発器10内に、直列接続された複数のブロックBからなる流路が形成されている。
本実施形態では、蒸発器10は、図1の右側から順番に、先頭ブロックB1,第二ブロックB2,最終ブロックB3の計三つのブロックBに区画されている。
この蒸発器10では、流路の最下流に位置する最終ブロックB3のチューブ11の総断面の流路断面積が最終ブロックB3の上流の各ブロックの流路断面積以上とされている。また、最終ブロックB3の容積が、蒸発器10全体の容積の60%以下に設定されている。
本実施形態では、先頭ブロックB1及び第二ブロックB2は、それぞれ7本のチューブ11を有しているのに対して、最終ブロックB3は、10本のチューブ11を有している。すなわち、この蒸発器10は、計24本のチューブ11を有しており、そのうちの約40%が最終ブロックB3を構成している。
最終ブロックB3の左側には、第二ヘッダ13近傍から第一ヘッダ12まで設けられて第一ヘッダ12内につながる入口側流路16と、第二ヘッダ13近傍に設けられて第二ヘッダ13内につながる出口側流路17とが設けられている。
入口側流路16には、図示せぬ冷凍サイクルから冷媒が供給される冷媒供給管18が接続されており、出口側流路17には、冷凍サイクルに冷媒を排出する冷媒排出管19が設けられている。
これら各ブロックBは、所定形状のプレートPを、向きを変えて複数枚張り合わせることによって構成されている。
第一ヘッダ12には、入口側流路16内から先頭ブロックB1内まで達するバイパス管路21が挿通されており、これによって入口側流路16内に供給された冷媒が、最終ブロックB3及び第二ブロックB2を飛び越して先頭ブロックB1内に送り込まれるようになっている。
ここで、第一ヘッダ12において先頭ブロックB1を構成する領域には、バイパス管路21が挿通されていないので、図2に示すように、この部分における第一ヘッダ12の開口部12aの開口面積は最大となっている。
第一ヘッダ12において先頭ブロックB1と第二ブロックB2との間は、仕切り板14によって仕切られている。これによって、バイパス管路21から先頭ブロックB1内に送り込まれた冷媒は、第一ヘッダ12の先頭ブロックB1を構成する領域内に拡散したのち、先頭ブロックB1を構成する各チューブ11を通じて、第二ヘッダ13において先頭ブロックB1を構成する領域内に送り込まれる。
先頭ブロックB1と第二ブロックB2とは、第二ヘッダ13を通じて接続されており、これによって第二ヘッダ13において先頭ブロックB1を構成する領域内に送り込まれた冷媒は、第二ヘッダ13において第二ブロックB2を構成する流域内に送り込まれる。
第二ヘッダ13において第二ブロックB2と最終ブロックB3との間は、仕切り板14によって仕切られている。これによって、先頭ブロックB1から第二ブロックB2内に送り込まれた冷媒は、第二ヘッダ13において第二ブロックB2を構成する領域内に拡散したのち、第二ブロックB2を構成する各チューブ11を通じて、第一ヘッダ12において第二ブロックB2を構成する領域内に送り込まれる。
第二ブロックB2と最終ブロックB3とは、第一ヘッダ12を通じて接続されており、これによって第一ヘッダ12において第二ブロックB2を構成する領域内に送り込まれた冷媒は、第一ヘッダ12において最終ブロックB3を構成する流域内に送り込まれる。
このようにして最終ブロックB3に送り込まれた冷媒は、第二ヘッダ13において最終ブロックB3を構成する領域内に拡散したのち、最終ブロックB3を構成する各チューブ11を通じて、第二ヘッダ13において最終ブロックB3を構成する領域に送り込まれる。
ここで、第一ヘッダ12において最終ブロックB3を構成する領域には、前段である第二ブロックB2側の端部に、第二ブロックB2を通過した冷媒を取り入れる取入口22が設けられている。
また、第一ヘッダ12において最終ブロックB3を構成する領域には、分配調整板23が設けられている。
分配調整板23は、図3に示すように、第一ヘッダ12よりも開口面積が小さい開口24を有しており、これによって取入口22から最終ブロックB3に供給された冷媒の一部のみについて第一ヘッダ12の下流側への流通を許容するものである。
本実施形態では、分配調整板23は、取入口22との間に3本のチューブ11を挟んで配置される第一分配調整板23aと、第一分配調整板23aとの間に3本のチューブ11を挟んで配置される第二分配調整板23bと、第二分配板23bとの間に2本のチューブ11を挟んで配置される第三分配調整板23cとを有している。
また、本実施形態では、各分配調整板23の開口24の開口面積は、第一ヘッダ12の開口面積の65%以下とされている。
最終ブロックB3と出口側流路17とは、第二ヘッダ13に設けられた開口部20を通じて接続されている。これにより、第二ヘッダ13において最終ブロックB3を構成する領域内に送り込まれた冷媒は、開口部を通じて出口側流路17に送り込まれ、さらに冷媒排出管19を通じて、後段の冷凍サイクルに向けて排出される。
このように構成される蒸発器10では、流路の最下流に位置する最終ブロックB3の、チューブ11の総断面の流路断面積が、最終ブロックB3の上流の各ブロックの流路断面積(チューブ11の総断面の流路断面積)以上とされている。
これにより、最終ブロックB3内での冷媒の流速が他のブロックよりも低減されて、冷媒流動音が低減されるので、ダンパーシーラント等を用いずに、冷媒流動音を低減することができる。
また、最終ブロックB3の容積は、流路全体の容積の60%以下とされているので、分配調整板23によって最終ブロックB3内で冷媒を均等に分配することができ、温度ムラが低減される。
また、この蒸発器10では、分配調整板23は、取入口22との間に、最終ブロックB3に設けられる全てのチューブ11のうちの3/10以上のチューブ11を挟んで配置されているので、取入口22から取入れた冷媒が分配調整板23に到達するまでにその一部がこれらチューブ11内に流れ込むこととなり、分配調整板23に当たる冷媒の量及び流速が少なくなる。このため、冷媒が分配調整板23に当たることによって生じる騒音が低減され、また、分配調整板23を通過する冷媒ガス流速が低減され静粛性が向上する。
また、この蒸発器10では、第一ヘッダ12の開口面積に対する分配調整板23の開口面積が65%以下とされているので、取入口22から取り入れた冷媒を分配調整板の前方にも十分に供給することができ、最終ブロックB3内での冷媒の均等な分配が可能となる。
ここで、本実施形態に示す蒸発器10について、実際に冷媒の流動音を測定し、その静粛性を検討した。
この試験では、蒸発器10として、上記のように、先頭ブロックB1のチューブ数は7本、第二ブロックB2のチューブ数は7本、最終ブロックB3のチューブ数を10本とし、かつ、最終ブロックB3において、第一分配調整板23aと取入口22との間のチューブ数を3本、第一分配調整板23aと第二分配調整板23bとの間のチューブ数を3本、第二分配調整板23bと第三分配調整板23cとの間のチューブ数を2本としたものを用意した(これを実施例1とする)。また、実施例1において、第一分配調整板23aと取入口22との間のチューブ数を2本、第一分配調整板23aと第二分配調整板23bとの間のチューブ数を2本、第二分配調整板23bと第三分配調整板23cとの間のチューブ数を3本としたものを用意した(これを実施例2とする)。
さらに、これら実施例と従来の構成の蒸発器とを比較するために、実施例1において、先頭ブロックB1のチューブ数は9本、第二ブロックB2のチューブ数は8本、最終ブロックB3のチューブ数を7本とし、最終ブロックB3において、第一分配調整板23aと取入口22との間のチューブ数を2本、第一分配調整板23aと第二分配調整板23bとの間のチューブ数を2本、第二分配調整板23bと第三分配調整板23cとの間のチューブ数を2本としたものを用意した(これを比較例とする)。
実施例1,2と比較例とのそれぞれを実際に使用したところ、比較例では最終ブロックB3の取入口22での冷媒の乾き度xが0.8であるのに対して、実施例1,2では、最終ブロック領域を大きくしたため、取入口22での冷媒の乾き度xは、0.75と、比較例よりも乾き度が低くなっていた。
また、図5に示すように、最終ブロックB3の第一分配調整板23aを通過する冷媒の流速は、比較例における流速を1とすると、実施例2では、流速が0.94にまで低下し、実施例1に至っては、0.87にまで低下した。
このことから、流路の最下流に位置する最終ブロックB3の流路断面積を、他のブロック以上にすることで、最終ブロックB3内での冷媒の流速が低下することが分かる。
また、実施例1と実施例2とで流速に差が生じていることから、分配調整板23と取入口22との間に配置するチューブ数が多いほど、分配調整板23を通過する冷媒の流速が低下することが分かる。
さらに、実施例1,2及び比較例について、実際の冷媒流動音を体験して騒音の感覚評価を行った。ここで、この感覚評価は、実際に蒸発器を作動させてみて、「異常な音が聞こえない」場合を0点、「異常な音が聞こえるが気にならない」場合を1点、「異常な音が聞こえて気になる」場合を2点、「異常な音が聞こえて非常に気になる」場合を3点として評価した。すなわち、この評価では、点数が小さければ小さいほど評価対象が静粛性に優れていることを示している。
この結果から、実施例1,2は、最終ブロックB3内の冷媒の流速が比較例よりも低速であることにより、いずれも比較例に比べて冷媒流動音が低減されていることが分かる。特に、実施例1では、冷媒の流速が十分に低いため、ダンパーシーラントを用いることなしに、比較例にダンパーシーラントを設けた場合と同程度の静粛性が得られることが分かった。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について、図6を用いて説明する。
本実施形態に示す蒸発器30は、第一実施形態に示す蒸発器10において、バイパス流路21を設けて冷媒の出入口を同一の側に設定する代わりに、バイパス流路21をなくして、各ブロックBをその配列と同じ順番で直列に接続したものである。
具体的には、第一ブロックB1の下端左側に冷媒入口31を設け、最終ブロックB3の上端右側に冷媒出口32を設けて、第一ブロックB1では冷媒が上方に向けて流れ、第二ブロックB2では冷媒が下方に向けて流れ、最終ブロックB3では冷媒が上方に向け手流れるようにした。
この蒸発器30においても、第一実施形態に示す蒸発器10と同様に、高い静粛性を得ることができる。
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態について、図7から図9を用いて説明する。
本実施形態に示す蒸発器30は、第一実施形態に示す蒸発器10において、ブロックBを四つに増やし、これらブロックBを、チューブ11の配列方向に連結するだけでなく、ブロックBの厚み方向にも連結したものである。
具体的には、この蒸発器40では、第一ブロックB1の厚み方向に第二ブロックB2を連結し、第二ブロックB2のチューブ11の配列方向に第三ブロックB3を連結し、第一ブロックB1のチューブの11の配列方向に最終ブロックB4を接続している。
この蒸発器40では、図8(図7のC−C矢視断面図)に示すように、第一ブロックB1には、下端左側に冷媒入口41が設けられ、上端右側に第二ブロックB2に通じる連通孔42が設けられていて、第一ブロックB1内では、下端左側の冷媒入口41から上端右側の連通孔42に向けて冷媒が移動するようになっている。なお、第一ブロックB1のチューブ数は7本とされている。
図9(図7のD−D矢視断面図)に示すように、第二ブロックB2には、下端右側に第三ブロックB3に通じる連通孔43が設けられていて、第二ブロックB2内では、上端右上の連通孔42から供給された冷媒は、一旦第二ブロックB2内で拡散されたのちに、下端右側の連通孔43に向けて移動するようになっている。なお、第二ブロックB2のチューブ数は7本とされている。
第三ブロックB3には、上端右側に最終ブロックB4に通じる取入口22が設けられており、第三ブロックB3内では、下端左側の連通孔43から上端右側の取入口22に向けて冷媒が移動するようになっている。なお、第三ブロックB3のチューブ数は10本とされている。
最終ブロックB4には、下端左側に、第一ブロックB1を右側から左側まで貫通する冷媒取出し配管45が設けられており、最終ブロックB4内では、上端右側の取入口22から下端左側の冷媒取出し配管45に向けて冷媒が移動して、冷媒取出し配管45を通じて冷凍サイクルに冷媒が供給されるようになっている。
この最終ブロックB4のチューブ数は10本とされている。
すなわち、この蒸発器40においても、流路の最下流に位置する最終ブロックB4のチューブ11の総断面の流路断面積が最終ブロックB4の上流の各ブロックの流路断面積以上とされている。
これにより、最終ブロックB4内での冷媒の流速が他のブロックよりも低減されて、冷媒流動音が低減されるので、ダンパーシーラント等を用いずに、冷媒流動音を低減することができる。
また、最終ブロックB4の容積は、流路全体の容積の60%以下とされているので、分配調整板23によって最終ブロックB4内で冷媒を均等に分配することができ、温度ムラが低減される。
また、最終ブロックB4では、分配調整板23は、取入口22との間に、最終ブロックB4に設けられる全てのチューブ11のうちの3/10以上のチューブ11を挟んで配置されている。このため、冷媒が分配調整板23に当たることによって生じる騒音が低減され、静粛性が向上する。
また、この蒸発器10では、第一ヘッダ12の開口面積に対する分配調整板23の開口面積が65%以下とされており、これによって取入口22から取り入れた冷媒を分配調整板23の前方にも十分に供給することができ、最終ブロックB4内での冷媒の均等な分配が可能となる。
本発明の第一実施形態に係る蒸発器を示す縦断面図である。 図1のA−A矢視断面図である。 図1のB−B矢視断面図である。 本発明の第一実施形態にかかる蒸発器の最終ブロックの構成を示す縦断面図である。 本発明の第一実施形態に係る蒸発器の静粛性能を示す試験結果である。 本発明の第二実施形態に係る蒸発器を示す縦断面図である。 本発明の第三実施形態に係る蒸発器を示す縦断面図である。 図7のC−C矢視断面図である。 図7のD−D矢視断面図である。
符号の説明
10,30,40 冷凍サイクル用蒸発器
11 チューブ
12 第一ヘッダ
13 第二ヘッダ
14 仕切り板
22 取入口
23 分配調整板
24 開口
B ブロック
B3,B4 最終ブロック

Claims (4)

  1. 互いに平行に配置される複数のチューブと、
    該各チューブの一端部同士を接続する第一ヘッダと、
    前記各チューブの他端部同士を接続する第二ヘッダと、
    前記第一ヘッダと前記第二ヘッダとのうちの少なくともいずれか一方の内部に設けられる仕切り板とが、直列接続された複数のブロックからなる流路を形成しており、
    前記各ブロックのうち、前記流路の最下流に位置する最終ブロックの前記チューブの総断面の流路断面積が最終ブロックの上流の各ブロックの流路断面積以上とされている冷凍サイクル用蒸発器。
  2. 前記最終ブロックの容積は、前記流路全体の容積の60%以下とされている請求項1記載の冷凍サイクル用蒸発器。
  3. 前記第一ヘッダと前記第二ヘッダとのうちの一方の、前記最終ブロックを構成する領域には、長手方向の端部に、前段の前記ブロックを通過した冷媒を取り入れる取入口が設けられており、
    前記一方のヘッダ内には、該一方のヘッダよりも開口面積が小さい開口を有し前記冷媒の一部のみについて下流側への流通を許容する分配調整板が設けられており、
    該分配調整板は、前記取入口との間に、前記最終ブロックに設けられる全ての前記チューブのうちの3/10以上の前記チューブを挟んで配置されている請求項1または2に記載の冷凍サイクル用蒸発器。
  4. 前記一方のヘッダの開口面積に対する前記分配調整板の開口面積が65%以下とされている請求項3記載の冷凍サイクル用蒸発器。
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