JP2006348898A - エンジン始動装置 - Google Patents

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Toyotaka Takashima
豊隆 高嶋
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Abstract

【課題】フルトランジスタのECUを備えたエンジンをキック等の手動始動を可能にするエンジン始動装置。
【解決手段】レギュレータからのエンジン始動負荷への出力ラインと、エンジン始動負荷以外のバッテリを含む車体負荷への出力ラインとの2系統の別個の出力ラインを設ける。さらにエンジン始動負荷への出力ラインには電解コンデンサの正側が接続され、電解コンデンサの負側には、ゲート回路を介して、ジュネレータ出力が接続される。エンジン始動負荷への出力ライン電圧が所定値以下であって、かつ発電機からの交流入力が所定値以上となると、ゲート回路が動作して電解コンデンサの負側に逆電圧を印加する。
【選択図】図4

Description

本発明は、手動始動機能を備えたエンジン始動装置に関するものであって、特にフルトランジスタのECU(エンジンコントロールユニット)を備えたエンジンの、キック等の手動始動時にも適したエンジン始動装置に関するものである。
従来、自動二輪車、携帯発電機等の電源装置の点火回路としては、CDI(capacitor discharge igniter)方式、トラマグ、及びフルトラ(full transistor igniter)方式が用いられている。ここで、バッテリが放電状態及び無い状態で、いわゆるキック式等の手動始動でエンジンの運転を図る場合に、図1に例示したCDI点火方式の場合では、図2のようなキックによる不安定で、まれに過渡電圧となりすぎる発電機の出力であっても、図3(b)に示すように間引き出力として実行値電圧を制御したり、又は図3(c)に示すように適切に設定された設定電圧でピーク電圧を制御することで、エンジン始動が可能となっていた。
しかしながら、エンジンの排ガス規制が進み、EFI(electronic fuel injection)化が図られて、CPU等のデリケートな電子機器を用いたフルトラ(full transistor igniter)方式の点火回路が採用されると、従来のCDI(capacitor discharge igniter)方式では、ほぼ問題なくエンジン始動時に適用された図3(b)、(c)のような電圧波形のレギュレータ出力では、ECUが安定した電源を確保出来ず、必要なタイミングでイングニッション、インジェクションが動かず、上手くエンジン始動が出来ない場合があり、過電圧によりECUが壊れることもあった。
そこで、この発明は上記のような従来技術の問題点に注目して、ECUで構成されるエンジン点火装置においても、バッテリの放電時に的確にエンジン始動及び駆動を可能とする電源装置を提供するものである。
この発明による電源装置によれば、手動起動式発電機と、エンジンの始動を行う、必要最低限の始動負荷と、バッテリを含む、上記エンジン始動負荷以外の車体負荷と、前記エンジン始動負荷および前記車体負荷との間に設けられ、前記手動式発電機からの交流発電電圧を入力して、所定の直流電圧に調整して出力するレギュレータであって、当該レギュレータは、前記車体負荷へ出力する車体負荷出力端子と、前記エンジン始動負荷端子とを別個に備え、さらに当該エンジン始動負荷への出力端子と、アースとの間にはコンデンサが接続されていて、かつ前記コンデンサ容量はECUの動作電圧以上確保できるものであり、前記コンデンサ正側とアースとの間にはゲート回路が設けられたレギュレータがあり、前記レギュレータは前記エンジン始動負荷端子電圧が所定値以上となった時点で前記ゲート回路を駆動させて前記発電機出力を短絡させることを特徴とするエンジン始動装置を提供するものである。
本発明のエンジン始動装置によれば、ECU、IGN,INJを備えたエンジン始動装置においても、バッテリの放電時にキック等の手動始動で、エンジンの始動を確実に行うことのできるエンジン始動装置となる。また、走行中に、例えば二輪車の、バッテリが外れた場合等でも、エンジンを駆動することができる。
以下、本発明の実施例に基づいて、説明する。図4は、本願発明の一実施例の構成を示す回路図である。
ここで、いわゆるキック装置(図示せず)を備えた交流発電機(ACG)2の出力を入力して電圧の調整を行うレギュレータ(REG)1が設けられており、このREG1の調整された出力は端子V0からメインスイッチ7を介して、ECU(engine control unit)8, INJ(injector)10, IGN(igniter)9を含むエンジン始動に必要な負荷に供給され、さらに端子Bから別個の独立した供給ラインでバッテリ11と他の車両負荷にも供給される。
REG1は、ランプ用の端子Lと正電位との間に接続されたSCR1,SCR1のアノードから正電位ラインを車体負荷への出力端子Bにむかって挿入されたSCR2、REG1のACG2からの入力端子Aと接地との間に接続されたSCR3をそなえ、それらのゲートには制御回路3から後段にタイムチャートで説明するタイミングで適切にゲート信号が印加される。また、REG1の出力端子Bから接地端子Eとの間にはダイオード4と電界コンデンサ6とが直列接続され、制御回路からはその直列接続の中間点を通って出力端子VOが設けられ、この出力端子VOからエンジン始動に必要な負荷(ECU8,IGN9,INJ10)にエンジン始動用の:電圧が供給される。
ここで、図5にバッテリ充電状態でのエンジン始動時に、メインスイッチ7を閉じて、キック始動する場合での各端子間の電圧、およびSCR1、2、3のゲート信号のタイミング状態図を示した。
(b):バッテリ(B)−アース(E)間電圧は、ほぼ一定の電圧が維持されているので、キックによるACG2の電圧変動で(a):チャージ(A)−アース電圧(E)間の振幅値が大きさとなって所定の閾値を超えると、(f):SCR2のゲート信号のゲート期間が小さくなって振幅を押さえる。また、(e):SCR1ゲート信号は、(a):チャージ(A)−アース電圧(E)の負側の所定期間だけONとなってSCR1を導通させ、(d):ランプ(L)−アース(E)電圧を適切な実効値としてランプLを点灯する。こうしてバッテリが充電状態で、(b):バッテリ(B)−アース(E)間電圧がほぼ一定の電圧レベルを保っている場合には(G):SCR3ゲート信号はOFFのままでSCR3は導通されない。
次に、図6に示したバッテリ11が放電状態で、バッテリ11によるエンジン始動が不可能となった場合には、Vo−アース間の電圧が所定の閾値以下となるため、不安定なキック始動による起電圧で、(c):出力(V0)−アース(E)間電圧が所定の閾値を超えて、エンジン始動に必要な負荷に誤動作等のトラブルを起こす恐れがある状態となると、(g):SCR3ゲート信号が、ONとなってSCR3を導通させる。これによって、所定の閾値を超えた過剰な電圧となるのを抑えるようにACG2出力を短絡させ、(c):出力(V0)−アース(E)間電圧の安定化が図られる。
こうした動作により、Vo出力端子からのエンジン始動に必要な負荷には、エンジン点火動作を行うのに充分で安定した始動電圧が供給される。
こうして、(b):バッテリ(B)−アース(E)間電圧は不安定な正弦派の正側の半波長のみが現れるが、(C):出力(VO)−アース(E)間電圧は、電解コンデンサ6の充電・平滑機能でECU8、IGN9、INJ10等の電子機器を動作してエンジンの始動を行うのに充分な電源が供給される。
またここで、用いられる電解コンデンサは、比較的電流容量の小さいエンジン始動に必要な電子機器にのみ電流を供給する比較的小容量の電解コンデンサで対応することができ、キックによるACG2の起電圧はエンジン始動に必要な負荷(ECU,IGN,INJ)にのみ有効に供給することが可能となる。
図7には、別の実施例としてショート式また、図8にはオープン式のレギュレータ構成を示したが、何れの構成でも、図4の実施例と同様に、ECU式のエンジン点火装置において、バッテリ放電時でも、的確にエンジン始動を行うことが出来る。
さらに図9にこの発明の別の実施例をしめした、この実施例ではさらに、車体負荷と出力端子Bとの間には、ECU8で制御されて、エンジン回転数が所定値以下では開となり、エンジン回転数が所定値以上で閉となる、リレー式接点のスイッチ5が挿入されている。また、バッテリ11からは端子VDとダイオードを通ってエンジン始動に必要な負荷にバッテリ電圧を印加するラインが設けられている。したがって、キック等の始動手動で、エンジン回転数が低い時には、スイッチ5が開となりACG2からの起電圧が全てエンジン始動に必要な負荷のみに供給されて、確実なエンジン始動が行われる。その後、エンジンが規定回転数以上の安定した運転状態となった時点で閉となり、始めてバッテリ11を含む車体負荷にも電源の供給が行われる。
本発明のエンジン始動装置の実施例は以上の通りであり、ECU式のエンジン始動装置であっても、バッテリ放電時に手動始動、いわゆるキック等で確実なエンジン始動を行うことができる。
従来例のエンジ始動装置の概念図。 従来の、キック始動時のジェネレータは流伝波形概念図。 従来の、発電波形、及びそれに対する、間引き、ピークカット制御の概念図。 本発明の一実施例を示す回路構成図。 図4の回路構成における、バッテリ接続時のエンジン始動タイミング図。 図4の回路構成における、バッテリ・オープン時のエンジン始動タイミング図。 本発明の変形例を示す回路構成図。 本発明の、別の変形例を示す回路構成図。 本発明の、また別の変形例を示す回路図。
符号の説明
1 レギュレータ(REG)
2 交流発電機(ACG)
3 制御回路
4 ダイオード
5 スイッチ
6 電解コンデンサ
7 メインスイッチ
S1,S2,S3 サイリスタ
11 バッテリ
12 ダイオード

Claims (4)

  1. 手動起動式発電機と、
    エンジンの始動を行う、必要最低限の始動負荷と、バッテリを含む、上記エンジン始動負荷以外の車体負荷と、前記エンジン始動負荷および前記車体負荷との間に設けられ、前記手動式発電機からの交流発電電圧を入力して、所定の直流電圧に調整して出力するレギュレータであって、当該レギュレータは、前記車体負荷へ出力する車体負荷出力端子と、前記エンジン始動負荷端子とを別個に備え、さらに当該エンジン始動負荷への出力端子とアースとの間にはコンデンサが接続されていて、かつ前記コンデンサ容量はECUの動作電圧以上確保できるものであり、前記コンデンサ正側とアースとの間にはゲート回路が設けられたレギュレータがあり、前記レギュレータは前記エンジン始動負荷端子電圧が所定値以上となった時点で前記ゲート回路を駆動させて前記発電機出力を短絡させることを特徴とするエンジン始動装置。
  2. 前記エンジン始動負荷は、ECU(エンジン制御ユニット)、IGN(点火装置)及びINJ(燃料注入装置)を含むことを特徴とする請求項1に記載のエンジン始動装置。
  3. 前記エンジン始動負荷端子電圧の所定値をECUの定格電圧で決定していることを特徴とした請求項1または請求項2のエンジン始動装置。
  4. バッテリがある場合には、バッテリを含む車体負荷の電圧を制御して、エンジン始動負荷電圧は制御しないように構成し、バッテリがないときはエンジン始動負荷電圧を制御して、バッテリがあるときは、バッテリを含む車体負荷の電圧を制御しないように構成したことを特徴とした請求項1〜請求項3のエンジン始動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015171290A (ja) * 2014-03-10 2015-09-28 株式会社オートネットワーク技術研究所 自動車の電源装置
WO2015190497A1 (ja) * 2014-06-13 2015-12-17 スズキ株式会社 車両用電力供給システム

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