JP2006348796A - 板金製ロッカーアームの製造方法 - Google Patents

板金製ロッカーアームの製造方法 Download PDF

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Abstract


【課題】 各側壁部2、2に形成する通孔の形状及び寸法の精度を良好に確保しつつ、これら各側壁部2、2の外側面の変形を抑える。
【解決手段】 第三中間素材15の1対の側壁部2、2に、打ち抜き加工により、それぞれの内径が上記通孔の仕上がり径よりも小さい下孔30を形成する。この打ち抜き加工後に、各下孔30の外端側開口縁部に面取り28を形成する、面取り加工を行なう。同時に、これら各下孔30の内周面に凸状の余肉部を生じさせる。次いで、これら各下孔30にシェービング加工パンチ47、47によるシェービング加工を施し、上記余肉部を除去すると共に、上記各下孔30を仕上げて、上記通孔とする。
【選択図】 図1

Description

この発明は、エンジンの動弁機構に組み込み、カムシャフトの回転を弁体(吸気弁及び排気弁)の往復運動に変換する為のロッカーアームのうち、金属板にプレス加工を施す事により造る、板金製ロッカーアームの製造方法の改良に関する。
レシプロエンジン(往復ピストンエンジン)には、一部の2サイクルエンジンを除き、クランクシャフトの回転と同期して開閉する吸気弁及び排気弁を設けている。この様なレシプロエンジンでは、上記クランクシャフトの回転と同期して(4サイクルエンジンの場合には1/2の回転速度で)回転するカムシャフトの動きを、ロッカーアームにより、上記吸気弁及び排気弁に伝達し、これら吸気弁及び排気弁をそれぞれの軸方向に往復運動させる。
この様なエンジンの動弁機構に組み込むロッカーアームを低コストで得る為に、鋼板等の金属板に、打ち抜き加工、曲げ加工等のプレス加工を施す事により造る事が考えられ、一部で実施されている。この様な板金製ロッカーアームに就いて記載した刊行物として、特許文献1〜5が存在する。図10は、このうちの特許文献1に記載された板金製ロッカーアーム1を示している。この板金製ロッカーアーム1は、互いにほぼ平行な1対の側壁部2、2と、これら両側壁部2、2の幅方向一端縁(図10の下端縁)同士を連結する連結部3及び第二連結部4とを有する。又、これら両側壁部2、2の長さ方向中間部に1対の通孔5、5を、互いに同心に形成し、これら両通孔5、5に、カムと係合するローラを回転自在に支持する為の支持軸(図示せず)の両端部を支持自在としている。上記連結部3及び第二連結部4のうち、連結部3の片面には、弁体の基端部を突き当てる為の係合部6を、第二連結部4に、ラッシュアジャスタの先端部を突き当てる為の第二係合部7を、それぞれ形成している。
上記係合部6と第二係合部7とのうち、係合部6は、上記連結部3の幅方向中間部の片面に、この連結部3の幅方向中間部を厚さ方向に塑性変形させる事により、この連結部3の他の部分よりも凹んだ凹溝状に形成している。これに対して、上記第二係合部7は、上記第二連結部4の中央部を厚さ方向に塑性変形させる事により、球状凹面としている。
上述の様な板金製ロッカーアーム1は、図11〜14に示す様にして製造する。先ず第一工程で、肌焼き鋼板の如き炭素鋼板等、十分な剛性を有する金属板(平板材若しくはコイル材)を、図示しないプレス装置に供給し、図11に示す様な第一素板8を、打ち抜き成形により造る。この第一素板8は、幅方向{図11(A)の上下方向}中央部の、図11(A)に記載した2本の鎖線α、αよりも少し内側部分(幅方向中央寄り部分)の基部9と、この基部9の幅方向両側に設けた1対の翼状部10、10とを備える。この様な第一素板8の中央部には、次の第二工程で、図12(A)に示す様に、透孔11を形成して、第二素板12とする。この透孔11は、大略鼓形で、幅方向両側縁に1対の舌状部13、13を形成している。
上述の様な第二素板12は、図示しないプレス装置に上記第一素板8(図11)を供給し、上記透孔11を打ち抜く事により形成する。尚、上記第二素板12を形成する順序は、上記第二工程で行なうとした透孔11の打ち抜き形成を始めに行ない、次に、上記第一工程で行なうとした、基部9及び翼状部10、10の打ち抜き形成を行なっても良い。更には、素材となる金属板から、直接図12に示す様な第二素板12を形成しても良い。
何れにしても、図12に示す様な形状に加工した、上記第二素板12は、次の第三工程で、プレス装置に供給して、上記基部9及び翼状部10、10に曲げ加工を施す。そして、上記第二素板12を、1対の側壁部2、2(次述する図13参照)と、これら両側壁部2、2の幅方向端縁同士を連結した半円筒状の湾曲部とから成る、第一中間素材(図示せず)とする。この湾曲部は、長さ方向中間部で、上記透孔11に対応する部分が不連続になっている。そして、次の第四工程で、この湾曲部に押圧加工を施して、図13に示す様な第二中間素材14とする。即ち、この第四工程では、上記湾曲部を平板状に加工すると共に厚さを増大させて、図13に示す様に、上記第一素板8(図11)の厚さt8 よりも大きな厚さ{t3 、t4 (=t3 )}を有する連結部3及び第二連結部4とする。これら連結部3及び第二連結部4により、1対の側壁部2、2の幅方向端縁同士を連結している。尚、上記湾曲部は、湾曲していれば良く、必ずしも半円筒状でなくても良い。
上記第四工程で、上記第一中間素材に比較的厚肉の連結部3及び第二連結部4を形成した第二中間素材14を得たならば、次の第五行程で、これら連結部3及び第二連結部4に塑性加工若しくは切削加工、更には必要とする研削加工を施し、図14に示す様な第三中間素材15を造る。即ち、第五工程では、上記第二中間素材14(図13)を鍛造加工機にセットして、上記連結部3及び第二連結部4に冷間鍛造を施す事により、この連結部3に、図示しない弁体の基端部を突き当てる為の係合部6を、上記第二連結部4に、図示しないラッシュアジャスタの先端部を突き当てる為の第二係合部7を、それぞれ形成する。この様にして得られた第三中間素材15には、次の第六工程で、1対の側壁部2、2の中間部で互いに整合する位置に、それぞれ円形の通孔5、5(図10)を形成して、前述の図10に示した板金製ロッカーアーム1の完成品とする。
又、従来から、この様な板金製ロッカーアーム1に於いて、各側壁部2、2に形成した通孔5、5の外端(側壁部2、2及び通孔5、5に関して「外」とは、1対の側壁部2、2同士で互いに対向しない側を言い、逆に、1対の側壁部2、2同士で互いに対向する側を、「内」と言う。本明細書及び特許請求の範囲全体で同じ。)側開口縁部に面取りを形成する事が考えられている。この様な面取りを形成する事により、ローラを外嵌支持する為の図示しない支持軸の端部を上記通孔5に挿通し易くすると共に、この支持軸の両端部を側壁部2、2にかしめ固定し易くする事ができる。
この様に1対の側壁部2、2の通孔5、5の外端側開口縁部に面取りを形成する為の製造方法として、例えば、特許文献2に記載されている様に、通孔5、5の打ち抜き加工と同時に面取りを形成する事が、従来から考えられている。この特許文献2に記載された板金製ロッカーアームの製造方法の場合には、図15に示す様な、1対の側壁部2、2と、これら両側壁部2、2の幅方向一端縁同士を連結する連結部3及び第二連結部4とを有する中間素材16を造った後、この中間素材16を、図16に示す様な孔あけ装置17にセットする。この孔あけ装置17は、設置台18の上部に打ち抜きダイ19を設けており、この打ち抜きダイ19の両側に1対の打ち抜きパンチ20、20を、この打ち抜きダイ19の通孔21に対向させた状態で、互いに同軸上に配置している。これら各打ち抜きパンチ20、20は、1対の支持台22、22に軸方向(図16の左右方向)の変位を自在に支持している。又、上記各打ち抜きパンチ20、20の基端側に1対の昇降部材23、23を、それぞれ固定の部分に対する昇降を自在に支持しており、これら各昇降部材23、23の下端寄り部分に設けたカム面24、24を、上記各打ち抜きパンチ20、20の基端部に設けたカム面25、25に対向させている。又、上記各打ち抜きパンチ20、20の先端部に設けた打ち抜き部26、26の基端部に、テーパ面状の面押し部27、27を形成している。これら面押し部27、27は、打ち抜きパンチ20、20の基端側に向かう程拡径している。
上記各側壁部2、2に通孔5(図10参照)をそれぞれ形成する場合には、上記打ち抜きダイ19に上記中間素材16を外嵌する。そして、上記各側壁部2、2の外側面に上記各打ち抜きパンチ20、20の打ち抜き部26、26を対向させる。この状態で、上記各昇降部材23、23を下降させ、上記各カム面24、25同士の係合により上記各打ち抜きパンチ20、20を、上記各側壁部2、2に向け移動させて、これら各側壁部2、2に打ち抜き加工を施し、上記各通孔5を形成する。
この打ち抜き加工時に生じた上記各側壁部2、2の打ち抜き廃材(抜きカス)は、上記打ち抜きダイ19の通孔21内に押し込まれる。そして、打ち抜き加工後に、上記中間素材16をこの打ち抜きダイ19から取り外して、上記通孔21内に図示しない押し出しピンを挿通させる事により、この通孔21内から上記打ち抜き廃材を排出する。又、上記各側壁部2、2に通孔5を形成するのと同時に、これら各通孔5の外端側開口縁部には、上記各打ち抜き部26、26の基端部に形成した面押し部27、27により面取り28(次述する図17参照)が形成される。即ち、上記各側壁部2、2に打ち抜き加工により通孔5を形成するのと同時に、上記面押し部27、27が、これら各通孔5の外端側開口周辺部を圧潰変形させて、この外端側開口縁部に面取り28を形成する。
但し、この様にして、各通孔5の形成と同時に面取り28を形成する場合には、上記各側壁部2、2の外側面で、上記各通孔5の外端側開口周辺部に、歪みによる凸状の塑性変形部が生じ易くなる。即ち、図17に示す様に、各打ち抜きパンチ20により各側壁部2に打ち抜き加工を施した場合、これら各打ち抜きパンチ20の打ち抜き部26の外径D26と、この打ち抜き加工により形成する通孔5の内径d5 とは同じになる。この為、通孔5の外端(図17の左端)縁部に面取り28を形成する際に、上記側壁部2の外側面で通孔5の外端側開口周縁部を軸方向に押圧した事による材料の逃げを、この通孔5の内周面に生じさせる事ができず、この通孔5の外端側開口周辺部に上記逃げが生じ易くなる。この結果、この外端側開口周辺部に凸状に盛り上がった塑性変形部29が生じ易くなり、各側壁部2の外側面を良好な平坦面にする事が難しくなる。
又、前記特許文献3、4には、各側壁部の通孔の下孔を形成する為の打ち抜きパンチと、各通孔の仕上加工用のシェービング加工パンチとのうちの何れかの打ち抜き部の基端部にテーパ面状の面押し部を形成しておき、上記下孔の形成又は通孔の仕上加工と同時に、この下孔又は通孔の外端側開口に面取りを形成する、板金製ロッカーアームの製造方法が記載されている。この様な特許文献3、4に記載された板金製ロッカーアームの製造方法の場合も、面取りの形成時に、上述の図17に示した場合と同様に、各側壁部の外側面で下孔又は通孔の外端側開口周辺部に、凸状の塑性変形部が生じ易くなる。
これに対して、各側壁部に形成した通孔をシェービング加工により仕上加工した後、これら各通孔の外端側開口縁部に面取りを形成する事も考えられるが、この場合には、面取り形成に伴い各通孔部分が塑性変形して、これら各通孔の形状及び寸法の精度が悪化してしまう。
又、図18に示す様に、各側壁部2に下孔30を形成する際に、図19に取り出して示す様な特殊形状の打ち抜きパンチ20aを使用する事も、従来から考えられている。この打ち抜きパンチ20aは、打ち抜き部26の基端側(図18、19の左端側)に、この打ち抜き部26の外径よりも小さい外径を有する環状の逃げ溝31を形成すると共に、この逃げ溝31の基端側(図18、19の左端側)にテーパ面状の面押し部27を形成している。下孔30を形成すべく、上記打ち抜きパンチ20aにより側壁部2に打ち抜き加工を施すと、この打ち抜き加工と同時に、上記面押し部27が、下孔30の外端側(図18の左端側)開口周縁部を圧潰変形させて、面取り28を形成する。又、上記打ち抜き加工時に上記下孔30の内周面に、図18に斜格子で表す様な凸状に盛り上がった塑性変形部32が生じた場合でも、打ち抜き時には、上記逃げ溝31が、この塑性変形部32と打ち抜きパンチ20aとの干渉を防止する。この為、上記側壁部2の外側面に凸状の塑性変形部29(図17参照)が生じるのを抑える事ができる。但し、この様な特殊形状の打ち抜きパンチ20aを使用する場合、上記打ち抜き加工後に、打ち抜きパンチ20aを下孔30内から図18左方に抜き出そうとしても、上記逃げ溝31内に入り込んだ塑性変形部32により、打ち抜きパンチ20aを下孔30から抜き出す事ができなくなってしまう。この為、この様な特殊形状の打ち抜きパンチ20aを使用して、側壁部2の変形を抑えつつ良好な通孔を形成する事はできない。
特開2003−343215号公報 特許第3497368号公報 特許第3582977号公報 特開平11−210417号公報 特開2004−66259号公報
本発明の板金製ロッカーアームの製造方法は、上述の様な事情に鑑みて、各側壁部に形成する通孔の形状及び寸法の精度を良好に確保しつつ、これら各側壁部の外側面の変形を抑えるべく発明したものである。
本発明の製造方法の対象となる板金製ロッカーアームは、前述の図10に示した従来から知られている板金製ロッカーアームと同様に、1枚の金属板を打ち抜き成形する事により、所定の形状を有する素板を形成し、この素板にプレス加工に基づく曲げ加工を施す事により、互いにほぼ平行な1対の側壁部とこれら両側壁部の幅方向一端縁同士を連結する連結部とを形成して成る。そして、これら両側壁部の互いに整合する位置に形成した少なくとも1対の通孔と、上記連結部の一部に設けた、少なくとも1個の係合部とを備える。 そして、本発明の板金製ロッカーアームの製造方法は、上記1対の通孔を形成する工程が、(a)〜(c)の工程を備える。
(a) 上記1対の側壁部に、それぞれが上記各通孔の仕上がり径よりも小さい内径を有する1対の下孔を、打ち抜き加工により形成する工程。
(b) (a)の工程後に、上記各下孔の外端側開口縁部に面取り加工を行ない、この面取り加工と同時に上記各下孔の内周面に凸状の余肉部を発生させる工程。
(c) (b)の工程後に、上記各下孔に仕上加工を施し、この仕上加工により上記余肉部を除去すると共に、これら各下孔の内径を上記仕上がり径として、これら各下孔を上記各通孔とする工程。
上述の様に構成する本発明の板金製ロッカーアームの製造方法の場合、各側壁部に打ち抜き加工により下孔を形成した後、この下孔の外端側開口縁部に面取り加工により面取りを形成し、更に、この面取り加工と同時に上記各下孔の内周面に凸状の余肉部を発生させている。この為、この面取り加工時に、上記各側壁部の外側面で上記各下孔の外端側開口周辺部に凸状の塑性変形部が形成されにくくなる。又、上記各下孔の内周面に発生した凸状の余肉部は、各通孔の仕上加工時に除去する為、これら各通孔内への支持軸の端部の挿通作業を容易に行なえる。これに対して、本発明の場合と異なり、各通孔の下孔を形成する作業と、これら各下孔の外端側開口縁部に面取りを形成する作業とを別に行なう場合で、この面取りの形成作業時に各下孔の内周面に凸状の余肉部が発生しない様に規制した場合には、各側壁部の外側面に上記凸状の塑性変形部が生じ易くなってしまう。本発明の場合には、この様な不都合をなくす事ができる。
本発明を実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した様に、上記(c)の工程で各下孔に施す仕上加工を、シェービング加工パンチによるシェービング加工とする。
この好ましい構成によれば、板金製ロッカーアームの製造作業をより容易に行なえ、板金製ロッカーアームの製造コストの低減を図れる。
又、本発明を実施する場合に好ましくは、前記(a)の工程で、1対の側壁部のうちの一方の側壁部に下孔を、この一方の側壁部の外側から打ち抜き加工により形成した後、他方の側壁部に別の下孔を、この他方の側壁部の外側から打ち抜き加工により形成する。
この好ましい構成の場合、上記各下孔を形成する為に、それぞれ軸方向寸法が大きい打ち抜き用通孔を形成した、互いに別の打ち抜きダイを使用する事ができ、各打ち抜きダイでの切り刃の厚さを大きくできる。この為、1対の側壁部同士の間隔が小さい場合でも、この切り刃の強度を十分に確保できる。又、これら両側壁部同士の間隔が小さい場合でも、各打ち抜きダイの内側に形成した、打ち抜き廃材を落下させる為の排出用孔部の幅をこの打ち抜き廃材の厚さに対して十分に大きくできる為、この打ち抜き廃材の排出を容易に行なえる。
又、本発明を実施する場合に好ましくは、前記(a)の工程で、1対の側壁部のうちの一方の側壁部の外側に配置した打ち抜きパンチにより、この一方の側壁部から他方の側壁部に向けこれら両側壁部を一度に打ち抜く事により、1対の下孔を形成する。
このより好ましい構成の場合、上記各下孔を形成する際に使用する、打ち抜きダイの切り刃の厚さをより大きくできる為、1対の側壁部同士の間隔が小さい場合でも、この切り刃の強度を十分に確保できる。又、他方の側壁部の外側の広い空間側に、両側壁部の打ち抜き廃材を排出できる為、上記1対の側壁部同士の間隔が小さい場合でも、この打ち抜き廃材の排出を容易に行なえる。
図1〜5は、本発明の実施例1を示している。尚、本実施例の特徴は、板金製ロッカーアーム1(図10参照)を造る際の、1対の側壁部2、2と、これら両側壁部2、2の幅方向一端縁同士を連結する連結部である、第一、第二連結部3、4とを形成して成る第三中間素材15(図14参照)の両側壁部2、2の互いに整合する位置に1対の通孔5(図5)を形成する、各通孔5の形成工程を工夫した点にある。その他の板金製ロッカーアーム1の構造、並びに、この板金製ロッカーアーム1を得る為の加工の基本手順に就いては、前述の図10〜14に示した従来例とほぼ同様である為、同等部分に関する説明は省略若しくは簡略にし、以下、本実施例の特徴部分を中心に説明する。
本実施例の板金製ロッカーアームの製造方法の場合、前述の図10〜14に示した従来例と同様にして第三中間素材15を造る第五工程の後、第六工程として、図1〜5に示す様にして、各側壁部2、2に通孔5を形成する。本実施例の場合、これら各通孔5を形成する工程が、次の(a)〜(c)の工程を備える。
(a) 上記1対の側壁部2、2に、それぞれが上記各通孔5の仕上がり径d5 (図5)よりも小さい内径d30(<d5 )(図2)を有する1対の下孔30を、打ち抜き加工により形成する工程。
(b) (a)の工程後に、上記各下孔30の外端側開口に面取り加工を行ない、この面取り加工と同時に上記各下孔30の内周面に凸状の余肉部33(図3)を発生させる工程。
(c) (b)の工程後に、上記各下孔30に仕上加工を施し、この仕上加工により上記余肉部33を除去すると共に、これら各下孔30を、内径が上記仕上がり径d5 である上記各通孔5とする工程。
具体的には、本実施例の場合、上記各側壁部2、2に、次の様にして通孔5を形成する。先ず、図1(a)に示す様に、これら各側壁部2、2のうちの一方(図1の右方、図2の左方)の側壁部2にこの一方の側壁部2の外側から打ち抜き加工を施す事により、この一方の側壁部2に上記下孔30{図1(b)、図2(c)}を形成する。次に、上記各側壁部2、2のうちの他方(図1の左方、図2の右方)の側壁部2にこの他方の側壁部2の外側から打ち抜き加工を施す事により、この他方の側壁部2にも下孔を形成する。上記一方の側壁部2に下孔30を形成する場合には、前述の図16に示した従来例で使用した孔あけ装置17で、図2に示す様な構造を有する打ち抜きダイ34を備えた孔あけ装置17aを使用する。即ち、この打ち抜きダイ34は、厚さ方向片側(図2の右側)に打ち抜き廃材(抜きカス)35を落下させる為の排出用孔部36を形成しており、この排出用孔部36の他側(図2の左側)に、打ち抜きパンチ20bの打ち抜き部を挿通自在な打ち抜き用通孔37を形成している。この打ち抜き用通孔37の一端(図2の右端)は、上記排出用孔部36の内側面に開口している。
この様な孔あけ装置17aにより上記一方の側壁部2に、下孔30を形成する際には、打ち抜きパンチ20bの打ち抜き部を上記一方の側壁部2の外側に、上記打ち抜き用通孔37と同軸上に配置する。そして、上記打ち抜き部によりこの一方の側壁部2を、この一方の側壁部2の外側から打ち抜く事により、上記下孔30を形成する。又、上記打ち抜きパンチ20bの打ち抜き部の外径D20b {図2(a)}は、上記各側壁部2、2の通孔5の仕上がり径d5 (図5)よりも僅かに小さくしている(D20b <d5 )。従って、打ち抜き加工後の下孔30の内径d30{図2(c)}は、上記仕上がり径d5 よりも僅かに小さくなる(d30<d5 )。又、この下孔30の打ち抜き加工の際には、上記打ち抜き部の先端面を上記打ち抜きダイ34の打ち抜き用通孔37の一端(図2の右端)開口に達するまで、又はこの一端開口よりも上記排出用孔部36内に突出するまで移動させ、上記打ち抜き加工により生じた打ち抜き廃材35をこの排出用孔部36内に押し出す。そして、上記打ち抜きダイ34の上部に形成した通孔38を通じて、上記排出用孔部36内に圧縮空気を供給する等により、この排出用孔部36内に押し出された打ち抜き廃材35を下方に落下させ、外部に排出する。
続いて第三中間素材15を上昇させる等により、この第三中間素材15を上記打ち抜きダイ34から取り外した後、この第三中間素材15を、別の打ち抜きダイを備えた孔あけ装置(図示せず)に移動させる。この別の打ち抜きダイは、上述の図2に示した打ち抜きダイ34で、排出用孔部36及び打ち抜き用通孔37を、厚さ方向に関して逆側に形成した如き構造を有する。そして、上述の図2に示した場合と逆の側から、他方(図2の右方)の側壁部2の外側に配置した打ち抜きパンチにより、この他方の側壁部2に打ち抜き加工を施して、この他方の側壁部2の、上記一方の側壁部2の下孔30と同心位置に、下孔を形成する。
次いで、図1(b)に示す様に、上記第三中間素材15の各下孔30の外端側開口縁部に同時に面取り加工を行ない、これら各下孔30の外端側開口縁部に面取り28を形成する。この為に、上記第三中間素材15を面取り加工装置39に移動させると共に、この面取り加工装置39の面取り加工ダイ40の上部に、上記第三中間素材15を嵌合させる。そして、この第三中間素材15の1対の側壁部2、2の外側に、1対の面取り加工パンチ41、41を、これら両パンチ41、41同士が同軸上に位置する様に配置する。これら各面取り加工パンチ41、41は、それぞれ図3に詳示する様に、円柱部42と、この円柱部42の先端側に連続するテーパ面状の面押し部43と、この面押し部43よりも先端側に設けた、上記円柱部42と同心の小径円柱部44とを備える。この小径円柱部44の外径D44(図3)は、各側壁部2に形成した下孔30の内径d30{図2(c)参照}よりも十分に小さくしている。又、上記面取り加工ダイ40は、上記各下孔30と整合する位置に、上記小径円柱部44の先端部を挿通自在な通孔(図示せず)を形成している。そして、図3に示す様に、上記面押し部43により、上記各下孔30の外端側開口周辺部を圧潰変形させる事により、これら各下孔30の外端側開口縁部に面取り28を形成する。又、この面取り28の加工に伴い、上記各下孔30の内周面に、図3に斜格子で表す様な、材料の流動による凸状の余肉部33を生じさせる。即ち、上記面押し部43により、各側壁部2の外側面で各下孔30の外端側開口周辺部を軸方向に押圧する事に伴い、各側壁部2の一部の材料が面取り28部分から逃げる様に流動する。これに対して、本実施例の様に、小径円柱部44の外径d44を下孔30の内径d30よりも十分に小さくしている場合には、材料が面押し部43の押圧方向前側である下孔30の内周面に逃げ易くなり、上記余肉部33がこの内周面に発生し易くなる。この様な面取り加工は、1対の側壁部2、2の両側に配置した1対の面取り加工パンチ41、41により、これら両パンチ41、41同士で同時に行なう。
この様にして各側壁部2、2の下孔30の外端側開口縁部に面取り28を形成したならば、図1(c)に示す様に、第三中間素材15をシェービング加工装置45に移動させ、このシェービング加工装置45のシェービング加工ダイ46の上部に、上記第三中間素材15を嵌合する。このシェービング加工ダイ46は、図4に詳示する様に、厚さ方向両側に形成した1対のシェービング用通孔48、48と、これら両シェービング用通孔48、48の間部分に設けた、内側に送られた打ち抜き廃材を落下させ、排出する為の排出用孔部49とを形成している。そして、上記第三中間素材15の各側壁部2、2の外側に配置した1対のシェービング加工パンチ47、47により、上記各下孔30の内周面にシェービング加工による仕上加工を同時に施す。そして、この仕上加工により、上記各下孔30の内周面に上記面取り加工に伴って生じた上記余肉部33(図3)を除去しつつ、この内周面を仕上げて、これら各下孔30を、それぞれが図5に示す様な、内径が前記仕上がり径d5 である、1対の通孔5とし、板金製ロッカーアーム1(図10参照)の完成品とする。これら各通孔5には、図示しないローラを回転自在に支持する為の支持軸の両端部を挿通させると共に、この両端部の端面を各面取り28に向け外径側にかしめ広げる事により、上記支持軸を上記各側壁部2、2に結合固定する。
上述の様に構成する本実施例の板金製ロッカーアームの製造方法の場合、各側壁部2、2に打ち抜き加工により下孔30を形成した後、これら各下孔30の外端側開口縁部に面取り加工により面取り28を形成し、更に、この面取り加工と同時に上記各下孔30の内周面に凸状の余肉部33を発生させている。この為、この面取り加工時に、上記各側壁部2、2の外側面で上記各下孔30の外端側開口周辺部に、塑性変形による凸状の塑性変形部29(図17)が形成されにくくなる。即ち、本実施例の様に、各側壁部2、2の下孔30の外端側開口に面取り28を形成すべく、これら下孔30の外端側開口周縁部を軸方向に押圧した場合には、面取り加工パンチ41の小径円柱部44の外径D44を下孔30の内径d30に対し十分に小さくしている事と相俟って、各側壁部2、2の一部の材料が面取り28の周囲よりも下孔30の内周面に逃げる様に流動し易くなる。この為、各側壁部2、2の外側面に上記凸状の塑性変形部29を形成されにくくして、この外側面の塑性変形を抑える事ができる。又、上記各下孔30の内周面に発生した凸状の余肉部33は、各通孔5の仕上加工時に除去する為、これら各通孔5内への支持軸の端部の挿通作業を、上記余肉部33により妨げられる事なく、容易に行なえる。これに対して、本実施例の場合と異なり、各通孔5の下孔30を形成する作業と、これら各下孔30の外端側開口に面取り28を形成する作業とを別に行なう場合で、この面取り28の形成作業時に各下孔30の内周面に上述の様な凸状の余肉部33が発生しない様に規制した場合には、各側壁部2の外側面に上記凸状の塑性変形部29が生じ易くなってしまう。本実施例の場合には、上述の様に構成する事により、この様な不都合をなくす事ができる。
又、本実施例の場合には、上記凸状の余肉部33を除去すると共に、上記各下孔30の内径を通孔5の仕上がり径d5 とする為の各下孔30に施す上記仕上加工を、シェービング加工パンチ47、47によるシェービング加工としている。この為、この仕上加工を、例えばリーマ仕上げとする場合に比べて、板金製ロッカーアーム1の製造作業をより容易に行なえ、板金製ロッカーアーム1の製造コストの低減を図れる。
又、本実施例の場合には、1対の側壁部2、2に1対の下孔30を、打ち抜き加工により形成する場合に、上記1対の側壁部2、2のうちの一方の側壁部2に下孔30を、この一方の側壁部2の外側から打ち抜き加工により形成した後、他方の側壁部2に下孔を、この他方の側壁部2の外側から打ち抜き加工により形成している。この為、上記各下孔30に、それぞれ軸方向寸法が大きい打ち抜き用通孔37を形成した、互いに別の打ち抜きダイ34を使用する事ができ、各打ち抜きダイ34での切り刃の厚さを大きくできる。例えば、上記各打ち抜き用通孔37の軸方向全長のほぼ総ての部分をストレートランド部(軸方向に平行な円筒面部)としている場合には、各切り刃の厚さはこれら各打ち抜き用通孔37の軸方向長さとほぼ一致する。この為、第三中間素材15の1対の側壁部2、2同士の間隔L{図2(b)}が小さい場合でも、上記各切り刃の強度を十分に確保できる。又、これら両側壁部2、2同士の間隔Lが小さい場合でも、各打ち抜きダイ34の内側に形成した、打ち抜き廃材35を落下させる為の排出用孔部36の幅W1 {図2(c)}を、打ち抜き廃材35の厚さW2 {図2(c)}に対して十分に大きくできる為、この打ち抜き廃材35の排出を容易に行なえる。
これに対して、本実施例の場合と異なり、図6に示す様に、1対の側壁部2、2に下孔30、30を形成する際に、孔あけ装置17bとして、両側壁部2、2の外側に1対の打ち抜きパンチ20c、20cを配置したものを使用し、これら両打ち抜きパンチ20c、20cにより上記両側壁部2、2を外側から、同時に打ち抜く事も考えられる。但し、この場合には、図6に示す様に、孔あけ装置17bの打ち抜きダイ34aが、厚さ方向両側に設けられた1対の打ち抜き用通孔37a、37aと、厚さ方向中央部に設けられた排出用孔部36aとを、それぞれ備えたものとなる。この為、特に、第三中間素材15の1対の側壁部2、2同士の間隔L{図6(c)}が小さくなる場合には、図示の例の様に、上記打ち抜きダイ34aの排出用孔部36aの両側に存在する各打ち抜き用通孔37a、37aの軸方向長さが小さくなり、各切り刃の厚さが小さくなってしまう。この為、これら各切り刃の強度を十分に確保する事が難しくなる。しかも、上記1対の側壁部2、2同士の間隔Lが小さくなる場合には、上記排出用孔部36aの幅W3 を、上記各側壁部2、2の打ち抜き加工により生じる1対の打ち抜き廃材35、35の厚さW4 の2倍分(2W4 )に対して十分に大きくする事が難しくなり、打ち抜き廃材35、35の排出作業が面倒になる。
言い換えれば、上述の図6に示す様にして各側壁部2、2に下孔30、30を形成する場合で、これら両側壁部2、2同士の間隔Lが小さくなる場合に、打ち抜き廃材35、35の排出用孔部36aの幅W3 を大きくすると、1対の切り刃の厚さが小さくなり(薄くなり)、各切り刃の強度が低下してしまう。逆に、これら各切り刃の強度を高くする為に、これら各切り刃の厚さを大きくする(厚くする)と、上記排出用孔部36aの幅W3 が小さくなり、打ち抜き廃材35、35の排出作業が困難になってしまう。本実施例の様に、各側壁部2、2に下孔30を順に形成する場合には、打ち抜きダイ34として、一方の側壁部2(又は他方の側壁部2)に打ち抜き加工を施す事ができると共に、この打ち抜き加工により生じた打ち抜き廃材35を排出できる事のみを考慮すれば良い為、上述の様な不都合をなくす事ができる。
尚、各側壁部2、2にシェービング加工を施す場合には、前述の図4に示した様に、シェービング加工ダイ46に第三中間素材15を嵌合させた状態で、1対のシェービング加工パンチ47、47により、上記両側壁部2、2にシェービング加工パンチ47、47を同時に打ち込む。この様なシェービング加工に伴い、各側壁部2、2の打ち抜き廃材が生じるが、シェービング加工による削り代は僅かであり、この打ち抜き廃材の径方向の厚さは十分に小さい(薄い)。この為、シェービング加工ダイ46の厚さ方向中央部に、1対のシェービング用通孔48、48に挟まれる様に、比較的幅の小さい排出用孔部49を形成している場合でも、この排出用孔部49により上記打ち抜き廃材を比較的容易に排出できる。又、この場合には、シェービング加工ダイ46の厚さ方向両側に形成した1対のシェービング用通孔48、48の軸方向長さも小さくなる傾向となるが、上記削れ代が僅かである為、シェービング加工ダイ46の切り刃の強度が問題になる事は少ない。
又、各下孔30に面取り28を形成する為の面取り加工パンチ41の形状は、前述の図1、3に示した様な形状に限定するものではなく、例えば、図7に示す様に、円柱部42の外径を、面取り28の外端側開口の直径よりも大きくし、この円柱部42の外周面とテーパ面状の面押し部43との間に段差面51を形成した面取り加工パンチ41aとするもできる。そして、面取り加工の際には、側壁部2の外側面で下孔30の外端側開口周縁部に上記段差面51を突き当てる。この様に、面取り加工の際に段差面51を下孔30の外端側開口周縁部に突き当てる様にすれば、面取り加工により上記側壁部2の外側面でこの下孔30の外端側開口周縁部に塑性変形部がより生じにくくなる。又、図8に示す様に、円柱部42の先端面に円すい凸状の突部52を形成し、この突部52の基端側部分により面取り28を形成する事もできる。勿論、面取り加工パンチの形状は、図3、7、8に示した形状に限定するものではない。
次に、図9は、本発明の実施例2を示している。本実施例の場合には、各側壁部2、2に下孔30、30を形成する為に、それぞれ厚さ方向に貫通する1本ずつの打ち抜き用通孔53を形成した1対の打ち抜きダイ34bを備えた孔あけ装置17cを使用している。尚、図9では、1対の打ち抜きダイ34bのうち、一方の打ち抜きダイ34bのみを記載し、他方の打ち抜きダイの図示を省略している。上記各下孔30、30の形成時には、上記1対の打ち抜きダイ34bのうち、一方の打ち抜きダイ34bに第三中間素材15を嵌合した状態で、1対の側壁部2、2のうちの一方(図9の左方)の側壁部2の外側に配置した打ち抜きパンチ20bにより、この一方の側壁部2から他方(図9の右方)の側壁部2に向け、これら両側壁部2、2を一度に打ち抜く。又、この打ち抜きパンチ20bによる打ち抜き加工を行なう以前に、上記他方の側壁部2の外側面に押し付ける様に、図示しない上記他方のダイを設置する。この他方のダイにも、上記一方のダイ34bと同様に、1本の打ち抜き用通孔を形成している。そして上記打ち抜き加工の際には、上記一方の側壁部2の打ち抜き加工により生じた打ち抜き廃材35を介して、上記打ち抜きパンチ20bの先端部を上記他方の側壁部2に押し付けて、この他方の側壁部2を打ち抜く。これにより、この他方の側壁部2の打ち抜き後に、1対の側壁部2、2の打ち抜き廃材35、35が互いに重ね合わされた状態で、この他方の側壁部2の外側に配置した他方のダイの打ち抜き用通孔を通じて、外部に排出される。この結果、上記各側壁部2、2に下孔30、30が形成される。打ち抜き後には、上記打ち抜きパンチ20bを、これら両側壁部2、2の下孔30、30及び1対の打ち抜きダイ34bから抜き出す。
上述の様に構成する本実施例の場合には、上記各下孔30、30を形成する為の打ち抜きダイ34bの打ち抜き用通孔53の軸方向長さがより大きくなる為、打ち抜きダイ34bの切り刃の厚さをより大きくできる。この為、1対の側壁部2、2同士の間隔が小さい場合でも、この切り刃の強度を十分に確保できる。又、他方のダイの外側の広い空間側に、両側壁部2、2の打ち抜き廃材35、35を排出できる為、これら両側壁部2、2同士の間隔が小さい場合でも、この打ち抜き廃材35、35の排出を容易に行なえる。更に、本実施例の様に、1本の打ち抜きパンチ20bにより1対の側壁部2、2を一度に打ち抜く場合には、各側壁部2、2に別の打ち抜きパンチにより打ち抜き加工を行なう場合よりも1対の通孔5(図5)の通りを出し易い(同心にし易い)。
又、1対の下孔30、30は、シェービング加工により、所定の形状の通孔5(図5参照)に仕上加工する為、上記各下孔30、30の位置及び形状の精度を過度に高くする必要はない。しかも、本実施例の場合には、各下孔30、30の形成後に、1対の側壁部2、2の両側に、互いに同軸上に配置したシェービング加工パンチにより、これら両側壁部2、2にシェービング加工を同時に行なう為、各通孔5の位置及び形状の精度を十分に高くできる。
その他の構成及び作用に就いては、上述の図1〜5に示した実施例1の場合と同様である為、重複する説明は省略する。
本発明の実施例1の板金製ロッカーアームの製造方法で、第三中間素材の各側壁部に通孔を形成する工程を順に示す斜視図。 同じく一方の側壁部に打ち抜き加工により下孔を形成する様子を順に示す、図1(a)のA−A断面相当図。 同じく一方の側壁部の下孔の外端側開口縁部に面取り加工を行なう状態を示す、面取り加工パンチ及び一方の側壁部の部分断面図。 同じく1対の側壁部の下孔にシェービング加工を行なう状態を示す、図1(c)のB−B断面図。 下孔にシェービング加工による仕上加工を施した後の状態を示す、一方の側壁部の部分断面図。 各側壁部に打ち抜き加工により下孔を形成する際の好ましくない例を示す、図2と同様の図。 一方の側壁部の下孔の外端側開口縁部に面取り加工を行なう場合の別の第1例を示す、図3と同様の図。 同第2例を示す、図3と同様の図。 本発明の実施例2の板金製ロッカーアームの製造方法を一部を省略して示す、図2と同様の図。 板金製ロッカーアームの従来構造の1例を示す斜視図。 この板金製ロッカーアームを製造する方法の従来例で、第一工程により得られる素板を示しており、(A)は平面図、(B)は(A)のa−a断面図、(C)は(A)のb−b断面図、(D)は(A)のc−c断面図。 同じく第二工程により得られる第二素板を示しており、(A)は平面図、(B)は(A)のa−a断面図、(C)は(A)のb−b断面図、(D)は(A)のc−c断面図。 同じく第四工程により得られる第二中間素材を示しており、(A)は平面図、(B)は(A)のa−a断面図、(C)は(A)のb−b断面図、(D)は(A)のc−c断面図。 同じく第五工程により得られる第三中間素材を示しており、(A)は平面図、(B)は(A)のa−a断面図、(C)は(A)のb−b断面図、(D)は(A)のc−c断面図。 板金製ロッカーアームの製造方法の従来例の別例により得られる中間素材を示しており、(A)は(B)のa−a断面図、(B)は平面図。 この中間素材の各側壁部に通孔を形成する状態を示す断面図。 図16に示した状態から一方の側壁部に打ち抜きパンチを打ち込んだ状態を示す、図16のC部拡大断面相当図。 打ち抜きパンチの従来から考えられている構造の1例により、一方の側壁部に打ち抜き加工を行なうと共に、下孔の端部に面取りを形成した状態を示す、図17と同様の図。 図18から打ち抜きパンチのみを取り出して示す図。
符号の説明
1 板金製ロッカーアーム
2 側壁部
3 連結部
4 第二連結部
5 通孔
6 係合部
7 第二係合部
8 第一素板
9 基部
10 翼状部
11 透孔
12 第二素板
13 舌状部
14 第二中間素材
15 第三中間素材
16 中間素材
17、17a〜17c 孔あけ装置
18 設置台
19 打ち抜きダイ
20、20a〜20c 打ち抜きパンチ
21 通孔
22 支持台
23 昇降部材
24 カム面
25 カム面
26 打ち抜き部
27 面押し部
28 面取り
29 塑性変形部
30 下孔
31 逃げ溝
32 塑性変形部
33 余肉部
34、34a、34b 打ち抜きダイ
35 打ち抜き廃材
36、36a 排出用孔部
37、37a 打ち抜き用通孔
38 通孔
39 面取り加工装置
40 面取り加工ダイ
41、41a、41b 面取り加工パンチ
42 円柱部
43 面押し部
44 小径円柱部
45 シェービング加工装置
46 シェービング加工ダイ
47 シェービング加工パンチ
48 シェービング用通孔
49 排出用孔部
50 壁部
51 段差面
52 突部
53 打ち抜き用通孔

Claims (2)

  1. 1枚の金属板を打ち抜き成形する事により、所定の形状を有する素板を形成し、この素板にプレス加工に基づく曲げ加工を施す事により、互いにほぼ平行な1対の側壁部とこれら両側壁部の幅方向一端縁同士を連結する連結部とを形成して成り、これら両側壁部の互いに整合する位置に形成した少なくとも1対の通孔と、上記連結部の一部に設けた、少なくとも1個の係合部とを備えた板金製ロッカーアームの製造方法であって、上記1対の通孔を形成する工程が、(a)〜(c)の工程を備える板金製ロッカーアームの製造方法。(a) 上記1対の側壁部に、それぞれが上記各通孔の仕上がり径よりも小さい内径を有する1対の下孔を、打ち抜き加工により形成する工程。
    (b) (a)の工程後に、上記各下孔の外端側開口縁部に面取り加工を行ない、この面取り加工と同時に上記各下孔の内周面に凸状の余肉部を発生させる工程。
    (c) (b)の工程後に、上記各下孔に仕上加工を施し、この仕上加工により上記余肉部を除去すると共に、これら各下孔の内径を上記仕上がり径として、これら各下孔を上記各通孔とする工程。
  2. (c)の工程で下孔に施す仕上加工を、シェービング加工パンチによるシェービング加工とする、請求項1に記載した板金製ロッカーアームの製造方法。
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