JP2006347912A - ルテニウム錯体、同錯体を含む色素増感金属酸化物半導体電極、及び該半導体電極を備えた太陽電池 - Google Patents

ルテニウム錯体、同錯体を含む色素増感金属酸化物半導体電極、及び該半導体電極を備えた太陽電池 Download PDF

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Abstract

【課題】熱や光に対して安定な構造を持ち、かつ太陽電池の増感色素として用いた場合にそのエネルギー変換効率を飛躍的に増大することができるルテニウム錯体を提供する。
【解決手段】2座配位子のビピリジン誘導体がトランス型に配置された構造を有し、下記一般式(I)で示されるルテニウム錯体。
【化1】
Figure 2006347912

(式中、R、R、Rは水素原子またはCOOMであり、そのうち少なくとも一つはCOOMである。Mは水素原子また第4級アンモニウムカチオンを、Rは水素原子あるいは置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいパーフルオロアルキル基である。)
【選択図】なし

Description

本発明は、新規なルテニウム錯体、該錯体を含む金属酸化物半導体電極及び該半導体電極を備えた太陽電池に関するものである。
スイス・ローザンヌ工科大学のグレッツェル等によって考案された新しい色素増感太陽電池、いわゆるグレッツェル・セルは、従来の太陽電池と比較して低い製造コストで高い性能を実現できる可能性があることから次世代型太陽電池として近年世界的に注目を集めている。
本タイプの太陽電池に於いては、増感色素としてルテニウム−ポリピリジン錯体が用いられることが多く、特にエネルギー変換効率が高いものとして、2,2´−ビピリジン誘導体あるいはターピリジン誘導体を配位子として有するルテニウム−チオシアネート錯体がよく知られている。
色素増感太陽電池の実用化のためには、エネルギー変換効率等電池性能のさらなる向上とともに、電池寿命の向上も極めて重要な研究課題になってくる。そのためにはルテニウム錯体などの増感色素として使用される化合物についても、高温や光照射といった厳しい条件下においても長期にわたって安定であることが要求される。
その観点から前述の現在最もよく使用されている上記2種のルテニウム錯体について見ると、同錯体においては熱や光の刺激による一部配位子の解離やシス体とトランス体の間の異性化反応の可能性が指摘されており、より安定な錯体増感色素の開発が必要と言える。
環状または擬環状構造の多座配位子化合物は中心金属への配位点の増加により、より安定な金属錯体を形成するという利点があり、上記のような問題を解決できることが期待される。このようなタイプのルテニウム錯体としていくつかの例が報告されている(特許文献1、非特許文献1)。
例えば、特許文献1においては、光や熱に対してより安定な錯体増感色素として、ポリピリジン系の2座配位子が2つ結合した構造の4座配位子を有することを特長とするルテニウム錯体、それを増感色素として用いた金属酸化物半導体電極、その電極により構成された色素増感太陽電池が提案されている。
この特許文献1には、「この金属錯体色素は、1,10-フェナントロリン、1,10-フェナントロリン誘導体、2,2'-ビピリジル及び2,2'-ビピリジル誘導体からなる群から選択される何れか2種の2座配位子を2価の基を介して結合させた構造の4座配位子をチオシアンイオン以外の配位子として有する。この4座配位子は、上記の2座配位子が2つずつ独立に配位中心に配位した従来の金属錯体色素に比較して配位中心に対する各配位子の位置移動やそれに伴う配位子の配向の変化を起しにくく、構造安定性に優れている。そのため、本発明の金属錯体色素は優れた耐熱性、耐光性及び化学的安定性を有する。」旨記載されている。また、「特に、配位中心に2座配位子が2つ配位した状態の錯体にはシス型とトランス型の異性体があり、トランス型は不安定で安定なシス型に異性化する。異性化を防いで安定的にトランス型を得るためには、本発明のように2つの2座配位子を連結する方法が有効である。ここで、トランス型を得るためには2つの2座配位子を連結する2価の基が1〜3個の原子鎖を有していることが好ましい。また、シス型を得るためには2つの2座配位子を連結する2価の基が4個以上の原子鎖を有していることが好ましい。」ことも記載されている。
しかしながら、具体的に合成され、かつその性能について言及されている化合物は、実施例1〜5に記載されているシス型の金属錯体に過ぎず、他のシス型化合物更にはトランス型の金属錯体については何ら開示されておらず、また、その性能に関しても何ら言及されていない。
しかも、実施例1〜5に開示されている金属錯体にあっても、これを色素増感剤とした太陽電池はそのエネルギー変換効率は高々2.7%前後であり、その基本性能は何れも高いものとは言えなかった。
Figure 2006347912

Figure 2006347912

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Figure 2006347912
特開2003−3083号公報 Inorg. Chem. 2002, 41,367-378
このように、従来の4座配位子を有し熱や光に対して安定な構造のルテニウム錯体では、太陽電池の増感色素に用いた場合、エネルギー変換効率等の電池の基本性能が低く、その改善が強く求められていた。
本発明は、熱や光に対して安定な構造を持ち、かつ太陽電池の増感色素として用いた場合にそのエネルギー変換効率を飛躍的に増大することができるルテニウム錯体を提供することを目的とするものである。
本発明者は、ルテニウム錯体の配位子について鋭意検討した結果、2座配位子のビピリジン誘導体がトランス型に配置された構造を特長とするルテニウム錯体を新たに考案することにより、従来のものに比しその性能が著しく向上することを知見した。本発明はかかる知見に基づいてなされたものである。
すなわち、この出願によれば、以下の発明が提供される。
(1)一般式(I)で示されるルテニウム錯体。
Figure 2006347912
(式中、R、R、Rは水素原子またはCOOMであり、そのうち少なくとも一つはCOOMである。Mは水素原子また第4級アンモニウムカチオンを、Rは水素原子あるいは置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいパーフルオロアルキル基である。)
(2)上記(1)に記載のルテニウム錯体を含む金属酸化物半導体電極。
(3)半導体電極とその対極、およびそれらの電極に接触するレドックス電解質とから構成される色素増感型太陽電池であって、半導体電極が上記(2)に記載の金属酸化物半導体電極であることを特徴とする色素増感型太陽電池。
本発明のルテニウム錯体は、2座配位子のビピリジン誘導体がトランス型に配置されると共にチオシアナート配位子がルテニウム原子の上下に配位された構造を有することから、これを色素増感型太陽電池の金属酸化物半導体電極を修飾する増感剤として用いると、従来の同種のルテニウム錯体を使用した場合に比べ、飛躍的にそのエネルギー変換効率を高めることができる。
本発明の金属錯体は、前記一般式(I)で示され、2座配位子のビピリジン誘導体がルテニウム金属原子に対してトランスに配置され(ルテニウム金属原子に対向して、2座配位子のビピリジン誘導体が配置され)、チオシアナート配位子がルテニウム原子の上下に配置された構造を有することを特徴としている。
一般式(I)において、R、R、Rは水素原子またはCOOMであり、そのうち少なくとも一つはCOOMである。Mは水素原子また第4級アンモニウムカチオンを、Rは水素原子あるいは置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいパーフルオロアルキル基である。
この場合、前記一般式(I)で示されるルテニウム錯体が、酸化物半導体表面に強固に吸着するように、R、R、Rのうち少なくとも1つ、即ち分子全体では少なくとも2つ以上がCOOMであることが好ましく、更に好ましくは、分子全体では少なくとも3つ以上より好ましくは4つ以上がCOOMであることが望ましい。
また、前記一般式(I)で示されるルテニウム錯体において、Rが置換基を有してもよいアリール基の例としてはフェニル基、ナフチル基、トリル基、エチルフェニル基などを、置換基を有してもよい炭素数1から30であるアルキル基の例としてはメチル基、エチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ベンジル基、フェネチル基、フェニルブチル基などを挙げることが出来る。また、置換基を有してもよい炭素数1から7であるパーフルオロアルキル基の例としてはパーフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基などを挙げることが出来る。
前述の一般式(I)で示されるルテニウム錯体の代表的なものについて、具体的な構造式を示すと下記の式(II)、(III)及び(IV)等で示される化合物が挙げられる。
Figure 2006347912
Figure 2006347912
Figure 2006347912
一般式(I)で示されるルテニウム錯体の配位子ビス[2,2´]ビピリジニイル−6−イル−アミン誘導体(一般式(V))は、2分子の一般式(VI)で示される2,2´−ビピリジン誘導体と一般式(VII)で示されるアンモニア又は一級アミンとを反応させることにより製造できる。
Figure 2006347912
Figure 2006347912
Figure 2006347912

(式中、R、R、Rは水素原子またはCOOMであり、そのうち少なくとも一つはCOOMである。Mは水素原子また第4級アンモニウムカチオンを、Rは水素原子あるいは置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいパーフルオロアルキル基である。Xは塩素あるいは臭素原子である。)
この反応は、適当な溶媒中において、塩基及び触媒の存在下に行うのが有利である。溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、n−ヘキサン、シクロヘキサンなどの脂肪族もしくは脂環式炭化水素、エチルアルコール、t−ブチルアルコールなどのアルコール類、ジメチルホルムアミド、アセトアミドなどの酸アミド類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類など挙げることが出来るが、特にトルエンが好適である。塩基としてはナトリウムtert-ブトキシド、カリウム tert-ブトキシドなどの金属アルコキシドや炭酸セシウム、炭酸カリウムなどの炭酸塩が好ましく、また触媒としては2価の酢酸パラジウム、塩化パラジウムなどのパラジウム塩とホスフィンの混合物若しくはゼロ価のパラジウムのホスフィン錯体が好適である。
反応温度は、使用する原料の種類や触媒の量、溶媒の種類によって異なるが、一般には室温から150℃、好ましくは60〜100℃の範囲で行われる。さらに、反応時間は、反応温度や原料の種類により異なり、一概に定めることは出来ないが、通常2〜24時間である。触媒の量は、前期一般式(VI)で示されるビピリジン誘導体、同じく一般式(VII)で示されるアミンに対してモル量で0.5〜10%、好ましくは2〜5%である。また、触媒の活性を保つために、脱水溶媒を使用し、窒素やアルゴンなどの不活性気体雰囲気下で反応を行うことが望ましい。
また、一般式(I)で示されるルテニウム錯体の配位子ビス[2,2´]ビピリジニイル−6−イル−アミン誘導体(一般式(V))は、一般式(VIII)で示される2,2´−ビピリジン誘導体と前述の一般式(VI)で示されるビピリジン誘導体とを反応させることによっても製造できる。
Figure 2006347912
前記一般式(I)で示されるルテニウム錯体は、前記一般式(II)で示されるビス[2,2´]ビピリジニイル−6−イル−アミン誘導体と金属化合物を適当な溶媒中で加熱することによって得られる一般式(IX)で示されるルテニウム錯体を経由して製造できるが、金属化合物としては金属塩や置換可能な配位子を有する金属錯体などが挙げられる。例えば、一般式(IX)において、Xが塩素イオンの場合は相当する金属の塩化物を用いる。溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、エチルアルコール、t−ブチルアルコールなどのアルコール類、ジメチルホルムアミド、アセトアミドなどの酸アミド類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジグライム(ジエチレングリコールジメチルエーテル)などのエーテル類など挙げることが出来るが、特にジメチルホルムアミド、ジグライムが好適である。
Figure 2006347912
((式中、R、R、Rは水素原子またはCOOMであり、そのうち少なくとも一つはCOOMである。Mは水素原子また第4級アンモニウムカチオンを、Rは水素原子あるいは置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいパーフルオロアルキル基である。Xは塩素あるいは臭素原子である。)
この反応は、使用する誘導体や金属塩の、溶媒の種類によって異なるが、一般には50℃から160℃、好ましくは100〜140℃の範囲で行われる。さらに、反応時間は、反応温度や原料の種類により異なり、一概に定めることは出来ないが、通常2〜5時間である。
一般式(IX)で示されるルテニウム錯体から一般式(I)で示されるルテニウム錯体への変換は、上記金属錯体(IX)とチオシアネートのアルカリ金属塩あるいはアンモニウム塩を適当な溶媒中で加熱することによって得られる。溶媒としては、例えば水、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、エチルアルコール、t−ブチルアルコールなどのアルコール類、ジメチルホルムアミド、アセトアミドなどの酸アミド類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類など挙げることが出来るが、特にジメチルホルムアミドが好適である。
この反応は、使用する原料、溶媒の種類によって異なるが、一般には50℃から160℃、好ましくは100〜140℃の範囲で行われる。さらに、反応時間は、反応温度や原料の種類により異なり、一概に定めることは出来ないが、通常2〜5時間である。
本発明に係るルテニウム錯体は、酸化物半導体電極の増感剤として有用なものである。酸化物半導体としては、多孔質のTiO、ZnO,SnO,WOなどを挙げるが、特にTiOが好適である。本発明のルテニウム金属錯体を用いて酸化物半導体電極を作製する方法は特に制限されないが、たとえば、導電性ガラスなどの基盤の上に形成された酸化物半導体膜をルテニウム錯体の溶液に浸漬することによって作製される。溶媒としてはアルコール類、ニトリル類、アミド類あるいはそれらの混合物が用いられるが、特にメタノール、エタノール、ブチロニトリルなどが好ましい。溶液の濃度や浸漬時間は溶液の温度や溶媒あるいは酸化物半導体膜や金属錯体の種類により異なり、一概に定めることは出来ないが、通常0.2mMの濃度で、室温で24時間程度である。
このように作製された一般式(I)で示されるルテニウム錯体で増感された酸化物半導体電極は、半導体電極とその対極、およびそれらの電極に接触するレドックス電解質とから構成される色素増感型太陽電池における半導体電極として利用することができる。
レドックス電解質は、周知のものを用いることが出来、例えば溶媒としてはアセトニトリル、酸化還元対としてヨウ素とヨウ化リチウムの混合物を、電解質としてイミダゾール塩などが用いられる。さらに添加物として4−tert―ブチルピリジンやデオキシコール酸などを加える場合もある。
以下に、実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1
[(ビス−(4´−カルボキシ−[2,2´]ビピリジニル−6−イル)−オクチル−アミン)ジチオシアナートルテニウム(II)(式(II))の合成]
このルテニウム錯体の合成経路を以下に示す。

Figure 2006347912
(1)6´−ブロモ−4−メチル−[2,2´]ビピリジニル(iii)の合成
アルゴン雰囲気下、2,6−ジブロモピリジン(ii)3.96g(16.7mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム579mg(0.501mmol)を含むTHF溶液30mlに4−メチル−2−ピリジルジンクブロミド(i)の0.5M THF溶液50ml(25mmol)を室温にて攪拌しつつ加える。反応混合物は一昼夜攪拌の後、水約100mlに注ぎ込む。生成物と錯体を形成している亜鉛の塩をEDTAと炭酸ナトリウムを加えて溶かす。塩化メチレンによる抽出で生成物を分離する。乾燥後塩化メチレンを溜去し、残った残渣をアルミナのカラムクロマトにかけて、塩化メチレンとヘキサンの混合溶媒を溶離液としてオイル状の生成物を分離する。収量2.05g(49.3%)
(2)6´−ブロモ−[2,2´]ビピリジニル−4−カルボン酸エチルエステル(iv)の合成
6´−ブロモ−4−[2,2´]ビピリジニル(iii)1.95g(7.83mmol)を水50mlに懸濁する。還流条件下懸濁液に過マンガン酸カリウム3.71g(23.5mmol)を数回に分けて攪拌しつつ加える。さらに加熱攪拌を3時間続ける。冷却後生成した二酸化マンガンを濾過、濾過物は数回熱水で洗う。濾液と洗液を合わせて全体で約20ml程度になるまで濃縮、3N塩酸でpH3にし、析出した白色固体の生成物(6´−ブロモ−[2,2´]ビピリジニル−4−カルボン酸)を濾過、乾燥する。収量300mg(収率%)二酸化マンガンの残渣を塩化メチレンで洗浄することにより未反応の原料950mgを回収した。
得られた6´−ブロモ−[2,2´]ビピリジニル−4−カルボン酸622mg(2.23mmol)をエチルアルコール30mlに溶解、濃硫酸0.5mlを加え一昼夜加熱還流する。冷却後、エチルアルコールを除去、残渣に氷を入れ水酸化ナトリウム水溶液で中和、生成物を塩化メチレンで抽出する。乾燥後、塩化メチルを溜去、生成物はエチルアルコールからの再結晶化により精製した。収量489mg(収率71.3%)
(3)ビス−(4´−エトキシカルボニル−[2,2´]ビピリジニル−6−イル)−オクチル−アミン(v)の合成
アルゴン雰囲気下、2,2´−ビス(ジフェニルホスヒノ)−1,1´−ビナフチル78.0mg(0.125mmol)をシュレンクチューブ中の脱水トルエン約0.7mlに溶解させる。これに酢酸パラジウム18.7mg(0.0835mmol)をトルエン約0.7mlとともに加える。溶液を10分ほど攪拌の後、6´−ブロモ−[2,2´]ビピリジニル−4−カルボン酸エチルエステル(iv)513mg(1.67mmol)をトルエン約3mlとともに加える。さらにn−オクチルアミン258mg(2.00mmol)及び炭酸セシウム1.52g(4.68mmol)をトルエン約3mlとともに加える。反応混合物はアルゴン雰囲気下100℃で24時間攪拌する。反応終了後トルエンを溜去し、残った残渣をアルミナのカラムクロマトにかけて、塩化メチレンとヘキサンの混合溶媒を溶離液として生成物を分離する。さらに分離した生成物はエチルアルコールからの再結晶化により精製した。その結果目的物が収量219mg得られる(収率50%)。さらに副生成物としてアミンとの1:1の付加物6´−オクチルアミノ−[2,2´]ビピリジニル−4−カルボン酸エチルエステル(vi)が収量80.1mgで得られる(収率15%)。生成物の構造、純度はNMRで確認した。
1H NMR (CDCl3): δ8.91(2H, dd, J = 1.0, 1.0); 8.80(2H, d, J = 5.0); 8.03(2H, d, J = 8.0); 7.85(2H, dd, J = 1.0, 5.0); 7.58(1H, t, J = 8.0); 7.31(1H, dd, J = 0.8, 8.0); 4.43(4H, q, J = 7.2); 4.43(2H, t, J = 8.0); 1.92(2H, quint, J = 8.0); 1.51(2H, t, J = 8.0); 1.42(6H, t, J = 7.2); 1.41-1.19(8H, multi); 0.81(3H, t, J = 6.8)
6´−オクチルアミノ−[2,2´]ビピリジニル−4−カルボン酸エチルエステル(vi)
1H NMR (CDCl3): δ8.83(1H, dd, J = 0.8, 1.6); 8.78(1H, dd, J = 0.8, 5.2); 7.81(1H, dd, J = 1.6, 5.2); 7.67(1H, dd, J = 0.8, 7.6); 7.58(1H, t, J = 7.6); 6.45(1H, dd, J = 0.8, 7.6); 4.67(1H, bs); 4.45(2H, q, J = 7.2); 3.35(2H, dt, J = 4.4, 6.8); 1.68(2H, quint, J = 7.2); 1.44(3H, t, J = 7.2); 1.40-1.23(10H, multi); 0.88(3H, t, J = 6.8)
前記の副生成物6´−オクチルアミノ−[2,2´]ビピリジニル−4−カルボン酸エチルエステル(vi)と6´−ブロモ−[2,2´]ビピリジニル−4−カルボン酸エチルエステル(iv)からも同様な反応条件で目的物であるビス−(4´−エトキシカルボニル−[2,2´]ビピリジニル−6−イル)−オクチル−アミン(v)が得られる。すなわち、6´−オクチルアミノ−[2,2´]ビピリジニル−4−カルボン酸エチルエステル(vi)97.6mg(0.275mmol)と6´−ブロモ−[2,2´]ビピリジニル−4−カルボン酸エチルエステル(vi)82.9mg(0.270mmol)を酢酸パラジウム2.42mg(0.0108mmol)、トリフェニルホスフィン5.66mg(0.0216mmol)、炭酸セシウム100mg(0.307mmol)の存在下トルエン中で反応させると目的物が76.0mg得られた(収率49%)。
(4)ビス−(4´−カルボキシ−[2,2´]ビピリジニル−6−イル)−オクチル−アミン(vii)の合成
窒素雰囲気下、ビス−(4´−エトキシカルボニル−[2,2´]ビピリジニル−6−イル)−オクチル−アミン(v)215mg(0.369mmol)をエチルアルコールと水の容積比4:1の混合溶媒40mlに溶解させる。これに水酸化リチウム一水和物34.1mg(0.812mmol)を加えた後、一昼夜攪拌還流する。反応混合物を冷却後、エチルアルコールを溜去する。残渣に氷水を加えた後(約100ml)、1規定塩酸にて溶液を酸性(pH3)にする。精製した沈殿を濾過、水洗の後乾燥させる。目的物が172mg得られる(収率89%)。
(5)(ビス−(4´−カルボキシ−[2,2´]ビピリジニル−6−イル)−オクチル−アミン)ジクロロルテニウム(II)(viii)の合成
アルゴン雰囲気下、ジクロロ(p−クメン)ルテニウム2量体30.6mg(0.05mmol)を脱水したジグライム10mlに溶解させる。これにビス−(4´−カルボキシ−[2,2´]ビピリジニル−6−イル)−オクチル−アミン(vii)52.5mg(0.100mmol)のジグライム溶液5mlをゆっくり加える。反応溶液は150分攪拌還流する。冷却後析出した生成物を濾過し、水、エーテルで洗浄後乾燥させる。目的物の緑色の錯体が57.2mg得られる。構造は質量分析で確認した。
MS(ESIMS): m/z: 348.4(M-2H)2-, 696.0(M-H)-; MW: 697 calcd. for C30H31N5O4RuCl2
(6)(ビス−(4´−カルボキシ−[2,2´]ビピリジニル−6−イル)−オクチル−アミン)ジチオシアナートルテニウム(II)(II)の合成
アルゴン雰囲気下、(ビス−(4´−カルボキシ−[2,2´]ビピリジニル−6−イル)−オクチル−アミン)ジクロロルテニウム(viii)57.7mg(0.0828mmol)を脱水したジメチルホルムアミド15mlに溶解させる。これにアンモニウムチオシアナート377mg(4.97mmol)の水溶液5mlをゆっくり加える。反応溶液は四時間攪拌還流する。冷却後ジメチルホルムアミドを除去、約10mlの水を加える。不溶物を濾過、水、エーテルで洗浄後乾燥させる。これをゲル濾過カラム(LH20)で、メチルアルコール−クロロフォルム1:1の混合溶媒を溶離液として精製する。目的物の紫色の錯体が32.5mg得られる。構造は質量分析で確認した。
MS(ESIMS): m/z: 370.3(M-2H)2-, 742.0(M-H)-; MW: 743 calcd. for C32H31N7O4RuS2
なお、(ビス−(4´−カルボキシ−[2,2´]ビピリジニル−6−イル)−オクチル−アミン)ジチオシアナートルテニウム(II)がトランス型構造であることは、ルテニウム周りの基本骨格構造が本錯体と全く同一であるビス(1,10−フェナントロリン−2−イル)アミンのルテニウム錯体の結晶構造解析の結果(Inorg. Chem. 2002, 41, 5937-5939)により確認されている。
太陽電池の調製
ルテニウム錯体(ビス−(4´−カルボキシ−[2,2´]ビピリジニル−6−イル)−オクチル−アミン)ジチオシアナートルテニウム(II)(II)の0.2mMメチルアルコール溶液を調製し、これに導電性ガラス表面に作成した膜厚30μmの酸化チタン多孔質膜を20時間浸漬させることにより可視光応答性の電極を作製する。導電性ガラス表面に白金を蒸着した対電極との間に電解質溶液をはさみ太陽電池を構成する。電解質溶液としてはヨウ化リチウム(0.1M)、ヨウ素(0.05M)、シ゛メチルイミダゾリウムアイオダイド(0.6M)、4−tert−ブチルピリジン(0.5M)を含むアセトニトリル溶液を用いた。その結果、AM1,5の擬似太陽光照射下において、短絡電流11.8mA/cm、開放電圧0.58V、FF63%、エネルギー変換効率η4.3%の光電流を取り出すことが出来た。
実施例2
[(ビス−(5´−カルボキシ−[2,2´]ビピリジニル−6−イル)−オクチル−アミン)ジチオシアナートルテニウム(II)(式(III))の合成]
このルテニウム錯体の合成経路を以下に示す。

Figure 2006347912
(1)6´−ブロモ−5−メチル−[2,2´]ビピリジニル(x)の合成
アルゴン雰囲気下、2,6−ジブロモピリジン(ii)3.96g(16.7mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム579mg(0.501mmol)を含むTHF溶液30mlに5−メチル−2−ピリジルジンクブロミド(ix)の0.5M THF溶液50ml(25mmol)を室温にて攪拌しつつ加える。反応混合物は一昼夜攪拌の後、水約100mlに注ぎ込む。生成物と錯体を形成している亜鉛の塩をEDTAと炭酸ナトリウムを加えて溶かす。塩化メチレンによる抽出で生成物を分離する。乾燥後塩化メチレンを溜去し、残った残渣をアルミナのカラムクロマトにかけて、塩化メチレンとヘキサンの混合溶媒を溶離液としてオイル状の生成物を分離する。収量2.23g(54.0%)
(2)6´−ブロモ−[2,2´]ビピリジニル−5−カルボン酸エチルエステル(xi)の合成
6´−ブロモ−5−メチル−[2,2´]ビピリジニル(x)1.37g(5.5mmol)を水50mlに懸濁する。還流条件下懸濁液に過マンガン酸カリウム2.60g(16.5mmol)を数回に分けて攪拌しつつ加える。加熱攪拌を3時間続けた後、過マンガン酸カリウム0.5gをさらに加える。冷却後生成した二酸化マンガンを濾過、濾過物は数回熱水で洗う。濾液と洗液を合わせて全体で約20ml程度になるまで濃縮、3N塩酸でpH3にし、析出した白色固体の生成物(6´−ブロモ−[2,2´]ビピリジニル−5−カルボン酸)を濾過、乾燥する。収量454mg(収率%)二酸化マンガンの残渣を塩化メチレンで洗浄することにより未反応の原料340mgを回収した。
得られた6´−ブロモ−[2,2´]ビピリジニル−5−カルボン酸450mg(1.61mmol)をエチルアルコール30mlに溶解、濃硫酸0.5mlを加え一昼夜加熱還流する。冷却後、エチルアルコールを除去、残渣に氷を入れ水酸化ナトリウム水溶液で中和、生成物を塩化メチレンで抽出する。乾燥後、塩化メチルを溜去、生成物はエチルアルコールからの再結晶化により精製した。収量405mg(収率82.0%)
(3)ビス−(5´−エトキシカルボニル−[2,2´]ビピリジニル−6−イル)−オクチル−アミン(xii)の合成
アルゴン雰囲気下、2,2´−ビス(ジフェニルホスヒノ)−1,1´−ビナフチル76.0mg(0.122mmol)をシュレンクチューブ中の脱水トルエン約0.7mlに溶解させる。これに酢酸パラジウム18.0mg(0.0815mmol)をトルエン約0.5mlとともに加える。溶液を10分ほど攪拌の後、6−ブロモ−[2,2´]ビピリジニル−5−カルボン酸エチルエステル(xi)500mg(1.96mmol)をトルエン約3mlとともに加える。さらにn−オクチルアミン252mg(2.00mmol)及び炭酸セシウム1.28g(3.92mmol)をトルエン約3mlとともに加える。反応混合物はアルゴン雰囲気下100℃で24時間攪拌する。反応終了後トルエンを溜去し、残った残渣をアルミナのカラムクロマトにかけて、塩化メチレンとヘキサンの混合溶媒を溶離液として生成物を分離する。さらに分離した生成物はエチルアルコールからの再結晶化により精製した。その結果目的物が収量219mg得られる(収率50%(コンバージョン92%))。さらに副生成物としてアミンとの1:1の付加物6´−オクチルアミノ−[2,2´]ビピリジニル−5−カルボン酸エチルエステル(xiii)が収量140mgで得られる(収率26%)。生成物の構造、純度はNMRで確認した。
1H NMR (CDCl3) δ:9.27(2H, dd, J = 0.6, 2.2); 8.44(2H, dd, J = 0.6, 8.2); 8.39(2H, dd, J = 2.2, 8.2); 8.10(2H, d, J = 7.2); 7.71(2H, t, J = 8); 7.28(2H, d, J = 8.4); 4.44(4H, q, J = 7.2); 4.39(2H, t, J = 8.0); 1.79(2H, quint, J = 8.0); 1.43(6H, t, J = 7.2); 1.93-1.25(10H, multi); 0.86(3H, t, J = 6.8)
6´−オクチルアミノ−[2,2´]ビピリジニル−5−カルボン酸エチルエステル(xiii)
1H NMR (CDCl3): δ9.24(1H, dd, J = 0.8, 2.0); 8.41(1H, dd, J = 0.8, 8.0); 8.36(1H, dd, J = 2.0, 8.4); 7.74(1H, d, J = 7.2); 7.58(1H, t, J = 8.0); 6.47(1H, d, J = 8.0); 4.60(1H, t, ); 4.43(2H, q, J = 7.2); 3.36(2H, dt, J = 6.0, 6.8); 1.67(2H, quint, J = 7.2); 1.43(3H, t, J = 7.2); 1.38-1.24(10H, multi); 0.89(3H, t, J = 6.8)
前記の副生成物6´−オクチルアミノ−[2,2´]ビピリジニル−5−カルボン酸エチルエステル(xiii)と6´−ブロモ−[2,2´]ビピリジニル−5−カルボン酸エチルエステル(xi)からも同様な反応条件で目的物であるビス−(5´−エトキシカルボニル−[2,2´]ビピリジニル−6−イル)−オクチル−アミン(xii)が得られる。すなわち、6´−オクチルアミノ−[2,2´]ビピリジニル−5−カルボン酸エチルエステル100mg(0.282mmol)(xiii)と6´−ブロモ−[2,2´]ビピリジニル−5−カルボン酸エチルエステル(xi)82.0mg(0.268mmol)を酢酸パラジウム2.40mg(0.0107mmol)、トリフェニルホスフィン5.61mg(0.0214mmol)、炭酸セシウム100mg(0.307mmol)の存在下トルエン中で反応させると目的物が136mg(0.234mmol)得られた(収率87%)。
(4)ビス−(5´−カルボキシ−[2,2´]ビピリジニル−6−イル)−オクチル−アミン(xiv)の合成
窒素雰囲気下、ビス−(5´−エトキシカルボニル−[2,2´]ビピリジニル−6−イル)−オクチル−アミン(xii)213mg(0.366mmol)をエチルアルコールと水の容積比4:1の混合溶媒40mlに溶解させる。これに水酸化リチウム一水和物33.8mg(0.805mmol)を加えた後、一昼夜攪拌還流する。反応混合物を冷却後、エチルアルコールを溜去する。残渣に氷水を加えた後(約100ml)、1規定塩酸にて溶液を酸性(pH3)にする。精製した沈殿を濾過、水洗の後乾燥させる。目的物が193mg得られる(収率100%)。
(5)(ビス−(5´−カルボキシ−[2,2´]ビピリジニル−6−イル)−オクチル−アミン)ジクロロルテニウム(II)(xv)の合成
アルゴン雰囲気下、ジクロロ(p−クメン)ルテニウム(II)2量体30.6mg(0.05mmol)を脱水したジグライム10mlに溶解させる。これにビス−(5´−カルボキシ−[2,2´]ビピリジニル−6−イル)−オクチル−アミン(xiv)52.5mg(0.100mmol)のジグライム溶液5mlをゆっくり加える。反応溶液は150分攪拌還流する。冷却後析出した生成物を濾過し、水、エーテルで洗浄後乾燥させる。目的物の緑色の錯体が61.8mg得られる。構造は質量分析で確認した。
MS(ESIMS): m/z: 348.4(M-2H)2-, 696.0(M-H)-; MW: 697 calcd. for C30H31N5O4RuCl2
(6)(ビス−(5´−カルボキシ−[2,2´]ビピリジニル−6−イル)−オクチル−アミン)ジチオシアナートルテニウム(II)(III)の合成
アルゴン雰囲気下、(ビス−(5´−カルボキシ−[2,2´]ビピリジニル−6−イル)−オクチル−アミン)ジクロロルテニウム(II)(xv)61.8mg(0.0887mmol)を脱水したジメチルホルムアミド15mlに溶解させる。これにアンモニウムチオシアナート404mg(5.32mmol)の水溶液5mlをゆっくり加える。反応溶液は4時間攪拌還流する。冷却後ジメチルホルムアミドを除去、約10mlの水を加える。不溶物を濾過、水、エーテルで洗浄後乾燥させる。目的物の青色の錯体が57.0mg得られる。構造は質量分析で確認した。
MS(ESIMS): m/z: 369.9(M-2H)2-, 742.0(M-H)-; MW: 743 calcd. for C32H31N7O4RuS2
なお、(ビス−(5´−カルボキシ−[2,2´]ビピリジニル−6−イル)−オクチル−アミン)ジチオシアナートルテニウム(II)がトランス型構造であることは、ルテニウム周りの基本骨格構造が本錯体と全く同一であるビス(1,10−フェナントロリン−2−イル)アミンのルテニウム錯体の結晶構造解析の結果(Inorg. Chem. 2002, 41,
5937-5939)により確認されている。
太陽電池の調製
(II)の場合と同じくルテニウム錯体(ビス−(5´−カルボキシ−[2,2´]ビピリジニル−6−イル)−オクチル−アミン)ジチオシアナートルテニウム(II)(III)の0.2mMメチルアルコール溶液を調製し、これに導電性ガラス表面に作成した膜厚30μmの酸化チタン多孔質膜を20時間浸漬させることにより可視光応答性の電極を作製する。導電性ガラス表面に白金を蒸着した対電極との間に電解質溶液をはさみ太陽電池を構成する。電解質溶液としてはヨウ化リチウム(0.1M)、ヨウ素(0.05M)、シ゛メチルイミダゾリウムアイオダイド(0.6M)、4−tert−ブチルピリジン(0.5M)を含むアセトニトリル溶液を用いた。その結果、AM1,5の擬似太陽光照射下において、短絡電流8.9mA/cm、開放電圧0.56V、FF72%、エネルギー変換効率η3.6%の光電流を取り出すことが出来た。
以上の結果から明らかなように、本発明に係るルテニウム錯体は、前記特開2003−3083号公報で実質的に開示されているものに比し、その色素増感作用が著しく優れており、これを色素増感剤とした太陽電池はエネルギー変換効率が飛躍的に増大することが判る。

Claims (3)

  1. 一般式(I)で示されるルテニウム錯体。
    Figure 2006347912
    (式中、R、R、Rは水素原子またはCOOMであり、そのうち少なくとも一つはCOOMである。Mは水素原子また第4級アンモニウムカチオンを、Rは水素原子あるいは置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいパーフルオロアルキル基である。)
  2. 請求項1に記載のルテニウム錯体を含む金属酸化物半導体電極。
  3. 半導体電極とその対極、およびそれらの電極に接触するレドックス電解質とを備えた色素増感型太陽電池であって、半導体電極が請求項2に記載の金属酸化物半導体電極であることを特徴とする色素増感型太陽電池。
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