JP2006346982A - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数のノズルが2次元状に配置されたマトリクスヘッドを備えたインクジェット記録装置において、主走査方向及び副走査方向に沿うすじむらの視認性を低減させ、好ましい記録画像を得ることができるインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】複数のノズル(51)がマトリクス状に配置されたヘッド(50)を用いて記録媒体(16)上で重なり合うように形成される隣接ドット(100)となるインク滴を打滴する際に、マトリクス配置されたノズルの列方向と主走査方向とのなす角度θを主走査方向を基準として0度<θ<90度とするときに、記録媒体(16)上における万線(110)の万線方向と主走査方向とのなす角度αを、主走査方向を基準として−90度<α<0となるようにインク打滴が制御されるので、記録媒体(16)上での着弾干渉が防止され、記録画像のすじむらの視認性を低減することが可能になる。
【選択図】 図8
【解決手段】複数のノズル(51)がマトリクス状に配置されたヘッド(50)を用いて記録媒体(16)上で重なり合うように形成される隣接ドット(100)となるインク滴を打滴する際に、マトリクス配置されたノズルの列方向と主走査方向とのなす角度θを主走査方向を基準として0度<θ<90度とするときに、記録媒体(16)上における万線(110)の万線方向と主走査方向とのなす角度αを、主走査方向を基準として−90度<α<0となるようにインク打滴が制御されるので、記録媒体(16)上での着弾干渉が防止され、記録画像のすじむらの視認性を低減することが可能になる。
【選択図】 図8
Description
本発明は、インクジェット記録装置に係り、特に複数のノズルが2次元状に並べられたマトリクスヘッドを備えた画像形成装置における画像形成技術に関する。
記録媒体の全幅に対応する長さを有するライン型ヘッドなど、複数のノズルを2次元状に配置した(マトリクス配置された)マトリクスヘッドを備えたインクジェット記録装置では、各ノズルの特性によってドット形成位置に誤差を生じると、このドット形成位置の誤差に起因するすじむら(特に、記録媒体の送り方向に沿う方向に生じるすじむら)が発生することがあり、記録画像にすじむらが発生すると当該記録画像の品質を低下させてしまう。記録画像にこのようなすじむらが発生する原因には、当該ノズルから吐出されるインクの飛翔方向異常や、当該ノズルの形成位置が所定の形成位置に対してずれていることなどがある。また、記録媒体がその所定の送り方向に対して斜めに進む斜行が発生した場合や該マトリクスヘッドが所定の装着方向に対して斜めに傾いて装着された場合など、マトリクスヘッドの折り返し部のノズルが打滴するインク滴によって形成されるドットの記録媒体の送り方向と略直交する主走査方向の間隔が、他のノズルが打滴するインク滴によって形成されるドットの主走査方向の間隔に対して変化する場合にも、記録媒体の送り方向と平行な副走査方向に沿ったすじむらが記録画像に発生することがある。マトリクスヘッドを備えたインクジェット記録装置では、このようなすじむらの低減が大きな課題となっている。
異なるノズルから打滴されるインク滴によって形成されるドットが互いに重なり合う面積が大きいほど副走査方向に沿った方向に発生するすじむらの視認性は低くなり、ドット形成位置の誤差によって副走査方向に沿う方向のすじむらが発生し難いドット配置として、所定の方向(万線方向)に沿って並べられたドットによって画像を形成する万線方式が提案されている。
記録媒体の搬送方向に沿う方向に生じるすじむらの視認性を低減させるには、万線方向を記録媒体の搬送方向と略直交する主走査方向にするとよいが、万線方向を主走査方向とすると、記録媒体の送り誤差に起因する主走査方向に沿うすじむらが視認されやすくなる。したがって、万線方向を主走査方向とある角度をなす斜め方向にすることで、主走査方向及び記録媒体の搬送方向と略平行な副走査方向に沿うすじむらの視認性を下げることができる(特許文献1、2)。
特開2004−15674号公報
特開2004−80065号公報
しかしながら、万線方式では、記録媒体上において少なくとも隣接するドット(インク滴)が重り合うように形成され、このように複数のドットが重なり合うように形成される場合には、ドット(インク滴)の着弾時間差が非常に短くなると記録媒体にインク滴が定着(浸透、硬化)する前に互いに合一してしまう着弾干渉が発生し、大きな画質劣化の原因となる。即ち、万線方式は着弾干渉が発生しやすい打滴方法であるといえる。着弾干渉の程度(画質劣化の程度)は、互いに重なり合うドットを形成するインク滴の記録媒体上における着弾時間差によって変わり、着弾時間差が短いと着弾干渉の程度は大きくなり、着弾時間差が長いと着弾干渉の程度は小さくなる。特に、マトリクス配置されたノズルの列方向に3つ以上のノズルを有するマトリクスヘッドでは、異なるノズルから打滴され、主走査方向に隣接するドットを形成するインク滴の着弾時間差は、記録媒体の搬送速度だけでなく当該ノズルの副走査方向の位置関係にも依存し、各ノズルの副走査方向の位置関係を考慮した上で万線方向を決める必要がある。
特許文献1及び特許文献2に記載の発明では、記録媒体上における互いに重なるように形成されるドットとなるインク滴の着弾時間差について記載されておらず、上述した着弾時間差の違いによって、記録画像には着弾干渉による画像劣化が発生してしまう。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、複数のノズルが2次元状に配置されたマトリクスヘッドを備えたインクジェット記録装置において、主走査方向及び副走査方向に沿うすじむらの視認性を低減させ、好ましい記録画像を得ることができるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明に係るインクジェット記録装置は、記録媒体上において主走査方向に隣接し互いに重なるように形成されるドットとなるインク滴を打滴する3個以上のノズルが主走査方向と所定の角度θをなすノズル列方向に沿って配置され、該ノズル列方向に配置された3個以上のノズルから成るノズル列が主走査方向に沿って複数配置されたノズルブロックを備えたインクジェットヘッドと、異なるノズルから打滴され記録媒体に着弾した複数のインク滴によって形成されたドット群の万線方向が前記記録媒体上における主走査方向と所定の角度αをなすように前記インクジェットヘッドの打滴を制御する打滴制御手段と、を備え、前記ノズルブロックにおける主走査方向を基準とする主走査方向と前記ノズル列方向とのなす角度θを0度<θ<90度とするときに、主走査方向を基準とする主走査方向と前記万線方向とのなす角度αは−90度<α<0度の条件を満たすか、或いは、前記角度θを90度<θ<180度とするときに、前記角度αは−180度<α<−90度の条件を満たすことを特徴とする。
本発明によれば、互いに重なるように形成され万線方向に沿って並べられた複数のドットによって記録媒体上に画像を形成する万線方式において、記録媒体上で隣接するドットを形成するインク滴を打滴するノズルが配置されたノズル列方向と主走査方向とのなす角度θが主走査方向と万線方向とのなす角度αと逆向き方向になるようにインク打滴が制御されるので、万線方向がマトリクス配列されたノズルの列方向と同じ方向に決められた場合に比べて、隣接するドットを形成するインク滴の着弾時間差を大きくすることができ、着弾干渉による画像劣化を緩和することができる。
言い換えると、2次元状に配置されたノズルブロックのノズル列方向と記録媒体上の万線方向との間に、ノズル列方向を表す角度θ及び万線方向を表す角度αの基準となる主走査方向が位置するように、ノズルブロックのノズル列方向及び万線方向が決められている。
ノズルブロックのノズル列方向を、インクジェットヘッドを基準とする記録媒体の搬送方向上流側から下流側へ向かう方向とするときに、万線方向は記録媒体の先端側から後端側へ向かう方向となる。
主走査方向にはインクジェットヘッドを基準とする記録媒体の搬送方向と略直交する2方向があり、ノズル列方向を表す角度θの基準となる主走査方向と万線方向を表す角度αの基準となる主走査方向が同一方向であれば、2方向の主走査方向のうち何れの方向を基準方向としてもよい。
インクジェットヘッドには、記録媒体の全幅(記録媒体のインク打滴可能幅)に対応した長さのノズル列を有するライン型ヘッドや、記録媒体の全幅に満たない長さの吐出孔列を有する短尺ヘッドを記録媒体の幅の方向へ走査させるシリアル型ヘッドがある。
ライン型のインクジェットヘッドには、記録媒体の全幅に対応する長さに満たない短尺の吐出孔列を有する短尺ヘッドを千鳥状に配列して繋ぎ合わせて、記録媒体の全幅に対応する長さとしてもよい。
なお、前記ライン型のインクジェットヘッドにおける主走査方向は、記録媒体の幅方向と略平行方向となる。また、前記シリアル型インクジェットヘッドにおける主走査方向は、記録媒体の幅方向(インクジェットヘッドの走査方向)と略直交する方向となる態様がある。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のインクジェット記録装置の一態様に係り、前記インクジェットヘッドは、異なる色のインクに対応する2つ以上の前記ノズルブロックを備え、異なる色のインクに対応した2つ以上のノズルブロックのうち少なくとも1つのノズルブロックにおける主走査方向を基準とする主走査方向と前記ノズル列方向とのなす角度θ1を0度<θ1<90度とするときに、他のノズルブロックにおける主走査方向を基準とする主走査方向と前記ノズル列方向とのなす角度θ2は90度<θ2<180度の条件を満たすか、或いは、前記角度θ1を90度<θ1<180度とするときに、前記角度θ2は0度<θ2<90度の条件を満たすことを特徴とする。
請求項2記載の発明によれば、異なる色のドットの万線方向が互いに逆向き方向になるように該ドットが形成されるので、万線の色間に発生するモアレを低減させることができる。
なお、異なる色に対応する複数のノズルブロックを備える態様には、各色に対応してインクジェットヘッドを備えてもよいし、1つのヘッド内に異なる色のインクを打滴するノズルブロックを具備してもよい。
また、請求項3記載の発明は、請求項1記載のインクジェット記録装置の一態様に係り、前記インクジェットヘッドは、少なくともシアンインクに対応するノズルブロック及びマゼンダインクに対応するノズルブロックを備え、前記シアンインクに対応するノズルブロックにおける主走査方向を基準とする前記主走査方向と前記ノズル列方向とのなす角度θCを0度<θC<90度とするときに、前記マゼンダインクに対応するノズルブロックにおける主走査方向を基準とする前記主走査方向と前記ノズル列方向とのなす角度θMは90度<θM<180度の条件を満たすか、或いは、前記角度θCを90度<θC<180度とするときに、前記角度θMは0度<θM<90度の条件を満たすことを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、シアンインクに対応するノズルブロックにおける主走査方向とノズル列方向とのなす角度θCと、マゼンダインクに対応するノズルブロックにおける主走査方向とノズル列方向とのなす角度θMと、を逆向き方向にすることで、特に視認性の高いシアンとマゼンダ間に生じるモアレを低減させることができる。
更に、請求項4記載の発明は、請求項1、2又は3記載のインクジェット記録装置の一態様に係り、前記インクジェットヘッドは、同系色インクに対応するノズルブロックを備え、前記同系色インクに対応するノズルブロックのうち1つのノズルブロックにおける主走査方向を基準とする前記主走査方向との前記ノズル列方向のなす角度θ3を0度<θ3<90度とするときに、他のノズルブロックのうち少なくとも1つのノズルブロックにおける主走査方向を基準とする前記主走査方向との前記ノズル列方向のなす角度θ4は0度<θ4<90度の条件を満たすか、或いは、前記角度θ3を90度<θ3<180度とするときに、前記角度θ4は90度<θ4<180の条件を満たすことを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、同系色のインクを吐出させるノズルブロックのノズル列方向を、上記条件を満たすように構成することで同系色インクの打滴制御の演算処理負担が低減される。なお、同色系インクには、基本色インクとライト系インク(例えば、マゼンダとライトマゼンダ)の組み合わせや、基本色インクとダーク系インク(例えば、イエローとダークイエロー)の組み合わせなどがある。
同系色インクに対応するノズルブロックを2つ備える態様では、両者のノズル列は同一方向(θ3=θ4)となる態様が好ましい。また、同系色インクに対応するノズルブロックを3つ以上備える態様では、少なくとも2つのノズルブロックについて上記条件を満たせばよく、好ましくは、すべてのノズルブロックが上記条件を満たす態様である。
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のうち何れか1項に記載のインクジェット記録装置の一態様に係り、前記インクジェットヘッドは、記録媒体上において主走査方向に隣接し互いに重なるように形成されるドットとなるインク滴を打滴する第1のノズル及び第2のノズルと、前記第1のノズルと副走査方向に隣り合う第3のノズルと、を備え、前記第1のノズルと前記第2のノズルとの間の副走査方向における距離が、前記第1のノズルと前記第3のノズルとの間の副走査方向における距離のN倍(但し、Nは2以上の整数)となるとともに、前記第1のノズルと前記第3のノズルとの間の主走査方向における距離が前記第1のノズル及び前記第3のノズルから打滴されたインク滴によって前記記録媒体上に形成されるドットの直径の最大値以上となるように前記第1のノズル、第2のノズル及び第3のノズルを配置したことを特徴とする。
請求項5記載の発明によれば、主走査方向に隣接するドットとなるインク滴の着弾時間差を長くすることができるので、主走査方法に隣接するドットを形成するインク滴の着弾干渉を確実に防止することができ、記録媒体上には好ましい画像が記録される。
また、請求項6記載の発明は、請求項5記載のインクジェット記録装置の一態様に係り、前記第1のノズルと前記第3のノズルとの間の主走査方向における距離が、前記第1のノズルと前記第2のノズルとの間の主走査方向の距離のN’倍(但し、N’は2以上の整数)であることを特徴とする。
請求項6記載の発明によれば、主走査方向に隣接するドット間の主走査方向のドット間ピッチが一定となり、より好ましい。
本発明によれば、記録媒体上に形成されるドット列の万線方向をマトリクス配置されたノズルの列方向と逆方向になるようにインク打滴が制御されるので、隣接するドットを形成するインク滴の記録媒体上における着弾干渉が防止され、記録画像の劣化が緩和される。
〔インクジェット記録装置の全体構成〕
図1は本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の全体構成図である。同図に示したように、このインクジェット記録装置10は、黒(K),シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)の各インクに対応して設けられた複数のインクジェットヘッド(以下、ヘッドという。)12K,12C,12M,12Yを有する印字部12と、各ヘッド12K,12C,12M,12Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14と、記録媒体(記録紙)16を供給する給紙部18と、記録媒体16のカールを除去するデカール処理部20と、前記印字部12のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録媒体16の平面性を保持しながら記録媒体16を搬送する吸着ベルト搬送部22と、印字部12による印字結果を読み取る印字検出部24と、記録済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部26と、を備えている。
図1は本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の全体構成図である。同図に示したように、このインクジェット記録装置10は、黒(K),シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)の各インクに対応して設けられた複数のインクジェットヘッド(以下、ヘッドという。)12K,12C,12M,12Yを有する印字部12と、各ヘッド12K,12C,12M,12Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14と、記録媒体(記録紙)16を供給する給紙部18と、記録媒体16のカールを除去するデカール処理部20と、前記印字部12のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録媒体16の平面性を保持しながら記録媒体16を搬送する吸着ベルト搬送部22と、印字部12による印字結果を読み取る印字検出部24と、記録済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部26と、を備えている。
インク貯蔵/装填部14は、各ヘッド12K,12C,12M,12Yに対応する色のインクを貯蔵するインク供給タンクを有し、各タンクは所要の管路を介してヘッド12K,12C,12M,12Yと連通されている。また、インク貯蔵/装填部14は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
図1では、給紙部18の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコード或いは無線タグなどの情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される記録媒体の種類(メディア種)を自動的に判別し、メディア種に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
給紙部18から送り出される記録媒体16はマガジンに装填されていたことによる巻きクセが残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部20においてマガジンの巻きクセ方向と逆方向に加熱ドラム30で記録媒体16に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図1のように、裁断用のカッター(第1のカッター)28が設けられており、該カッター28によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター28は、記録媒体16の搬送路幅以上の長さを有する固定刃28Aと、該固定刃28Aに沿って移動する丸刃28Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃28Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃28Bが配置される。なお、カット紙を使用する場合には、カッター28は不要である。
デカール処理後、カットされた記録媒体16は、吸着ベルト搬送部22へと送られる。吸着ベルト搬送部22は、ローラ31、32間に無端状のベルト33が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ配設面に対向する部分が水平面(フラット面)をなすように構成されている。
ベルト33は、記録媒体16の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引穴(不図示)が形成されている。図1に示したとおり、ローラ31、32間に掛け渡されたベルト33の内側において印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ配設面に対向する位置には吸着チャンバ34が設けられており、この吸着チャンバ34をファン35で吸引して負圧にすることによって記録媒体16がベルト33上に吸着保持される。
ベルト33が巻かれているローラ31、32の少なくとも一方にモータ(図6中符号88で図示)の動力が伝達されることにより、ベルト33は図1上の時計回り方向に駆動され、ベルト33上に保持された記録媒体16は図1の左から右へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト33上にもインクが付着するので、ベルト33の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部36が設けられている。ベルト清掃部36の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、吸水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、或いはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラ線速度を変えると清掃効果が大きい。
なお、吸着ベルト搬送部22に代えて、ローラ・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラ・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面をローラが接触するので画像が滲み易いという問題がある。したがって、本例のように、印字領域では画像面を接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
吸着ベルト搬送部22により形成される用紙搬送路上において印字部12の上流側には、加熱ファン40が設けられている。加熱ファン40は、印字前の記録媒体16に加熱空気を吹き付け、記録媒体16を加熱する。印字直前に記録媒体16を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
印字部12の各ヘッド12K,12C,12M,12Yは、当該インクジェット記録装置10が対象とする記録媒体16の最大紙幅に対応する長さを有し、そのノズル面には最大サイズの記録媒体の少なくとも一辺を超える長さ(描画可能範囲の全幅)にわたりインク吐出用のノズルが複数配列されたフルライン型のヘッドとなっている(図2参照)。
各ヘッド12K,12C,12M,12Yは、記録媒体16の送り方向(記録媒体搬送方向)に沿って上流側から黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の色順に配置され、それぞれのヘッド12K,12C,12M,12Yが記録媒体16の搬送方向と略直交する方向に沿って延在するように固定設置される。
吸着ベルト搬送部22により記録媒体16を搬送しつつ、各ヘッド12K,12C,12M,12Yからそれぞれ異色のインクを吐出することにより記録媒体16上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするノズル列を有するフルライン型のヘッド12K,12C,12M,12Yを色別に設ける構成によれば、記録媒体搬送方向(副走査方向)について記録媒体16と印字部12を相対的に移動させる動作を1回行うだけで(即ち1回の副走査で)、記録媒体16の全面に画像を記録することができる。これにより、記録ヘッドが紙搬送方向と直交する方向に往復動作するシャトル型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
なお、本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクやダークイエローなどのダーク系インクを吐出するインクジェットヘッドを追加する構成も可能である。また、各色ヘッドの配置順序も特に限定はない。
印字検出部24は、印字部12の打滴結果を撮像するための手段イメージセンサを含み、該イメージセンサによって読み取った記録画像からノズルの目詰まりその他の吐出異常をチェックする手段として機能する。
本例の印字検出部24は、少なくとも各ヘッド12K,12C,12M,12Yによるインク吐出幅(画像記録幅)よりも幅の広い受光素子を有するラインセンサで構成される。このラインセンサは、R(赤)の色フィルタが設けられた光電変換素子(画素)がライン状に配列されたR受光素子列と、緑(G)の色フィルタが設けられたG受光素子列と、青(B)の色フィルタが設けられたB受光素子列と、からなる色分解ラインCCDセンサで構成されている。なお、ラインセンサに代えて、受光素子が2次元配列されて成るエリアセンサを用いることも可能である。
印字検出部24は、各色のヘッド12K,12C,12M,12Yにより印字されたテストパターン(又は実技画像)を読み取り、各ヘッドの吐出検出を行う。吐出判定は、吐出の有無、ドットサイズの測定、ドット着弾位置の測定などで構成される。
印字検出部24の後段には後乾燥部42が設けられている。後乾燥部42は、印字された画像面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けたほうが好ましいので、熱風を吹き付ける方式が好ましい。
後乾燥部42の後段には、加熱・加圧部44が設けられている。加熱・加圧部44は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラ45で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
多孔質のペーパーに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパーの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。
こうして生成されたプリント物は排紙部26から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置10では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部26A、26Bへと送るために排紙経路を切り換える不図示の選別手段が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)48によってテスト印字の部分を切り離す。カッター48は、排紙部26の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に本画像とテスト印字部を切断するためのものである。カッター48の構造は前述した第1のカッター28と同様であり、固定刃48Aと丸刃48Bとから構成される。
また、図1には示さないが、本画像の排出部26Aには、オーダー別に画像を集積するソーターが設けられる。
〔ヘッドの構造〕
次に、ヘッドの構造について説明する。色別の各ヘッド12K,12C,12M,12Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号50によってヘッドを示すものとする。
次に、ヘッドの構造について説明する。色別の各ヘッド12K,12C,12M,12Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号50によってヘッドを示すものとする。
図3(a) はヘッド50の構造例を示す平面透視図であり、図3(b) はその一部の拡大図である。また、図3(c) はヘッド50の他の構造例を示す平面透視図、図4はインク室ユニットの立体的構成を示す断面図(図3(a),(b) 中の4−4線に沿う断面図である。記録媒体16上に印字されるドットピッチを高密度化するためには、ヘッド50におけるノズルピッチを高密度化する必要がある。本例のヘッド50は、図3(a),(b) に示したように、インク滴の吐出孔であるノズル51と、各ノズル51に対応する圧力室52等からなる複数のインク室ユニット53を千鳥でマトリクス状に(2次元的に)配置させた構造を有し、これにより、ヘッド長手方向(記録媒体搬送方向と直交する主走査方向)に沿って並ぶように投影される実質的なノズル間隔(投影ノズルピッチ)の高密度化を達成している。
主走査方向に記録媒体16の全幅に対応する長さにわたり1列以上のノズル列を構成する形態は本例に限定されない。例えば、図3(a) の構成に代えて、図3(c) に示すように、複数のノズル51が2次元に配列された短尺のヘッドブロック50’を千鳥状に配列して繋ぎ合わせることで記録媒体16の全幅に対応する長さのノズル列を有するラインヘッドを構成してもよい。
各ノズル51に対応して設けられている圧力室52は、その平面形状が概略正方形となっており、対角線上の両隅部にノズル51と供給口54が設けられている。各圧力室52は供給口54を介して共通流路55と連通されている。共通流路55はインク供給源たるインク供給タンク(図3(a)〜(c)には不図示、図1に符号14で示すインク貯蔵/装填部に対応)と連通しており、該インク供給タンクから供給されるインクは図4の共通流路55を介して各圧力室52に分配供給される。
圧力室52の天面を構成し共通電極と兼用される加圧板56には個別電極57を備えたアクチュエータ58が接合されており、個別電極57に駆動電圧を印加することによってアクチュエータ58が変形してノズル51からインクが吐出される。インクが吐出されると、共通流路55から供給口54を通って新しいインクが圧力室52に供給される。
図4に示すアクチュエータ58にはPZT(Pb(Zr・Ti)O3 、チタン酸ジルコン酸鉛)などのセラミック材料を用いた圧電素子が好適に用いられる。もちろん、PVDF(Polyvinylidene fluoride 、ポリフッ化ビニリデン)やPVDF−TrFE(ポリフッ化ビニリデン3フッ化エチレン共重合体)などのフッ化樹脂材料を用いた圧電素子を用いてもよい。
かかる構造を有するインク室ユニット53を図5に示す如く、主走査方向に沿う行方向及び主走査方向に対して直交しない一定の角度θを有する斜めの列方向(ノズル列方向)に沿って一定の配列パターンで格子状に多数配列させることにより、本例の高密度ノズルヘッドが実現されている。
即ち、主走査方向に対してある角度θの列方向に沿ってインク室ユニット53を一定のピッチdで複数配列する構造により、主走査方向に並ぶように投影されたノズルのピッチPはd× cosθとなり、主走査方向については、各ノズル51が一定のピッチPで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。このような構成により、高密度のノズル列を実現することが可能になる。
なお、印字可能幅の全幅に対応した長さのノズル列を有するフルラインヘッドで、ノズルを駆動する時には、(1)全ノズルを同時に駆動する、(2)ノズルを片方から他方に向かって順次駆動する、(3)ノズルをブロックに分割して、ブロックごとに片方から他方に向かって順次駆動する等が行われ、記録媒体の幅方向(主走査方向)に1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るライン)を印字するようなノズルの駆動を主走査と定義する。
特に、図5に示すようなマトリクス状に配置されたノズル51を駆動する場合は、上記(3)のような主走査が好ましい。即ち、ノズル51-11 、51-12 、51-13 、51-14 、51-15 、51-16 を1つのブロックとし(他にはノズル51-21 、…、51-26を1つのブロック、ノズル51-31 、…、51-36を1つのブロック、…として)、記録媒体16の搬送速度に応じてノズル51-11 、51-12 、…、51-16を順次駆動することで記録媒体16の幅方向に1ラインを印字する。
一方、上述したフルラインヘッドと記録媒体16とを相対移動することによって、上述した主走査で形成された1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るライン)の印字を繰り返し行うことを副走査と定義する。
言い換えると、記録媒体16上で重なり合うように隣接して形成されるドットとなるインク滴を打滴するノズル51は主走査方向と角度θをなす列方向に沿って配置される。
本発明の実施に際してノズルの配置構造は図示の例に限定されない。また、本実施形態では、ピエゾ素子(圧電素子)に代表されるアクチュエータ58の変形によってインク滴を飛ばす方式が採用されているが、本発明の実施に際して、インクを吐出させる方式は特に限定されず、ピエゾジェット方式に代えて、ヒータなどの発熱体によってインクを加熱して気泡を発生させ、その圧力でインク滴を飛ばすサーマルジェット方式など、各種方式を適用できる。
〔制御系の説明〕
図6はインクジェット記録装置10のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置10は、通信インターフェイス70、システムコントローラ72、メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78、プリント制御部80、画像バッファメモリ82、ヘッドドライバ84等を備えている。
図6はインクジェット記録装置10のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置10は、通信インターフェイス70、システムコントローラ72、メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78、プリント制御部80、画像バッファメモリ82、ヘッドドライバ84等を備えている。
通信インターフェイス70は、ホストコンピュータ86から送られてくる画像データを受信するインターフェイス部である。通信インターフェイス70にはUSB、IEEE1394、イーサネット、無線ネットワークなどのシリアルインターフェイスやセントロニクスなどのパラレルインターフェイスを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。ホストコンピュータ86から送出された画像データは通信インターフェイス70を介してインクジェット記録装置10に取り込まれ、一旦メモリ74に記憶される。
メモリ74は、通信インターフェイス70を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システムコントローラ72を通じてデータの読み書きが行われる。メモリ74は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ72は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、所定のプログラムに従ってインクジェット記録装置10の全体を制御する制御装置として機能するとともに、各種演算を行う演算装置として機能する。即ち、システムコントローラ72は、通信インターフェイス70、メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78等の各部を制御し、ホストコンピュータ86との間の通信制御、メモリ74の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータなどのモータ88や後乾燥部42のヒータ等のヒータ89を制御する制御信号を生成する。
メモリ74には、システムコントローラ72のCPUが実行するプログラム及び制御に必要な各種データなどが格納されている。なお、メモリ74は、書換不能な記憶手段であってもよいし、EEPROMのような書換可能な記憶手段であってもよい。メモリ74は、画像データの一時記憶領域として利用されるとともに、プログラムの展開領域及びCPUの演算作業領域としても利用される。
モータドライバ76は、システムコントローラ72からの指示にしたがってモータ88を駆動するドライバ(駆動回路)である。ヒータドライバ78は、システムコントローラ72からの指示にしたがって後乾燥部42やインクジェット記録装置10内、ヘッド50内の温度調整用ヒータなどのヒータ89を駆動するドライバである。
プリント制御部80は、システムコントローラ72の制御に従い、メモリ74内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字データ(ドットデータ)をヘッドドライバ84に供給する制御部である。プリント制御部80において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいてヘッドドライバ84を介してヘッド50のインク液滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
プリント制御部80には画像バッファメモリ82が備えられており、プリント制御部80における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ82に一時的に格納される。また、プリント制御部80とシステムコントローラ72とを統合して1つのプロセッサで構成する態様も可能である。
ヘッドドライバ84はプリント制御部80から与えられる印字データに基づいて各色のヘッド12K,12C,12M,12Yのアクチュエータ58を駆動する。ヘッドドライバ84にはヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
印刷すべき画像のデータは、通信インターフェイス70を介して外部から入力され、メモリ74に蓄えられる。この段階では、RGBの画像データがメモリ74に記憶される。
メモリ74に蓄えられた画像データは、システムコントローラ72を介してプリント制御部80に送られ、該プリント制御部80においてインク色ごとのドットデータに変換される。即ち、プリント制御部80は、入力されたRGB画像データをKCMYの4色のドットデータに変換する処理を行う。プリント制御部80で生成されたドットデータは、画像バッファメモリ82に蓄えられる。
ヘッドドライバ84は、画像バッファメモリ82に記憶されたドットデータに基づき、ヘッド50の駆動制御信号を生成する。ヘッドドライバ84で生成された駆動制御信号がヘッド50に加えられることによって、ヘッド50からインクが吐出される。記録媒体16の搬送速度に同期してヘッド50からのインク吐出を制御することにより、記録媒体16上に画像が形成される。
図6のプログラム格納部90には各種制御プログラムが格納されており、システムコントローラ72の指令に応じて、制御プログラムが読み出され、実行される。プログラム格納部90はROMやEEPROMなどの半導体メモリを用いてもよいし、磁気ディスクなどを用いてもよい。外部インターフェイスを備え、メモリカードやPCカードを用いてもよい。もちろん、これらの記憶媒体のうち、複数の記憶媒体を備えてもよい。なお、プログラム格納部90は動作パラメータ等の記録手段(不図示)と兼用してもよい。
なお、本例では、機能ブロックとしてシステムコントローラ72やメモリ74、プリント制御部80などを個別のブロックとして図示したが、これらを集積化して1つのプロセッサとして構成してもよい。また、システムコントローラ72の一部の機能と、プリント制御部80の一部の機能と、を1つのプロセッサとして実現することも可能である。
〔第1実施形態、ヘッドの詳細構造及び打滴制御の説明〕
次に、ヘッド50の詳細な構造と、本発明に係る打滴制御について説明する。図7は、図3及び図5に示すヘッド50の一部を拡大した拡大図であり、図8(a),(b)は、記録媒体16上に形成されたドット100を模式的に表した図である。
次に、ヘッド50の詳細な構造と、本発明に係る打滴制御について説明する。図7は、図3及び図5に示すヘッド50の一部を拡大した拡大図であり、図8(a),(b)は、記録媒体16上に形成されたドット100を模式的に表した図である。
図7に示すA0、A1、…、A39、A40、…、Amは、記録媒体搬送方向に沿って搬送される記録媒体16(図7には不図示)の位置に対応しており、例えば、図7のA0で示す位置に、図8(a),(b)に示す記録媒体16のLoが位置するタイミングで、記録媒体16の所定の位置にドット100-0(ドット100を示す円内に0と記載されたドット)を形成するインク滴が着弾する。なお、本例では、インク滴が記録媒体16に着弾するタイミングは、ノズルから該インク滴が打滴されるタイミングと略同一タイミングとする(打滴タイミングと着弾タイミングとを同じタイミングとして取り扱うこととする)。
即ち、図7のAiからAi+1(i=0、1、2、…、m−1)間の距離は、記録媒体16の最小搬送距離(搬送分解能)xであり、この記録媒体16の最小搬送距離xは、図8(a),(b)に示す記録媒体搬送方向(副走査方向)のドット間ピッチ(ドット間距離)Pdsとなっている。
言い換えると、ドット100を表す円内に記載された数字は、インク滴の着弾タイミングに対応しており、例えば、図8(b)のドット100を表す円内に1、6と記載されたドット100-1、100-6は、記録媒体16のLoで示す位置が、それぞれ図7のA1、A6に位置するタイミングで記録媒体16に着弾したインクによって形成される。
なお、図8(a),(b)に示すドット100は、少なくとも隣り合うドット(例えば、図8(a)のドット100-0とドット100-7)が互いに重なるように形成されているが、図を見やすくするために、同図では隣り合うドットが重ならないようにドットの外形を縮小して表している。
本例に示すインクジェット記録装置10は、副走査方向に沿ったすじむらの視認性低減のために、図8(a)に一点破線で図示する万線110(斜め方向の万線)に沿ってドット100を並べる万線方式が採用されている。
図8(a)に示す万線110は、主走査方向と角度αをなすように万線方向が決められており、図5に示すマトリクス配置されたノズル51の列方向と主走査方向とのなす角度θを、主走査方向を基準として0度<θ<90度とするときに、記録媒体16上における万線110の万線方向を示す角度αが−90度<α<0度の条件を満たすように、記録媒体16上における万線方向を表す角度αの範囲が決められ、この角度αに基づいてインク打滴が制御される。
例えば、図8(a)に示す万線方向は、同図において右下がりであり、図5に示すマトリクス配置されたノズル51の列方向(主走査方向と角度θをなす方向)は同図において右上がりとなっており、万線方向はマトリクス配置されたノズル51の列方向と逆向き方向になるように決められている。
図8(b)に示す例では、図5に示すマトリクス配置されたノズル51の列方向と主走査方向とのなす角度θを、主走査方向を基準として0度<θ<90度とするときに、万線110’の万線方向と主走査方向とのなす角度α’は、−180度<α’<−90度の条件を満たすように角度α’の範囲が決められている。
図8(a)に示す万線110に沿ってドット100を並べる打滴制御では、図8(b)に示す万線110’に沿ってドット100を並べる打滴制御に比べて隣接ドットを形成するインク滴の着弾時間差を大きくすることができる。
図8(a)に示す打滴制御では、例えば、隣接するドット100-0及びドット100-7を形成する場合、ドット100-0を形成するインク滴は記録媒体16のLoが図7のA0に位置するタイミングで記録媒体16に着弾し、ドット100-0と隣接するドット100-7を形成するインク滴は、記録媒体16のLoが図7のA7に位置するタイミングで記録媒体16に着弾する。当該インク滴の着弾時間差は打滴周期の7周期分(記録媒体16のLoが図7に示すA0からA7まで移動する時間)となっている。
同様に、隣接するドット100-7とドット100-14を形成するインク滴の着弾時間差もまた、打滴周期の7周期分(記録媒体16のLoが図7に示すA7からA14まで移動する時間)となっている。即ち、図8(a)に示す打滴制御では、隣接するドットにおいて当該ドットを表す円内に記載されている数字の差に打滴周期を乗じて求められる時間が当該ドットを形成するインク滴間の着弾時間差となっており、図8(a)に示す打滴制御における隣接するドットを形成するインク滴の着弾時間差の最小値を打滴周期の7周期分の時間とすることができる。
また、図8(b)に示す打滴制御においても、隣接するドットにおいて当該ドットを表す円内に記載されている数字の差に打滴周期を乗じて求められる時間が当該ドットを形成するインク滴間の着弾時間差となっており、例えば、ドット100-1とドット100-6やドット100-22とドット100-27を形成するインク滴の着弾時間差が隣接するドットを形成するインク滴の着弾時間差の最小値である。この着弾時間差の最小値は打滴周期の5周期分の時間であり、図8(a)に示す打滴制御に比べて隣接するドットを形成するインク滴の着弾時間差が短くなっている。
次に、図9乃至図11を用いて、ドットサイズとドット間ピッチについて説明する。図9は、記録媒体16に着弾したインク滴120を記録媒体16の画像記録面側から見た図であり、図10は、図9中X−X線に沿う断面図である。図9及び図10に示すように、インク滴120の記録媒体16への着弾時の直径はD1aであり、このインク滴120によって形成されるドット122(破線で図示)は、該インク滴120の着弾時の直径D1aと同一の直径を有している。
染料系インクを用いる場合、記録媒体16の表面に着弾したインク滴120は、時間経過とともに記録媒体16の受像層(図示省略)内に浸透し、その浸透はインク滴120の外側から内側に向かって進行し、インク滴120の直径は徐々に小さくなる。
インク滴120が着弾してから所定の時間が経過すると、記録媒体16の表面の溶媒(液体成分)がなくなり、インク滴120は記録媒体16に完全に浸透して、直径D1aを有するドット122が形成される。本例では、記録媒体16の表面に着弾したタイミングから記録媒体16の表面にインク溶媒がなくなるタイミングまでの時間を完全浸透時間とする。
図11は、先に着弾したインク滴120が完全に浸透する前に(着弾時から完全浸透時間が経過する前に)、ドット122と重なるように形成されるドット124を形成するインク滴126が着弾した状態を示した図であり、図12は、図11中VII−VII線に沿う断面図である。
図11及び図12には、先に着弾したインク滴120は記録媒体16への浸透が進行して、記録媒体16の表面に残る液体の直径がD1b(但し、D1a>D1b)となり、インク滴120が後に着弾したインク滴126と記録媒体16の表面で接触しない状態を示している。後に着弾したインク滴126の記録媒体16への着弾時の直径はD2aであり、インク滴120とインク滴126との中心間間隔(ドット122とドット124のドット間ピッチ)はPdである。
このように、先に着弾したインク滴120と、該インク滴120の着弾タイミングから所定の打滴インターバル経過後に着弾したインク滴126が記録媒体16の表面で接触しない条件は、Pd>(D1b/2)+(D2a/2)を満たしている。なお、この条件は、D1b<2×Pd−D2aと表すことができる。
また、ドット122とドット126が重なる条件は、Pd<(D1b/2)+(D2a/2)の関係を満たしている。即ち、先に着弾したインク滴120の直径がD1aから上記条件を満たすD1b(半浸透状態の直径)になるまでの時間が記録媒体16の種類(浸透特性)に対するインクの浸透速度から算出され、隣り合うドットを形成するインク滴の打滴インターバル(例えば、インク滴120とインク滴124の打滴インターバル)がインク滴120の直径がD1aからD1bになるまでの時間以上となるようにインク打滴が制御される。
言い換えると、図11に示すドット122は、インク滴120が記録媒体16に浸透していない領域(図11中実線で図示したインク滴120として示した領域)と、インク滴120の記録媒体16への浸透が終了し、記録媒体16の受像層内部にインク色素(溶質)が保持されている領域(図11中破線で示したドット122を表す領域から実線で示したインク滴120を表す領域を除いた領域)が存在し、この両者のうち、インク滴120の記録媒体16への浸透が終了した領域にはドット124を形成するインク滴126を着弾させてもよい。
図12に示すように、後に着弾したインク滴126が記録媒体16へ浸透する際に、記録媒体16の受像層内のドット122とインク滴126が重なる領域で、インク滴120とインク滴126の混合が生じても、この領域ではインク滴120は既に受像層内に浸透(定着)し、インク色素は受像層内の保持された状態であり、受像層内においてドット122の形状が視認される程度に変形することはない。
インク滴126が記録媒体16へ着弾してから完全浸透時間が経過すると(即ち、インク滴126が記録媒体16へ完全に浸透すると)、図13及び図14に示すように直径D1aを有するドット122と、直径D2aを有するドット124が形成される。なお、図14は図13中XIV−XIV線に沿う断面図である。
図8(a)に示す本発明に係る打滴制御(即ち、斜め方向の万線を用いた万線方式)では、図11及び図13に示すドット間ピッチPdは、図8(a)に示す主走査方向のドット間ピッチPdm及び副走査方向のドット間ピッチPdsに関連している。主走査方向のドット間ピッチPdmは、主走査方向に隣接するドットを形成するインク滴を打滴するノズル(例えば、図7のノズル51-11とノズル51-12)の主走査方向のノズル間ピッチ(ノズル間距離)Pnmであり、主走査方向のドット間ピッチPdmはノズル配置によって決められる。
また、副走査方向のドット間ピッチPdsは、記録媒体16の搬送速度に打滴インターバルを乗じて求められる。なお、記録媒体16の搬送速度は、(記録媒体16の最小搬送距離x)/(吐出周期)で表される。
本例では、万線方向の隣接ドット(例えば、図8(a)のドット100-0とドット100-7は、図13のように互いに重なり合って定着することが好ましい。即ち、図8(a)の万線方向を示す角度αと、万線方向に隣接するドットの主走査方向のドット間ピッチPdmと、図13に示すドット径Da1(或いは、Da2)が、cosα>(Pdm/Da1)或いは、cosα>(Pdm/Da2)となる関係を満たした上で、且つ、記録媒体16の搬送誤差による主走査方向に平行な方向のすじむらが視認されないように、万線方向を示す角度αを決定することがこのましい。
なお、顔料系インクを用いる場合には、記録媒体16に着弾したインク滴は記録媒体16の内部にはほとんど浸透せずに、記録媒体16の表面で硬化して定着する。したがって、先に着弾したインク滴が後に着弾したインク滴と合一しない程度に硬化した半硬化状態になった後に、次のインク滴が着弾するように打滴インターバルを制御すればよい。
即ち、先に着弾したインク滴が着弾してから半硬化状態となるまでの時間が、染料系インクにおける先に着弾したインク滴の直径がD1a(着弾時の直径)からD1b(半硬化状態の直径)になるまでの時間に対応している。
図15には、上述した打滴制御を行う打滴制御部200を示す。該打滴制御部200は、図6のプリント制御部80に含まれる。
図6のホストコンピュータ86から画像データ202を取得すると、図15のドットデータ制御部210において、RGBデータからCMYデータへの変換、濃淡インクの振り分け、CMYKドットデータの生成が行われる。
次に、不等式演算部212において、隣接ドット(例えば、図8(a)のドット100-0とドット100-7)のドット間ピッチPd及び後に打滴されるインク滴(例えば、図11のインク滴126)の直径D2aに基づいて、先に打滴されるインク滴(例えば、図11のインク滴120)の半定着状態の直径D1bが求められる。なお、ここでいう半定着状態とは、染料系インクにおける半浸透状態や、顔料系インクにおける半硬化状態を示している。
また、図15に示すドット径演算・記憶部214では、インクの種類、記録媒体16の種類、インクの温度、環境温度などの情報に基づいてインクの定着速度(浸透速度或いは硬化速度)が算出され、記憶される。なお、インクの種類、記録媒体16の種類、インクの温度、環境温度などのパラメータごとに予め求められたインクの定着速度をデータベース化して記憶してもよい。更に、逐次算出されたインクの定着速度や上記パラメータごとに予め求められたインクの定着速度のデータベースを記憶する記憶部を該打滴制御部200の外部に備える態様も可能である。該記憶部を打滴制御部200の外部に備える態様では、図6のメモリ74(画像バッファメモリ82)などの他の記憶媒体と該記憶部を兼用してもよい。
タイミング演算部216では、ドット径演算・記憶部214に記憶された定着速度情報を参照して打滴インターバルが算出されるとともに、記録媒体16の搬送速度や打滴周期などのタイミング制御パラメータが決定される。
ノズル駆動信号生成部218では、タイミング演算部216で算出された打滴インターバル、タイミング制御パラメータに基づいて、各ノズル51のノズル駆動信号220が生成される。なお、ノズル駆動信号生成部218が図6のヘッドドライバ84に含まれる態様もある。
上記の如く構成されたインクジェット記録装置10では、主走査方向に沿う行方向及び主走査方向と直交しない斜めの列方向に複数のノズル51を配置したマトリクス型ヘッドの主走査方向と列方向とのなす角度θを、主走査方向を基準として0度<θ<90度とするときに、記録媒体16上における主走査方向と万線方向とのなす角度αが−90度<α<0度となるように、または90度<θ180度とするときに、−180度<α<−90度となるように)、万線方向が決められ、この万線方向に沿ってドットを並べるようにインク打滴が制御されるので、隣接ドットとなるインク滴の着弾時間間隔を長くすることができ、記録媒体16上で発生する着弾干渉を効果的に防止することができる。
なお、本例では、マトリクス配置されたノズル51の列方向に6個のノズル51を備えるインクジェットヘッドを示したが、本発明は、該列方向に3個以上のノズルを有するインクジェットヘッドに適用される。即ち、該列方向に3個以上のノズルを有する場合に、図8(a)に示す万線方向(マトリクス配列されたノズル51の列方向と逆方向)に沿って並べた場合の隣接ドットを形成するインク滴の着弾時間差の最小値が、図8(b)に示す万線方向に沿ってドットを並べた場合の隣接ドットを形成する着弾時間差の最小値よりも長くなり、着弾干渉を防止する効果を得ることができる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態に係るインクジェット記録装置について説明する。図16には、黒(K)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)に対応した複数のヘッド50(図1のインクジェットヘッド12K,12C,12M,12Yに対応)を備える態様を示す。なお、各ヘッド12K,12C,12M,12Yには、ノズル51及び圧力室52が図示されている。
次に、本発明の第2実施形態に係るインクジェット記録装置について説明する。図16には、黒(K)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)に対応した複数のヘッド50(図1のインクジェットヘッド12K,12C,12M,12Yに対応)を備える態様を示す。なお、各ヘッド12K,12C,12M,12Yには、ノズル51及び圧力室52が図示されている。
図16に示すように、記録媒体搬送方向の上流側から黒、シアン、マゼンダ、イエローに対応したヘッド12K,12C,12M,12Yが順に並べられている。各ヘッド12K,12C,12M,12Yのマトリクス配置されたノズル51の列方向と主走査方向とのなす角度はそれぞれθK、θC、θM、θYとなっており、これらのマトリクス配置されたノズル51の列方向を表す角度は主走査方向を基準として、90度<θK<180度、0度<θC<90度、90度<θM<180度、0度<θY<90度の条件を満たしている。
即ち、複数色に対応して色ごとにヘッド12K,12C,12M,12Yを備える態様では、複数のインクジェットヘッド12K,12C,12M,12Yのうち少なくとも1つのヘッドのマトリクス配置されたノズル51の列方向(該列方向と主走査方向とのなす角度θ1)を他のヘッドのマトリクス配置されたノズル51の列方向(該列方向と主走査方向とのなす角度θ2)と逆向き方向(90度<θ1<180度とするときに、0度<θ2<90度、或いは0度<θ1<90度とするときに、90度<θ2<180度)の条件を満たすように構成することで、記録画像に発生するモアレパターンの視認性を低減させることができる。
モアレパターンとは、万線方式のような規則的な基調において発生する干渉縞であり、記録画像にモアレパターンが生じると大きな画像劣化の要因になる。モアレパターンは、各色インクの角度が少しずれて重なる場合に発生するので、黒、シアン、マゼンダ、イエローの各インクの万線方向と主走査方向とのなす角度αK、αC、αM、αYを、例えば、αK=45度、αC=−30度、αM=15度、αY=−75度のように角度を大きくずらすことが好ましい。このとき、すじむらの視認性が低いインク(例えば、イエローインク)は、万線方向と主走査方向とのなす角度(例えば、θY)の絶対値を大きくすることがより好ましい。
図16に示すヘッド構成では、ヘッド12K及びヘッド12Mのマトリクス配置されたノズル51の列方向が、ヘッド12C及びヘッド12Yのマトリクス配置されたノズル51の列方向と逆向き方向となっている。なお、マトリクス配置されたノズル51の列方向が同じ向きの方向のヘッド(例えば、ヘッド12Kとヘッド12M)間において該列方向を表す角度(例えば、角度θKとθM)を同じ角度としてもよいし、異なる角度としてもよい。
シアンインクとマゼンダインクとの間では、他の色間に比べてモアレパターンが視認されやすいことがわかっている。したがって、図16に示すように、シアンインクに対応するヘッド12Cのマトリクス配置されたノズル51の列方向をマゼンダインクに対応するヘッド12Mのマトリクス配置されたノズル51の列方向と逆向き方向にすることが好ましい。
即ち、シアンインクに対応するヘッド12Cのマトリクス配置されたノズル51の列方向を表す角度θCを、主走査方向を基準として0度<θC<90度(或いは90度<θC<180度)とするときに、マゼンダインクに対応するヘッド12Mのマトリクス配置されたノズル51の列方向を表す角度θMが90度<θM<180度(或いは、0度<θM<90度)の条件を満たすように構成するとよい。
また、同系色インクの間ではモアレパターンが視認されにくいことがわかっており、同系色インク(例えば、ライトシアンとシアン、ライトマゼンダとマゼンダ、ダークイエローとイエローなど)に対応するヘッドを備える場合、同系色インクに対応するヘッドにおけるマトリクス配置されたノズルの列方向は同じ向きにするとよい。
例えば、イエローに対応するヘッド12Yのマトリクス配置されたノズルの列方向と主走査方向とのなす角度θ3(例えば、図16のθY)が0度<θ3<90度(或いは、90度<θ3<180度)のとき、ダークイエローに対応するヘッド12Y’(不図示)のマトリクス配置されたノズル列の列方向と主走査方向とのなす角度をθ4(不図示)は0度<θ4<90度(或いは、90度<θ4<180度)の条件を満たすように決められる。なお、θ3=θ4とすると、イエローヘッド12Yとダークイエローヘッド12Y’の構成を共通化することができ、より好ましい。
〔第3実施形態〕
次に、本発明に係る第3実施形態について説明する。図17(a)は、第3実施形態に係るインクジェット記録装置に搭載されたインクジェットヘッド300の構造例を示す平面透視図であり、図17(b)は、ヘッド300から打滴されたインク滴によって形成された画像のドット配列を説明する概念図である。なお、図17(a)には、ヘッド300の一部が拡大されて図示されている。
次に、本発明に係る第3実施形態について説明する。図17(a)は、第3実施形態に係るインクジェット記録装置に搭載されたインクジェットヘッド300の構造例を示す平面透視図であり、図17(b)は、ヘッド300から打滴されたインク滴によって形成された画像のドット配列を説明する概念図である。なお、図17(a)には、ヘッド300の一部が拡大されて図示されている。
図17(a)に示すように、ヘッド300は、その長手方向を記録媒体16の幅方向に合わせて配置され、ヘッド300の長手方向と略直交する短手方向に沿って記録媒体16が移動するように構成されている。したがって、ヘッド300の長手方向が主走査方向、短手方向が副走査方向である。
ヘッド300は、各ノズル51に対応して設けられている圧力室52が、主走査方向と角度θをなす列方向に20個並べられた構造を有している。なお、図17(a)に示す圧力室52は、主走査方向に対する副走査方向の縮尺を1/20として図示されており、実際の圧力室52の形状は略正方形である。また、図17(a)には、同図中最も左側の圧力室52のみが図示されている。
図17(a)に示すA0、…、A20、…、A360、…、A380、…、Amは、図8(a)に示すA0〜Amと同様に記録媒体搬送方向に沿って搬送される記録媒体16(図17(b)に図示)の位置に対応しており、例えば、図17のA0で示す位置に、図17(b)に示す記録媒体16のLoが位置するタイミングで、記録媒体16の所定の位置にドット100-0(ドット100を示す円内に0と記載されたドット)を形成するインク滴が着弾する。
図17(a)に示すノズル配置は、主走査方向に隣接するドットを形成するインク滴を打滴する2つのノズル(例えば、図17(a)のノズル51-11Aとノズル51-21A)の副走査方向の間隔を副走査方向のノズル間隔の最小値よりも大きくするとともに、副走査方向に隣接する2つのノズル(副走査方向のノズル間隔が副走査方向のノズル間隔の最小値となる2つのノズル、例えば、図17のノズル51-11Aとノズル51-12A)の主走査方向の間隔を、当該ノズルから打滴されるインク滴同士が記録媒体16上で接触しないように決められる。
言い換えると、ヘッド300は、上述した副走査方向に隣り合うノズルの条件を満たすように、各ノズルブロック310内のノズル51を配置し、主走査方向と角度θ’をなす列方向に沿って5つのノズルブロック310を配置した構造を有している。
このようなノズル配置を適用し、図17(b)に示す、主走査方向と角度αをなす万線方向を有する万線110に沿ってドットを並べる打滴制御によれば、図18(a)に示すノズル配列を適用した場合に比べて、隣り合うドット(例えば、図17(b)のドット100-0とドット100-81)の着弾時間差の最小値を大きくすることが可能になる。
図18(a)に示すヘッド320のノズル配置(一般的なマトリクス配置されたノズル配置)では、主走査方向に隣り合うドットを打滴するノズル(例えば、ノズル50-11Aとノズル50-12A)の副走査方向の間隔は、副走査方向のノズル間隔の最小値となっており、また、副走査方向に隣り合うノズルは主走査方向に隣り合うドットを打滴するノズルであり、これらの主走査方向のノズル間隔は主走査方向のノズル間隔の最小値となっている。
図18(a)に示すヘッド320のノズル配置を適用し、主走査方向と角度αをなす万線方向を有する万線110に沿ってドットを並べる打滴制御によるドット配置を図18(b)に示す。図18(b)に示すドット配置では、隣接するドット(例えば、ドット100-0と100-21)の着弾時間差は、打滴周期の21周期分であり、図17(b)に示すドット配置では、隣接するドット(例えば、ドット100-0とドット100-81)の着弾時間差は、打滴周期の81周期分となっている。したがって、図17(a)に示すノズル配置を適用すると、図18(a)に示すノズル配置を適用する場合に比べて隣接するドットの着弾時間差を大きくすることができる。
図19は、図17(a)に示すヘッド300の一部(左下の部分)を拡大した拡大図である。図19には、主走査方向及び副走査方向の縮尺をそろえて圧力室52(52-11A、…等)の大きさが図示されている。
図19には、図17(a)に示す5つのノズルブロック310のうち、1つのノズルブロック(ノズルブロック1)を示す。図19に示すノズルブロック1は、主走査方向に沿って並べられたノズル51-11A、ノズル51-11B、ノズル51-11C、…、から構成されるノズル列330、ノズル51-12A、ノズル51-12B、ノズル51-12C、…、から構成されるノズル列332、ノズル51-13A、ノズル51-13B、ノズル51-13C、…、から構成されるノズル列334、ノズル51-14A、ノズル51-14B、ノズル51-14C、…、から構成されるノズル列336、を副走査方向に沿って順に並べて構成されており、図17(a)に示すヘッド300は、上述したように同一構成を有するノズルブロック1、ノズルブロック2、…、を副走査方向に沿って5つ並べて構成されている。
図19に示すように、ノズルブロック1内の各ノズル列330,332,334,336は、主走査方向にLnmだけずらして斜めに配置されている。更に、各ノズルブロックは、主走査方向にPnmだけずらして配置されている。即ち、図19に示すノズルブロック1のノズル51-11Aはノズルブロック2のノズル51-21Aと主走査方向にPnmだけ離して配置されている。
この主走査方向の距離Pnmは、ヘッド300におけるノズル配置の主走査方向の最小ノズル間ピッチであり、このような主走査方向のノズル間ピッチをPnmだけ離して配置されたノズルによって、記録媒体16上で隣接するドットを形成するインク滴が打滴される。即ち、記録媒体16上で隣接するドットの主走査方向のドット間ピッチ(例えば、図8に示すPdm)と同一となっている。
本実施形態におけるヘッド300のノズル配置を更に詳細に説明する。なお、上述したように各ノズルブロックは同一構成を有しているので、ここでは、各ノズルブロックを代表してノズルブロック1の構成を説明する。
ノズルブロック1内において、副走査方向に隣り合うノズル(例えば、ノズル51-11Aとノズル51-12A)のノズル間ピッチPnsは、副走査方向の最小ノズル間ピッチである。これは、正確には圧力室52間の隔壁の厚さ等を考慮しなければならないが、ここでは、圧力室52の副走査方向の大きさL2と略同一である。
また、圧力室52の主走査方向に大きさをL1とすると、各ノズル列330,332,334,336における主走査方向の最小ノズル間ピッチはL1になっている。なお、圧力室52は概略正方形となっており、L1=L2と考えてよい。
ノズルブロック1とノズルブロック2の副走査方向のピッチ(即ち、隣接するドットを形成するインク滴を打滴するノズル間ピッチ)Lnsは、各ノズルブロックにおける副走査方向に隣り合うノズルのノズル間ピッチPnsに各ノズルブロックが有するノズル列の数N(図19に示すノズルブロックではノズル列数Nは4)を乗じて求められる。本例では、Lns(=Pns×N)=Pns×4である。また、図17(a)に示す角度θ’は、tanθ’=(Lns/Pns)の関係を満たしている。
ノズルブロック1のノズル51-11Aと、ノズルブロック2のノズル51-21Aは、主走査方向のピッチがヘッド300の主走査方向の最小ノズル間ピッチPnmであり、ノズル51-11Aから打滴されたインク滴によって形成されたドット(例えば、図17(b)に示すドット100-0)は、所定の打滴インターバル(図17(b)に示す例では打滴周期の81周期分)経過後に、ノズル51-21Aから打滴されたインク滴によって形成されるドット(例えば、図17(b)のドット100-81)と重なることになる。
即ち、図17(a)に示すノズル配置において、隣接するドットを形成するインク滴を打滴するノズル(例えば、ノズル51-11Aとノズル51-21A)の副走査方向のノズル間ピッチは、図18(a)に示すノズル配置において、隣接するドットを形成するインク滴を打滴するノズル(例えば、ノズル51-11Aとノズル51-12A)の副走査方向のノズル間ピッチに比べて4倍となる。したがって、当該ノズル間の打滴インターバルもおよそ4倍となり、隣接するドットを形成するインク滴の着弾干渉を防止することができる。
また、各ノズルブロック310内の副走査方向に隣接したノズル間の主走査方向のノズル間ピッチLnmは、ヘッド300内の主走査方向の最小ノズル間ピッチPnmの整数倍になるように決められている。即ち、Lnm=Pnm×N’(但し、N’は2以上の整数)の関係を満たしている。
具体的には、図19のノズル51-11Aから打滴されたインク滴によって形成されるドット(例えば、図17(b)のドット100-0)に隣接するドット(図17(b)のドット100-81)を形成インク滴が図17(a)に示すノズル51-21Aから打滴され、更に、ノズル51-21Aから打滴されたインク滴によって形成されるドットに隣接するドット(図17(b)のドット100-162)を形成するインク滴が図17(a)に示すノズル51-31Aから打滴される。このようにして、ノズル51-41A、51-51Aから打滴されたインクによって隣接するドット(図17(b)のドット100-243,100-324)が形成される。
したがって、各ノズルブロック310内の副走査方向に隣り合うノズルの主走査方向のノズル間ピッチLnmは、隣接するドットを形成するインク滴を打滴するノズルのノズル間ピッチPnmの5倍となっている。即ち、本例では、上述した整数N’は5であり、Lnm=Pnm×5となる。
本例のヘッド300では、各ノズルブロック310内の副走査方向に隣り合うノズルの主走査方向のノズル間ピッチLnmは最大ドットサイズ(ドットの直径)よりも大きくなるように決められており、ドットの直径の最大値をDmaxは、Dmax≦Lnmの条件を満たしている。
一般に、主走査方向に隣り合うドットとなる2つのインク滴を打滴するとき、記録媒体の搬送速度V(μm/μsec)、圧力室52の副走査方向のサイズL2(μm、但し、Pns=L2)と、副走査方向にMノズル分だけ離れて配置されている2つのノズルから打滴されるインク滴の着弾時間差Δtとの関係は、Δt=(M×L2)/V(μsec)と表される。よって打滴されたインク滴が記録媒体16に定着(半定着)するまでの時間t0が、Δt>t0の条件を満たす場合に、これらのノズルから打滴されたインク滴は着弾干渉が発生せずに記録媒体16に定着することになる。
図18(a)に示すヘッド320のノズル配置では上記Mは1であるが、Δt>t0の条件を満たすようにMを設定することによって着弾干渉が防止される。図19に示すヘッド300では、このMが4と決められ、図18(a)に示すヘッド320のノズル配置に比べて主走査方向に隣り合うドットを形成するインク滴の着弾時間差Δtが4倍になる。
また、副走査方向のノズル密度(図19に示すノズル配置における副走査方向の最小ノズル間ピッチPns)が、副走査方向において同一位置に存在するノズル(例えば、図19のノズル51-11Aとノズル51-11B)の主走査方向のノズル間ピッチに等しいとする。即ち、図19において、圧力室52の主走査方向(図19の横方向)のサイズL1と副走査方向(図19のたて方向)のサイズL2が等しいとする。即ち、L1=L2(または、L1≒L2)とすることで、図4に示すアクチュエータ58の変位量の確保と圧力室52内の気泡滞留を防止することができる。
例えば、L1=L2=200(μm)、主走査方向のノズル密度を2400(npi)、吐出周波数を10(kHz)、記録媒体16の搬送速度Vを100(mm/sec)とすると、主走査方向に隣り合うノズルから打滴されるインク滴の着弾時間差Δtは、Δ図18(a)に示すノズル配置では、Δt=0.2116(mm)/100(mm/sec)=2.116(msec)であり、図19(図17(a))に示すノズル配置では、Δt=0.2116(mm)×4/100(mm/sec)=8.464(msec)となる。
〔変形例〕
次に、図20を用いて、上述したヘッド300の変形例について説明する。なお、図20中、図17(a)と同一又は類似する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
次に、図20を用いて、上述したヘッド300の変形例について説明する。なお、図20中、図17(a)と同一又は類似する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図20に示すヘッド360のノズル配置は、各ノズルブロック310の図17(a)(図19)における下から2段目のノズル列と3段目のノズル列を入れ替えた構造を有している。例えば、図20のノズルブロック1は、図17(a)に示すノズルブロック1において、ノズル51-12Aを含むノズル列332と、ノズル51-13Aを含むノズル列334と、を入れ替えている。また、他のノズルブロック310においても、同様に当該ノズル列の配置を入れ替えている。
このノズル列の入れ替えは、各ノズルブロック310内でのみ行われ、各ノズルブロック310の配置関係は、図17(a)に示す配置関係が維持されている。例えば、図20のノズル配置において、ノズルブロック1のノズル51-11Aに対して主走査方向のノズル間ピッチが最小となるノズルは、ノズルブロック2のノズル51-21Aであり、ノズル51-11Aとノズル51-21Aとの主走査方向のノズル間ピッチPnm及び副走査方向のノズル間ピッチLnsは図17(a)に示すノズル配置における関係が維持されている。
また、各ノズルブロック310内の各ノズルの主走査方向における隣り合うノズルとは、同一ノズルブロック内でそのノズルに対して主走査方向のノズル間ピッチが最小となるノズルを示す。例えば、図20に示すように、ノズルブロック1のノズル51-11Aに対して主走査方向の距離が最小となるノズルはノズル51-12Aであり、ノズルブロック1においてノズル51-11Aの主走査方向に隣り合うノズルとは、ノズル51-13Aではなくノズル51-12Aである。
同様に、ノズルブロック310内において、ノズル51-12Aに対してノズル51-13Aは主走査方向における隣り合うノズルであり、ノズル51-13Aに対してノズル51-14Aは主走査方向における隣り合うノズルである。図20に示すように、主走査方向に隣り合うノズルの主走査方向のノズル間ピッチは、図19(図17(a))に示すノズル配置と同様にLnmである。
この同一ノズルブロック310内での主走査方向の隣り合うノズルの主走査方向のノズル間ピッチLnmは、隣り合うドットを形成するインク滴を打滴するノズルの主走査方向のノズル間ピッチ(ヘッド360のノズル配置における主走査方向の最小ノズル間ピッチ)PnmのN’倍(但し、N’は2以上の整数)であり、ヘッド360のノズル配置では、ヘッド300のノズル配置と同様に、Lnm=Pnm×5(即ち、N’=5)である。
図17(a)に示すヘッド300のノズル配置では、各ノズルブロック310を構成する複数のノズル列(例えば、ノズル列330,332,334,336)をそれぞれ主走査方向に所定の距離Lnmずつずらしながら副走査方向に隣接させて並べたが、これに対して図20に示すヘッド360のノズル配置では、各ノズルブロック310を構成する複数のノズル列が副走査方向に副走査方向に隣接するか否かに関係なく、主走査方向に所定の距離Lnmで隣り合うように並べられる。このように、図20に示す例では、各ノズルブロック310内のノズル列が図17(a)に示す例のように階段状に並べられているのではなく、主走査方向に交互にずらしながら、副走査方向に並べて配置されてノズルブロックを構成している。
また、図20に示すヘッド360は、ノズル51-11A、ノズル51-21A、ノズル51-31A、ノズル51-41A、ノズル51-51Aから成るノズル群380と、ノズル51-12A、ノズル51-22A、ノズル51-32A、ノズル51-42A、ノズル51-52Aから成るノズル群382と、ノズル51-13A、ノズル51-23A、ノズル51-33A、ノズル51-43A、ノズル51-53Aから成るノズル群384と、を含んで構成されていると見ることができる。
即ち、ヘッド360は、上述したような5つのノズルを有するノズル群380、382、384、…、を副走査方向の位置を交互にずらしながら主走査方向に沿って並べた構造を有し、各ノズル群380、382、384、…、の主走査方向のピッチLnmは、主走査方向の最小ノズル間ピッチPnmに対してLnm=Pnm×N’(但し、N’は2以上のであり、1つのノズル群に含まれるノズル数)であり、図20に示すヘッド360のノズル配置では、Lnm=Pnm×5である。
次に、各ノズル群380、382、384、…、の間の副走査方向のピッチについて説明する。ノズル群380とノズル群382と間隔Lgs1は、副走査方向の最小ノズルピッチPnsの2倍(即ち、Lgs1=Pns×2=L2×2)であり、ノズル群382とノズル群384との副走査方向のピッチLgs2は、副走査方向の最小ノズルピッチPns(即ちLgs2=Pns=L2)となっている。以降のノズル群の副走査方向のピッチは上述した関係を繰り返して決められる。
上記の如く構成されたインクジェット記録装置では、主走査方向に隣接するドットを形成するインク滴を打滴するノズルのピッチを副走査方向に離すとともに、副走査方向に隣接するノズルの主走査方向のピッチを離すことで、これらのノズルから打滴されるインク滴が記録媒体16上で接触しないので、斜め方向の万線を形成するドットとなるインク滴の着弾時間差が長くなり、記録媒体16上で発生する着弾干渉を効果的に防止することができる。
なお、着弾干渉が引き起こす記録画像における最大の視認劣化要因は、先に着弾したインク滴に後に着弾したインク滴が引き寄せられることによって生じる副走査方向のすじむらであり、副走査方向に隣接するドットを形成するインク滴の着弾干渉は、このような画像劣化にはあまり寄与しない。したがって、本例では、主として副走査方向以外の方向に隣接するドットの着弾干渉を低減する技術について詳細に説明した。
本例では、記録媒体16の全幅に対応する長さのノズル列を有するページワイドのフルライン型ヘッド50(12K,12C,12M,12Y)を用いたインクジェット記録装置10を説明したが、本発明の適用範囲はこれに限定されず、短尺の記録ヘッドを往復移動させながら画像記録を行うシャトルヘッドを用いるインクジェット記録装置についても本発明を適用可能である。
また、本例では、ヘッド(インクジェットヘッド)50に備えられるノズル51からインクを吐出させて、記録媒体16上に画像を形成するインクジェット記録装置10を示したが、本発明の適用範囲はこれに限定されず、レジストなどインク以外の液体で画像(立体形状)を形成する画像形成装置や、ノズル(吐出孔)から薬液、水などを吐出されるディスペンサ等の液体吐出装置などにも広く適用可能である。
10…インクジェット記録装置、12K,12C,12M,12Y,50…ヘッド、16…記録媒体、51…ノズル、52…圧力室、80…プリント制御部、100,122,124…ドット、110,110’…万線、120、126…インク滴
Claims (6)
- 記録媒体上において主走査方向に隣接し互いに重なるように形成されるドットとなるインク滴を打滴する3個以上のノズルが主走査方向と所定の角度θをなすノズル列方向に沿って配置され、該ノズル列方向に配置された3個以上のノズルから成るノズル列が主走査方向に沿って複数配置されたノズルブロックを備えたインクジェットヘッドと、
異なるノズルから打滴され記録媒体に着弾した複数のインク滴によって形成されたドット群の万線方向が前記記録媒体上における主走査方向と所定の角度αをなすように前記インクジェットヘッドの打滴を制御する打滴制御手段と、
を備え、
前記ノズルブロックにおける主走査方向を基準とする主走査方向と前記ノズル列方向とのなす角度θを0度<θ<90度とするときに、主走査方向を基準とする主走査方向と前記万線方向とのなす角度αは−90度<α<0度の条件を満たすか、或いは、前記角度θを90度<θ<180度とするときに、前記角度αは−180度<α<−90度の条件を満たすことを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記インクジェットヘッドは、異なる色のインクに対応する2つ以上の前記ノズルブロックを備え、
異なる色のインクに対応した2つ以上のノズルブロックのうち少なくとも1つのノズルブロックにおける主走査方向を基準とする主走査方向と前記ノズル列方向とのなす角度θ1を0度<θ1<90度とするときに、他のノズルブロックにおける主走査方向を基準とする主走査方向と前記ノズル列方向とのなす角度θ2は90度<θ2<180度の条件を満たすか、或いは、前記角度θ1を90度<θ1<180度とするときに、前記角度θ2は0度<θ2<90度の条件を満たすことを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。 - 前記インクジェットヘッドは、少なくともシアンインクに対応するノズルブロック及びマゼンダインクに対応するノズルブロックを備え、
前記シアンインクに対応するノズルブロックにおける主走査方向を基準とする前記主走査方向と前記ノズル列方向とのなす角度θCを0度<θC<90度とするときに、前記マゼンダインクに対応するノズルブロックにおける主走査方向を基準とする前記主走査方向と前記ノズル列方向とのなす角度θMは90度<θM<180度の条件を満たすか、或いは、前記角度θCを90度<θC<180度とするときに、前記角度θMは0度<θM<90度の条件を満たすことを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。 - 前記インクジェットヘッドは、同系色インクに対応するノズルブロックを備え、
前記同系色インクに対応するノズルブロックのうち1つのノズルブロックにおける主走査方向を基準とする前記主走査方向と前記ノズル列方向とのなす角度θ3を0度<θ3<90度とするときに、他のノズルブロックのうち少なくとも1つのノズルブロックにおける主走査方向を基準とする前記主走査方向との前記ノズル列方向のなす角度θ4は0度<θ4<90度の条件を満たすか、或いは、前記角度θ3を90度<θ3<180度とするときに、前記角度θ4は90度<θ4<180の条件を満たすことを特徴とする請求項1、2又は3記載のインクジェット記録装置。 - 前記インクジェットヘッドは、記録媒体上において主走査方向に隣接し互いに重なるように形成されるドットとなるインク滴を打滴する第1のノズル及び第2のノズルと、
前記第1のノズルと副走査方向に隣り合う第3のノズルと、
を備え、
前記第1のノズルと前記第2のノズルとの間の副走査方向における距離が、前記第1のノズルと前記第3のノズルとの間の副走査方向における距離のN倍(但し、Nは2以上の整数)となるとともに、前記第1のノズルと前記第3のノズルとの間の主走査方向における距離が前記第1のノズル及び前記第3のノズルから打滴されたインク滴によって前記記録媒体上に形成されるドットの直径の最大値以上となるように前記第1のノズル、第2のノズル及び第3のノズルを配置したことを特徴とする請求項1乃至4のうち何れか1項に記載のインクジェット記録装置。 - 前記第1のノズルと前記第3のノズルとの間の主走査方向における距離が、前記第1のノズルと前記第2のノズルとの間の主走査方向の距離のN’倍(但し、N’は2以上の整数)であることを特徴とする請求項5記載のインクジェット記録装置。
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JP2005175535A Pending JP2006346982A (ja) | 2005-06-15 | 2005-06-15 | インクジェット記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006346982A (ja) |
-
2005
- 2005-06-15 JP JP2005175535A patent/JP2006346982A/ja active Pending
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Legal Events
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A711 | Notification of change in applicant |
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