JP2006346947A - 複合材、コーティング液および複合材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】外力の印加した場合にも、基材の意匠性が維持される複合材を提供する。
【解決手段】本発明では、基材と、該基材上に設けられた被覆部とを有し、該被覆部は、(A)M−O結合(MはSi、Al、Ti、Zr、Snのいずれか)を有する三次元網目構造体、(B)可塑性ポリマー粒子を含有してなることを特徴とする複合材であって、前記可塑性ポリマー粒子は被覆部中において、略接することなく分散していることを特徴とする複合を提供する。
【選択図】図4
【解決手段】本発明では、基材と、該基材上に設けられた被覆部とを有し、該被覆部は、(A)M−O結合(MはSi、Al、Ti、Zr、Snのいずれか)を有する三次元網目構造体、(B)可塑性ポリマー粒子を含有してなることを特徴とする複合材であって、前記可塑性ポリマー粒子は被覆部中において、略接することなく分散していることを特徴とする複合を提供する。
【選択図】図4
Description
本発明は、外力を印加した場合にも、基材の意匠性が維持される複合材に関する。
近年、各種基材の表面に保護コーティングを施し、基材への傷の発生により意匠性が損なわれることを防止する手段が提案されている。
金属酸化物膜を形成し、防傷性を向上させたステンレスシンク(例えば、特許文献1参照。)や、ステンレス表面に釉薬層を形成した防汚製品(例えば、特許文献2参照。)、プラスチックレンズ表面にコロイダルシリカとエポキシ基含有珪素化合物からなるコーティング層を形成した成形体(例えば、特許文献3参照。)などが開示されている。
しかしながら、特許文献1記載の金属酸化物膜を形成したステンレスシンクでは、ある程度の表面硬度の向上は達成されているものの、例えば焼成された金属酸化物からなる陶器などとの接触では、やはり傷が容易に発生し、耐傷性は十分ではなかった。
また、特許文献2記載の釉薬層を形成した防汚製品では、焼成により釉薬層を形成するため、800℃以上の温度にて焼成する必要があり、耐熱性を有する基材に限定されるという問題があったし、基材に金属を用いた場合、表面が酸化し、変色するため外観を損ねるという問題があるため、着色した不透明な釉薬層を形成する必要があり、必然的に基材の質感が失われるという問題があった。
また、特許文献3記載のコロイダルシリカとエポキシ基含有珪素化合物からなるコーティング層を形成した成形体では、ある程度の表面硬度の向上は達成されているものの、例えば焼成された金属酸化物からなる陶器などとの接触では、コロイダルシリカが脱落するなどして、やはり傷が容易に発生し、耐傷性は十分ではなかった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、外力を印加した場合にも、基材の意匠性が維持される複合を提供することである。
上記課題を解決するために本発明では、基材と、該基材上に設けられた被覆部とを有し、該被覆部は、(A)M−O結合(MはSi、Al、Ti、Zr、Snのいずれか)を有する三次元網目構造体、(B)可塑性ポリマー粒子を含有してなることを特徴とする複合材であって、前記可塑性ポリマー粒子は被覆部中において、略接することなく分散していることを特徴とするとし、外力を印加した場合にも、基材の意匠性が維持される複合材を提供する。
本発明では、基材と、該基材上に設けられた被覆部とを有し、該被覆部は、(A)M−O結合(MはSi、Al、Ti、Zr、Snのいずれか)を有する三次元網目構造体、(B)可塑性ポリマー粒子を含有してなることを特徴とする複合材であって、前記被覆部中の可塑性ポリマー粒子の含有量が1体積%以上かつ20体積%未満であることを特徴とし、外力を印加した場合にも、基材の意匠性が維持される複合材を提供する。
本発明の好ましい態様においては、前記被覆部の表面には、前記可塑性ポリマー粒子の自形に対応した凸部を有する凹凸構造が形成されているようにする。
本発明の好ましい態様においては、前記可塑性ポリマー粒子の平均粒径が、前記被覆部の膜厚よりも大きいようにする。
本発明の好ましい態様においては、前記被覆部の膜厚が0.3〜20μmとする。
本発明のさらに好ましい態様においては、前記被覆部の膜厚が0.3〜8μmとする。
本発明のさらに好ましい態様においては、前記被覆部の膜厚が0.3〜8μmとする。
本発明の好ましい態様においては、前記可塑性ポリマー粒子の平均粒径が0.1〜20μmであるようにする。
本発明のさらに好ましい態様においては、前記可塑性ポリマー粒子の平均粒径が0.1〜8μmであるようにする。
本発明のさらに好ましい態様においては、前記可塑性ポリマー粒子の平均粒径が0.1〜8μmであるようにする。
本発明の好ましい態様においては、前記被覆部が略透明であるようにする。
本発明の好ましい態様においては、前記基材が延性基材とする。
本発明のさらに好ましい態様においては、前記延性基材をステンレス鋼またはアルミニウムとする。
本発明のさらに好ましい態様においては、前記延性基材をステンレス鋼またはアルミニウムとする。
本発明の好ましい態様においては、前記延性基材はシンクおよび/またはカウンターであり、少なくとも使用面側の一部には、上記いずれかの被覆部を備えているようにする。
本発明では、可塑性ポリマー粒子と(C)M−O結合(MはSi、Al、Ti、Zr、Snのいずれか)を有する三次元網目構造体及び/またはその前駆体とを含有し、加熱することによって硬化させることで基材上に被覆部を形成するコーティング液であって、被覆部中の可塑性ポリマー粒子の含有量が1体積%以上かつ20体積%未満となるように、可塑性ポリマー粒子と(C)M−O結合(MはSi、Al、Ti、Zr、Snのいずれか)を有する三次元網目構造体及び/またはその前駆体とを含有することを特徴とするコーティング液を提供する。
本発明の好ましい態様においては、前記可塑性ポリマー粒子の平均粒径が0.1〜20μmであるようにする。
本発明のさらに好ましい態様においては、前記可塑性ポリマー粒子の平均粒径が0.1〜8μmであるようにする。
本発明のさらに好ましい態様においては、前記可塑性ポリマー粒子の平均粒径が0.1〜8μmであるようにする。
本発明では、基材へ、可塑性ポリマー粒子と(C)M−O結合(MはSi、Al、Ti、Zr、Snのいずれか)を有する三次元網目構造体及び/またはその前駆体とを含有し、加熱することによって硬化させることで基材上に被覆部を形成するコーティング液であって、被覆部中の可塑性ポリマー粒子の含有量が1体積%以上かつ20体積%未満となるように、可塑性ポリマー粒子と(C)M−O結合(MはSi、Al、Ti、Zr、Snのいずれか)を有する三次元網目構造体及び/またはその前駆体とを含有することを特徴とするコーティング液を塗布した後、基材ごと加熱することで前記コーティング液を硬化させ、基材上に、(A)M−O結合(MはSi、Al、Ti、Zr、Snのいずれか)を有する三次元網目構造体、(B)可塑性ポリマー粒子を含有してなることを特徴とする被覆部を形成することを特徴とする複合材の製造方法を提供する。
本発明では、延性基材をシンクおよび/またはカウンター形状に絞り加工した後、前記延性基材へ、可塑性ポリマー粒子と(C)M−O結合(MはSi、Al、Ti、Zr、Snのいずれか)を有する三次元網目構造体及び/またはその前駆体とを含有し、加熱することによって硬化させることで基材上に被覆部を形成するコーティング液であって、被覆部中の可塑性ポリマー粒子の含有量が1体積%以上かつ20体積%未満となるように、可塑性ポリマー粒子と(C)M−O結合(MはSi、Al、Ti、Zr、Snのいずれか)を有する三次元網目構造体及び/またはその前駆体とを含有することを特徴とするコーティング液を塗布し、基材ごと加熱することで前記コーティング液を硬化させることを特徴とする複合材の製造方法を提供する。
本発明では、延性基材へ可塑性ポリマー粒子と(C)M−O結合(MはSi、Al、Ti、Zr、Snのいずれか)を有する三次元網目構造体及び/またはその前駆体とを含有し、加熱することによって硬化させることで基材上に被覆部を形成するコーティング液であって、被覆部中の可塑性ポリマー粒子の含有量が1体積%以上かつ20体積%未満となるように、可塑性ポリマー粒子と(C)M−O結合(MはSi、Al、Ti、Zr、Snのいずれか)を有する三次元網目構造体及び/またはその前駆体とを含有することを特徴とするコーティング液を塗布し、基材ごと加熱することで前記コーティング液を硬化させた後、シンクおよび/またはカウンター形状に絞り加工することを特徴とする複合材の製造方法を提供する。
本発明によれば、外力を印加した場合にも、基材の意匠性が維持される複合材を提供することが可能となる。
以下に、本発明の最良の形態について説明する。
本発明の一形態は、基材と、該基材上に設けられた被覆部とを有し、該被覆部は、(A)M−O結合(MはSi、Al、Ti、Zr、Snのいずれか)を有する三次元網目構造体、(B)可塑性ポリマー粒子を含有してなることを特徴とする複合材であって、前記可塑性ポリマー粒子は被覆部中において、略接することなく分散していることを特徴とする。そうすることで、外力を印加した場合にも、基材の意匠性が維持される複合材の提供を可能とした。
本発明の一形態は、基材と、該基材上に設けられた被覆部とを有し、該被覆部は、(A)M−O結合(MはSi、Al、Ti、Zr、Snのいずれか)を有する三次元網目構造体、(B)可塑性ポリマー粒子を含有してなることを特徴とする複合材であって、前記可塑性ポリマー粒子は被覆部中において、略接することなく分散していることを特徴とする。そうすることで、外力を印加した場合にも、基材の意匠性が維持される複合材の提供を可能とした。
本発明の一形態は、基材と、該基材上に設けられた被覆部とを有し、該被覆部は、(A)M−O結合(MはSi、Al、Ti、Zr、Snのいずれか)を有する三次元網目構造体、(B)可塑性ポリマー粒子を含有してなることを特徴とする複合材であって、前記被覆部中の可塑性ポリマー粒子の含有量が1体積%以上かつ20体積%未満であることを特徴とする。そうすることで、外力を印加した場合にも、基材の意匠性が維持される複合材の提供を可能とした。
ここで、M−O結合(MはSi、Al、Ti、Zr、Snのいずれか)を有する三次元網目構造体とは、基材上にM−O結合による三次元網目構造を形成するものであり、一部M−O結合を形成しない未反応残基が存在していても良い。
ここで、可塑性ポリマー粒子が被覆部にある程度の柔軟性を付与するため、外力を印加した場合にも、基材への追従性が向上し、基材の意匠性が維持される作用が良好に発揮される。
可塑性ポリマー粒子は被覆部中において略接することなく分散していると、三次元網目構造体を阻害することなく、可塑性ポリマー粒子の柔軟性が被覆部に付与されるため、基材の意匠性が維持される作用が良好に発揮される。
被覆部中に可塑性ポリマー粒子が過剰に存在し、可塑性ポリマー粒子が凝集したりしていると、外力を印加した場合に、可塑性ポリマー粒子が脱落するなどして、基材の意匠性が維持される作用が発揮されない。
被覆部中に可塑性ポリマー粒子が過剰に存在し、可塑性ポリマー粒子が凝集したりしていると、外力を印加した場合に、可塑性ポリマー粒子が脱落するなどして、基材の意匠性が維持される作用が発揮されない。
可塑性ポリマー粒子の体積比が1%未満であると、外力を印加した場合に、基材の意匠性が維持される作用が十分発揮されないし、20%以上では、被覆部中の三次元網目構造体が粗となるため、やはり外力を印加した場合に、基材の意匠性が維持される作用が十分発揮されない。
ここで、被覆部中の可塑性ポリマー粒子の体積比とは、被覆部の総体積に対する可塑性ポリマー粒子の比である。
ここで、前記被覆部は三次元網目構造体中に可塑性ポリマー粒子が分散した形態であってもよく、被覆部の表面に可塑性ポリマー粒子の自形に対応した凸部を有する凹凸構造が形成されていてもよい。
被覆部の表面に可塑性ポリマー粒子の自形に対応した凸部を有する凹凸構造が形成されていると、可塑性ポリマー粒子の可塑性がより顕著に発揮されるとともに、外力の印加があった場合に、可塑性ポリマー粒子の自形に対応した凸部が三次元網目構造体への外力の伝播を抑制するため、外力の印加した場合に、基材の意匠性が維持される作用が顕著に発揮される。
本発明では、前記可塑性ポリマー粒子の平均粒径が、前記被覆部の膜厚より大きいようにすることが好ましい。
そうすることで、被覆部の表面に確実に可塑性ポリマー粒子の自形に対応した凸部を有する凹凸構造が形成される。
そうすることで、被覆部の表面に確実に可塑性ポリマー粒子の自形に対応した凸部を有する凹凸構造が形成される。
本発明では、前記可塑性ポリマー粒子がふっ素樹脂粒子であるようにするのが好ましい。
ふっ素樹脂粒子は滑り性が良好であり、表面エネルギーも小さいため、外力を印加した場合にも、基材の意匠性が維持される作用が良好に発揮される。
ふっ素樹脂粒子は滑り性が良好であり、表面エネルギーも小さいため、外力を印加した場合にも、基材の意匠性が維持される作用が良好に発揮される。
本発明では、前記被覆部の膜厚が0.3〜20μmであるようにするのが好ましい。
ここで、本発明において膜厚とは、三次元網目構造体の膜厚であり、可塑性ポリマー粒子が一部露出している場合、露出部を含まない部分の厚みを意味し、走査型電子顕微鏡等による断面観察によって測定することができる。
0.3μmより膜厚が小さいと、外力を印加した場合に、基材の意匠性が維持される作用が十分発揮されないし、20μm以上になると被覆部にクラックが入るなどするため、やはり外力を印加した場合に、基材の意匠性が維持される作用が十分発揮されない。
ここで、本発明において膜厚とは、三次元網目構造体の膜厚であり、可塑性ポリマー粒子が一部露出している場合、露出部を含まない部分の厚みを意味し、走査型電子顕微鏡等による断面観察によって測定することができる。
0.3μmより膜厚が小さいと、外力を印加した場合に、基材の意匠性が維持される作用が十分発揮されないし、20μm以上になると被覆部にクラックが入るなどするため、やはり外力を印加した場合に、基材の意匠性が維持される作用が十分発揮されない。
本発明では、前記被覆部の膜厚が0.3〜8μmであるようにするのがより好ましい。
膜厚が8μm以下であると、種々の塗布方法を用いて容易に被覆部を形成することができるとともに、被覆部の外観も向上する。
膜厚が8μm以下であると、種々の塗布方法を用いて容易に被覆部を形成することができるとともに、被覆部の外観も向上する。
本発明では、前記可塑性ポリマー粒子の平均粒径が0.1〜20μmであるようにする。
平均粒径が0.1μmより小さいと、外力を印加にした場合に、基材の意匠性を維持する作用が低下し、20μmより大きくなると、基材の意匠性を損なうこととなる。
平均粒径が0.1μmより小さいと、外力を印加にした場合に、基材の意匠性を維持する作用が低下し、20μmより大きくなると、基材の意匠性を損なうこととなる。
本発明では、前記可塑性ポリマー粒子の平均粒径が0.1〜8μmであるようにする。
平均粒径が8μm以下であると、種々の塗布方法を用いて容易に被覆部を形成することができるとともに、被覆部の外観も向上する。
平均粒径が8μm以下であると、種々の塗布方法を用いて容易に被覆部を形成することができるとともに、被覆部の外観も向上する。
本発明の好ましい態様においては、前記被覆部の膜厚が0.3〜8μmかつ、可塑性ポリマー粒子の平均粒径が0.5〜20μmかつ、前記可塑性ポリマー粒子の平均粒径が被覆部の膜厚よりも大きいようにする。
そうすることで、確実に被覆部に可塑性ポリマー粒子の自形に対応した凸部を有する凹凸構造が形成され、基材の意匠性が維持される作用が良好に発揮される被覆部が、外観良く形成される。
そうすることで、確実に被覆部に可塑性ポリマー粒子の自形に対応した凸部を有する凹凸構造が形成され、基材の意匠性が維持される作用が良好に発揮される被覆部が、外観良く形成される。
本発明ではさらに好ましくは、前記基材が延性基材であるようにする。
延性基材は、加工性に優れるため、様々な工業製品として活用されており、例えばステンレス鋼、アルミニウム等の金属はその代表例であり、調理器具やキッチンシンク、キッチンカウンターなどで用いられている。しかしながら、延性基材はその特性ゆえ、表面硬度が低く、耐傷性に乏しいという欠点があったが、本発明の被覆部を形成することで、延性基材の延性を維持したまま、外力を印加した場合に、基材の意匠性が維持される作用効果が得られる。
延性基材は、加工性に優れるため、様々な工業製品として活用されており、例えばステンレス鋼、アルミニウム等の金属はその代表例であり、調理器具やキッチンシンク、キッチンカウンターなどで用いられている。しかしながら、延性基材はその特性ゆえ、表面硬度が低く、耐傷性に乏しいという欠点があったが、本発明の被覆部を形成することで、延性基材の延性を維持したまま、外力を印加した場合に、基材の意匠性が維持される作用効果が得られる。
本発明の被覆部は可塑性ポリマー粒子を含有するため、被覆部に柔軟性が付与されており、基材の変形に対応する追従性にも優れるため、延性基材の延性を維持したまた、外力を印加した場合に、基材の意匠性が維持される作用効果が得られる。
延性基材がシンクおよび/またはカウンターであり、少なくとも使用面側の一部に本発明の被覆部を備えていることを特徴とする複合材は、食器等との接触による摺動磨耗等の外力を印加した場合に、基材の意匠性が維持される作用が得られ、基材の意匠性が維持される。
また、シンクおよび/またはカウンターでは、重量物の落下や熱水がかかることにより基材と被覆部に応力が発生するが、本発明の被覆部は可塑性ポリマー粒子を含有するため、ある程度の被覆部の柔軟性が付与されているため、重量物が落下したときや、熱水と冷水が連続的にかかることにより基材に温度変化が生じたときにも、基材への追従性が発揮され、被覆部の剥離や脱落が抑制される。
本発明の被覆部を形成するためのコーティング液としては、可塑性ポリマー粒子と(C)M−O結合(MはSi、Al、Ti、Zr、Snのいずれか)を有する三次元網目構造体及び/またはその前駆体とを含有し、加熱することによって硬化させることで基材上に被覆部を形成するコーティング液であって、被覆部中の可塑性ポリマー粒子の含有量が1体積%以上かつ20体積%未満となるように、可塑性ポリマー粒子と(C)M−O結合(MはSi、Al、Ti、Zr、Snのいずれか)を有する三次元網目構造体及び/またはその前駆体とを含有することを特徴とするコーティング液が好適に用いられる。
コーティング液には希釈溶媒が含有されていても良い。
コーティング液には希釈溶媒が含有されていても良い。
本発明のコーティング液のさらに好ましい態様においては、前記可塑性ポリマー粒子の平均粒径が0.1〜20μmであるようにする。
ここで本発明において平均粒径とは、液体中での分散粒径であり、レーザー回折式粒度分布計などを用いて測定することができる。
平均粒径が0.1μmより小さいと、外力を印加にした場合に、基材の意匠性を維持する作用が低下し、20μmより大きくなると、基材の意匠性を損なうこととなる。
ここで本発明において平均粒径とは、液体中での分散粒径であり、レーザー回折式粒度分布計などを用いて測定することができる。
平均粒径が0.1μmより小さいと、外力を印加にした場合に、基材の意匠性を維持する作用が低下し、20μmより大きくなると、基材の意匠性を損なうこととなる。
本発明のコーティング液のさらに好ましい態様においては、前記可塑性ポリマー粒子の平均粒径が0.1〜8μmであるようにする。
平均粒径が8μm以下であると、種々の塗布方法を用いて容易に被覆部を形成することができるとともに、コーティング液中での可塑性ポリマー粒子の分散安定性が向上し、被覆部の外観も向上する。
平均粒径が8μm以下であると、種々の塗布方法を用いて容易に被覆部を形成することができるとともに、コーティング液中での可塑性ポリマー粒子の分散安定性が向上し、被覆部の外観も向上する。
本発明の複合材の好ましい製造方法としては、基材へ、可塑性ポリマー粒子と(C)M−O結合(MはSi、Al、Ti、Zr、Snのいずれか)を有する三次元網目構造体及び/またはその前駆体とを含有し、加熱することによって硬化させることで基材上に被覆部を形成するコーティング液であって、被覆部中の可塑性ポリマー粒子の含有量が1体積%以上かつ20体積%未満となるように、可塑性ポリマー粒子と(C)M−O結合(MはSi、Al、Ti、Zr、Snのいずれか)を有する三次元網目構造体及び/またはその前駆体とを含有することを特徴とするコーティング液を塗布した後、基材ごと加熱して前記コーティング液を硬化させ、基材上に、(A)M−O結合(MはSi、Al、Ti、Zr、Snのいずれか)を有する三次元網目構造体、(B)可塑性ポリマー粒子を含有してなることを特徴とする被覆部を形成する方法があげられる。
加熱温度が高いほど、三次元網目構造体が迅速に形成され、100℃以上であることが好ましい。
また、加熱温度が高くなると、基材の耐熱性から、用いることのできる基材が限定される。また、例えば金属の場合、耐熱性は有するものの400℃以上では、金属表面の酸化による変色が発生するため、意匠性を損ねることとなる。
また、可塑性ポリマー粒子の耐熱性から350℃以下であることがより好ましい。
また、可塑性ポリマー粒子の耐熱性から350℃以下であることがより好ましい。
本発明の延性基材がシンクおよび/またはカウンターであり、少なくとも使用面側の一部には、(A)M−O結合(MはSi、Al、Ti、Zr、Snのいずれか)を有する三次元網目構造体、(B)可塑性ポリマー粒子を含有してなることを特徴とする被覆部が備えられている複合材のその他の製造方法としては、延性基材をシンクおよび/またはカウンター形状に絞り加工した後、延性基材へ可塑性ポリマー粒子と(C)M−O結合(MはSi、Al、Ti、Zr、Snのいずれか)を有する三次元網目構造体及び/またはその前駆体とを含有し、加熱することによって硬化させることで基材上に被覆部を形成するコーティング液であって、被覆部中の可塑性ポリマー粒子の含有量が1体積%以上かつ20体積%未満となるように、可塑性ポリマー粒子と(C)M−O結合(MはSi、Al、Ti、Zr、Snのいずれか)を有する三次元網目構造体及び/またはその前駆体とを含有することを特徴とするコーティング液を塗布し、基材ごと加熱することによって前記コーティング液を塗布し、基材ごと加熱することで前記コーティング液を硬化させる方法が挙げられる。
延性基材をシンクおよび/またはカウンター形状に絞り加工した後、被覆部を形成する方法によれば、被覆部への残留応力を軽減できるため、より外力を印加にした場合に、基材の意匠性を維持する作用が良好に発揮される。
本発明の延性基材がシンクおよび/またはカウンターであり、少なくとも使用面側の一部には、(A)M−O結合(MはSi、Al、Ti、Zr、Snのいずれか)を有する三次元網目構造体、(B)可塑性ポリマー粒子を含有してなることを特徴とする被覆部が備えられている複合材のその他の製造方法としては、延性基材へ可塑性ポリマー粒子と(C)M−O結合(MはSi、Al、Ti、Zr、Snのいずれか)を有する三次元網目構造体及び/またはその前駆体とを含有し、加熱することによって硬化させることで基材上に被覆部を形成するコーティング液であって、被覆部中の可塑性ポリマー粒子の含有量が1体積%以上かつ20体積%未満となるように、可塑性ポリマー粒子と(C)M−O結合(MはSi、Al、Ti、Zr、Snのいずれか)を有する三次元網目構造体及び/またはその前駆体とを含有することを特徴とするコーティング液を塗布し、基材ごと加熱することによって前記コーティング液を塗布し、基材ごと加熱することで前記コーティング液を硬化させ、基材上に、(A)M−O結合(MはSi、Al、Ti、Zr、Snのいずれか)を有する三次元網目構造体、(B)可塑性ポリマー粒子を含有してなることを特徴とする被覆部を形成した後、延性基材をシンクおよび/またはカウンター形状に絞り加工する方法が挙げられる。
被覆部を形成した後、延性基材をシンクおよび/またはカウンター形状に絞り加工する方法によれば、複雑なシンクおよび/またはカウンター形状に加工される前にコーティング液を塗布するため、より容易に(A)M−O結合(MはSi、Al、Ti、Zr、Snのいずれか)を有する三次元網目構造体、(B)可塑性ポリマー粒子を含有してなることを特徴とする被覆部が備えられている複合材を製造することができる。
以下、本発明の複合材と、複合材の製造方法について具体的に説明する。
本発明において、基材としては、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼などの金属材料、ガラス、セラミックス、プラスチック、木、石、セメント、コンクリート、それらの組合わせ、それらの積層体などが用いられる。
本発明において、基材としては、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼などの金属材料、ガラス、セラミックス、プラスチック、木、石、セメント、コンクリート、それらの組合わせ、それらの積層体などが用いられる。
また本発明において、M−O結合(MはSi、Al、Ti、Zr、Snのいずれか)を有する三次元網目構造体及び/またはその前駆体としては、Si、Al、Ti、Zr、Snのいずれかを含有する有機金属化合物、もしくは無機金属化合物が使用でき、有機化合物の形態としては、アルコキシド、アシレート、キレートが用いられ、無機化合物の形態としては、塩化物、オキシ塩化物、オキシ硫酸塩、オキシ硝酸塩、オキシ酢酸塩が用いられる。
本発明において、可塑性ポリマー粒子とは、可塑性ポリマーの粒状物を意味し、ふっ素樹脂粒子が好ましく、球形のものが好ましい。
次に、ふっ素樹脂粒子としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー、エチレン−クロロトリフルオロエチレンコポリマー、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテルコポリマー、パーフルオロシクロポリマー、ビニルエーテル−フルオロオレフィンコポリマー、ビニルエステル−フルオロオレフィンコポリマー、テトラフルオロエチレン−ビニルエーテルコポリマー、クロロトリフルオロエチレン−ビニルエーテルコポリマー、テトラフルオロエチレンウレタン架橋体、テトラフルオロエチレンエポキシ架橋体、テトラフルオロエチレンアクリル架橋体、テトラフルオロエチレンメラミン架橋体等フルオロ基を含有するポリマーが挙げられる。
本発明において、(A)M−O結合(MはSi、Al、Ti、Zr、Snのいずれか)を有する三次元網目構造体、(B)可塑性ポリマー粒子を含有してなることを特徴とする被覆部は、三次元網目構造体に可塑性ポリマー粒子が分散していても良く、可塑性ポリマー粒子の自形に対応した凸部を有する凹凸構造が形成されていても良い。
本発明において、外力を印加した場合にも、基材の意匠性が維持されるとは、例えば固形物との接触による傷発生による意匠性の低下を抑制する作用を意味し、より具体的には、例えば、シンクおよび/またはカウンターの場合では、食器等の摺動等により傷が発生し、意匠性が低下することを抑制する作用を意味する。
本発明において、延性基材とは物質が弾性の限界を超えて破壊されずに引き伸ばされる性質を有する基材を意味し、特に延性に富んだ材料として、鉄鋼、銅、アルミニウム、ステンレス鋼などの金属材料があげられる。
本発明において、略透明とは、基材の質感が損なわれない程度の透明性を有し、外観上、基材の意匠性を確認できる程度の透明性を意味する。
例えばステンレス基材に被覆部を形成した複合材は、ステンレスの光沢、質感、色調を確認できることを意味し、基材に絵柄などの模様が存在する場合に、その絵柄、模様が確認できる程度の透明性を意味する。
例えばステンレス基材に被覆部を形成した複合材は、ステンレスの光沢、質感、色調を確認できることを意味し、基材に絵柄などの模様が存在する場合に、その絵柄、模様が確認できる程度の透明性を意味する。
本発明において、延性基材がシンクおよび/またはカウンターであり、少なくとも使用面側の一部に本発明の被覆部が備えられている複合材とは、シンクおよび/またはカウンターの使用面側のうち、食器等との接触が特に顕著であるシンク底面部中央付近や、カウンターのシンク周辺部のみに被覆部が形成されていても良いし、もちろん、使用面側全面に被覆部が形成されていても良い。
本発明において、M−O結合(MはSi、Al、Ti、Zr、Snのいずれか)を有する三次元網目構造体及び/またはその前駆体を具体的に例示すると、MがSiの場合、ポリシラザン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリ−n−プロポキシシラン、トリ−iso−プロポキシシラン、トリ−n−ブトキシシラン、トリ−sec−ブトキシシラン、トリ−tert−ブトキシシラン、トリフェノキシシラン、フルオロトリメトキシシラン、フルオロトリエトキシシラン、フルオロトリ−n−プロポキシシラン、フルオロトリ−iso−プロポキシシラン、フルオロトリ−n−ブトキシシラン、フルオロトリ−sec−ブトキシシラン、フルオロトリ−tert−ブトキシシラン、フルオロトリフェノキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルトリ−iso−プロポキシシラン、メチルトリ−n−ブトキシシラン、メチルトリ−sec−ブトキシシラン、メチルトリ−tert−ブトキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリ−n−プロポキシシラン、エチルトリ−iso−プロポキシシラン、エチルトリ−n−ブトキシシラン、エチルトリ−sec−ブトキシシラン、エチルトリ−tert−ブトキシシラン、エチルトリフェノキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ−n−プロポキシシラン、ビニルトリ−iso−プロポキシシラン、ビニルトリ−n−ブトキシシラン、ビニルトリ−sec−ブトキシシラン、ビニルトリ−tert−ブトキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリ−n−プロポキシシラン、n−プロピルトリ−iso−プロポキシシラン、n−プロピルトリ−n−ブトキシシラン、n−プロピルトリ−sec−ブトキシシラン、n−プロピルトリ−tert−ブトキシシラン、n−プロピルトリフェノキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリ−n−プロポキシシラン、i−プロピルトリ−iso−プロポキシシラン、i−プロピルトリ−n−ブトキシシラン、i−プロピルトリ−sec−ブトキシシラン、i−プロピルトリ−tert−ブトキシシラン、i−プロピルトリフェノキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ブチルトリ−n−プロポキシシラン、n−ブチルトリ−iso−プロポキシシラン、n−ブチルトリ−n−ブトキシシラン、n−ブチルトリ−sec−ブトキシシラン、n−ブチルトリ−tert−ブトキシシラン、n−ブチルトリフェノキシシラン、sec−ブチルトリメトキシシラン、sec−ブチルトリエトキシシラン、sec−ブチル−トリ−n−プロポキシシラン、sec−ブチル−トリ−iso−プロポキシシラン、sec−ブチル−トリ−n−ブトキシシラン、sec−ブチル−トリ−sec−ブトキシシラン、sec−ブチル−トリ−tert−ブトキシシラン、sec−ブチル−トリフェノキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラン、t−ブチルトリエトキシシラン、t−ブチルトリ−n−プロポキシシラン、t−ブチルトリ−iso−プロポキシシラン、t−ブチルトリ−n−ブトキシシラン、t−ブチルトリ−sec−ブトキシシラン、t−ブチルトリ−tert−ブトキシシラン、t−ブチルトリフェノキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリ−n−プロポキシシラン、フェニルトリ−iso−プロポキシシラン、フェニルトリ−n−ブトキシシラン、フェニルトリ−sec−ブトキシシラン、フェニルトリ−tert−ブトキシシラン、フェニルトリフェノキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、γ−トリフロロプロピルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジメチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジメチル−ジ−n−ブトキシシラン、ジメチル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジメチル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジメチルジフェノキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジエチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジエチル−ジ−n−ブトキシシラン、ジエチル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジエチル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジエチルジフェノキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−フェノキシシラン、ジ−iso−プロピルジメトキシシラン、ジ−iso−プロピルジエトキシシラン、ジ−iso−プロピル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−iso−プロピル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−iso−プロピル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−iso−プロピル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−iso−プロピル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ−iso−プロピル−ジ−フェノキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−フェノキシシラン、ジ−sec−ブチルジメトキシシラン、ジ−sec−ブチルジエトキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−フェノキシシラン、ジ−tert−ブチルジメトキシシラン、ジ−tert−ブチルジエトキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−フェノキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニル−ジ−エトキシシラン、ジフェニル−ジ−n−プロポキシシラン、ジフェニル−ジ−iso−プロポキシシラン、ジフェニル−ジ−n−ブトキシシラン、ジフェニル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジフェニル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジフェニルジフェノキシシラン、ジビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラフェノキシシラン、ヘキサメトキシジシロキサン、ヘキサエトキシジシロキサン、ヘキサフェノキシジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタメトキシ−3−メチルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタエトキシ−3−メチルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタフェノキシ−3−メチルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタメトキシ−3−エチルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタエトキシ−3−エチルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタフェノキシ−3−エチルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタメトキシ−3−フェニルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタエトキシ−3−フェニルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタフェノキシ−3−フェニルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメトキシ−1,3−ジメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラエトキシ−1,3−ジメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラフェノキシ−1,3−ジメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメトキシ−1,3−ジエチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラエトキシ−1,3−ジエチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラフェノキシ−1,3−ジエチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメトキシ−1,3−ジフェニルジシロキサン、1,1,3,3−テトラエトキシ−1,3−ジフェニルジシロキサン、1,1,3,3−テトラフェノキシ−1,3−ジフェニルジシロキサン、1,1,3−トリメトキシ−1,3,3−トリメチルジシロキサン、1,1,3−トリエトキシ−1,3,3−トリメチルジシロキサン、1,1,3−トリフェノキシ−1,3,3−トリメチルジシロキサン、1,1,3−トリメトキシ−1,3,3−トリエチルジシロキサン、、1,1,3−トリエトキシ−1,3,3−トリエチルジシロキサン、、1,1,3−トリフェノキシ−1,3,3−トリエチルジシロキサン、、1,1,3−トリメトキシ−1,3,3−トリフェニルジシロキサン、1,1,3−トリエトキシ−1,3,3−トリフェニルジシロキサン、1,1,3−トリフェノキシ−1,3,3−トリフェニルジシロキサン、1,3−ジメトキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジエトキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェノキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジメトキシ−1,1,3,3−テトラエチルジシロキサン、1,3−ジエトキシ−1,1,3,3−テトラエチルジシロキサン、1,3−ジフェノキシ−1,1,3,3−テトラエチルジシロキサン、1,3−ジメトキシ−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン、1,3−ジエトキシ−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン、1,3−ジフェノキシ−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン、ヘキサメトキシジシラン、ヘキサエトキシジシラン、ヘキサフェノキシジシラン、1,1,1,2,2−ペンタメトキシ−2−メチルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタエトキシ−2−メチルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタフェノキシ−2−メチルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタメトキシ−2−エチルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタエトキシ−2−エチルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタフェノキシ−2−エチルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタメトキシ−2−フェニルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタエトキシ−2−フェニルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタフェノキシ−2−フェニルジシラン、1,1,2,2−テトラメトキシ−1,2−ジメチルジシラン、1,1,2,2−テトラエトキシ−1,2−ジメチルジシラン、1,1,2,2−テトラフェノキシ−1,2−ジメチルジシラン、1,1,2,2−テトラメトキシ−1,2−ジエチルジシラン、1,1,2,2−テトラエトキシ−1,2−ジエチルジシラン、1,1,2,2−テトラフェノキシ−1,2−ジエチルジシラン、1,1,2,2−テトラメトキシ−1,2−ジフェニルジシラン、1,1,2,2−テトラエトキシ−1,2−ジフェニルジシラン、1,1,2,2−テトラフェノキシ−1,2−ジフェニルジシラン、1,1,2−トリメトキシ−1,2,2−トリメチルジシラン、1,1,2−トリエトキシ−1,2,2−トリメチルジシラン、1,1,2−トリフェノキシ−1,2,2−トリメチルジシラン、1,1,2−トリメトキシ−1,2,2−トリエチルジシラン、、1,1,2−トリエトキシ−1,2,2−トリエチルジシラン、、1,1,2−トリフェノキシ−1,2,2−トリエチルジシラン、、1,1,2−トリメトキシ−1,2,2−トリフェニルジシラ
ン、1,1,2−トリエトキシ−1,2,2−トリフェニルジシラン、、1,1,2−トリフェノキシ−1,2,2−トリフェニルジシラン、1,2−ジメトキシ−1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジフェノキシ−1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジメトキシ−1,1,2,2−テトラエチルジシラン、1,2−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラエチルジシラン、1,2−ジフェノキシ−1,1,2,2−テトラエチルジシラン、1,2−ジメトキシ−1,1,2,2−テトラフェニルジシラン、1,2−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラフェニルジシラン、1,2−ジフェノキシ−1,1,2,2−テトラフェニルジシラン、ビス(トリメトキシシリル)メタン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、ビス(トリ−n−プロポキシシリル)メタン、ビス(トリ−i−プロポキシシリル)メタン、ビス(トリ−n−ブトキシシリル)メタン、ビス(トリ−sec−ブトキシシリル)メタン、ビス(トリ−t−ブトキシシリル)メタン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリ−n−プロポキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリ−i−プロポキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリ−n−ブトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリ−sec−ブトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリ−t−ブトキシシリル)エタン、1−(ジメトキシメチルシリル)−1−(トリメトキシシリル)メタン、1−(ジエトキシメチルシリル)−1−(トリエトキシシリル)メタン、1−(ジ−n−プロポキシメチルシリル)−1−(トリ−n−プロポキシシリル)メタン、1−(ジ−i−プロポキシメチルシリル)−1−(トリ−i−プロポキシシリル)メタン、1−(ジ−n−ブトキシメチルシリル)−1−(トリ−n−ブトキシシリル)メタン、1−(ジ−sec−ブトキシメチルシリル)−1−(トリ−sec−ブトキシシリル)メタン、1−(ジ−t−ブトキシメチルシリル)−1−(トリ−t−ブトキシシリル)メタン、1−(ジメトキシメチルシリル)−2−(トリメトキシシリル)エタン、1−(ジエトキシメチルシリル)−2−(トリエトキシシリル)エタン、1−(ジ−n−プロポキシメチルシリル)−2−(トリ−n−プロポキシシリル)エタン、1−(ジ−i−プロポキシメチルシリル)−2−(トリ−i−プロポキシシリル)エタン、1−(ジ−n−ブトキシメチルシリル)−2−(トリ−n−ブトキシシリル)エタン、1−(ジ−sec−ブトキシメチルシリル)−2−(トリ−sec−ブトキシシリル)エタン、1−(ジ−t−ブトキシメチルシリル)−2−(トリ−t−ブトキシシリル)エタン、ビス(ジメトキシメチルシリル)メタン、ビス(ジエトキシメチルシリル)メタン、ビス(ジ−n−プロポキシメチルシリル)メタン、ビス(ジ−i−プロポキシメチルシリル)メタン、ビス(ジ−n−ブトキシメチルシリル)メタン、ビス(ジ−sec−ブトキシメチルシリル)メタン、ビス(ジ−t−ブトキシメチルシリル)メタン、1,2−ビス(ジメトキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジエトキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジ−n−プロポキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジ−i−プロポキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジ−n−ブトキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジ−sec−ブトキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジ−t−ブトキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリ−n−プロポキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリ−i−プロポキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリ−n−ブトキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリ−sec−ブトキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリ-t- ブトキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリ−n−プロポキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリ−i−プロポキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリ−n−ブトキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリ−sec−ブトキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリ−t−ブトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリ−n−プロポキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリ−i−プロポキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリ−n−ブトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリ−sec−ブトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリ−t−ブトキシシリル)ベンゼンなどを挙げることができる。
ン、1,1,2−トリエトキシ−1,2,2−トリフェニルジシラン、、1,1,2−トリフェノキシ−1,2,2−トリフェニルジシラン、1,2−ジメトキシ−1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジフェノキシ−1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジメトキシ−1,1,2,2−テトラエチルジシラン、1,2−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラエチルジシラン、1,2−ジフェノキシ−1,1,2,2−テトラエチルジシラン、1,2−ジメトキシ−1,1,2,2−テトラフェニルジシラン、1,2−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラフェニルジシラン、1,2−ジフェノキシ−1,1,2,2−テトラフェニルジシラン、ビス(トリメトキシシリル)メタン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、ビス(トリ−n−プロポキシシリル)メタン、ビス(トリ−i−プロポキシシリル)メタン、ビス(トリ−n−ブトキシシリル)メタン、ビス(トリ−sec−ブトキシシリル)メタン、ビス(トリ−t−ブトキシシリル)メタン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリ−n−プロポキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリ−i−プロポキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリ−n−ブトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリ−sec−ブトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリ−t−ブトキシシリル)エタン、1−(ジメトキシメチルシリル)−1−(トリメトキシシリル)メタン、1−(ジエトキシメチルシリル)−1−(トリエトキシシリル)メタン、1−(ジ−n−プロポキシメチルシリル)−1−(トリ−n−プロポキシシリル)メタン、1−(ジ−i−プロポキシメチルシリル)−1−(トリ−i−プロポキシシリル)メタン、1−(ジ−n−ブトキシメチルシリル)−1−(トリ−n−ブトキシシリル)メタン、1−(ジ−sec−ブトキシメチルシリル)−1−(トリ−sec−ブトキシシリル)メタン、1−(ジ−t−ブトキシメチルシリル)−1−(トリ−t−ブトキシシリル)メタン、1−(ジメトキシメチルシリル)−2−(トリメトキシシリル)エタン、1−(ジエトキシメチルシリル)−2−(トリエトキシシリル)エタン、1−(ジ−n−プロポキシメチルシリル)−2−(トリ−n−プロポキシシリル)エタン、1−(ジ−i−プロポキシメチルシリル)−2−(トリ−i−プロポキシシリル)エタン、1−(ジ−n−ブトキシメチルシリル)−2−(トリ−n−ブトキシシリル)エタン、1−(ジ−sec−ブトキシメチルシリル)−2−(トリ−sec−ブトキシシリル)エタン、1−(ジ−t−ブトキシメチルシリル)−2−(トリ−t−ブトキシシリル)エタン、ビス(ジメトキシメチルシリル)メタン、ビス(ジエトキシメチルシリル)メタン、ビス(ジ−n−プロポキシメチルシリル)メタン、ビス(ジ−i−プロポキシメチルシリル)メタン、ビス(ジ−n−ブトキシメチルシリル)メタン、ビス(ジ−sec−ブトキシメチルシリル)メタン、ビス(ジ−t−ブトキシメチルシリル)メタン、1,2−ビス(ジメトキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジエトキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジ−n−プロポキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジ−i−プロポキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジ−n−ブトキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジ−sec−ブトキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジ−t−ブトキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリ−n−プロポキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリ−i−プロポキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリ−n−ブトキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリ−sec−ブトキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリ-t- ブトキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリ−n−プロポキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリ−i−プロポキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリ−n−ブトキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリ−sec−ブトキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリ−t−ブトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリ−n−プロポキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリ−i−プロポキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリ−n−ブトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリ−sec−ブトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリ−t−ブトキシシリル)ベンゼンなどを挙げることができる。
MがZrの場合としては、ジルコニウムテトラメトキシド、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトラn−プロポキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラn−ブトキシド、ジルコニウムテトラt−ブトキシド、ジルコニウムテトラオクチネート、ジルコニウムテトラアセテート、ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、ジルコニウムブトキシモノアセチルアセトナート、ジルコニウムブトキシモノアセチルアセトナートビスエチルアセテート、ジルコニウムイソプロポキシドモノアセチルアセトナート、ジルコニウムイソプロポキシドビスアセチルアセトナート、ジルコニウムイソプロポキシドトリアセチルアセトナート、ジルコニウムt−ブトキシモノアセチルアセトナート、ジルコニウムイソプロポキシドモノベンゾイルアセトナート、ジルコニウムイソプロポキシドビスベンゾイルアセトナート、ジルコニウムイソプロポキシドトリベンゾイルアセトナート、ジルコニウムアセテート等のジルコニウムアルコシド、ジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアシレート化合物およびそれらの部分加水分解物、部分加水分解縮重合物をあげることができる。
本発明において、コーティング液の塗布方法としては、例えばディッピング法、スピンコート法、スプレー法、印刷法、フローコート法、ロールコート法ならびにこれらの併用等、既知の塗布手段を適宜採用することができる。膜厚は、ディッピング法における引き上げ速度やスピンコート法における基板回転速度などを変化させることと、コーティング液の濃度や粘度を変えることにより制御することができる。
以下に実施例をあげて、本発明をより具体的に説明する。
図1、図2、図3は、本発明の様々なパターンの複合材の断面図である。
延性基材1上に被覆部2が設けられており、該被覆部2は、三次元網目構造体3と可塑性ポリマー粒子4からなり、該被覆部2は可塑性ポリマー粒子が被覆部にある程度の柔軟性を付与するため、外力を印加した場合にも、基材の意匠性を維持する作用を発揮する。
このような複合材は、例えば、食器等の摺動等による外力の印加があった場合でも基材の意匠性を維持することができる。
被覆部2に含有される可塑性ポリマー粒子4は、図1のように可塑性ポリマー粒子4が三次元網目構造体3中に分散していても良く、図2のように可塑性ポリマー粒子4の一部が露出していても良く、図3のように可塑性ポリマー粒子4の自形により形成される凸部を三次元網目構造体3が覆った状態であっても良い。
被覆部の表面に可塑性ポリマー粒子の自形に対応した凸部を有する凹凸構造が形成されていると、可塑性ポリマー粒子の可塑性がより顕著に発揮されるとともに、外力の印加があった場合に、可塑性ポリマー粒子の自形に対応した凸部が三次元網目構造体への外力の伝播を抑制するため、外力の印加した場合に、基材の意匠性が維持される作用が顕著に発揮される。
被覆部の表面に可塑性ポリマー粒子の自形に対応した凸部を有する凹凸構造が形成されていると、可塑性ポリマー粒子の可塑性がより顕著に発揮されるとともに、外力の印加があった場合に、可塑性ポリマー粒子の自形に対応した凸部が三次元網目構造体への外力の伝播を抑制するため、外力の印加した場合に、基材の意匠性が維持される作用が顕著に発揮される。
次いで、複合材の好ましい製造方法について、実験結果をもとに説明する。
本発明の複合材の被覆部の観察には、日立製作所(株)製の走査型電子顕微鏡S4100を用いた。
被覆部の膜厚は、断面観察により調べられる。また、被覆部の膜厚とは、三次元網目構造体3の厚み(図中Δtで示す)であり、可塑性ポリマー粒子による凸部の厚みは含まない。
被覆部中の可塑性ポリマー粒子の分散状態については、表面から観察を行った。
また、被覆部の凹凸構造については、表面、斜めからの観察を行い、可塑性ポリマーが凸部を形成していることを確認した。
被覆部の膜厚は、断面観察により調べられる。また、被覆部の膜厚とは、三次元網目構造体3の厚み(図中Δtで示す)であり、可塑性ポリマー粒子による凸部の厚みは含まない。
被覆部中の可塑性ポリマー粒子の分散状態については、表面から観察を行った。
また、被覆部の凹凸構造については、表面、斜めからの観察を行い、可塑性ポリマーが凸部を形成していることを確認した。
本発明の可塑性ポリマー粒子の粒径は、(株)島津製作所製のレーザー回折式粒度分布計SALD7000を用いて測定し、平均粒径とは体積分布の50%中心粒径を意味する。
(実施例1)
基材として、カウンターで用いられているSUS304ステンレス板を用いた。基材の前処理として、ヘキサンで良く洗浄した後、さらにアセトンにて基材表面を洗浄した。
表1の配合のコーティング液をスプレーコートにて基材に塗布した後、250℃で60分加熱して、ふっ素樹脂粒子が分散した被覆部を形成した。
用いたふっ素樹脂粒子の平均粒径は5μmであった。
コーティング液中の不揮発分中(ポリシラザン液の不揮発分はSiO2換算濃度)のふっ素樹脂粒子の含有量は5.0重量%であった。
被覆部の膜厚は0.5μmであった。
基材として、カウンターで用いられているSUS304ステンレス板を用いた。基材の前処理として、ヘキサンで良く洗浄した後、さらにアセトンにて基材表面を洗浄した。
表1の配合のコーティング液をスプレーコートにて基材に塗布した後、250℃で60分加熱して、ふっ素樹脂粒子が分散した被覆部を形成した。
用いたふっ素樹脂粒子の平均粒径は5μmであった。
コーティング液中の不揮発分中(ポリシラザン液の不揮発分はSiO2換算濃度)のふっ素樹脂粒子の含有量は5.0重量%であった。
被覆部の膜厚は0.5μmであった。
(実施例2)
基材は、実施例1同様のものを用いた。
表2の配合のコーティング液をスプレーコートにて基材に塗布した後、250℃で60分加熱して、ふっ素樹脂粒子が分散した被覆部を形成した。
用いたふっ素樹脂粒子の平均粒径は10μmであった。
コーティング液中の不揮発分中(ポリシラザン液の不揮発分はSiO2換算濃度)のふっ素樹脂粒子の含有量は5.0重量%であった。
被覆部の膜厚は2.0μmであった。
基材は、実施例1同様のものを用いた。
表2の配合のコーティング液をスプレーコートにて基材に塗布した後、250℃で60分加熱して、ふっ素樹脂粒子が分散した被覆部を形成した。
用いたふっ素樹脂粒子の平均粒径は10μmであった。
コーティング液中の不揮発分中(ポリシラザン液の不揮発分はSiO2換算濃度)のふっ素樹脂粒子の含有量は5.0重量%であった。
被覆部の膜厚は2.0μmであった。
(実施例3)
基材は、実施例1同様のものを用いた。
表3の配合のコーティング液をスプレーコートにて基材に塗布した後、250℃で60分加熱して、ふっ素樹脂粒子が分散した被覆部を形成した。
用いたふっ素樹脂粒子の平均粒径は5μmであった。
コーティング液中の不揮発分中(ポリシラザン液の不揮発分はSiO2換算濃度)のふっ素樹脂粒子の含有量は15.0重量%であった。
被覆部の膜厚は0.5μmであった。
基材は、実施例1同様のものを用いた。
表3の配合のコーティング液をスプレーコートにて基材に塗布した後、250℃で60分加熱して、ふっ素樹脂粒子が分散した被覆部を形成した。
用いたふっ素樹脂粒子の平均粒径は5μmであった。
コーティング液中の不揮発分中(ポリシラザン液の不揮発分はSiO2換算濃度)のふっ素樹脂粒子の含有量は15.0重量%であった。
被覆部の膜厚は0.5μmであった。
(実施例4)
基材は、実施例1同様のものを用いた。
表4の配合のコーティング液をスプレーコートにて基材に塗布した後、250℃で60分加熱して、ふっ素樹脂粒子が分散した被覆部を形成した。
用いたふっ素樹脂粒子の平均粒径は0.3μmであった。
コーティング液中の不揮発分中(ポリシラザン液の不揮発分はSiO2換算濃度)のふっ素樹脂粒子の含有量は5.0重量%であった。
被覆部の膜厚は2.0μmであった。
基材は、実施例1同様のものを用いた。
表4の配合のコーティング液をスプレーコートにて基材に塗布した後、250℃で60分加熱して、ふっ素樹脂粒子が分散した被覆部を形成した。
用いたふっ素樹脂粒子の平均粒径は0.3μmであった。
コーティング液中の不揮発分中(ポリシラザン液の不揮発分はSiO2換算濃度)のふっ素樹脂粒子の含有量は5.0重量%であった。
被覆部の膜厚は2.0μmであった。
(実施例5)
基材は、実施例1同様のものを用いた。
表5の配合のコーティング液をスプレーコートにて基材に塗布した後、150℃で60分加熱して、ふっ素樹脂粒子が分散した被覆部を形成した。
用いたふっ素樹脂粒子の平均粒径は5μmであった。
コーティング液中の不揮発分中(ポリシロキサンオリゴマー液の不揮発分はSiO2換算濃度)のふっ素樹脂粒子の含有量は5.0重量%であった。
被覆部の膜厚は2.0μmであった。
基材は、実施例1同様のものを用いた。
表5の配合のコーティング液をスプレーコートにて基材に塗布した後、150℃で60分加熱して、ふっ素樹脂粒子が分散した被覆部を形成した。
用いたふっ素樹脂粒子の平均粒径は5μmであった。
コーティング液中の不揮発分中(ポリシロキサンオリゴマー液の不揮発分はSiO2換算濃度)のふっ素樹脂粒子の含有量は5.0重量%であった。
被覆部の膜厚は2.0μmであった。
(実施例6)
基材は、実施例1同様のものを用いた。
表6の配合のコーティング液をスプレーコートにて基材に塗布した後、250℃で60分加熱して、ふっ素樹脂粒子が分散した被覆部を形成した。
用いたふっ素樹脂粒子の平均粒径は22μmであった。
コーティング液中の不揮発分中(ポリシラザン液の不揮発分はSiO2換算濃度)のふっ素樹脂粒子の含有量は10.0重量%であった。
被覆部の膜厚は2.0μmであった。
基材は、実施例1同様のものを用いた。
表6の配合のコーティング液をスプレーコートにて基材に塗布した後、250℃で60分加熱して、ふっ素樹脂粒子が分散した被覆部を形成した。
用いたふっ素樹脂粒子の平均粒径は22μmであった。
コーティング液中の不揮発分中(ポリシラザン液の不揮発分はSiO2換算濃度)のふっ素樹脂粒子の含有量は10.0重量%であった。
被覆部の膜厚は2.0μmであった。
(比較例1)
SUS304ステンレス板を比較例として用いた。
SUS304ステンレス板を比較例として用いた。
(比較例2)
実施例1のコーティング液から、ふっ素樹脂粒子を除いた以外は、実施例1と同様にして、被覆部を被覆部を形成した。
被覆部の膜厚は0.5μmであった。
実施例1のコーティング液から、ふっ素樹脂粒子を除いた以外は、実施例1と同様にして、被覆部を被覆部を形成した。
被覆部の膜厚は0.5μmであった。
(比較例3)
基材は実施例1同様のものを用いた。
表7の配合のコーティング液をスプレーコートにて基材に塗布した後、250℃で60分加熱して、ふっ素樹脂粒子が分散した被覆部を形成した。
用いたふっ素樹脂粒子の平均粒径は0.3μmであった。
コーティング液中の不揮発分中(ポリシラザン液の不揮発分はSiO2換算濃度)のふっ素樹脂粒子の含有量は0.1重量%であった。
被覆部の膜厚は0.5μmであった。
基材は実施例1同様のものを用いた。
表7の配合のコーティング液をスプレーコートにて基材に塗布した後、250℃で60分加熱して、ふっ素樹脂粒子が分散した被覆部を形成した。
用いたふっ素樹脂粒子の平均粒径は0.3μmであった。
コーティング液中の不揮発分中(ポリシラザン液の不揮発分はSiO2換算濃度)のふっ素樹脂粒子の含有量は0.1重量%であった。
被覆部の膜厚は0.5μmであった。
(比較例4)
基材は実施例1同様のものを用いた。
表8の配合のコーティング液をスプレーコートにて基材に塗布した後、150℃で60分加熱して、ふっ素樹脂粒子が分散した被覆部を形成した。
用いたふっ素樹脂粒子の平均粒径は5μmであった。
コーティング液中の不揮発分中(ポリシロキサンオリゴマー液の不揮発分はSiO2換算濃度)のふっ素樹脂粒子の含有量は25.0重量%であった。
被覆部の膜厚は2.0μmであった。
基材は実施例1同様のものを用いた。
表8の配合のコーティング液をスプレーコートにて基材に塗布した後、150℃で60分加熱して、ふっ素樹脂粒子が分散した被覆部を形成した。
用いたふっ素樹脂粒子の平均粒径は5μmであった。
コーティング液中の不揮発分中(ポリシロキサンオリゴマー液の不揮発分はSiO2換算濃度)のふっ素樹脂粒子の含有量は25.0重量%であった。
被覆部の膜厚は2.0μmであった。
(比較例5)
比較例として、ステンレス表面に釉薬層の形成されたステンレスホーローを用いた。
比較例として、ステンレス表面に釉薬層の形成されたステンレスホーローを用いた。
(評価方法)
(1)外観
目視にて複合材の外観を評価した。
判定基準 ○:基材の意匠性を完全に維持している △:基材の意匠性がやや低下しているが、基材の意匠は確認できる ×:基材の意匠性を著しく損なっており、基材の意匠が確認できない
(2)延性評価
JIS Z 2248に規定される金属材料の曲げ試験方法に従って試験を行った。試験片は100mm×60mmのものを用いた。
支え治具のスパンは80mmとし、押金具にて20mmたわむまで曲げた。試験後にわん曲部の外側のさけ、傷等の欠点を観察した。
判定基準 ○:欠点なし △:50倍顕微鏡で判定できる程度のさけ、傷等の欠点あり ×:目視で判定できるさけ、傷等の欠点あり
(3)外力を印加したときの基材の意匠性の維持性の評価
外観、延性評価結果が良好なものについてのみ評価を行った。
陶器質タイルを20×20mmに切り出したものを摺動子として用いた。荷重をさらに加えた状態で、基材表面で往復摺動させた後、基材の意匠変化を目視にて判定した。
荷重は100gと500gの場合それぞれについて評価し、摺動回数は100回とした。荷重100gではマグカップ程度の重量物との接触を想定し、荷重500gでは土鍋程度の重量物との接触を想定して設定した。
土鍋程度の重量物との接触を想定した場合にも、意匠性が維持されている場合のみ、さらに摺動回数を400回と増やした場合においても評価を行った。
判定基準 ◎:傷の発生なく、意匠性変化なし ○:微小な傷が発生するものの、意匠性は維持 △:傷発生し、意匠性がやや低下 ×:顕著に傷が発生し、著しく意匠性を損なう
(4)暴露評価
実施例1〜6と比較例1についてのみ評価を行った。
4人家族のキッチンのシンク内に3ヶ月間暴露した後、研磨剤入りスポンジで通常の洗浄を行った後の外観を目視にて評価した。
判定基準 ○:ほとんど暴露前と同様の意匠性が維持されていた △:汚れがわずかに残ったり、洗浄による傷がわずかに入ったりしてやや意匠性が損なわれた ×:汚れが除去されない、または洗浄により顕著に傷が入ったりして著しく意匠性が損なわれている
(1)外観
目視にて複合材の外観を評価した。
判定基準 ○:基材の意匠性を完全に維持している △:基材の意匠性がやや低下しているが、基材の意匠は確認できる ×:基材の意匠性を著しく損なっており、基材の意匠が確認できない
(2)延性評価
JIS Z 2248に規定される金属材料の曲げ試験方法に従って試験を行った。試験片は100mm×60mmのものを用いた。
支え治具のスパンは80mmとし、押金具にて20mmたわむまで曲げた。試験後にわん曲部の外側のさけ、傷等の欠点を観察した。
判定基準 ○:欠点なし △:50倍顕微鏡で判定できる程度のさけ、傷等の欠点あり ×:目視で判定できるさけ、傷等の欠点あり
(3)外力を印加したときの基材の意匠性の維持性の評価
外観、延性評価結果が良好なものについてのみ評価を行った。
陶器質タイルを20×20mmに切り出したものを摺動子として用いた。荷重をさらに加えた状態で、基材表面で往復摺動させた後、基材の意匠変化を目視にて判定した。
荷重は100gと500gの場合それぞれについて評価し、摺動回数は100回とした。荷重100gではマグカップ程度の重量物との接触を想定し、荷重500gでは土鍋程度の重量物との接触を想定して設定した。
土鍋程度の重量物との接触を想定した場合にも、意匠性が維持されている場合のみ、さらに摺動回数を400回と増やした場合においても評価を行った。
判定基準 ◎:傷の発生なく、意匠性変化なし ○:微小な傷が発生するものの、意匠性は維持 △:傷発生し、意匠性がやや低下 ×:顕著に傷が発生し、著しく意匠性を損なう
(4)暴露評価
実施例1〜6と比較例1についてのみ評価を行った。
4人家族のキッチンのシンク内に3ヶ月間暴露した後、研磨剤入りスポンジで通常の洗浄を行った後の外観を目視にて評価した。
判定基準 ○:ほとんど暴露前と同様の意匠性が維持されていた △:汚れがわずかに残ったり、洗浄による傷がわずかに入ったりしてやや意匠性が損なわれた ×:汚れが除去されない、または洗浄により顕著に傷が入ったりして著しく意匠性が損なわれている
(評価結果)
評価結果を表9に示す。
評価結果を表9に示す。
図4は実施例2の被覆部の表面からの観察写真である。本発明の実施例1〜6は、走査型電子顕微鏡による表面、斜めからの観察の結果、被覆部中にふっ素樹脂粒子が分散しており、被覆部表面には、ふっ素樹脂粒子の自形により凸部が形成されていることが確認できた。
本発明の実施例1〜5は、被覆部を形成した後でも基材の意匠性が完全に維持されていた。実施例6では実施例1〜5に比べるとやや透明性が劣るものの、基材の意匠性は確認できた。
本発明の実施例1〜6はいずれも曲げ試験後もわん曲部にクラック等の欠点は見られず、延性は維持されていた。また、曲げ試験時の応力−歪特性は基材と同様で変化は見られなかった。
本発明の実施例1〜6では土鍋程度の重量物との接触を想定した外力を印加したときにも、基材の意匠性が維持されている。
実施例2、4の複合材は、さらに摺動回数を増やした場合においても良好に意匠性が維持されており、特に実施例2においては、摺動回数を増やした場合にも、基材の意匠性が完全に維持されていた。
本発明の実施例1〜5は、被覆部を形成した後でも基材の意匠性が完全に維持されていた。実施例6では実施例1〜5に比べるとやや透明性が劣るものの、基材の意匠性は確認できた。
本発明の実施例1〜6はいずれも曲げ試験後もわん曲部にクラック等の欠点は見られず、延性は維持されていた。また、曲げ試験時の応力−歪特性は基材と同様で変化は見られなかった。
本発明の実施例1〜6では土鍋程度の重量物との接触を想定した外力を印加したときにも、基材の意匠性が維持されている。
実施例2、4の複合材は、さらに摺動回数を増やした場合においても良好に意匠性が維持されており、特に実施例2においては、摺動回数を増やした場合にも、基材の意匠性が完全に維持されていた。
表9から明らかなように、釉薬層の形成された比較例5のステンレスホーローは、基材の意匠が確認できるものではなかったし、曲げ試験によりわん曲部にクラックが発生した。特に試験片の端部では、釉薬が完全に基材から剥離した。
比較例1のSUS304ステンレス板は、100g100回程度の外力の印加であっても顕著に傷が発生し、著しく基材の意匠性が損なわれる結果であった。
ふっ素樹脂粒子を含有しない被覆部を形成した比較例2では、比較例1に比べるとわずかに外力を印加した場合の意匠維持性が発揮されているが、100g100回程度の外力の印加でも意匠性の低下が見られ、500gの荷重を与えたときは顕著に傷が発生し、著しく基材の意匠性が損なわれる結果であった。
比較例3、4であっても、比較例1に比べるとわずかに外力を印加した場合の意匠維持性が発揮されているが、100g100回程度の外力の印加でも意匠性の低下が見られ、500gの荷重を与えたときは顕著に傷が発生し、著しく基材の意匠性が損なわれる結果であった。
比較例1のSUS304ステンレス板は、100g100回程度の外力の印加であっても顕著に傷が発生し、著しく基材の意匠性が損なわれる結果であった。
ふっ素樹脂粒子を含有しない被覆部を形成した比較例2では、比較例1に比べるとわずかに外力を印加した場合の意匠維持性が発揮されているが、100g100回程度の外力の印加でも意匠性の低下が見られ、500gの荷重を与えたときは顕著に傷が発生し、著しく基材の意匠性が損なわれる結果であった。
比較例3、4であっても、比較例1に比べるとわずかに外力を印加した場合の意匠維持性が発揮されているが、100g100回程度の外力の印加でも意匠性の低下が見られ、500gの荷重を与えたときは顕著に傷が発生し、著しく基材の意匠性が損なわれる結果であった。
また、暴露評価の結果、いずれにも白色の所謂水垢と思われる汚れが付着していた。本発明の実施例1〜6は比較例1と比べて汚れの付着が軽微であった。その後、洗浄を行うことで、容易にすべての汚れが完全に除去され、また洗浄による傷の発生もなく、暴露前と同様の意匠性が維持されていた。
比較例1では、洗浄を行っても、汚れが除去されず、汚れが除去される前に基材に傷が発生し、除去されなかった汚れと傷によって、著しく外観を損なう結果となった。
比較例1では、洗浄を行っても、汚れが除去されず、汚れが除去される前に基材に傷が発生し、除去されなかった汚れと傷によって、著しく外観を損なう結果となった。
図5は、本発明の複合材を備えたシンクを有するキッチンの概略図である。
本発明の複合材を備えてなるシンク5とカウンター7が接合されており、シンクには水栓8が設けられており、水栓8より吐出される水によりシンク5内で食器の洗浄等を行うことができ、水は排水口9より排水される。
図6は図5のキッチンのシンク5部の拡大図であり、シンク底面部の一部(網掛け表示部)に被覆部2が形成されている。
本実施例では、図6のように、シンク底面部の一部に被覆部2が形成されている。
続いて、本実施例の使い勝手について説明する。
使用者は、本実施例のシンク5内の底面側の使用面6に食器等を置き、食器の洗浄作業を行う。複数の食器を洗浄するときに、一旦、底面側の使用面6に置いた食器を取り上げたり、シンク内で横に移動させたりする。そのときに、底面側の使用面6に食器を擦りつけてしまった場合などに、傷が発生することがあるが、本実施例では、底面側の使用面6には被覆部2にが形成されているため、傷が発生することがなく、基材の意匠性が維持される。
ここで、本発明においてシンクの使用面側とは、図5に示したとおり、側面側や底面側のことであり、詳しくは、キッチンシンクとして使用する面側のことである。図示しない、例えばキャビネット内に隠れている裏側は使用面側ではない。
使用者は、本実施例のシンク5内の底面側の使用面6に食器等を置き、食器の洗浄作業を行う。複数の食器を洗浄するときに、一旦、底面側の使用面6に置いた食器を取り上げたり、シンク内で横に移動させたりする。そのときに、底面側の使用面6に食器を擦りつけてしまった場合などに、傷が発生することがあるが、本実施例では、底面側の使用面6には被覆部2にが形成されているため、傷が発生することがなく、基材の意匠性が維持される。
ここで、本発明においてシンクの使用面側とは、図5に示したとおり、側面側や底面側のことであり、詳しくは、キッチンシンクとして使用する面側のことである。図示しない、例えばキャビネット内に隠れている裏側は使用面側ではない。
また、別の実施例として、シンク5の底面部が、図7のように全面に被覆部が形成されているものがある。この場合、被覆部の端部の非被覆部との段差が形成されることがなく、光の反射により被覆部の端部が目立つようなことがなくより好ましい。
また、別の実施例として、カウンター7に図8のように一部に被覆部が形成されているものや、図9のように全面に被覆部が形成されているものがある。
さらに別の実施例として、図10のように、シンク5、カウンター7の両方に被覆部が形成されているものがある。
ここで、シンク5、カウンター7の両方に被覆部が形成されている本実施例の使い勝手について説明する。
使用者は、本実施例のシンク5内の底面側の使用面6に食器等を置き、食器の洗浄作業を行う。複数の食器を洗浄するときに、一旦、底面側の使用面6に置いた食器を取り上げたり、シンク5内で横に移動させたり、カウンター7に置いたりする。そのときに、底面側の使用面6やカウンター7に食器を擦りつけてしまった場合などに、傷が発生することがあるが、本実施例では、底面側の使用面6、カウンター7には被覆部2が形成されているため、傷が発生することがなく、基材の意匠性が維持される。
使用者は、本実施例のシンク5内の底面側の使用面6に食器等を置き、食器の洗浄作業を行う。複数の食器を洗浄するときに、一旦、底面側の使用面6に置いた食器を取り上げたり、シンク5内で横に移動させたり、カウンター7に置いたりする。そのときに、底面側の使用面6やカウンター7に食器を擦りつけてしまった場合などに、傷が発生することがあるが、本実施例では、底面側の使用面6、カウンター7には被覆部2が形成されているため、傷が発生することがなく、基材の意匠性が維持される。
続いて、延性基材がシンクであり、図7に示す、底面部の全面に被覆部が形成されている複合材について具体的に例をあげて説明する。
(実施例7)
基材は実施例1同様のものを用いた。基材をシンク形状に絞り加工した後、基材表面をよく洗浄し、実施例2同様のコーティング液をスプレーコートした後、250℃60分加熱して、延性基材がシンクであり、図7に示す、底面部の全面に被覆部を備えていることを特徴とする複合材を得た。
基材は実施例1同様のものを用いた。基材をシンク形状に絞り加工した後、基材表面をよく洗浄し、実施例2同様のコーティング液をスプレーコートした後、250℃60分加熱して、延性基材がシンクであり、図7に示す、底面部の全面に被覆部を備えていることを特徴とする複合材を得た。
(実施例8)
基材は実施例1同様のものを用いた。基材表面をよく洗浄し、実施例2同様のコーティング液をスプレーコートした後、250℃60分加熱した後、基材をシンク形状に絞り加工して、延性基材がシンクであり、図7に示す、底面部の全面に被覆部を備えていることを特徴とする複合材を得た。
基材は実施例1同様のものを用いた。基材表面をよく洗浄し、実施例2同様のコーティング液をスプレーコートした後、250℃60分加熱した後、基材をシンク形状に絞り加工して、延性基材がシンクであり、図7に示す、底面部の全面に被覆部を備えていることを特徴とする複合材を得た。
(比較例6)
市販のステンレス製シンクを比較例として用いた。
市販のステンレス製シンクを比較例として用いた。
(評価方法)
(1)外観
目視にて複合材の外観を評価した。
判定基準 ○:基材の意匠性を完全に維持している △:基材の意匠性がやや低下しているが、基材の意匠は確認できる ×:基材の意匠性を著しく損なっており、基材の意匠が確認できない
(2)外力を印加したときの基材の意匠性の維持性の評価
土鍋をシンク内で100回、400回それぞれ往復摺動した後、基材の意匠変化を目視にて判定した。
判定基準 ◎:傷の発生なく、意匠性変化なし ○:微小な傷が発生するものの、意匠性は維持 △:傷発生し、意匠性がやや低下 ×:顕著に傷が発生し、著しく意匠性を損なう
(3)重量物落下時の被覆部の変化の評価
300gの鉄球を20cmの高さから落下させたときの被覆部の剥離、脱落の有無を目視にて判定した。
判定基準 ○:変化なし △:一部剥離、または脱落あり ×:完全に被覆部が剥離、または脱落
(4)熱水、冷水繰り返しによる被覆部の変化の評価
90℃の熱水1分間、20℃の冷水1分間の噴霧を1000回繰り返した後の被覆部の剥離、脱落の有無を目視にて判定した。
判定基準 ○:変化なし △:一部剥離、または脱落あり ×:完全に被覆部が剥離、または脱落
(1)外観
目視にて複合材の外観を評価した。
判定基準 ○:基材の意匠性を完全に維持している △:基材の意匠性がやや低下しているが、基材の意匠は確認できる ×:基材の意匠性を著しく損なっており、基材の意匠が確認できない
(2)外力を印加したときの基材の意匠性の維持性の評価
土鍋をシンク内で100回、400回それぞれ往復摺動した後、基材の意匠変化を目視にて判定した。
判定基準 ◎:傷の発生なく、意匠性変化なし ○:微小な傷が発生するものの、意匠性は維持 △:傷発生し、意匠性がやや低下 ×:顕著に傷が発生し、著しく意匠性を損なう
(3)重量物落下時の被覆部の変化の評価
300gの鉄球を20cmの高さから落下させたときの被覆部の剥離、脱落の有無を目視にて判定した。
判定基準 ○:変化なし △:一部剥離、または脱落あり ×:完全に被覆部が剥離、または脱落
(4)熱水、冷水繰り返しによる被覆部の変化の評価
90℃の熱水1分間、20℃の冷水1分間の噴霧を1000回繰り返した後の被覆部の剥離、脱落の有無を目視にて判定した。
判定基準 ○:変化なし △:一部剥離、または脱落あり ×:完全に被覆部が剥離、または脱落
(評価結果)
評価結果を表10に示す。
評価結果を表10に示す。
表10から明らかなように、本発明の実施例7、8では、被覆部を形成した後でも基材の意匠性が完全に維持されていた。
本発明の実施例7、8では土鍋を100回往復摺動したときにも、傷の発生なく、意匠性は変化しなかった。また、実施例7においては、400回往復摺動した場合においても傷の発生はなかった。
比較例6のステンレスシンクでは、顕著に傷が発生し、著しく意匠性を損なう結果であった。
また、重量物落下により、延性基材が変形したが、被覆部には何ら変化は見られず、基材への追従性が確認された。
また、熱水、冷水繰り返しによって、断続的に延性基材が膨張収縮を繰り返したが、被覆部には何ら変化は見られず、基材への追従性が確認された。
本発明の実施例7、8では土鍋を100回往復摺動したときにも、傷の発生なく、意匠性は変化しなかった。また、実施例7においては、400回往復摺動した場合においても傷の発生はなかった。
比較例6のステンレスシンクでは、顕著に傷が発生し、著しく意匠性を損なう結果であった。
また、重量物落下により、延性基材が変形したが、被覆部には何ら変化は見られず、基材への追従性が確認された。
また、熱水、冷水繰り返しによって、断続的に延性基材が膨張収縮を繰り返したが、被覆部には何ら変化は見られず、基材への追従性が確認された。
本発明の複合材は、キッチンのシンク等に利用することができる。
1 :延性基材
2 :被覆部
3 :三次元網目構造体
4 :可塑性ポリマー粒子
5 :シンク
6 :使用面
7 :カウンター
8 :水栓
9 :排水口
2 :被覆部
3 :三次元網目構造体
4 :可塑性ポリマー粒子
5 :シンク
6 :使用面
7 :カウンター
8 :水栓
9 :排水口
Claims (18)
- 基材と、該基材上に設けられた被覆部とを有し、該被覆部は、(A)M−O結合(MはSi、Al、Ti、Zr、Snのいずれか)を有する三次元網目構造体、(B)可塑性ポリマー粒子を含有してなることを特徴とする複合材であって、前記可塑性ポリマー粒子は被覆部中において、略接することなく分散していることを特徴とする複合材。
- 基材と、該基材上に設けられた被覆部とを有し、該被覆部は、(A)M−O結合(MはSi、Al、Ti、Zr、Snのいずれか)を有する三次元網目構造体、(B)可塑性ポリマー粒子を含有してなることを特徴とする複合材であって、前記被覆部中の可塑性ポリマー粒子の含有量が1体積%以上かつ20体積%未満であることを特徴とする複合材。
- 前記被覆部の表面には、前記可塑性ポリマー粒子の自形に対応した凸部を有する凹凸構造が形成されていることを特徴とする請求項1または2いずれかに記載の複合材。
- 前記可塑性ポリマー粒子の平均粒径が、前記被覆部の膜厚よりも大きいことを特徴とする請求項3に記載の複合材。
- 前記被覆部の膜厚が0.3〜20μmであることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項に記載の複合材。
- 前記被覆部の膜厚が0.3〜8μmであることを特徴とする請求項5に記載の複合材。
- 前記可塑性ポリマー粒子の平均粒径が0.1〜20μmであることを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項に記載の複合材。
- 前記可塑性ポリマー粒子の平均粒径が0.1〜8μmであることを特徴とする請求項7に記載の複合材。
- 前記被覆部が略透明であることを特徴とする請求項1乃至8いずれか1項に記載の複合材。
- 前記基材が延性基材であることを特徴とする請求項1乃至9いずれか1項に記載の複合材。
- 前記延性基材が、ステンレス鋼またはアルミニウムであることを特徴とする請求項10に記載の複合材。
- 前記延性基材はシンクおよび/またはカウンターであり、前記被覆部は前記シンクおよび/またはカウンターの少なくとも使用面側の一部に備えられていることを特徴とする請求項10または11いずれかに記載の複合材。
- 可塑性ポリマー粒子と(C)M−O結合(MはSi、Al、Ti、Zr、Snのいずれか)を有する三次元網目構造体及び/またはその前駆体とを含有し、加熱することによって硬化させることで基材上に被覆部を形成するコーティング液であって、被覆部中の可塑性ポリマー粒子の含有量が1体積%以上かつ20体積%未満となるように、可塑性ポリマー粒子と(C)M−O結合(MはSi、Al、Ti、Zr、Snのいずれか)を有する三次元網目構造体及び/またはその前駆体とを含有することを特徴とするコーティング液。
- 前記可塑性ポリマー粒子の平均粒径が0.1〜20μmであることを特徴とする請求項13に記載のコーティング液。
- 前記可塑性ポリマー粒子の平均粒径が0.1〜8μmであることを特徴とする請求項14に記載のコーティング液。
- 基材へ、請求項13乃至15いずれかに記載のコーティング液を塗布した後、基材ごと加熱することで前記コーティング液を硬化させ、基材上に、(A)M−O結合(MはSi、Al、Ti、Zr、Snのいずれか)を有する三次元網目構造体、(B)可塑性ポリマー粒子を含有してなることを特徴とする被覆部を形成することを特徴とする複合材の製造方法。
- 延性基材をシンクおよび/またはカウンター形状に絞り加工した後、前記延性基材へ請求項13乃至15いずれかに記載のコーティング液を塗布し、基材ごと加熱することで前記コーティング液を硬化させることを特徴とする複合材の製造方法。
- 延性基材へ請求項13乃至15いずれかに記載のコーティング液を塗布し、基材ごと加熱することで前記コーティング液を硬化させた後、シンクおよび/またはカウンター形状に絞り加工することを特徴とする複合材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005174366A JP2006346947A (ja) | 2005-06-14 | 2005-06-14 | 複合材、コーティング液および複合材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2005174366A JP2006346947A (ja) | 2005-06-14 | 2005-06-14 | 複合材、コーティング液および複合材の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2006346947A true JP2006346947A (ja) | 2006-12-28 |
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ID=37643293
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JP2005174366A Pending JP2006346947A (ja) | 2005-06-14 | 2005-06-14 | 複合材、コーティング液および複合材の製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2006346947A (ja) |
-
2005
- 2005-06-14 JP JP2005174366A patent/JP2006346947A/ja active Pending
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