JP2006346727A - ホログラム模様と印刷模様とを備えた金属板材の製造方法 - Google Patents

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【課題】 ホログラム模様と印刷模様とを備えた金属板材の製造方法について、連続して搬送される帯状の金属板に施されるホログラム模様の位置と印刷模様の位置とを容易且つ確実に合わせることができるようにする。
【解決手段】 帯状の金属板1に対して、ホログラム加工用ロール4によりホログラム模様を金属面に繰り返し転写すると共に、マーク印字装置11により所定のピッチで位置合わせ用マークを施してから、ラミネートロール8により印刷済み樹脂フィルム2を金属板1にラミネートする前に、マーク読み取り装置12による金属板1の位置合わせ用マークの読み取りに基づいて、位置補正用ドローロール9により印刷済み樹脂フィルム2の送りピッチを調整することで、金属板1のホログラム模様と印刷済み樹脂フィルム2の印刷模様との位置関係を補正する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば、スリーピース缶の缶胴を製造するための製缶用鋼板材のように、金属板の片面側(缶外面となる側)に印刷による模様(文字や図柄)が施される金属板材に関し、特に、そのような金属板材について、連続して搬送される帯状の金属板の片面側で、ホログラムによる模様を金属面に施してから、更に印刷による模様を金属面に施すような金属板材の製造方法に関する。
飲料缶詰の容器として使用される金属製の缶体では、缶体の胴部外面となる金属面(ツーピース缶の場合には円筒状の胴部の外面、スリーピース缶の場合には缶胴となる金属板材の片側面)に対して、直接に印刷を施したり、或いは、印刷層が形成された樹脂製の積層フィルム(以下、印刷済み樹脂フィルムという)をラミネートすることで、様々な色彩やデザインの印刷模様(印刷による文字や図柄)が付与されているが、そのような缶体の胴部外面に対して、商品の差別化を図るという観点から、印刷模様の他に、更に、虹色の光沢で人目を引くホログラムを付与する、ということが下記の特許文献1〜3等により従来公知となっている。
すなわち、下記の特許文献1には、缶体の胴部外面となる金属面(カップ状成形体の胴部の外表面、又は、ブランクの外面側となる表面)に対して、ホログラムを転写すると共に、ホログラムが転写された部位を除いて印刷を施すということが開示されており、また、下記の特許文献2には、透明ホログラムフィルムと、表面に背景図画を印刷した金属板とを、強固に積層一体化するということが開示されていて、さらに、下記の特許文献3には、缶体(金属容器)を製造するための金属板(金属基板)の表面にホログラム(回析光学要素の表面浮き彫り)を転写(複製)すると共に、その上に印刷済み樹脂フィルム(印刷インクを含む実質的に透明な層)をラミネートするということが開示されている。
特開平2−32946号公報 特開2001−239610号公報 特表2004−501775号公報
ところで、上記の各特許文献に開示されたような従来公知の技術によれば、印刷による装飾効果とホログラムによる装飾効果の両方の効果を合わせて持たせることができるものの、印刷による模様(文字や図柄)と対応するようにホログラムを特定の模様に形成するような場合には、ホログラム模様の位置と印刷模様の位置とを正確に合わせることが必要となり、その結果、金属板へのホログラム転写と印刷の何れを先行させるとしても、その位置合わせ作業が面倒なものとなって生産効率が著しく低下することとなる。
特に、スリーピース缶の缶胴を製造するための製缶用鋼板材などでは、従来から一般的に、連続して搬送される帯状の金属板に対して、缶外面側の印刷・塗装(又は、印刷済み樹脂フィルムのラミネート)や缶内面側の塗装(又は、樹脂フィルムのラミネート)等の加工処理を高速で連続的に行なっていることから、そのような製造工程で金属板の片面側にホログラム模様と印刷模様とを重ねて施す場合には、ホログラム転写と印刷(又は印刷済み樹脂フィルムのラミネート)のタイミングが僅かでもずれると、ホログラム模様の位置と印刷模様の位置とが合わず、その結果、ホログラム模様と印刷模様がずれて外観が悪化した不良品を多く発生させてしまうという問題が生じることとなる。
本発明は、上記のような問題の解消を課題とするものであり、具体的には、ホログラム模様と印刷模様とを備えた金属板材の製造方法について、連続して搬送される帯状の金属板に施されるホログラム模様の位置と印刷模様の位置とを容易且つ確実に合わせることができるようにすることを課題とするものである。
本発明は、上記のような課題を解決するために、連続して搬送される帯状の金属板の片面側で、ホログラムによる模様を金属面に施してから、更に印刷による模様を金属面に施すような金属板材の製造方法において、帯状の金属板に対して、その長手方向に沿って繰り返し模様となるようにホログラム模様を金属面に直接転写すると共に、所定のピッチで位置合わせ用のマークを施してから、印刷模様を金属面に施す前に、金属板に施された位置合わせ用のマークの読み取りに基づいて、金属板の長手方向でのホログラム模様と印刷模様との位置関係を補正するようにしたことを特徴とするものである。
上記のような本発明のホログラム模様と印刷模様とを備えた金属板材の製造方法によれば、帯状の金属板を連続して搬送しながら、金属板に位置合わせ用のマークを施し、且つ、このマークを読み取る(マークの位置を検出する)ことで、マークの読み取り(マーク位置の検出値)に基づいて、ホログラム模様と印刷模様との位置関係を補正していることにより、帯状の金属板へのホログラム転写や印刷模様の付与を高速で連続的に実施しながら、ホログラム模様と印刷模様との位置合わせを容易且つ確実に行なうことができる。その結果、ホログラム模様と印刷模様とを備えた金属板材を、両方の模様がずれて外観が悪化した不良品を発生させることなく迅速に効率良く生産することができる。
ホログラム模様と印刷模様とを備えた金属板材の製造方法について、連続して搬送される帯状の金属板に施されるホログラム模様の位置と印刷模様の位置とを容易且つ確実に合わせることができるようにするという目的を、最良の形態として以下の実施例に具体的に示すように、帯状の金属板に対して、その長手方向に沿って繰り返し模様となるようにホログラム模様を金属面に直接転写すると共に、所定のピッチで位置合わせ用マークを施してから、印刷模様を金属面に施す前に、金属板に施された位置合わせ用マークの読み取りに基づいて、金属板の長手方向でのホログラム模様と印刷模様との位置関係を補正するということで実現した。
本実施例の方法は、スリーピース缶の缶胴に使用するための製缶用鋼板材に係るもので、帯状の表面処理鋼板の片面側(缶外面となる側)に、繰り返し模様となるようにホログラム模様と印刷模様とを施すための方法であって、印刷模様を施すための手段としては、透明なフィルム層を基体として印刷層を備えた樹脂製の積層フィルム(以下、印刷済み樹脂フィルムという)の帯状体を、缶胴に製缶する際の溶接(又は接着)代を残した状態で、帯状の表面処理鋼板の片面側(缶外面となる側)にラミネートしている。
すなわち、本実施例の方法では、図1に示すように、鋼板コイル1Aから解かれて送り出される帯状の表面処理鋼板1を、連続して搬送しながら、先ず、ホログラム加工用ロール4とバックアップロール5との間に鋼板1を挟み込むことで、ホログラム加工用ロール4のロール面に形成されたホログラム模様を鋼板1の表面に圧接させて、缶外面側となる鋼板1の片面側にホログラム模様を直接に転写している。その際、ホログラム加工用ロール4とバックアップロール5は、鋼板1の移動速度と同速の周速で回転されていて、図2に示すように、ホログラム加工用ロール4のロール面に形成されたホログラム模様は、長手方向に沿った繰り返し模様として帯状の鋼板1の表面に転写されることとなる。
そして、そのように鋼板1の表面にホログラム模様を施してから、図1に示すように、高周波誘導加熱装置による加熱炉6の内部を通過させるように鋼板1を搬送させながら、加熱炉6の内部で鋼板1の両面に沿って配置された加熱コイル7により鋼板1を加熱してから、加熱された帯状の鋼板1と、外面フィルムとなる帯状の印刷済み樹脂フィルム2とを、一対のラミネートロール8,8の間に挟み込んで両者をラミネートすることで、帯状の鋼板1の長手方向に沿った繰り返し模様となるように印刷模様を施している。なお、鋼板1にフィルム2を圧接してラミネートする際の圧力については、線圧で300N〜700Nが必要である。
また、ラミネートロール8,8による鋼板1と印刷済み樹脂フィルム2とのラミネート時には、それと同時に、印刷済み樹脂フィルム2がラミネートされる側とは反対側の鋼板1の片面側(缶内面となる側)に、内面フィルムとなる熱可塑性樹脂フィルム3をラミネートしており、この熱可塑性樹脂フィルム3が缶内面側の保護被膜となるようにしている。なお、缶内面側の保護被膜については、熱可塑性樹脂フィルム3のラミネートに限らず、熱硬化性樹脂の塗料を塗布することで形成するようにしても良い。
そのように鋼板1の両面に樹脂製のフィルム2、3がそれぞれラミネートされた帯状の製缶用鋼板材は、図示していないが、その後、水冷または空冷によって冷却されてから、一旦はコイル状に巻き取られた状態で保管される。そして、この製缶用鋼板材のコイルは、製缶工程において、帯状に解かれて一缶毎のシート状のブランクに切断されてから、円筒状に丸められて、その幅方向の端部同士が溶接(又は接着)されることで、スリーピース缶の円筒状の缶胴に製缶されることとなる。
ところで、上記のようにホログラム模様と印刷模様とを備えた帯状の製缶用鋼板材を製造する場合に、本実施例の方法では、ホログラム加工用ロール4によりホログラム模様を鋼板1の金属面に直接転写する際に、それと前後して、或いは、それと同時に、インクジェット等によるマーク印字装置11によって、図2に示すように、帯状の鋼板1の表面に所定のピッチとなるように位置合わせ用のマークを施している。一方、鋼板1にラミネートされる印刷済み樹脂フィルム2についても、図示していないが、帯状の印刷済み樹脂フィルムを製造する際に、フィルムへの印刷時に帯状のフィルムの適所に所定のピッチで位置合わせ用のマークを予め施しておくようにしている。
そして、図1および図3に示すように、加熱炉6を通して加熱された状態の表面処理鋼板1に対して、印刷済み樹脂フィルム2をラミネートする前に、マーク読み取りセンサー12により鋼板1に施された位置合わせ用のマークを読み取り、一方、別のマーク読み取りセンサー13により印刷済み樹脂フィルム2に施された位置合わせ用のマークを読み取って、両方のマークの位置の違いを検出してから、その検出値に応じて、印刷済み樹脂フィルム2の搬送経路に設けられた位置補正用ドローロール9を上下方向に変位させることで、印刷済み樹脂フィルム2の送りピッチを調整してからラミネートロール8,8に送り込むことにより、鋼板1に転写されたホログラム模様と、印刷済み樹脂フィルム2に印刷された模様との位置関係を補正するようにしている。
上記のような本実施例の方法について、その内容を更に詳しく以下に説明する。
使用する表面処理鋼板1については、Al、Cr、Ni、Sn等のメッキが施されて板厚が0.10〜0.25mmの表面処理鋼板であって、具体的には、例えば、付着量0.5〜3.0g/mの錫メッキの後で化成処理が施された錫メッキ鋼板、付着量0.3〜2.0g/mのニッケルメッキの後で化成処理が施されたニッケルメッキ鋼板、Sn(付着量0.5〜2.0g/m)とNi(付着量0.1〜0.5g/m)とをNi−Snの順にメッキした後で化成処理を施したSn/Niメッキ鋼板、所謂TFS(Tin Free Steel)と呼ばれる金属Cr付着量が50〜120mg/mで酸化Cr付着量が5〜20mg/mのクロム・クロメート処理鋼板など使用される。なお、金属面にホログラムを施すためには、表面平滑性のある材料を使用するのが良く、特に高光沢材(BE材;極薄錫メッキ鋼板)を使用するのが良い。
ホログラム加工用ロール4のロール面に形成されるホログラム模様については、約1μmのピッチで深さ0.2〜0.5μmの凹凸により形成されたホログラム模様がレーザー加工等の手法によって作成されている。ホログラム加工用ロール4のロール面には、ホログラムフィルムを作成するときに使用する原版を貼り付けて固定してもよい。一方、ホログラム加工用ロール4に対向して設けられるバックアップロール5については、金属ロール、又は、硬度95°以上のゴムにより厚さ5mm以下に表面ゴムライニングされたロールが用いられる。
ホログラム加工用ロール4のロール面を表面処理鋼板1の表面に圧接させるときの圧力については、1mあたりで100N〜600N(好ましくは150N〜300N)の範囲内としている。すなわち、転写の圧力が100N以下であると、鋼板1の金属面に転写されるホログラム模様が不鮮明になって外観上の効果が期待できず、一方、転写の圧力が600N以上であると、押し付け圧力によりホログラム加工用ロール4のロール面に形成されたホログラム模様の凹凸が摩耗して生産性が悪くなり、また、加工により表面処理鋼板1の表面の錫等が削られて、鋼板1の表面にごみ等が付着する原因にもなる。
表面処理鋼板に施される位置合わせ用のマークについては、インクジェット等のマーク印字装置11により可視的または不可視的に印刷されるもので、マーク読み取りセンサー12により読み取られるものであるが、ホログラム加工用ロール4に打刻用の凸部を設けて、ホログラムの転写と同時時に、打刻用の凸部による微少な凹部を帯状の鋼板1の金属面に直接形成して、この凹部を別途のCCDカメラで読み取るようにしても良い。
なお、位置合わせ用のマークを可視的に印刷する場合には、図2に示すように、帯状の鋼板1の端縁部にマーキングする以外には、例えば、繰り返し転写されるホログラム模様の間にマーキングすることができるが、鋼板の端縁部にマーキングした場合には、帯状の鋼板から一缶毎のブランクに切断される際にマージンとして切断除去することができる。ホログラム模様のピッチ方向にマーキングする場合には、帯状の鋼板から一缶毎のブランクに切断された際に、缶胴の開口端部での密封蓋との巻締部となる部分として最終的にマークが隠れるような位置にマーキングするのが好ましい。
一方、位置合わせ用のマークを不可視的に印刷する場合には、上記のような制約を受けることなくホログラム模様のピッチ毎に設けることができるが、不可視マークを読み取れるようなマーク読み取りセンサーが必要となる。不可視マークの具体例としては、例えば、蛍光剤を含有する透明インクにより隠しマークを印刷して、紫外線の照射により蛍光発光させることでマークを検知したり、フェライト等の磁性粉を樹脂バインダーに混入させた透明インクにより隠しマークを印刷して、磁気ヘッドに接触させることでマークを検知したり、常温では透明となる可逆性の示温インクにより隠しマークを印刷して、帯状の鋼板の加熱時にマークを発色させ、鋼板の温度が下がらないうちにマークを検知する(その後、鋼板の温度が下がるとマークは消色する)等のような適宜の方法が可能である。
加熱炉6による表面処理鋼板1の加熱工程について、本実施例の方法では、高周波誘導加熱方式を採用しているが、そのような方式に限らず、通電加熱方式、熱風加熱方式、赤外線加熱方式等の単独又は併用が採用可能である。何れの方式を採用するにしても、この加熱工程では、帯状の鋼板をフローティング搬送してホログラム形成面と搬送面との接触を少なくすることが好ましい。また、帯状の鋼板のターン搬送が必要な場合には、ホログラム形成面を崩すことがないようにゴムロールを用いることが好ましい。帯状の鋼板の蛇行の調整については、一般的に用いられているEPC(エッジポジションコントロール)、またはCPC(センターポジションコントロール)により行われる。
加熱炉6による表面処理鋼板1の加熱温度については、表面処理鋼板の表面の軟金属の融点未満の温度範囲となるように加熱している。すなわち、ホログラム模様が施された鋼板を加温する場合には、鋼板の金属面に形成されたホログラムの凹凸が崩れない温度範囲に設定する必要があって、鋼板の表面のメッキ層の融点よりも10〜50℃低い温度範囲に設定する必要がある。具体的には、例えば、鋼板が錫メッキ鋼板の場合には、170℃〜220℃の温度範囲に加温してからフィルムのラミネートを行うようにしている。
表面処理鋼板1に印刷模様を施すための印刷済み樹脂フィルム2については、透明な接着剤層/印刷インキ層/透明な基体フィルム層/潤滑被膜層、或いは、透明な接着剤層/透明な基体フィルム層/印刷インキ層/潤滑被膜層など、多層構造を有する複合フィルムであって、このフィルムの厚さは、5〜25μm(好ましくは8〜20μm)の範囲としている。すなわち、フィルムの厚さが5μm未満では、表面処理鋼板の表面に施されたホログラムを保護する観点から充分でなく、また、製缶の工程でフィルムが傷付くと直ちに錆発生の原因となる。一方、フィルムの厚さを25μm以上に厚くしても、ホログラムの保護や錆発生の防止という点での効果は飽和状態で変わらず、材料を多く使用することでコストアップを招くだけとなる。
また、印刷済み樹脂フィルム2について、基体フィルムに印刷を施し、接着剤を塗装する場合に、印刷については、グラビア,フレキソ,オフセット等の印刷方式が採用され、また、接着剤については、不透明なものではホログラム模様が見えなくなってホログラム効果が失われるため、透明な接着剤が使用される。なお、色付きでホログラム模様を出したいときは、ホログラム効果が失われない範囲で透明な接着剤に樹脂に顔料を含有させて接着剤層を着色半透明としても良いが、むしろ、接着剤層は透明にして半透明のインキで着色した方が下地(接着剤層)の色の影響を受けないので好ましい。また、接着剤層の厚さは、0.3〜8μm(特に0.5〜3.5μm)とするのが好ましい。すなわち、接着剤層の厚さが0.3μm未満では、鋼板との密着性は低下し、一方、8μmよりも厚くすると、透明性が低下してホログラム模様が不鮮明になりやすい。
上記のような本実施例の方法について、その具体的な一例を以下に示す。
板厚0.20mm、板幅832mmの鋼板の表面に、錫付着量1.0g/m、ニッケル付着量0.3g/mのSn/Niメッキを施してからクロメート処理を施した後で、その缶外面側となる表面処理鋼板の片面側に、ホログラム加工用ロールを圧力150N/mで圧接させて、幅方向で8条となるホログラム模様を、長手方向で繰り返し模様となるように連続的に転写した。また、ホログラム模様を転写するときに、その位置に合わせて、鋼板の非ラミネート部(缶胴の接合部となる部分)に位置合わせ用のマーク(幅2mm、長さ10mm)をインクジェットによるマーク印字装置によって印刷した。
次いで、この鋼板をフローティング搬送で搬送しながら加熱炉の内部を通過させて、鋼板の温度を190℃に加熱昇温させてから、二軸延伸ポリエステルフィルムの基体フィルム層と、接着剤層と、印刷インキ層と、潤滑被膜層とを有する12μmの印刷済み樹脂フィルムを、透明なウレタン系接着剤による厚み2.5μm接着剤層を介して、ホログラム模様が形成された鋼板の缶外面側に、鋼板のホログラム模様と印刷済み樹脂フィルムの印刷模様との位置合わせを行いながら、幅方向を合わせて連続的にラミネートした。一方、この鋼板の缶内面側には、接着剤層を有する厚さ11μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを、缶外面側の印刷済み樹脂フィルムの位置と表裏対応するように、幅方向で8条となるようにラミネートした。そして、そのように両面にフィルムがラミネートされた製缶用の鋼板材を、その後で急冷してから、コイル状に巻き取った。
なお、上記のように巻き取られたコイル状鋼板は、製缶工程において、コイルを解いて帯状に送り出してから、幅が165.8mm(缶径52.6mm相当、両端に1.9mmの非ラミネート部を有する)、長さ136.2mm(缶高さ相当)の一缶毎のブランクに切断した後、ホログラム模様や印刷模様が施された側が缶外面になるように、溶接缶ラインで円筒状の缶胴に形成している。そのように得られた缶胴の外面側では、商標デザイン等の印刷模様とホログラム模様とが正確に一致していることで、ホログラム模様が損なわずに印刷模様と完全に融和して、意匠性の高い外観性を得ることができる。
上記のような具体例を含む本実施例の方法によれば、帯状の鋼板1を連続して搬送しながら、鋼板1に位置合わせ用のマークを施し、且つ、このマークの読み取ることで、マーク位置の検出値に基づいて、鋼板1のホログラム模様と印刷済み樹脂フィルム2の印刷模様との位置関係を補正していることにより、帯状の鋼板1へのホログラム転写や印刷済み樹脂フィルム2のラミネートを高速で連続的に実施しながら、鋼板1のホログラム模様と、印刷済み樹脂フィルム2の印刷模様との位置合わせを容易且つ確実に行なうことができる。その結果、ホログラム模様と印刷模様とを備えた金属板材を、両方の模様がずれて外観が悪化した不良品を発生させることなく迅速に効率良く生産することができる。
また、ホログラム模様が施された帯状の鋼板1に対して、これをコイル状に巻き取るよりも前に、鋼板1の金属面に形成されたホログラム模様の上から、鋼板1の金属面に印刷済み樹脂フィルム2をラミネートしていることにより、鋼板1の金属面に形成されたホログラム模様が印刷済み樹脂フィルム2によって保護されることとなり、そのため、帯状の製缶用鋼板材をコイル状に巻き取る際に、鋼板の金属面に形成されたホログラム模様の部分が損われるようなことはない。
以上、本発明のホログラム模様と印刷模様とを備えた金属板材の製造方法の実施例について説明したが、本発明の方法は、上記のような実施例にのみ限定されるものではなく、適宜に変更可能なものであって、例えば、対象となる金属板材については、表面処理鋼板に限らず、製缶用のアルミ合金等のような他の金属板であっても良く、また、金属板に印刷模様を施すための手段については、印刷済み樹脂フィルムのラミネートによる場合に限らず、金属板の表面に直接に印刷を施すことで実施することも可能である。なお、金属板の表面に直接に印刷を施すような場合には、金属板に施された位置合わせ用のマークを読み取り、このマークの位置の検出に基づいて、金属板の搬送速度を調整するか、或いは、印刷用ロールの稼動タイミングを調整することにより、ホログラム模様と印刷模様との位置関係を補正することとなる。また、印刷済み樹脂フィルムをラミネートする場合には、実施例では接着剤を介して印刷済み樹脂フィルムを金属板にラミネートしているが、印刷済み樹脂フィルムの基体フィルムが熱融着可能な樹脂であれば、接着剤を用いることなく基体フィルムを直接金属板に熱融着させるようにしても良いものである。
本発明の方法を実施するための金属板材の製造ラインの一例を示す側面説明図。 本発明の方法において金属板にホログラム模様と位置合わせ用マークを施した状態の一例を示す平面説明図。 本発明の方法の一実施例における鋼板のホログラム模様と印刷フィルム(印刷済み樹脂フィルムの印刷模様との位置合わせの仕方を示すフローチャート。
符号の説明
1 鋼板(金属板)
2 印刷済み樹脂フィルム
4 ホログラム加工用ロール
8 ラミネートロール
9 位置補正用ドローロール
11 マーク印字装置
12 マーク読み取りセンサー
13 マーク読み取りセンサー

Claims (4)

  1. 連続して搬送される帯状の金属板の片面側で、ホログラムによる模様を金属面に施してから、更に印刷による模様を金属面に施すような金属板材の製造方法において、帯状の金属板に対して、その長手方向に沿って繰り返し模様となるようにホログラム模様を金属面に直接転写すると共に、所定のピッチで位置合わせ用のマークを施してから、印刷模様を金属面に施す前に、金属板に施された位置合わせ用のマークの読み取りに基づいて、金属板の長手方向でのホログラム模様と印刷模様との位置関係を補正するようにしたことを特徴とするホログラム模様と印刷模様とを備えた金属板材の製造方法。
  2. 帯状の金属板の金属面に印刷模様を施す手段が、帯状の印刷済み樹脂フィルムのラミネートによるものであって、印刷済み樹脂フィルムにも所定のピッチで位置合わせ用マークを予め施しておくことにより、金属板と印刷済み樹脂フィルムのそれぞれの位置合わせ用マークの位置の比較に基づいて、金属板と印刷済み樹脂フィルムとの長手方向での位置関係を補正するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のホログラム模様と印刷模様とを備えた金属板材の製造方法。
  3. ホログラム加工用ロールの圧接によりホログラム模様が転写された帯状の表面処理鋼板に対し、帯状の印刷済み樹脂フィルムをラミネートするのに際して、その前に行なわれる表面処理鋼板の加熱を、該表面処理鋼板の表面の軟金属の融点未満の温度範囲となるようにしていることを特徴とする請求項2に記載のホログラム模様と印刷模様とを備えた金属板材の製造方法。
  4. 金属板材が、スリーピース缶の缶胴に使用するための製缶用鋼板材であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のホログラム模様と印刷模様とを備えた金属板材の製造方法。
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