<第一実施例>
本発明に係るスロットマシン1を添付図面に従って説明する。
スロットマシン1は、図1に示されるように、正面矩形状をなす遊技機本体14を備え、その内部に、個別に前方回転する三つのリール3a,3b,3cが横並びに設けられている。各リール3a〜3cの外周面には、複数の図柄x(図2参照)が設けられており、前面パネル14aに開口した三つの表示窓6a,6b,6cを介して、各リール3a,3b,3c前面の一部が前方から視認可能となっている。
ここで、前記図柄xについてさらに詳述すると、図2に示されるように、各リール3a〜3cの外周面には、図柄xが等間隔に21図柄ずつ設けられている。この図柄xとしては、例えば「7」、「BAR」、「R(リプレイ)」、「チェリー」、「鐘」、「レモン」があり、リール3a〜3cごとに特徴的な図柄列30a,30b,30cを構成している。なお、後述のように、遊技者によりスタートレバー5が操作されると、リール3a〜3cはY方向に回転する。
また、図1に示されるように、遊技機本体14の前面のうち、中央左寄り位置には、スタートレバー5が突設されている。このスタートレバー5は、遊技者がリール3a〜3cの回転始動を指令するためのものであって、所定要件下で遊技者がスタートレバー5を押し下げると、リール3a〜3cが前方に一斉に回転始動する構成となっている。すなわち、このスタートレバー5が、本発明に係るリール始動操作部を構成する。
リール3a〜3cが回転状態となると、表示窓6a〜6cを介して、リール3a〜3c上の図柄xが上方から下方へと移動するように視認される。各表示窓6a〜6cは、各リール3a〜3cの外周面に設けられた図柄xのうち、正面に位置する三つを視認可能とする縦幅をなし、全リール3a〜3cの停止状態では縦横三列、合計九つの図柄xが表示窓6a〜6cに表示される。
また、左表示窓6aの左斜め下には、ベットボタン7が設けられている。このベットボタン7は、賭数を入力指令するためのものである。一方、右表示窓6cの右斜め下にはメダル投入口8が配設されている。このメダル投入口8へのメダルの投入操作は、賭数を入力指令するための操作となる。かかる構成にあって、遊技者によりベットボタン7が操作されると、又はメダル投入口8に遊技媒体としてのメダルが投入されると、ボタン操作回数、又はメダル投入数に応じて賭数が設定される構成となっている。具体的には、前面パネル14aに形成された有効ライン表示部24により、横三本、斜め二本(計五本)の有効ラインが、設定した賭数に応じて表示される。そして、その有効ライン数により、遊技者は設定した賭数を確認することができる。
また、表示窓6a〜6cの下方には、三つのリール停止ボタン4a,4b,4cが横並びに設けられている。これらリール停止ボタン4a〜4cは、回転中のリール3a〜3cに対して回転停止を指令するためのものである。すなわち、左位置にある左リール停止ボタン4aを押すと所定タイミングで左リール3aが、中位置の中リール停止ボタン4bを押すと所定タイミングで中リール3bが、右位置の右リール停止ボタン4cを押すと所定タイミングで右リール3cがそれぞれ回転停止する構成となっている。すなわち、これらのリール停止ボタン4a〜4cにより、本発明に係るリール停止操作部が構成される。
ここで、図3に示すように、リール停止ボタン4a〜4cの表面には、「STOP」と「SLOW」の表示が設けられる。そして、図4に示すように、各リール停止ボタン4a〜4cの内部には赤色LED20a,20bと青色LED20c,20dが設けられており、赤色LED20a,20bの点灯によって「SLOW」の表示が点灯し(図3(ロ)参照)、青色LED20c,20dの点灯によって「STOP」の表示が点灯するようになっている(図3(ハ)参照)。なお、リール停止ボタン4a〜4cをボタン操作した後、対応するリール3a〜3cが実際に回転停止するタイミングについては、本発明の要部であるため、後で詳述する。
また、メダル投入口8の直上位置には、クレジット数表示部27と入賞払出数表示部28とが並んで設けられている。このクレジット数表示部27には、メダルのクレジット数が所定上限数(例えば50枚)まで表示される。一方、入賞払出数表示部28には、入賞として払い出されるメダル数が表示される。
また、遊技機本体14前面の最下位置には、メダルを貯留する受皿13が配設されている。このメダルは、入賞として払い出されるメダル数がクレジット上限数を超えた場合に払い出されるものである。
これまでに述べた構成にあっては、原則として以下のように遊技が進行する。
遊技者が、メダルを投入して、又はベットボタン7をボタン操作して賭数を設定すると、有効ライン表示部24により当該賭数に応じて有効ラインが報知される。このように賭数が設定されると、次にリール3a〜3cを回転始動することができる期間が開始する。この期間にスタートレバー5を押し下げると、全リール3a〜3cが一斉に回転し始める。そして、このリール3a〜3cが回転している遊技状況でリール停止ボタン4a〜4cをボタン操作していくと、最終的に、全リール3a〜3cが回転停止する。このとき、表示窓6a〜6cに停止表示された図柄xおいて、有効ライン上に同じ柄の図柄xが並んでいると、当り組合せとなって、遊技者に所定利益が払い出される。具体的には、所定数のメダルが遊技者に払い出される。また、遊技内容についていえば、遊技者に有利なボーナス遊技等の遊技作動が実行開始されることとなる。一方、表示窓6a〜6cに停止表示された図柄xの組合せが当り組合せ以外である場合は、ハズレとなる。
次に、本実施例に係るスロットマシン1の遊技作動を制御する制御回路を、図5に従って説明する。
スロットマシン1は、遊技作動等を制御するための基板回路が設けられた主制御基板40を備えている。この主制御基板40の基板回路上には、マイクロコンピュータを構成し、遊技に関する統括的な制御を処理実行する主制御用中央制御装置CPU60が配設されている。
また、この主制御用中央制御装置CPU60には、記憶装置ROM61が、アドレスを指定する情報を一方的に伝えるアドレスバス(図示省略)を介して接続されている。さらに、記憶装置RAM62も、データのやり取りを行うデータバス(図示省略)を介して接続されている。ここで、記憶装置ROM61には、演算処理に用いる動作プログラムや各種テーブル等の固定データが記憶保持されている。一方、記憶装置RAM62には、記憶エリア、ソフトタイマを構成するレジスタ領域、及びワークエリア等が設けられている。また、本実施例に係る記憶装置RAM62は、後述するように、主制御用中央制御装置CPU60により選定された同期基準図柄を同期基準図柄データとして記憶保持する。すなわち、本発明に係る同期基準図柄記憶保持手段は、この記憶装置RAM62により構成される。
また、この主制御基板40の基板回路には、主制御用中央制御装置CPU60が周辺機器とデータ通信を行うための第一I/Oポート50a及び第二I/Oポート50bが設けられている。
第一I/Oポート50aには、スタートスイッチ5a、左リール停止スイッチ41a、中リール停止スイッチ41b、右リール停止スイッチ41c、投入メダル検出センサ8a、及びベットスイッチ7aがそれぞれ接続されている。そして、主制御用中央制御装置CPU60が所定の時間間隔でこれらのスイッチ又はセンサから出力される検出信号を調べ、検出信号を受信すると、その情報を記憶装置RAM62に記憶保持する。そして、種々の制御処理を実行する。
これに対し第二I/Oポート50bには、有効ライン表示部24、メダル払出装置31、ランプ装置32、クレジット数表示部27、入賞払出数表示部28、及び効果音発生装置33,LED20a〜20dがそれぞれ接続され、主制御用中央制御装置CPU60からの制御指令が、各装置等へ一方向に出力される。また、これ以外にも第二I/Oポート50bには、リール3a〜3cと連繋した回胴装置34が接続されており、当該第二I/Oポート50bを介して主制御用中央制御装置CPU60と回胴装置34とが信号をやり取りしている。
各装置等についてさらに説明する。
スタートスイッチ5aは、スタートレバー5に配設されている。そして、遊技者が適正な期間にスタートレバー5を操作すると、主制御用中央制御装置CPU60が、スタート信号が出力されたと判定すると共に、乱数カウンタから値を取得し、各テーブルに基づいて各動作を開始する。また、回胴装置34に回転始動信号を送信する。一方、回胴装置34は、かかる信号に従って、三つのリール3a〜3cを回転始動する。
また、各リール停止スイッチ41a〜41cは、各リール停止ボタン4a〜4cにそれぞれ配設されている。そして、遊技者が適正な期間にリール停止ボタン4a〜4cをボタン操作すると、主制御用中央制御装置CPU60が、それぞれストップ信号が出力されたと判定し、当該ストップ信号に基づいて対応するリール3a〜3cの変動停止態様を決定して、当該変動停止態様を実行するように回胴装置34に制御信号を送信する。なお、主制御用中央制御装置CPU60が、リール3a〜3cの変動停止態様を制御する内容は本発明の要部であるため、後で詳述する。
次に、回胴装置34について説明する。
回胴装置34は、ステッピングモータ制御基板74と、各リール3a〜3cが接続された三つのステッピングモータ72a〜72cとで構成されている。さらに、ステッピングモータ制御基板74は、フォトセンサ等で構成される基準回転角度位置検出部70と、所定間隔で定期的にパルス信号を出力するパルス発生部71と、パルス発生部71が出力したパルス信号を計数するパルス計数部73とで構成されている。ここで、主制御基板40の第二I/Oポート50bとパルス発生部71とが接続し、このパルス発生部71が、ステッピングモータ72a〜72cとパルス計数部73とにそれぞれ接続している。また、第二I/Oポート50bと基準回転角度位置検出部70とが互いに接続し、この基準回転角度位置検出部70が各ステッピングモータ72a〜72cとも接続している。また、パルス計数部73は、第二I/Oポート50bとも互いに接続している。また、各リール3a〜3cには、回転角度を検出するための基準となる基準回転角度位置が設定されている。
かかる構成にあって、基準回転角度位置検出部70は、基準回転角度位置を随時検出すると共に、基準回転角度位置に関する信号データを主制御用中央制御装置CPU60に送信する。また、主制御用中央制御装置CPU60からの回転始動信号がパルス発生部71に送信されると、パルス発生部71は、基準回転角度位置から所定回転角度だけ各リール3a〜3cを回転させるためのパルス信号をステッピングモータ72a〜72cに出力する。このパルス信号により、ステッピングモータ72a〜72cは、各リール3a〜3cを所定回転角度だけ順次回転させて、各リール3a〜3cを前方回転させる。また、パルス計数部73は、入力されるパルス信号を計数し、第二I/Oポート50bに信号を送信する。このようにして主制御用中央制御装置CPU60は、基準回転角度位置からのパルス数を把握し、各リール3a〜3cの回転態様を完全に制御している。また、回転停止信号がパルス発生部に送信されると、所定回転角度でリール3a〜3cを回転停止させる。例えば、ある特定の図柄xを表示窓6a〜6cの所定位置で停止させたり、回転中のリール3a〜3cに対してリール停止ボタン4a〜4cが操作された際の回転角度(目押し位置)を特定したりする。なお、かかる回胴装置34の構成は、従来構成のものが好適に用いられ得る。
投入メダル検出センサ8aは、メダル投入口8に配設されている。そして、遊技者が適正な期間にメダル投入口8へメダルを投入すると、主制御用中央制御装置CPU60が、そのメダル数に応じて賭数設定信号が出力されたと判定し、所定のメダル枚数まで(3枚まで)は有効ライン表示部24に表示信号を出力する。一方、投入メダル数が所定のメダル枚数を超えると、クレジット数表示部27にも表示信号を送信する。そして、有効ライン表示部24は、表示信号に従って有効ラインを表示し、一方、クレジット数表示部27は、表示信号に従ってクレジット化されたメダル数を表示する。
ベットスイッチ7aは、ベットボタン7に配設されている。そして、遊技者が適正な期間にベットボタン7を操作すると、主制御用中央制御装置CPU60が、そのボタン操作に応じて賭数設定信号を出力されたと判定し、有効ライン表示部24に表示信号を出力すると共にクレジット数表示部27に表示信号を送信する。そして、有効ライン表示部24は、表示信号に従って有効ラインを表示し、一方、クレジット数表示部27は、表示信号に従って所要のクレジット数を表示する。
また、表示窓6a〜6cに停止表示された図柄xの組合せが当り組合せとなって遊技者に利益を払い出す場合には、主制御用中央制御装置CPU60は、その払い出し数を表示させるように入賞払出数表示部28に表示信号を送信すると共に、これに対応するクレジット数を表示させるようにクレジット数表示部27にも表示信号を送信する。また、クレジット数がクレジット上限数(例えば50枚)を超えた場合には、超えた数のメダルを払い出すようにメダル払出装置31に払出信号を送信する。そして、各表示部27,28は、表示信号に従ってそれぞれ所要の内容を表示する。また、メダル払出装置31は、送信された払出信号に従って駆動して、所定数のメダルを払い出す。一方、ハズレの場合は、主制御用中央制御装置CPU60は、ハズレの組合せの図柄xを表示窓6a〜6cに停止表示させる。
また、遊技の進行に伴って所定の演出・報知を実行する場合には、主制御用中央制御装置CPU60は、ランプ装置32や効果音発生装置33、LED20a〜20dに演出・報知信号を送信する。そして、ランプ装置32や効果音発生装置33、LED20a〜20dはかかる信号に従ってそれぞれ所要の演出態様で駆動し、点灯又は鳴音する。
さらに、この主制御用中央制御装置CPU60の基板回路には、所定のクロックパルスを出力するクロック装置(図示省略)が設けられている。そして主制御用中央制御装置CPU60は、一定間隔のクロックパルスによって時系列的に演算処理を行い、一連の処理作動を順次実行する。また、このクロック装置により出力されたクロックパルスをカウントして、時間を計測するタイマTMも接続されている。このタイマTMは、クロック装置のクロックと同期してカウントを計数し、このカウントが所定数に達すると、解除信号を出力するものである。なお、解除信号が出力されると、タイマTMは初期化(リセット)される。
次に、上記構成からなるスロットマシン1の制御処理について、図6に従って説明する。
図6に示すように、主制御用中央制御装置CPU60は、通常遊技においては、まずリプレイフラグがONであるか否かを判定する(ステップS1)。そして、リプレイフラグがONである場合は、再度の遊技権利を与えるため、前回のゲームで設定された有効ライン数を今回のゲームの有効ライン数として設定する(ステップS2)。そして、リプレイフラグをOFFとし(ステップS3)、ステップS12に移行する。
一方、ステップS1でリプレイフラグがONでないと判定した場合は、メダルがメダル投入口8を介して投入されたか否かを判定する(ステップS4)。具体的には、主制御用中央制御装置CPU60が、投入メダル検出センサ8aから賭数設定信号が入力されたか否かを判定する。そして、賭数設定信号が入力されたと判定した場合はステップS6に移行し、入力されていないと判定した場合はステップS5に移行する。
ステップS5では、ベットボタン7が操作されたか否かを判定する。具体的には、主制御用中央制御装置CPU60が、ベットスイッチ7aから賭数設定信号が入力されたか否かを判定する。そして、賭数設定信号が入力されていないと判定した場合は通常遊技を最初からやり直し、入力されたと判定した場合はステップS6に移行する。
ステップS6では、賭数設定信号の検出回数Nに1を加算し、その加算結果を新たな検出回数Nとする。そして次に、この検出回数NがN=1であるか否かを判定し(ステップS7)、N=1である場合は有効ラインを「1」に設定する(ステップS8)。また、検出回数NがN=2である場合は(ステップS9)、有効ラインを「3」に設定する(ステップS10)。さらに、検出回数Nがそれ以外である場合は、有効ラインを「5」に設定する(ステップS11)。そして、ステップS8、ステップS10、及びステップS11の制御処理を終了すると、次にステップS12に移行する。
ステップS12では、スタートレバー5が操作されたか否かを判定する。具体的には、主制御用中央制御装置CPU60が、スタートスイッチ5aからスタート信号が入力されたか否かを判定する。そして、スタート信号が入力されていないと判定した場合は、通常遊技を最初からやり直す。スタート信号が入力されたと判定した場合は、次に抽選処理を行う(ステップS13)。具体的には、乱数カウンタから値を1つ取得する。さらに、この取得した値と、複数の入賞判定値とを比較する。そして、取得値がいずれかの入賞判定値と一致する場合は、対応する入賞フラグ(BBフラグやRBフラグ、小役フラグ、リプレイフラグ等)をONに設定する(ステップS14)。本実施例では、「0」〜「299」までを所定周期(2ms)でカウントアップする乱数カウンタを備え、この乱数カウンタから値を1つ取得する。そして、取得した値が「7」であれば、ビッグボーナス(以下、BBという。)フラグをONに設定する。また、取得した値が「177」であれば、レギュラーボーナス(以下、RBという。)フラグをONに設定し、下一桁が「3」であればリプレイフラグをONにして、下一桁が「9」であれば小役フラグをONに設定する。なお、抽選処理の結果、取得した値がいずれにも該当しない場合は、いずれの入賞フラグの設定も行わず、次の処理(ステップS15)に移行する。
入賞フラグを設定すると、次に、全リール3a〜3cを一斉に回転始動し(ステップS15)、ステップS16に移行する。
ステップS16は、回転リール停止処理(図12参照)であって、リール3a〜3cごとに変動・停止態様を選定し、最終的に全リール3a〜3cを回転停止する制御内容である。この回転リール停止処理については後述する。
そして、回転リール停止処理により全リール3a〜3cが回転停止すると、表示窓6a〜6cに停止表示された図柄が当り組合せであるか否かを判定する(ステップS17)。ここで、当り組合せでないと判定した場合は、リプレイフラグ及び小役フラグをOFFとして(ステップS24,25)、通常遊技を再度実行する。
これに対し、ステップS17で当り組合せであると判定した場合は、その当り組合せが小役であるか否か判定する(ステップS18)。そして、小役であると判定した場合は、メダルを10枚払い出して(ステップS23)、小役フラグをOFFとし(ステップS25)、通常遊技を再度実行する。小役でないと判定した場合は、当該当り組合せがリプレイであるか否かを判定し(ステップS19)、リプレイであると判定した場合は、そのまま通常遊技を終了し、通常遊技を初めから実行する。一方、リプレイでないと判定した場合は、当該当り組合せがBBであるか否かを判定する(ステップS20)。そして、BBであると判定した場合は、メダルを15枚払い出し(ステップS21)、通常遊技を終了してBB遊技に移行する。これに対し、ステップS20でBBでないと判定した場合は、メダルを15枚払い出し(ステップS22)、通常遊技を終了してRB遊技に移行する。
BB遊技は、ゲームが30回行われるか、或いはRB遊技が3回繰り返されるまで継続される。図7に示すように、主制御用中央制御装置CPU60は、BB遊技においては、まずRB遊技の最大回数を設定するためのRB回数カウンタM1を「3」に設定する(ステップS30)。続いて、最大ゲーム数を設定するための最大ゲーム数カウンタM2を「30」に設定する(ステップS31)。
続いて、主制御用中央制御装置CPU60は、投入メダル検出センサ8aから賭数設定信号が入力されたか否かを判定する(ステップS32)。賭数設定信号が入力されたと判定した場合はステップS34に移行し、入力されていないと判定した場合はステップS33に移行する。
ステップS33では、主制御用中央制御装置CPU60が、ベットスイッチ7aから賭数設定信号が入力されたか否かを判定する。賭数設定信号が入力されていないと判定した場合はステップS32へ移行し、入力されたと判定した場合はステップS34に移行する。
ステップS34では、賭数設定信号の検出回数Nに1を加算する。そして、検出回数Nの値に応じて有効ラインを設定し(ステップS35〜S39)、ステップS40に移行する。
ステップS40では、主制御用中央制御装置CPU60が、スタートスイッチ5aからスタート信号が入力されたか否かを判定する。そして、スタート信号が入力されていないと判定した場合は、ステップS32へ移行する。ステップS40でスタート信号が入力されたと判定した場合は、最大ゲーム数カウンタM2から1を減算し(ステップS41)、次に抽選処理を行い(ステップS42)、抽選処理の結果に応じて入賞フラグをONに設定する(ステップS43)。
入賞フラグを設定すると、次に、全リール3a〜3cを一斉に回転始動し(ステップS44)、ステップS45に移行する。
ステップS45は、回転リール停止処理(図12参照)であって、リール3a〜3cごとに変動・停止態様を選定し、最終的に全リール3a〜3cを回転停止する制御内容である。この回転リール停止処理は、通常遊技で行われる回転リール停止処理(ステップS16(図6参照))と同じ処理であり、詳細は後述する。
そして、回転リール停止処理により全リール3a〜3cが回転停止すると、表示窓6a〜6cに停止表示された図柄が当り組合せであるか否かを判定する(ステップS46)。ここで、当り組合せでないと判定した場合は、リプレイフラグ及び小役フラグをOFFとし(ステップS52,53)、ステップS54へ移行する。
これに対し、ステップS46で当り組合せであると判定した場合は、その当り組合せが小役であるか否か判定する(ステップS47)。そして、小役であると判定した場合は、メダルを10枚払い出して(ステップS51)、小役フラグをOFFとし(ステップS53)、ステップS54へ移行する。小役でないと判定した場合は、リプレイフラグをOFFとして(ステップS48)、RB遊技処理(ステップS49)を実行し、さらにRB回数カウンタM1から1を減算した後で(ステップS50)、ステップS54に移行する。RB遊技処理については後述する。
ステップS54では、RB回数カウンタM1がM1=0であるか否かを判定する。そして、M1=0である場合はステップS56に移行し、M1=0でない場合はステップS55へ移行する。
ステップS55では、最大ゲーム数カウンタM2がM2=0であるか否かを判定する。そして、M2=0である場合はステップS56へ移行し、M2=0でない場合はステップS32へ移行する。
ステップS56では、RB回数カウンタM1の値をクリアする。そして、最大ゲーム数カウンタM2の値をクリアし(ステップS57)、BBフラグをOFFとした後で(ステップS58)、BB遊技を終了して通常遊技に移行する。
RB遊技は、ゲームが12回行われるか、或いは入賞が8回成立するまで継続される。図8に示すように、主制御用中央制御装置CPU60は、RB遊技においては、まず、RB遊技処理(ステップS60)を実行し、その後にRBフラグをOFFとし、RB遊技を終了して通常遊技に移行する。RB遊技処理は、BB遊技で行われるRB遊技処理(ステップS49(図7参照))と同じものであり、以下に詳述する。
図9に示すように、RB遊技処理では、主制御用中央制御装置CPU60は、まず
入賞の最大回数を設定するための入賞回数カウンタM3を「8」に設定する(ステップS70)。続いて、最大ゲーム数を設定するための最大ゲーム数カウンタM4を「12」に設定する(ステップS71)。
続いて、主制御用中央制御装置CPU60は、投入メダル検出センサ8aから賭数設定信号が入力されたか否かを判定する(ステップS72)。賭数設定信号が入力されたと判定した場合はステップS74に移行し、入力されていないと判定した場合はステップS73に移行する。
ステップS73では、主制御用中央制御装置CPU60が、ベットスイッチ7aから賭数設定信号が入力されたか否かを判定する。賭数設定信号が入力されていないと判定した場合はステップS72へ移行し、入力されたと判定した場合はステップS74に移行する。
ステップS74では有効ラインを「1」に設定し、ステップS75に移行する。
ステップS75では、主制御用中央制御装置CPU60が、スタートスイッチ5aからスタート信号が入力されたか否かを判定する。そして、スタート信号が入力されていないと判定した場合は、入力されたと判定されるまでステップS75を繰り返す。ステップS75でスタート信号が入力されたと判定した場合は、最大ゲーム数カウンタM4から1を減算し(ステップS76)、次に抽選処理を行い(ステップS77)、抽選処理の結果に応じて入賞フラグをONに設定する(ステップS78)。
入賞フラグを設定すると、次に、全リール3a〜3cを一斉に回転始動し(ステップS79)、ステップS80に移行する。
ステップS80は、回転リール停止処理(図12参照)である。この回転リール停止処理は、通常遊技で行われる回転リール停止処理(ステップS16(図6参照))と同じ処理であり、詳細は後述する。
そして、回転リール停止処理により全リール3a〜3cが回転停止すると、表示窓6a〜6cに停止表示された図柄が当り組合せ(有効ライン上にリプレイ図柄列)であるか否かを判定する(ステップS81)。ここで、当り組合せでないと判定した場合は、ステップS84へ移行する。当り組合せであると判定した場合には、メダルを15枚払い出して(ステップS82)、入賞回数カウンタM3から1を減算してから、ステップS84へ移行する。
ステップS84ではリプレイフラグをOFFとして、ステップS86に移行する。
ステップS86では、入賞回数カウンタM3がM3=0であるか否かを判定する。そして、M3=0である場合はステップS88に移行し、M3=0でない場合はステップS87へ移行する。
ステップS87では、最大ゲーム数カウンタM4がM4=0であるか否かを判定する。そして、M4=0である場合はステップS88へ移行し、M2=0でない場合はステップS72へ移行する。
ステップS88では、入賞回数カウンタM3の値をクリアする。そして、次に最大ゲーム数カウンタM4の値をクリアし(ステップS89)、BB遊技を終了して通常遊技に移行する。
次に、本発明の要部であるリール回転停止態様を図10,11に従って説明する。ここで、図10,11に示すリール回転停止態様は、遊技者が左リール停止ボタン4a→中リール停止ボタン4b→右リール停止ボタン4cの順にボタン操作した例である。すなわち、後述の特別変動停止行程では、左リール3aが最初に同期基準図柄が選定されるリールであり、中リール3bが次に同期基準図柄が選定されるリールであり、右リール3cが最後に同期基準図柄が選定されるリールとなる。
また、本実施例は、本発明に係る特定変動条件を「入賞フラグの成立」としたものである。すなわち、上記の制御処理における抽選処理(S14,S42,S78)の結果、いずれの入賞フラグも成立しなかった場合には、従来のスロットマシン同様にリール3a〜3cを回転・停止させる通常変動停止行程が実行され、入賞フラグが成立している場合には、本発明に係る特別変動停止行程が実行される。
まず、通常変動停止行程の一例を、図10を参照して説明する。
遊技者が適正な期間に賭数を設定し、スタートレバー5を操作すると、全リール3a〜3cが一斉に回転始動し(T=t1)、所定の選定前速度で回転する。ここで、スタートレバー5の操作に基づいて抽選処理が行われ、入賞フラグが非成立であることにより、通常変動停止行程が選択される。
続いて、全リール3a〜3cの回転速度が選定前速度となると、各リール停止ボタン4a〜4cが「STOP」と点灯し、当該ボタン操作が有効になったこと、そして当該ボタン操作により対応するリール3a〜3cが停止することが遊技者に報知される(T=t2)。
そして、かかる状態で、遊技者により左リール停止ボタン4aが操作されると(T=t3)、内部処理により左リール3aについて表示窓6aに表示すべき停止表示図柄が選定され、左リール3aは、当該停止表示図柄を左表示窓6aに表示させるようにして直ちに停止する。また、これと共に、左リール停止ボタン4aは消灯する。
次に、左リール3aが停止している遊技状況で、二番目の操作として中リール停止ボタン4bが操作されると(T=t4)、左リール3aと同様に中リール3bについて停止表示図柄が選定され、中リール3bは、当該停止表示図柄を中表示窓6bに表示させるようにして直ちに停止する。また、これと共に、中リール停止ボタン4bは消灯する。
そして、最後の操作として右リール停止ボタン4cが操作されると(T=t5)、右リール3cについても停止表示図柄が選定され、右リール3cは、当該停止表示図柄を右表示窓6cに表示させるようにして直ちに停止する。また、同様にして右リール停止ボタン4cも消灯する。
このように、通常変動停止行程では、従来のスロットマシンと同様に、各リール停止ボタン4a〜4cを操作する度に、対応するリール3a〜3cが遅滞無く停止して、選定された停止表示図柄が表示窓6a〜6cに停止表示されることとなる。
次に、特別変動停止行程の一例を、図11を参照して説明する。
特別変動停止行程では、最初に同期基準図柄が選定された左リール3aを、同期基準図柄の選定後も回転継続させる初動ステップと、次に同期基準図柄が選定された中リール3bを、最初に同期基準図柄が選定された左リール3aと、夫々の同期基準図柄を左右方向で一致させ、その後に同期回転させる追動ステップと、さらに全リール3a〜3cについて同期基準図柄が選定された後で、全リール3a〜3cを、選定された同期基準図柄が左右方向に一致した状態で停止させる確定ステップとが順次実行される。
まず、遊技者が適正な期間に賭数を設定し、スタートレバー5を操作すると、全リール3a〜3cが一斉に回転始動し(T=t1’)、所定の選定前速度で回転する。ここで、スタートレバー5の操作に基づいて抽選処理が行われ、いずれかの入賞フラグが成立していることにより、特別変動停止行程が選択される。
続いて、全リール3a〜3cの回転速度が選定前速度となると、各リール停止ボタン4a〜4cが「SLOW」と点灯し、当該ボタン操作が有効になったこと、そして当該ボタン操作により対応するリール3a〜3cが減速することが遊技者に報知される(T=t2’)。
そして、かかる状態で、遊技者により左リール停止ボタン4aが操作されると(T=t3’)、内部処理により左リール3aについて同期基準図柄が選定され、該同期基準図柄が記憶保持されると共に、左リール停止ボタン4aが消灯する。そして、初動ステップ(T=t3’〜t4’)が実行される。すなわち、初動ステップでは、図11に示すように、左リール3aは操作後も停止せず、選定前速度から所定の選定後速度に減速し、そのまま回転を継続する。なお、本実施例においては、選定後速度は選定前速度の半分の速度に設定される。
次に、全リール3a〜3cが回転している遊技状況で、二番目の操作として中リール停止ボタン4bが操作されると(T=t4’)、中リール3bについて同期基準図柄が選定されて記憶保持されると共に、中リール停止ボタン4bが消灯する。そして、追動ステップ(T=t4’〜t5’)が実行される。すなわち、追動ステップでは、中リール3bは、選定前速度から選定後速度に減速されると共に、適切なタイミングで減速されることにより、選定された同期基準図柄を、左リール3aの同期基準図柄と左右方向に一致させ、その後に選定後速度で左リール3aと同期回転を開始する。
さらに、三番目(最後)の操作として右リール停止ボタン4cが操作されると(T=t5’)、右リール3cについて同期基準図柄が選定・記憶保持されると共に、右リール停止ボタン4cが消灯する。そして、確定ステップ(T=t5’〜t8’)が実行される。
すなわち、確定ステップでは、まず、右リール3cが同期基準図柄の選定後、選定前速度から選定後速度に減速されると共に、適切なタイミングで減速されることにより、右リール3cも、左、中リール3a,3bと同期基準図柄を左右方向に一致させ、その後に同期回転する(T=t6’)。また、これと共に、各リール停止ボタン4a〜4cが「STOP」と点灯し、当該ボタン操作が有効になったことを遊技者に報知すると共に、当該ボタン操作によりリール3a〜3cが停止することを報知する。
そして、確定ステップでは、かかる状態で、遊技者により中リール停止ボタン4bが操作されると(T=t7’)、各リール停止ボタン4a〜4cが全リール3a〜3cが消灯すると共に、記憶保持された同期基準図柄を左右方向に一致させた状態で全リール3a〜3cが同時に停止することとなる(T=t8’)。なお、本実施例では、各リール3a〜3cは、選定された同期基準図柄を表示窓6a〜6cの中段に停止表示するように定められており、全リール3a〜3cは、左右方向に一致させた同期基準図柄を表示窓6a〜6cの中段に停止表示するようにして同時停止する。ここで、全リール3a〜3cは、同期基準図柄を左右方向に一致させて同期回転しているため、全リール3a〜3cは、図柄1個分の角度のズレもなく、同時に停止することとなる。
上述の特別変動停止行程の各ステップを、図2を参照して具体的に説明すると、入賞図柄が「BAR」であり、遊技者にこれが報知されている場合に、左リール3aについて「鐘(図柄番号4)」が同期基準図柄として選定されたとする。本実施例では同期基準図柄が表示窓6aの中段に停止表示されることが定められているから、この場合は、表示窓6aの上段に「BAR(図柄番号5)」が確実に停止表示されることとなるが、初動ステップでは左リール3aは選定後速度に減速するのみであり、遊技者は左リール3aについて入賞図柄「BAR」が表示窓6aに停止表示されるか否かを知ることはできない。
次に、中リール3bについて「BAR(図柄番号8)」が同期基準図柄として選定されたとする。この場合、追動ステップでは、左リール3aの「BAR(図柄番号5)」と、中リール3bの「BAR(図柄番号8)」とが斜め方向に並ぶようにして、両リール3a,3bが選定後速度で同期回転することとなる。
かかる追動ステップにおいても、遊技者は両リール3a,3bのどの図柄が表示窓6a,6bに停止表示されるかを知ることはできない。しかし、かかる場合には、同期回転する二つのリール3a,3bにおいて、入賞図柄「BAR」が斜め方向(右肩下がり)に並ぶこととなる。このため、遊技者は、リール3a,3b上の入賞図柄「BAR」の並びを読み取ることにより、両リール3a,3bの停止時に、入賞図柄「BAR」が表示窓6a〜6cの斜め(右肩下がり)の有効ライン上に表示される可能性が高いことを推測できる。このため、遊技者は、右リール3cについて、入賞図柄「BAR」が斜め(右肩下がり)の有効ラインに停止表示されるように右リール停止ボタン4cを操作するように挑戦することができる。
そして、右リール3cについて「レモン(図柄番号5)」が同期基準図柄として選定されたとする。この場合、入賞図柄「BAR」が斜めの有効ライン上に揃うことが確定的となるが、確定ステップでは、全リール3a〜3cは直ぐには停止せず、まず、同期基準図柄を左右に一致させて同期回転する。
かかる状態にあっては、各リール3a〜3c上で入賞図柄「BAR」が斜め方向に並ぶこととなり、遊技者は、どの図柄が表示窓6a〜6cに停止表示されるかを確信はできないが、同期回転中のリール3a〜3cから入賞図柄「BAR」の並びを読み取ることにより、当り組合せの図柄が停止表示される可能性が高いことを知ることができる。そして、遊技者が、入賞への期待感を膨らませつつ、リール停止ボタン4a〜4cを再度操作すると、全リール3a〜3cが同時に停止して、斜めの有効ライン上に入賞図柄「BAR」が揃った当り組合せが表示窓6a〜6cに停止表示されることとなる。
このように、特別変動停止行程にあっては、最後のリール停止ボタン4cの操作がなされるまで、ハズレ組合せであることが遊技者に判明してしまうことがない。したがって、遊技者の当り組合せに対する期待感を従来構成に比して長く持続させることができるという利点がある。
また、これと共に、追動ステップでは、同期基準図柄が選定された二つのリール3a,3bが、夫々の同期基準図柄を左右に一致させて同期回転する。このため、遊技者は、表示窓6a〜6bに停止表示される図柄を確信はできないが、リール3a、3b上の入賞図柄の並びから停止表示される図柄を推測することができ、残りのリール停止ボタン4a〜4cの操作を、当該推測に基づいて積極的に行うことができるといった興趣がある。
また、特別変動停止行程では、同期基準図柄を選定済みのリール3a〜3bを選定前速度よりも低速の選定後速度で回転させている。このため、遊技者は、当該リールについて同期基準図柄が選定済みであることを直感的に理解できる。また、遊技者は、追動ステップにおいて、同期回転する二つのリール3a,3b上の入賞図柄の位置をより明瞭に視認できる。
また、確定ステップにおいて、全リール3a〜3cを、夫々の同期基準図柄を左右方向に一致させ、その後に同期回転させ、その後に、リール停止ボタン4a〜4cのいずれかが操作されたことを契機として、選定された同期基準図柄を表示窓6a〜6cの中段に停止表示するようにして同時に停止させる。このため、リール3a〜3cの停止前に、リール3a〜3c上に入賞図柄が横方向や斜め方向に並んだ状態を遊技者に視認させることができ、リール3a〜3cの停止前に、遊技者の期待感をさらに刺激することができる。
さらには、本実施例では、入賞フラグの成立を条件として特定変動停止行程を実行するため、入賞フラグの成立・非成立に応じてリール3a〜3cの変動・停止態様に変化を生じさせることができ、リール3a〜3cの変動停止態様が画一的な従来構成に比べて、リール3a〜3cの変動停止態様が変化に富み、遊技者を飽きさせ難いといった利点もある。
また、本実施例では、入賞フラグが成立して特別変動停止行程が実行される場合には、リール停止ボタン4a〜4cが操作される前に、当該ボタン4a〜4cが「SLOW」と点灯するようになっている。このため、遊技者は、当該リール停止ボタン4a〜4cの点灯態様により、特別変動停止行程の実行を予め知ることができる。
なお、上述した例は、特別変動停止行程が最後まで実行された例であるが、以下の制御処理内容で説明するように、本実施例のスロットマシンでは、リール停止ボタン4a〜4cの操作の結果、表示窓6a〜6cに入賞図柄を引き込めないと判定された場合には、特別変動停止行程が中止され、通常変動停止行程に移行するようになっている。
次に、上記の通常変動停止行程と特別変動停止行程とを実現するための回転リール停止処理を、図12に従って説明する。
まず、主制御用中央制御装置CPU60は、入賞フラグがONであるか否かを判定する(ステップS100)。当該フラグがONであると判定した場合には、特別変動停止行程を実行することとして、ステップS101に移行する。一方、当該フラグがOFFであると判定した場合は、通常変動停止行程の実行制御に係る通常回転リール停止処理(ステップS142)を実行し、その後に回転リール停止処理を終了する。通常回転リール停止処理については後述する。
ステップS101では、リール停止ボタン4a〜4cが操作されたか否かを判定する。具体的には、主制御用中央制御装置CPU60が、リール停止スイッチ41a〜41cからストップ信号が入力されたか否かを判定する。そして、ストップ信号が入力されたと判定した場合には、次に各停止ボタン操作フラグがONであるか否かを判定する(ステップS102〜S104)。ストップ信号が入力されていないと判定した場合には、入力されたと判定されるまでステップS101を繰り返す。
ステップS102〜S104の制御処理において、全ての停止ボタン操作フラグがONであると判定した場合は、全リールの同期基準図柄が選定済みで、全リールが、選定された同期基準図柄を左右方向に一致させて同期回転している状態であるため、記憶装置RAM62に記憶された当該同期基準図柄を表示窓6a〜6cの中段に停止表示させるようにして、全リール3a〜3cを同時に停止させる(ステップS105)。そして、左、中、右停止ボタン操作フラグを夫々OFFとして(ステップS106〜S108)、回転リール停止処理を終了する。
一方、ステップS102〜S104の制御処理において、いずれかの停止ボタン操作フラグがOFFであると判定した場合は、操作されたリール停止ボタン4a〜4cがいずれのボタンであるかを判定する(ステップS109,S121)。
そして、左リール停止ボタン4aであると判定した場合は、左リール停止ボタン4aが操作された場合についての制御処理(ステップS110〜S119)へ移行する。ステップS110では、左停止ボタン操作フラグがONであるか否かを判定する。ここで、当該フラグがONでないと判定した場合は、ステップS111に移行し、ONであると判定した場合は、上記ステップS101に移行する。このフラグは、左リール3aについて既に同期基準図柄が選定されている場合に、同一ゲーム内で再度同期基準図柄を選定してしまうことを避けるためのものである。
ステップS111では、当り組合せを構成する入賞図柄を有効ラインに引き込み可能であるか否かを判定する。引き込み可能であるかの判定方法は後述する。
そして、引き込みできると判定した場合は、入賞図柄を有効ラインに引き込み得る同期基準図柄を選定し、記憶装置RAM62に記憶する(ステップS118)。具体的には、主制御用中央制御装置CPU60は、左リール停止ボタン4aの操作タイミング、当該操作タイミングにおける左リール3aの回転角度、及び左リール3a上における入賞図柄の位置等を特定して、同期基準図柄を選定する。そして、左停止ボタン操作フラグをONとして(ステップS119)、回転リール同期処理(ステップS120)を実行後、上記ステップS101へ移行する。回転リール同期処理については後述する。
一方、ステップS111の制御処理で、引き込みできないと判定した場合は、特別変動停止行程を中止して、通常変動停止行程へと移行する(ステップS112〜S117)。
すなわち、まず、左リール停止ボタン4aの操作タイミングに応じて表示窓6aに表示すべき停止表示図柄を選定し、当該停止表示図柄で左リール3aを遅滞なく停止させる(ステップS112)。具体的には、左リール停止ボタン操作時の左リール3aの回転角度に基づいて、停止表示図柄を選定し、当該停止表示図柄を表示窓6aに表示させるようにして左リール3aを遅滞なく停止させる。
そして、ステップS112において左リール3aを停止させると、左停止ボタン操作フラグをONとして(ステップS113)、ステップS114へ移行する。
ステップS114〜S117では、左リール3a以外のリール3b,3cについて、既に同期基準図柄が選定済みであれば、各リールを選定された同期基準図柄で停止させる。具体的には、まず中停止ボタン操作フラグがONであるか否かの判定を行い(ステップS114)、ONであると判定した場合には、中リール停止ボタンの操作時に記憶装置RAM62に記憶された同期基準図柄を表示窓6bの中段に表示させるようにして中リール3bを停止させ(ステップS115)、ステップS116へ移行する。一方、ステップS114で中停止ボタン操作フラグがOFFであると判定した場合には、そのままステップS116に移行する。ステップS116では、右停止ボタン操作フラグがONであるか否かの判定を行い、ONであると判定した場合には、右リール停止ボタンの操作時に記憶装置RAM62に記憶された同期基準図柄を表示窓6cの中段に表示させるようにして右リール3cを停止させ(ステップS117)、通常回転リール停止処理(図14参照)のステップS175へ移行する。ステップS116で右停止ボタン操作フラグがONでないと判定した場合には、そのままステップS175(図14参照)へ移行する。ステップS175以降の処理は通常回転リール停止処理(図14参照)において説明する。
また、ステップS109,S121で、操作されたリール停止ボタンが中リール停止ボタン4bであると判定した場合は、中リール停止ボタン4bが操作された場合の一連の制御処理を実行する(ステップS121〜S131)。この制御処理は、左リール停止ボタン4aが操作された場合の制御処理(ステップS110〜S119)と同様の処理を中リール3bについて実行するものであり、詳細な説明は省略する。
また、ステップS109,S121で、操作されたリール停止ボタンが右リール停止ボタン4cであると判定した場合は、右リール停止ボタン4cが操作された場合の一連の制御処理を実行する(ステップS132〜S141)。この制御処理は、左リール停止ボタン4aが操作された場合の制御処理(ステップS110〜S119)と同様の処理を右リール3cについて実行するものであり、詳細な説明は省略する。
次に、回転リール同期処理を、図13に従って説明する。
まず、主制御用中央制御装置CPU60は、左、中、右停止ボタン操作フラグがONであるか否かを順次判定する(ステップS150〜S152)。その結果、左、中、右停止ボタン操作フラグが全てONであると判定した場合は、記憶装置RAM62に記憶された各リール3a〜3cについての同期基準図柄を、左右方向に一致させるようにして、全リール3a〜3cを選定後速度で同期回転させて(ステップS153)、回転リール同期処理を終了する。
ステップS150〜S152の制御処理で、右停止ボタン操作フラグのみがOFFであると判定した場合には、左リール3aと中リール3bについて、夫々の同期基準図柄を左右方向に一致させるようにして選定後速度で同期回転させ(ステップS154)、回転リール同期処理を終了する。
また、ステップS150,S151において、左停止ボタン操作フラグがONであり、且つ中停止ボタン操作フラグがOFFであると判定した場合には、ステップS155へ移行し、右停止ボタン操作フラグがONであるか否かを判定する。そして、右停止ボタン操作フラグがONであると判定した場合は、左リール3aと右リール3cについて、夫々の同期基準図柄を左右方向に一致させるようにして選定後速度で同期回転させ(ステップS156)、回転リール同期処理を終了する。ステップS155で右停止ボタン操作フラグがOFFであると判定した場合は、左リール3aの回転速度を、選定前速度から選定後速度に減速させて(ステップS157)、回転リール同期処理を終了する。
また、ステップS150において、左停止ボタン操作フラグがOFFであると判定した場合には、ステップS158へ移行し、中停止ボタン操作フラグがONであるか否かを判定する。そして、中停止ボタン操作フラグがOFFであると判定した場合は、右リール3cの回転速度を、選定前速度から選定後速度に減速させて(ステップS162)、回転リール同期処理を終了する。
ステップS158で、中停止ボタン操作フラグがONであると判定した場合は、続いて右停止ボタン操作フラグがONであるか否かを判定し(ステップS159)、ONであると判定した場合は、中リール3bと右リール3cについて、夫々の同期基準図柄を左右方向に一致させるようにして選定後速度で同期回転させ(ステップS160)、回転リール同期処理を終了する。また、ステップS159で右停止ボタン操作フラグがOFFであると判定した場合は、中リール3bの回転速度を、選定前速度から選定後速度に減速させて(ステップS161)、回転リール同期処理を終了する。
次に、上記通常変動停止行程を実現するための通常回転リール停止処理を、図14に従って説明する。
通常回転リール停止処理では、まず、リール停止ボタン4a〜4cが操作されたか否かを判定する(ステップS170)。具体的には、主制御用中央制御装置CPU60が、リール停止スイッチ41a〜41cからストップ信号が入力されたか否かを判定する。そして、ストップ信号が入力されたと判定した場合には、ステップS171に移行する。一方、ストップ信号が入力されていないと判定した場合には、入力されたと判定されるまでステップS170を繰り返す。
ステップS171では、操作されたリール停止ボタン4a〜4cが左リール停止ボタン4aであるか否かを判定する。そして、左リール停止ボタン4aであると判定した場合は、次に、同期基準図柄の重複選定を回避するため左停止ボタン操作フラグがONであるか否かを判定する(ステップS172)。ここで、当該フラグがONであると判定した場合はステップS170へ移行し、当該フラグがONでないと判定した場合は、左リール停止ボタン4aの操作タイミングに応じて停止表示図柄を選定し、当該停止表示図柄で左リール3aを遅滞なく停止させ(ステップS173)、左停止ボタン操作フラグをONとしてから(ステップS174)、ステップS175へ移行する。
また、ステップS171で、操作されたリール停止ボタンが左リール停止ボタン4aでないと判定した場合は、操作された停止ボタンが中リール停止ボタン4bであるか否かの判定を行う(ステップS181)。そして、中リール停止ボタン4bであると判定した場合は、停止表示図柄の重複選定を回避するため中停止ボタン操作フラグがONであるか否かを判定する(ステップS182)。ここで、当該フラグがONであると判定した場合はステップS170へ移行し、当該フラグがONでないと判定した場合は、中リール停止ボタン4bの操作タイミングに応じて停止表示図柄を選定し、当該停止表示図柄で中リール3bを遅滞なく停止させ(ステップS183)、中停止ボタン操作フラグをONとしてから(ステップS184)、ステップS175へ移行する。
また、ステップS181で、操作されたリール停止ボタンが中リール停止ボタン4bでないと判定した場合は、停止表示図柄の重複選定を回避するため右停止ボタン操作フラグがONであるか否かを判定する(ステップS185)。ここで、当該フラグがONであると判定した場合はステップS170へ移行し、当該フラグがONでないと判定した場合は、右リール停止ボタン4cの操作タイミングに応じて停止表示図柄を選定し、当該停止表示図柄で右リール3cを遅滞なく停止させ(ステップS186)、右停止ボタン操作フラグをONとしてから(ステップS187)、ステップS175へ移行する。
ステップS175〜S177では、左、中、右停止ボタン操作フラグがONである否かを順次判定する。その結果、左、中、右停止ボタン操作フラグが全てONであると判定した場合は、左、中、右停止ボタン操作フラグを全てOFFにして(ステップS178〜S180)、通常回転停止処理を終了する。一方、左、中、右停止ボタン操作フラグのいずれかがONでないと判定した場合は、ステップS170へ移行する。
次に、主制御用中央制御装置CPU60が、各リール3a〜3cの回転位置を把握する制御処理内容を説明する。
まず、前提として、ステッピングモータ72a〜72cは、1ステップで「0.9°」回転するものであり、400ステップで1回転する。すなわち、各リール3a〜3cの外周面には夫々21個の図柄が設けられているため、400/21ステップ、すなわち19〜20ステップでリール3a〜3cが一図柄分回転することとなる。
主制御基板40の記憶装置RAM62には、各リール3a〜3cの回転角度を示すカウンタが設けられている。主制御用中央制御装置CPU60は、上述の基準回転角度位置検出部70(図5参照)が基準回転角度位置を検出し、検出信号を出力すると、対応するリール3a〜3cのカウンタの値を「0」にクリアする。また、ステッピングモータ制御基板74に設けられたパルス計数部73により計数されたパルス数が所定数(「19」又は「20」)になると、主制御用中央制御装置CPU60にカウントアップ信号が出力され、主制御用中央制御装置CPU60はカウンタの値に「1」を加算する。
すなわち、カウンタの値は、各リール3a〜3cが、基準回転角度位置から図柄何個分回転した角度にあるかを示すこととなり、主制御用中央制御装置CPU60は、カウンタの値を参照することにより、現在表示窓6a〜6cにどの図柄が表示されているのかを把握できる。
また、主制御用中央制御装置CPU60は、カウンタ値を指定することにより、各リール3a〜3cを所要の図柄を停止表示するように停止させることができる。すなわち、あるリール3a〜3cについて、カウンタ値が「10」の時点で表示窓6a〜6cの中段に表示される図柄が同期基準図柄として選定された場合には、当該リール3a〜3cを、カウンタの値が「10」になった時点で停止させれば、選定された同期基準図柄を表示窓6a〜6cの中段に停止表示させることができる。
次に、回転リール停止処理のステップS111,S123,S133(図12参照)において、当り組合せを構成する入賞図柄を有効ラインに引き込み可能であるか否かを判定する制御処理内容について説明する。
本実施例にあっては、図柄を最大4コマ(4図柄)まで表示窓6a〜6c内に引き込むことができる。すなわち、夫々のリール3a〜3cの同期基準図柄は、対応するリール停止ボタン4a〜4cの当該操作時点で、表示窓6a〜6cの中段に表示される図柄か、若しくは、その図柄からリール3a〜3cを図柄1〜4コマ回転させた際に表示窓6a〜6cの中段に表示される図柄から選定される。
図15を参照して具体的に説明すると、例えば左リール停止ボタン4aをボタン操作した時に、表示窓6aの中段に図柄番号2番の図柄「7」が表示されていた場合は、図柄番号6(2+4)番の図柄「レモン」まで表示窓6aの中段に引き込むことができる。換言すれば、この場合、図柄番号2番から6番の図柄のいずれかが左リール3aの同期基準図柄として選定される。
このように、リール停止ボタン4a〜4cの操作タイミングによって選定され得る同期基準図柄はある程度制限される。主制御用中央制御装置CPU60は、同期基準図柄として選定し得る図柄の中で、入賞図柄を有効ライン上に表示し得るものがあるか否かを判定する。そして、当該図柄がない場合には、入賞図柄を引き込み不可能と判定する。一方、当該図柄がある場合には、入賞図柄を引き込み可能と判定する。
なお、引き込み可能と判定した場合には、有効ライン上に入賞図柄を揃え得る同期基準図柄が可能な限り選定される。なお、当該図柄が複数ある場合は乱数値等に基づき選定する。
次に、回転リール同期処理のステップS153,S154,S156,S160(図13参照)において、同期基準図柄が選定された複数のリール3a〜3cを、夫々の同期基準図柄を左右方向に一致させ、その後に同期回転させる制御処理内容について説明する。
かかる制御処理では、同期基準図柄が選定された直後のリール3a〜3cを選定前速度から選定後速度に減速させる前に、まず、当該リール3a〜3cの同期基準図柄から、選定後速度で回転中のリール3a〜3cの同期基準図柄までのステップ数を計数する。そして、計数したステップ数に基づいて減速すべきタイミングを算出し、当該タイミングでリール3a〜3cの回転速度を選定後速度に減速することにより、二つのリール3a〜3cが、夫々の同期基準図柄を左右に一致させた状態で同期回転することとなる。
図15を参照して詳細に説明する。図15は、各リール3a〜3cの回転角度を示す前記カウンタの値と、当該カウンタ値において表示窓6a〜6cの中段に表示される図柄との対応付けを示すテーブルである。
一例として、左リール3aが選定後速度で、中リール3bが選定前速度で回転している状態で、中リール停止ボタン4bが操作された場合を説明する。この時、左リール3aの同期基準図柄は、入賞図柄「7(図柄番号2)」であり、中リール停止ボタン4bが操作された時点で、中リール3bについて、入賞図柄「7(図柄番号12)」が同期基準図柄として選定されたとする。この場合、主制御用中央制御装置CPU60は、中リール3bの入賞図柄「7(図柄番号12)」が表示窓6bの中段を通過した時を基準時として、まず、当該基準時に、左リール3aにおいて、表示窓6aの中段に表示される図柄を確認する。当該図柄が「BAR(図柄番号13)」である場合、「BAR(図柄番号13)」から、左リール3aの同期基準図柄「7(図柄番号2)」までのステップ数を計数する。
図柄「BAR(図柄番号13)」のステップ数「228」から同期基準図柄「7(図柄番号2)」のステップ数「19」を減算した値「209」が、中リール3bの同期基準図柄と、左リール3aの同期基準図柄とのステップ差(距離差)である。
ここで、中リール3bは、左リール3aの2倍の速度で回転しているため、中リール3bが1ステップ移動する度に、ステップ差は0.5ずつ減少する。つまり、中リール3bを、ステップ差「209」を2倍した値「418」ステップだけ基準時から回転させた段階で、中リール3bと左リール3aの同期基準図柄が左右方向に一致することとなる。従って、主制御用中央制御装置CPU60は、このタイミングで、中リール3bの回転速度を左リール3aの回転速度と同じ選定後速度に減速することにより、左リール3aと中リール3bを、夫々の同期基準図柄を左右方向に一致させて低速で同期回転させることができる。
更に詳述すると、主制御用中央制御装置CPU60は、計数したステップ差を2倍した値「418」を同期基準図柄同期タイマ値(時間にすると「0.836ms」)として設定し、1割込み毎(中リールが1ステップ回転する毎)にタイマ値を「−1」し、タイマ値が「0」になった時点で中リール3bの回転速度を選定前速度から選定後速度に減速させることにより、それ以降、左リール3aと中リール3bを、夫々の同期基準図柄を左右に一致させた状態で同期回転させることができる。
なお、本実施例に係る主制御用中央制御装置CPU60の回転リール停止処理、回転リール同期処理、通常回転リール停止処理により、本発明に係るリール制御手段が構成される。また、本実施例に係る主制御用中央制御装置CPU60のステップS112,S118,S124,S130,S134,S140,S173,S183,S186の制御処理により、本発明に係る同期基準図柄選定手段が構成される。また、本実施例に係る主制御用中央制御装置CPU60のステップS157,S161,S162により、本発明に係る特別変動停止行程の初動ステップが実現される。また、本実施例に係る主制御用中央制御装置CPU60のステップS154,S156,S160により、本発明に係る特別変動停止行程の追動ステップが実現される。また、本実施例に係る主制御用中央制御装置CPU60のステップS102〜S105,S153により、本発明に係る特別変動停止行程の確定ステップが実現される。
<第二実施例>
次に、第一実施例の回転リール処理(図12参照)の処理内容を変更した第二実施例について説明する。本実施例では、特別変動停止行程において全てのリール停止ボタン4a〜4cが操作されると、第一実施例同様に、全てのリール3a〜3cが、夫々の同期基準図柄を左右方向に一致させて同期回転する。ここで、本実施例では、同期回転したリール3a〜3cは、遊技者が追加操作することなく、所定時間(2秒)同期回転を継続した後に、夫々の同期基準図柄を表示窓6a〜6cの中段に表示するようにして、同時に停止することとなる。
図16は、第二実施例の回転リール停止処理の処理内容を示したものである。主制御用中央制御装置CPU60は、まず、入賞フラグがONであるか否かを判定する(ステップS200)。当該フラグがONであると判定した場合には、特別変動停止行程を実行することとして、ステップS201に移行する。一方、当該フラグがOFFであると判定した場合は、通常変動停止行程を実行することとして、通常回転リール停止処理(ステップS247)を実行し、回転リール停止処理を終了する。通常回転リール停止処理の処理内容は第一実施例と同じである(図14参照)。
ステップS201では、左停止ボタン操作フラグがONであるか否かの判定を行い、ONであると判定した場合には、ステップS207へ移行する。左停止ボタン操作フラグがONでないと判定した場合には、左リール停止ボタン4aが操作されたか否かを判定し(ステップS202)、操作されていないと判定した場合にはステップS207へ移行する。
一方、ステップS202で、左リール停止ボタン4aが操作されたと判定した場合は、左リール停止ボタン4aが操作された場合についての制御処理(ステップS203〜S206,S229〜S234)を実行する。なお、かかる制御処理(ステップS203〜S206,S229〜S234)の内容は、第一実施例の制御処理(図12,ステップS110〜S120)と同じであるため、説明を省略する。なお、本実施例における回転リール同期処理(ステップS206,S212,S218)の処理内容も第一実施例と同じである(図13参照)。
ステップS207では、中停止ボタン操作フラグがONであるか否かの判定を行い、ONであると判定した場合には、ステップS213へ移行する。中停止ボタン操作フラグがONでないと判定した場合には、中リール停止ボタン4bが操作されたか否かを判定し(ステップS208)、操作されていないと判定した場合にはステップS213へ移行する。
一方、ステップS208で、中リール停止ボタン4bが操作されたと判定した場合は、中リール停止ボタン4bが操作された場合についての制御処理(ステップS209〜S212,S235〜S240)を実行する。なお、かかる制御処理(ステップS209〜S212,S235〜S240)の内容は、左リール停止ボタン4aに係る制御処理(ステップS203〜S206,S229〜S234)と同様であるため、説明を省略する。
ステップS213では、右停止ボタン操作フラグがONであるか否かの判定を行い、ONであると判定した場合には、ステップS219へ移行する。右停止ボタン操作フラグがONでないと判定した場合には、右リール停止ボタン4cが操作されたか否かを判定し(ステップS214)、操作されていないと判定した場合にはステップS219へ移行する。
一方、ステップS214で、右リール停止ボタン4cが操作されたと判定した場合は、右リール停止ボタン4cが操作された場合についての制御処理(ステップS215〜S218,S241〜S246)を実行する。なお、かかる制御処理(ステップS215〜S218,S241〜S246)の内容は、左リール停止ボタン4aに係る制御処理(ステップS203〜S206,S229〜S234)と同様であるため、説明を省略する。
そして、ステップS219〜S221では、左、中、右停止ボタン操作フラグがONであるか否かを順番に判定する。ここで、各停止ボタン操作フラグの1つでもONでないと判定した場合には、上記ステップS201へ移行する。一方、全ての停止ボタン操作フラグがONであると判定した場合には、ステップS222へ移行する。
ステップS222では、回転中のリール3a〜3cの停止時期を決定する回転リール停止タイマTsに「1000(2秒)」をセットする。そして、回転リール停止タイマTsが「0」になるまで、該タイマTsの減算を繰り返し(ステップS223,S224)、回転リール停止タイマTsが「0」になった段階で、記憶装置RAM62に記憶した同期基準図柄を表示窓6a〜6cの中段に停止表示させるようにして、リール3a〜3cを同時停止する(S225)。そして、左、中、右停止ボタン操作フラグの全てをOFFにして(ステップS226〜S228)、回転リール処理を終了する。
<第三実施例>
次に、第一実施例の回転リール処理(図12参照)の処理内容を変更した第三実施例について説明する。本実施例では、第一実施例同様に、入賞フラグの成立を条件として特別変動停止行程が実行される。ここで、第一実施例では、リール停止ボタン4a〜4cが操作された際に、入賞図柄を有効ラインに引き込めないと判定した場合は、特別変動停止行程が中止されていたが、本実施例では、入賞図柄を有効ラインに引き込めないと判定した場合でも、特別変動停止行程が継続され、全リール3a〜3cは、同期基準図柄を左右に揃えて同期回転した後で同時停止して、ハズレ組み合わせが表示窓6a〜6cに停止表示されることとなる。
図17は、第三実施例の回転リール停止処理の処理内容を示したものである。ここで、本実施例の回転リール停止処理は、第一実施例の回転リール停止処理(図12参照)と主要部が同じであるため、二つを比較して異なる部分のみを説明する。
まず、第一実施例の回転リール停止処理では、図12に示すように、リール停止ボタン4a〜4cが操作された場合に、入賞図柄を有効ラインに引き込みできるか否かを判定し(ステップS111,S123,S133)、引き込みできないと判定した場合には、操作されたリール停止ボタン4a〜4cに係るリール3a〜3cを遅滞なく停止させると共に、同期基準図柄が選定済みのリール3a〜3bを、選定された同期基準図柄で停止させ、通常回転リール停止処理(図14参照)へと移行するようにしている(ステップS112〜S117,S124〜S129,S134〜S139)。
これに対し、本実施例の回転リール停止処理では、図17に示すように、リール停止ボタン4a〜4cが操作された場合に、入賞図柄を有効ラインに引き込みできるか否かを判定し(ステップS311,S318,S323)、引き込みできないと判定した場合には、操作に係るリール3a〜3cについて、ハズレ組合せを構成することとなる同期基準図柄を選定して記憶装置RAM62に記憶保持し(S313,S320,S325)、操作されたリール停止ボタン4a〜4cに係る停止ボタン操作フラグをONにして(ステップS314,S321,S326)、その後に、回転リール同期処理を実行し(ステップS315)、ステップS301へ移行する。
<第四実施例>
次に、回転リール処理の処理内容をさらに変更した第四実施例について説明する。本実施例では、特別変動停止行程においてリール停止ボタン4a〜4cが操作された際に、入賞図柄を有効ラインに引き込み可能であるか否かに関わらず、特別変動停止行程が継続される。そして、同期基準図柄を揃えて同期回転したリール3a〜3cは、遊技者が追加操作することなく、所定時間(2秒)同期回転を継続した後に、夫々の同期基準図柄を表示窓6a〜6cの中段に表示するようにして同時に停止する。
図18は、第三実施例の回転リール停止処理の処理内容を示したものである。ここで、本実施例の回転リール停止処理は、第二実施例の回転リール停止処理(図16参照)と主要部が同じであるため、二つの制御処理を比較して異なる部分のみを説明する。
まず、第二実施例の回転リール停止処理では、図16に示すように、各リール停止ボタン4a〜4cが操作された場合に、入賞図柄を有効ラインに引き込みできるか否かを判定し(ステップS203,S209,S215)、引き込みできないと判定した場合には、操作されたリール停止ボタン4a〜4cに係るリール3a〜3cを遅滞なく停止させると共に、同期基準図柄が選定済みのリール3a〜3bを、選定された同期基準図柄を表示窓6a〜6cの中段に表示させるように停止させ、通常回転リール停止処理(図14参照)へと移行するようにしている(ステップS229〜S246)。
これに対し、本実施例の回転リール停止処理では、図18に示すように、リール停止ボタン4a〜4cが操作された場合に、入賞図柄を有効ラインに引き込みできるか否かを判定し(ステップS403,S410,S417)、引き込みできないと判定した場合には、操作に係るリール3a〜3cについてハズレ組合せを構成する同期基準図柄を選定して記憶装置RAM62に記憶保持し(S405,S412,S419)、操作されたリール停止ボタン4a〜4cに係る停止ボタン操作フラグをONにして(ステップS406,S413,S420)、その後に、回転リール同期処理を実行する(ステップS407,S414,S421)。
<第五実施例>
次に、回転リール処理の処理内容をさらに変更した第五実施例について説明する。
本実施例では、第一実施例同様に、入賞フラグの成立を条件として特別変動停止行程が実行され、確定ステップにおいて、全リール3a〜3cが夫々の同期基準図柄を左右方向に一致させ、同期回転する。ここで、上述の実施例では、その後に全リール3a〜3cが同時停止して、選定された同期基準図柄が表示窓6a〜6cの中段に停止表示されることとなるが、本実施例にあっては、全リール3a〜3cは、同期基準図柄を左右に揃えて停止するものの、確定ステップにおいて操作されるリール停止ボタン4a〜4cの操作タイミングに応じて、同期基準図柄の停止する角度位置が変化する。
図19は、第五実施例の回転リール停止処理の処理内容を示したものである。ここで、本実施例の回転リール停止処理は、第一実施例の回転リール停止処理(図12参照)と主要部が同じであるため、二つを比較して異なる部分のみを説明する。
まず、第一実施例の回転リール停止処理では、図12に示すように、全リール3a〜3cが同期基準図柄を左右方向に一致させて同期回転している状態で、いずれかのリール停止操作ボタン4a〜4cが操作されると、主制御用中央制御装置CPU60は、常に、同期基準図柄を表示窓の中段に表示するようにして全リール3a〜3cを停止させるようにしている(ステップS105)。
これに対し、本実施例の回転リール停止処理では、図19に示すように、全リール3a〜3cが同期基準図柄を左右方向に一致させて同期回転している状態で、いずれかのリール停止操作ボタン4a〜4cが操作されると、同期基準図柄を表示窓6a〜6cの中段に引き込みできるか否かを判定する(ステップS505)。すなわち、本実施例では、同期基準図柄を最大4コマ(4図柄)まで表示窓6a〜6cの中段に引き込み可能となっており、リール停止操作ボタン4a〜4cの操作時点で、同期基準図柄が引き込み範囲内に位置していれば引き込み可能と判定し、引き込み範囲外に位置している場合には、引き込み不可能と判定する。そして、引き込み可能と判定した場合には、同期基準図柄を表示窓6a〜6cの中段に停止表示するようにして全リール3a〜3cを同時停止する(ステップS506)。一方、引き込み不可能と判定した場合には、ハズレ図柄組合せが停止表示されるように全リール3a〜3cを同時停止させる。
具体的に説明すると、本実施例では、リール停止ボタン4a〜4cが操作された場合に、入賞図柄を有効ラインに引き込みできるか否かを判定する(ステップS513,S525,S535)、そして、引き込み可能であると判定すると、入賞図柄を有効ライン上に揃え得る同期基準図柄が選定される。
さらに、全リール3a〜3cが同期基準図柄を左右方向に一致させて同期回転している状態で、いずれかのリール停止操作ボタン4a〜4cが操作されると、同期基準図柄を表示窓6a〜6cの中段に引き込みできるか否かを判定する(ステップS505)。そして、引き込み可能であると判定すると、全リール3a〜3cが同期基準図柄を表示窓6a〜6cの中段に停止表示するよう停止して、入賞図柄が有効ライン上に停止表示されることとなる。
従って、遊技者は、入賞図柄を有効ライン上に停止表示させるためには、まず、入賞図柄を有効ラインに引き込み可能なタイミングで各リール停止ボタン4a〜4cを操作して、さらに、その後の確定ステップにおいて、同期基準図柄を表示窓6a〜6cの中段に引き込み得るタイミングでリール停止ボタン4a〜4cを操作しなくてはならない。このため、本実施例にあっては、遊技者は、入賞図柄を有効ラインに揃えるために、特別変動停止行程の最後まで遊技に熱中することとなる。
<第六実施例>
次に、第五実施例の回転リール処理の処理内容をさらに変更した第六実施例について説明する。本実施例は、入賞図柄や同期基準図柄の引き込み可能な範囲を第五実施例から変更したものである。
具体的に説明すると、上述の第五実施例では、遊技者は、入賞図柄を有効ライン上に停止表示させるために、入賞図柄を有効ラインに引き込み可能なタイミングで各リール停止ボタン4a〜4cを操作し、その後に、同期基準図柄を表示窓6a〜6cの中段に引き込み得るタイミングでリール停止ボタン4a〜4cを操作しなくてはならない。ここで、第五実施例では、入賞図柄と同期基準図柄の引き込み可能範囲はいずれも4コマとなっている。
これに対して、本実施例の回転リール停止処理(図20参照)では、入賞図柄の引き込み可能範囲は6コマに設定され(ステップS613,S625,S635)、同期基準図柄の引き込み可能範囲が2コマに設定される。ここで、リール停止ボタン4a〜4cを適正タイミングで操作するための難易度を考えると、入賞図柄を引き込み可能なタイミングでリール停止ボタン4a〜4cを操作する時には、リール3a〜3cが高速の選定前速度で回転しているため、図柄の通過速度が速く、操作のタイミングを取り難い。一方、同期基準図柄を引き込み可能なタイミングでリール停止ボタン4a〜4cを操作する時には、リール3a〜3cは低速の選定後速度で回転しているため、操作タイミングは比較的取り易い。本実施例の構成にあっては、入賞図柄の引き込み可能範囲を大きく、同期基準図柄の引き込み可能範囲を小さくすることにより、二つの操作の難易度を平均化することができる。
尚、本発明のスロットマシンは、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、特別変動停止行程においては、全てのリールについて同期基準図柄が選定された後で、全てのリールを同期回転させることなく停止させてもよいし、全リールを別々に停止させてもよい。要は、最初のリールと二番目のリールが、同期基準図柄を揃えて同期回転し、且つ、それらが全てのリールの同期基準図柄が選定された後に停止する構成であればよい。また、本発明は、遊技媒体として遊技球が用いられるスロットマシンにも適用することができる。