JP2006345855A - アレイにおける遺伝子改変植物に特異的なヌクレオチド配列エレメントの同定および/または定量のための方法 - Google Patents

アレイにおける遺伝子改変植物に特異的なヌクレオチド配列エレメントの同定および/または定量のための方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ヌクレオチド配列の一部分が相同的である多数の生物または生物の一部の容易な特定(検出および/または定量)のためのマイクロアレイまたはバイオチップの技術を改善するための新しい方法(およびデバイス)を提供すること。
【解決手段】遺伝子改変植物に特異的なヌクレオチド配列エレメントを同定し、該ヌクレオチド配列エレメントのPCRによる増幅によって、標的ヌクレオチド配列を作成し、特定の配列を有する捕獲ヌクレオチド配列を持つアレイとのハイブリダイゼーションから生じるシグナルを検出することにより、遺伝子改変されている生物の検出および/または定量を行う。
【選択図】なし

Description

本発明は診断の分野であり、生物学的サンプルに存在する可能性がありかつ異なる遺伝子改変植物において相同的であり得る遺伝子改変植物に特異的なヌクレオチド配列エレメントの同定および/または定量を行うための方法および手段に関連する。
本発明は、同じ属または同じ科の生物の特定および/または定量のために、および遺伝子改変されている生物の検出および/または定量のために特に好適である。
バイオチップ技術の開発により、所与のアレイにおいて多数のヌクレオチド配列を同時に検出することが可能であり、従って、対応する生物またはその生物の一部分を特定することが可能である。しかしながら、検出は、PCRによる増幅と併せて行わなければならず、それぞれの生物において1回のPCRを行い、検出のためにマイクロアレイを使用することはあまり都合の良いことではない。従って、多数の生物を検出するための方法を、複数の生物を特定することを保つ一方で、PCR反応の数を少なくするために考えなければならない。
最新技術
The Company Affymetrix Inc.は、プロセス処理の各工程でマスクを使用することによって特定の位置における固体支持体上でオリゴヌクレオチドを直接的に合成するための方法を開発している。この方法は、所望する配列を所望の位置において得るために、成長途中のオリゴヌクレオチドに新しいヌクレオチドを付加することを含む。この方法はフォトリソグラフィー技術に由来しており、新しいヌクレオチドが付加される前に放出される光保護基の使用と併用される(欧州特許EP−A1−0476014、米国特許第5445934号、米国特許第5143854号および米国特許第5510270号)。しかしながら、小さいオリゴヌクレオチドのみが表面に存在するだけであり、この方法は、主として、アレイ上に結合したそれぞれの特異的なオリゴヌクレオチドに対応する陽性スポットのパターンを配列決定し、または同定するための用途が見出されている。標的配列の特長づけが、そのようなパターンを参照物と比較することによって得られる。この技術は、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)のrpoB遺伝子の同定に応用された(国際特許出願公開WO97/29212および同WO98/28444)。この場合、捕獲ヌクレオチド配列は30未満のヌクレオチドを含み、一塩基だけが異なり得る2つの異なる配列の分析から、同定が行われる(SNPの同定または遺伝子型決定)。1つの塩基において異なる2つのオリゴヌクレオチドの識別は、それらの長さがより小さいときにはより大きくなるので、小さい捕獲ヌクレオチド配列(これは10ヌクレオチド〜20ヌクレオチドから構成される長さを有する)が好ましい。
この方法の感度の欠如が、遺伝子増幅(PCR)から生じるアンプリコンを直接的に検出することができないという事実によって例示される。T3配列またはT7配列を有するプライマーを用いた二重の増幅、次いで、RNAポリメラーゼを用いた逆転写が必要である。これらのRNAは約40塩基の断片に切断され、その後、アレイにおいて検出される(国際特許出願公開WO97/29212の実施例1)。しかしながら、長いDNAフラグメントまたはRNAフラグメントは、表面に存在する捕獲プローブに非常にゆっくりハイブリダイゼーションする。従って、この方法は、相同性が配列に沿って変化し、結果として、断片の一部分が同じ捕獲プローブにハイブリダイゼーションし得るので、相同的な配列の検出には適していない。従って、結果を解釈するためのソフトウエアを、得られた結果の解釈を可能にするためにこの方法では組み込まなければならない。
しかしながら、mRNAのcDNAコピーに基づく遺伝子発現アレイについては、小さい捕獲プローブアレイを使用するとき、同じ問題に直面する。すなわち、ハイブリダイゼーション速度が低い。従って、所与の遺伝子の存在を証明するシグナルのパターンを得るために、フラグメントはより小さい断片に切断され、また、この方法では、いくつかの捕獲ヌクレオチド配列の使用が要求される(国際特許出願公開WO97/10364および同WO97/27317)。この切断はまた、標識されたヌクレオチドの数を低下させ、従って、得られるシグナルを低下させる。この場合、長い捕獲ヌクレオチド配列の使用は一層良好な感度をその検出にもたらす。多くの遺伝子発現適用において、長い捕獲プローブの使用は、検出されるcDNAが、異なる配列を有する遺伝子に由来するときには、それらの間での交差反応がないので、問題とならない。長い捕獲ヌクレオチド配列は、要求される感度を与える。しかしながら、長い捕獲ヌクレオチド配列は他の相同的な配列にハイブリダイゼーションすることになる。
アレイは多様性検出に良く適する。しかし、生物学的サンプルにおける物質は非常に低い量で存在するので、何らかの方法を、PCRとアレイとの組合せが効率的であるために考えなければならない。分析サンプルに存在する可能性があるそれぞれの可能な生物についてPCRを行い、その後、増幅されたサンプルを個々に検出および/または同定することは、あまり効率的ではないが、当技術分野の一部である。多数の生物がサンプルに存在する可能性があるとき、使用されるプライマーの数は制限されなければならない。そのような場合、異なるチューブにおいて実現されるならば、非常に多数のPCRがもたらされるか、または、多重PCRが行われるときには非特異的な増幅がもたらされるからである。従って、PCRを簡略化し、かつ、PCRとアレイ設計との間での組合せ法を開発することが求められている。
そのような状況が、生物学的サンプルにおける遺伝子改変(GM)植物または遺伝子改変生物(GMO)の検出および/または特定において存在する。GMOは、受容生物への異種の遺伝子構築物の挿入を通常の場合には意味する特有の形質転換事象によって定義される。一体化している遺伝子構築物はいくつかのエレメント(通常の場合、少なくとも、目的とする遺伝子、開始シグナルとして機能するプロモーター、および、遺伝子発現を調節するための停止シグナルとして機能するターミネーター)から構成される。加えて、構築物は、クローニングベクターに由来するDNA配列が隣接している場合がある。遺伝子改変植物の大多数は、カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)の35Sプロモーター(P−35S)および/またはCaMV35Sターミネーター(T−35S)もしくはアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)のノパリンシンターゼのターミネーター(T−Nos)を含有する構築物により形質転換されている。最も一般的に使用されているクローニングベクターは、アンピシリン抗生物質に対する抵抗性をコードする遺伝子(bla)を含有するpBR322、または、ネオマイシン/カナマイシン抗生物質に対する抵抗性をコードする遺伝子(nptII)を含有するベクターである。
いくつかの国々はGMOおよびGM由来食品についての義務的な表示規則を有する。特に、欧州の規則は、遺伝子改変生物(GMO)からなるか、または、食品成分の0.9%を超える割合で遺伝子改変生物(GMO)を含有する食品および飼料の表示が必須であることを命じている(欧州規則第1829/2003)。表示のためのこの0.9%の限界は、アッセイの変動性を考慮に入れるために、検出限界が0.1%以下であることをもたらしている。そのような限界はサンプルにおけるゲノムの数百コピー以下に対応する。
そのような規則の要求を満たすために、また、正確な情報によって選択の自由を消費者に保障するために、いくつかのGMO分析方法が既に記載されており、欧州の実施試験所によって現在使用されている。試験所が分析のために受け入れる製造物は、多くの場合、加工および純化されているので、目標となる分析物の性状および量は、しばしば、いずれかの検出方法の感度の障害となっている。現在利用可能な方法の中で、電気泳動を伴うPCR法は、日常的な適用においてGM由来物を検出するための最も高感度かつ信頼できる方法として一般に受け入れられている。
GMOの試験が単純なスクリーニングPCRに限定される場合がある。しかしながら、DNAが得られるGMOの特異的な特定、または、GMO由来DNAの確実な定量は、特に、検出されるGMOの数が継続的に増大し続けているので、急激に費用を増大させる。
到達すべき感度のために、サンプルから得られる遺伝物質は最初にPCRによって増幅され、その後、検出される。PCRに基づくGMO検査は、その特異性レベルに対応して、少なくとも4つのカテゴリーに分類することができる。それぞれのカテゴリーは、PCRにおいて増幅されるDNAフラグメントの組成に対応する(スクリーニング用標的、遺伝子特異的標的、構築物特異的標的および事象特異的標的)。
PCR法の第1のカテゴリーは、P−35S、T−35S、T−Nos、blaまたはnptIIの遺伝子エレメントを標的としており、遺伝子改変物についてスクリーニングするために広く適用されている(Matsuoka他、2002、J.Agric.Food Chem.、93:35〜38)。しかしながら、スクリーニング用標的の1つの存在はGMO由来DNAの存在を必ずしも意味していないので、これらのスクリーニング方法を、GMOを特定するために使用することができない。P−35SまたはT−35Sの起源は、自然界に存在するCaMVであり得る(Wolf他、2000、Eur.Food Res Technol.、210:367〜372)。
PCR法の第2のカテゴリーは、目的とする遺伝子(例えば、CryIA(b)遺伝子)を標的とするものであり、スクリーニング法よりも特異的である(Valtilingom他、1999、J.Agric.Food Chem.、47:5261〜5266)。利用可能な遺伝子の選択は、利用可能なプロモーターおよびターミネーターの選択よりも大きい。通常、特定の遺伝子の増幅についての陽性シグナルは、GM由来DNAが存在することを意味しており、多くの場合、そのDNAがどのGMOに由来するかを特定することが可能である。
PCR法の第3のカテゴリーは、遺伝子構築物(特異的な構築物)の隣接エレメント間の接合部、例えば、プロモーターと、目的とする遺伝子との間の接合物を標的とする(例えば、Mon810トウモロコシ;P−35S−hsp70イントロンI)(Zimmerman他、1998、Lebensm−Wiss u Technol.、31:664〜667)。これらの方法に関して、陽性のシグナルは、GM由来物が存在するときに現れるだけである。しかしながら、完全な遺伝子構築物が2つ以上のGMOに形質転換されていることがあり、または、将来の形質転換のために使用されることがある。
形質転換事象の唯一の特有の痕跡は、現在の技術の範囲内では、受け入れたゲノムと、挿入されたDNAとの間での組み込み座における接合部である。この接合部がPCR法の第4のカテゴリーの標的である。残念ながら、そのような事象特異的な方法でさえ、その限界を有する。2つのGMOが交配されているとき(例えば、2つの異なるGMトウモロコシ(例えば、T25およびMon810など)が交配されているとき)、生じるハイブリッド子孫は、両方の事象の痕跡を含む遺伝子改変を含有することがあり、PCR検査ではその2つの親と区別することができない。この検出の1つの重要な制限は、特定するためのそれぞれのGMOについて1つの特異的なプライマー対が要求されることである。
これらのアッセイの一部は従来のPCRに基づいており、所与サンプルにおけるGMOの定性的方法を可能にしている。他のアッセイ、例えば、リアルタイムPCR(Hernandez他、2003、Transgenic Research、12:179〜198)などはサンプルにおけるGMOの定量を可能にしている。
GMOに由来するDNAをPCRに基づいて検出するための大きな制限は、適用可能なPCRプライマーに関する情報の入手、および、信頼できる分析のために好適なDNAの入手である。GMO分析のためのいくつかのPCRプライマー対が開発され、発表されているが、これらのプライマーの多くは適用範囲が限定されている(例えば、1つのGMOのスクリーニングまたは特定のためだけに好適なプライマー)。
食品の加工、例えば、粉砕、加熱、酸処理および他の加工などは、約200bp〜400bpの小さいフラグメントでDNAを急速に分解し、また、純化は、DNAの効率的な除去をもたらし得る。従って、多くの製造物はGMO由来DNAをほとんど含有しておらず、また、このDNAはフラグメント化されていることが多い。結果として、GMOを加工食品において検出することができるためには、プライマー対は小さいフラグメント(100bp〜200p)を標的にしなければならない。
1回のアッセイで検出することができるGMOの数を広げることが求められている。また、新しいGMOを含むために容易に機能が高められる方法も求められている。多重PCRは、理論的には、数個のGMOの同時検出を可能にする。しかしながら、いくつかの小さい増幅産物は電気泳動によって容易に識別されないので、そのようなアッセイは、実施することが容易ではない。また、多重PCRは、通常、1つだけの増幅と比較して低下した感度をもたらし、このことはGMO検出のための重要な欠点である。
米国特許出願20030198943A1は、PCR増幅されたGMOを、コンセンサスプライマーを使用してチップ上で特定するための方法を記載する。実施例15に記載されるようなアンプリコンのサイズは約1000bp〜約3000bpの間で構成される。結果として、この方法は新鮮な葉また種子に対して適用可能であるにすぎない。これは、粉砕、加熱または酸処理によって得られる加工食品はDNAを約200bp〜400bpの小さいフラグメントで分解しているからである。順方向および逆方向のコンセンサスプライマーが、異なる遺伝子エレメントにおいて選ばれ(例えば、プロモーター−35Sにおけるセンスプライマー(配列番号192)およびターミネーター−35Sにおけるアンチセンスプライマー(配列番号193))、または、1つが遺伝子エレメントにおいて、もう一方が植物ゲノムとの境界領域において選ばれる(例えば、オクトピンの左側境界におけるセンスプライマー(配列番号198)およびEPSPSにおけるアンチセンスプライマー(配列番号199))。このようなプライマーの配列が実施例15に示される。捕獲プローブが、コンセンサスプライマーによって定められる配列において選択され、通常的には、遺伝子エレメント(例えば、CTP1、CTP2、EPSPS、Cry1ab、hsp70、イントロン、Pat)において選択される。GMOが、アレイにおける1つのスポットシグナルに対応する1つの捕獲プローブによって特定される。しかしながら、多くのGMOが同じ遺伝子エレメントを含有するので、曖昧でない特定を得ることを非常に困難である。
この先行技術方法の第1の制限は、特定できるGMOの数が小さいこと、および、多くのGMOが同じ遺伝子エレメントを含有するので、曖昧でない特定を得ることが困難であることである。
この先行技術方法の別の制限は、約200bp〜400bpの小さいフラグメントでDNAを急速に分解する粉砕、加熱、酸処理および他の加工によって加工された食品に対して行うことができないことである。その結果、多くの製造物は少量のGMO由来DNAを含有し、また、回収されたDNA配列はフラグメント化されていることが多い。さらに、この方法は新鮮な葉また種子に対して適用可能であるにすぎない。PCRは、異なる遺伝子エレメントにおけるコンセンサスプライマー(例えば、プロモーター−35Sにおけるセンスプライマー(配列番号192)およびターミネーター−35Sにおけるアンチセンス(配列番号193))の使用に基づくか、または、1つが遺伝子エレメントにおいて、もう一方が植物ゲノムとの境界領域においてであるプライマー(例えば、オクトピンの左側境界におけるセンスプライマー(配列番号198)およびEPSPSにおけるアンチセンス(配列番号199))の使用に基づく。このようなプライマーの配列が実施例15(第22欄)に示されている。
発明の目的
本発明は、それらのヌクレオチド配列の一部分が相同的である多数の生物または生物の一部の容易な特定(検出および/または定量)のためのマイクロアレイまたはバイオチップの技術を改善するための新しい方法(およびデバイス)を提供することを目的とする。
本発明のさらなる目的は、増幅工程における限定された数のプライマーの使用を要求する簡略化された技術に基づくそのような方法(およびデバイス)に、このマイクロアレイ上の単一スポットシグナルを検出および/または記録することによる特定の増幅された標的配列の特定(検出および/または定量)を提供することであり、この場合、このシグナルは、それらの対応する捕獲配列を有する標的配列の特異的な結合から生じている。
本発明のさらなる目的は、特に遺伝子改変植物(GM植物)または遺伝子改変生物(GMO)の検出において、それらの配列のいくつかの一部分が同一または非常に相同的である生物を特定することである。
本発明のさらなる目的は、生物学的サンプルに存在する遺伝物質の起源同定、特に、その生物学的サンプルがどの遺伝子改変植物から得られているかの起源同定を簡略化するそのような方法を提案することである。
定義
「核酸」、「オリゴヌクレオチド」、「アレイ」、「プローブ」、「標的核酸」、「実質的に結合する」、「特異的なハイブリダイゼーション」、「背景」、「定量」の各用語は、国際特許出願公開WO97/27317(参照として本明細書中に組み込まれる)において記載される用語である。
「ヌクレオチド三リン酸」、「ヌクレオチド」、「プライマー配列」の各用語は、国際特許出願公開WO00/72018および国際特許出願PCT/BE00/00123の文書において記載される用語である。
用語「相同的な遺伝子配列」または用語「相同的なヌクレオチド配列エレメント」は、対応する位置において同一であるアミノ酸またはヌクレオチドの割合が純粋にランダムなアラインメントの場合よりも大きいアミノ酸配列またはヌクレオチド配列を意味する。それらは、配列が、比較される2つの配列の一方における付加または欠失(ギャップのような欠失)を考慮に入れて最適にアラインメントされた後、ヌクレオチドまたはアミノ酸の全体と比較して、それぞれの位置において見出される同一のヌクレオチドまたはアミノ酸の割合として定義される最少の相同性(または配列同一性)を示すとき、相同的であると見なされる。所与のタンパク質をコードするが、異なる生物のように遺伝子的に異なる供給源に存在する遺伝子は、通常、相同的である。所与の生物ではまた、同じファミリーのタンパク質または酵素(インターロイキン、チトクロームb、p.450)をコードする遺伝子は、通常、相同的である。相同的な配列は、それらの配列に沿って一部分でのみ、少数の一部分もしくは部分で、または全てで相同的であり得るので、相同性(または配列同一性)の程度は大きく変化し得る。配列において同一である配列の相同的な一部分または部分は完全に相同的であり、または、保存されている、または、同一であると言われる。細胞トランスフェクションのためのような遺伝子構築物は同一または相同的な一部分を含有することができる(例えば、ヌクレオチド配列エレメントとして下記において定義される配列部分など)。
これらのヌクレオチド配列エレメントには、調節配列(例えば、ターミネーター、プロモーターなど)、または、植物のゲノムに組み込まれている目的とする遺伝子(抗生物質マーカー)、または、目的とする分子の産生に関与する配列、または、これらの配列の一部分(部分)が含まれる。これらのヌクレオチド配列エレメントはまた、反復配列、および/または、特定の酵素活性をコードする遺伝子、または、これらの配列の一部分(部分)であり得る。保存された三次元構造をもたらすタンパク質ドメインは、通常、相同的な配列によってコードされており、多くの場合、特有のエキソンによってコードされることさえある。
大きな程度の不変性をそれらの配列において示す配列は、高度に保存されていると言われ、大きな程度の相同性をもたらす。
「遺伝子地図」は、生物のゲノム(好ましくは、植物のゲノム)におけるこれらの様々なヌクレオチド配列エレメントの構成である。
「生物学的サンプル」は、遺伝子改変植物の、または、起源が遺伝子改変植物である特異的な異なるおよび多数のヌクレオチド配列エレメントを含み得る任意の媒体を意味する。
例えば、かかる生物学的サンプルは、食品、食品成分または食品添加物であり得る。
生物学的サンプルはまた、遺伝子改変植物が混入し得る固体または液体の抽出物であり得る。生物学的サンプルは、あるタイプの遺伝子改変植物に特異的なこれらのヌクレオチド配列エレメントの抽出工程に供することができる。
用語「遺伝子改変植物」は、何らかの遺伝子改変、特に、その植物にとって外因性のエレメント(目的とする遺伝子および/または遺伝子マーカーに隣接するプロモーター配列およびターミネーター配列)を含むカセット配列の挿入を受けているすべてのタイプの植物に対応する。
発明の概要
本発明は、下記の工程を含む、生物学的サンプルにおける遺伝子改変植物に特異的な異なるかつ多数のヌクレオチド配列エレメントの同定および/または定量のための方法に関連する:
a.所望により、ヌクレオチド配列エレメントを生物学的サンプルから抽出する工程;
b.少なくとも2つの異なる遺伝子改変植物に存在するヌクレオチド配列エレメントと相同的であるこのヌクレオチド配列エレメントを増幅することができるプライマー対を使用して、ヌクレオチド配列エレメントを標的ヌクレオチド配列に増幅またはコピーする工程;
c.所望により、得られた標的ヌクレオチド配列を標識する工程;
d.得られた標的ヌクレオチド配列を、不溶性の固体支持体に固体支持体表面の特定の位置で共有結合的連結によって結合している一本鎖の捕獲ヌクレオチド配列と接触させる工程;
e.この標的ヌクレオチド配列の結合を、この標的ヌクレオチド配列と、特定の位置におけるその対応する捕獲ヌクレオチド配列との相補的な塩基対形成によるハイブリダイゼーションから生じるシグナルを検出することによって検出する工程、この場合、捕獲ヌクレオチド配列は、1cmの固体支持体表面あたり少なくとも4つの異なる結合した一本鎖捕獲ヌクレオチド配列の密度を有して、アレイに従った特定の位置において不溶性の固体支持体に結合しており、また、捕獲ヌクレオチド配列は、検出および/または定量される標的ヌクレオチド配列との特異的なハイブリダイゼーションを可能とする、10塩基〜200塩基(好ましくは、10塩基〜49塩基)を有する配列を含む;
f.工程b)〜工程e)を、この遺伝子改変植物に特異的な第2、第3、第4以上の異なるヌクレオチド配列エレメントについて繰り返す工程;および
g.遺伝子改変植物をこれらの異なるかつ多数のヌクレオチド配列エレメントの存在または非存在によって生物学的サンプルにおいて特定する工程。
本発明者らは、一部の適用について、マイクロアレイ検出と一緒の組み合わせられた特定の増幅の方法を使用して生物の遺伝子地図を明らかにすることによって、相同的な配列を有する、分析サンプルに存在する可能性がある多くの他の生物の中の1つまたはいくつかの生物の特定を大幅に簡略化することが可能であることを発見している。この方法は、コンセンサスプライマー対を使用する限定された数の増幅工程と、標的ヌクレオチド配列の存在(捕獲ヌクレオチド配列と、その対応する標的ヌクレオチド配列との間での結合)に対応し、かつ、検出された標的ヌクレオチド配列の存在を、検出および/または定量に供された生物学的サンプルにおける(微)生物に特異的なこれらのヌクレオチド配列エレメントの同定(存在または非存在)に相関させる単一シグナルのアレイ上での検出、定量および/または記録とを組み合わせている。
本発明による方法およびデバイスは、他の相同的な配列エレメントの中での生物の特異的なヌクレオチド配列エレメントの容易な同定/検出、および、可能であれば、その定量(生物学的サンプルにおけるこれらの生物のコピー数または存在の特長づけ)を可能にしている。
同定(特定)が、好ましくはアレイの形態で、支持体または基体の表面に存在する特異的な捕獲ヌクレオチド配列における結合の後に得られる。標的配列の同定(特定)が、可能性のある混入物(非結合の配列)を洗浄した後、1つの標的配列について、1つの特定の位置における単一スポットシグナルを検出し、所望により、記録することによって直接的に得られる(この場合、対応する捕獲ヌクレオチド配列は予め結合していた)。しかし、この場合、標的配列の同定は、マイクロアレイ上のスポットの複雑なパターンの分析の結果ではなく、また、増幅された標的配列のフラグメント化は要求されない。
一本鎖の標的配列、および、二本鎖の標的配列さえも、少なくとも2つの部分(1つが、固体支持体表面(好ましくは、非多孔性の支持体)に対する1つだけの好都合には事前に決定された(規定された)連結により結合したスペーサーである;もう一方の部分は、増幅されたヌクレオチド標的配列との相補的な塩基対形成によって特異的にハイブリダイゼーションすることができる特異的なヌクレオチド配列である)から構成される結合した捕獲ヌクレオチド配列を使用することによって、アレイ上の他の相同的な配列から高感度で都合良く識別することができる。
さらに、この検出は、高濃度の捕獲ヌクレオチド配列が固体支持体の表面に結合しているならば、大きく増大する。
本発明は、(生物学的サンプルに存在する可能性がある)生物学的生物またはその一部に由来する特異的なヌクレオチド配列エレメントを、他の異なる生物または変種から得られた少なくとも4つの他の相同的な(または同一の)ヌクレオチド配列エレメントから同定することに関連する。この場合、この他の生物は、同じ生物学的サンプルに存在し得、かつ、サンプルにおいて検出および/または定量されるエレメントと相同的または同一のヌクレオチド配列を有し得る。
この同定(サンプルにおけるこれらのエレメントの存在または非存在)が、最初に、数個のコンセンサスプライマー対によるヌクレオチド配列エレメントの遺伝子増幅、続いて(洗浄後)、これらの増幅工程から得られる可能な異なる増幅された標的配列の識別によって得られる。この識別は、所与の(特定および所定の)位置において固体支持体表面に結合した捕獲ヌクレオチド配列のアレイ上のハイブリダイゼーションによって都合良く得られる。
これらの標的配列の、予想された位置でのそれらの対応する捕獲ヌクレオチド配列における特異的な結合から得られるシグナル(この場合、1つの位置シグナルが、特異的な標的配列の結合について特異的である)を検出し、可能であれば、記録することによって、異なる標的ヌクレオチド配列の存在および/または非存在により、サンプルにおける異なる特異的なヌクレオチド配列エレメントの存在および/または非存在を決定することが可能になる。
本発明による方法はさらに、サンプルにおけるヌクレオチド配列エレメントの存在および/または非存在を、
・特定の生物、
・遺伝子改変生物(GMO)、特に、遺伝子改変植物、
・配列における遺伝子特徴(変異、欠失、挿入)、
・生物学的サンプルが得られた患者(ヒトを含む)のガンを含む遺伝的疾患の診断的傾向または進展(モニタリング)
の存在および/または特定(同定)に相関させる工程を含む。
本発明による方法は、同一または非常に相同的である(好ましくは、80%を超える相同性を有し、さらには、90%を超える相同性さえ有する)それらの遺伝子配列のいくつかの一部分(エレメント)と、異なるいくつかの一部分とを有する生物学的サンプル中のGMOまたは他の生物またはそれらの一部分の検出およびスクリーニングのために特に好適である。そのために、非常に多数のそのような生物がサンプルに存在し得る。
本発明は、1回のアッセイで、検出に続いて、存在および非存在について、アレイ上での(標的ヌクレオチド配列へのそれらの増幅の後での)ヌクレオチド配列エレメントの同定を可能にする。この検出は、好ましくは、これらの生物の遺伝子地図の決定に対して比較される。
実際、生物の異なる遺伝子地図における検出されたエレメントの一部またはすべての存在または非存在により、生物学的サンプルに存在する特定の生物の特定が可能になる。これらのエレメントの存在または非存在はまた、データバンクに示されたそれぞれの生物を正しく特定するための検索エレメントのすべての遺伝子地図を含むデータバンクまたはデータ表と相関させることができる。
特定の実施形態において、本発明による方法はまた、特定の遺伝子エレメントを有するが、検出される生物のそれぞれの遺伝子地図を有するデータバンクの一部でないとして分類されている、ある科の一部である生物の検出および/または特定のための手段を提供する。
好ましい実施形態において、本発明による方法はまた、異なるエレメントの検出および/または同定、ならびに、生物の特定のときに得られた実験結果の分析のための手段を、コンピュータープログラムの形態で提供する。このプログラムはまた、好ましくはデータバンクに、検出される可能性がある生物のエレメントの組成を提供する。
好ましい実施形態において、生物の異なる遺伝子地図の要素は表に編成され、アッセイの結果が表のデータと1つずつ比較される。
別の実施形態において、本発明は、検索された生物のエレメント特徴のすべてについてではなく、1つまたはいくつかの検索エレメントを有する生物を決定するために好適である。その場合、その生物は不明生物として列挙される。
本発明は、好ましくは、現在のエレメントを含む表と、生物の特定を実験データから選び出すための方法とを必要とする。
特定の実施形態において、異なる生物に由来する配列が、同じプライマーによりまとめて、部分的に増幅され、得られた標的配列が、共通する捕獲配列において検出される。
別の実施形態において、異なる生物に由来する標的配列が、同じプライマーによりまとめて、または部分的に増幅されるが、特異的な捕獲配列において検出される。
さらなる別の好ましい実施形態において、アレイは、異なる生物の同じ(増幅された)標的ヌクレオチド配列について特異的な捕獲配列と、異なる生物から得られた同じ(増幅された)標的配列について共通する捕獲配列との両方を含有する。
特定の実施形態において、本発明は、表Iおよび表IIに示されるように、挿入された外因性のヌクレオチド配列エレメントを有するGMO植物に対して行われる。GMOのエレメントが、本発明の方法によって提供されるように検出される。特定の適用において、P35s、T−nos、nptII、pat、Cry1Ab、EPSPSである6つのエレメント(またはそれらの一部分)が、実施例2において示されるように、6つのプライマーを用いて3つの異なるチューブで増幅される。この手段は、好都合には、CaMVの可能な存在を検出するための適切なコントロール、および、植物種の特定のための適切なコントロールを含む。
特定の実施形態において、本発明は、(増幅された)標的ヌクレオチドの標的配列の数よりも多い数の生物を特定するための方法を提供する。この場合、検出することができる生物の数は、増幅の数+少なくとも2であり、より良好には、増幅の数+5であり、さらにより良好には、増幅の数+10以上である。
本発明の方法は、(表1の)9種のGMOを検出および/または特定するために適用され、また、(表2の)21種のGMOを検出および/または特定するために適用される。
実施例3において検出される遺伝子エレメントを2つずつ比較することによってGMO生物を特定するための例が表3に示される。この例では、また、マイクロアレイにおいて検出される特定のエレメントを考えると、遺伝子マッピングは、別の生物に関して同一のマッピングを示した3つのGMO生物を除いて、それぞれのGMOについて特異的である。表4に示される結果は、GMOを定量することができること、および、検出レベルが、サンプルに存在するGMOの0.1%未満であることを示している。本発明の方法は、生物学的サンプルにおいて低い濃度で存在する生物の多数かつ複雑な分析のために特に好適である。
本発明によれば、遺伝子増幅のための好ましい方法は、増幅される特定の配列について、コンセンサスである2つの逆平行プライマーを使用するPCRである。
検出および/または定量される生物は、得られた遺伝物質を含む任意の生物学的材料に存在し得る(ウイルス、菌類、細菌、植物細胞または動物細胞、ヒトを含む)。生物学的サンプルはまた、微生物、生体異物または汚染物質が存在する任意の培養培地、ならびに、植物または動物(ヒトを含む)の器官、組織、細胞または生物学的流体(血液、血清、尿など)から得られる抽出物であり得る。
本発明によるキットまたはデバイスはまた、本発明による方法を行うための様々な媒体またはデバイスを含むことができる。このキット(またはデバイス)はまた、自動装置(例えば、分析される生物学的サンプルに存在する多数のヌクレオチド配列を検出および/または定量するためのハイスループットスクリーニング装置など)に含めることができる。このキットまたは装置は、本発明による方法のすべての工程、または、いくつかの特定の工程のみを行うために適合化することができる。
本発明の診断キットおよび/または定量キットは、本発明の方法を行うための手段および媒体(好ましくは、一本鎖捕獲ヌクレオチド配列が結合している不溶性の固体支持体)を含むことができ、この場合、この一本鎖捕獲ヌクレオチド配列は、検出および/または定量されるP35sヌクレオチド配列、T−nosヌクレオチド配列、nptIIヌクレオチド配列、cry1Abヌクレオチド配列およびEPSPSヌクレオチド配列のうちの少なくとも3つについて特異的な約10塩基〜約200塩基の間の配列を含有し、かつ、約30塩基〜約600塩基から構成される全長を有し、また、この一本鎖捕獲ヌクレオチド配列は、1cmの固体支持体表面あたり少なくとも4つの一本鎖捕獲ヌクレオチド配列の密度でアレイに従って固体支持体の表面に配置される。
本発明による方法は、1cmの固体支持体表面あたり少なくとも4つ(好ましくは少なくとも10、16、20、50、100、1000、4000、10000以上)の異なる捕獲ヌクレオチド配列の密度でアレイに従っていくつかの一本鎖捕獲ヌクレオチド配列が結合している(好ましくは、直接的な共有結合的連結によって、または、スペーサーの中間体によって固体支持体の表面に結合している)不溶性の固体支持体を少なくとも含む、特異的な同定(診断および/または定量)ためのキットまたはデバイスを使用することによって行うことができ、この場合、この捕獲ヌクレオチド配列は、好都合には、(スペーサーを含めて)約30塩基〜約600塩基から構成される長さを有し、かつ、標的について特異的である約10塩基〜約60塩基の配列を含有する(このことは、この配列のこの塩基は、相補的なハイブリダイゼーションによって標的の配列上においてそれらの相補的な塩基との結合を形成することができることを意味する)。好ましくは、このハイブリダイゼーションはストリンジェントな条件のもとで(当業者に広く知られている条件のもとで)得られる。
本発明による方法(キット(デバイス)または装置)において、標的に対して相補的な捕獲ヌクレオチド配列の一部(または一部分)は、約10塩基〜約60塩基から、好ましくは約15塩基〜約40塩基から、より好ましくは約20塩基〜約30塩基から構成される。これらの塩基は、好ましくは、捕獲ヌクレオチド配列の末端または末端付近に位置する連続した配列として割り当てられる。この配列は、検出のための特異的な配列であると見なされる。本発明の好ましい形態において、特異的な捕獲ヌクレオチド配列と支持体との間に位置する配列は非特異的な配列である。
本発明による方法(キットまたはデバイス)において、捕獲ヌクレオチド配列は、16塩基〜600塩基(好ましくは30塩基〜300塩基、より好ましくは40塩基〜150塩基)を有する配列であり、スペーサーは、少なくとも6.8nmの長さ(少なくとも4個の炭素原子)を有する化学的な鎖、20塩基を超える長さ(好ましくは50塩基〜150塩基の長さ)のヌクレオチド配列、または、ヌクレオチド誘導体(例えば、PMAなど)である。
本発明の好ましい実施形態において、捕獲ヌクレオチド配列は一本鎖として化学合成される。捕獲ヌクレオチド配列は、100塩基よりも短いオリゴヌクレオチドまたは100塩基よりも長いオリゴヌクレオチドのいずれかであっても、ポリヌクレオチドであり、一本鎖は、プログラム化された自動合成機で容易に合成される。そのような配列は、官能化基(例えば、支持体における共有結合的な結合のためのアミンまたはスルフィドなど)を高濃度で有することができる。
長い捕獲ヌクレオチド配列(典型的には100ヌクレオチドを超え、または、さらには150ヌクレオチドを超える)は、好ましくは、(捕獲ヌクレオチド配列の特異的な部分と、非特異的な部分(スペーサー)とを含有するプラスミドに組み込まれた配列の)PCR増幅によって合成される。
本発明による方法(キット(デバイス)または装置)は、DNAまたはRNAから構成されるヌクレオチド配列(それらの全長について部分的または全体的に相同的である配列を含む)の検出および/または定量のために好適である。
本発明による方法(キット(デバイス)または装置)において、捕獲ヌクレオチド配列は、好都合には、好ましくは、本明細書中下記に記載されるように、それらの末端の1つによって、不溶性の固体支持体に共有結合的に結合する(または固定される)。
本発明による方法は、約10nM未満の濃度で、約1nM未満の濃度で、好ましくは、約0.1nM未満の濃度で、より好ましくは0.01nM(=1fmol/100μl)未満の濃度で溶液に存在するアンプリコンを用いた同定(検出および定量)を可能にする十分な結果を与える。
本発明の別の重要な態様は、非常に高濃度の捕獲ヌクレオチド配列を表面において使用することである。アレイが、直径が約0.2nm〜0.4nmである表面を有するスポットのために0.1nl〜1nlの程度である非常に少ない体積の溶液をスポットすることによりロボットによって作製される。少なすぎるならば、結合の収率が直ちに低下し、検出できなくなる。スポット溶液における約600nM〜約3000nMの間の捕獲ヌクレオチド配列の濃度が好ましい。しかしながら、約100nMもの低い濃度も依然として、有利な場合(共有結合による固定の収率が高いとき、または、検出される標的が一本鎖であり、高い濃度で存在するとき)には陽性の結果を与える。そのような低いスポット濃度は20fmol/cmもの低い捕獲ヌクレオチド配列の密度を与える。他方で、より高い密度は捕獲溶液の濃度によってアッセイにおいて限定されただけであった。しかし、3000nMよりもさらに高い濃度は良好な結果を与える。
これらの非常に高い濃度および長いプローブの使用は本発明の2つの予想外の特徴的な特色である。DNAハイブリダイゼーションの理論では、溶液における2つのDNA相補的配列の間でのハイブリダイゼーション速度はDNAの長さの平方根に比例し、短い方が制限因子であることが提示されていた(Wetmur,J.G.およびDavidson,N.、1968、J.Mol.Biol.、3、584)。要求される特異性を得るために、捕獲ヌクレオチド配列の特異的な配列は、標的と比較して、小さくしなければならなかった。そのうえ、標的ヌクレオチド配列はPCR増幅後に得られ、二本鎖であった。その結果、標的ヌクレオチド配列は、溶液中では、拡散が低い固体支持体に固定された小さい配列にハイブリダイゼーションするよりもはるかに速く再会合し、従って、反応速度をさらに一層低下させる。同じ短い特異的な配列とのハイブリダイゼーションの収率における非常に大きい増大が認められることは予想外であった。
スポット上で「結合」する標的ヌクレオチド配列の量は、存在する捕獲ヌクレオチド配列の量と比較して、非常に小さい。従って、大過剰の捕獲ヌクレオチド配列が存在し、さらにより多くの捕獲ヌクレオチド配列の結合が得られる理由はなかった。
増幅またはコピーの後、そして、標識化が、標識されたヌクレオチドの取り込みによって行われるとき、全長配列に対する検出を行うことができ、より多くのマーカーが、ハイブリダイゼーションした標的に存在し、これにより、アッセイは高感度になる。
本発明による方法(キットおよび装置)は、他の結合した捕獲ヌクレオチド配列の使用を含むことができ、この場合、他の結合した捕獲ヌクレオチド配列は以前の特徴と同じ特徴を有することができ、また、(好ましくは、共通するプライマーによって増幅された)相同的な配列の別の一群から標的配列を同定するために使用することができる。
他の配列の検出は、好都合には、同じアレイにおいて、(すなわち、同じ標的についてのコンセンサスな捕獲ヌクレオチド配列とともに定量のために使用される標準的なヌクレオチド配列とのハイブリダイゼーションを可能にすることによって)行うことができる。この他の捕獲ヌクレオチド配列は、10塩基〜60塩基よりも長い特異的な配列および600塩基もの大きい全長を(可能であれば)有し、また、不溶性の固体支持体に、(好ましくは、本発明に関連する他の結合した捕獲ヌクレオチド配列配列を用いて作製されたアレイにおいて)結合する。長い捕獲ヌクレオチド配列はまた、所与の遺伝子エレメントのすべての配列とのハイブリダイゼーションのためのコンセンサスな捕獲ヌクレオチド配列としてアレイ上に存在させることができ、従って、生物学的サンプルにおけるある科の生物の存在または非存在に関する情報を与える。
本発明による固体支持体は、ゲル層、ガラス、電子工学デバイス、シリコーン支持体もしくはプラスチック支持体、ポリマー、コンパクトディスク、金属支持体、またはそれらの混合物からなる群から選択される材料を用いて作製される(欧州特許EP0535242、米国特許第5736257号、国際特許出願公開WO99/35499、米国特許第5552270号などを参照のこと)。好都合には、この固体支持体は、本発明による方法を改善するためのさらなる手段(バーコード、マーカーなど)または媒体を含むことができる1枚のガラス製スライドである。
本発明による方法において使用される増幅工程は、好都合には、広く知られている増幅プロトコルによって得られ、好ましくは、PCR、RT−PCR、LCR、CPT、NASBA、ICRまたはAvalanche DNA技術からなる群から選択される増幅プロトコルによって得られる。
好都合には、同定される標的ヌクレオチド配列は、一本鎖捕獲ヌクレオチド配列とのそのハイブリダイゼーションの前に標識される。(当業者から知られている技術による)この標識化はまた、(方法が増幅工程を含むならば)、好ましくは、変性前に、増幅された標的ヌクレオチド配列において得られる。
好都合には、標的ヌクレオチド配列の長さは、好ましくは50塩基〜800塩基(好ましくは100塩基〜400塩基、より好ましくは100塩基〜200塩基)の限定された長さであるように選択される。この好ましい要件は、サンプルに存在する可能性がある要求される配列を増幅するためのコンセンサスプライマーを見つけ出す可能性に依存する。長すぎるヌクレオチド配列標的は、より速く再配置し、捕獲ヌクレオチド配列における固定化を阻害し得る二次構造を取ることがある。
遺伝子の検出はまた、本発明の好ましい適用である。相同的な遺伝子の検出が、本発明において記載されるように、最初にmRNAの逆転写、次いでコンセンサスプライマーによる増幅によって得られる。
本発明のさらなる態様によれば、本発明による方法(キット(デバイス)または装置)は、好都合には、生物学的サンプルに一緒または別々に存在する異なるGMOの特定のために使用され、この場合、この特定は、植物または動物または細菌または酵母にそれらのゲノムの遺伝子改変によって組み込まれているヌクレオチド配列エレメントを検出することによって得られる。
好ましくは、プライマーと、増幅および検出されるこのGMO配列の特定の一部とが、実施例2および実施例3に示される。これらのプライマーにより、下記のヌクレオチドエレメント(P35s、T−neo、nptII、pat、Cry1AbおよびEPSPS)のうちの少なくとも3つの部分的配列または配列全体が、サンプルに存在するときには増幅され、その後、アレイにおいて検出された。
本発明のさらなる態様によれば、本発明による方法(キット(デバイス)または装置)は、好都合には、BT11、BT176、Ga21、Mon810、RRS、T25、T45、Topas19/2、Starlink、NK603、GT73、Liberator L62、Falcon GS40/90、MS1−RF1、MS1−RF2、MS8−RF3、1445、531、Mon863、Mon810xMON863、TC1507およびMaisgard/RRのうちの少なくとも4つのGMO植物の特定のために使用される。
9種の植物GMOの本発明による検出が表1ならびに実施例2および実施例3に示される。検出および特定を行うためのアレイが図1に示される。同様に、21種の植物GMOの検出が表2に示され、GMOを個々に特定するためのデータバンクが表3に示される。GMOのリストが、BATS(http://www.gmo−watch.org/gmo−watch/GVO−report140703.pdf)およびAgBios(http://www.agbios.com/dbase.php)などのデータベースに示される。
データバンクはまた、GMOに存在するヌクレオチド配列エレメントの一覧を提供する。既知または不明の概念は、通常、食品、穀物または動物飼料における許容されたGMOまたは許容されないGMOに関連づけられる。許容されたGMOは広く知られており、それらの遺伝子地図における遺伝子エレメントの存在が知られている。許容されないGMOは演繹的に不明である。本発明は、不明GMOの存在を、その正体の予測とともに、または、その正体の予測を伴うことなく検出することを可能にする。
アレイ上でのハイブリダイゼーションの後、標的ヌクレオチド配列は現在の技術によって検出することができる。標識化を伴わない場合、好ましい方法は、現在はアレイに適合化されている質量分析法(米国特許第5821060号)によるか、または、薬剤を介在させ、その後、蛍光検出を行うこと(国際特許出願公開WO97/27329、または、Fodor他、Nature、364、555頁(1993))による標的の同定である。
標識された関連する検出は多数である。異なる標識分子の総説が国際特許出願公開WO97/27317に示される。標識分子は、既に標識されているプライマーを使用して、あるいは、標識されているヌクレオチドをコピー工程または増幅工程の期間中に取り込むことによって得られる。標識化はまた、検出可能な成分を、調べられるRNAまたはDNAに連結することによって得ることができる(リガーゼによって配列の末端に連結される標識されたオリゴヌクレオチド)。RNAまたはDNAのフラグメントもまた、キナーゼ、トランスフェラーゼまたは同様な酵素を使用して、その5’OH端または3’OH端に標識ヌクレオチドを取り込むことができる。
最も頻繁に使用され、かつ好まれる標識は、市販のアレイスキャナー(General Scanning、Genetic Microsystem)を使用することによってアレイを分析するために好適である、Cy3、Cy5およびCy7のような蛍光色素である。
放射性標識化、非放射性標識化、または、特異的なリガンド(ストレプトアビジンまたは抗体)によりその後で認識される小分子による間接的な標識化は一般的な方法である。アレイ上での標的固定化の生じるシグナルは、蛍光性、比色的、拡散、エレクトロルミネセンス的、生物発光的または化学発光的、磁気的、電気的(例えば、インピドメトリー的)またはボルタンメトリー的である(米国特許第5312527号)。好ましい方法は、沈殿物を得るために、結合した標的を金で標識すること、または、後でスキャナーによって容易に検出および定量される銀染色の使用に基づく。
定量は、アレイ上におけるハイブリダイゼーション収率および検出規模(これは、標的ヌクレオチド配列および参照配列について同一である)だけでなく、抽出工程、増幅(またはコピー化)工程および標識化工程をも考慮に入れなければならない。
本発明による方法はまた、既知の濃度で加えられた標準のヌクレオチド配列(外部標準または内部標準)を使用することによる標的ヌクレオチド配列の定量を得るための手段を含むことができる。捕獲ヌクレオチド配列はまた、(おそらくは、増幅またはコピー化の後で)標的ヌクレオチド配列と同じ条件で標準物を固定するようにアレイ上に存在する;本発明による方法は、捕獲ヌクレオチド配列と標準物との間での相補的な塩基対形成により形成される二本鎖ヌクレオチド配列の形成から生じるシグナルを定量する工程と、生物学的サンプルにおける検出および/または定量されるヌクレオチド配列エレメントの存在を定量するために、二本鎖ヌクレオチド配列の形成から生じるシグナルを、捕獲ヌクレオチド配列と標的との間での相補的な塩基対形成により形成される二本鎖ヌクレオチド配列から生じるシグナルを用いて相関分析する工程とを含む。
好都合には、標準物は、生物学的サンプルにおいて加えられるか、または、抽出工程の後で加えられ、そして、同じプライマーにより増幅またはコピーされ、かつ/あるいは、標的ヌクレオチド配列と同一であるか、または、標的ヌクレオチド配列に対して最大でも20%しか違わない長さおよびGC含有量を有する。より好ましくは、標準物は、国際特許出願公開WO98/11253の文書に見出される内部標準の特徴を有する競合的な内部標準として設計される。このような内部標準は、標的に対して共通であるその配列の一部分と、異なる特異的な一部分とを有する。内部標準はまた、標的ヌクレオチド配列の増幅またはコピーのために使用される2つのプライマーの相補的である配列をその2つの末端はまたはその近くに有し、また、類似するGC含有量を有する(国際特許出願公開WO98/11253)。
本発明の好ましい実施形態において、標準物および標的ヌクレオチド配列の共通する部分は、同じプライマーにより増幅されたすべての標的ヌクレオチド配列に対して相同的であるヌクレオチド配列(すなわち、定量される同じ科または生物に属するヌクレオチド配列)を意味する。
好ましくは、この特異的な配列による標準物のハイブリダイゼーション収率は標的配列のハイブリダイゼーション収率と同一であるか、または、標的配列のハイブリダイゼーション収率から最大でも20%しか違わず、定量が、国際特許出願公開WO98/11253に記載されるように得られる。
この標準のヌクレオチド配列(外部標準および/または内部標準)はまた、好都合には、おそらくは、本発明による異なる工程を行うために必要なすべての媒体および手段(ハイブリダイゼーション媒体および培養培地、ポリメラーゼおよび他の酵素、標準配列、標識分子など)とともに、キット(デバイス)または装置に含められる。
好都合には、バイオチップはまた、特定のプライマー対によって増幅されている特異的に増幅された標的ヌクレオチド配列のいくつかを特異的に検出するためのスポットを含有する。そのようなスポットは、好ましくは、1つの生物の特定を確認するために、あるいは、非常に相同的または同一のヌクレオチド配列エレメントを有する2つの生物を識別するために加えられる。
好都合には、バイオチップはまた、様々な濃度(すなわち、4つ)の標識された捕獲ヌクレオチド配列を有するスポットを含有する。これらの標識された捕獲ヌクレオチド配列は既知濃度の溶液からスポットされ、それらのシグナルにより、ハイブリダイゼーションの結果を絶対量に転換することが可能になる。標識された捕獲ヌクレオチド配列はまた、検出の再現性について試験することを可能にする。
固体支持体(バイオチップ)は、マイクロ流体工学技術の使用に基づく液体溶液の制御を介して別のチャンバーおよび自動装置につながれた支持体に挿入することができる。そのようなマイクロラボラトリー系に挿入されることによって、固体支持体(バイオチップ)は、前工程(例えば、DNAの抽出、PCRによる増幅)または後工程(標識化および検出)についてさえ、自動化された装置によって、インキュベーション、加熱、洗浄および標識化することができる。すべてのこれらの工程を同じ固体支持体において行うことができる。
好都合には、バイオチップはまた、植物種の検出および/または特定および/または定量のための捕獲ヌクレオチド配列を含有し、特定の実施形態では、植物の特定はまた、植物種の特異的な特定のGMOを特定するために使用される。
特定の実施形態において、植物または生物の特定のヌクレオチド配列エレメントが、植物または生物の特定のために使用され、また、特別な実施形態ではGMOのために使用される。
生物の定量は、好ましくは、その生物に存在する遺伝子エレメントについてのシグナルを定量することによって行われる。
別の実施形態において、1つの生物の定量が、その生物に特異的な標的ヌクレオチド配列の量を科に特異的な標的ヌクレオチド配列に対して比較することによって、その科に対して行われる。より具体的には、GMOの定量が、植物マーカーと比較して、サンプルに存在する特定のGMOエレメントの量を比較することによって行われる。これら2つの間での比率により、サンプルにおける1つの植物種のGMOの割合を計算することできる。
好都合には、特定の生物の定量が、生物に特異的な標的の量を、分析溶液に加えられた標準物の所与のコピー数と比較することによってサンプルにおけるコピー数に関して行われる。好ましい実施形態において、遺伝子改変植物に特異的なヌクレオチド配列エレメントの定量が、既知のコピー数でアッセイ法に組み込まれた標準配列の定量と比較される。別の実施形態では、遺伝子改変植物に特異的なヌクレオチド配列エレメントの定量が植物の非形質転換部分の遺伝子または配列の定量と比較される。
特定の実施形態において、定量が、テールの付いた(tailed)プライマーを使用するPCR、次いで、テールに対して同一または相補的な第2のプライマーを使用するPCRによる標的ヌクレオチド配列および標準物の増幅の後で行われる。テールの付いた第1のプライマーは、共通するテールを有しており、Knut他(Nucleic Acids Res.、2003(6月1日)、31:e62)によって記載されるように、特定のエレメントおよび標準物または植物マーカーに対して向けられる。増幅は、最初、テールの付いたプライマーを用いて5サイクル〜20サイクルにわたって行われ、次いで、テールの付いたプライマーを破壊し、プライマーを加えた後、5サイクル〜40サイクルにわたって行われる。
好ましい実施形態において、増幅は、テールの付いたプライマーと、共通のテールプライマーとの適切な比率(少なくとも1/5であり、好ましくは1/10である)の使用を考えると、第1のプライマーを何ら破壊することなく、増幅の開始からともに存在するテール付プライマーおよび第2のテールプライマーを用いて行われる。
好都合には、GMOのための定量法および検出法は、非GMO植物と比較して、GMOがサンプルに0.1%〜5%存在する範囲で行われる。標準化の典型的な標準曲線は、非GMO種における0.1%、0.5%、1%、2%および5%のGMOの範囲にあるGMOサンプルを含む。既知のGMO含有サンプルの標識化および/または検出のための調節は0.9%および0.5%の範囲にある。不明GMOは、商業化について許容されると認められないGMOであり、サンプルにおいて見出すことができない。検出法は、0.1%もの低いそのような不明GMOをサンプルにおいて検出することが要求される。
本発明は、添付された図を参照して下記の非限定的な実施例において詳しく記載される。
図1は様々なGMOの異なるエレメントを検出するための、また、実施例3において提供されるようなそれらのスクリーニングおよび特定のためのアレイの設計を表す。
図2は本発明において提供されるアレイによる2つのGMOの分析に対する結果の一例を示す。
図3は本発明において提供されるアレイによる2つのGMOの分析に対する結果の一例を示す。
図4は本発明において提供されるアレイによる様々な濃度でのいくつかのGMOの分析の全体的な結果を表す。
実施例
実施例1:アレイでの標的配列の検出
捕獲ヌクレオチド配列および標的の作製
標的ヌクレオチド配列を、下記のプロトコルを使用するPCR増幅によって得る。
PCRを、1X緩衝液Biotools(2mMのMgCl、0.2μMの各プライマー(プライマーの1つがビオチン化されている)、各200μMのdATP、dCP、dGTP、および400μMのdUTPを含む)、1.25UのTaq DNAポリメラーゼBiotools、および0.5UのUNGを含有する25μlの最終体積で行う。サンプルを最初に22℃で10分間インキュベーションし、その後、94℃で5分間変性する。その後、94℃で30秒、56℃で40秒および72℃で1分からなる35サイクルの増幅を行い、72℃で10分間の最後の伸長を行う。UNGとのインキュベーションを20℃で10分間行い、不活性化を95℃10分間行う。水のコントロールを増幅の陰性コントロールとして使用する。捕獲ヌクレオチド配列の配列は一本鎖ヌクレオチドである。
バイオチップはまた、それらの対応する捕獲ヌクレオチド配列においてハイブリダイゼーションしたC2b2遺伝子のビオチン化されたポリヌクレオチドである陽性コントロールと、捕獲非特異的ヌクレオチド配列である陰性コントロールとを含有する。
捕獲ヌクレオチド配列の固定化
アミン化DNAをアルデヒド誘導体化ガラスに結合するために、Schena他(Proc.Natl.Acad.Sci.USA、93、10614(1996))によって記載されるプロトコルに従った。アミン化された捕獲ヌクレオチド配列を、150nM〜3000nMに及ぶ濃度での溶液からスポットした。捕獲ヌクレオチド配列を、自家製のロボットデバイスを用いて、シリル化された顕微鏡用スライドガラスに印刷した(Genetix(英国)から得られる250μmのピン、および、Cell associates(Houston、米国)から得られるシリル化された(アルデヒド)顕微鏡用スライドガラス)。スポットは直径が400μmであり、分注された体積は約0.5nlである。スライドガラスを室温で乾燥し、使用するまで4℃で保存した。
ハイブリダイゼーション
アレイをハイブリダイゼーションフレームで覆い、製造者(Eppendorf AG、Hamburg、ドイツ)により提案されるように処理する。50μlのハイブリダイゼーション溶液(Genomic HybriBuffer、Eppendorf AG)において、アンプリコン、ブロッキングハイブリダイゼーション溶液、陽性のハイブリダイゼーションコントロールおよび少量の水を含有する45μlの溶液を加えた。増幅された標的ヌクレオチド配列の体積を、要求される検出レベル、および、取り込まれるアンプリコン溶液の数に従って調節した。典型的な実験を、それぞれが9μlの4つのアンプリコン溶液を用いて行った。最終溶液を、ハイブリダイゼーションチャンバーにより枠取りされたアレイに負荷した。陽性コントロールのために、2nMの27bpのビオチン化C2b2プローブを溶液に加え、一方で、それらの対応する捕獲ヌクレオチド配列をアレイにスポットした。アレイを、0.5NのNaOHと事前にインキュベーションすることによって予備変性した。ハイブリダイゼーションを60℃で1時間行った。スライドガラスを洗浄緩衝液により4回洗浄した。
比色法による検出
ガラスサンプルを、ブロッッキング緩衝液に1000x希釈されたコロイド状金により標識されたストレプトアビジンの800μlと室温で45分間インキュベーションした。洗浄緩衝液による5回の洗浄の後、金の存在を、染色用の発色溶液(Silverquant試薬、Eppendorf、Hamburg、ドイツ)を使用して銀を還元する触媒反応のために役立てた。スライドガラスを、SilverquantのA液およびB液の発色混合物と5分間、1回インキュベーションし、その後、水により洗浄し、乾燥し、マイクロアレイリーダーを使用して分析した。その後、各アレイ(スライドガラス)を特定の定量ソフトウエアによって定量した。
蛍光検出
ガラスサンプルを、Cyanin3またはCyanin5により標識されたストレプトアビジンと室温で45分間インキュベーションした。洗浄後、ガラスサンプルを乾燥し、その後、室温で保存した。検出をアレイスキャナーGSM418(Genetic Microsystem、Woburn、MA、米国)において行った。その後、各アレイ(スライドガラス)を特定の定量ソフトウエアによって定量した。
実施例2:アレイにおけるGMO標的配列の検出
GMOの遺伝子エレメントの分析
実験を、実施例1において提案されるように行う。下記のエレメントを増幅するための3つのPCRを行う:
下記の特異的配列が、検出される異なるエレメントのための捕獲ヌクレオチド配列において存在する:
捕獲ヌクレオチド配列のcry1はBT176について特異的であり、cry2はMon8110について特異的であり、cry3はBT11について特異的である。捕獲ヌクレオチド配列のEPSPS7はGA1について特異的であり、EPSPS2はRRSについて特異的である。
バイオチップはまた、植物種の検出を含む。増幅を別個のチューブで行う。
Rubiscoアクチバーゼおよびスクロースシンターゼについてのコンセンサスプライマーは下記の通りである:
植物種の検出のための捕獲ヌクレオチド配列は下記の通りである:
6つの植物種を特異的に特定するための捕獲プローブ:
実施例3:植物の特異的な特定を含むアレイにおけるGMO標的配列の検出
GMOの検出を、実施例2に記載されるように、3つのPCRと、捕獲プローブとを用いて行う。下記の実施例では、第4のPCRが植物種の分析のために加えられる。
以下の特定の配列が捕獲プローブ上に存在する。
様々なGMOの異なるエレメントを検出するための、および実施例3において提供されるようなそれらのスクリーニングおよび特定のためのアレイの設計を表す。 本発明において提供されるアレイによる2つのGMOの分析に対する結果の一例を示す。 本発明において提供されるアレイによる2つのGMOの分析に対する結果の一例を示す。 本発明において提供されるアレイによる様々な濃度でのいくつかのGMOの分析の全体的な結果を表す。
配列番号1は、フォワードTnosプライマーの配列である。
配列番号2は、リバースTnosプライマーの配列である。
配列番号3は、フォワードP35Sプライマーの配列である。
配列番号4は、リバースP35Sプライマーの配列である。
配列番号5は、フォワードnptIIプライマーの配列である。
配列番号6は、リバースnptIIプライマーの配列である。
配列番号7は、PCRコントロールのフォワードプライマーの配列である。
配列番号8は、PCRコントロールのリバースプライマーの配列である。
配列番号9は、フォワードCaMVプライマーの配列である。
配列番号10は、リバースCaMVプライマーの配列である。
配列番号11は、フォワードPnos−nptIIプライマーの配列である。
配列番号12は、リバースPnos−nptIIプライマーの配列である。
配列番号13は、フォワードPatプライマーの配列である。
配列番号14は、リバースPatプライマーの配列である。
配列番号15は、フォワードCry1Abプライマーの配列である。
配列番号16は、リバースCry1Abプライマーの配列である。
配列番号17は、EPSPSプライマー1の配列である。
配列番号18は、EPSPSプライマー2の配列である。
配列番号19は、EPSPSプライマー3の配列である。
配列番号20は、P35S捕獲ヌクレオチド配列である。
配列番号21は、Tnos捕獲ヌクレオチド配列である。
配列番号22は、nptIIA捕獲ヌクレオチド配列である。
配列番号23は、gut(PCRコントロール)捕獲ヌクレオチド配列である。
配列番号24は、Pat1捕獲ヌクレオチド配列である。
配列番号25は、cry1捕獲ヌクレオチド配列である。
配列番号26は、cry2捕獲ヌクレオチド配列である。
配列番号27は、cry3捕獲ヌクレオチド配列である。
配列番号28は、epsps7捕獲ヌクレオチド配列である。
配列番号29は、epsps8捕獲ヌクレオチド配列である。
配列番号30は、nptIIh捕獲ヌクレオチド配列である。
配列番号31は、CaMV捕獲ヌクレオチド配列である。
配列番号32は、フォワードrubiscoアクチバーゼ遺伝子プライマーPra1の配列である。
配列番号33は、リバースrubiscoアクチバーゼ遺伝子プライマーPra2の配列である。
配列番号34は、フォワードスクロースシンターゼ遺伝子プライマーPss1の配列である。
配列番号35は、リバースrubiscoアクチバーゼ遺伝子プライマーPss2の配列である。
配列番号36は、トウモロコシTPss8捕獲ヌクレオチド配列である。
配列番号37は、ダイズTPss9捕獲ヌクレオチド配列である。
配列番号38は、コメTPss7捕獲ヌクレオチド配列である。
配列番号39は、ナタネOTRco12捕獲ヌクレオチド配列である。
配列番号40は、トマトPTRtom4捕獲ヌクレオチド配列である。
配列番号41は、テンサイPTRbett2捕獲ヌクレオチド配列である。
配列番号42は、フォワードダイズレクチンプライマーの配列である。
配列番号43は、リバースダイズレクチンプライマーの配列である。
配列番号44は、フォワードナタネクルシフェリンプライマーの配列である。
配列番号45は、リバースナタネクルシフェリンプライマーの配列である。
配列番号46は、フォワードトウモロコシインベルターゼプライマーの配列である。
配列番号47は、リバーストウモロコシインベルターゼプライマーの配列である。
配列番号48は、フォワードトマトrDNAプライマーの配列である。
配列番号49は、リバーストマトrDNAプライマーの配列である。
配列番号50は、フォワード植物一般Rbc1プライマーの配列である。
配列番号51は、リバース植物一般Rbc1プライマーの配列である。
配列番号52は、ダイズレクチン捕獲ヌクレオチド配列である。
配列番号53は、ナタネクルシフェリン捕獲ヌクレオチド配列である。
配列番号54は、トウモロコシインベルターゼ捕獲ヌクレオチド配列である。
配列番号55、トマトrDNA捕獲ヌクレオチド配列である。
配列番号56は、一般植物捕獲ヌクレオチド配列である。

Claims (31)

  1. 遺伝子改変植物のゲノム中に組込まれた外因性のヌクレオチド配列の少なくとも一部に対応する異なるかつ多数のヌクレオチド配列エレメントであって生物学的サンプル中に存在するエレメントの同定および/または定量によって前記遺伝子改変植物を特定する方法であって、以下の工程を含む方法:
    a.所望により、ヌクレオチド配列エレメントを生物学的サンプルから抽出する工程;
    b.少なくとも2つの異なる遺伝子改変植物に存在するヌクレオチド配列エレメントと相同的である前記ヌクレオチド配列エレメントを増幅することができるプライマー対を使用して、ヌクレオチド配列エレメントまたはその一部を標的ヌクレオチド配列に増幅またはコピーする工程、この場合、前記ヌクレオチド配列エレメントは次のプロモーター、ターミネーターおよび/またはマーカー配列:P35s、T−nos、nptII、pat、Cry1AbおよびEPSPSからなる群から選択され、標的ヌクレオチド配列の長さは約100塩基〜約200塩基である;
    c.所望により、得られた標的ヌクレオチド配列を標識する工程;
    d.得られた標的ヌクレオチド配列を、不溶性の固体支持体に固体支持体表面の特定の位置で共有結合的連結によって結合している一本鎖の捕獲ヌクレオチド配列と接触させる工程;
    e.前記標的ヌクレオチド配列の結合を、前記標的ヌクレオチド配列と、特定の位置におけるその対応する捕獲ヌクレオチド配列との相補的な塩基対形成によるハイブリダイゼーションから生じるシグナルを検出することによって検出する工程、この場合、捕獲ヌクレオチド配列は、1cmの固体支持体表面あたり少なくとも4つの異なる結合した一本鎖捕獲ヌクレオチド配列の密度を有して、アレイに従った特定の位置において不溶性の固体支持体に結合しており、また、捕獲ヌクレオチド配列は、検出および/または定量される標的ヌクレオチド配列との特異的なハイブリダイゼーションを可能とする、10塩基〜200塩基を有する配列を含む;
    f.工程b)〜工程e)を、前記遺伝子改変植物の特異的な第2、第3、第4以上の異なるヌクレオチド配列エレメントについて繰り返す工程;
    g.これらの異なるかつ多数のヌクレオチド配列エレメントの存在または非存在に基づいて遺伝子地図を構築する工程;および
    h.遺伝子地図に基づいて生物学的サンプル中の遺伝子改変植物を特定する工程。
  2. ヌクレオチド配列エレメントが約100ヌクレオチド〜約800ヌクレオチド、より好ましくは約100ヌクレオチド〜約200ヌクレオチドの長さを有し、遺伝子改変植物のゲノム中に組込まれた外因性のヌクレオチド配列の少なくとも一部に対応する請求項1に記載の方法。
  3. 対応する標的ヌクレオチド配列とハイブリダイズすることを可能にする捕獲ヌクレオチド配列が、少なくとも6.8nmのスペーサーによって固体支持体の表面から分離されている請求項1または2に記載の方法。
  4. 捕獲ヌクレオチド配列は10塩基〜49塩基の配列を含み、この配列は検出および/または定量される標的ヌクレオチド配列との特異的なハイブリダイゼーションを可能とする請求項1または2に記載の方法。
  5. 植物のゲノム中に組込まれる外因性ヌクレオチド配列が、抗生物質耐性遺伝子、調節配列、繰返し配列および/または特定の酵素活性をコードする遺伝子からなる群から選択される請求項3に記載の方法。
  6. 遺伝子改変植物が、以下の変種からなる群から選択される請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法:BT11、BT176、Ga21、Mon810、RRS、T25、T45、Topas19/2、Starlink、NK603、GT73、Liberator L62、Falcon GS40/90、MS1−RF1、MS1−RF2、MS8−RF3、1445、531、Mon863、Mon810xMON863、TC1507およびMaisgard/RR。
  7. ヌクレオチド配列エレメントが、コンセンサスプライマーを用いて標的ヌクレオチド配列に増幅される請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. ヌクレオチド配列エレメントが、同一のプライマー対を用いてcDNAへと逆転写されるmRNA配列である請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 異なる遺伝子改変植物に特異的なヌクレオチド配列エレメントに対応する標的ヌクレオチド配列が、同一の捕獲ヌクレオチド配列上で検出される請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 異なる遺伝子改変植物に特異的なヌクレオチド配列エレメントに対応する標的ヌクレオチド配列が、異なる捕獲ヌクレオチド配列上で検出される請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  11. 異なる遺伝子改変植物に特異的な異なるヌクレオチド配列エレメントを増幅および/またはコピーする工程b)が同時に行われる請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 異なる遺伝子改変植物に特異的なヌクレオチド配列エレメントに対応する標的ヌクレオチド配列を検出および/または定量する異なる工程c)〜e)が同時に行われる請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. スペーサーが約20塩基〜約150塩基のヌクレオチド配列である請求項1〜12のいずれか一項に記載の特定方法。
  14. 特定の位置における固体支持体の表面に結合した捕獲ヌクレオチド配列の密度が、1cmの固体支持体表面あたり10fmolを越え、好ましくは100fmolより高い請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. ヌクレオチド配列エレメントの標的ヌクレオチド配列への増幅が、第一のテールの付いたプライマーおよびテールと同一またはテールに対して相補的な第二のプライマーによるPCR増幅によって行われる請求項1〜14のいずれか一項に記載の定量方法。
  16. テールの付いたプライマーが、第二のテールプライマーを用いた増幅前にまず破壊される請求項15に記載の定量方法。
  17. 第一のテールの付いたプライマーおよび第二のテールプライマーが両方とも第一増幅工程から存在し、テールの付いたプライマーがテールプライマーより少なくとも5倍以上低い濃度である請求項15または16に記載の定量方法。
  18. ヌクレオチド配列エレメントの増幅および/またはコピー工程において用いられるプライマー対とは異なるプライマー対を用いた、ヌクレオチド配列エレメント以外の他のヌクレオチド配列の増幅工程をさらに含む請求項15〜17のいずれか一項に記載の定量方法。
  19. 別の増幅工程に供される他のヌクレオチド配列が、植物の種、植物の属、または植物の科の検出のために特異的なヌクレオチド配列である請求項17に記載の定量方法。
  20. 遺伝子改変植物に特異的なヌクレオチド配列エレメントの定量は、植物の形質転換されていない部分の配列または遺伝子の定量と比較される請求項15〜19のいずれか一項に記載の定量方法。
  21. 遺伝子改変植物に特異的なヌクレオチド配列エレメントの定量は、既知のコピー数でアッセイ方法に組込まれる標準配列の定量と比較される請求項15〜20のいずれか一項に記載の定量方法。
  22. 不溶性の固体支持体が、ガラス、電子工学デバイス、シリコーン支持体、プラスチック支持体、コンパクトディスク、フィルター、ゲル層、金属支持体、またはそれらの混合物からなる群から選択される請求項1〜21のいずれか一項に記載の方法。
  23. ヌクレオチド配列エレメントが、コンセンサスプライマーおよび所望により停止配列を用いて3′または5′末端の逆転写に供されるRNA配列である請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 固体支持体が、異なる遺伝子改変植物中に存在する同一のヌクレオチド配列エレメントに対応するすべての相同なまたは同一の標的配列の共通の検出のためのコンセンサス配列と共に相同な標的ヌクレオチド配列との結合のための捕獲ヌクレオチド配列を担持する請求項1〜23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 方法が少なくとも一つの標準の増幅をも含み、このシグナルがサンプル中の異なるかつ多数のヌクレオチド配列エレメントの量の定量のために用いられる請求項1〜24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 方法が少なくとも一つの標準の増幅をも含み、このシグナルがサンプル中の異なるかつ多数のヌクレオチド配列エレメントの量のコピー数の定量のために用いられる請求項1〜24のいずれか一項に記載の方法。
  27. 同一の科または同一の種からのサンプル中の異なるかつ多数のヌクレオチド配列エレメントの特定量の量の定量が、同一の科または同一の種のすべてのメンバー中に存在するエレメントの量に対する植物の特異的なエレメントの量を比較することによって行われる請求項1〜26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 請求項1〜27のいずれか一項に記載の方法を行うための手段および媒体、および一本鎖捕獲ヌクレオチド配列が結合している不溶性の固体支持体を含む診断および/または定量キットであって、前記一本鎖捕獲ヌクレオチド配列が、検出および/または定量されるP35s、T−nos、nptII、pat、Cry1AbおよびEPSPSヌクレオチド配列エレメントのうち少なくとも4つについて特異的な約10塩基〜約200塩基の配列を含み、かつ約30塩基〜約600塩基の全長を有し、前記一本鎖捕獲ヌクレオチド配列が1cmの固体支持体表面あたり少なくとも4つの一本鎖捕獲ヌクレオチド配列の密度を有して、アレイに従って固体支持体の表面上に配置されているキット。
  29. 捕獲ヌクレオチド配列が、検出および/または定量されるヌクレオチド配列エレメントP35s、T−nos、nptII、pat、Cry1AbおよびEPSPSについて特異的な以下の配列を含む請求項28に記載の診断キット:
    この場合、捕獲ヌクレオチド配列Cry1Ab−1はBT176に対して特異的であり、Cry1Ab−2はMon 8110に対して特異的であり、Cry1Ab−3はBT11に対して特異的であり、捕獲ヌクレオチド配列EPSPS7はGA1に対して特異的であり、EPSPS8はRRSに対して特異的である。
  30. 異なる遺伝子エレメントの検出および/または同定および生物の特定において得られる実験結果の分析のためのコンピュータプログラムの形の手段を含む請求項28に記載の診断キット。
  31. 検出される可能性がある生物の遺伝子エレメントの組成を有するデータバンクを含む請求項28に記載の診断キット。
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