JP2006345412A - スペクトル拡散受信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スペクトル拡散受信装置において、干渉低減のために必要な自己相関値を得るべき時刻位置に関する制約を払拭すること。
【解決手段】遅延プロファイルに基づいて所定の重み付け信号が制御部12で生成され、合成手段16は、所望信号を得るためのタイミング位置である所定第1のタイミングにて逆拡散した第1の逆拡散信号および所定第1のタイミングとは異なる所定第2のタイミングにて逆拡散した第2の逆拡散信号のそれぞれに制御部12が生成した所定の重み付け信号を乗じて加算する。その際、制御部12は、3つ以上のマルチパス信号からなるマルチパス群を受信する場合に、マルチパス群に含まれるマルチパス信号のうち最も早く到来するマルチパス信号と最も遅く到来するマルチパス信号との間の到来時間外のタイミング位置で得られる逆拡散信号を用いて所望信号に含まれる干渉成分の低減を行うための所定の重み付け信号を生成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、スペクトル拡散(Spread Spectrum:SS)受信装置に関するものであり、特に、マルチパス環境下に好適なスペクトル拡散受信装置に関するものである。
スペクトル拡散通信という技術は、古くは軍用通信から始まり、近年では第3世代移動通信の標準化方式の一つであるW−CDMA(Wideband−Code Division Multiple Access)方式に採用されるなど、長期に渡り無線通信の一方式として広く使用されている。
スペクトル拡散通信では、1情報ビットを複数の高速のチップからなる拡散符号によって伝送するため、信号伝送帯域がこの拡散符号チップの帯域幅まで拡散された後に伝送される。拡散された信号(以下「拡散信号」という)の帯域は情報信号の例えば100倍や1000倍の帯域幅を有しているため、時間領域では情報信号の例えば1/100あるいは1/1000の時間分解能を有していることと等価になる。そのため、拡散信号の受信においては、当該時間分解能の時間幅を超えて遅れて到来する遅延波を分離することができ、これらの分離された遅延波(マルチパス波)をそれぞれ検波した後に重みをつけて合成するRake(レイク)受信と呼ばれ受信手法がよく用いられる。なお、Rake受信における「Rake」とは「熊手」の意味であり、このRake受信では、到来する遅延波のタイミングを計る手段(サーチ手段)によって検出された各マルチパス波の位置における逆拡散処理によって各マルチパス波が分離され、分離された逆拡散信号を熊手のように掻き集めた後に伝送情報の復調が行われる。
スペクトル拡散通信で用いられる拡散符号は、正しいタイミング以外で逆拡散を行うと直交性が崩れて0でない相関値が生じ、この成分が所望の逆拡散値に対する干渉成分となって通信の品質を劣化させる要因となる。この要因のため、複数のマルチパス成分の存在下において、その中の一つのマルチパス成分を逆拡散する場合には、他のマルチパス成分からの干渉が必然的に生ずることになる。一方、Rake受信では、複数のマルチパス成分を合成することでパスダイバーシチ受信が実現される。したがって、スペクトル拡散通信方式におけるRake受信では、正しいタイミング以外で行った逆拡散に基づく干渉成分が受信信号に含まれることになり、受信品質を示すSIR(信号電力対干渉電力比)が劣化することになる。
かかる背景技術の下、上述したようなスペクトル拡散通信の受信時に生ずるマルチパス干渉成分を除去するための技術を開示した公報が存在する(例えば、特許文献1)。この特許文献1に示される技術では、マルチパスのパスタイミングを検出する手段と、そのパスタイミングを逆拡散タイミングとして設定し、任意の2つのパスの間の遅延時間分だけ、一方のパスタイミングを中心に、他方のパスタイミングと対称の位置の2つのタイミングを逆拡散タイミングとして、2つのパスの組み合わせのすべてに対して設定する手段と、設定された各タイミングに対応して受信信号の逆拡散信号を求める複数の手段と、複数の手段の出力を合成する手段を備えることで、マルチパス干渉の抑圧を可能としたスペクトラム拡散通信方式におけるRake受信技術を開示している。
しかしながら、特許文献1に示されるマルチパス干渉成分の抑圧法では、例えば、同一時間差で3つ以上のマルチパスが到来していて、干渉抑圧のために必要な自己相関値を得るべき時刻位置(上記の言葉を借りれば「一方のパスタイミングを中心に他方のパスタイミングと対称の位置」)にマルチパスが存在しているときには「干渉量を低減できない場合があり得る」という主旨の内容が下記非特許文献1にて言及されている。
特開2003−133999号公報 長谷川、清水:"直接拡散信号の相関を利用したMIXR係数の検討"、電子情報通信学会 2003年 ソサイエティ大会予稿集、B−5−45、2003−09.
一般的に、スペクトル拡散受信装置において、上述のような干渉抑圧処理を実現するためには、データ復調のために必要な逆拡散回路の他に、干渉抑圧のための相関値を算出する逆拡散回路や、その逆拡散結果を合成する合成回路などが受信装置に到来するマルチパスの数に応じて増えたり、回路規模が大きくなったりするため、特に移動体通信などの下りリンクの受信装置、すなわち無線通信システムにおける移動局あるいはその端末において、その実現や実装が簡単ではなかった。
また、上記の非特許文献1で言及されているように、上記の特許文献1において開示されている干渉抑圧法では、到来するマルチパスの時間的位置が、干渉抑圧のための必要な自己相関値(逆拡散結果)を得るべき時間位置、あるいは、その近傍に配される場合には十分な効果が得られない場合があるといった問題点があった。
一方、一般的に、干渉抑圧機能を受信装置側で実現する場合には、当該機能を実現する回路規模が膨大となったり、実現回路における複雑な動作を実施させるために消費電流が大きくなったりするなどの実装・実用化に向けた問題点があった。特に、消費電流の増大は、携帯端末などの使用時間の短縮に直結するため、死活的な問題点となるおそれがあった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、干渉低減のために必要な自己相関値を得るべき時刻位置に関する制約を払拭することができるスペクトル拡散受信装置を実現することを目的とする。また、干渉の低減効果を増大させつつ、回路規模の増加を局限あるいは削減したスペクトル拡散受信装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかるスペクトル拡散受信装置は、マルチパス信号の遅延プロファイルと該マルチパス信号を所定のタイミングで逆拡散した逆拡散信号とに基づいて該マルチパス信号に含まれる干渉成分を低減するマルチパス干渉低減手段を具備するスペクトル拡散受信装置において、前記マルチパス干渉低減手段は、所望信号を得るためのタイミング位置である所定第1のタイミングにて逆拡散した第1の逆拡散信号および該所定第1のタイミングとは異なる所定第2のタイミングにて逆拡散した第2の逆拡散信号のそれぞれに所定の重み付け信号を乗じて加算する合成手段と、前記遅延プロファイルに基づいて前記所定の重み付け信号を生成出力する制御手段と、を備え、前記制御手段は、3つ以上のマルチパス信号からなるマルチパス群を受信する場合に、該マルチパス群に含まれるマルチパス信号のうち最も早く到来するマルチパス信号と最も遅く到来するマルチパス信号との間の到来時間外のタイミング位置で得られる逆拡散信号を用いて、所望信号に含まれる干渉成分の低減を行うことを特徴とする。
本発明にかかるスペクトル拡散受信装置によれば、所望信号を得るためのタイミング位置である所定第1のタイミングにて逆拡散した第1の逆拡散信号および所定第1のタイミングとは異なる所定第2のタイミングにて逆拡散した第2の逆拡散信号のそれぞれに所定の重み付け信号が乗算された加算され、3つ以上のマルチパス信号からなるマルチパス群を受信する場合に、マルチパス群に含まれるマルチパス信号のうち最も早く到来するマルチパス信号と最も遅く到来するマルチパス信号との間の到来時間外のタイミング位置で得られる逆拡散信号を用いて所望信号に含まれる干渉成分の低減を行うようにしているので、干渉抑圧のために必要な自己相関値を得るべき時刻位置に関する制約が払拭されるという効果を奏する。
以下に、本発明にかかるスペクトル拡散受信装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
[装置の構成]
まず、本発明の実施の形態1にかかるスペクトル拡散受信装置の構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態1にかかるスペクトル拡散受信装置の構成を示すブロック図である。同図に示すスペクトル拡散受信装置は、アナログ・ディジタル変換部(以下「A/D変換部」という)100、サーチ部11、制御部12、フィンガ部40、合成部16および復調部6を備えるように構成される。また、A/D変換部100は、アナログ・ディジタル変換器(以下「A/D変換器」という)10を備え、フィンガ部40は、複数の逆拡散部14(141,142,143)を備え、合成部16は、逆拡散部14に対応した複数の複素乗算器50(501,502,503)および複素加算器51を備えている。なお、同図の例では、3つの逆拡散部141,142,143と、これらに対応した3つの複素乗算器501,502,503とを備える構成を示したが、逆拡散部14および複素乗算器50の数については任意であり、想定されるマルチパス数に基づいて、1以上の逆拡散部および、当該逆拡散部に対応した複素乗算器を具備するように構成することができる。
[装置の動作]
つぎに、図1に示したスペクトル拡散受信装置の動作について説明する。図1において、図示を省略した受信アンテナおよびアナログ復調部からベースバンド信号に変換された受信アナログ信号がA/D変換器10に入力される。A/D変換器10では、入力された受信アナログ信号がディジタル信号に変換される。なお、A/D変換器10の出力以降は全てディジタル処理が行なわれる。サーチ部11では、A/D変換器10から出力されたアナログ・ディジタル変換出力(以下「A/D変換出力」という)に基づいて受信(アナログ)信号の遅延プロファイルが測定され、その測定結果が制御部12に出力される。制御部12では、サーチ部11が測定した遅延プロファイルに基づいて各マルチパスに対応するタイミング信号が生成されてフィンガ部40に出力されるとともに、Rake合成時の各逆拡散出力に付与する複素重み信号が生成されて合成部16に出力される。なお、制御部12からフィンガ部40に出力されるタイミング信号は、入力された遅延プロファイルの結果に基づいて検出されたマルチパスの各位置や、算出された干渉成分抑圧のための逆拡散位置などに基づいて生成され、フィンガ部40内に存在する逆拡散部14のいずれかに所定のタイミングで出力される。フィンガ部40では、逆拡散部14にて、制御部12から指示されたタイミングでA/D変換出力に対する逆拡散処理が行われ、その処理結果が合成部16に出力される。合成部16では、フィンガ部40から出力された各フィンガ出力と、制御部12から付与された制御重み信号とが複素乗算器50にて乗算された後に複素加算器51で合成され、復調部6へ出力される。復調部6では、情報変調が解かれ(すなわち復調され)、送信データの推定(判定)が行われる。
[従来技術の問題点]
つぎに、従来技術における問題点について説明する。図2は、特許文献1に示されたマルチパス成分の抑圧原理を説明するための図であり、図3は、図2に示したマルチパス成分の抑圧原理の問題点を説明する図である。
図2では、横軸を時間、縦軸を逆拡散出力レベル(電力)として、マルチパスの合計数が2である場合の2波モデルの場合を一例として図示している。具体的には、同図の(a)では、時間差がτである時刻A,Bの各位置に、それぞれの伝送路状態値(複素数で表現できる)αおよびβで到来するマルチパス波(成分)を示している。これらの2つのマルチパス波をRake受信する場合、時刻A,Bの各位置(タイミング)で逆拡散を行い、その逆拡散出力である受信ベクトルを合成した後にデータ復調を行うことになるが、逆拡散の際、各マルチパス成分は互いに干渉成分を与えることになる。同図(b)では、時刻Aのタイミングで逆拡散する場合に、時間差τで到来するマルチパスBから受ける干渉成分を示している。いま、+τの時間差によって生じる拡散符号の自己相関値をI1とすると、時刻Aでの逆拡散結果に与えられる干渉量IAは次式で表現される。
A=β・I1 ・・・(1)
また、図2(c)に示すような時刻A’のタイミングで逆拡散を行う場合について考えると、この位置にはマルチパス波は存在しないため、時刻A,Bからの自己相関値のみが現われることになる。このとき、マルチパスAから受ける自己相関値は時間差+τのずれのためI1と表わされる。また、マルチパスBから受ける干渉は+2τのずれのため、このずれによって生じる拡散符号の自己相関値をI2と表わすとすれば、時刻A’の位置で受ける干渉量IA'は次式で表現される。
A'=α・I1+β・I2 ・・・(2)
上記の特許文献1では、式(2)に示される干渉量IA'に適切な変数を乗じたものを式(1)に示される干渉量IAに加算することにより、マルチパス成分による干渉電力を低減するようにしている。
上述の図2の例では、マルチパス干渉成分を算出するためのタイミングをマルチパスAからτだけ戻した(過去である)時刻A’の位置とする場合を示した。また、図3(b)に示されるような、同図(a)に示すマルチパスBからτだけ進んだ(τ経過後の)時刻B’の位置においても、時刻A’のときと同様に、干渉抑圧のための自己相関値を得ることが可能となる。
しかしながら、例えば同一時間差で3つ以上のマルチパスが到来するような場合(図3(c)の例では同一時間差の4つのマルチパスが到来する場合を例示)には、干渉抑圧のために必要な自己相関値のみを得ることができない場合が存在することになる。なぜなら、同図(c)において、例えば、マルチパスBが与えるマルチパス干渉成分を算出するための時刻Aまたは時刻Cには他のマルチパス成分が存在しているので、干渉抑圧に必要なマルチパスBが与えるマルチパス干渉成分のみを算出することができない。同様に、マルチパスCが与えるマルチパス干渉成分を算出する場合についても、時刻Bまたは時刻Dに他のマルチパス成分が存在しているので、干渉抑圧に必要なマルチパスCが与えるマルチパス干渉成分のみを算出することができない。このように、特許文献1に示される手法では、干渉量が低減できない場合が存在することになる。
[実施の形態1にかかる干渉抑圧原理]
つぎに、本発明の実施の形態1にかかる干渉抑圧原理について説明する。図4は、本発明の実施の形態1にかかる干渉抑圧原理を説明するための図である。
図4(a)は、図1に示されたスペクトル拡散受信装置の動作を特徴づける遅延プロファイルとして、時刻A,B,Cの3つの時間位置に時間差τで等間隔に並ぶ、伝送路状態値α、β、γ(いずれも複素数で表記)で到来する3パスモデルにおける遅延プロファイルの一例を示している。このような遅延プロファイルの場合、上記特許文献1に示された干渉抑圧処理を適用すると、マルチパスAについては同図(b)における時刻A’または時刻Bの位置に、マルチパスBについては同じく時刻Aまたは時刻Cの位置に、マルチパスCについては同じく時刻Bまたは時刻C’の位置に、自己相関値を得るための逆拡散タイミングをそれぞれ用意しなければならない。
例えば、時刻A’,C’の各位置にはマルチパス成分が存在しないため、これら2つのタイミングのいずれかに基づいて干渉抑圧に必要なマルチパス干渉成分の望ましい自己相関値を得ることができる。しかしながら、時刻A,Cの各位置にはマルチパスが存在するため、マルチパスBについては、干渉抑圧に必要なマルチパス干渉成分の望ましい自己相関値を得ることができない。
ところが、3つのマルチパスの時間間隔がいずれもτであることを利用すれば、干渉抑圧に必要なマルチパスBにかかるマルチパス干渉成分の望ましい自己相関値を得ることができる。例えば、マルチパスBの干渉抑圧処理に必要な時刻Aまたは時刻Cの位置から得る必要のある自己相関値は、それぞれ時刻A’または時刻C’の位置から得られるものと伝送路状態値を除けば同じである。したがって、マルチパスBの干渉抑圧処理に必要な時刻Aまたは時刻Cの位置における自己相関値は、時刻A’または時刻C’の位置において得られたそれぞれの自己相関値で代用することができる。その結果、これら3つのマルチパス伝送路を通して受信されるスペクトル拡散信号のRake合成結果の品質を向上させることができ、復調後のSIR値を増大させることが可能となる。
なお、例えば、マルチパスBの干渉抑圧処理に必要な時刻A’の位置での自己相関値を表す式(2)におけるα,βをそれぞれβ,γに置換して算出し、これらの置換処理によって算出された自己相関値を用いるようにすれば、時刻Aまたは時刻Cの位置における自己相関値を時刻A’または時刻C’の位置において得られたそれぞれの自己相関値で代用する場合に比して、マルチパスBの干渉抑圧処理をより精度よく行うことができ、復調後のSIR値をさらに増大させることが可能となる。
また、この実施の形態では、時刻A,B,Cの3つの時間位置に時間差τで等間隔に並ぶような3パスモデルにおける遅延プロファイルを一例として説明したが、必ずしも等間隔に並ぶような遅延プロファイルに限定されるものではない。例えば、図4(a)に示す例において、時刻Aと時刻Bとの時間差をτ1とし、時刻Bと時刻Cとの時間差をτ2とするとき、時刻Bから時刻Aの方向にτ2だけ戻した時間位置近傍にマルチパスAが存在しているので、マルチパスAの影響を受け易くなる。したがって、3つ以上の任意のマルチパス成分からなるマルチパス群を受信する場合にも、上述のような自己相関値の代替取得処理、すなわち、マルチパス群に含まれるマルチパスの中で、最も早く到来するマルチパスと最も遅く到来するマルチパスの間のマルチパス到来時間の範囲以外に時間的に位置するタイミングで得られたマルチパス干渉成分を用いた干渉抑圧処理が有効となる。
以上説明したように、この実施の形態のスペクトル拡散受信装置によれば、マルチパスの時刻位置と干渉抑圧処理のために必要な自己相関値を得るための時刻位置とが重なる場合であっても、代替タイミングにおいて自己相関値を得ることで、従来の干渉抑圧を行うことが可能となる。
実施の形態2.
[装置の構成]
図5は、本発明の実施の形態2にかかるスペクトル拡散受信装置の構成を示すブロック図である。同図に示すスペクトル拡散受信装置は、図1に示した実施の形態1の構成において、図示を省略した第2の受信アンテナである受信アンテナ2および受信アンテナ2に接続される第2のアナログ復調部からの出力である受信アナログ信号2が入力されるA/D変換器18を追加してA/D変換部100とし、サーチ部11が、A/D変換器10,18の各出力に基づいて遅延プロファイルを測定するとともに、フィンガ部40に備えられる逆拡散部14が、複数の受信アンテナに対応したA/D変換器10,18の各A/D変換出力を制御部12からの制御により選択して逆拡散を行うように構成されている点に特徴を有している。なお、その他の構成については、実施の形態1の構成と同一あるいは同等であり、これらの部分には、同一符号を付して示している。
[実施の形態2にかかる干渉抑圧原理]
つぎに、本発明の実施の形態2にかかる干渉抑圧原理について説明する。図6は、本発明の実施の形態2にかかる干渉抑圧原理を説明するための図である。
図6(a)は、図5に示されたスペクトル拡散受信装置の動作を特徴づける遅延プロファイルとして、時間差τの間隔の時刻A,Bの各時間位置に2つのマルチパスが到来するとともに、2つの受信アンテナごとに異なる伝送路状態値(時刻A:α1,α2、時刻B:β1,β2)でそれぞれ到来する2パスモデルにおける遅延プロファイルの一例を示している。
複数の受信アンテナを有するスペクトル拡散受信装置では、受信アンテナごとに遅延プロファイルを算出するとともに、受信アンテナごとに逆拡散部14を個々に割り当てることが一般的に行われる。その一方で、サーチ部11では検波・復調用とは異なりより長い時間の平均処理(長時間変動を観測するため、すなわち短区間中央値変動や瞬時値変動などのフェージングに起因する要因を除去するための平均処理)を行って遅延プロファイルを獲得することが一般的であり、図6(a)に示される遅延プロファイルは、受信アンテナによらず(同一の基地局に対しては)ほぼ同一と見なすことができる。その結果、複数の受信アンテナそれぞれの遅延プロファイルはほぼ同等であるとの仮定の下、受信アンテナごとに逆拡散部14を個々に割り当てることなく複数の受信アンテナ出力を合成することで、良好なダイバーシチ利得を得ることができる。また、このように構成することで、干渉抑圧に必要な回路規模を削減することができる。なお、図5に示したスペクトル拡散受信装置には、このような考え方が適用されている。
すなわち、図5に示したスペクトル拡散受信装置において、上述の特許文献1に基づく干渉抑圧処理を行う場合、時刻Aの位置については図6(b)における時刻A’の位置において自己相関値を得る必要があり、また、時刻Bの位置については同図(b)における時刻B’の位置において自己相関値を得る必要がある。これらの2つの時刻で得られる自己相関値は、これら2つのマルチパスの間隔が受信アンテナによらずτであることから、時刻A,Bの各位置における複素伝送路状態値:αi,βi(添字iは受信アンテナ番号)が異なることを除いて同一条件であるため、時刻A’,B’の各位置で得られる自己相関値を各受信アンテナにおける干渉抑圧の処理に共用させることが可能となる。この自己相関値の共用により、干渉抑圧に必要な逆拡散部14の数を、受信アンテナの数だけ用意する必要はなく、常に一揃いのフィンガ部40を用意し、一つの受信アンテナのみから自己相関値を算出して、それぞれの受信アンテナ出力に適用させることが可能となる。
以上説明したように、この実施の形態のスペクトル拡散受信装置によれば、受信アンテナ数を増加させてダイバーシチ利得を得る場合であっても、受信アンテナの数にかかわらず常に一組の逆拡散部を干渉抑圧用の自己相関値の獲得に共用させることができるので、回路規模の増大を抑えつつ、好適なマルチパス干渉抑圧を行うことができる。
実施の形態3.
上述の実施の形態1,2では、受信装置に到来するマルチパス干渉成分が全てその受信装置に有用であるものとして、それらのマルチパス成分を合成する受信装置の構成と動作の例を示したが、一般に、当該の受信装置に対して全く不要な成分が到来する場合がある。このような場合の例としては、同一の無線帯域幅において、別の拡散符号を用いて別個の無線送受信が行われている場合に、その送信電力が当該受信装置に到来するとその到来波が全て干渉となるような場合である。この場合、この到来波は当該受信装置において不要波であるため、除去されるかレベルが低減されることが望まれるが、上記の実施の形態2のように受信アンテナを複数有する場合には、その特徴を用いて実施の形態1および2とは異なる手法でマルチパス干渉抑圧を行うことができる。
[装置の構成]
図7は、本発明の実施の形態3にかかるスペクトル拡散受信装置の構成を示すブロック図である。同図に示すスペクトル拡散受信装置は、A/D変換部100、サーチ部11、制御部12a、乗算部60、フィンガ部70および復調部6を備えるように構成される。また、A/D変換部100は、実施の形態2と同様にA/D変換器10,18を備え、乗算部60は、A/D変換出力に対応した複素乗算器61(611,612)を備え、フィンガ部70は、乗算部60の複素乗算器61に対応した複数の逆拡散部71(711,722)および複素加算器72を備えている。すなわち、この実施の形態のスペクトル拡散受信装置は、A/D変換部100の出力側(フィンガ部70の入力側)において複素重み付け処理が行われるところに特徴がある。なお、同図の例では、2つのA/D変換器10,18と、これらに対応した2つの複素乗算器611,612および2つの逆拡散部711,712とを備える構成を示したが、A/D変換器の数(すなわち受信アンテナの数)については任意であり、所望波を逆拡散処理する際に同時に除去したい不要波の数に基づいて、2以上の任意数のA/D変換器(受信アンテナ)および、当該A/D変換器に対応した複素乗算器および逆拡散部を具備するように構成すればよい。
[実施の形態3にかかる干渉抑圧原理]
つぎに、本発明の実施の形態3にかかる干渉抑圧原理について説明する。図8は、本発明の実施の形態3にかかる干渉抑圧原理を説明するための図である。なお、到来波(信号)の信号モデルとしては、説明の簡単化のため、所望波(信号)の拡散符号(コード)と干渉波(信号)となる拡散符号(コード)とがそれぞれ単一のパスで2つの受信アンテナに到来する1パスモデルを仮定する。なお、所望コードおよび干渉コードの各伝送路状態値をそれぞれαi、μi(添字iは受信アンテナ番号)とする。
図8(a)は、受信アンテナごとの所望コードおよび干渉コードの各伝送路状態値を複素平面上に表現した一例を示している。各受信アンテナに到来している干渉コード成分は、所望コードの逆拡散出力において干渉成分として現われるため、干渉コード成分の存在は復調信号の信号品質を低下させることになる。
一方、図7に示したような複数の受信アンテナを有している場合には、干渉コードに関する受信アンテナごとの複素平面上のベクトル情報(大きさ、方向)が明らかであれば、干渉コード成分の除去または低減が可能となる。具体的には、以下に示すような処理を行えばよい。
(ア) まず、各受信アンテナで受信される所望コードおよび干渉コードの伝送路状態値(αi,μi)を算出する。
(イ) 干渉コード成分を除去するように各受信アンテナで算出された伝送路状態値を他の受信アンテナの出力に乗じて加算する(すなわち、μ1にはμ2を、μ2には−μ1をそれぞれ乗じて加算する)。
このとき、干渉コード成分は互いに打ち消しあい、所望コード成分は2つの合成した結果の成分が現れることになる(図8(b)参照)。
(ウ) その後、この所望コードの合成成分の伝送路状態値の複素共役値を乗ずるなどして所望コード成分を復調する。
つぎに、上記の(ア)〜(ウ)の処理を図7に示した各構成部に照らして説明する。まず、上記(ア)の処理は、サーチ部11によって実現される。また、上記(イ)の処理は、制御部12a、乗算部60およびフィンガ部70によって実現される。また、上記(ウ)の処理は、復調部6によって実現される。なお、上記(イ)の処理では、各A/D変換器出力に基づいて、遅延プロファイルの生成処理、伝送路状態値の乗算処理、逆拡散処理および加減算処理などが行われるが(図8(a),(b)の各図参照)、これらの処理は、A/D変換出力をサーチ部に分岐させた後に行われるので、これらの処理によって遅延プロファイルが影響を受けることはない。
なお、干渉コードの情報は、例えば、W−CDMAなどの携帯電話システムであれば、端末自身が通信相手としている自基地局との通信を行いながらサーチ部の機能に基づいて端末自身で獲得することができ、また、自基地局との接続における下り制御情報などからも得ることができる。
以上説明したように、この実施の形態のスペクトル拡散受信装置によれば、受信アンテナを複数用意して他の干渉コードからの到来波を除去後に所望コード成分を逆拡散および復調するようにしているので、復調後の受信品質を向上させることができる。
なお、この実施の形態のスペクトル拡散受信装置では、2つの受信アンテナの出力を用いて、1つの干渉コード成分を除去する手法について説明したが、N個の受信アンテナと、このN個の受信アンテナの出力を複素乗算後加算する手段とを有していれば、理論的に最大でN−1個の干渉コード成分を除去または低減することができる。すなわち、受信アンテナ数が十分ある場合には、干渉コード成分の多くを除去または低減させることができる。
実施の形態4.
上述の実施の形態3では、受信アンテナを複数用意して他の干渉コードで変調された到来波を除去後に所望コード成分を逆拡散および復調するようにしていた。一方、この実施の形態のスペクトル拡散受信装置は、受信アンテナを複数用意して他の干渉コードからの到来波を除去することは同一であるが、他の干渉コードからの到来波を除去する処理を逆拡散処理が施された後に行う点が、実施の形態3のスペクトル拡散受信装置との相違点である。
[装置の構成]
図9は、本発明の実施の形態4にかかるスペクトル拡散受信装置の構成を示すブロック図である。同図に示すスペクトル拡散受信装置は、図5に示した実施の形態2にかかるスペクトル拡散受信装置の構成と同一であり、実施の形態2のスペクトル拡散受信装置と同一構成を用いて実現することができる。ただし、実施の形態3と同様に、他の干渉コードからの到来波を除去するための制御処理が行われ、実施の形態2にかかる制御部とは異なる機能を有するので、制御部の符号については異なる符号を用いて示している。なお、到来波の信号モデルとしては、実施の形態3と同様に、所望波の拡散コードと干渉波の拡散コードとがそれぞれ単一のパスで到来する1パスモデルを仮定する。なお、このような1パスモデルの場合、逆拡散部143および複素乗算器503については、特に使用する必要がないので、波線で示している。
[実施の形態4にかかる干渉抑圧原理]
つぎに、本発明の実施の形態4にかかる干渉抑圧原理について説明する。実施の形態3の処理では、図8に示すような干渉コードの除去処理をA/D変換出力に対して行っていたが、この実施の形態における干渉コードの除去処理は、同様な処理をフィンガ部40の各逆拡散出力に対して行えばよい。なお、具体的には、以下に示すような処理を行えばよい。
(ア) まず、各受信アンテナで受信される所望コードおよび干渉コードの伝送路状態値(αi,μi)を算出する。
(イ) 一の逆拡散部の出力に対応する伝送路状態値を他の逆拡散部の出力に乗じて加算する(すなわち、μ1にはμ2を、μ2には−μ1をそれぞれ乗じて加算する)。
(ウ) 所望コードの合成成分の伝送路状態値の複素共役値を乗じて所望コード成分を復調する。
ところで、上述したように、伝送路状態値の乗算処理および加減算処理について、実施の形態3ではA/D変換出力に対して行っているのに対し、この実施の形態では逆拡散出力に対して行っている。このような処理が可能となる理由は、逆拡散部で行われる逆拡散処理が線形操作(処理)であり、逆拡散処理の前後で伝送路状態値の位相情報が喪失されないという性質を利用している。なお、逆拡散処理後に行う場合には、実施の形態1および2の処理と併用することができるので、複数の処理の複合効果で復調後の受信品質をさらに向上させることができる。
以上説明したように、この実施の形態のスペクトル拡散受信装置によれば、受信アンテナを複数用意して他の干渉コードからの到来波を除去後に所望コード成分を復調するようにしているので、復調後の受信品質を向上させることができる。
なお、この実施の形態のスペクトル拡散受信装置では、2つの受信アンテナの出力を用いて、1つの干渉コード成分を除去する手法について説明したが、実施の形態4と同様に、N個の受信アンテナと、このN個の受信アンテナの出力を複素乗算後加算する手段とを有していれば、理論的に最大でN−1個の干渉コード成分を除去または低減することができる。すなわち、受信アンテナ数が十分ある場合には、干渉コード成分の多くを除去または低減させることができる。
実施の形態5.
上述の実施の形態3および4では、受信パス数が所望コードおよび干渉コードからそれぞれ一つの場合における例を示したが、反射波を含む一般的なマルチパス伝送路の場合にも、実施の形態3,4と同様な手段および手法に基づいて、干渉コードで変調されたパスを抑圧することができる。装置構成については、図7に示した装置構成(実施の形態3)や、図9に示した装置構成(実施の形態4)のいずれを用いてもよい。なお、以下の説明では、図7に示した実施の形態3にかかる装置構成に基づいて説明する。
[実施の形態5にかかる干渉抑圧原理]
つぎに、本発明の実施の形態5にかかる干渉抑圧原理について説明する。図10は、本発明の実施の形態5にかかる干渉抑圧原理を説明するための図である。なお、到来波の信号モデルとしては、同図(a)に示すように、所望コードおよび干渉コードのそれぞれで変調された到来波が2波ずつ、それぞれτ1およびτ2の時間差で到来する2パスモデルを仮定する。また、所望コードで変調された到来波の伝送路状態値を、時間差τ1の時刻A,Bの各位置においてそれぞれαi,βiとし、一方、干渉コードで変調された到来波の伝送路状態値を、時間差τ2の時刻M,Nの各位置においてそれぞれμi,νi(添字iは受信アンテナ番号を示す)とする。
実施の形態3では、干渉コードの到来パス数は一つであったため、2つの受信アンテナそれぞれで受信される伝送路状態値の大きさを揃えて逆向きに加算することで所望コードへの影響(干渉量)を除去または低減するようにしていた。一方、干渉コード成分として到来する複数のパスのうち、最もレベルの大きいものを逆向き加算の対象とすれば、所望コードにおける受信品質の改善度が大となる。
図10(b)は、同図(a)に示した所望コードおよび干渉コードの各パスを時刻Aのタイミングで逆拡散する場合の出力に現われる成分を受信アンテナおよび各コード別に複素平面上に示している。同図(b)において、SFは拡散率であり、IBAは時間差が+τ1の場合の所望コードの自己相関値であり、JMAは時刻Mに位置する干渉コードが時刻Aに位置する所望コードに与える相互相関値であり、JNAは時刻Nに位置する干渉コードが時刻Aに位置する所望コードに与える相互相関値である。
図10(a)に示す例では、干渉コードのマルチパス成分のうちでレベルが最も高いものは時刻Mの位置にあるマルチパス成分であり、その伝送路状態値μiを実施の形態3の例と同様に互いの受信アンテナから得られる相関値出力に乗じて両受信アンテナ成分を加算する(すなわち、μ1にはμ2を、μ2には−μ1をそれぞれ乗じて加算する)ようにすれば、同図(c)のように時刻Mの位置に存在していたマルチパス成分による相互相関値(JMA)は打ち消され、時刻Aのタイミングで逆拡散する場合の干渉成分を低減させることができる。なお、その後の処理は、自身の伝送路状態値の複素共役値を乗じることで、所望コード成分復調することができる。
以上説明したように、この実施の形態のスペクトル拡散受信装置によれば、所望コードおよび干渉コードが複数パスを通じて到来する場合であっても、受信アンテナを複数用意して他の干渉コードからの到来波のうち最大レベルのものを除去した後に所望コード成分を復調または逆拡散・復調することで、復調後の受信品質を向上させることができる。
実施の形態6.
上述の実施の形態5では、所望コードおよび干渉コードが複数パスを通じて到来する場合に、受信アンテナを複数用意して干渉コードの最大レベルの到来波を逆相加算することで干渉抑圧を行う例を示したが、より簡易な手段に基づいて、他の干渉コードで変調されたパスを抑圧することができる。装置構成については、実施の形態4と同様に、図7に示した実施の形態3の装置構成や、図9に示した実施の形態4の装置構成のいずれかを用いることができる。なお、以下の説明では、図7に示した実施の形態3にかかる装置構成に基づいて説明する。
[実施の形態6にかかる干渉抑圧原理]
つぎに、本発明の実施の形態6にかかる干渉抑圧原理について説明する。図11は、本発明の実施の形態6にかかる干渉抑圧原理を説明するための図である。なお、到来波の信号モデルとしては、実施の形態5と同様に、所望コードおよび干渉コードのそれぞれで変調された到来波が2波ずつ、それぞれτ1およびτ2の時間差で到来する2パスモデルを仮定する。なお、図11(a)には、図10(b)に示した複素平面を再掲している。
実施の形態5では、干渉コードの最大レベルの到来波を逆相加算して干渉成分を低減させるようにしていたが、この実施の形態では、予め想定される複数の位相回転量を一方の受信アンテナから得られる逆拡散後の成分に対して付与した後に他方の受信アンテナ成分と合成(加算)し、それらの複数の合成結果の受信品質をそれぞれ測定するとともに、その受信品質が最大となる位相回転量を選択して復調する。例えば、図11(b)には、受信アンテナ2の出力に対する90°単位の4通りの位相回転量が複数の候補として選択され、当該4通りの位相回転量に基づいて合成された後の4通りの出力が複素平面上に示されている。
この4通りの出力結果の中で、どの出力を選択するかについては、例えば、合成後の所望コード成分(「(α1+α2)・SF」)のレベルと、合成後の干渉コード成分(「(β1+β2)・IBA」,「(μ1+μ2)・JMA」,「(ν1+ν2)・JN、」)の絶対値二乗の総和の平方根のレベルとのレベル比が大きいものを選択すればよい。また、例えば、位相回転量を0°として受信アンテナ間合成を行った場合が最良の品質を示すものとすれば、位相回転を行わずに受信アンテナ間合成を行なった結果を選択して、その後の復調処理を行えばよい。なお、位相回転量に基づいて受信品質を測定するための受信品質測定手段としては、例えば、図9に示す構成であれば、制御部12bの内部に設けてもよいし、制御部12bの外部に設けてもよい。また、この場合、合成部16に出力する逆拡散部14の各出力を分岐して制御部12または制御部12bの外部に設けられた受信品質測定手段に出力すればよい。また、複数候補の位相回転量のうちから所望の位相回転量を選択する選択手段についても、受信品質測定手段と同様に、制御部12bの内部または外部に設けることができる。
なお、この実施の形態においては、複数の位相回転量として90°単位の4つの例を示したが、より詳細な回転量単位を用いてより多くの選択肢から選択できるようにしてもよい。また、この実施の形態では、上記の実施の形態4と比較して、干渉コードの伝送路推定値を用いた処理を行っていないため、例えば受信装置が高速移動するような伝送路変動が大きい場合であっても安定した演算処理を行うことが可能となる。さらに、本実施の形態と実施の形態4とが併用可能な構成とし、受信装置の移動速度や伝送路変動の速度を検出するとともに、これらの検出速度に基づいて両者の処理部を切替制御することにより種々の状況に適応可能な受信装置として構成することもできる。
以上、以上説明したように、この実施の形態のスペクトル拡散受信装置によれば、所望コードおよび干渉コードが複数パスを通じて到来する場合であっても、受信アンテナを複数用意して複数の位相回転量における受信アンテナ間成分の合成結果から、品質の良好なものを選択して復調することにより、復調後の受信品質を向上させることができる。
以上のように、本発明にかかるスペクトル拡散受信装置は、干渉量を効果的に低減することができる受信装置として有用であり、特に、干渉の低減効果を増大させつつ、回路規模の増加を局限あるいは削減したい場合などに適している。
本発明の実施の形態1にかかるスペクトル拡散受信装置の構成を示すブロック図である。 特許文献1に示されたマルチパス成分の抑圧原理を説明するための図である。 図2に示したマルチパス成分の抑圧原理の問題点を説明する図である。 本発明の実施の形態1にかかる干渉抑圧原理を説明するための図である。 本発明の実施の形態2にかかるスペクトル拡散受信装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態2にかかる干渉抑圧原理を説明するための図である。 本発明の実施の形態3にかかるスペクトル拡散受信装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態3にかかる干渉抑圧原理を説明するための図である。 本発明の実施の形態4にかかるスペクトル拡散受信装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態5にかかる干渉抑圧原理を説明するための図である。 本発明の実施の形態6にかかる干渉抑圧原理を説明するための図である。
符号の説明
6 復調部
10,18 A/D変換器
11 サーチ部
12,12a,12b 制御部
14,141,142,143,71,711,712 逆拡散部
16 合成部
40,70 フィンガ部
50,501,502,503,61,611,612 複素乗算器
51,72 複素加算器
60 乗算部
100 A/D変換部

Claims (7)

  1. マルチパス信号の遅延プロファイルと該マルチパス信号を所定のタイミングで逆拡散した逆拡散信号とに基づいて該マルチパス信号に含まれる干渉成分を低減するマルチパス干渉低減手段を具備するスペクトル拡散受信装置において、
    前記マルチパス干渉低減手段は、
    所望信号を得るためのタイミング位置である所定第1のタイミングにて逆拡散した第1の逆拡散信号および該所定第1のタイミングとは異なる所定第2のタイミングにて逆拡散した第2の逆拡散信号のそれぞれに所定の重み付け信号を乗じて加算する合成手段と、
    前記遅延プロファイルに基づいて前記所定の重み付け信号を生成出力する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、3つ以上のマルチパス信号からなるマルチパス群を受信する場合に、該マルチパス群に含まれるマルチパス信号のうち最も早く到来するマルチパス信号と最も遅く到来するマルチパス信号との間の到来時間外のタイミング位置で得られる逆拡散信号を用いて、所望信号に含まれる干渉成分の低減を行うことを特徴とするスペクトル拡散受信装置。
  2. 前記マルチパス信号を受信する複数の受信アンテナが具備され、
    前記マルチパス干渉低減手段は、前記複数の受信アンテナのうちの一の受信アンテナのみから得られた前記第2の逆拡散信号に基づいて所望信号に含まれる干渉成分の低減を行うことを特徴とする請求項1に記載のスペクトル拡散受信装置。
  3. 相異なる複数の送信コードを用いて拡散変調された複数の拡散変調信号が含まれるマルチパス信号の遅延プロファイルに基づいて該マルチパス信号に含まれる干渉成分を低減するマルチパス干渉低減手段を具備するスペクトル拡散受信装置において、
    前記マルチパス干渉低減手段は、
    前記マルチパス信号を受信する複数の受信アンテナと、
    前記複数の受信アンテナから得られた受信出力のそれぞれに所定の重み付け信号を乗算する乗算手段と、
    前記乗算手段の各出力を逆拡散した後に加算する合成手段と、
    前記遅延プロファイルに基づいて前記所定の重み付け信号を生成出力する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記複数の送信コードのうちの干渉コードからの受信成分が除去または低減されるような重み付け信号を生成出力することを特徴とするスペクトル拡散受信装置。
  4. 相異なる複数の送信コードを用いて拡散変調された複数の拡散変調信号が含まれるマルチパス信号の遅延プロファイルに基づいて該マルチパス信号に含まれる干渉成分を低減するマルチパス干渉低減手段を具備するスペクトル拡散受信装置において、
    前記マルチパス干渉低減手段は、
    前記マルチパス信号を受信する複数の受信アンテナと、
    前記複数の受信アンテナから得られた受信出力のそれぞれを逆拡散する逆拡散手段と、
    前記逆拡散手段の各出力に所定の重み付け信号を乗じて加算する合成手段と、
    前記遅延プロファイルに基づいて前記所定の重み付け信号を生成出力する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記複数の送信コードのうちの干渉コードからの受信成分が除去または低減されるような重み付け信号を生成出力することを特徴とするスペクトル拡散受信装置。
  5. 除去または低減される前記干渉コードからの受信成分は、該干渉コードによるマルチパス成分の中で受信レベルの最も大きいものが選択されることを特徴とする請求項3または4に記載のスペクトル拡散受信装置。
  6. 複数通りの重み付け信号ごとに前記乗算手段出力の出力品質を測定する品質測定手段と、
    前記複数通りの重み付け信号ごとに得られる前記品質測定手段の出力の中から最良の品質を示す重み付け信号を前記複数通りの重み付け信号の中から選択する選択手段と、
    を備え、
    前記制御部は、前記選択手段によって選択された最良の品質を示す重み付け信号を前記乗算手段に出力することを特徴とする請求項3に記載のスペクトル拡散受信装置。
  7. 複数通りの重み付け信号ごとに前記合成手段の出力品質を測定する品質測定手段と、
    前記複数通りの重み付け信号ごとに得られる前記品質測定手段の出力の中から最良の品質を示す重み付け信号を前記複数通りの重み付け信号の中から選択する選択手段と、
    を備え、
    前記制御部は、前記選択手段によって選択された最良の品質を示す重み付け信号を前記合成手段に出力することを特徴とする請求項4に記載のスペクトル拡散受信装置。
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