JP2006345201A - スピーカ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 同軸に配置した振動板3とドライブコーン5とで挟む空間を密閉空間19として、この密閉空間19に封じ込めた気体のバネ性によりボイスコイル13を浮遊支持させる形態のスピーカ装置31において、ドライブコーン5とフレーム33との間に配置される磁気回路41のマグネット43は、複数枚の単位マグネット45,46,47の積層構造により形成し、その中に、外径の異なる単位マグネットを組み込んで、フレーム33とドライブコーン5との間の収容空間形状に相応する外郭形状を付与する。
【選択図】 図3
Description
このスピーカ装置1は、振動板3と、この振動板3と同軸に該振動板3の背後に配置されると共に内周部が振動板3の内周部に気密に接合一体化されるドライブコーン5と、これらの振動板3及びドライブコーン5の外周部を支持する振動板支持部7a,7bが前端側に装備されると共に後端の中心軸上で、磁気回路9が装備されるフレーム7と、振動板3及びドライブコーン5の内周部に接合一体化されたボイスコイルボビン11に巻回されて磁気回路9の磁気隙間9aに挿通されるボイスコイル13とを備えている。
マグネット23は、振動板3及びドライブコーン5の中心軸に同心のリング状で、リング部の断面形状が長方形である。
フレーム7の底板部7dと振動板支持部7bとの間には、振動板の背圧を逃がす通気孔としての開口7fが、適宜に設けられている。なお、フレーム7の振動板支持部7aの背面は、スピーカキャビネットのバッフルに密着固定するフランジ面として機能する。
まず、フレーム7の後部に磁気回路9を取り付け、更に、ボイスコイル13の仮組み込みを行う。その後、ドライブコーン5を振動板支持部7bに固定し、更にその後、振動板3を振動板支持部7aに組み付けて固定する。振動板3の内周部をドライブコーン5の内周部に接着固定し、密閉空間19の形成を行う。また、ドライブコーン5の内周部にボイスコイルボビン11を接着固定する。
密閉空間19の形成が完了したら、密閉空間19の密閉性や、空気ばねとしての特性が適正かどうか検査し、適正であれば、振動板3の中央部に、ダストキャップ27が貼着装備されて完成となる。ダストキャップ27は、ボイスコイルボビン11の前方を覆って、磁気隙間9aへの塵埃等の進入を防止する。
よって、専用のダンパ及びその設置スペースの省略によってスピーカ装置1の軸方向寸法を短縮して、特に、車載オーディオシステムで要求されているスピーカ装置の薄型化を実現できすることができる。
そして、磁気隙間9aの磁束密度を高めるには、マグネット23を大型化することが考えられる。
即ち、マグネット23は、ドライブコーン5の後方への最大変位位置E1から適宜、離間距離s1だけ後退させた位置に角部23aが位置するように、その大きさを設定しなければならず、角部23aの位置が規制されることで、外径寸法D1が決定されてしまい、図1のようにマグネット23の外周に空きスペースが残っていても、実際はマグネット23を大径化することができないという問題があった。
図2に示すスピーカ装置2は、ドライブコーン5側の角部を面取りした5角形断面のマグネット24を採用したので、傾斜した面取り部24aにより、ドライブコーン5の後方への最大変位位置E1との間に離間距離s2が確保できる。この離間距離s2は、図1のスピーカ装置1における長方形断面のマグネット23の離間距離s1より大きく確保できるものである。
また、後端側の外径D2は、フレーム7の後端側の空きスペースを有効に活用して、長方形断面のマグネット23よりも寸法w2だけ大径化することができる。即ち、外径寸法の増大により、磁気隙間9aの磁束密度を高めて、スピーカ性能を向上させることができる。
また、ドライブコーン5の形状変更等があれば、それに伴って、面取り部24aの傾斜角を変更した新規のマグネット24を作り直さなければならず、モデルチェンジ等が簡単にできないという問題もあった。
図3は、本発明に係るスピーカ装置の一実施の形態の構成を示す縦断面図である。
そして、このブラケット35の筒状壁部35aが振動板3とドライブコーン5とで挟む空間を密閉空間19に画成し、振動板3及びドライブコーン5の外周部は前記ブラケット35のフレーム固定部35bを振動板支持部33aに固定することで、フレーム33に固定される。
フレーム33の後端壁33bと振動板支持部33aとの間には、振動板の背圧を逃がす通気孔としての開口33dが、適宜に設けられている。なお、フレーム33の振動板支持部33aの背面は、スピーカキャビネットのバッフルに密着固定するフランジ面として機能する。
トッププレート25の内周とセンターポール21bとの間の隙間が、ボイスコイル13を配置する磁気隙間41aとなっている。
また、3枚の単位マグネット45,46,47は、内径は同一であるが、外径が相異しており、プレート21a側からドライブコーン5側に向かって、順に外径が小さくなるように、積層配置されている。
プレート21aの上に積層配置される最大外径の単位マグネット45の外径D3は、フレーム33の後端側のスペースが許す範囲で、できるだけ大きな寸法に設定されている。また、ドライブコーン5側に位置する最上位に積層された単位マグネット47の外径は、ドライブコーン5の後方への最大変位位置E1との間の離間距離s3が必要十分に確保できるように設定されている。
この離間距離s3は、図1のスピーカ装置1における1枚の長方形断面のマグネット23の離間距離s1より大きく確保できるものである。
マグネット43は、以上の3枚の単位マグネット45,46,47を積層することで、フレーム33とドライブコーン5との間の収容空間形状に相応する概略5角形状の外郭形状を付与している。
また、パッキン39は、スピーカキャビネットのバッフルに密着して、バッフルとの間の密閉性を高めると同時に、バッフルとスピーカユニットとの間の不要振動の伝達を遮断する。
即ち、ドライブコーン5側に外径の小さな単位マグネット47を配置することで、ドライブコーン5の後方への最大変位位置E1との間の離間距離s3の確保が容易になる。また、フレーム33の後端側に配置する単位マグネット45には、従来の長方形断面のマグネット23よりも寸法w3だけ外径寸法D3の大きな単位マグネットを採用することで、フレーム33内の空きスペースを有効に活用することができ、磁束密度の向上に有効なマグネットの大径化も実現することができる。
しかも、積層するそれぞれの単位マグネット45,46,47自体は、角部の面取り加工が必要なく、単純な長方形断面のリング状構造のもので良いから、実際には面取り等の加工によるコストアップが生じない。
従って、コストアップを招くことなく磁気回路41のマグネット43の外径寸法の増大によってスピーカ性能を向上させることができる。
よって、専用のダンパ及びその設置スペースの省略によってスピーカ装置31の軸方向寸法を短縮して、特に、車載オーディオシステムで要求されているスピーカ装置31の薄型化を実現できすることができる。
そして、この製造方法の場合、フレーム33に装備する振動板支持部33aは、振動板組立体37のブラケット35を固定するための一箇所で足り、個々の振動板毎に個別に装備する必要がない。即ち、フレーム33上での振動板支持部33aの加工箇所が削減されることで、大型部品であるフレーム33の加工コストを低減させて製品のコスト低減を図ることができる。
単位マグネットの積層枚数は、2枚以上の適宜数に設定することができる。また、積層する全ての単位マグネットを互いに外径の異なるもの同士にする必要はない。例えば、一部には、外径が同一の単位マグネットが積層される構成としても良い。
このように、ドライブコーン5の背部に配置される磁気回路41のマグネット43は、複数の単位マグネット45〜47の積層構造で、ドライブコーン5側に外径の小さな単位マグネットを配置した構造に積層することで、全体的には、ドライブコーン側の角部を面取りした形状と同等の5角形断面の外郭形状を形成することができる。
即ち、ドライブコーン側に外径の小さな単位マグネットを配置することで、ドライブコーン5の後方への最大変位位置E1との間の離間距離s3の確保が容易になる。また、フレームの後端側に配置する単位マグネットには、外径寸法の大きな単位マグネットを採用することで、フレーム内の空きスペースを有効に活用することができ、磁束密度の向上に有効なマグネット43の大径化も実現することができる。
しかも、積層する単位マグネット自体は、角部の面取り加工が必要なく、単純な長方形断面のリング状構造のもので良いから、実際には面取り等の加工によるコストアップが生じない。
従って、コストアップを招くことなく磁気回路41のマグネット43の外径寸法の増大によってスピーカ性能を向上させることができる。
また、ドライブコーン5の形状変更等に伴うマグネット43の外郭形状変更には、積層する単位マグネットの枚数を変更する等により柔軟に対応でき、形状の異なる単位マグネットの新規製造等を回避することができるため、コストをかけずに振動板の仕様変更等に容易に対応することができる。
5 ドライブコーン
11 ボイスコイルボビン
13 ボイスコイル
15 エッジダンパ
15a ロール部
17 エッジダンパ
17a ロール部
19 密閉空間
31 スピーカ装置
33 フレーム
33a 振動板支持部
33b 後端壁(底板部)
33d 開口
35 ブラケット
35a 筒状壁部
35b フレーム固定部
35c 第1支持部
35d 第2支持部
37 振動板組立体
39 パッキン
41 磁気回路
41a 磁気隙間
43 マグネット
45〜47 単位マグネット
Claims (1)
- 振動板と、該振動板と同軸に前記振動板の背後に配置されると共に内周部が前記振動板の内周部に接合一体化されるドライブコーンと、前記振動板及び前記ドライブコーンの外周部を支持する振動板支持部が前端側に装備されたフレームと、前記フレームの後端部と前記ドライブコーンとの間に配置されて振動板を駆動する磁気回路と、前記振動板及び前記ドライブコーンの内周部に接合一体化されたボイスコイルボビンに巻回されて前記磁気回路の磁気隙間に挿通されるボイスコイルとを備えると共に、前記振動板とドライブコーンとで挟む空間を密閉空間に形成し、該密閉空間に封じ込めた気体のバネ性によりボイスコイルを含む振動系を浮遊支持させたスピーカ装置であって、
前記磁気回路の略リング状のマグネットは、複数枚の単位マグネットを積層して形成すると共に、且つ、前記複数枚の単位マグネットには、外径が異なる少なくとも2種以上の単位マグネットを使用することで、前記フレームと前記ドライブコーンとの間の収容空間形状に相応する外郭形状を付与したことを特徴とするスピーカ装置。
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