JP2006344534A - ボタン形電気化学セル - Google Patents

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Abstract

【課題】
ボタン形電気化学セル組み立て時に、かしめ封口を精密に制御しても、プラスチック製のガスケットと金属製の負極缶や正極缶との熱膨張係数の違いよりわずかな隙間が生じ、漏液を生じることがあった。
【解決手段】
本発明は、正極缶と、負極缶と、前記正極缶と前記負極缶の間に挟持されたガスケットと、前記負極缶の平坦部より面積が大きく、かつ前記負極缶に接合された負極端子と、前記ガスケットを被覆するように前記正極缶と前記負極缶と前記負極端子との間に充填された樹脂とを有するボタン形電気化学セルに関するものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、端子を有するボタン形の電池及びキャパシタ等の電気化学セルに関するものである。
非水電解質二次電池や電気二重層キャパシタなどのボタン形電気化学セルは、高エネルギー密度、軽量、小型といった特徴があり、携帯機器の時計機能のバックアップ電源や、半導体メモリのバックアップ電源等として用いられてきた。これらの携帯機器は、高信頼性、小型化、軽量化、高機能化する必要があり、更なるボタン形電気化学セルの小型化が求められている。
また、ボタン形電気化学セルを回路基板に実装する際にリフローハンダ付け法が一般的に用いられるようになっている。リフローハンダ付け法は、回路基板のハンダ付けをする部分にハンダクリームを塗布後その上に電気化学セルを載置して、回路基板ごと200〜260℃の高温の炉内を通過させることによりハンダ付けを行う方法である。事前にボタン形電気化学セルに端子を接合しておき、端子を介して回路基盤にはんだ付けする。リフローハンダ付けに耐えられるよう、ボタン形電気化学セルに高い耐熱性が求められている。
ボタン形の電気化学セルにおいては、回路基板にはんだ付けされることを目的に端子が取り付けられている。溶接は、抵抗溶接法やレーザー溶接法によるスポット溶接が行われていた。
特開昭62−268055号公報(第3頁、第1図) 特開昭62−283554号公報(第3頁、第1図) 実開昭61−70366号公報(第1図) 実開昭62−157060号公報(第1図)
前記の様に、ボタン形電気化学セルには、小型化、高信頼性、高耐熱性が求めれれている。ボタン形電気化学セルの容量を極力減らさず小型化するためには、正極缶、負極缶、ガスケットの肉厚を薄くすることが必要である。
しかし、正極缶、負極缶、ガスケットの肉厚を薄くすると漏液を生じやすくなり、信頼性が低下する。特に、リフローはんだ付けにより、ボタン形電気化学セルが加熱されると内部圧力が上昇し漏液が生じやすかった。
ボタン形電気化学セル組み立て時に、かしめ封口を精密に制御しても、プラスチック製のガスケットと金属製の負極缶や正極缶との熱膨張係数の違いよりわずかな隙間が生じ、漏液を生じることがあった。
また、小型になった部材はサイズに対する寸法公差が大きくなり、組み立てにおける管理をかなりの高精度にしなければ漏液を生じるという課題がある。さらに、回路基板にはんだ付けされる工程を、リフロー炉を用いて行う場合は、ガスケット材質としても耐熱性の高い高価な材料を用いなければならなかった。
さらに、薄型のボタン形電気化学セルにおいては、端子とセルを構成する金属ケース著しく近接し、ショートしやすいという課題があった。特に使用環境において、湿度を多く含む場合は、端子とセルを構成する金属ケースとの間に結露が生じさらにショートしやすいといった課題もあった。
本発明は、上記課題を解決し、耐漏液性に優れた小型のボタン形電気化学セルの提供を目的とする。
回路基板にはんだ付けされることを目的に取り付けられた端子を有するボタン形のボタン形電気化学セルにおいて、負極缶に溶接する側の負極端子を負極缶の平坦部より大きくし、前記負極端子と負極缶の間に樹脂を充填することにより、ボタン形電気化学セルの封止性を向上した。
本発明のボタン形電気化学セルは、正極缶と、負極缶と、前記正極缶と前記負極缶の間に挟持されたガスケットと、前記負極缶の平坦部より面積が大きく、かつ前記負極缶に接合された負極端子と、前記ガスケットを被覆するように前記正極缶と前記負極缶と前記負極端子との間に充填された樹脂とを有する。
本発明のボタン形電気化学セルは、正極缶と、負極缶と、前記正極缶と前記負極缶の間に挟持されたガスケットと、前記負極缶に接合された負極端子とを有するボタン形電気化学セルであって、前記負極缶の平坦部より前記負極端子の面積が大きく、かつ前記負極端子と前記正極缶と前記負極缶との間に樹脂が充填され、前記ガスケットが前記樹脂により覆われている。
好ましくは、本発明のボタン形電気化学セルは、前記樹脂が液状封止樹脂である。好ましくは、本発明のボタン形電気化学セルは前記樹脂が熱硬化性樹脂である。
さらに、本発明のボタン形電気化学セルは、前記負極缶と接合する前記負極端子の接合部が、前記負極缶の平坦部の直径より大きく、かつ前記正極缶の外径より小さい。
本発明のボタン形電気化学セルは、前記負極缶と接合する前記負極端子の接合部が、前記負極缶の平坦部の直径より大きく、かつ前記正極缶の内接する四角形より小さい。
好ましくは、本発明のボタン形電気化学セルは、前記負極端子に切りかきを設けている。
さらに好ましくは、本発明のボタン形電気化学セルは、前記負極端子と前記正極缶との最短距離が0.2mm以下である。
本発明のボタン形電気化学セルは、前記ガスケットの材質がポリフェニレンサルファイド又はポリアミドである。
本発明のボタン形電気化学セルは、前記ボタン形電気化学セルがリフローはんだ付け可能である。
樹脂としては、ディスペンサー等で注入し、充填することのできる液状封止樹脂を用いることにより容易に封止性の向上ができる。また、前記端子の一部に切りかきを設けることに上面より容易に注入することができる。
負極端子の接合部は、負極缶の平坦部の直径より大きくすることにより、ボタン形電気化学セルと負極端子の間に隙間ができ、樹脂を充填できるスペースが生まれる。
ボタン形電気化学セルは基板にはんだ付けされるものであり、実装面積の削減のため小さい方が好まれる。そのため、ボタン形電気化学セル外径より小さいか、またはボタン形電気化学セルの内接する四角形より小さいものとした。
負極端子と負極缶の間に樹脂を充填することにより、従来に比べ著しく封止性を向上した。このため、本発明を用いたボタン形電気化学セルをリフローはんだ付けしても、漏液を生じることが無く信頼性が著しく向上した。
本発明はボタン形電気化学セルをリフローはんだ付けにより基板に実装する場合有効である。温度変化による封止性の低下を防止することができる。また、260℃以上の高温のリフローはんだ付けにおいてPEEK等の高価な耐熱材料ガスケットを用いる必要があったが、本発明を用いることにより、比較的安価なポリフェニレンサルファイド、ポリアミドを用いることができるようになった。
また、薄型のボタン形電気化学セルにおいては、端子とセルを構成する金属ケース著しく近接し、ショートしやすいという課題があったが、本発明の樹脂充填を行うことによりショートの心配がなくなった。
本発明の端子付ボタン形電気化学セルは、負極端子形状の工夫と前記端子と負極缶の間に樹脂を充填することにより、ボタン形電気化学セルの信頼性を著しく向上することができる。また、信頼性をあげることにより、実装面積が増大したり、製造コストが大きく上昇することもない。特に本発明の端子付ボタン形電気化学セルをリフローはんだ付けで用いる場合は、信頼性、コスト共に従来に比べ優れたものとなる。
図1に本発明の端子付ボタン形電気化学セルの側面図を示した。図2には、本発明の端子付ボタン形電気化学セルの上面図を示した。
図1に示したように、ボタン形電気化学セルの負極缶105には、負極端子110が接合されている。負極端子110には、接合部111が形成されており接合部111が負極缶105に接合されている。接合部111は、負極端子110の一部であり、負極缶105の平坦部106と接合されている。平坦部106は、負極缶105の一部であり、かしめて封止されたボタン形電気化学セルにおいて、露出している負極缶の平坦部分である。
また、正極缶103には、正極端子104が接合されている。
さらに、端子には錫等のはんだ層107、はんだ層109が配設されている。本発明のボタン形電気化学セルは、はんだ層107、はんだ層109を介し回路基板112にはんだ付けされ固定されている。
負極缶105に接合する負極端子の接合部111の形状を図2に示したように負極缶の平坦部106より大きくし、負極端子110と正極缶103と負極缶105との隙間に樹脂を充填した。充填した樹脂201を側面から見ると図1に示したようになる。正極缶103と負極缶105に挟持されるガスケット108の露出している部分が、樹脂201により完全に覆われる。このため、ボタン形電気化学セルの耐漏液性が大幅に向上する。さらに、樹脂201に耐熱性樹脂を用いれば、電気化学セルの耐熱性を向上させることが可能である。さらに、ガスケットの製造精度が悪くとも漏液を生じない。また、耐熱性の低い材料をガスケットに使用することができるため低コスト化が可能である。
ボタン形電気化学セルの信頼性は、セル内に侵入する水分をいかに食い止めるかにより、向上する。一般に、コインボタン形ボタン形電気化学セルにおいては、ガスケット108と負極缶105や正極缶103の間から水分が浸入する。そのため、ボタン形電気化学セル組み立て時にかしめ封口を精密に制御したり、ガスケット108と負極缶105や正極缶103の間に液体シール剤が配設し、水分の浸入を防いでいる。しかし、従来これらの対策だけでは必ずしも十分とはいえなかった。
特に、端子付ボタン形電気化学セルをリフローはんだ付けにより回路基板112に付ける場合は、ボタン形電気化学セルに230〜260℃の熱が加わることになる。そのため、ボタン形電気化学セル組み立て時に、かしめ封口を精密に制御しても、プラスチック製のガスケット108と金属製の負極缶105や正極缶103との熱膨張係数の違いよりわずかな隙間が生じ、漏液を生じることがあった。
このため、従来のボタン形電気学セルでは、外観検査を行い漏液や缶が汚れた電気化学セルを選別し除去していた。漏液や缶の汚れを上面から見やすくするため、従来の負極端子は負極缶の大きさに比べて小さく設計されており、外観検査の効率を優先させていた。従って、従来のガスケットは、本件発明のような樹脂で覆われておらず、漏液を生じやすかった。
対して、本件発明に係る負極端子110は、負極缶105の平坦部106より面積が大きい。本件発明は負極缶と負極端子を溶接などにより接合する。さらに、負極端子110と正極缶103と負極缶105との間に樹脂201が充填され、ガスケット108が完全に樹脂201で覆われており、漏液の発生を防止する。
負極端子110の負極缶に溶接する部分の大きさは、負極缶の平坦部106の直径より大きくなければならない、好ましくは上から見てガスケット108を覆い隠す程度の大きさが必要である。また、端子付ボタン形電気化学セルの実装面積を必要以上に大きくしないという観点からは、ボタン形電気化学セルの外径より小さいことが望ましい。
図3に示したように負極端子の一部に切りかき204を設けることも有効である。液体封止樹脂をこの部分から、ディスペンサーにより注入することができる。また、切りかき204があると上面から、液体封止樹脂のありなしを判別しやすい。切りかきの形状は図3のように直線で切り取った形状に限定されることはない。かぎ状、円弧状に切り取ってもよい。
図4に負極端子の負極缶に溶接する部分の形状が四角い形状の場合を示した。
負極端子の負極缶に溶接する部分の形状は、負極端子110のように丸である必要はない。多くの場合、基板に実装する部品の多くは四角い形状である。そのため、端子付ボタン形電気化学セルの実装面積を必要以上に大きくしないという観点からが、ボタン形電気化学セルの内接する四角形202より小さいことが望ましい。負極端子の負極缶に溶接する部分の形状は特に限定されるものではなく、ボタン形電気化学セルの内接する四角形202より小さければ、五角形でも六角形でも問題はない。
充填した樹脂201は、半導体で用いられるような液状封止樹脂を用いることができる。液状封止樹脂は初期の流動性のよい状態で、負極端子110と負極缶105の間にディスペンサーを挿入し、樹脂を流し込む。その後、硬化処理により樹脂を硬化させる。硬化処理は、用いる樹脂に応じて、熱処理、紫外線処理、化学処理などにより硬化することができる。
充填した樹脂201としては、熱硬化性樹脂、エポキシ樹脂、接着剤等を用いることができる。特に半導体の用いられている液体封止剤は、ディスペンサー等の周辺装置も充実しており本発明への使用に適している。例えば、サンユレック株式会社製、ダム&フィル用封止樹脂。ナガセケムテックス株式会社製、液状封止剤 ( 注型用 ) T639/R1000 series、T639/R5000 series、T639/R3000 series。住友ベークライト株式会社製、CRP-3600。ヘンケルジャパン株式会社(ロックタイト事業本部)製、半導体パッケージ用封止剤、フローコントロール/ダム剤、CB011-1R、CB062、FP4451、FP4451TDを用いることができる。
さらに封止樹脂を着色することも有効である。封止樹脂のあるなしの確認や欠陥のチェックを容易に行うことができる。着色の方法としては、染料、顔料どちらでもよく、封止樹脂の特性を変化させないものがよい。また、封止樹脂にフィラー等を入れることも有効である、強度および対湿度性を向上することができる。
充填する樹脂を用途により選択すれば、ボタン形電気化学セルの信頼性を著しく向上することができるそのため、負極缶および正極缶とガスケットの間のシール剤をなくすことが可能である。通常、シール剤として用いる液体シール剤を塗布する工程は、非常に困難であったり、シール剤を塗布した負極缶、正極缶、ガスケットはべたつき、ハンドリングご困難でゴミの付着と行ったトラブルを引き起こしやすかった。
回路基板112へのリフローはんだ付け温度は、鉛を含有しないはんだへの切り替えにより高い温度の方へ向かっている。リフロー温度が高くなればなるほど、ガスケットの材質も高温に耐えるものにしなければならない。ガスケットの材質は耐熱性が高いものほど高価である。例えば、260℃リフロー温度に耐えるポリエーテルエーテルケトン(P.E.E.K.)は非常に高価である。しかし、本発明の方法により封止性を向上させることにより、通常は240℃程度のリフローにしかもたないポリフェニレンサルファイド(P.P.S.)等の材料を用いることができる。また、水分透過性から非水溶媒を用いたボタン形電気化学セルに使用することのできなかったナイロン等のポリアミドも使用することができるようになり、コストの低減が可能となった。
また、近年ボタン形電気化学セルは、機器の薄型化により、ますます薄さが要求されるようになった。そのため図1に示した負極端子と正極缶との最短距離203の距離がますます小さくなっている。この部分が小さいと、工程でのパーツのバラツキや取り扱いによりショートが非常に起こり易かった。また、端子付ボタン形電気化学セルを組み込んだ機器が多湿の環境下で使用される場合は、負極端子と正極缶との間に結露が生じやすくショートが起こり易かった。ショートが起こるとボタン形電気化学セルとして機能しなくなってしまう。60℃、湿度90%、10日の環境試験において、負極端子と正極缶との最短距離203の距離が0.2mm以下であった場合、10個中3個、結露による錆で、ショートが起ってしまった。本発明を用いることにより、負極端子と正極缶との最短距離203の距離が0.2mm、0.15mm、0.1mm、0.05mmであっても錆によるショートは発生しなかった。
図1は本発明のボタン形電気化学セルの一例となるコイン形電気二重層キャパシタの断面図である。電気二重層キャパシタは直径4.8mm、高さ1.4mmのものを実施例1〜8、比較例1〜8として作製した。実施例1〜8、比較例1〜8の製造条件を表1に示す。実施例1〜8は、正極缶と負極缶と負極端子の間に、樹脂が充填されガスケットを樹脂で覆うように作られている。それ以外は、実施例と比較例の製造条件は同じである。
Figure 2006344534
図中、要素部品は、正極缶103、導電性接着材、分極性電極の正極成形体301、負極缶105、導電性接着材、分極性電極の負極成形体302、電解液303、セパレーター304、ガスケット108を主な構成要素としている。
ガスケット108は、表1の実施例に示したものを用いていた。分極性電極の正極成形体301と負極成形体302は、活性炭90重量%、導電材のカーボンブラック5重量%、結着剤の四フッ化エチレン5重量%を混合し合剤を作った。この合剤を2ton/cm2で直径4mmのペレットに加圧成形した。この時の密度は1.0g/cmであった。正極成形体301および負極成形体302は、各々正極缶103および負極缶105と、導電性接着材を用いて接着した。成形体と缶が接着した後の正極および負極の各ユニットは、150℃の温度で、10-2torr以下の真空下で熱処理した。ガスケット108にはあらかじめ、アスファルトを主成分とする液体シール剤を塗布したものとしないものを用いた。ガスケット108の材質として、ポリプロピレン(P.P.)、ポリエーテルエーテルケトン(P.E.E.K.)、ポリフェニレンサルファイド(P.P.S.)、46ナイロンを用いた。
電気二重層キャパシタの作製は、露点が−40℃以下のドライルーム中で行った。負極缶105にガスケット108を挿入し、ガラス繊維製のセパレーター304を負極の電極上に載置した後、電解液303を注入した後、正極缶103をかしめて封口した。電解液303はプロピレンカーボネート(略称PC)に,テトラアルキルアンモニウムの4弗化硼酸塩の溶質を溶解したものを使用した。これに、図2に示した形状の端子をレーザー溶接により取り付けた。正極端子104、負極端子110はステンレス製のものを用いた。端子の基板との接続部にははんだからなるはんだ層107、はんだ層109を設けた。端子を付けた状態で、一液性エポキシ樹脂からなる液状封止樹脂を、ディスペンサーを用い図1の充填した樹脂201の形状になる用に注入した。注入後、80℃、2時間硬化した。
同様に作製した比較例1〜8には、液状封止樹脂を注入しなかった。
リフローはんだ付けの条件としては、最高温度を260℃とした。
評価として、60℃、湿度90%、2.5V印加、20日後の容量維持率(%)を調べた。20日後の容量維持率が50%以上あれば電気二重層キャパシタとして実用上問題ないと考えられる。
(実施例1、実施例2)
実施例1、実施例2として、ガスケットにポリプロピレンを用いた例を示す。実施例1は、ガスケットシール剤が塗布されている。比較例1、比較例2は、樹脂によりガスケットが覆われていない以外は、それぞれ実施例1と実施例2と同一条件で作られている。製造されたボタン形電気化学セルを60℃、湿度90%、2.5Vの電圧印加の条件で、20日間放置した場合の、初期容量に対する容量維持率を表1に示した。この容量維持率が小さいものほど、電気化学セル内部の劣化が激しいと考えられる。この電気化学セルの内部劣化は、電気化学セルの封止性により大きく影響を受ける。封止性が悪い電気化学セルでは、封止部から水などが電気化学セル内部に浸入し、劣化を生じる原因となる。
実施例1では、容量維持率が80%で最も維持率が高く、劣化の度合いが小さいことがわかった。対する比較例1では、容量維持率が63%であり、実施例1に比べ劣化が進行していることがわかった。劣化は、連鎖反応的に進行するため、日数が経てばその差はさらに大きくなる。
また、実施例2の容量維持率は78%であり、実施例1とほぼ同じであった。これより、本発明のように、正極缶と負極缶と負極端子の間に樹脂を充填し、ガスケットを樹脂で覆うようにすると、ガスケットの封止性を高めるガスケットシール剤が不要になる。
特に、比較例2は容量維持率が33%しかなく、実施例2に比べ大きく劣化していた。比較例2には、ガスケットシール剤が塗布されていないため、電気化学セルの封止部から水が電気化学セル内部に浸入し劣化を生じたためであると考えられる。対して、実施例2では、容量維持率は78%であり劣化が少なく、樹脂によりガスケットを覆うことにより封止性が高まり水の浸入を防止し劣化を防いでいることがわかった。
(実施例3、実施例4)
実施例3、実施例4として、ガスケットにポリエーテルエーテルケトンを用いた例を示す。比較例3、比較例4は、樹脂によりガスケットが覆われていない以外は、それぞれ実施例3と実施例4と同一の条件で作られている。実施例3、比較例3は、ガスケットシール剤が塗布されている。
製造されたボタン形電気化学セルをリフロー炉に通して加熱した。加熱条件は、200℃以上の保持時間が1分間で、最高温度は260℃である。加熱後、実施例3、実施例4を60℃、湿度90%、2.5V印加の条件で、20日間放置した場合の初期容量に対する容量維持率を表1に示した。
実施例3では、容量維持率が77%で、比較例3に比べ容量維持率が高く劣化の程度が小さいことがわかった。また、実施例3と実施例4の容量維持率は、ほぼ等しく本発明を用いるとガスケットシール剤を塗布しなくとも高い封止性を得られることがわかった。
比較例4は、容量維持率が11%であり、加熱により内部の劣化が大きく進行していることがわかる。
実施例3、実施例4は、封止性が高いため過熱によっても、内部劣化や漏液を生じず、高い容量を維持したものと考えられる。
(実施例5、実施例6)
実施例5、実施例6として、ガスケットにポリフェニレンサルファイドを用いた例を示す。比較例5、比較例6は、樹脂によりガスケットが覆われていない以外は、それぞれ実施例5と実施例6と同一の条件で作られている。実施例5、比較例5は、ガスケットシール剤が塗布されている。
製造されたボタン形電気化学セルをリフロー炉に通して加熱した。加熱条件は、実施例3と同一である。
実施例5では、容量維持率が73%で、比較例5に比べ容量維持率が約2倍であり、劣化の程度が小さいことがわかった。また、実施例5と実施例6の容量維持率は、ほぼ等しく本発明を用いるとガスケットシール剤を塗布しなくとも高い封止性を得られることがわかった。通常ポリフェニレンサルファイド製のガスケットは240℃までのリフローに用いられる。そのため、比較例5に示すように260℃リフローを行ったものは容量維持率が実用レベルを割っている。これは、リフローの温度でガスケットが変形したため、封止性が落ちたと考えられる。
比較例5は、容量維持率が38%であり、加熱により内部の劣化が大きく進行していることがわかる。
実施例5、実施例6は、封止性が高いため過熱によっても、内部劣化や漏液を生じず、高い容量を維持したものと考えられる。
(実施例7、実施例8)
実施例7、実施例8として、ガスケットに46ナイロンを用いた例を示す。比較例7、比較例8は、樹脂によりガスケットが覆われていない以外は、それぞれ実施例7と実施例8と同一の条件で作られている。実施例7、比較例7は、ガスケットシール剤が塗布されている。
製造されたボタン形電気化学セルをリフロー炉に通して加熱した。加熱条件は、実施例3と同一である。
実施例7では、容量維持率が71%で、比較例7に比べ容量維持率が約14倍であり、劣化の程度が小さいことがわかった。また、実施例7と実施例8の容量維持率は、ほぼ等しく本発明を用いるとガスケットシール剤を塗布しなくとも高い封止性を得られることがわかった。
実施例7、実施例8に示すように樹脂の充填をすることにより、容量維持率が向上している。通常46ナイロン製のガスケットは水分を通すため、非水溶媒を用いた電気二重層キャパシタや電池には用いられない。そのため、比較例7及び比較例8に示すように湿度を伴った保存試験での容量維持率が実用レベルを大きく割っている。シール剤がなくとも樹脂の充填を行えば実用上問題のない容量維持率のレベルになることが実施例8および比較例8からわかる。
以上のように、本発明を用いることにより、ボタン形電気化学セルの封止性が著しく向上することがわかった。また、ガスケットと缶の間のガスケットシール剤を用いなくても封止性が向上することができ、シール剤塗布工程が削減できることがわかった。さらに、耐熱性や耐湿度性の低い比較的安価な材料をガスケットに用いた場合も本発明の充填した樹脂201を用いることにより、封止性を向上することができる。
本実施例ではボタン形電気化学セルとしたコインまたはボタン形の電気二重層キャパシタについて記述したが、非水溶媒を用いた二次電池においても同様の効果があった。
本発明のボタン形電気化学セルの側面図である。 本発明のボタン形電気化学セルを実装した場合の上面図である。 本発明のボタン形電気化学セルを実装した場合の上面図である。 本発明のボタン形電気化学セルを実装した場合の上面図である。 電気化学セルの断面図である。
符号の説明
101 レーザー溶接点
102 レーザー溶接点
103 正極缶
104 正極端子
105 負極缶
106 平坦部
107 はんだ層
108 ガスケット
109 はんだ層
110 負極端子
111 接合部
112 回路基盤
201 樹脂
202 ボタン形電気化学セルの内接する四角形
203 端子と正極缶との最短距離
204 切りかき
301 正極成型体
302 負極成型体
303 電解液
304 セパレーター

Claims (10)

  1. 正極缶と、負極缶と、前記正極缶と前記負極缶の間に挟持されたガスケットと、前記負極缶の平坦部より面積が大きく、かつ前記負極缶に接合された負極端子と、前記ガスケットを被覆するように前記正極缶と前記負極缶と前記負極端子との間に充填された樹脂とを有するボタン形電気化学セル。
  2. 正極缶と、負極缶と、前記正極缶と前記負極缶の間に挟持されたガスケットと、前記負極缶に接合された負極端子とを有するボタン形電気化学セルであって、前記負極缶の平坦部より前記負極端子の面積が大きく、かつ前記負極端子と前記正極缶と前記負極缶との間に樹脂が充填され、前記ガスケットが前記樹脂により覆われたボタン形電気化学セル。
  3. 前記樹脂が液状封止樹脂である請求項1又は2に記載のボタン形電気化学セル。
  4. 前記樹脂が熱硬化性樹脂である請求項1又は2に記載のボタン形電気化学セル。
  5. 前記負極缶と接合する前記負極端子の接合部が、前記負極缶の平坦部の直径より大きく、かつ前記正極缶の外径より小さい請求項1又は2に記載のボタン形電気化学セル。
  6. 前記負極缶と接合する前記負極端子の接合部が、前記負極缶の平坦部の直径より大きく、かつ前記正極缶の内接する四角形より小さい請求項1又は2に記載のボタン形電気化学セル。
  7. 前記負極端子に切りかきを設けた請求項1又は2に記載のボタン形電気化学セル。
  8. 前記負極端子と前記正極缶との最短距離が0.2mm以下である請求項1又は2に記載のボタン形電気化学セル。
  9. 前記ガスケットの材質がポリフェニレンサルファイド又はポリアミドである請求項1又は2に記載のボタン形電気化学セル。
  10. 前記ボタン形電気化学セルがリフローはんだ付け可能である請求項1から9のいずれか1項に記載のボタン形電気化学セル。
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JP2010033769A (ja) * 2008-07-25 2010-02-12 Nisshin Steel Co Ltd バイポーラ型リチウムイオン二次電池

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