JP2006343558A - 液晶装置および電子機器 - Google Patents

液晶装置および電子機器 Download PDF

Info

Publication number
JP2006343558A
JP2006343558A JP2005169399A JP2005169399A JP2006343558A JP 2006343558 A JP2006343558 A JP 2006343558A JP 2005169399 A JP2005169399 A JP 2005169399A JP 2005169399 A JP2005169399 A JP 2005169399A JP 2006343558 A JP2006343558 A JP 2006343558A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
sealant
crystal device
alignment film
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2005169399A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiromi Wano
裕美 和野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2005169399A priority Critical patent/JP2006343558A/ja
Publication of JP2006343558A publication Critical patent/JP2006343558A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)

Abstract

【課題】 配向膜として無機材料を用いた液晶装置であって、信頼性の高い液晶装置および電子機器を提供する。
【解決手段】 一対の基板間に液晶40を挟持してなり、複数の画素領域がマトリクス状に配置された液晶装置であって、前記一対の基板間の縁近傍において液晶40を囲むように且つ液晶40の注入孔を形成するように配置されたメインシール剤31と、一対の基板間の縁近傍において注入孔を塞ぐように配置されたエンドシール剤32と、前記基板に形成された無機配向膜11とを有し、メインシール剤31とエンドシール剤32のガラス転移温度の差が45[℃]以内であることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液晶装置および電子機器に関するものである。
近年、高温ポリシリコン透過型ライトバルブ(L/V)用の液晶装置、又はLCOS(Liquid Crystal on Silicon)技術を使った液晶装置など超高精細な液晶装置が開発されている。液晶装置は、一対の基板間に液晶を挟持させる構成を有する。この構成を実現させるためには、次の方法が考え出されている。先ず、一対の基板における一方の基板上に液晶の注入孔を形成する一部を除いて、基板外周に沿うように線形状にメインシール剤を塗布し、他方の基板を重ね、熱硬化により一対の基板の貼り合わせを行う。その後、真空中にて液晶を注入口より注入し、その注入口を紫外線硬化型などのエンドシール剤で封止する(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−133132号公報
ところで、液晶を配向させる配向膜として無機物を用いた無機配向膜を有する液晶装置がある。ここで、無機配向膜とは、成膜面に対して真空蒸着(斜方蒸着法)又はスパッタリングを施し、セルフシャドーイング効果により基板への蒸着物質の入射方向に傾斜した微細な柱状構造が形成されたもの全般を指す。また、等方相蒸着又は等方相スパッタリングにおいて、柱状構造を形成しない場合も配向膜として利用できる場合があり、これらも無機配向膜に含められる。このとき、蒸着材料、その材料の形状、液晶材料の種類により、蒸着膜に対して液晶分子が、水平配向又は垂直配向することが知られている。
フッ素系液晶であって誘電率異方性が負の液晶を用いた場合、蒸着角度が小さい場合(等方性の膜に近い場合)、配向のチルト角は基板の垂直方向に対して、ほぼ0度であるが、蒸着角度が大きくなると、基板の垂直方向に対して、チルト角が付くことが分かっている。また、材料によっても同じ誘電率異方性が負の液晶でも水平配向する場合がある。
また、フッ素系液晶又はシアノ系液晶であって誘電率異方性が正の液晶を用いた場合、液晶分子は蒸着面に対して水平に配向するが、蒸着角によって、プレチルト角が異なったり、蒸着方向に対する液晶分子の配向方向が直角になったり水平になったりすることが分かっている。
上記のように斜方蒸着法又はスパッタリング等で形成した無機配向膜(例えばSiO、Al等)の熱に対する線膨張係数αは、概ね1〜9×10−7[/℃]であり、従来の有機物の配向膜(例えばポリイミド、ポリアミド等)の値(10−6〜10−5[/℃])の値と比べて、オーダーが異なるほど小さい傾向にある。
一方、液晶装置におけるメインシール剤及びエンドシール剤として広く用いられている有機樹脂の線膨張係数αは、概ね10−5のオーダーである。メインシール剤及びエンドシール剤の代表的な材料として挙げられるアクリル樹脂では5〜9×10−5[/℃]、エポキシ樹脂では2〜5×10−5[/℃]程度である。これらの値は、主原料物、添加物量、組成比などによって若干上下するが、オーダーが変わるほどではない。
したがって、有機物で形成された配向膜上に、メインシール剤及びエンドシール剤を塗布して液晶装置を形成した場合、その配向膜とメインシール剤及びエンドシール剤の界面で接する2つの物質の線膨張係数αの差は、それほど大きくはない。
しかしながら、上記有機物の配向膜を有してなる液晶装置と同様な構成(機械的な寸法、構造など)としながら、無機配向膜で液晶装置を構成した場合、その無機配向膜とメインシール剤及びエンドシール剤との界面で接する2つの物質の線膨張係数αの差が非常に大きな値となってしまう。このように線膨張係数αが大きく異なると、接着面(界面)に大きな応力が作用し、接着の信頼性などが損なわれてしまう。
また、現在の液晶装置の製造工程では、パネル組立、封止後に、数回に渡る熱処理が必要となる場合が多い。例えば、液晶の等方相処理工程として、液晶の種類及び工程により異なるが、概ね110℃〜135℃程度で5〜15分程パネル(一対の基板)を加熱して、液晶層を一旦、等方相とする。これにより、液晶の注入時に発生した配向ムラなどを解消する。また、表示検査前の基板熱処理工程として、パネル組立上がりの後又は実装後において、検査又は出荷前に、アレイ又は実装接合部に潜伏する不良等を発見するために、パネルを熱処理する。具体的には、100℃で10時間の熱処理をすることがある。
これらの避けられない熱処理を行った場合、無機配向膜を用いた液晶装置では、有機物の配向膜を用いた液晶装置よりも、上記のように、メインシール剤及びエンドシール剤の接着面において、熱応力が溜まりやすく、より大きな熱ストレスを溜める傾向にある。
一般に、液晶装置で使用されているメインシール剤は、上記のような熱処理工程の後でも、組ズレが起きることがないように、ガラス転移温度が高めに設定されている。具体的には、材料により異なるが、130℃以上に設定されている場合が多い。
これに対して、エンドシール剤としては主にアクリル樹脂が採用されているが、処理の簡便性、汚染の回避などを目的として添加剤は極力減らされている。したがって、エンドシール剤のガラス転移温度は、70℃〜90℃程度である場合が多い。
上記のようなメインシール剤及びエンドシール剤を用いた場合、熱処理工程において液晶装置内に蓄積された熱ストレスは、放熱時において、最もガラス転移温度の低いエンドシール剤に集中する傾向がある。したがって、この熱ストレスは、メインシール剤とエンドシール剤との界面での著しい接着不足及びクラック発生の原因となる。このようにメインシール剤とエンドシール剤との界面で接着不足及びクラック発生が起こると、液晶装置の信頼性が著しく損なわれ、表示不良の原因となってしまう。
また、メインシール剤とエンドシール剤のガラス転移温度が近い値でも、線膨張係数αが著しく異なる場合には、接着不足及びクラック発生が起こり、液晶装置の信頼性は低下してしまう。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、配向膜として無機材料を用いた液晶装置であって、信頼性を向上させることができる液晶装置および電子機器の提供を目的とする。
また、本発明は、配向膜として無機材料を用いた液晶装置であって、熱ストレスに起因する接着不良及びクラック発生を低減することができ、耐熱性、耐湿性などについての信頼性を向上させることができる液晶装置および電子機器の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の液晶装置は、一対の基板間に液晶を挟持してなり、複数の画素領域がマトリクス状に配置された液晶装置であって、前記一対の基板間の縁近傍において前記液晶を囲むように且つ該液晶の注入孔を形成するように配置されたメインシール剤と、前記一対の基板間の縁近傍において前記注入孔を塞ぐように配置されたエンドシール剤と、前記基板に形成された配向膜とを有し、前記配向膜は、無機材料からなり、前記メインシール剤とエンドシール剤のガラス転移温度の差が45[℃]以内であることを特徴とする。
本発明の液晶装置によれば、配向膜に無機材料を用いながら、メインシール剤とエンドシール剤のガラス転移温度の差を45[℃]以内としたので、メインシール剤とエンドシール剤の界面で生じる熱ストレスを低減することができる。したがって、本発明は、無機配向膜を有しながら、メインシール剤とエンドシール剤の界面での接着不良及びクラックの発生を低減でき、信頼性の高い液晶装置を提供することができる。この作用は実験などにより確認している。
上記目的を達成するために、本発明の液晶装置は、一対の基板間に液晶を挟持してなり、複数の画素領域がマトリクス状に配置された液晶装置であって、前記一対の基板間の縁近傍において前記液晶を囲むように且つ該液晶の注入孔を形成するように配置されたメインシール剤と、前記一対の基板間の縁近傍において前記注入孔を塞ぐように配置されたエンドシール剤と、前記基板に形成された配向膜とを有し、前記配向膜は、無機材料からなり、前記メインシール剤とエンドシール剤の熱による線膨張係数αの差が7.2×10−5[/℃]以内であることを特徴とする。
本発明の液晶装置によれば、配向膜に無機材料を用いながら、メインシール剤とエンドシール剤の熱による線膨張係数αの差を7.2×10−5[/℃]以内としたので、メインシール剤とエンドシール剤の界面で生じる熱ストレスを低減することができる。したがって、本発明は、無機配向膜を有しながら、メインシール剤とエンドシール剤の界面での接着不良及びクラックの発生を低減でき、信頼性の高い液晶装置を提供することができる。この作用は実験などにより確認している。
また、本発明の液晶装置は、前記配向膜が、前記無機材料として、SiO、SiO、SiN、SiON、Al、MgF、MgO、TiO、NbOのいずれかを、蒸着若しくはスパッタなどの真空プロセス、又は塗布プロセスで成膜されたものであることが好ましい。
本発明によれば、従来からある各種製法を用いて無機配向膜を製造でき、製造コストの低減を図りながら、耐熱性、耐湿性などについての信頼性の高い液晶装置を提供することができる。
また、本発明の液晶装置は、前記配向膜における前記液晶側の表面全体に形成された有機物層を有し、前記有機物層の厚さは7.5nm以下であることが好ましい。
本発明によれば、無機配向膜の表面全体に有機物層を形成して、その無機配向膜の表面張力などを改質した場合でも、その有機物層の厚さが7.5nm以下であるので、メインシール剤とエンドシール剤の界面で生じる熱ストレスを低減する効果を発揮することができる。すなわち、無機配向膜の表面張力を改質するために、基板をアルコール処理して形成される有機物層の厚さは、通常7.5nm以下である。その有機物層は、無機配向膜とメインシール剤及びエンドシール剤との間に配置されるので、熱で生じる応力を緩和する作用がある。しかし、7.5nm以下と非常に薄いためその作用は無いに等しい。そこで、本発明は、メインシール剤とエンドシール剤とのガラス転移温度の差、又は線膨張係数αの差を所定値以下にしているので、無機配向膜の表面全体に有機物層を形成した場合でも、メインシール剤とエンドシール剤の界面での接着不良及びクラックの発生を低減でき、信頼性が高く高性能な液晶装置を提供することができる。この作用は実験などにより確認している。
また、本発明の液晶装置は、前記配向膜における前記液晶側の表面の一部に形成された有機物層を有し、前記有機物層の形成領域の面積は、前記基板の表面面積の40パーセント以下であることが好ましい。
本発明によれば、例えば、無機配向膜の表面の一部に比較的に厚い有機物層を形成した場合でも、その有機物層の形成領域の面積が基板の表面面積の40パーセント以下であるので、メインシール剤とエンドシール剤の界面で生じる熱ストレスを低減する効果を発揮することができる。すなわち、無機配向膜の表面に厚い有機物層を形成した場合、その有機物層の表面面積が基板の表面面積の40パーセント以上あれば、その有機物層の接触面積が大きく、熱応力が広範囲に分散する。したがって、この場合は、メインシール剤とエンドシール剤とのガラス転移温度の差又は線膨張係数αの差を上記のように制限する必要性は小さい。一方、無機配向膜の表面に厚い有機物層を形成した場合であっても、その有機物層の表面面積が基板の表面面積の40パーセント以下であれば、その有機物層の接触面積が小さく、熱応力が分散しない。そこで、本発明は、メインシール剤とエンドシール剤とのガラス転移温度の差又は線膨張係数αの差を上記のように制限することにより、メインシール剤とエンドシール剤の界面での接着不良及びクラックの発生を低減でき、信頼性の高い液晶装置を提供することができる。この作用は実験などにより確認している。
また、本発明の液晶装置は、前記配向膜が前記基板におけるメインシール剤の位置よりも内側にのみ形成されており、前記メインシール剤及びエンドシール剤は前記基板における前記配向膜の下層に直接に接していることが好ましい。
本発明によれば、メインシール剤及びエンドシール剤が基板における無機配向膜の下層に直接に接している構成としても、メインシール剤とエンドシール剤の界面で生じる熱ストレスを低減する効果を発揮することができる。例えば、液晶装置の構成要素とされる基板は、ITO、TEOS、ガラスなどで構成される。このような基板は、メインシール剤及びエンドシール剤に対してガラス転移温度又は線膨張係数αが大きく異なる。そこで、本発明は、メインシール剤及びエンドシール剤が基板における無機配向膜の下層に直接に接している構成としながら、メインシール剤とエンドシール剤の界面での接着不良及びクラックの発生を低減でき、信頼性の高い液晶装置を提供することができる。この作用は実験などにより確認している。
上記目的を達成するために、本発明の電子機器は、前記液晶装置を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、耐熱性及び耐湿性が高く、信頼性の高い表示ができる電子機器を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下で参照する各図面においては、図面を見易くするために、各構成要素の寸法等を適宜変更して表示している。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る液晶装置の主要部の一例を示す図である。図1(a)は断面図であり、図1(b)は図1(a)の部位AAから見た平面図である。本液晶装置は、下基板10と、無機配向膜11,21と、上基板20と、メインシール剤31と、エンドシール剤32と、液晶40とを有して構成されている。
下基板10及び上基板20は一対の基板を成し、下基板10と上基板20の間に液晶40を挟持している。そして、本液晶装置は、複数の画素領域がマトリクス状に配置されており、画素領域毎に液晶40の分子配列を制御することで画像を表示することができる。本実施形態の液晶40は、誘電率異方性が負の液晶とする。
なお、本発明において画素領域とは、アクティブマトリクス駆動方式にあっては、走査線と、データ線と、走査線とデータ線に接続されたトランジスタとトランジスタに接続された画素電極が形成される領域を示すものであり、単純マトリクス駆動方式にあっては、横方向の導線に接続される行電極と縦方向の導線に接続される列電極とが交差する領域であって、前記行電極と前記列電極とに挟まれた領域に形成される単位領域を示すものである。
無機配向膜11,21は、無機物質からなる配向膜である。無機配向膜11は下基板10の液晶40側の表面に形成されている。無機配向膜21は上基板20の液晶40側の表面に形成されている。そして、無機配向膜11,21は、無機材料として、SiO、SiO、SiN、SiON、Al、MgF、MgO、TiO、NbOのいずれかを、蒸着若しくはスパッタなどの真空プロセス、又は塗布プロセスで成膜されたものとすることができる。
メインシール剤31は、下基板10と上基板20間における縁近傍に沿って液晶40を囲む一部を除いて、基板外周に沿うように線形状を成すように配置されている。例えば、図1に示すように、「コ」の字又は「C」の字を成すように配置されている。すなわち、メインシール剤31は、エンドシール剤32が無いと仮定した場合、下基板10と上基板20間において液晶40の注入孔を形成するように配置されている。エンドシール剤32は、下基板10と上基板20間の縁近傍において、メインシール剤31で形成された注入孔を塞ぐように配置されている。
このような構成は、例えば次のようにして形成する。先ず、下基板10の表面上に、その下基板10の縁に沿って線形状でメインシール剤31を塗布する。次いで、メインシール剤31を挟むようにして、上基板20を下基板10に重なる。そして、メインシール剤31を熱硬化させて、下基板10と上基板20の貼り合わせを行うとともに、液晶40の注入孔を形成する。その後、真空中にて液晶40を注入口より注入し、その注入口を紫外線硬化型などのエンドシール剤32で封止する。
ここで、下基板10及び上基板20の液晶側面には、それぞれ無機配向膜11,21が形成されているので、液晶40、メインシール剤31及びエンドシール剤32は無機配向膜11と無機配向膜21とで挟持されていることとなる。
本液晶装置では、メインシール剤31のガラス転移温度とエンドシール剤32のガラス転移温度の差が45[℃]以内となるように、メインシール剤31及びエンドシール剤32の構成材料を選定した。
これらにより、本実施形態の液晶装置によれば、メインシール剤31とエンドシール剤32のガラス転移温度の差を45[℃]以内としたので、メインシール剤31とエンドシール剤32の界面で生じる熱ストレスを低減することができる。したがって、本液晶装置は、無機配向膜11,21を有しながら、メインシール剤31とエンドシール剤32の界面などでの接着不良及びクラックの発生を低減することができる。この作用は実験などにより確認している。
図3は本実施形態の液晶装置の効果を確認するための実験の結果を示す図である。本実験では、メインシール剤31及びエンドシール剤32としてガラス転移温度の異なる材料を用いて、図1に示すような構造の液晶装置を複数種類作成した。そして、同一種類(メインシール剤31及びエンドシール剤32が同一)の液晶装置につき、10台作成した。この作成では、液晶40の注入およびエンドシール剤32での封止の後に、液晶40について等方相処理を110℃で5分行った。そして、メインシール剤31及びエンドシール剤32の界面を観察して、クラックの発生状況を確認した。
図3において、「丸」印は、同一種類の液晶装置の全部にクラックが発生しなかったことを示している。「三角」印は、同一種類の液晶装置の一部にクラックが発生したことを示している。「バツ」印は、同一種類の液晶装置の全部にクラックが発生したことを示している。
この実験結果により、メインシール剤31とエンドシール剤32のガラス転移温度の差が50℃以上になると、ほぼ全数で、メインシール剤31とエンドシール剤32の界面付近でのクラック発生が確認できた。メインシール剤31とエンドシール剤32のガラス転移温度の差が45℃の場合は、一部の液晶装置にクラックが発生した。同一種類の複数の液晶装置において、一部の装置にクラックが発生すれば、他のクラックが発生していない装置でも、かなり大きな熱応力がかかっていると考えられる。したがって、その大きな熱応力によって、メインシール剤31とエンドシール剤32の界面での密着性はかなり低くなっているものと思われる。
これらにより、本実施形態の液晶装置において、上記効果(本発明の効果)が明確に得られる範囲は、メインシール剤31とエンドシール剤32のガラス転移温度の差が45℃以内であることが実証された。
図2は、本実施形態に係る液晶装置の変形例を示す図であり、図2(a)は部分断面図であり、図2(b)は平面図である。図2において、図1の構成要素と同一のものには同一符号を付けている。図2に示す液晶装置において、図1の液晶装置と異なる構成は、無機配向膜11が下基板10の上面全体に形成されてはいない点である。すなわち、下基板10の上面全体において、メインシール剤31の内周近傍に沿って、リング形状をなすように、無機配向膜11が無い基板露出部位12が形成されている。本変形例のその他の構成は、図1に示す液晶装置と同一である。したがって、図2では図1に示す上基板20、無機配向膜21及び液晶40が記載されていないが、これらも本変形例の構成要素となっている。図2に示す構成の液晶装置であっても、図1に示す液晶装置とほぼ同一の効果を発揮することができる。このことについても、実験により確認している。
(第2実施形態)
図4は、本発明の第2実施形態に係る液晶装置の構成とその効果を確認するための実験の結果を示す図である。
本実施形態の液晶装置の特徴は、図1又は図2の液晶装置におけるメインシール剤31とエンドシール剤32の熱による線膨張係数αの差が7.2×10−5[/℃]以内である点である。本実施形態の液晶装置における(上記特性の)メインシール剤31及びエンドシール剤32の構成材料以外の構成は、図1又は図2の液晶装置と同一とする。なお、図3及び図4に示すように、本実施形態と第2実施形態とは、メインシール剤31及びエンドシール剤32の構成材料が一部重複しており、全体構成として、同一構成となる場合がある。
図4に示す実験では、メインシール剤31及びエンドシール剤32として熱による線膨張係数αの異なる材料を用いて、図1(又は図2)に示すような構造の液晶装置を複数種類作成した。そして、同一種類(メインシール剤31及びエンドシール剤32が同一)の液晶装置につき、10台作成した。この作成でも第1実施形態と同様に、液晶40の注入およびエンドシール剤32での封止の後に、液晶40について等方相処理を110℃で5分行った。そして、メインシール剤31及びエンドシール剤32の界面を観察して、クラックの発生状況を確認した。
図4において、「丸」印は、同一種類の液晶装置の全部にクラックが発生しなかったことを示している。「三角」印は、同一種類の液晶装置の一部にクラックが発生したことを示している。「バツ」印は、同一種類の液晶装置の全部にクラックが発生したことを示している。
この実験結果により、メインシール剤31とエンドシール剤32の熱による線膨張係数αの差が7.2×10−5[/℃]以上になると、ほぼ全数で、メインシール剤31とエンドシール剤32の界面付近でのクラック発生が確認できた。
これらにより、本実施形態の液晶装置において、本発明の効果が明確に得られる範囲は、メインシール剤31とエンドシール剤32の熱による線膨張係数αの差が7.2×10−5[/℃]以内であることが実証された。すなわち、本実施形態の液晶装置は、配向膜に無機材料を用いながら、メインシール剤31とエンドシール剤32の熱による線膨張係数αの差を7.2×10−5[/℃]以内としたので、メインシール剤31とエンドシール剤32の界面で生じる熱ストレスを低減することができる。したがって、本実施形態によれば、無機配向膜11,21を有しながら、メインシール剤31とエンドシール剤32の界面での接着不良及びクラックの発生を低減でき、信頼性の高い液晶装置を提供することができる。
(第3実施形態)
図5は、本発明の第3実施形態に係る液晶装置の主要部の一例を示す部分断面図である。図5において、図1の構成要素と同一のものには同一符号を付けている。本実施形態の液晶装置において図1の液晶装置との相違点は、無機配向膜11における液晶40側の表面全体に有機物層50が形成されている点である。そして、有機物層50のの厚さd1は、7.5nm以下としている。本実施形態の液晶装置のその他の構成は、図1に示す第1実施形態の液晶装置又は第2実施形態の液晶装置と同一である。
有機物層50は、次のようにして形成した。先ず、図1に示す第1実施形態の液晶装置の構成要素をなす下基板10及び無機配向膜11を形成する。そして、下基板10及び無機配向膜11を、オクタデカノール(C18OH)の5%キシレン溶液に侵漬させる。この侵漬は、130℃で60分間行う。その後、純水でリンスする、その後、窒素雰囲気のオーブンにより、150℃で1時間焼成した。これらの工程により、無機配向膜11上にアルコール処理が施され、有機物層50が形成された。このアルコール処理で形成された無機配向膜11上の炭素鎖による有機物層50は、非常に薄く、約7.5nm程度になる。
本実施形態の液晶装置について、第1及び第2実施形態と同様にして実験した。その結果、第1及び第2実施形態の液晶装置と同様の効果を得ることができた。したがって、無機配向膜11上に有機物層50を形成した構成の液晶装置であっても、その他の構成を第1又は第2実施形態の液晶装置と同一にすることにより、メインシール剤31とエンドシール剤32の界面での接着不良及びクラックの発生を低減でき、信頼性を高めることができる。
(第4実施形態)
図6は、本発明の第4実施形態に係る液晶装置の主要部の一例を示す部分断面図である。図6において、図1の構成要素と同一のものには同一符号を付けている。本実施形態の液晶装置において第1及び第2実施形態の液晶装置との相違点は、無機配向膜11における液晶40側の表面の一部に有機物層51が形成されている点である。そして、有機物層51の液晶40側の面積(形成領域の面積)は、下基板10の表面面積(すなわち無機配向膜11の表面面積)の40パーセント以下としている。
ここで、有機物層51は、メインシール剤31及びエンドシール剤32と無機配向膜11との間に配置されている。換言すれば、有機物層51はメインシール剤31及びエンドシール剤32の底面に接するように配置されている。また、有機物層51の厚さd2は、第3実施形態の液晶装置における有機物層50の厚さd1(7.5nm以下)に比較して、桁違いに大きな値としてもよい。有機物層51としては、例えばポリイミド(PI)、アクリル樹脂などを塗布して形成されたものとする。
本実施形態の液晶装置によれば、有機物層51の形成領域の面積が下基板10の表面面積の40パーセント以下であるので、メインシール剤31とエンドシール剤32の界面で生じる熱ストレスを低減する効果を発揮することができる。
図9及び図10は、本実施形態の液晶装置の効果を確認するための実験の結果を示す図である。図9の実験では、第1実施形態の構成に本実施形態の構成を組み合わせた液晶装置を複数種類作成した。すなわち、メインシール剤31とエンドシール剤32のガラス転移温度の差が45℃の材料を用いると共に、図6に示すように、所定割合の形成面積の有機物層51を有する液晶装置を作成した。また、有機物層51の形成面積が下基板10の液晶側表面の全面積に対して0%〜50%となるように、有機物層51の形成面積割合を変化させた複数種類の液晶装置を作成した。そして、メインシール剤31及びエンドシール剤32の界面を観察して、クラックの発生状況を確認した。
図10の実験では、第2実施形態の構成に本実施形態の構成を組み合わせた液晶装置を複数種類作成した。すなわち、メインシール剤31とエンドシール剤32の熱による線膨張係数αの差が7.2×10−5[/℃]の材料を用いると共に、図6に示すように、所定割合の形成面積の有機物層51を有する液晶装置を作成した。また、有機物層51の形成面積が下基板10の液晶側表面の全面積に対して0%〜50%となるように、有機物層51の形成面積割合を変化させた複数種類の液晶装置を作成した。そして、メインシール剤31及びエンドシール剤32の界面を観察して、クラックの発生状況を確認した。図9及び図10において、「三角」印は同一種類の液晶装置の一部にクラックが発生したことを示している。「バツ」印は、同一種類の液晶装置の全部にクラックが発生したことを示している。
これらの図9及び図10に示す実験結果より、有機物層51(ポリイミド又はアクリル樹脂)の形成面積割合が40%よりも大きくなると、有機物層51による応力緩和の効果が出て、本発明の効果(メインシール剤31とエンドシール剤32の材料を限定した効果)が現れにくくなっていることが分かる。一方、有機物層51の形成面積割合が40%以下では、有機物層51による応力緩和がそれほど得られず、本発明の効果が得られていることが分かる。
したがって、本実施形態の液晶装置は、ポリイミド又はアクリル樹脂などによる有機物層51の形成面積割合が40%以下であるので、メインシール剤31とエンドシール剤32の界面で生じる熱ストレスを低減する効果を発揮することができる。
図7は本実施形態に係る液晶装置の変形例を示す部分断面図である。本液晶装置では、有機物層51を下基板10の上に直接形成している。そして、無機配向膜11は、下基板10の表面における有機物層51の形成領域以外に形成している。本液晶装置においても、有機物層51の下基板10全体に対する形成面積割合は40パーセント以下としている。その他の構成は、図6に示す液晶装置と同一である。
図8は本実施形態に係る液晶装置の他の変形例を示す図であり、図8(a)は部分断面図あり、図8(b)は図8(a)の平面図である。本液晶装置において、図7の液晶装置との相違点は有機物層51と無機配向膜11との間に隙間がある点である。その他の構成は、図7の液晶装置と同一である。図7及び図8に示す構成の液晶装置であっても、図6に示す液晶装置とほぼ同一の効果を発揮することができる。このことについても、実験により確認している。
図6、図7、図8の実施例全て、図のように、前記有機層が基板の縁まで形成されていても良いし、前記有機層の外周側の端が、基板の縁まで形成されていなくても良い。もしくは、前記有機層の外周側の端が、メインシール内にあるように形成されていても、形成面積割合が40パーセント以下ならば、本発明の効果を得ることが出来る。
(第5実施形態)
図11は本発明の第5実施形態に係る液晶装置の主要部の一例を示す図であり、図11(a)は部分断面図であり、図11(b)は図11(a)の平面図である。図11において、図1の構成要素と同一のものには同一符号を付けている。本実施形態の液晶装置において第1及び第2実施形態の液晶装置との相違点は、メインシール剤31及びエンドシール剤32が無機配向膜11と接していない構成であって、無機配向膜11を有効画素部にのみ形成している点である。そして、メインシール剤31及びエンドシール剤32は、下基板10における絶縁膜(例えばTEOS)に接している。換言すれば、無機配向膜11が下基板10の上面におけるメインシール剤31の位置よりも内側にのみ形成されており、メインシール剤31及びエンドシール剤32は下基板10に直接に接している。
このような構成としても、第1及び第2実施形態の液晶装置と全く同様の効果を得ることができる。この効果についても実験により確認している。すなわち、メインシール剤31及びエンドシール剤32が無機配向膜11の下層の下基板10における無機層と直接に接している構造であれば、第1及び第2実施形態の液晶装置と同様の効果を得ることができる。
(回路構成例)
図12は、上記第1から第5実施形態に係る液晶装置の回路構成例を示す回路図である。本回路構成例ではアクティブマトリクス型液晶装置の等価回路を示している。本実施形態の液晶装置において、表示領域を構成すべくマトリクス状に配置された複数の画素には、画素電極9が形成されている。また、その画素電極9の側方には、当該画素電極9への通電制御を行うためのスイッチング素子であるTFT素子60が形成されている。このTFT素子60のソースには、データ線6aが電気的に接続されている。各データ線6aには画像信号S1、S2、…、Snが供給される。尚、画像信号S1、S2、…、Snは、各データ線6aに対してこの順に線順次で供給してもよく、相隣接する複数のデータ線6aに対してグループ毎に供給してもよい。
TFT素子60のゲートに走査線3aが電気的に接続されている。走査線3aには、所定のタイミングでパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmが供給される。走査信号G1、G2、…、Gmは、各走査線3aに対してこの順に線順次で印加する。また、TFT素子60のドレインには、画素電極9が電気的に接続されている。そして、走査線3aから供給された走査信号G1、G2、…、Gmにより、スイッチング素子であるTFT素子60を一定期間だけオン状態にすると、データ線6aから供給された画像信号S1、S2、…、Snが、各画素の液晶(図1の液晶40)に所定のタイミングで書き込まれる。
液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、画素電極9と後述する共通電極との間に形成される液晶容量で一定期間保持される。なお、保持された画像信号S1、S2、…、Snがリークするのを防止するため、画素電極9と容量線3bとの間に蓄積容量70が形成され、液晶容量と並列に配置されている。このように、液晶に電圧信号が印加されると、印加された電圧レベルにより液晶分子の配向状態が変化する。これにより、液晶に入射した光が変調されて階調表示が可能となる。
図13は、図12に示す液晶装置の全体構成例を示す図である。図13(a)は、TFTアレイ基板(例えば図1の下基板10)をその上に形成された各構成要素とともに対向基板(例えば図1の上基板20)の側から見た平面図、図13(b)は、対向基板を含めて示した図13(a)のH−H’線に沿う断面図である。
本実施形態の液晶装置100は、TFTアレイ基板10(アクティブマトリクス基板)と対向基板20とが、矩形枠状に設けられたシール材152(図1のメインシール剤31に相当)によって貼り合わされ、このシール材152によって区画された領域内に液晶層150(図1の液晶40に相当)が封入されている。シール材152の形成領域の内側の領域には、遮光性材料からなる遮光膜(周辺見切り)153が形成されており、この遮光膜153の形成領域の内側の領域が表示領域となる。シール材152の外側の周辺回路領域には、データ線駆動回路201および外部回路実装端子202がTFTアレイ基板110の一辺に沿って形成されており、この一辺に隣接する2辺に沿って走査線駆動回路104が形成されている。TFTアレイ基板110の残る一辺には、表示領域の両側に設けられた走査線駆動回路104の間を接続するための複数の配線105が設けられている。また、対向基板120の角部においては、TFTアレイ基板110と対向基板120との間で電気的導通をとるための基板間導通材106が配設されている。なお、図13(a)において、符号152aはシール材152に形成された液晶注入口であり、符号155はこの液晶注入口152を封止するための封止材(図1のエンドシール剤32に相当)である。
図13(b)において、TFTアレイ基板110の最表面には垂直配向膜111(図1の無機配向膜11に相当)が形成されている。この垂直配向膜11は、表示領域に設けられた第1の垂直配向膜111aと、表示領域の外周部に沿って矩形枠状に設けられた第2の垂直配向膜111bとを有している。
第1の垂直配向膜111aは、液晶を配向させることが可能な所定の表面形状を有する無機配向膜からなる。この無機配向膜111aとしては、公知のものを用いることができるが、本例では例えばこれをSiOの斜方蒸着膜とする。第2の垂直配向膜111bは、ポリイミドやポリアミド等の有機配向膜からなる。有機配向膜111bは、前述の無機配向膜111aと違って、液晶と有機配向膜111bとの分子間力によって液晶の配向状態を強固に規制することができる。このため、仮にシール材152から有機配向膜近傍に不純物が溶出してきても、それによって配向膜近傍の液晶の配向が乱されることは殆どない。また、前述のポリイミド等の材料は不純物を吸着し易い性質を持つため、このような有機配向膜111bをシール材近傍に配置することで、有機配向膜11bが不純物の吸着層として機能し、表示領域側への不純物の拡散を防止することができる。
一方、対向基板120の最表面にも、同様の材料からなる垂直配向膜121(図1の無機配向膜21に相当)が設けられている。すなわち、垂直配向膜121は、表示領域に設けられた無機配向膜からなる第1の垂直配向膜121aと、表示領域の外周部に沿って矩形枠状に設けられた有機配向膜からなる第2の垂直配向膜121bとを有している。有機配向膜121bと有機配向膜11bとは同一形状とされ、互いに対向する位置に形成されている。
次に、本実施形態の液晶装置100の製造方法について説明する。
まず、公知の方法を用いてTFTアレイ基板110及び対向基板120を製造し、これらの基板の表面に、斜方蒸着法により無機配向膜111a,121aを形成する。この場合、蒸着角度は例えば基板法線から55°をなす角度とし、厚みは40nmとする。
次に、これらの無機配向膜の表面に前述の材料として、例えばオプトマーAL00010(JSR製造)からなる有機配向膜111b,121bを形成する。この際、有機配向膜111b,121bは、前記表示領域を取り囲むように、シール材152に沿って矩形枠状に形成する。特にシール材152に近接又は隣接する位置に形成することが望ましい。本例では、有機配向膜111b,121bの外周部がシール材152の形成領域にかかる程度にまで両者を接近させている。また、封止材155からも不純物が溶出することがあるので、封止材155と表示領域との間(即ち、液晶注入口152aの形成される位置)にも有機配向膜111b,121bを形成する。なお、有機配向膜111b,121bの形成方法としてはフレキソ印刷等を好適に用いることができる。
次に、これらの基板110,120の一方にシール材152を塗布する。シール材152は、上記第1から第5実施形態で用いられたメインシール剤31を用いる。したがって、シール材152と封止材155のガラス転移温度の差が45[℃]以内であるか、又は、シール材152と封止材155の熱による線膨張係数αの差が7.2×10−5[/℃]以内となっている。シール材152の塗布の際、枠の一部に開口部(液晶注入口152a)を設けておく。なお、シール材152には、セル厚を規定するためのスペーサを混合しておく。
次に、両基板110,120をシール材152によって貼り合わせ、3000mJの紫外線照射によってシール材152を硬化する。この際、必要に応じて加熱処理を行ない、シール材中の未硬化成分を硬化する。加熱処理は、例えばオーブンで120℃、1時間加熱することによって行なう。以上により空セルが作製されたら、今度は、シール材152に設けた液晶注入口52aを介して空セル内に誘電異方性が負の液晶を注入する。その後液晶注入口152aを封止材155で封止する。
以上により、液晶装置100が製造される。
以上説明したように、本実施形態では、シール材152と封止材155のガラス転移温度の差が45[℃]以内であるか、又は、シール材152と封止材155の熱による線膨張係数αの差が7.2×10−5[/℃]以内であるので、シール材152と封止材155の界面で生じる熱ストレスを低減することができる。したがって、本実施形態によれば、無機配向膜を有しながら、シール材152と封止材155の界面での接着不良及びクラックの発生を低減でき、信頼性の高い液晶装置100を提供することができる。
[電子機器]
次に、上述の液晶装置を用いた電子機器の一例として、投射型液晶表示装置(液晶プロジェクタ)について説明する。
図14は、液晶プロジェクタの概略構成を示す図である。この図に示されるように、プロジェクタ1100内部には、ハロゲンランプ等の白色光源からなるランプユニット1102が設けられている。このランプユニット1102から射出された投射光は、内部に配置された3枚のミラー1106および2枚のダイクロイックミラー1108によって赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色に分離されて、各原色に対応するライトバルブ100R、100Gおよび100Bにそれぞれ導かれる。
ここで、ライトバルブ100R、100Gおよび100Bの構成は、上述した実施形態に係る液晶装置と同様であり、画像信号を入力する処理回路(図示省略)から供給されるR、G、Bの原色信号でそれぞれ駆動されるものである。また、B色の光は、他のR色やG色と比較すると、光路が長いので、その損失を防ぐために、入射レンズ1122、リレーレンズ1123および出射レンズ1124からなるリレーレンズ系1121を介して導かれる。
ライトバルブ100R、100G、100Bによってそれぞれ変調された光は、ダイクロイックプリズム1112に3方向から入射する。そして、このダイクロイックプリズム1112において、R色およびB色の光は90度に屈折する一方、G色の光は直進する。
このようにして、各色の画像が合成された後、スクリーン1120には、投射レンズ1114によってカラー画像が投射されることとなる。
本実施形態の投射型液晶表示装置は、上記実施形態の液晶装置を備えているので、信頼性が高く、表示品質にも優れた表示装置となっている。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。例えば、前記実施形態の液晶装置は、前述した投射型表示装置に限らず、種々の電子機器に搭載することができる。この電子機器としては例えば、携帯電話、電子ブック、パーソナルコンピュータ、ディジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダ型あるいはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等があり、前記液晶表示装置はこれらの画像表示手段として好適に用いることができる。また、上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
本発明の第1実施形態に係る液晶装置の一例を示す図である。 第1実施形態に係る液晶装置の変形例を示す図である。 第1実施形態に係る液晶装置の効果を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る液晶装置の構成と効果を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る液晶装置の一例を示す部分断面図である。 本発明の第4実施形態に係る液晶装置の一例を示す図である。 第4実施形態に係る液晶装置の変形例を示す図である。 第4実施形態に係る液晶装置の変形例を示す図である。 第4実施形態の液晶装置の効果を示す図である。 第4実施形態の液晶装置の効果を示す図である。 本発明の第5実施形態に係る液晶装置の一例を示す図である。 第1から第5実施形態の液晶装置の回路構成例を示す回路図である。 同上の液晶装置の全体構成例を示す図である。 本発明の実施形態に係る電子機器の一例を示す概略構成図である。
符号の説明
10…下基板、11,21…無機配向膜、12…基板露出部位、20…上基板、31…メインシール剤、32…エンドシール剤、40…液晶、50,51…有機物層

Claims (7)

  1. 一対の基板間に液晶を挟持してなり、複数の画素領域がマトリクス状に配置された液晶装置であって、
    前記一対の基板間の縁近傍において前記液晶を囲むように且つ該液晶の注入孔を形成するように配置されたメインシール剤と、
    前記一対の基板間の縁近傍において前記注入孔を塞ぐように配置されたエンドシール剤と、
    前記基板に形成された配向膜とを有し、
    前記配向膜は、無機材料からなり、
    前記メインシール剤とエンドシール剤のガラス転移温度の差が45[℃]以内であることを特徴とする液晶装置。
  2. 一対の基板間に液晶を挟持してなり、複数の画素領域がマトリクス状に配置された液晶装置であって、
    前記一対の基板間の縁近傍において前記液晶を囲むように且つ該液晶の注入孔を形成するように配置されたメインシール剤と、
    前記一対の基板間の縁近傍において前記注入孔を塞ぐように配置されたエンドシール剤と、
    前記基板に形成された配向膜とを有し、
    前記配向膜は、無機材料からなり、
    前記メインシール剤とエンドシール剤の熱による線膨張係数αの差が7.2×10−5[/℃]以内であることを特徴とする液晶装置。
  3. 前記配向膜は、前記無機材料として、SiO、SiO、SiN、SiON、Al、MgF、MgO、TiO、NbOのいずれかを、蒸着若しくはスパッタなどの真空プロセス、又は塗布プロセスで成膜されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶装置。
  4. 前記配向膜における前記液晶側の表面全体に有機物層を有し、
    前記有機物層の厚さは、7.5nm以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の液晶装置。
  5. 前記配向膜における前記液晶側の表面の一部に有機物層を有し、
    前記有機物層の形成領域の面積は、前記基板の表面面積の40パーセント以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の液晶装置。
  6. 前記配向膜は、前記基板におけるメインシール剤の位置よりも内側にのみ形成されており、
    前記メインシール剤及びエンドシール剤は、前記基板の液晶側表面に直接接していることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の液晶装置。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の液晶装置を備えたことを特徴とする電子機器。
JP2005169399A 2005-06-09 2005-06-09 液晶装置および電子機器 Withdrawn JP2006343558A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005169399A JP2006343558A (ja) 2005-06-09 2005-06-09 液晶装置および電子機器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005169399A JP2006343558A (ja) 2005-06-09 2005-06-09 液晶装置および電子機器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006343558A true JP2006343558A (ja) 2006-12-21

Family

ID=37640568

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005169399A Withdrawn JP2006343558A (ja) 2005-06-09 2005-06-09 液晶装置および電子機器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006343558A (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS54147058A (en) * 1978-05-11 1979-11-16 Sony Corp Production of liquid crystal display device
JPH04345127A (ja) * 1991-05-22 1992-12-01 Fuji Photo Film Co Ltd 液晶表示素子
JPH05188376A (ja) * 1991-06-14 1993-07-30 Hughes Aircraft Co 液晶に傾斜した垂直整列を導入する方法
JP2002214616A (ja) * 2001-01-17 2002-07-31 Seiko Epson Corp 液晶装置とその製造方法
JP2005015757A (ja) * 2003-06-04 2005-01-20 Sekisui Chem Co Ltd 光硬化性樹脂組成物、液晶表示素子用シール剤、液晶表示素子用封口剤、液晶表示素子用上下導通材料及び液晶表示装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS54147058A (en) * 1978-05-11 1979-11-16 Sony Corp Production of liquid crystal display device
JPH04345127A (ja) * 1991-05-22 1992-12-01 Fuji Photo Film Co Ltd 液晶表示素子
JPH05188376A (ja) * 1991-06-14 1993-07-30 Hughes Aircraft Co 液晶に傾斜した垂直整列を導入する方法
JP2002214616A (ja) * 2001-01-17 2002-07-31 Seiko Epson Corp 液晶装置とその製造方法
JP2005015757A (ja) * 2003-06-04 2005-01-20 Sekisui Chem Co Ltd 光硬化性樹脂組成物、液晶表示素子用シール剤、液晶表示素子用封口剤、液晶表示素子用上下導通材料及び液晶表示装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7898632B2 (en) Electro-optical device, manufacturing method thereof, and electronic apparatus
US9759951B2 (en) Electro-optical device and electronic apparatus
US20070188689A1 (en) Electro-optical device, panel for electro-optical device, method of manufacturing electro-optical device, and electronic apparatus
US7456920B2 (en) Method of manufacturing electro-optical device, device for manufacturing the same, electro-optical device and electronic apparatus
JP2007240690A (ja) 液晶装置及びその製造方法、並びに電子機器
US9164336B2 (en) Electro-optical device and electronic apparatus
US7019807B2 (en) Electrooptic device and electronic equipment
US8698967B2 (en) Electro-optic device, electronic device, and method of manufacturing electro-optic device
JP2016017984A (ja) 電気光学装置、電子機器、及び電気光学装置の製造方法
US8023083B2 (en) Liquid crystal device, method for manufacturing the same, and electronic apparatus including the same
JP2007286468A (ja) 液晶装置の製造方法
JP2007219364A (ja) 液晶装置の製造方法、液晶装置及び電子機器
JP2011186285A (ja) 電気光学装置及びその製造方法、並びに電子機器
JP2007199191A (ja) 液晶装置及びその製造方法、並びに電子機器
JP2007248832A (ja) 液晶装置及びその製造方法、並びに電子機器
JP2007286171A (ja) 液晶装置及びその製造方法、並びに電子機器
JP2006343558A (ja) 液晶装置および電子機器
JP6753450B2 (ja) 電気光学装置用基板、電気光学装置、電子機器
US9128328B2 (en) Liquid crystal device and projector
JP2008203712A (ja) 液晶装置の製造方法、液晶装置の製造装置
JP2005300735A (ja) 液晶装置および電子機器
JP5402511B2 (ja) 液晶装置及びその製造方法、並びに電子機器
JP2006078930A (ja) 液晶装置、及び電子機器、液晶装置の製造方法
JP2007219365A (ja) 液晶装置の製造方法、液晶装置、及び電子機器
JP2007199450A (ja) 液晶装置の製造方法、及び液晶装置、並びに電子機器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080502

A521 Written amendment

Effective date: 20080507

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20101220

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101221

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20110118

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20110119