JP2006343250A - 構造物切断方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
切断助剤を混合したウォータージェット法を原子炉内構造物へ施工するに際して、炉内構造物への施工により放射化した切断助剤による二次汚染を防止する方法を提供することを課題とする。
【解決手段】
切断助剤が混合され且つ加圧された液体をノズルから噴射し、放射化した構造物を切断する。切断助剤として酸化アルミニウムを用いる。酸化アルミニウムは、腐食反応に不可欠である酸化反応が起きず、水酸化物が生成しない。従って、切断助剤を混合したウォータージェット法を原子炉内構造物へ施工する場合にも、施工により放射化した酸化アルミニウムが錆として周辺機器に付着することを防止でき、その結果、放射能の付着、つまり二次汚染を防止することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、切断助剤が混合されたウォータージェットによる構造物の切断方法に係り、特に放射化した炉内構造物を切断するのに好適な構造物の切断方法に関する。
原子力発電プラントにおける原子炉内構造物について、新材料等への取り替え,耐用年数経過後の処分が検討されている。原子炉内構造物の取り替えや解体に際しては、これを切断する作業が必要となる。切断方法のひとつに、水流に切断助剤を混合するウォータージェット法がある(特許文献1参照)。ここで、切断助剤を混合したウォータージェット法により構造物を切断するためには、多量の切断助剤を構造物に衝突させる必要があり、衝突により粉砕した切断助剤は水中に浮遊する発明者が、切断助剤を混合したウォータージェット法の原子炉内構造物への適用を検討した結果、原子炉内構造物への施工により放射化した切断助剤が噴射ノズルや周辺装置に付着し、二次汚染を生ずる可能性があることを見出した。
特開2000−135677号公報
切断助剤を混合したウォータージェット法を原子炉内構造物へ施工するに際して、炉内構造物への施工により放射化した切断助剤による二次汚染を防止する方法を提供することを課題とする。
切断助剤が混合され且つ加圧された液体をノズルから噴射し、放射化した構造物を切断する。切断助剤として酸化アルミニウムを用いる。
酸化アルミニウム(アルミナ)は、腐食反応に不可欠である酸化反応が起きず、水酸化物が生成しない。従って、切断助剤を混合したウォータージェット法を原子炉内構造物へ施工する場合にも、施工により放射化した酸化アルミニウムが錆として周辺機器に付着することを防止でき、その結果、放射能の付着、つまり二次汚染を防止することができる。
発明者は、酸化アルミニウムのろ過性能についても検討したので、以下に検討結果を示す。切断助剤を混合させるウォータージェット法では構造物の切断や加工時に大量の切断助剤を衝突させる。このため、切断助剤の破片を浄化するための回収フィルタの寿命が短縮することになる。また、粉砕した切断助剤は水中に浮遊し、濁りが発生するという問題が生じる。プール水が濁ると、水中に設置した機器を作業者が操作する際に視認性低下を引き起こす。そのため、切断時に噴射された切断助剤は極力吸引し、フィルタろ過することで水の透明度を維持する必要がある。しかし、破砕した切断助剤は広範囲の粒径が存在するが、5μm以下はフィルタのろ過抵抗が大きく、ろ過性能が悪くなる。さらにこのような破砕した切断助剤は遠心分離でも除去しにくいため、小さい破片が多い場合はフィルタの寿命を短縮することになる。また、破砕した切断助剤が水酸化物に化学形態が変化している場合、ろ過抵抗はさらに大きくなり、フィルタ寿命が大きく短縮される。多量のフィルタを用いることは、コストや交換作業の増加を招くとともに、構造物の切断片をもろ過していることから放射能を含んだ廃棄物を増加させることにもなる。遠心分離が困難でありフィルタのろ過抵抗が大きい粒径5μm未満の粒子が少ないければ、フィルタの寿命を延長することができ、フィルタの廃棄量を低減することができる。そして、発明者が検討した結果、このようなフィルタの廃棄物量低減という観点からも、切断助剤として酸化アルミニウムが適していることを新たな知見として得たので、その内容を以下に説明する。
切断助剤として酸化アルミニウムを用いてウォータージェット法によりステンレス鋼を切断したときに、水中に浮遊する破砕片の粒径分布を図2に示す。図2は、切断を実施したプール水を採取し、その採取したプール水を目開きが10μmのフィルタでろ過し、通過したろ液を5μmフィルタに通水し、そのろ液をさらに3μmフィルタへ通水し、と順次ろ液を小さい目開きのフィルタへ通水したときに、通水前後における各フィルタの重量変化を測定したものである。また、図2は、同じ切断条件で切断助剤として鋳鋼を用いた場合の測定結果もあわせて示している。被切断材質はステンレス鋼であり、被切断材板厚は10mmであり、切断速度は10mm/min であり、切断助剤供給量は400g/min である。切断助剤として酸化アルミニウムを用いた場合は、5μmフィルタでほぼ全量が捕集されており、5μm以上の粒子が多いことがわかる。一方、切断助剤として鋳鋼を用いた場合は、0.45μm から3μmという小さい破砕片が存在していることがわかる。酸化アルミニウムの5μm以下の重量割合は全浮遊物重量の0.05% であるのに対し、鋳鋼のそれは1.78%であった。
また、図3は、図2の実験結果について各切断助剤の重量を個数換算したグラフである。粒子数は、各フィルタで捕集された重量がすべて各目開き径を直径とする球形粒子であるとして計算した(式(1))。さらに、図3は、一般的な切断助剤として、ガーネットや炭化ケイ素,鋳鉄を用いた場合の結果も追加している。
粒子数=フィルタの捕集重量÷密度÷(4/3π(フィルタの目開き/2)3
…(1)
ここで、「5μm以上」は5μmと10μmのフィルタで捕集された粒子数の和であり、「5μm未満」は3μmと1.2μmと0.45μmのフィルタで捕集された粒子数の和である。酸化アルミニウムは5μm以上に比べ5μm未満の個数が少ないが、鋳鋼その他の切断助剤では逆に5μm未満のほうが多い。
図4は、図3と同様に各切断助剤の重量を個数換算したグラフである。「10μm以上」は10μmのフィルタで捕集された粒子数であり、「10μm未満」は5μmと3μmと1.2μmと0.45μmのフィルタで捕集された粒子数の和である。10μm以上と
10μm未満でそれぞれ捕集された粒子数を比較した場合も、図3の実験結果と同様の傾向が得られた。つまり、酸化アルミニウムは10μm以上に比べ10μm未満の個数が少ないが、鋳鋼等切断助剤では10μm未満のほうが多い結果となった。
上述の実験結果から、同じ条件で切断を行っても、切断助剤により、破砕片の大きさが異なることが明らかになった。図5は、ろ過対象と平均比抵抗の関係を示した図であり、[杉本泰治、「新版 ろ過のメカニズム」、地人書館、1982]から引用した。図5によれば、破砕片の粒径が大きい場合はフィルタろ過を行う際のろ過抵抗が小さいことがわかる。例えば、10μmの球形粒子のろ過抵抗は6×109m/kg であるが、1μmの球形粒子のろ過抵抗は10μmの球形粒子に対して2桁大きい。切断助剤をろ過する場合、ろ過抵抗が小さいほうがフィルタの圧力損失が小さくなるため、粒径が大きいほうが多くの重量を捕集することができる。また、鋳鋼は含有する鉄が水酸化第二鉄となることから、ろ過抵抗は1.5×1013m/kg程度と見積もることができる。
以上の検討結果から、酸化アルミニウムは破砕後の濁りがひどく従来は適用を敬遠されていたが、ろ過性能が高い物質であることが明らかになった。酸化アルミニウムを切断助剤に使用した場合、5μm以上の粒子が全浮遊物量の0.1% 以下であり、フィルタろ過する際のろ過抵抗は保守的に見積もっても6×109m/kg となるため、捕集できる破砕片の重量が多く、フィルタ廃棄量を大幅に低減できると考えられる。さらには、ろ過が容易であるため水の透明度の確保が容易となり、作業性を向上することができる。つまり、5μm以上の破砕片が多い酸化アルミニウムを切断助剤として用いることで、ろ過可能な重量が増加し、フィルタ廃棄物量を低減することができる。
以下、本発明の第1の実施例を図1,図6及び図7を用いて説明する。本実施例は、切断助剤として酸化アルミニウムを混合したウォータージェット法を用いて原子炉内構造物である炉心シュラウド1を切断する実施例である。
図1は、本実施例の作業手順を示すフローチャートである。まず、原子炉を停止し
(S1)、圧力容器を開放する(S2)。次に、切断作業に干渉する炉内機器や燃料を取り出す(S3)。取り出された炉内機器及び燃料は、それぞれ機器プール及び燃料プールに保管する。その後、炉心シュラウドを切断する切断加工装置20を原子炉圧力容器内に設置する(S4)。
その後、切断加工装置を用いて、切断助剤を混合したウォータージェットによりシュラウドを切断する(S5)。シュラウドの切断作業(S5)について説明する。図6は、本実施例におけるシュラウド1の切断作業状況を示す概略図である。作業プール11として水が満たされている原子炉圧力容器を用いる。炉内構造物は運転中に中性子照射されるため構造材中に放射化したコバルトを含有する。また、構造材の表面には放射能を有している酸化物が付着している。そのため、作業者の被ばくを防止する観点から、切断加工作業は水中で実施することが望ましい。
切断加工装置20は切断する場所が任意に設定できる切断加工装置操作機構26に取り付けられる。切断加工装置操作機構26はシュラウド内面周方向に回転可能に切断架台
12上に接続される。切断加工装置20には水供給管27と切断助剤供給管28とが接続されており、それぞれ、水供給装置36と切断助剤供給装置35から水と切断助剤14が供給される。切断加工装置操作機構26で切断位置を決定した後、切断加工装置20に水と切断助剤14の供給を行う。一方、シュラウド1を挟んで切断加工装置20と対向する位置に回収容器21を設置する。この回収装置により、構造物を切断した後の水や気泡,切断助剤14を吸引ポンプ22で吸引する。吸引ポンプ22で吸引された水や気泡,切断助剤14は、気水分離装置23,固液分離装置24及びフィルタ25に通され、気泡や切断助剤14が除去される。気水分離装置23は、吸引ポンプ22で吸引した気体を分離するものである。固液分離装置24は切断助剤14と水を分離するものである。気水分離装置23や固液分離装置24は水に対する密度差を利用しており、例えば遠心分離器を使用することができる。遠心分離器は、水に対し重量が小さい気体を上部から排気し、水に対し重量が大きい切断助剤14を下部より排出する。気水分離装置23等により切断助剤
14等を除去するので、フィルタ25からは清浄な水が排水される。
図7は、切断助剤を混合したウォータージェット法を用いて炉心シュラウド1を切断する場合の切断部の断面を示している。ノズル13から水と共に噴射された切断助剤14は、原子炉内構造物であるシュラウド1に衝突し、シュラウド1を研削する。切断助剤14は衝突時に破砕し広範囲の粒径分布を持つ破砕片15となる。この破砕片15は未破砕の切断助剤と共に回収容器21へ吸引されるが、シュラウド1との衝突でノズル13側へ飛散した場合や回収容器21から漏れた場合には、水中に浮遊することとなる。
水中に浮遊した切断助剤14や破砕片15は、プール内壁面や切断加工装置20等の周辺機器の表面に付着する。切断助剤にFe等が含まれる場合、表面に付着した切断助剤は、プール水中における腐食反応で溶解、あるいは水酸化物への形態変化等の経時変化が進行する。例えば、切断助剤にFeが含まれる場合、Feは水中で式(2)の酸化反応により溶解する。
Fe → Fe2+ + 2e- …(2)
酸化反応で生成する電子e- は式(3)及び(4)の還元反応により消費され、水素ガスH2や水酸化物イオンOH-が生成する。
2H+ + 2e- → H2 …(3)
2 + 2H2O + 4e- → 4OH- …(4)
式(2)〜(4)は同時に進行するため、式(5)及び(6)のように示すことができる。
Fe + 2H+ → Fe2+ + H2 …(5)
Fe + 1/2O2 + H2O → Fe2+ + 2OH- …(6)
腐食反応により生成したFe2+やOH-は式(7)に示すように水酸化第一鉄となり、水中に溶存している酸素によって式(8)に示す反応で水酸化第二鉄に変化し、いわゆる赤錆が生成する。
Fe2+ + 2OH- → Fe(OH)2 …(7)
2Fe(OH)2 + H2O + 1/2O2 → 2Fe(OH)3 …(8)
つまり、鉄のような水中で溶解する物質は、腐食反応によって化学形態が経時変化して、錆となってプール内壁面等の表面に付着する。一方、切断対象である構造物(シュラウド1)が放射化している場合には、この放射化した構造物により、切断助剤14や破砕片15も放射化することとなる。そして、原子炉内構造物を切断作業対象とする場合には、切断作業を施工する際に放射化した切断助剤14や破砕片15がプール内壁面や切断加工装置20等の周辺機器の表面に付着し、二次汚染を招く可能性がある。
ここで、本発明においては、切断助剤14として酸化アルミニウムを用いる。上述のように、吸引できなかった切断助剤14や破砕片15は水中へ浮遊するが、酸化アルミニウムは水中溶解性が無く(不溶性であり)電気的に絶縁されているため、腐食反応に不可欠である酸化反応が起きず、水酸化物が生成しない。従って、放射化した切断助剤14や破砕片15がプール内壁面等に錆として発生するのを防止でき、二次汚染を抑制することができる。
シュラウド1の切断作業と平行して又は切断作業終了後にまとめて、切断したシュラウドを原子炉圧力容器外へ取り出し、機器プールへ移送する(S5)。
シュラウドの切断及び搬出作業(S5)が終了した後、切断加工装置20,加工架台
12及び気水分離装置23等を表面洗浄する(S6)。表面洗浄した後、切断加工装置
20等を撤去する(S7)。次に、プール内の洗浄を行う(S8)。尚、切断加工装置
20等の洗浄(S6)やプールの(S8)は、必要に応じて省略してもよい。
シュラウド内の構造物を全て撤去した後、新規シュラウドを原子炉容器内に搬入し、所定の位置に据え付ける(S10)。新規シュラウドに交換することにより、シュラウドの信頼性向上,長寿命化を達成でき、原子力プラントの長期運転が可能となる。その後、燃料及び炉内機器を再設置し(S10)、圧力容器を閉止して(S11)、原子炉を起動する(S12)。
本実施例においては、切断助剤が混合され且つ加圧された液体をノズルから噴射することにより放射化した構造物(シュラウド1)を切断するが、切断助剤として酸化アルミニウムを用いる。酸化アルミニウムは、腐食反応に不可欠である酸化反応が起きず、水酸化物が生成しない。従って、切断助剤を混合したウォータージェット法を原子炉内構造物へ施工するに際しても、施工により放射化した酸化アルミニウムが錆として周辺機器に付着することを防止でき、その結果、放射能の付着つまり二次汚染を抑制することができる。
図8は、本実施例における構造物の切断作業状況を示す概略図である。本実施例においては、構造物の切断作業を作業プール11において実施する。作業プール11は、ドライヤセパレータプールや燃料貯蔵プールの一部を仕切って利用することができる。切断する構造物として、本実施例では、既に原子炉圧力容器内で切断されたシュラウド1を適用する。既に切断されたシュラウド1をさらに切断し、細分化するような場合に、作業プール11を利用することができる。構造物(シュラウド)1は原子炉内から移動させて加工架台12上に固定する。構造物1を原子炉内から作業プール11へ移動させることにより、原子炉内では他の作業を実施することが可能となり、補修や取替工事全体の工程を短縮することができる。また、ドライヤセパレータプールは原子炉内に比べ水深が浅いため、切断加工装置20の走査が容易となる。切断加工装置20を複数使用して、作業を実施することも可能である。
本実施例では、切断加工装置20と回収容器21は構造物(シュラウド)1を挟んで対向する位置に設置される。尚、切断加工装置20と回収容器21の配置は逆であってもよい。切断助剤は吸引ポンプ22により吸引され、気水分離装置23,固液分離装置24及びフィルタ25により除去される。切断加工作業や切断助剤の回収等は、第1の実施例と同様である。作業プール11上に作業台車31が設置してあり、作業者は水中カメラ32や照明33を操作し、モニター34で確認しながら作業を行うことができる。このとき、破砕片の吸引漏れが発生すると、切断助剤14の破砕片15が水中に浮遊するため、プール水の濁りを引き起こし、水中に設置した機器を作業者が操作する際に障害となる。しかし、図2〜図4の説明で述べたように、切断助剤14として酸化アルミニウムを用いることでフィルタへの負荷を小さくすることができるため、迅速なろ過が可能となり、水の透明度を回復することが容易となる。
図9は本実施例における構造物の切断作業状況を示す概略図である。本実施例では回収系統を簡素化し、実施例1及び2において使用した気水分離装置23やフィルタ25を装備していない。フィルタ25等でろ過する装置を別に準備する場合や、作業プール11に備え付けのろ過装置を用いる場合に適用することができる。固液分離装置24は物質の密度差を利用したもので、重量が大きいものを選択的に廃棄容器29へ収集することができる。密度は物質の重量と粒径によって決定されるため、酸化アルミニウムを用いた場合、5μm以上の大きい粒子が多いことから、遠心分離によって除去できる割合が高いことになる。そのため、前処理として固液分離装置24を用いれば、別に準備したフィルタや備え付けのろ過装置で捕集する量を減らすことができる。このとき、固液分離装置24では、わずかに通過する小粒径の粒子は作業プール11内に浮遊するが、錆を発生させることは無いので、放射能の付着を抑制できる。
図10は本実施例における構造物の切断作業状況を示す概略図である。図10は回収系統を簡素化し気水分離装置23やフィルタ25を装備しない点では実施例3と同様であるが、回収系統を作業プール11の外側に設置することが実施例3とは異なる。これにより、作業プール11に回収系統を設置する十分なスペースが確保できない場合においても、本発明を適用することができる。
尚、上記各実施例においては、二次汚染抑制及びフィルタ廃棄物量低減を考慮して、切断助剤として酸化アルミナを用いたが、他の切断助剤を用いることもできる。図11は、切断助剤の材質と密度,高度,破壊靭性値及び電気伝導率を示している。最右欄の「切断適用性の判定結果」は、硬度や電気伝導率等を考慮し、発明者が切断助剤への適用性を判定した結果である。上述したように、作業プール11等への二次汚染を考慮すると、電気伝導率が低い切断助剤14を選定するのが好ましい。具体的には、酸化アルミニウム(アルミナ)以外にも炭化ケイ素や酸化ジルコニウム(ジルコニア)を用いることができる。また、切断助剤を混合したウォータージェットによる切断方法は、切断助剤14の衝突時に構造物を切削する特性を利用するものであるため、切断助剤14は構造物より硬度が大きいものを選定するのが好ましい。具体的には、酸化アルミニウム以外にも炭化ケイ素や酸化ジルコニウム,酸化チタン(チタニア)を用いることができる。
第1の実施例の作業手順を示すフローチャート。 切断助剤の再編の粒径分布を示す図。 5μmを閾値としたときの切断助剤の破砕片の粒子数を示す図。 10μmを閾値としたときの切断助剤の破砕片の粒子数を示す図。 ろ過対象と平均比抵抗の関係を示す図。 第1の実施例における構造物切断作業状況を示す概略図。 切断助剤による構造物の切断概要を示す図。 第2の実施例における構造物切断作業状況を示す概略図。 第3の実施例における構造物切断作業状況を示す概略図。 第4の実施例における構造物切断作業状況を示す概略図。 切断助剤の材質と電気伝導性等の関係を示す図。
符号の説明
1…構造物、13…ノズル、14…切断助剤、20…切断加工装置、21…回収容器、22…吸引ポンプ、23…気水分離装置、24…固液分離装置、25…フィルタ、35…切断助剤供給装置、36…水供給装置。


Claims (10)

  1. 切断助剤が混合され且つ加圧された液体をノズルから噴射することにより放射化した構造物を切断する構造物の切断方法であって、前記切断助剤は水中において不溶性を有する物質又は電気絶縁性を有する物質である構造物の切断方法。
  2. 原子炉を停止した後、原子炉圧力容器内の燃料を前記原子炉圧力容器外に搬出し、
    前記原子炉圧力容器内に切断加工装置を設置し、
    水中において不溶性を有する物質又は電気絶縁性を有する物質を含有する切断助剤が混合され且つ加圧された液体を、前記切断加工装置に設けられたノズルから前記原子炉圧力容器内の放射化した構造物に噴射することにより、前記構造物を切断し、
    前記切断された構造物を前記原子炉圧力容器外に搬出し、
    前記切断加工装置を前記原子炉圧力容器外に搬出する構造物の切断方法。
  3. 請求項2において、前記切断された構造物を前記原子炉圧力容器外に搬出した後に、前記切断された構造物をドライヤセパレータプールに移送し、
    前記ドライヤセパレータプールにおいて、水中において不溶性を有する物質又は電気絶縁性を有する物質を含有する切断助剤が混合され且つ加圧された液体を、前記切断された構造物に噴射することにより、前記切断された構造物をさらに切断する構造物の切断方法。
  4. 原子炉を停止した後、原子炉圧力容器内の燃料を前記原子炉圧力容器外に搬出し、
    前記原子炉圧力容器内の放射化した構造物を切断し、
    前記切断された構造物を前記原子炉圧力容器外に搬出して、ドライヤセパレータプールに移送し、
    前記ドライヤセパレータプールにおいて、水中において不溶性を有する物質又は電気絶縁性を有する物質を含有する切断助剤が混合され且つ加圧された液体を、前記切断された構造物に噴射することにより、前記切断された構造物をさらに切断する構造物の切断方法。
  5. 請求項1において、前記切断助剤は酸化アルミニウム,炭化ケイ素,酸化ジルコニウム及び酸化チタンのうち少なくともいずれかを含む構造物の切断方法。
  6. 請求項1において、前記構造物は炉心シュラウドである構造物の切断方法。
  7. 請求項1において、前記構造物を切断する際には、前記構造物を挟んで前記切断助剤が噴射される位置と対向する位置に設置された吸引装置から切断に使用した前記切断助剤及び前記液体を吸引し、その後、固液分離装置又はフィルタにより、前記吸引した切断助剤及び液体から切断助剤を除去する構造物の切断方法。
  8. 放射化した構造物を切断するために切断助剤が混合され且つ加圧された液体を前記構造物に対して噴射するノズルと、
    前記切断助剤を前記ノズルに供給する切断助剤供給装置と、
    前記加圧された液体を前記ノズルに供給する液体供給装置とを具備し、
    前記切断助剤は水中において不溶性を有する物質又は電気絶縁性を有する物質である構造物の切断装置。
  9. 請求項8において、前記切断助剤は酸化アルミニウム,炭化ケイ素,酸化ジルコニウム及び酸化チタンのうち少なくともいずれかを含む構造物の切断装置。
  10. 請求項8において、前記構造物を切断する際に、前記構造物を挟んで前記切断助剤が噴射される位置と対向する位置に設置され、切断に使用した前記切断助剤及び前記液体を吸引する吸引装置と、
    前記吸引した切断助剤及び液体から切断助剤を除去する固液分離装置又はフィルタを備えた構造物の切断装置。

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