JP2006342589A - 排水溝装置 - Google Patents

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順 浦崎
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Abstract

【課題】 床面に開口する排水溝の開口縁部に、床面よりも下がった蓋載せ段部を設け、その蓋載せ段部上に係合し且つ上面が床面と略面一の透水性の溝蓋で、排水溝の開口部を開閉可能に閉じるようにした排水溝装置において、排水溝内に排水と一緒に流入した塵埃の除去処理を簡単且つ衛生的に行えるようにする。
【解決手段】 排水溝Pの内壁には、透水性の溝蓋Tよりも下側において、該排水溝Pの開口部Poより排水溝P内に流れ込む排水中より塵埃を分離し得る塵埃取り用濾過具Uが着脱可能に装着される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、排水溝装置、例えば歩行面に開口する排水溝の開口縁部に、歩行面よりも下がった蓋載せ段部を設け、その蓋載せ段部上に係合し上面が歩行面と略面一のグレーチング、パンチング板等よりなる透水性溝蓋で排水溝の開口部を開閉可能に覆うようにしたタイプのもの、或いは、歩行面下に埋設されるダクト状の排水溝本体と、その排水溝本体よりも小幅に形成されて該排水溝本体の上壁に下端が開口し且つ歩行面に上端が開口するスリット状の上部溝枠とを一体化して排水溝を構成したタイプのものに関する。
従来の此の種の排水溝装置では、歩行面上を流れる排水が、これに混じる塵埃と共に、グレーチング、パンチング板等の通水路を伝わって排水溝底部に流れ込むか、或いは後者のタイプのように上部溝枠を通して直接、排水溝本体内に流れ込み、そこから更に下流の排水枡に集められ、その排水は、排水枡内に設置した塵埃取り用濾過手段で塵埃が取り除かれてから、外部の下水管等に流されるようになっていた。
特開2004−100240号公報 実用新案登録第3037251号公報
上記従来の排水溝構造では、その排水溝の内壁に塵埃が付着してしまうことがあり、そのような場合に、前者のタイプでは、グレーチング、パンチング板等を取り外して排水溝の開口部をオープンにした後、高圧洗浄水等で排水溝内に放水して塵埃を洗い流し、さらにその塵埃を下流の排水枡まで流し運び、その排水枡で、そこに集まった多量の塵埃をまとめて取り除くようにしていた。
また後者のタイプでは、上部溝枠を通して排水溝本体内に高圧洗浄水を放水して、排水溝本体内壁等に付着した塵埃を洗い流して下流の排水枡まで流し、そこに集まった多量の塵埃をまとめて取り除く必要があった。
いずれのタイプにせよ、排水溝から排水枡まで長い経路に亘り塵埃を流し運ぶ作業が必要であり、更にその排水枡に集まった多量の塵埃を取り除く作業も必要であることから、全体として作業に多大の労力と手間を要していた。
本発明は上記に鑑みてなされたもので、従来のものの上記問題が無く、排水溝内に排水と一緒に流入した塵埃の除去処理を簡単且つ衛生的に行うことができる排水溝装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、歩行面に開口する排水溝の開口縁部に、歩行面よりも下がった蓋載せ段部を設け、その蓋載せ段部上に係合し且つ上面が歩行面と略面一の透水性の溝蓋で、排水溝の開口部を開閉可能に閉じるようにした排水溝装置において、排水溝の内壁には、前記溝蓋よりも下側において、該排水溝の開口部より排水溝内に流れ込む排水中より塵埃を分離し得る塵埃取り用濾過具を着脱可能に装着したことを特徴としており、また請求項2の発明は、請求項1の上記構成に加えて、前記濾過具の両側縁部には、排水溝の前記蓋載せ段部又はその周辺部に設けた係合凹部に上方から係合可能な係合爪を設け、その係合爪と係合凹部との係合を前記溝蓋の下面で保持可能としたことを特徴としている。
また請求項3の発明は、歩行面下に埋設されるダクト状の排水溝本体と、その排水溝本体よりも小幅に形成されて該排水溝本体の上壁に下端が開口し且つ歩行面に上端が開口するスリット状の上部溝枠とを一体化して排水溝を構成した排水溝装置において、上部溝枠の内壁には、該上部溝枠の開口部より排水溝本体内に流れ込む排水中より塵埃を分離し得る塵埃取り用濾過具を着脱可能に装着したことを特徴とする。
また請求項4の発明は、請求項1〜3の何れかの前記構成に加えて、前記濾過具が、排水溝の長手方向に互いに連続して縦列配置される複数の濾過具要素より分割構成されることを特徴とし、さらに請求項5の発明は、請求項2〜4の何れかの上記構成に加えて、前記濾過具内には、殺菌作用のある固形物又はシート体が載置されることを特徴とし、更にまた請求項6の発明は、請求項2〜5の何れかの上記構成に加えて、前記濾過具を紙製又は合成樹脂製として使い捨て可能としたことを特徴とする。
以上のように請求項1の発明によれば、排水溝の内壁には、透水性の溝蓋よりも下側において、該排水溝の開口部より排水溝内に流れ込む排水中より塵埃を分離し得る塵埃取り用濾過具を着脱可能に装着したので、歩行面上を流れる排水が排水溝に流れ込む際に、その排水に混じる塵埃を上記濾過具により排水中より分離することができ、従って、排水溝には、塵埃を分離された排水だけを流すことができるから、排水溝内の排水を極力清浄に保つことができるばかりか、その排水の流れが常にスムーズになる。また清掃時には、溝蓋を開けて濾過具上の塵埃を単に取り除くだけで済むため、従来のように洗い流した塵埃を排水溝に沿って排水枡まで流し運ぶ作業や、排水枡に集まった多量の塵埃を取り除く作業が不要となり、作業を能率よく簡単、的確に行うことができる。
また請求項2の発明によれば、濾過具の両側縁部には、排水溝の蓋載せ段部又はその周辺部に設けた係合凹部に上方から係合可能な係合爪を設け、その係合爪と係合凹部との係合を前記溝蓋の下面で保持可能としたので、溝蓋を開けて濾過具の係合爪を係合凹部に係脱させるだけで、濾過具の脱着作業を容易に行うことができ、しかも濾過具のセット後は、溝蓋が抑え手段を兼ねることから、簡単な構造で濾過具を確実に保持することができる。
また請求項3の発明によれば、ダクト状の排水溝本体と、その排水溝本体よりも小幅に形成されて該排水溝本体の上壁に下端が開口し且つ歩行面に上端が開口するスリット状の上部溝枠とを一体化して排水溝を構成した排水溝装置において、上部溝枠の内壁に塵埃取り用濾過具を着脱可能に装着したので、歩行面上を流れる排水がスリット状の上部溝枠を通して排水溝本体内に流れ込む際に、その排水に混じる塵埃を上記濾過具により排水中より分離することができ、排水溝本体には、塵埃を分離された排水だけを流すことができるから、排水溝本体内の排水を極力清浄に保つことができるばかりか、その排水の流れが常にスムーズになる。また清掃時には、濾過具上の塵埃を単に取り除くだけで済み、そのため、従来のように洗い流した塵埃を排水溝の沿って排水枡まで流し運ぶ作業や、排水枡に集まった多量の塵埃を取り除く作業が不要となり、作業を能率よく簡単、的確に行うことができる。
また特に請求項4の発明によれば、濾過具が、排水溝の長手方向に互いに連続して縦列配置される複数の濾過具要素より分割構成されるので、排水溝が長くても、比較的小型の濾過具要素を縦に並べ連ねるだけで容易に対応可能となる。
また特に請求項5の発明によれば、濾過具内には、殺菌作用のある固形物又はシート体が載置されるので、その濾過具を通る排水や濾過具上の塵埃を殺菌でき、排水溝内の衛生環境を良好に保つことができる。しかも濾過具が上記固形物又はシートの保持手段を兼ねるから、それだけ構造簡素化が図られる。
また特に請求項6の発明によれば、濾過具を紙製又は合成樹脂製として使い捨て可能としたので、排水溝の清掃に際し、濾過具をこれに貯められた塵埃と一緒に廃棄できて、濾過具をその都度、清掃する手間が省け、作業能率が向上する。しかも排水溝内の衛生環境を一層良好なものとすることができる。
本発明の実施の形態を、添付図面に例示した本発明の実施例に基づいて以下に具体的に説明する。
添付図面において、図1〜図3は、本発明の第1実施例を示すものであって、図1は、排水溝装置を示す全体斜視図、図2は、図1の2−2線拡大断面図、図3は、濾過具としての塵埃取付カゴの単体斜視図である。また図4及び図5は、本発明の第2実施例を示すものであって、図4は、排水溝装置を示す全体斜視図(図1対応図)、図5は、図4の5−5線拡大断面図(図2対応図)である。
先ず、図1において、歩行面としての床面Fに開口する排水溝Pの左右一対の開口縁部には、横断面L字状の縁枠がそれぞれ一体に設けられており、この縁枠により排水溝Pの左右一対の開口縁部には、床面Fよりも一段下がった左右一対の蓋載せ段部1がそれぞれ形成される。
その左右一対の蓋載せ段部1上には、上面が床面Fと略面一となる透水性の溝蓋としてのグレーチングTの左右両側縁部がそれぞれ係合、載置され、このグレーチングTにより排水溝Pの開口部Poが開閉可能に閉じられる。前記グレーチングTは、方形枠内に複数の横枠とこれらと直交する少なくとも1条の縦枠とを枠組みして構成されるものであり、図示例では、複数のグレーチングTが排水溝Pの長手方向に縦列配置されている。
排水溝Pの内壁には、グレーチングTの直下において、該排水溝Pの開口部Poより排水溝P内に流れ込む排水中より塵埃を分離し得る塵埃取り用濾過具Uが着脱可能に装着される。この濾過具Uは、その濾過面、即ち塵埃捕集面を下方に窪ませた浅い籠状に形成されており、その開放上面を排水溝Pの開口部Poに臨ませて、排水溝Pの長手方向全域に亘り配置されている。
また濾過具Uは、図示例では複数の濾過具要素としての比較的浅い複数の塵埃取りカゴUe…より分割構成されており、それら塵埃取りカゴUe…は、排水溝Pの長手方向に互いに連続して縦列配置される。各々の塵埃取りカゴUeは、排水溝Pの長手方向に延びる横断面円弧状の胴部5と、その胴部5の前後両端を各々塞ぐ鉛直の前後一対の端壁部6,6とで籠状に形成されており、図示例では錆びにくいステンレスの金網で当該形状に成形されている。
そして、各々の塵埃取りカゴUeの胴部5の左右両側縁部には、その側縁部を補強すべく該側縁部に沿って延びる横断面L字状の金属製又は合成樹脂製の縁枠2が一体的に結合されており、この縁枠2の外側半部は、本発明の下向きの係合爪2sとして機能する。この係合爪2sは、その外端が下方に延びていて、排水溝Pの前記蓋載せ段部1又はその周辺部(図示例では蓋載せ段部1の内側縁部)に設けた溝状の係合凹部1aに上方から抜差可能に係合される。各塵埃取りカゴUeの自由状態での横幅L(図3参照)は、左右の係合凹部1aの外側の内側面の相互間距離L′(図2参照)よりも若干長くなっており、従って、各塵埃取りカゴUeをセットすべく各係合爪2sを係合凹部1aに係合させるときには、該カゴUeを僅かに弾性収縮変形させるようにする。そのセット後は、塵埃取りカゴUeの弾性復元力で各係合爪2sを係合凹部1aにガタ無く係合させることができ、その係合状態で係合凹部1aが係合爪2sで覆われるため、該係合凹部1aに塵埃等が貯まることが効果的に回避できる。
また各塵埃取りカゴUe(従って係合爪2s)は、グレーチングTの直下にあることから、その係合爪2sと係合凹部1aとの係合状態は、その上側に位置するグレーチングTの下面で保持可能となる。尚、前記係合凹部1aには、図示はされないが水抜き用の孔又は切欠が設けられる。
また、図示例では、塵埃取りカゴUeとグレーチングTとが同数ずつ用意され、しかもその両者Ue,Tの、排水溝Pの長手方向に沿う長さが略同一に設定される。従って何れか1つのグレーチングTを開けると、そのグレーチングTの開放部分に対応する塵埃取りカゴUeの全面を露出させることができ、塵埃取りカゴUeの点検、清掃等の作業を個々のグレーチングT毎に行うことができて、作業が容易、簡便となる。
また図3に鎖線で例示したように、少なくとも一部の塵埃取りカゴUe内には、そこを通過する排水や、該カゴUeに捕集された塵埃に対し殺菌作用を発揮し得る物質を含む固形物20又はシート体21が収納、載置可能である。この場合、固形物20は、例えば図示例のように塊のまま使うか、或いは塊を細かくしたものを透水性の袋に包む等して利用する。上記固形物20又はシート体21の特設によれば、塵埃取りカゴUeを通過する排水や同カゴUeに捕集された塵埃に対する殺菌効果が得られ、排水溝内の衛生状態を良好にする上で有効である。尚、使用により上記固定物20又はシート体21の殺菌作用が無くなったときは、新品と交換すればよい。
前記第1実施例の作用は次の通りである。排水溝Pの使用に当たっては、濾過具Uを構成する複数の塵埃取りカゴUe…を排水溝Pの前記した所定位置にセット(排水溝Pの長手方向に縦列配置)し、その上側から、それら塵埃取りカゴUe…に対応した複数のグレーチングT…をセット(排水溝Pの長手方向に縦列配置)する。
このような濾過具U及びグレーチングTのセット状態では、床面F上を流れる排水が、グレーチングT自体の空隙、又はグレーチングTと蓋載せ段部1との間の隙間を通して排水溝P内に流れ込むが、その際に、排水に混じる塵埃が上記濾過具U(各塵埃取りカゴUe)により排水中より捕集、分離される。これにより、排水溝Pには、塵埃を分離された排水だけを流すことができるから、排水溝Pを流れる排水を極力清浄に保ち得ると共に、その流れを常にスムーズにすることができる。
また清掃作業時には、先ず、グレーチングTを開け、これにより上面が開放された塵埃取りカゴUe上に貯まった塵埃を取り除き、必要に応じて該カゴUeを洗浄するだけでよい。従って、従来のように洗い流した塵埃を排水溝Pの長手方向に沿って排水枡まで流し運ぶ作業や、排水枡に集まった多量の塵埃を取り除く作業が不要となり、作業を能率よく簡単、的確に行うことができる。
また図示例では、塵埃取りカゴUeの両側縁部に、蓋載せ段部1又はその周辺部に設けた係合凹部1aに上方から係合可能な係合爪2sが設けられ、その係合爪2sと係合凹部1aとの係合状態をグレーチングTの下面で保持できるようにしているため、グレーチングTを開けて塵埃取りカゴUeの係合爪2sを係合凹部1aに係脱させるだけで、塵埃取りカゴUeの脱着作業を頗る容易に行える。しかも塵埃取りカゴUeのセット後は、グレーチングTがカゴ抑え手段を兼ねることから、簡単な構造で塵埃取りカゴUeを定位置に確実に保持することができる。
次に図4,図5を参照して本発明の第2実施例を説明する。
この実施例は、水を扱う食品工場、厨房等の室内の排水溝として好適である。この排水溝P′は、床に埋設されるダクト状の排水溝本体10と、その排水溝本体10よりも小幅に形成されて該排水溝本体10の上壁に下端が開口し且つ床面に上端が開口するスリット状の上部溝枠11とを一体化して構成されており、その上部溝枠11の上端には、床面Fと面一をなす装飾用フランジ部11fが一体に連設される。尚、前記排水溝本体10は、図示例では横断面円形に形成されるが、横断面方形や正多角形のダクト状に形成してもよい。
上部溝枠11の内壁には、該上部溝枠11の開口部より排水溝本体10内に流れ込む排水中より塵埃を分離し得る塵埃取り用濾過具U′が着脱可能に装着される。この濾過具U′は、その濾過面、即ち塵埃捕集面を下方に窪ませた浅い籠状に形成されており、その開放上面を上部溝枠11の上端開口部11oに臨ませて、排水溝Pの長手方向全域に亘り配置されている。
また濾過具U′は、上部溝枠11の横幅に対応して横幅が小さい点を除いて、基本的に第1実施例の濾過具Uと同様の構造である。即ち、濾過具U′は、図示例では複数の濾過具要素としての横断面円弧状の比較的浅い複数の塵埃取りカゴUe′…より分割構成されており、それら塵埃取りカゴUe…′は、排水溝Pの長手方向に互いに連続して縦列配置される。
各々の塵埃取りカゴUe′の両側縁部には、その側縁部を補強すべく該側縁部に沿って延びる横断面L字状の金属製又は合成樹脂製の縁枠12が一体的に結合されており、この縁枠12の外側半部は、本発明の下向きの係合爪12sとして機能する。この係合爪12sは、その外端が下方に延びていて、上部溝枠11の左右両内側面にそれぞれ一体に突設した係止片の内側に設けた溝状の係合凹部11aに上方から抜差可能に係合できるようになっている。また、この第2実施例においても、第1実施例と同様、塵埃取りカゴUe′の弾性復元力で各係合爪12sを係合凹部11aにガタ無く係合させることができ、その係合状態で係合凹部11aが係合爪12sで覆われていて、該係合凹部11aに塵埃等が貯まらないようになっている。尚、前記係合凹部11aには、図示はされないが水抜き用の孔又は切欠が設けられる。
また前記上部溝枠11の開口幅は、人が足を引っ掛ける虞れのない小幅(例えば20ミリ以下)に設定されており、図示例では、この上部溝枠11の上端開口11oを閉じる溝蓋は設けられておらず、前記塵埃取りカゴUe′が剥き出しの状態でセットされる。
尚、図5に二点鎖線で示すように、必要に応じてその塵埃取りカゴUe′の上側に透水性の(例えば小幅のグレーチング、パンチング板等よりなる)溝蓋T′を設けてもよく、その場合には、塵埃取りカゴUe′の上面に溝蓋T′をそのまま載置させてもよいし、或いは溝蓋専用の支持突起(図示せず)を上部溝枠11の左右両内側面に突設して、これに溝蓋T′を係合、載置させるようにしてもよい。而してこの溝蓋T′を設けた場合には、第1実施例と同様、塵埃取りカゴUe′の係合爪12と上部溝惑11の係合凹部11aとの係合は、その上側に位置する溝蓋T′の下面で保持可能となり、即ち、溝蓋T′が上記係合の保持手段を兼ねる構造となる。
次に前記第2実施例の作用を説明する。排水溝P′の使用に当たっては、濾過具U′を構成する複数の塵埃取りカゴUe′…を排水溝P′の前記した所定位置にセット(排水溝Pの長手方向に縦列配置)する。
このような濾過具U′のセット状態では、床面F上を流れる排水が排水溝P′にその上部溝枠11の開口部を通して流れ込む際に、その排水に混じる塵埃が上記濾過具U′(各塵埃取りカゴUe′)により排水中より捕集、分離され、これにより、排水溝P′には、塵埃を分離された排水だけを流すことができるから、排水溝P′を流れる排水を極力清浄に保つことができるばかりか、その流れが常にスムーズになる。
また清掃作業時には、塵埃取りカゴUe′上に貯まった塵埃を取り除き、必要に応じて該カゴUe′を洗浄するだけでよい。従って、従来のように上部溝枠11を通して排水溝本体10内に高圧洗浄水を放水することにより、排水溝本体10内壁等に付着した塵埃を洗い流してピット溝P′に沿って下流の排水枡まで流し運ぶ作業や、排水枡に集まった多量の塵埃を取り除く作業が不要となり、作業を能率よく簡単、的確に行える。
また図示例では、塵埃取りカゴUe′の両側縁部に、上部溝枠11内面の係合凹部11aに上方から係合可能な係合爪12が設けられるため、塵埃取りカゴUe′の係合爪12を係合凹部11aに係脱させるだけで、塵埃取りカゴUe′の脱着作業を頗る容易に行える。
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、第1実施例では、濾過具Uを構成する複数の濾過具要素(塵埃取りカゴUe…)が、複数の溝蓋(グレーチングT…)にそれぞれ対応してそれと同数設けられたものを示したが、本発明では、塵埃取りカゴの数は、溝蓋の数とを必ずしも一致させる必要はなく、即ち溝蓋の数より多くても少なくてもよい。
また第1実施例では、透水性の溝蓋として、グレーチングTを用いたものを示したが、本発明ではグレーチング以外の種々の透水性の溝蓋、例えば平板に多数の小孔を穿設したパンチング板を溝蓋を使用してもよい。
また前記実施例では、濾過具要素(塵埃取りカゴUe)を横断面円弧状の籠状としたものを示したが、本発明では、種々の横断面形状(例えば、チャンネル状、U字状、V字状等)の籠状としてもよく、また排水溝Pの開口部Poに臨ませることが可能なネットに形成してもよく、その場合には、ネットの左右両側縁部に、係合凹部1aに係合可能な係合爪付きの縁枠(芯材)を連結することが望ましい。
また前記実施例では、濾過具要素(塵埃取りカゴUe)をステンレス製としたが、本発明ではステンレス以外の金属製としたり、或いは合成樹脂や、耐水処理を施した紙製としてもよい。特に合成樹脂や紙製とした場合は、製造コストが安く、使い捨て式とすることができることから、排水溝Pの清掃に際し、塵埃取りカゴUeをこれに貯められた塵埃と一緒に廃棄できて、該カゴUeをその都度、清掃する手間が省け、作業能率を高めることができ、しかも排水溝P内の衛生環境を一層良好なものとすることができる。
また前記実施例では、排水溝P,P′の清掃に用いる洗浄水として水道水を用いたが、本発明では、既存の食器洗浄機(例えば特開2004−41449号公報)等の洗浄設備から出る排水をポンプで加圧して使用するようにしてもよい。この場合には、排水の有効利用が図られ、水資源の有効活用やコスト節減に寄与することができる。
また前記実施例では、塵埃取りカゴUe,Ue′の係合爪2s,12sを該カゴの胴部(金網部分)とは別部材(縁枠2,12)に一体に形成したものを示したが、本発明では、係合爪を、カゴの胴部の金網部分で直接形成してもよい。
本発明の第1実施例に係る排水溝装置を示す全体斜視図 図1の2−2線拡大断面図 濾過具としての塵埃取付カゴの単体斜視図 本発明の第2実施例に係る排水溝装置を示す全体斜視図(図1対応図) 図4の5−5線拡大断面図(図2対応図)
符号の説明
F・・・床面(歩行面)
U,U′・・塵埃取り用濾過具
Ue,Ue′・・塵埃取りカゴ(濾過具要素)
P,P′・・・排水溝
Po・・開口部
T・・・グレーチング(溝蓋)
1・・・蓋載せ段部
1a・・係合凹部
2s・・・係合爪
10・・排水溝本体
11・・上部溝枠
20・・固形物
21・・シート体

Claims (6)

  1. 歩行面(F)に開口する排水溝(P)の開口縁部に、歩行面(F)よりも下がった蓋載せ段部(1)を設け、その蓋載せ段部(1)上に係合し且つ上面が歩行面(F)と略面一の透水性の溝蓋(T)で、排水溝(P)の開口部(Po)を開閉可能に閉じるようにした排水溝装置において、
    排水溝(P)の内壁には、前記溝蓋(T)よりも下側において、該排水溝(P)の開口部(Po)より排水溝(P)内に流れ込む排水中より塵埃を分離し得る塵埃取り用濾過具(U)を着脱可能に装着したことを特徴とする、排水溝装置。
  2. 前記濾過具(U)の両側縁部には、排水溝(P)の前記蓋載せ段部(1)又はその周辺部に設けた係合凹部(1a)に上方から係合可能な係合爪(2s)を設け、その係合爪(2s)と係合凹部(1a)との係合を前記溝蓋(T)の下面で保持可能としたことを特徴とする、請求項1に記載の排水溝装置。
  3. 歩行面(F)下に埋設されるダクト状の排水溝本体(10)と、その排水溝本体(10)よりも小幅に形成されて該排水溝本体(10)の上壁に下端が開口し且つ歩行面(F)に上端が開口するスリット状の上部溝枠(11)とを一体化して排水溝(P′)を構成した排水溝装置において、
    上部溝枠(11)の内壁には、該上部溝枠(11)の開口部より排水溝本体(10)内に流れ込む排水中より塵埃を分離し得る塵埃取り用濾過具(U′)を着脱可能に装着したことを特徴とする、排水溝装置。
  4. 前記濾過具(U,U′)は、排水溝(P,P′)の長手方向に互いに連続して縦列配置される複数の濾過具要素(Ue…,Ue′…)より分割構成されることを特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載の排水溝装置。
  5. 前記濾過具(U,U′)内には、殺菌作用のある固形物(20)又はシート体(21)が載置されることを特徴とする、請求項2〜4の何れかに記載の排水溝装置。
  6. 前記濾過具(U,U′)を紙製又は合成樹脂製として使い捨て可能としたことを特徴とする、請求項2〜5の何れかに記載の排水溝装置。
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