JP2006342136A - ジアルキルカーボネートとアルキレングリコールの併産方法 - Google Patents

ジアルキルカーボネートとアルキレングリコールの併産方法 Download PDF

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育子 三谷
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Abstract

【課題】アルキレンオキシド、脂肪族アルコール及び二酸化炭素から、穏和な条件下で、簡便な操作により所望のジアルキルカーボネートとアルキレングリコールをともに高い収率かつ高い選択性で得る方法を提供する。
【解決手段】二酸化炭素、炭素数2〜10のアルキレンオキシド、及び炭素数1〜10の脂肪族モノヒドロキシ化合物からなる混合物を、塩基性化合物及び下記一般式等で表される有機金属化合物の存在下に、40〜200℃の範囲の温度、0.2〜30MPaの範囲の圧力下において反応させ、ジアルキルカーボネートとアルキレングリコールを併産する。
Figure 2006342136

【選択図】なし

Description

本発明は、ジアルキルカーボネートとアルキレングリコールの併産方法に関するものである。詳しくは、特定の有機金属化合物と塩基性化合物とを触媒に用いて、脂肪族モノヒドロキシ化合物中で二酸化炭素とアルキレンオキシドとからアルキレンカーボネートを発生させ、引き続き系中でエステル交換反応を行い、ジアルキルカーボネートとアルキレングリコールを同時に製造する方法に関する。ジアルキルカーボネートは反応溶剤、アルキル化剤、ポリカーボネートの中間原料、リチウム電池用電解液溶剤等として有用な化合物である。また、アルキレングリコールは不凍液、合成繊維や合成樹脂、染料、界面活性剤などの化学工業原料として広い用途がある。
ジアルキルカーボネートの製法については、これ迄に幾つかの方法が知られている。一つはホスゲンとアルコールの反応による方法であり、例えば特許文献1等が知られている。しかし、これらの方法は、ホスゲンが猛毒性であるための取り扱いの危険性や、多量の塩化水素が副生するといった問題を有している。
また、触媒存在下に一酸化炭素と酸素とアルコールを反応させる方法として、例えば、触媒として銅塩−アルカリ土類金属塩を用いる例(特許文献2)等が知られている。これらの方法は毒性の高い−酸化炭素を使用すること、酸素との爆発の危険性が伴うこと以外にも、腐食に対する装置上の制約、炭酸エステルの選択性、触媒の回収・リサイクル等様々な問題点を有する。同様に、亜硝酸エステルと一酸化炭素を白金族化合物を担持した触媒上で酸素酸化させる方法も多数提案されている(例えば、特許文献3)が、前述の方法と同様に毒性のある一酸化炭素を使用し、爆発の危険性を生じる酸素を使用するため、危険性が伴うことは避けられない。
毒性の高い一酸化炭素を使用しない方法として、触蝶存在下に脂肪族アルコールと炭酸ガスから直接ジアルキルカーボネートを得る方法が検討されている。例えば触媒として、ジスタノキサン誘導体触媒(特許文献4)等が提案されている。しかしながら、この方法はいずれも反応で量論的に生成する水のために触媒が失活する問題が解決されておらず、未だ産業上有利な方法とは認められない。
一方、各種触媒の存在下、アルキレンカーボネートとアルコールのエステル交換により、アルキレングリコールとともにジアルキルカーボネートを得る方法も提案されている。例えば、反応系に可溶な均一系触媒の例として第三級アミン(特許文献5)等が、また反応系に不溶の不均一系触媒の例としてシリカ−チタニア固体酸触媒(特許文献6)等が提案されている。アルキレンカーボネートが通常アルキレンオキシドと二酸化炭素から製造されることを考慮すれば、この方法は二酸化炭素を原料としてジアルキルカーボネートを二段階で製造する方法ととらえることができ、上述の方法と比較すると、この方法は毒性及び爆発危険性の少ない好適な組み合わせと言える。しかしながら、従来の方法では一段階目でアルキレンオキシドと二酸化炭素からアルキレンカーボネートを合成し、反応生成物であるアルキレンカーボネートを一旦単離精製することが、二段階目での脂肪族アルコールとの反応においてジアルキルカーボネートの高い収率を実現するのに必要である。従って、アルキレンカーボネート中間体の単離精製工程に多大な時間、手間及びエネルギーを要する。さらには単離精製する工程でアルキレンカーボネート中間体の損失が不可避であり、これが全工程で見たときの最終目的物であるジアルキルカーボネートの収率の低下につながっている。
このような問題を解決するために、脂肪族アルコール中で、二酸化炭素とアルキレンオキシドとからアルキレンカーボネートを発生させながら、これを単離することなくエステル交換反応をおこなって、一段階でジアルキルカーボネートとアルキレングリコールを得る試みが提案されている(特許文献7)。
特開昭60−197639号公報 特開平1−287062号公報 特開昭60−181051号公報 特開平6−262085号公報 特公昭59−28542号公報 特公昭61−5467号公報 EP0001777 A1号公報
しかし、このような方法においても、ジアルキルカーボネートとアルキレングリコールを高い収率で得るためには、高圧の二酸化炭素雰囲気と高い反応温度とを必要とする。例えば、約7MPaの二酸化炭素加圧下において、1gのヨウ化ナトリウムと0.2gの炭酸タリウムの存在下、640g(20mol)のメタノールと44gのエチレンオキシド(1mol)を120℃で2時間加熱することにより、51gの炭酸ジメチル、30gのエチレングリコール、及び19gのグリコールカーボネートが得られることが報告されている。また、同じ反応を150℃でおこなうと炭酸ジメチル及びエチレングリコールがほぼ定量的に得られることも示されている。しかし、これらの例では触媒の一成分として毒性が極めて高いタリウム化合物が用いられており、工業的プロセスとして実施する際には安全性の面で大きな問題がある。また、タリウム化合物よりも毒性が低いイミダゾールを触媒として用いた場合には目的物の収率が20%程度に大きく低下することが知られている。このため、もっと穏和な反応条件下でおこなえ、しかも高収率で目的物のジアルキルカーボネート及びアルキレングリコールを得る方法の開発が望まれている。
本発明は、従来の問題を解決するため、従来方法に比べて穏和な反応条件下で実施しうる経済的に有利なジアルキルカーボネート及びアルキレングリコールの併産方法を提供する。
本発明のジアルキルカーボネートとアルキレングリコールの併産方法は、二酸化炭素、炭素数2〜10のアルキレンオキシド(A)、及び炭素数1〜10の脂肪族モノヒドロキシ化合物(B)からなる混合物を、塩基性化合物(C)及び下記一般式[化4]〜[化6]から選ばれる少なくとも一つで表される有機金属化合物(D)の存在下に、
Figure 2006342136
[但し、R、R、Rはいずれも水素又は炭素数が1〜12のアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表し、R、R、Rは互いに同じでも異なっていてもよく、R、R、Rはいずれもすべて同じであっても異なっていてもよく、lは0から4までの整数であり、MはAl又はCrのいずれかであり、Xはハロゲン原子又はカルボキシレート基である。]
Figure 2006342136
[但し、R、R、Rはいずれも水素又は炭素数が1〜12のアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表し、R、R、Rは互いに同じでも異なっていてもよく、mは0から4までの整数であり、MはCo、Cu、Znのいずれかである。]
Figure 2006342136
[但し、R、R、Rはいずれも水素又は炭素数が1〜12のアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表し、R、R、Rは互いに同じでも異なっていてもよく、nは0から4までの整数であり、MはCo、Cu、Znのいずれかである。]
40〜200℃の範囲の温度、0.2〜30MPaの範囲の圧力下において反応させ、ジアルキルカーボネートとアルキレングリコールを併産することを特徴とする。
本発明は、反応中間体である環状カーボネートを単離することなしに、一段の反応で効率よく目的物を得ることができ、全工程として高い収率が確保できるうえに、従来よりもはるかに穏和な条件下で製造することができる。
本発明者らは、アルキレンオキシド、脂肪族アルコール及び二酸化炭素からジアルキルカーボネート及びアルキレングリコールを併産する方法について検討を重ねた結果、脂肪族アルコール中で、特定の有機金属化合物と塩基性化合物との存在下に二酸化炭素とアルキレンオキシドとからアルキレンカーボネートを発生させながら、これを単離することなくエステル交換反応をおこなえば、穏和な条件下で一段階でかつ高収率にジアルキルカーボネートとアルキレングリコールが得られることを見い出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、二酸化炭素、炭素数2〜10のアルキレンオキシド(A)、及び炭素数1〜10の脂肪族モノヒドロキシ化合物(B)からなる混合物を、塩基性化合物(C)及び前記一般式[化1]、[化2]又は[化3]で表される有機金属化合物(D)の存在下に40〜200℃の範囲の温度、0.2〜30MPaの範囲の圧力下において反応させる。
この反応は下記式[化7]のように進む。
Figure 2006342136
(但し、Rは炭素数0以上8以下のアルキレン基、R’は炭素数1〜10の脂肪族基を示す。)
前記アルキレンオキシド(A)は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、スチレンオキシド、グリシジルメチルエーテル及びグリシジルフェニルエーテルから選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。
前記脂肪族モノヒドロキシ化合物(B)は、メタノール及びエタノールから選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。
前記塩基性化合物(C)は、ピリジン、4−(ジメチルアミノ)ピリジン、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ−7−セン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、炭酸ナトリウム、及び炭酸カリウムから選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。
前記一般式[化1]又は[化4]で表される有機金属化合物は、1,2−meso−ジフェニル−1,2−エチレンジアミノ−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)クロミウム(III)クロリド、1,2−meso−ジフェニル−1,2−エチレンジアミノ−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)クロミウム(III)ブロミド、1,2−meso−ジフェニル−1,2−エチレンジアミノ−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)クロミウム(III)ヨージド、1,2−trans−ジフェニル−1,2−エチレンジアミノ−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)クロミウム(III)クロリド、1,2−trans−ジフェニル−1,2−エチレンジアミノ−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)クロミウム(III)ブロミド、1,2−trans−ジフェニル−1,2−エチレンジアミノ−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)クロミウム(III)ヨージド、1−メチル−1,2−meso−ジフェニル−1,2−エチレンジアミノ−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)クロミウム(III)クロリド、1−メチル−1,2−meso−ジフェニル−1,2−エチレンジアミノ−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)クロミウム(III)ブロミド、及び1−メチル−1,2−meso−ジフェニル−1,2−エチレンジアミノ−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)クロミウム(III)ヨージドから選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。
前記一般式[化2]又は[化5]で表される有機金属化合物は、{[2,2’−[(1,1’−ビナフチレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(フェノラート)(2−)]}亜鉛(II)、{[2,2’−[(1,1’−ビナフチレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(フェノラート)(2−)]}銅(II)、及び{[2,2’−[(1,1’−ビナフチレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(フェノラート)(2−)]}コバルト(II)から選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。
前記一般式[化3]又は[化6]で表される有機金属化合物は、{[2,2’−[(6,6’−ジメチル−1,1’−ビフェニレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(フェノラート)(2−)]}亜鉛(II)、{[2,2’−[(6,6’−ジメチル−1,1’−ビナフチレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(フェノラート)(2−)]}銅(II)、{[2,2’−[(6,6’−ジメチル−1,1’−ビナフチレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(フェノラート)(2−)]}コバルト(II)、{[2,2’−[(6,6’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(フェノラート)(2−)]}亜鉛(II)、{[2,2’−[(6,6’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(フェノラート)(2−)]}銅(II)、{[2,2’−[(6,6’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(フェノラート)(2−)]}}コバルト(II)から選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の方法で使用するアルキレンオキシド(A)は炭素数2〜10のアルキレンオキシドである。具体例としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、スチレンオキシド、グリシジルメチルエーテル、グリシジルフェニルエーテルなどが挙げられる。中でも好ましくはエチレンオキシド、プロピレンオキシド、スチレンオキシドであり、更に好ましくはエチレンオキシド及びプロピレンオキシドである。
本発明の方法で使用する脂肪族モノヒドロキシ化合物(B)は炭素数1〜10の脂肪族モノヒドロキシ化合物である。具体例としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、シクロヘキサノールなどが挙げられる。中でも好ましくはメタノール又はエタノールであり、特にメタノールが得られる炭酸エステルの工業的重要性も高く、好ましい。
本発明の目的に合致した塩基性化合物(C)としては、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムプロポキシド、ナトリウムイソプロポキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムプロポキシド、カリウムイソプロポキシド、カリウムtert−ブトキシドなどのアルコラート類、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの炭酸塩、重炭酸リチウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムなどの重炭酸塩、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、トリプロピルアミン、トリ−iso−プロピルアミン、ジ−iso−プロピルエチルアミン、n−ブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジ−tert−ブチルアミン、N,N−ジエチル−n−ブチルアミン、シクロヘキシルアミン等の直鎖状脂肪族アミン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタンなどの脂環式アミン、ピリジン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2,3−ジメチルピリジン、2,4−ジメチルピリジン、2,5−ジメチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、3,4−ジメチルピリジン、3,5−ジメチルピリジン、3,6−ジメチルピリジン、2−(ジメチルアミノ)ピリジン、3−(ジメチルアミノ)ピリジン、4−(ジメチルアミノ)ピリジンなどのピリジン類、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール類などが挙げられる。これらは同時に用いる有機金属化合物(D)に応じて適切に組み合わされる。これらの塩基性化合物は単独で用いてもよく、また2つ以上の塩基性化合物を組み合わせて用いてもよい。
本発明の目的に合致した有機金属化合物の一例としては、前記一般式[化1]又は[化4]で表される有機金属化合物(D)が挙げられる。具体例としては、1,2−meso−ジフェニル−1,2−エチレンジアミノ−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)アルミニウム(III)クロリド、1,2−meso−ジフェニル−1,2−エチレンジアミノ−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)アルミニウム(III)ブロミド、1,2−meso−ジフェニル−1,2−エチレンジアミノ−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)アルミニウム(III)ヨージド、1,2−trans−ジフェニル−1,2−エチレンジアミノ−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)アルミニウム(III)クロリド、1,2−trans−ジフェニル−1,2−エチレンジアミノ−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)アルミニウム(III)ブロミド、1,2−trans−ジフェニル−1,2−エチレンジアミノ−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)アルミニウム(III)ヨージド、1−メチル−1,2−meso−ジフェニル−1,2−エチレンジアミノ−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)アルミニウム(III)クロリド、1−メチル−1,2−meso−ジフェニル−1,2−エチレンジアミノ−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)アルミニウム(III)ブロミド、1−メチル−1,2−meso−ジフェニル−1,2−エチレンジアミノ−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)アルミニウム(III)ヨージドなどの含アルミニウム化合物、1,2−meso−ジフェニル−1,2−エチレンジアミノ−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)クロミウム(III)クロリド、1,2−meso−ジフェニル−1,2−エチレンジアミノ−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)クロミウム(III)ブロミド、1,2−meso−ジフェニル−1,2−エチレンジアミノ−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)クロミウム(III)ヨージド、1,2−trans−ジフェニル−1,2−エチレンジアミノ−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)クロミウム(III)クロリド、1,2−trans−ジフェニル−1,2−エチレンジアミノ−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)クロミウム(III)ブロミド、1,2−trans−ジフェニル−1,2−エチレンジアミノ−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)クロミウム(III)ヨージド、1−メチル−1,2−meso−ジフェニル−1,2−エチレンジアミノ−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)クロミウム(III)クロリド、1−メチル−1,2−meso−ジフェニル−1,2−エチレンジアミノ−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)クロミウム(III)ブロミド、1−メチル−1,2−meso−ジフェニル−1,2−エチレンジアミノ−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)クロミウム(III)ヨージドなどの含クロミウム化合物などが挙げられる。これらのうち、高活性である、より穏和な反応条件が設定できる、などの点で、1,2−meso−ジフェニル−1,2−エチレンジアミノ−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)クロミウム(III)クロリド、1,2−meso−ジフェニル−1,2−エチレンジアミノ−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)クロミウム(III)ブロミド、1,2−meso−ジフェニル−1,2−エチレンジアミノ−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)クロミウム(III)ヨージド、1,2−trans−ジフェニル−1,2−エチレンジアミノ−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)クロミウム(III)クロリド、1,2−trans−ジフェニル−1,2−エチレンジアミノ−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)クロミウム(III)ブロミド、1,2−trans−ジフェニル−1,2−エチレンジアミノ−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)クロミウム(III)ヨージド、1−メチル−1,2−meso−ジフェニル−1,2−エチレンジアミノ−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)クロミウム(III)クロリド、1−メチル−1,2−meso−ジフェニル−1,2−エチレンジアミノ−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)クロミウム(III)ブロミド、1−メチル−1,2−meso−ジフェニル−1,2−エチレンジアミノ−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)クロミウム(III)ヨージドなどの含クロミウム化合物が好ましい。
本発明の目的に合致した有機金属化合物(D)の他の一例としては、前記一般式[化2]又は[化5]で表される化合物が挙げられる。このような化合物の具体例としては、{[2,2’−[(1,1’−ビナフチレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(フェノラート)(2−)]}亜鉛(II)、{[2,2’−[(1,1’−ビナフチレン)−2,2‘−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(5−tert−ブチルフェノラート)(2−)]}亜鉛(II)、{[2,2‘−[(1,1’−ビナフチレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(3,5−ジクロロフェノラート)(2−)]}亜鉛(II)、{[2,2’−[(1,1’−ビナフチレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(フェノラート)(2−)]}銅(II)、{[2,2’−[(1,1’−ビナフチレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(5−tert−ブチルフェノラート)(2−)]}銅(II)、{[2,2’−[(1,1’−ビナフチレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(3,5−ジクロロフェノラート)(2−)]}銅(II)、{[2,2’−[(1,1’−ビナフチレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(フェノラート)(2−)]}コバルト(II)、{[2,2’−[(1,1’−ビナフチレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(5−tert−ブチルフェノラート)(2−)]}コバルト(II)、{[2,2’−[(1,1’−ビナフチレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(3,5−ジクロロフェノラート)(2−)]}コバルト(II)などが挙げられる。これらのうちで、高活性である、より穏和な反応条件が設定できる、などの点で、{[2,2’−[(1,1’−ビナフチレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(フェノラート)(2−)]}亜鉛(II)、{[2,2’−[(1,1’−ビナフチレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(フェノラート)(2−)]}銅(II)、{[2,2’−[(1,1’−ビナフチレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(フェノラート)(2−)]}コバルト(II)が好ましい。
また、本発明の目的に合致した有機金属化合物(D)の他の一例としては、前記一般式[化3]又は[化6]で表される化合物が挙げられる。このような化合物の具体例としては、{[2,2’−[(6,6’−ジメチル−1,1’−ビフェニレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(フェノラート)(2−)]}亜鉛(II)、{[2,2’−[(6,6’−ジメチル−1,1’−ビフェニレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(5−tert−ブチルフェノラート)(2−)]}亜鉛(II)、{[2,2’−[(6,6’−ジメチル−1,1’−ビフェニレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(3,5−ジクロロフェノラート)(2−)]}亜鉛(II)、{[2,2’−[(6,6’−ジメチル−1,1’−ビフェニレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(フェノラート)(2−)]}銅(II)、{[2,2’−[(6,6’−ジメチル−1,1’−ビフェニレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(5−tert−ブチルフェノラート)(2−)]}銅(II)、{[2,2’−[(6,6’−ジメチル−1,1’−ビフェニレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(3,5−ジクロロフェノラート)(2−)]}銅(II)、{[2,2’−[(6,6’−ジメチル−1,1’−ビフェニレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(フェノラート)(2−)]}コバルト(II)、{[2,2’−[(6,6’−ジメチル−1,1’−ビフェニレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(5−tert−ブチルフェノラート)(2−)]}コバルト(II)、{[2,2’−[(6,6’−ジメチル−1,1’−ビフェニレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(3,5−ジクロロフェノラート)(2−)]}コバルト(II)、{[2,2’−[(6,6’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(フェノラート)(2−)]}亜鉛(II)、{[2,2’−[(6,6’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(5−tert−ブチルフェノラート)(2−)]}亜鉛(II)、{[2,2’−[(6,6’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(3,5−ジクロロフェノラート)(2−)]}亜鉛(II)、{[2,2’−[(6,6’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(フェノラート)(2−)]}銅(II)、{[2,2’−[(6,6’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(5−tert−ブチルフェノラート)(2−)]}銅(II)、{[2,2’−[(6,6’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(3,5−ジクロロフェノラート)(2−)]}銅(II)、{[2,2’−[(6,6’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(フェノラート)(2−)]}コバルト(II)、{[2,2’−[(6,6’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(5−tert−ブチルフェノラート)(2−)]}コバルト(II)、{[2,2’−[(6,6’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(3,5−ジクロロフェノラート)(2−)]}コバルト(II)などが挙げられる。これらのうちで、高活性である、より穏和な反応条件が設定できる、などの点から、{[2,2’−[(6,6’−ジメチル−1,1’−ビフェニレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(フェノラート)(2−)]}亜鉛(II)、{[2,2’−[(6,6’−ジメチル−1,1’−ビナフチレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(フェノラート)(2−)]}銅(II)、{[2,2’−[(6,6’−ジメチル−1,1’−ビナフチレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(フェノラート)(2−)]}コバルト(II)、{[2,2’−[(6,6’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(フェノラート)(2−)]}亜鉛(II)、{[2,2’−[(6,6’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(フェノラート)(2−)]}銅(II)、{[2,2’−[(6,6’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(フェノラート)(2−)]}コバルト(II)が好ましい。
塩基性化合物(C)の使用量は、上記のいずれを用いる場合においても特に制約はなく、満足する反応速度とジアルキルカーボネートの収率を達成するよう適宜決められる。一般的にはアルキレンオキシド1モルに対して0.0001〜1モルの範囲、好ましくは0.0005〜0.1モルの範囲である。
有機金属化合物(D)の使用量は、上記のいずれを用いる場合においても特に制約はなく、満足する反応速度とジアルキルカーボネートの収率を達成するよう適宜決められる。一般的にはアルキレンオキシド1モルに対して0.0001〜1モルの範囲、好ましくは0.0005〜0.1モルの範囲である。
塩基性化合物(C)と有機金属化合物(D)の添加量の比は、上記のいずれを組み合わせる場合においても特に制約はなく、満足する反応速度とジアルキルカーボネートの収率を達成するよう適宜決められる。
本発明の方法で使用する二酸化炭素は炭酸ガス、液体炭酸、固体炭酸のいずれの状態のものでも使用することができる。使用される二酸化炭素の量は特に制限されるものではないが、反応圧力は好ましくは0.1〜30MPa、更に好ましくは0.2〜20MPaである。
本発明の方法では、40℃以上に加熱して反応させる。好ましくは50〜200℃であり、更に好ましくは80〜180℃である。反応の際の時間及び圧力は、用いる原料の量や反応温度等により異なり一様ではないが、反応時間は通常200時間以内であり、好ましくは0.01〜100時間、更に好ましくは0.1〜50時間である。
反応条件としては、反応温度は40〜200℃で、メタノール等の脂肪族モノヒドロキシ化合物とアルキレンオキシドの仕込み比は2〜100とするのが一般的である。このモル比が2未満では脂肪族モノヒドロキシ化合物が不足してジアルキルカーボネートの収率が低下し、一方、モル比が100を超えて脂肪族モノヒドロキシ化合物を用いると、この脂肪族モノヒドロキシ化合物が多量に未反応のまま系内に残留し、加熱・冷却等のエネルギーを多く必要としたり、この未反応原料をリサイクル使用する場合の設備への負荷が増す、等の問題が生じる。
本発明の方法では、通常、当該アルコール中で反応を行うが、場合によっては他の溶媒を併用することもできる。使用できる溶媒としては、反応を阻害しなければどのような溶媒でも構わず、そのような溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂肪族又は脂環族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、フルオロベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の脂肪族又は芳香族ハロゲン化合物、ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、ジブチルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル類、アセトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン等のケトン類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、ニトロメタン、ニトロベンゼン、ニトロトルエン等のニトロ化合物類などを例示することができる。また、これらの溶媒は単独でも、又は二種以上を同時に用いることもできる。
これらの溶媒の使用量としては、使用する原料の少なくとも何れかを溶解させるに充分な量であり、通常、原料であるアルキレンカーボネートに対して50重量比以下、好ましくは20重量比以下である。
反応条件によっては、反応系は均一一相系、気液二相系、気液固三相系などさまざまな相状態を取りうるが、ジアルキルカーボネートの高い収率が確保される限りにおいてこの相状態は問題とならない。
本発明の方法の実施形態としては特に制限されるものではなく、使用される原料が他の原料と効果的に混合され接触しうる方法であればいかなる方法でも良く、回分式、半回分式又は連続流通式の何れでも構わない。例えば、すべての原料を一括して反応器に仕込む方法、少なくとも一つの原料に他の原料を連続的又は間欠的に供給する方法、又はすべての原料を連続的又は間欠的に供給する方法等を使用することができる。
本発明の一例の製造プロセスを図1に示す。図1において、1は二酸化炭素ボンベ、2は冷却器、3は高圧ポンプ、4は反応器、5は攪拌子、6はオイルバス、7はマグネチックスターラー、V1−V5はストップバルブ、S1はストッパーである。反応器4に炭素数2〜10のアルキレンオキシド(A)、炭素数1〜10の脂肪族モノヒドロキシ化合物(B)、塩基性化合物(C)及び前記一般式[化1]、[化2]又は[化3]で表される有機金属化合物(D)を仕込み、ここへ高圧ポンプ3により二酸化炭素を圧入した後、40〜200℃の範囲の温度、0.2〜30MPaの範囲の圧力下において反応させる。反応生成物のジアルキルカーボネートとアルキレングリコールは、反応器4内で得られる。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
(実施例1)
窒素気流下、内容積50mLのオートクレーブにスチレンオキシド0.6g、エタノール2.3g、1,2−meso−ジフェニル−1,2−エチレンジアミノ−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)アルミニウム(III)クロリド0.034g、炭酸カリウム0.035g、N−メチルイミダゾール0.008gを加え、その後すみやかに二酸化炭素を5MPaまで導入した。この反応容器を攪拌しながら130℃で20時間加熱した。こののち、オートクレーブを0℃に冷却し、過剰の二酸化炭素を放出した後、反応混合物を単離し、ガスクロマトグラフにて分析した。炭酸ジエチルと1−フェニル−1,2−エチレングリコールの収率はそれぞれ0.32g及び0.34gであった。
(実施例2)
N−メチルイミダゾール0.008gの代わりにピリジン0.008gを用いた以外は実施例1と全く同様に操作をおこない、反応後の混合物をガスクロマトグラフにて分析したところ、炭酸ジエチルと1−フェニル−1,2−エチレングリコールの収率はそれぞれ0.36g及び0.44gであった。
(実施例3)
スチレンオキシド0.6gの代わりにプロピレンオキシド0.29gを用いた以外は実施例1と全く同様に操作をおこない、反応後の混合物をガスクロマトグラフにて分析したところ、炭酸ジエチルとプロピレングリコールの収率はそれぞれ0.38g及び0.23gであった。
(実施例4)
エタノール2.3gの代わりにメタノール1.6gを用いた以外は実施例1と全く同様に操作をおこない、反応後の混合物をガスクロマトグラフにて分析したところ、炭酸ジメチルと1−フェニル−1,2−エチレングリコールの収率はそれぞれ0.14g及び0.29gであった。
(実施例5)
窒素気流下、内容積50mLのオートクレーブにグリシジルメチルエーテル0.44g、エタノール2.3g、1,2−meso−ジフェニル−1,2−エチレンジアミノ−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)クロミウム(III)クロリド0.036g、炭酸カリウム0.035g、4−(ジメチルアミノ)ピリジン0.012gを加え、その後すみやかに二酸化炭素を1MPaまで導入した。この反応容器を攪拌しながら120℃で20時間加熱した。こののち、オートクレーブを0℃に冷却し、過剰の二酸化炭素を放出した後、反応混合物を単離し、ガスクロマトグラフにて分析した。炭酸ジエチルと3−メトキシ−1,2−プロパンジオールの収率はそれぞれ0.42g及び0.52gであった。
(実施例6)
窒素気流下、内容積50mLのオートクレーブにプロピレンオキシド0.29g、エタノール2.3g、{[2,2’−[(1,1’−ビナフチレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(フェノラート)(2−)]}亜鉛(II)0.027g、トリエチルアミン0.025g、炭酸カリウム0.035gを加え、その後すみやかに二酸化炭素を5MPaまで導入した。この反応容器を攪拌しながら120℃で24時間加熱した。こののち、オートクレーブを0℃に冷却し、過剰の二酸化炭素を放出した後、反応混合物を単離し、ガスクロマトグラフにて分析した。炭酸ジエチルとプロピレングリコールの収率はそれぞれ0.036g及び0.21gであった。
(実施例7)
{[2,2’−[(1,1’−ビナフチレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(フェノラート)(2−)]}亜鉛(II)0.027gの代わりに{[2,2’−[(6,6’−ジメチル−1,1’−ビフェニレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(フェノラート)(2−)]}コバルト(II)0.024gを用いた以外は実施例6と全く同様に操作をおこない、反応後の混合物をガスクロマトグラフにて分析したところ、炭酸ジエチルとプロピレングリコールの収率はそれぞれ0.033g及び0.23gであった。
(比較例1)
窒素気流下、内容積50mLのオートクレーブにスチレンオキシド0.6g、エタノール2.3g、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン0.075gを加え、その後すみやかに二酸化炭素を1MPaまで導入した。この反応容器を攪拌しながら130℃で20時間加熱した。こののち、オートクレーブを0℃に冷却し、過剰の二酸化炭素を放出した後、反応混合物を単離し、ガスクロマトグラフにて分析した。炭酸ジエチルと1−フェニル−1,2−エチレングリコールの収率はそれぞれ0.023g及び0.034gであった。
(比較例2)
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン0.075gの代わりに炭酸カリウム0.070gを用いた以外は比較例1と全く同様に操作をおこない、反応後の混合物をガスクロマトグラフにて分析したところ、炭酸ジエチルと1−フェニル−1,2−エチレングリコールの収率はそれぞれ0.020g及び0.030gであった。
(比較例3)
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン0.075gの代わりにヨウ化カリウム0.017g及び炭酸カリウム0.070gを用いた以外は比較例1と全く同様に操作をおこない、反応後の混合物をガスクロマトグラフにて分析したところ、炭酸ジエチルと1−フェニル−1,2−エチレングリコールの収率はそれぞれ0.20g及び0.26gであった。
図1は本発明の一例の製造プロセスを示す概略図である。
符号の説明
1 二酸化炭素ボンベ
2 冷却器
3 高圧ポンプ
4 反応器
5 攪拌子
6 オイルバス
7 マグネチックスターラー
V1−V5 ストップバルブ
S1 ストッパー

Claims (7)

  1. 二酸化炭素、炭素数2〜10のアルキレンオキシド(A)、及び炭素数1〜10の脂肪族モノヒドロキシ化合物(B)からなる混合物を、
    塩基性化合物(C)及び下記一般式[化1]〜[化3]から選ばれる少なくとも一つで表される有機金属化合物(D)の存在下に、
    Figure 2006342136
    [但し、R、R、Rはいずれも水素又は炭素数が1〜12のアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表し、R、R、Rは互いに同じでも異なっていてもよく、lは0から4までの整数であり、MはAl又はCrのいずれかであり、Xはハロゲン原子又はカルボキシレート基である。]
    Figure 2006342136
    [但し、R、R、Rはいずれも水素又は炭素数が1〜12のアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表し、R、R、Rは互いに同じでも異なっていてもよく、mは0から4までの整数であり、MはCo、Cu、Znのいずれかである。]
    Figure 2006342136
    [但し、R、R、Rはいずれも水素又は炭素数が1〜12のアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表し、R、R、Rは互いに同じでも異なっていてもよく、nは0から4までの整数であり、MはCo、Cu、Znのいずれかである。]
    40〜200℃の範囲の温度、0.2〜30MPaの範囲の圧力下において反応させ、ジアルキルカーボネートとアルキレングリコールを併産することを特徴とするジアルキルカーボネートとアルキレングリコールの併産方法。
  2. 前記アルキレンオキシド(A)は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、スチレンオキシド、グリシジルメチルエーテル及びグリシジルフェニルエーテルから選ばれる少なくとも一つである請求項1に記載のジアルキルカーボネートとアルキレングリコールの併産方法。
  3. 前記脂肪族モノヒドロキシ化合物(B)は、メタノール及びエタノールから選ばれる少なくとも一つである請求項1に記載のジアルキルカーボネートとアルキレングリコールの併産方法。
  4. 前記塩基性化合物(C)は、ピリジン、4−(ジメチルアミノ)ピリジン、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ−7−セン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、炭酸ナトリウム、及び炭酸カリウムから選ばれる少なくとも一つである請求項1に記載のジアルキルカーボネートとアルキレングリコールの併産方法。
  5. 前記一般式[化1]で表される有機金属化合物は、1,2−meso−ジフェニル−1,2−エチレンジアミノ−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)クロミウム(III)クロリド、1,2−meso−ジフェニル−1,2−エチレンジアミノ−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)クロミウム(III)ブロミド、1,2−meso−ジフェニル−1,2−エチレンジアミノ−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)クロミウム(III)ヨージド、1,2−trans−ジフェニル−1,2−エチレンジアミノ−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)クロミウム(III)クロリド、1,2−trans−ジフェニル−1,2−エチレンジアミノ−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)クロミウム(III)ブロミド、1,2−trans−ジフェニル−1,2−エチレンジアミノ−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)クロミウム(III)ヨージド、1−メチル−1,2−meso−ジフェニル−1,2−エチレンジアミノ−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)クロミウム(III)クロリド、1−メチル−1,2−meso−ジフェニル−1,2−エチレンジアミノ−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)クロミウム(III)ブロミド、及び1−メチル−1,2−meso−ジフェニル−1,2−エチレンジアミノ−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)クロミウム(III)ヨージドから選ばれる少なくとも一つである請求項1に記載のジアルキルカーボネートとアルキレングリコールの併産方法。
  6. 前記一般式[化2]で表される有機金属化合物は、{[2,2’−[(1,1’−ビナフチレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(フェノラート)(2−)]}亜鉛(II)、{[2,2’−[(1,1’−ビナフチレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(フェノラート)(2−)]}銅(II)、及び{[2,2’−[(1,1’−ビナフチレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(フェノラート)(2−)]}コバルト(II)から選ばれる少なくとも一つである請求項1に記載のジアルキルカーボネートとアルキレングリコールの併産方法。
  7. 前記一般式[化3]で表される有機金属化合物は、{[2,2’−[(6,6’−ジメチル−1,1’−ビフェニレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(フェノラート)(2−)]}亜鉛(II)、{[2,2’−[(6,6’−ジメチル−1,1’−ビナフチレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(フェノラート)(2−)]}銅(II)、{[2,2’−[(6,6’−ジメチル−1,1’−ビナフチレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(フェノラート)(2−)]}コバルト(II)、{[2,2’−[(6,6’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(フェノラート)(2−)]}亜鉛(II)、{[2,2’−[(6,6’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(フェノラート)(2−)]}銅(II)、{[2,2’−[(6,6’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニレン)−2,2’−ジイルビス(ニトロメチリジン)]ビス(フェノラート)(2−)]}コバルト(II)から選ばれる少なくとも一つである請求項1に記載のジアルキルカーボネートとアルキレングリコールの併産方法。
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