JP2006341253A - 水素イオン形強酸性陽イオン交換樹脂 - Google Patents

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Abstract

【課題】不純物陽イオンのリークの全く起こらない新規な水素イオン形強酸性陽イオン交換樹脂の提供。
【解決手段】水素イオン以外の不純物陽イオンが、イオン交換樹脂の全交換当量の0.1当量%以下である水素イオン形強酸性陽イオン交換樹脂、および1)架橋重合体を製造する工程、2)スルホン化試薬の存在下に前記架橋重合体をスルホン化する工程、および3)25℃の電気比抵抗で5MΩcm以上を示す水で、または希釈硫酸に引き続いて25℃の電気比抵抗で5MΩcm以上を示す水で水和する工程を含む上記の強酸性陽イオン交換樹脂の製造方法。
【選択図】図2

Description

本発明は実質的に水素イオン形以外の不純物陽イオン形を含まない強酸性陽イオン交換樹脂とその製造方法に関する。本発明にかかる強酸性陽イオン交換樹脂により、特に半導体製造用、原子力発電用や火力発電所の復水脱塩処理用等に要求されている、水素イオン以外の不純物陽イオンを含まない超純水を得ることができる。
従来、市水、地下水、工水等の原水から種々の不純物陽イオンおよび陰イオンを除去した超純水を製造するには、種々の方法が工業化されている。最近の半導体製造用超純水製造システムはその最も進んだ技術といえよう。これは基本的には、前処理システム、一次純水製造システム、および二次純水製造システムから構成されている。前処理システムは、凝集、濾過、活性炭吸着等で構成される。一次純水製造システムは、1基又は2基の逆浸透膜分離装置および混床式イオン交換装置、あるいは、イオン交換純水装置および逆浸透膜分離装置で構成され、また二次純水製造システムは紫外線酸化分解装置、混床式イオン交換装置および限外濾過膜分離装置で構成される。原水はこれらのシステムにより各種不純物イオンを極限まで除去し、電気比抵抗18.24MΩcmの理論純水に近いレベルまで精製される。
原子力発電用供給水もまた、上記超純水なみの水質を要求されており、これは上記超純水製造システムに準じた逆浸透膜分離製造およびイオン交換純水装置を多用したシステムにより原水を処理することにより製造されている。原子力発電所プラントの安全確保の観点から復水は高純度の水質を維持する必要があり、その為に強酸性陽イオン交換樹脂(SACER)と強塩基性陰イオン交換樹脂(SBAER)を混床とした復水脱塩装置が設けられ、これにより不純物イオンを除去している。
従来、これら産業用の超純水を製造するために使用されるSACERおよびSBAERは、高度に再生され、精製処理された樹脂、すなわち、樹脂内に含まれる微量有機性不純物および微量イオン性不純物を低減させた樹脂で、これを単床又は混床で使用する。超純水製造用イオン交換樹脂の再生処理のレベルは水処理メーカー各社がそれぞれの値を定めており、たとえば強酸性陽イオン交換樹脂の再生率、すなわち水素イオン形転換率については99%以上、強塩基性陰イオン交換樹脂の再生率、すなわち水酸イオン形転換率については95%以上のような数値が示されている。
これら高度に再生、精製処理した樹脂を混合して混床式イオン交換装置として使用する場合、特に半導体製造用超純水製造においてはボンベ型容器に再生型水素イオン形強酸性陽イオン交換樹脂と再生型水酸イオン形強塩基性陰イオン交換樹脂を混合して充填して使用する。一定期間使用された後は廃棄される。最近は資源保護のリサイクルの立場から、容器ごと交換して別途再生処理されて水質レベルの低い一次純水製造システムで再使用される場合もある。
上記従来の再生型SACERではロットの違い等による樹脂の特性の差により、不純物陽イオンのリークが起こる場合があった。この不純物陽イオンのうちでも特にNaイオンは強酸性陽イオン交換樹脂の低い選択性、Na<NH <K<Mg++<Ca++の問題から、リークが起こり易い。Naイオンは半導体製造においてウエハーの電気特性を悪化させる。不純物原子としてのNaの原子数とウエハー上での汚染特性の関係は明確ではないが、Naの原子数で数10億個/cmウェハーで、ウェハーの電気特性が悪化すると言われている。このSACERからの不純物陽イオンのリークを極限まで低減することが要求されている。この不純物陽イオン(M)の樹脂からのリークは強酸性陽イオン交換樹脂の再生不良によりR−M(M形樹脂)の加水分解が起こり、Mイオンが処理水中にリークするために起こるものと考えられている。この不純物陽イオンのリークを防ぐ為に前述した通り各社とも高度な再生処理に務めている訳である。この不純物Mイオンのリークはウエハーの汚染を起こしウエハーのイールドを低下させ問題となっている。
上記のような問題点があるにも拘らず、陽イオン交換樹脂がNa形として供給されていたのは、Na形の方が体積が小さくなり、貯蔵安定性およびハンドリングの点で有利であったことと、水素イオン形で供給しても経時により汚染され、一部Na形に変化してしまうため、現実問題として水素イオン形で供給することに問題があるという理由によるものであった。本発明のような強酸性陽イオン交換樹脂は、理論上はNa形の樹脂を再生処理することにより製造可能であるが、図1の再生効率カーブに示されるように、再生剤を非常に多量に使わなければならず、現実にはこのように再生により、高度に水素イオン形に転換することは困難である。また、今日まで本発明の樹脂のようなレベルまで不純物陽イオンが低減された強酸性陽イオン交換樹脂はみられなかった。
本発明は上記従来の課題を解決し、水素イオン以外の不純物陽イオンの量が著しく少なく、不純物陽イオンのリークの全く起こらない新規な水素イオン形強酸性陽イオン交換樹脂およびその製造方法を提供することを目的としている。
前述した課題を解決するために発明者らは鋭意検討した結果不純物陽イオンを実質的に含まない水素イオン形強酸性陽イオン交換樹脂を開発することに成功し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、水素イオン以外の不純物陽イオンが、イオン交換樹脂の全交換当量の0.1当量%以下である水素イオン形強酸性陽イオン交換樹脂を提供するものである。好ましくは樹脂中の水素イオン以外の不純物陽イオンは、イオン交換樹脂の全交換当量の0.05当量%以下であり、最も好ましくは0.01%当量以下である。
本明細書において、水素イオン以外の不純物陽イオンとは、たとえばナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、およびアンモニウム等の陽イオンをいう。
また、本明細書において、イオン交換樹脂の全交換当量とは、総交換容量をいい、イオン交換樹脂が持つイオン交換反応にあずかる交換基の全量を示すもので、SACERの場合には、中性塩分解容量に相当するものと実質的に考えて良い。これらの測定は通常当業界で行われている交換容量の測定に従う。また本発明の当量%は樹脂の総交換容量に対する不純物陽イオン形の当量の値より計算される。
また本発明は上記の水素イオン形強酸性陽イオン交換樹脂の製造方法を提供する。すなわち、本発明の水素イオン形強酸性陽イオン交換樹脂は、1)架橋重合体を製造する工程、2)スルホン化試薬の存在下に前記架橋重合体をスルホン化する工程、および3)25℃の電気比抵抗で5MΩcm以上を示す水で、または希釈硫酸に引き続いて25℃の電気比抵抗で5MΩcm以上を示す水で水和する工程を含む方法により製造することができる。
本発明で使用される架橋共重合体は、公知の原料および方法により製造することができる。
架橋共重合体を構成する単量体としては、モノビニル単量体とポリビニル単量体が挙げられる。モノビニル単量体としては、スチレン、メチルスチレン、クロルスチレン、クロルメチルスチレン、エチルスチレン、ビニルキシレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン等のモノビニル芳香族単量体が挙げられる。またこれらのモノビニル芳香族単量体と共重合可能な単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のモノビニル脂肪族単量体が挙げられ、これらの一種以上を選択して共重合可能な量的範囲内おいて添加してモノビニル芳香族単量体と共重合させることができる。
次に、架橋しえるポリビニル単量体としては、具体的には、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、ジビニルナフタレン、トリビニルベンゼン、トリビニルキシレン等のポリビニル芳香族単量体、更にジ(メタ)アクリル酸エチレングリコールエステル、トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリル酸ブチレングリコールエステル、マレイン酸ジアリル、アジピン酸ジアリル等のポリビニル脂肪族単量体等が挙げられる。
架橋剤とするポリビニル単量体の使用量は、全単量体、即ちモノビニル芳香族単量体更にはモノビニル脂肪族単量体を含む場合にはこれらモノビニル単量体とポリビニル単量体の合計量に対して、0.5ー60重量%の範囲内で用いられ、好ましくは、1.5−50重量%の範囲内である。
またモノビニル脂肪族単量体は、所望に応じて使用されるが目的とするSACERの性能などに変化を与えない範囲内の量で使用され、0.1−20重量%の範囲内である。
本発明では、前述の単量体を公知の重合方法、例えば懸濁重合、乳化重合、塊状重合、溶液重合法等の方法で重合できるが、懸濁重合や乳化重合等が均一型の共重合体ビーズが得られるので特に好ましい。その一例として懸濁重合法による場合には、分散媒としては、通常は水などが使用でき、分散剤としては、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース等の公知の重合方法に用いられているものが使用できる。また重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル等の過酸化物、あるいは、アゾブチロニトリル等のアゾ化合物等の公知のものが使用できる。重合は、通常50−100℃の範囲内の温度にて2−30時間程度で実施され、その操作としては、水および分散剤等を仕込みこれに撹伴下に、重合開始剤を溶解した単量体を加え、懸濁状態下に所定温度において実施される。本発明で使用される架橋共重合体は、ゲル形と称せられる実質的に非多孔質架橋共重合体、更には重合の際に得られる架橋共重合体に多孔性を付与する公知の多孔質形成剤、例えば架橋共重合体を膨潤する性質を有する有機溶媒、非膨潤性の有機溶媒、単量体に溶解しえる線状重合体やこれらの混合物等を共存させて得られる多孔質架橋共重合体があげられる。
このようにして得られた架橋共重合体をスルホン化してSACERが製造される。このスルホン化は、架橋共重合体をこの重合体を膨潤させる性質を有する有機溶媒の存在下または非存在下で実施される。この重合体を膨潤させる性質を有する有機溶媒は反応系中では不活性であるものであり、具体例としては、エチレンジクロライド、ニトロベンゼン、キシレン、トルエン、トリクロロエチレン、ベンゼン、プロピレンジクロライド、クロロベンゼン、四塩化炭素等が挙げられる。これらを使用する場合には、その使用量は、架橋共重合体に対して0.5−10倍重量の範囲内にて適宜選択される。これらの使用は、緩和された条件下にスルホン酸基を架橋共重合体へ円滑に均一に導入できるものと言われている。これらの有機溶媒の非存在下でも当然スルホン化を実施することができる。
スルホン化剤としては、硫酸、発煙硫酸、クロロスルホン酸等あるいはこれらの混合物等が挙げられ、これらによりスルホン酸基が架橋共重合体に導入される。典型的にはスルホン化の反応時間は0.3−20時間程度であり、反応温度は、40−130℃で実施される。
このようなスルホン化工程を経て製造されたスルホン化体は、通常は水和し、ろ過、洗浄した後苛性ソーダや炭酸ナトリウムで中和し、水洗してNa形の強酸性陽イオン交換樹脂が製造される。しかるに本発明では、スルホン化工程を経て製造されたスルホン化体を特定の条件化で水和処理することにより、Naイオン形の強酸性陽イオン交換樹脂を製造することなく、水素イオン形以外の不純物イオンを含まない強酸性陽イオン交換樹脂が製造される。スルホン化反応後の樹脂を、25℃の電気比抵抗で5MΩcm以上、好ましくは10MΩcm、より好ましくは15MΩcm、最も好ましくは18MΩcm以上の、実質的に水素イオン以外の不純物陽イオンを含まない水で水和し高度に精製処理することにより本発明の水素イオン形強酸性陽イオン交換樹脂を得ることができる。
上記のような水で水和することにより、Naイオン等の陽イオンを外部からもたらすことなく、樹脂内に残存する未反応のスルホン化試薬を水と置換することができる。従来はNaイオン等を多量に含む工業用水で水和し、次いで苛性ソーダ、炭酸ナトリウム等で中和して樹脂を製造していた。そのため、前述のような再生処理が必要であるばかりでなく、かかる再生処理によっても本発明の樹脂のような低いレベルまで水素イオン以外の陽イオンの濃度を減少させることはきわめて困難であった。
またスルホン化後にスルホン化体に対して希釈硫酸を接触させ、引き続いて上述の実質的に水素イオン以外の不純物陽イオンを含まない水により水和する事もできる。この方法によれば、スルホン化後に上記の水で直接水和するよりも短時間で水和することができる。これは急激な変化が緩和され、また急激な膨潤収縮が避けられるためであると考えられる。
本発明の水素イオン形強酸性陽イオン交換樹脂の製造の際に使用される原料について、通常使用されるものを使用することができる。しかし、不純物陽イオンの量が少ない方が好ましいことはいうまでもない。架橋共重合体中に存在する水素イオン以外の不純物陽イオンも少なければ少ないほど好ましく、たとえば、モノマー原料や界面活性剤などに含まれる不純物陽イオンも少ない方が好ましい。
本発明の強酸性陽イオン交換樹脂は、単床、またはこれと再生型強塩基性陰イオン交換樹脂との混床として使用され、超々純水を提供する。
ここで再生型強塩基性陰イオン交換樹脂とは、水酸イオン形強塩基性イオン交換樹脂である。
超純水の製造において、混床で使用する場合のSACERとSBAERとのそれぞれの割合は、体積比で10:1−1:10の範囲で使用可能であり、好ましくは1:2−5:1、より好ましくは1:2−2:1で使用される。
また、原子力発電所、火力発電所やボイラーの復水脱塩処理用の混床においては、陰イオン交換樹脂と陽イオン交換樹脂とのそれぞれの割合は、体積比で10:1−1:10の範囲で使用可能であり、好ましくは2:1−1:2である。
通常SACERは市販のイオン形としてはNa形になっており、これを高純度塩酸や硫酸を通薬して水素イオン形樹脂に転換する場合とは全く異なり、本発明においては水素以外の不純物陽イオンの量を、イオン交換樹脂の全交換当量の0.1当量%以下、好ましくは0.05当量%以下、最も好ましくは0.01当量%以下に激減させることが可能となった。
こうして得られた新規な水素イオン形SACERは、単床または新規な水素イオン形SACERと再生型水酸イオン形SBAERの混床で、半導体用超純水製造システムの一次系システムの末端または二次系システム既存のカートリッジポリシャーの前後、又はこれらに代えて用いることができる。
従来の超純水中の不純物陽イオンは通常数10pptレベルであるが、本発明の水素イオン形SACERを用いることにより、不純物陽イオンが10ppt以下、好ましくは1pptのレベルまで減少した超々純水を得ることができる。本発明により得られる超々純水は、次世代用の64メガビットまたはそれ以上のメモリーの製造に使用されるウェーハ洗浄水として好適に用いられる。
原子力発電所では原子炉冷却水用補給水の製造装置又は、復水脱塩装置に用いることにより脱塩能力は従来樹脂と同等又はそれ以上であり、かつ樹脂からの不純物陽イオンのリークが全くないので、処理水中に不純物陽イオンを実質的に含まない超々純水を製造することが可能となる。
以下において実施例に基づき本発明をより詳細に説明するが、かかる実施例は本発明の範囲を何等制限するものではない。
実施例1
公知の方法によりスチレン406.8g、純度59%のジビニルベンゼン93.2gを重合開始剤の存在下、分散剤等を含む水性媒質中で重合し、515gの球状共重合体を製造した。次いでこの球状共重合体に、エチレンジクロリドを添加して球状共重合体を充分に膨潤させ、この膨潤共重合体に市販98%濃硫酸(日鉱亜鉛(株)製品)を加えて120℃で、5時間スルホン化を行った。反応終了後のスルホン化体を含む母液を1リットル四径丸底フラスコに4分し(スルホン化体として約400g含む)、(1)インラインで、18MΩcmの超純水をゆっくり撹伴しながら加え、液のpHがほぼ中性になるまでスルホン化体を水和させた。(2)インラインで、15.5MΩcmの脱イオン水をゆっくり撹伴しながら加え、液のpHがほぼ中性になるまでスルホン化体を水和させた。(3)インラインで、10.3MΩcmの脱イオン水をゆっくり撹伴しながら加え、液のpHがほぼ中性になるまでスルホン化体を水和させた。(4)初め(2)の脱イオン水で中和し、液の硫酸濃度が約25%になった後に、Naイオンとして9.6ppm、Mgイオンとして1.5ppm、Caイオンとして12.2ppm含む水道水を用い、ゆっくり撹伴しながら、液のpHがほぼ中性になるまで3回スルホン化体を水和させた。
上記(1)から(4)の水和させた水素イオン形陽イオン交換樹脂の一定量20gを不純物陽イオンを含まない35%塩酸を超純水で希釈し、1N塩酸とし、その1リットルを通薬し、ろ液中の不純物陽イオンをフレーム光度法で定量した。
別途常法により求めたこの水素イオン形強酸性陽イオン交換樹脂の体積換算のイオン交換容量(2.19eq/リットル−樹脂)と見掛け密度(835g/リットル−樹脂)より以下に示す通り計算により求めた。
その結果は、下記の通りである。
Figure 2006341253
なお(1)を例として計算方法を以下に示す。
通薬した1N塩酸中のナトリウムの濃度:0.07mg/リットル(他の陽イオンは不検出であった。)
35%塩酸のブランク値(ナトリウム検出限界):0.05mg/リットル
従ってサンプル樹脂20g(23.95ml)より溶離したナトリウム濃度:0.07mg/リットル
1リットル樹脂中に含まれるナトリウムの当量:0.07×10−3×1000/23.95÷23=1.271×10−4eq/リットル−樹脂
不純物陽イオンの当量%=1.271×10−4/2.19×100=0.006
実施例2
実施例1の濃硫酸でスルホン化を行った。反応終了後のスルホン化体を含む母液を1リットル四径丸底フラスコに4分(スルホン化体として約400g含む)し、(5)インラインで、18MΩcmの超純水をゆっくり撹伴しながら加え、液のpHがほぼ中性になるまでスルホン化体を水和させた。(6)上記濃硫酸を約50%および25%に超純水(18MΩcm)で希釈し、初め約50%の希釈濃硫酸で1回水和させ、次いで約25%の希釈濃硫酸で2回、その後超純水で液のpHが中性になるまでスルホン化体を水和させた。(7)上記濃硫酸を超純水(18MΩcm)で希釈して得た硫酸濃度が約25%の硫酸を用い、母液の硫酸濃度が約30%になった後インラインで、7.5MΩcmの脱イオン水で液のpHがほぼ中性になるまでスルホン化体を水和させた。(8)上記濃硫酸を超純水(18MΩcm)で希釈して得た硫酸濃度が約20%の硫酸を用い、母液の硫酸濃度が約25%になるまで水和させた後、実施例1の水道水で液のpHがほぼ中性になるまで水和させた。
上記(5)から(8)の水和させた水素イオン形陽イオン交換樹脂の一定量20gを実施例1と同様の操作を行い、樹脂中の不純物陽イオンの当量%を求めた。
その結果は、下記の通りである。
Figure 2006341253
実施例3
実施例1および2の(1)、(2)、(4)、(7)で得られた樹脂、および実施例1の(1)の方法により得た水和工程終了後の樹脂を、常法により炭酸ナトリウムを加えNa形樹脂とし、これを1N塩酸を樹脂1リットル当たり10倍量通薬し、次いで超純水で樹脂中の再生剤残査を洗浄し、水素イオン形転換率99.5%の再生形SACER((9)樹脂)を得、以下の試験に供した。
脱イオン水を原水とする以下の実験室用超純水製造システム(180リットル/時で25℃の電気比抵抗18MΩcmの超純水を供給できる)を用いテストした。なおそのシステムの概略を図2に示す。図2に示されたフロー中のカートリッジポリッシャー(5リットル)に前述の(1)、(2)、(4)、(7)、(9)の各樹脂それぞれと、1N水酸化ナトリウム溶液を樹脂1リットルあたり10倍量通薬して再生精製処理したSBAER(アンバーライトIRA−402BL、ローム アンド ハース カンパニー製)をSACER/SBAERの体積比で2/3(交換容量比でほぼ同当量混合となつている)にした各混床樹脂5リットルを入れ、混床樹脂に対してSV(Space Velocity)40 bed volume/時でシステムを作動させ、1時間後のユースポイントでの超純水(18MΩcm以上)中のNaイオンをイオンクロマトグラフィー(米国ダイオネックス社製)で定量(サンプル水20ミリリットルを装置に注入)した。
その結果は、下記の通りである。
Figure 2006341253
実施例4
図2に示したフローにおいて、(2)の樹脂を単独で5リットルカートリッジポリッシャーボンベに詰め単床とし、(9)の樹脂を用いた実施例1に示した混床の5リットルカートリッジポリッシャーの後に直列で付け、システムを作動させ1時間後のユースポイントでの超純水(18MΩcm)中のNaイオン濃度をイオンクロマトグラフィー(米国ダイオネックス社製)で定量した。その結果Naイオン濃度は、2pptとなった。
実施例5
図2に示した一次系末端混床イオン交換樹脂塔には再生形SACER(アンバーライトIR−124、ローム アンド ハース カンパニー製)(再生による水素イオン形転換率91.0%)と再生形SBAER(アンバーライトIRA−402BL、再生による水酸イオン形転換率80.0%)の混床(SACER/SBAERの混合比1/2、70リットル)により作られている。この混床SACERを(2)の樹脂に代えた混床に通水したところ、3時間後Naイオンのリーク量が約100pptから約3pptに減少した。
図1は従来の強酸性陽イオン交換樹脂の再生効率カーブを示す図である。 図2は実施例4で使用された実験室用超純水製造システムの概略フローを示す図である。

Claims (4)

  1. 水素イオン以外の不純物陽イオンが、イオン交換樹脂の全交換当量の0.05当量%以下である水素イオン形強酸性陽イオン交換樹脂。
  2. 水素イオン以外の不純物陽イオンが、イオン交換樹脂の全交換当量の0.01当量%以下である水素イオン形強酸性陽イオン交換樹脂。
  3. 1)架橋重合体を製造する工程、2)スルホン化試薬の存在下に前記架橋重合体をスルホン化する工程、および3)25℃の電気比抵抗で10.3MΩcm以上を示す水で、または希釈硫酸に引き続いて25℃の電気比抵抗で10.3MΩcm以上を示す水で水和する工程を含む、水素イオン形強酸性陽イオン交換樹脂の製造方法により製造された、
    水素イオン以外の不純物陽イオンが、イオン交換樹脂の全交換当量の0.05当量%以下である水素イオン形強酸性陽イオン交換樹脂。
  4. 1)架橋重合体を製造する工程、2)スルホン化試薬の存在下に前記架橋重合体をスルホン化する工程、および3)25℃の電気比抵抗で18MΩcm以上を示す水で、または希釈硫酸に引き続いて25℃の電気比抵抗で18MΩcm以上を示す水で水和する工程を含む、水素イオン形強酸性陽イオン交換樹脂の製造方法により製造された、
    水素イオン以外の不純物陽イオンが、イオン交換樹脂の全交換当量の0.01当量%以下である水素イオン形強酸性陽イオン交換樹脂。
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