JP2006340831A - X線ct装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数のスキャノグラム撮影において、撮影時間の短縮と、被検体の被曝量の低減を可能とするX線CT装置を提供する。
【解決手段】X線CT装置1の撮影条件演算部39は、スキャノグラム撮影の撮影条件を動作制御部23に送る。このスキャノグラム撮影の撮影条件は、X線の照射範囲及び照射角度等である。スキャノグラム撮影の撮影条件の設定は、一度に複数の部位(例えば、被検体13の頭部、胸部、腹部)について行われる。動作制御部23の寝台制御部27が被検体13を搭載する寝台11を移動制御するとともに、X線照射制御部25は設定された範囲でX線21照射制御を行い、回転制御部29は指定される照射角度でX線21照射制御を行う。従って、寝台11を単方向に移動させる間に複数の撮影条件を持つスキャノグラム撮影を行うことができる。
【選択図】図1
【解決手段】X線CT装置1の撮影条件演算部39は、スキャノグラム撮影の撮影条件を動作制御部23に送る。このスキャノグラム撮影の撮影条件は、X線の照射範囲及び照射角度等である。スキャノグラム撮影の撮影条件の設定は、一度に複数の部位(例えば、被検体13の頭部、胸部、腹部)について行われる。動作制御部23の寝台制御部27が被検体13を搭載する寝台11を移動制御するとともに、X線照射制御部25は設定された範囲でX線21照射制御を行い、回転制御部29は指定される照射角度でX線21照射制御を行う。従って、寝台11を単方向に移動させる間に複数の撮影条件を持つスキャノグラム撮影を行うことができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、X線CT(Computed Tomography)装置に関する。より詳細には、被検体のCTスキャン検査位置を決めるために事前に行われるスキャノグラム撮影の撮影時間の短縮化と被検体の被曝量低減を図るX線CT装置に関する。
一般的に、X線CT装置で検査を行う際には、まず被検体の透視撮影であるスキャノグラム撮影を行い、スキャノグラム画像を取得する。このスキャノグラム画像を青写真として、スキャノグラム画像上のCTスキャンを行う位置に撮影スライスラインを表示して、スキャン撮影計画を行う。
従来のスキャノグラム撮影では、X線源と対向するX線検出器とを所定の角度に固定して、被検体を搭載した寝台を被検体の体軸方向に移動させながらX線照射を行い、撮影データからスキャノグラム画像を得る。
また、従来のスキャノグラム撮影では、X線源からのX線照射量を制御する管電流と管電圧などは一定値である。即ち、従来、スキャノグラム撮影においてX線源からのX線照射量は一定値である。
このような条件下で、同一被検体に対し、複数のX線照射角度でのスキャノグラム撮影を行うには、被検体を呼吸停止させて、複数回(複数のX線照射角度で)のスキャノグラム撮影を順次行う必要があった。
また、被検体のスキャノグラム撮影データを基に、自動的に設定した管電流の変化パターンによる被検体の被曝線量を算定し、この被検体のX線被曝を考慮に入れて操作者が管電流のパターンを再設定することのできるX線CT装置がある(特許文献1)。
また、CTスキャン撮影の前にスキャノグラム撮影を行い、管電流を制御するための標準モデルを作成し、このモデル(スキャナの回転角度と被検体の透過長との関係を示す)を利用して、CTスキャン計測の管電流の制御を行うX線CT装置がある(特許文献2)。
しかしながら、従来のスキャノグラム撮影では、同一の被検体に対して複数の(X線の照射角度から)スキャノグラム撮影を行う場合、被検体を呼吸停止させた状態での検査時間が、スキャノグラム撮影回数と共に増加し、被検体に対しての負担の増加となっていた。
また、同一被検体に対して複数のスキャノグラム撮影を行うことで、被検体のX線被曝量が増大する問題点があった。また、複数のスキャノグラム撮影において、従来は、常にX線源の管電流と管電圧等は一定値であり、被検体が必要以上の被曝を受ける危険性があった。
また、特許文献1、及び特許文献2に示すX線CT装置は、CTスキャンにおけるX線被曝を低減するものであり、CTスキャン検査位置を決めるためのスキャノグラム撮影におけるX線被曝量の低減やスキャノグラム撮影の時間短縮を行うものではない。
本発明は、このような問題を鑑みてなされたもので、その目的とするところは、複数のスキャノグラム撮影において、撮影時間の短縮と、被検体の被曝量の低減を可能とするX線CT装置を提供することである。
前述した目的を達成するための第1の発明は、被検体にX線を照射し透過X線量を検出して投影データを取得するスキャナ部と、前記投影データを用いて画像再構成演算を行う演算処理部と、前記被検体を搭載して体軸方向に移動させる寝台と、前記スキャナ部及び前記寝台の動作制御を行う動作制御部と、を有するX線CT装置であって、前記動作制御部は、前記被検体の少なくとも1つの撮影対象範囲毎にスキャノグラム撮影を行い、各スキャノグラム撮影毎に前記X線の照射量及び照射角度と前記寝台の位置及び移動量とを制御し、前記撮影対象範囲以外の部分については前記X線の照射を行わないことを特徴とするX線CT装置である。
投影データとは、X線を被検体に照射し、被検体を透過して減衰を受けたX線を検出器で測定した強度として得られる。
画像再構成演算とは、被検体の周囲における複数の角度についての投影データから被検体の断層像を得るための演算処理である。
スキャノグラム撮影とは、CTスキャン撮影の前に撮影位置や範囲などの撮影計画を立てるために行う予備撮影である。スキャノグラム撮影は、被検体に対するX線照射を1方向に限らず、複数の方向から行うようにしても良い。
画像再構成演算とは、被検体の周囲における複数の角度についての投影データから被検体の断層像を得るための演算処理である。
スキャノグラム撮影とは、CTスキャン撮影の前に撮影位置や範囲などの撮影計画を立てるために行う予備撮影である。スキャノグラム撮影は、被検体に対するX線照射を1方向に限らず、複数の方向から行うようにしても良い。
第1の発明によるX線CT装置は、動作制御部が被検体の撮影対象範囲毎にスキャノグラム撮影を行い、各スキャノグラム撮影毎にX線の照射量及び照射角度と寝台の位置及び移動量とを制御し、撮影対象範囲以外の部分については前記X線の照射を行わない。
第1の発明によるX線CT装置は、複数の撮影対象範囲毎にX線の照射量及び照射角度と寝台の位置及び移動量とを制御するので、寝台を一度単方向に移動させる間に必要なスキャノグラム撮影を行い、被検体の被曝量低減と検査負担の軽減を行う効果を奏する。また、撮影対象範囲以外の部分についてX線の照射を行わないので、被検体への被曝量低減効果が大きい。
第2の発明は、被検体にX線を照射し透過X線量を検出して投影データを取得するスキャナ部と、前記投影データを用いて画像再構成演算を行う演算処理部と、前記被検体を搭載して体軸方向に移動させる寝台と、前記スキャナ部及び前記寝台の動作制御を行う動作制御部と、を有するX線CT装置であって、前記動作制御部は、前記被検体の少なくとも一部の範囲について第1のX線照射角度により第1のスキャノグラム撮影を行い、前記演算処理部は、前記第1のスキャノグラム撮影で取得する前記投影データに基づいて前記被検体の体軸方向位置毎にプロファイル値を算出し、前記動作制御部は、さらに、前記被検体の体軸方向位置毎に前記プロファイル値に応じて前記X線の照射量を制御して第2のX線照射角度により第2のスキャノグラム撮影を行うことを特徴とするX線CT装置である。
プロファイル値とは、第1のX線照射角度による第1のスキャノグラム撮影で取得する投影データ値を体軸方向位置毎に積算した値である。
第2の発明によるX線CT装置は、動作制御部は、被検体の少なくとも一部の範囲について第1のX線照射角度により第1のスキャノグラム撮影を行い、演算処理部は、第1のスキャノグラム撮影で取得する投影データに基づいて被検体の体軸方向位置毎にプロファイル値を算出し、動作制御部は、さらに、被検体の体軸方向位置毎に前記プロファイル値に応じてX線の照射量を制御して第2のX線照射角度により第2のスキャノグラム撮影を行う。
第2の発明によるX線CT装置は、第1のスキャノグラム撮影で得るプロファイル値に応じて、第2のX線照射角度でのX線照射量を制御して第2のスキャノグラム撮影を行うので、被検体が受ける無用な被曝量を低減する効果を奏する。
第3の発明は、被検体にX線を照射し透過X線量を検出して投影データを取得するスキャナ部と、前記投影データを用いて画像再構成演算を行う演算処理部と、前記被検体を搭載して体軸方向に移動させる寝台と、前記スキャナ部及び前記寝台の動作制御を行う動作制御部と、を有するX線CT装置であって、前記動作制御部は、前記被検体について第1のX線照射角度により第1のスキャノグラム撮影を行い、さらに、前記第1のスキャノグラム撮影における撮影範囲より小さい撮影範囲について第2のX線照射角度により第2のスキャノグラム撮影を行うことを特徴とするX線CT装置である。
第3の発明によるX線CT装置は、動作制御部が、被検体に第1のX線照射角度により第1のスキャノグラム撮影を行い、さらに、第1のスキャノグラム撮影における撮影範囲より小さい撮影範囲について第2のX線照射角度により第2のスキャノグラム撮影を行う。
第3の発明によるX線CT装置は、第1のX線照射角度による第1のスキャノグラム撮影結果を基に、より小さい撮影範囲について第2のX線照射角度による第2のスキャノグラム撮影を行うので、被検体が受ける無用な被曝量を低減する効果を奏する。
本発明によれば、複数のスキャノグラム撮影において、撮影時間の短縮と、被検体の被曝量の低減を可能とするX線CT装置を提供することができる。
以下に、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、X線CT装置1の構成を示す図である。
(1.X線CT装置1の構成)
X線CT装置1は、被検体13を撮影して撮影画像を出力する装置であり、スキャナ部3、演算処理部31、動作制御部23、モニタ処理部37等から構成される。
X線CT装置1は、被検体13を撮影して撮影画像を出力する装置であり、スキャナ部3、演算処理部31、動作制御部23、モニタ処理部37等から構成される。
X線CT装置1の操作者からの指示等をモニタ処理部37が処理して動作制御部23に伝え、動作制御部23はスキャナ部3を制御して被検体13を撮影し、演算処理部31はスキャナ部3で収集した投影データの画像処理を行う。
スキャナ部3は、被検体13にX線を透過して撮影を行い、X線透過データを収集する。スキャナ部3はガントリ5を備える。ガントリ5には、回転制御が可能な回転フレーム7が組み込まれる。また回転フレーム7は、中心に開口9があり、開口9内には被検体13を搭載して被検体13の体軸方向(紙面に対して鉛直方向)に移動可能な寝台11が組み込まれる。
また、ガントリ5内の回転フレーム7にはX線源17及びコリメータ19とX線検出器15とが被検体13を挟んで対向する位置に設けられ、回転フレーム7の回転移動とともに回転移動する。X線源17は、X線21を被検体13に対して照射する装置である。コリメータ19は、X線21のビームの幅(X線照射範囲)等を制御する装置である。X線源17の管電流と管電圧制御によるX線21の照射量、及びコリメータ19制御によるX線21の照射範囲は、動作制御部23(後述するX線照射制御部25)で制御される。また、回転フレーム7(即ちX線源17、コリメータ19、及びX線検出器15)の回転角度、即ちX線21の照射角度は動作制御部23(後述する回転制御部29)で制御される。
また、寝台11の、被検体13体軸方向への直線移動は動作制御部23(後述する寝台制御部27)で制御される。
また、X線検出器15は、複数のX線検出素子から構成される。X線検出器15は、被検体13を透過したX線21を検出する装置である。即ち、X線検出器15は、X線21が被検体13を透過する際の減衰の度合を示す電気信号を発生させ、演算処理部31に取得データを送る。
演算処理部31は、X線検出器15から送られるX線減弱特性データである投影データを処理する投影データ処理部33と、異なった角度からの投影データを収集し再構成してX線吸収係数分布特性データを算出する再構成データ処理部35とからなる。
本実施の形態は、CTスキャン撮影の前に撮影位置や撮影範囲などの撮影計画を行うためのスキャノグラム撮影での、被検体13への負担軽減と被曝量低減を目的とするものであり、演算処理部31は投影データ処理部33の出力(即ちスキャノグラム画像データ)をモニタ処理部37(後述する)に送り、モニタ43に表示させる。また、投影データ処理部33の出力(スキャノグラム画像データ)を基にして、動作制御部23(後述する)は次のスキャノグラム撮影の設定を行うようにしても良い。
尚、再構成データ処理部35は、異なった角度からの投影データをCTスキャン撮影により収集し、X線吸収係数分布特性データを算出する。再構成データ処理部35は、X線吸収係数分布特性データをモニタ処理部37(後述する)に送り、当該X線吸収係数分布特性データを演算処理して被検体13の断層画像としてモニタ43に表示させる。
モニタ処理部37は、撮影条件演算部39とモニタ演算部41等で構成される。撮影条件演算部39は、操作者がマウスやキーボード等の入力部45から入力する撮影条件等の演算を行い、当該演算結果をモニタ演算部41に送り表示装置であるモニタ43に表示させる。また、撮影条件演算部39は、当該演算結果を動作制御部23に送り、当該動作制御部23は操作者が設定した撮影条件でスキャナ部3の動作を制御する。
また、モニタ演算部41は、演算処理部31から送られるスキャノグラム画像や、CTスキャン結果としての断層画像等をモニタ43に表示させる。
動作制御部23は、X線照射制御部25、寝台制御部27、回転制御部29等で構成される。動作制御部23は、スキャナ部3の各部を制御する装置である。X線照射制御部25、寝台制御部27、及び回転制御部29は、それぞれ、撮影条件演算部39を介して操作者からの指示を受ける。更に、X線照射制御部25、寝台制御部27、及び回転制御部29は、それぞれ、演算処理部31で算出されたデータ(例えばスキャノグラムデータ)を基にして次の撮影制御量の指示を受けるようにしても良い。
X線照射制御部25は、コリメータ19に制御信号を送りX線照射範囲の制御を行う。また、X線照射制御部25は、X線源17に制御信号を送り、管電流と管電圧の制御を行ってX線21の照射量の制御を行う。
寝台制御部27は、被検体13を搭載する寝台11の位置及び移動量を制御し、被検体13を体軸方向(図1の紙面に対して鉛直方向)に直線移動させる。
回転制御部29は、回転フレーム7の回転移動の制御を行う。回転フレーム7の回転に伴い、コリメータ19とX線源17、及び対向するX線検出器15も同時に回転するので、回転フレーム7の回転制御は、被検体13に対するX線21の照射方向制御を行うことになる。
以上説明した、演算処理部31、モニタ処理部37、及び動作制御部23は、コンピュータ等の演算処理装置であり、それぞれが独立した演算処理装置として構成されていても良いし、幾つかを共通する演算処理装置として構成しても良い。
尚、図1では、X線CT装置1の上記記載以外の構成要素である、データ等を格納する記憶部、ネットワーク等に接続する通信部、データ等を出力する印刷部等の記載は省略する。
(2.第1の実施の形態)
次に、図2及び図3を用いて、本発明の第1の実施の形態について説明する。図2は第1の実施の形態のスキャノグラム撮影(1)のフローチャートを示す。図3は、被検体13のスキャノグラム撮影を示す図である。
次に、図2及び図3を用いて、本発明の第1の実施の形態について説明する。図2は第1の実施の形態のスキャノグラム撮影(1)のフローチャートを示す。図3は、被検体13のスキャノグラム撮影を示す図である。
第1の実施の形態におけるスキャノグラム撮影(1)は、被検体13に例えば図3に示すように、複数の領域(被検体13の頭部、胸部、腹部)についてスキャノグラム撮影を行う。図3では、3つの領域(頭部、胸部、腹部)のそれぞれの領域の寝台移動量をd1、d2、d3と設定する。尚、図3では被検体13に対してX線21の照射方向は、3つの領域とも0°(正面方向)としている。但し、領域ごとに、X線21の照射方向は異なる方向に設定しても良い。例えば、胸部領域(N=2、寝台移動量d2)において、被検体13に対しX線21の照射方向を90°(横方向)に設定することもできる。
また、図3に示すように、設定する寝台移動量(d1、d2、d3)以外の領域では、被検体13はX線21の照射を受けない。
図2により、第1の実施の形態のスキャノグラム撮影(1)のフローチャートを説明する。まず、モニタ処理部37の撮影条件演算部39は、操作者により入力部45から、スキャノグラム撮影数(N)の入力を受ける(ステップ1001)。例えば、図3に示すスキャノグラム撮影を行う場合には「N=3」(即ち3回のスキャノグラム撮影を行うという意味)が入力される。
次に、モニタ処理部37の撮影条件演算部39は、操作者により入力部45から、N=1の場合のX線照射角度の設定が行われる(ステップ1002)。即ち、被検体13に対するX線源17の角度(図3のN=1では、正面方向0°)の設定が行われる。
次に、撮影条件演算部39は、操作者により入力部45から、N=1の場合の寝台移動量の設定が行われる(ステップ1003)。即ち、N=1の場合の被検体13の寝台11の寝台移動量は、図3のN=1では、寝台移動量d1である。尚、図示していないがN=1の場合の「X線照射開始位置」(照射開始時の寝台位置)の設定も行われる。
撮影条件演算部39は、撮影数(N)の設定が終了するまで(ステップ1004のNO)、ステップ1002乃至ステップ1004の処理を繰り返す。図3によると、N=2では、X線照射角度0°、寝台移動量d2、N=3では、X線照射角度0°、寝台移動量d3が設定される。
撮影数(N)の設定が終了すると(ステップ1004のYES)、撮影条件演算部39は、操作者が入力した撮影条件を動作制御部23に送る。動作制御部23の寝台制御部27は、寝台位置と寝台移動量を設定された撮影条件に従って制御する。また、回転制御部29は、回転フレーム7の回転(即ちX線源17と被検体13との位置関係)を、設定された撮影条件に従って制御する。また、X線照射制御部25は、設定された撮影条件の撮影領域に合わせてX線照射のオンオフを制御する。尚、更にX線照射制御部25は、X線照射量を制御するようにしても良い。
即ち、図3において、被検体13を搭載した寝台11は、寝台制御部27に制御されて被検体13の体軸方向に移動を開始し、まず被検体13の頭部撮影(N=1)を行う。寝台移動量d1間でN=1のスキャノグラム撮影を終えると、次の撮影までの寝台11の移動中にはX線源17からX線21は照射しない。
続いて、寝台11が更に体軸方向に移動して、X線源17がN=2のスキャノグラム撮影位置(照射開始位置)に達すると、X線CT装置1は被検体13の胸部撮影(N=2)を行う。寝台移動量d2間でN=2のスキャノグラム撮影を終えると、次の撮影までの寝台11移動中にはX線源17からX線21は照射しない。尚、例えばN=2でX線21の照射方向が90°(横方向)に設定されていれば、回転制御部29が回転フレーム7(即ちX線源17)を回転させ、X線源17を移動させる。
続いて、寝台11が更に体軸方向に移動して、X線源17がN=3のスキャノグラム撮影位置(照射開始位置)に達すると、X線CT装置1は被検体13の腹部撮影(N=3)を行う。寝台移動量d3間でN=3のスキャノグラム撮影を終えると、X線源17は照射を停止し、第1の実施の形態におけるスキャノグラム撮影(1)を終了する(ステップ1005)。
尚、ステップ1001乃至ステップ1004の、撮影数N、X線照射角度、寝台移動量などの設定は、操作者が入力部45からその都度入力する方法の他、所定の撮影手順として事前に設定されているものであっても良い。或いは、所定の撮影手順として記憶手段(図示しない)に事前に登録されているものを、操作者が読み出して指定する方法であっても良い。
尚、上記ステップ1003の「寝台移動量の設定」では、撮影時の照射領域の設定を行い、実際には「照射開始位置」と、当該照射開始位置に対応する「寝台移動量d」を設定する。また、この照射領域の設定方法には、その他の方法として、「照射開始位置」と「照射終了位置」の設定、或いは「寝台移動速度」と「照射開始時点」、「照射終了時点」の設定等の方法を適用しても良い。
また、撮影対象範囲以外の部分で、寝台11の移動速度を早めて、全体としての撮影時間の短縮を図るようにしても良い。
従来、X線源17の照射角度や、画像取得領域を変えて3つの領域のスキャノグラム撮影を行う場合、寝台11を3回(3往復)移動させることでそれぞれのスキャノグラム撮影を行っていた。第1の実施の形態におけるスキャノグラム撮影(1)によると、複数のスキャノグラム撮影を一度の寝台11の移動(寝台11の単方向への移動)で行うことができるので、被検体13への被曝量の低減効果が大きい。また、撮影時間を短縮できるので、被検体13の負担を軽減する効果がある。
(3.第2の実施の形態)
次に、図4乃至図7を用いて、本発明の第2の実施の形態について説明する。図4は第2の実施の形態のスキャノグラム撮影(2)のフローチャートを示す。図5は、被検体13の0°方向のスキャノグラム撮影を示す図である。図6は、被検体13の0°方向のスキャノグラムデータから取得したプロファイル55を示す図である。図7は、被検体13の90°方向のスキャノグラム撮影を示す図である。
次に、図4乃至図7を用いて、本発明の第2の実施の形態について説明する。図4は第2の実施の形態のスキャノグラム撮影(2)のフローチャートを示す。図5は、被検体13の0°方向のスキャノグラム撮影を示す図である。図6は、被検体13の0°方向のスキャノグラムデータから取得したプロファイル55を示す図である。図7は、被検体13の90°方向のスキャノグラム撮影を示す図である。
第2の実施の形態におけるスキャノグラム撮影(2)は、図5に示すように、まず被検体13の正面方向からX線源17を照射して1回目のスキャノグラム撮影を行う。次に、当該スキャノグラム撮影データから体軸方向位置59に対する積算値57をプロファイル55として算出し(図6参照)、被検体13の横方向からX線源17を照射して行う2回目のスキャノグラム撮影では、当該プロファイル55を基にX線源17からのX線21の照射量を制御する。
図4により、第2の実施の形態のスキャノグラム撮影(2)のフローチャートを説明する。まず、X線CT装置1は、動作制御部23の回転制御部29によりX線源17の照射角度を被検体13の正面方向(照射角度0°)に設定する(図5参照)。次にX線CT装置1は、動作制御部23の寝台制御部27により、被検体13を搭載した寝台11を被検体13の体軸方向(X方向)に移動させつつ、X線源17からX線21を被検体13に照射して1回目のスキャノグラム撮影を行う(ステップ2001)。
次に、演算処理部31の投影データ処理部33は、上述の1回目のスキャノグラム撮影でX線検出器15から送られるX線減弱特性データである投影データを、被検体13の体軸方向位置59ごとに積算してプロファイル55として算出する(ステップ2002、図6参照)。投影データ処理部33は、当該プロファイル55を動作制御部23に送る。
即ち、図6に示すように、被検体13の部位の違いにより、投影データの積算値57が異なることがわかる。被検体13の各部位を略円筒形であると仮定すると、例えばプロファイル55値の小さい頸部(首の部分)等は、横方向からみても透過距離は小さいと想定され、その分必要なX線照射量は少ない。逆に、プロファイル55値の大きい腹部等は、横方向からみても透過距離が大きいと想定され、その分必要なX線照射量は多い。
次に、動作制御部23の回転制御部29は、回転フレーム7を回転移動させてX線源17の照射角度を被検体13の横方向(照射角度90°)に設定する(図7参照)。
次に動作制御部23の寝台制御部27は、被検体13を搭載した寝台11を、被検体13の体軸方向(X方向)に移動させつつ、X線照射制御部25は、前述の被検体13の体軸方向位置59に対応するプロファイル55に応じて照射ビーム幅や照射量を制御してX線21を被検体13に照射し、2回目のスキャノグラム撮影を行う(ステップ2003)。
即ち、X線照射制御部25は、プロファイル55の値の大きい部位には、適量のX線照射を行い、プロファイル55の値の小さい部位には、所定の基準に従ってX線源17の管電流や管電圧、及びコリメータ19の制御値を変えて、X線21の照射量を低減したり、ビーム幅を狭くする制御を行う。
即ち、第2の実施の形態におけるスキャノグラム撮影(2)によると、1回目のスキャノグラム撮影で取得したプロファイル55を基にして、2回目のスキャノグラム撮影でのX線21のビーム幅や照射量を制御するので、被検体13への必要以上の被曝量を低減する効果が大きい。
尚、X線21の照射角度の異なるスキャノグラム撮影は、照射角度90°に限られない。例えば更にX線照射方向45°から3回目のスキャノグラム撮影を行う場合にも第2の実施の形態が適用できる。
また、第1の実施の形態と第2の実施の形態とを組み合わせて、例えば被検体13の部位の一部を設定して照射方向0°でスキャノグラム撮影を行い(第1の実施の形態)、その結果を基にプロファイル55を算出し、当該プロファイル55に応じて被検体13の部位の一部を照射方向90°で2回目のスキャノグラム撮影を行うようにしても良い(第2の実施の形態)。この場合、スキャノグラム撮影を行う領域が、更に縮小されるので、被検体13への被曝量を更に低減させる効果がある。
(4.第3の実施の形態)
次に、図8乃至図11を用いて、本発明の第3の実施の形態について説明する。図8は第3の実施の形態のスキャノグラム撮影(3)のフローチャートを示す。図9は、被検体13の0°方向のスキャノグラム撮影を示す図である。図10は、被検体13の0°方向のスキャノグラムデータ61(被検体13の部位の一部)を示す図である。図11は、被検体13の90°方向のスキャノグラム撮影を示す図である。
次に、図8乃至図11を用いて、本発明の第3の実施の形態について説明する。図8は第3の実施の形態のスキャノグラム撮影(3)のフローチャートを示す。図9は、被検体13の0°方向のスキャノグラム撮影を示す図である。図10は、被検体13の0°方向のスキャノグラムデータ61(被検体13の部位の一部)を示す図である。図11は、被検体13の90°方向のスキャノグラム撮影を示す図である。
第3の実施の形態におけるスキャノグラム撮影(3)は、図9に示すように、まず被検体13の正面方向からX線を照射して、被検体13の所定の部位について1回目のスキャノグラム撮影を行う。操作者は、1回目のスキャノグラム撮影画像61(図10参照)を基に、被検体13の横方向からX線源17を照射して行う2回目のスキャノグラム撮影の撮影範囲を設定する(図11参照)。
図8により、第3の実施の形態のスキャノグラム撮影(3)のフローチャートを説明する。まず、X線CT装置1は、動作制御部23の回転制御部29によりX線の照射角度を被検体13の正面方向(照射角度0°)に設定する(図9参照)。尚、図9には特に示していないが、被検体13へのX線照射領域は体軸方向全長に限らず、体軸方向の所定の範囲をX線照射領域として設定するようにしても良い。
次にX線CT装置1は、被検体13を搭載した寝台11を、被検体13の体軸方向(X方向)に移動させつつ、設定された所定の領域で、X線21を被検体13に照射して、1回目のスキャノグラム撮影を行う(ステップ3001)。
図10は、上記1回目のスキャノグラム撮影で得られる0°スキャノグラム画像61であり、X線CT装置1のモニタ43等に表示される。操作者、又はスキャン診断者は、当該0°スキャノグラム画像61の画像検討を行い(ステップ3002)、被検体13の横方向(照射角度90°)からX線源17を照射して行う2回目のスキャノグラム撮影の照射領域を設定する(ステップ3003)。
0°スキャノグラム画像61の検討により、横方向(照射角度90°)からの照射領域を必要十分な領域、即ち、1回目のスキャノグラム撮影よりも縮小した照射領域d4(11参照)に設定することができる。
次に、動作制御部23の回転制御部29は、回転フレーム7を回転移動させてX線源17の照射角度を被検体13の横方向(照射角度90°)に設定する(図11参照)。
寝台制御部27は、被検体13を搭載した寝台11を、被検体13の体軸方向(X方向)に移動させつつ、X線照射制御部25は、設定された照射領域d4に対してX線21を被検体13に照射し、2回目のスキャノグラム撮影を行う(ステップ3004)。
尚、2回目のスキャノグラム撮影のX線21の照射角度は、照射角度90°に限定されず、任意の角度の設定を行うことができる。
即ち、第3の実施の形態におけるスキャノグラム撮影(3)によると、1回目のスキャノグラム撮影で取得したスキャノグラム画像61を基にして、2回目のスキャノグラム撮影ではX線21の照射領域を絞り込んで設定するので、被検体13への必要以上の被曝量を低減する効果が大きい。
(5.その他)
次に、その他の実施の形態を、図12乃至図14を用いて説明する。図12は対向角度でのX線照射を示す図である。図13は、所定角度間隔幅でのX線照射を示す図である。図14は被検体の位置ズレ時のスキャノグラム撮影を示す図である。
次に、その他の実施の形態を、図12乃至図14を用いて説明する。図12は対向角度でのX線照射を示す図である。図13は、所定角度間隔幅でのX線照射を示す図である。図14は被検体の位置ズレ時のスキャノグラム撮影を示す図である。
図12に示すように、あるスキャノグラム撮影のX線照射角度をα°としたときに、この角度と対向する角度、つまりα+180°でもX線照射を行うことで、高速度での寝台11移動を可能とすることもできる。
更に、図13に示すように、ある角度間隔T°の幅でX線照射角度α°近辺であるα―T°からα+T°までの撮影データを角度に関して補完処理を行い、α°でのデータとすることで、S/N比を向上させることもできる。
図14に示すように、ガントリ5の中心Oからずれた位置で被検体13を撮影するときには、撮影データはX線源17からの距離に依存した大きさのデータとなる。そのため、θ=α°とθ=α+180°の対向する角度の投影データを1つのスキャノグラムデータとすることができない。そこで、対向する撮影データを、例えばガントリ5の原点に対して垂直方向距離ズレVd63と、水平方向距離ズレHd65を考慮した補完を行うことで、対向する撮影データを1つのスキャノグラムデータとすることができる。
さらに、1つのスキャノグラムデータとするには、対向する角度での撮影データは左右が反転しているため、左右反転処理を行う。
この手段による作用は、対向方向でのX線照射により、寝台移動をスムーズに行うことができるため、被検体13への負担とならないスキャノグラム撮影と、検査時間の短縮を可能とする。
(6.効果等)
以上、説明したように、本実施の形態では、CTスキャン撮影の前に撮影位置や撮影範囲などの撮影計画を行うためのスキャノグラム撮影において、被検体13への被曝量低減効果が大きい。また、撮影時間が短縮できるため、被検体13への負担軽減効果がある。
以上、説明したように、本実施の形態では、CTスキャン撮影の前に撮影位置や撮影範囲などの撮影計画を行うためのスキャノグラム撮影において、被検体13への被曝量低減効果が大きい。また、撮影時間が短縮できるため、被検体13への負担軽減効果がある。
尚、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に限られるものではない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1………X線CT装置
3………スキャナ部
5………ガントリ
7………回転フレーム
9………開口
11………寝台
13………被検体
15………X線検出器
17………X線源
19………コリメータ
21………X線
23………動作制御部
25………X線照射制御部
27………寝台制御部
29………回転制御部
31………演算処理部
33………投影データ処理部
35………再構成データ処理部
37………モニタ処理部
39………撮影条件演算部
41………モニタ演算部
43………モニタ
45………入力部
55………プロファイル
57………積算値
59………体軸方向位置
61………0°スキャノグラム画像
63………垂直方向位置ズレ
65………水平方向位置ズレ
3………スキャナ部
5………ガントリ
7………回転フレーム
9………開口
11………寝台
13………被検体
15………X線検出器
17………X線源
19………コリメータ
21………X線
23………動作制御部
25………X線照射制御部
27………寝台制御部
29………回転制御部
31………演算処理部
33………投影データ処理部
35………再構成データ処理部
37………モニタ処理部
39………撮影条件演算部
41………モニタ演算部
43………モニタ
45………入力部
55………プロファイル
57………積算値
59………体軸方向位置
61………0°スキャノグラム画像
63………垂直方向位置ズレ
65………水平方向位置ズレ
Claims (3)
- 被検体にX線を照射し透過X線量を検出して投影データを取得するスキャナ部と、前記投影データを用いて画像再構成演算を行う演算処理部と、前記被検体を搭載して体軸方向に移動させる寝台と、前記スキャナ部及び前記寝台の動作制御を行う動作制御部と、を有するX線CT装置であって、
前記動作制御部は、前記被検体の少なくとも1つの撮影対象範囲毎にスキャノグラム撮影を行い、各スキャノグラム撮影毎に前記X線の照射量及び照射角度と前記寝台の位置及び移動量とを制御し、前記撮影対象範囲以外の部分については前記X線の照射を行わないことを特徴とするX線CT装置。 - 被検体にX線を照射し透過X線量を検出して投影データを取得するスキャナ部と、前記投影データを用いて画像再構成演算を行う演算処理部と、前記被検体を搭載して体軸方向に移動させる寝台と、前記スキャナ部及び前記寝台の動作制御を行う動作制御部と、を有するX線CT装置であって、
前記動作制御部は、前記被検体の少なくとも一部の範囲について第1のX線照射角度により第1のスキャノグラム撮影を行い、
前記演算処理部は、前記第1のスキャノグラム撮影で取得する前記投影データに基づいて前記被検体の体軸方向位置毎にプロファイル値を算出し、
前記動作制御部は、さらに、前記被検体の体軸方向位置毎に前記プロファイル値に応じて前記X線の照射量を制御して第2のX線照射角度により第2のスキャノグラム撮影を行うことを特徴とするX線CT装置。 - 被検体にX線を照射し透過X線量を検出して投影データを取得するスキャナ部と、前記投影データを用いて画像再構成演算を行う演算処理部と、前記被検体を搭載して体軸方向に移動させる寝台と、前記スキャナ部及び前記寝台の動作制御を行う動作制御部と、を有するX線CT装置であって、
前記動作制御部は、前記被検体について第1のX線照射角度により第1のスキャノグラム撮影を行い、さらに、前記第1のスキャノグラム撮影における撮影範囲より小さい撮影範囲について第2のX線照射角度により第2のスキャノグラム撮影を行うことを特徴とするX線CT装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005167999A JP2006340831A (ja) | 2005-06-08 | 2005-06-08 | X線ct装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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JP2006340831A true JP2006340831A (ja) | 2006-12-21 |
Family
ID=37638247
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2005167999A Pending JP2006340831A (ja) | 2005-06-08 | 2005-06-08 | X線ct装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006340831A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011245048A (ja) * | 2010-05-27 | 2011-12-08 | Ge Medical Systems Global Technology Co Llc | X線ct装置 |
CN102397078A (zh) * | 2010-09-19 | 2012-04-04 | 上海西门子医疗器械有限公司 | 一种x射线计算机断层扫描系统和方法 |
-
2005
- 2005-06-08 JP JP2005167999A patent/JP2006340831A/ja active Pending
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