JP2006340797A - 関節金具および座椅子 - Google Patents
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Abstract
【課題】爪部材をラチェットに左右均等にバランス良く係合できて、安定した動作を得ることができる関節金具を提供する。
【解決手段】本発明は、回動金具10の一対のラチェット22が固定金具10に軸支され、爪部材30がラチェット22の歯23に対応し係脱自在に設けられるとともに、付勢手段50によって爪部材30がラチェット歯23に係合する方向に付勢され、爪部材30がラチェット歯23に順送りされることにより、回動金具20の固定金具10に対する正回転が許容されるようにした関節金具を対象とする。爪部材30は、一対のラチェットに対応して、間隔をおいた一対の爪板32を有し、一対の爪板32における先端側に、ラチェット歯に係合する係合爪33が設けられ、付勢手段50が、一対の爪板間に設けられる。
【選択図】 図5
【解決手段】本発明は、回動金具10の一対のラチェット22が固定金具10に軸支され、爪部材30がラチェット22の歯23に対応し係脱自在に設けられるとともに、付勢手段50によって爪部材30がラチェット歯23に係合する方向に付勢され、爪部材30がラチェット歯23に順送りされることにより、回動金具20の固定金具10に対する正回転が許容されるようにした関節金具を対象とする。爪部材30は、一対のラチェットに対応して、間隔をおいた一対の爪板32を有し、一対の爪板32における先端側に、ラチェット歯に係合する係合爪33が設けられ、付勢手段50が、一対の爪板間に設けられる。
【選択図】 図5
Description
この発明は、例えば座椅子の座フレームと背もたれフレームとの連結箇所等に設けられる関節金具および座椅子に関する。
従来の座椅子において、座体と背もたれとの連結箇所にラチェット金具などの関節金具を介在させて、その関節金具によって、座体に対する背もたれの傾斜角度を段階的に調整できるようにしたものが周知である。
このような座椅子用の関節金具としては、特許文献1に開示されたものがある。この関節金具は、座体等の固定部材に取り付けられる固定金具と、背もたれ等の回動部材に取り付けられる回動金具とを備え、回動金具のラチェットが固定金具のハウジングに回動自在に軸支される。更に固定金具のハウジングには、回動金具のラチェット歯に対応して、ブロック状の焼結金属からなる爪部材が設けられており、その爪部材がバネなどの付勢手段によりラチェット歯に咬合する方向に付勢されている。そして爪部材がラチェット歯に順送りされることにより、前記回動金具の前記固定金具に対する正回転が許容されるとともに、前記爪部材がいずれかの前記ラチェット歯に係合することにより、逆回転が規制されるようにしている。
実公昭7−113号(図1−5)
しかしながら、上記従来の関節金具において、爪部材をラチェットに係合する方向に付勢するバネは、爪部材の左右両側面のうちの一側面に沿って配置されているため、爪部材の一側面側は、バネの付勢力が大きいのに対し、他側面側は、バネの付勢力が小さくなってしまう。このため爪部材を左右均等な圧力でラチェット歯に係合させることができず、爪部材の一方側および他方側においてラチェット歯に対する係合力(押付力)のバランスが乱れて、良好な係合状態を得ることが困難となり、たとえば正回転時に爪部材を順送りする際に、がたつきや動作不良が生じるなど、安定した動作を得ることが困難であるという問題を抱えている。
この発明は、上記従来技術の問題を解消し、爪部材をラチェットに左右均等にバランス良く係合できて、安定した動作を確実に得ることができる関節金具および座椅子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、以下の構成を要旨としている。
[1] 回動金具の一対のラチェットが固定金具のハウジング内に回動自在に軸支され、爪部材が前記ラチェットの複数のラチェット歯に対応し係脱自在に前記ハウジング内に設けられるとともに、付勢手段によって前記爪部材が前記ラチェット歯に係合する方向に付勢され、前記爪部材が前記複数のラチェット歯に順送りされることにより、前記回動金具の前記固定金具に対する正回転が許容されるとともに、前記爪部材がいずれかの前記ラチェット歯に係合することにより、逆回転が規制されるようにした関節金具であって、
前記爪部材は、前記一対のラチェットに対応して、間隔をおいた一対の爪板を有し、
前記一対の爪板における先端側に、前記ラチェット歯に係合する係合爪が設けられ、
前記付勢手段が、前記一対の爪板間に設けられたことを特徴とする関節金具。
前記爪部材は、前記一対のラチェットに対応して、間隔をおいた一対の爪板を有し、
前記一対の爪板における先端側に、前記ラチェット歯に係合する係合爪が設けられ、
前記付勢手段が、前記一対の爪板間に設けられたことを特徴とする関節金具。
[2] 前記回動金具が前記固定金具に対し90°の回転範囲内において7段以上の回転位置で前記爪部材が前記ラチェット歯に係合されるように、前記ラチェット歯のピッチが設定され、
前記一対の爪板の係合爪が3つ以上設けられ、これら複数の係合爪が、対応する複数のラチェット歯に同時に係合されるよう構成される前項1に記載の関節金具。
前記一対の爪板の係合爪が3つ以上設けられ、これら複数の係合爪が、対応する複数のラチェット歯に同時に係合されるよう構成される前項1に記載の関節金具。
[3] 前記一対のラチェット間に設けられたカムに対応して、前記一対の爪板間における先端側にカム従動片が設けられ、前記カムによって前記カム従動片が押されることにより、前記爪部材が前記ラチェットに対し後退するよう構成される一方、
前記カム従動片に、前記爪部材の先端よりも突出して配置されるガイド突起が設けられるとともに、そのガイド突起が前記一対のラチェット間に配置され、前記一対のラチェットが前記ガイド突起によってガイドされるよう構成される前項1または2に記載の関節金具。
前記カム従動片に、前記爪部材の先端よりも突出して配置されるガイド突起が設けられるとともに、そのガイド突起が前記一対のラチェット間に配置され、前記一対のラチェットが前記ガイド突起によってガイドされるよう構成される前項1または2に記載の関節金具。
[4] 前記一対の爪板および前記カム従動片とが積層されて固定されることにより、前記爪部材が形成される前項3に記載の関節金具。
[5] 板状部材がプレス加工により曲げ成形されることにより、前記爪部材が形成される前項1〜3のいずれか1項に記載の関節金具。
[6] 前項1〜5のいずれか1項に記載の関節金具における前記固定金具側に座フレームが固定されるとともに、前記回動金具側に背もたれフレームが固定され、
前記背もたれフレームが前記関節金具を介して座フレームに対し起倒自在に構成されたことを特徴とする座椅子。
前記背もたれフレームが前記関節金具を介して座フレームに対し起倒自在に構成されたことを特徴とする座椅子。
前記背もたれフレームが前記ラチェット金具を介して前記座フレームに対し起倒自在に構成されてなることを特徴とする座椅子。
なお本発明においては、以下の構成も採用可能である。
[11] 回動金具の一対のラチェットが固定金具のハウジング内に回動自在に軸支され、爪部材が前記ラチェットの複数のラチェット歯に対応し係脱自在に前記ハウジング内に設けられるとともに、前記爪部材が前記ラチェット歯に係合する方向に付勢され、前記爪部材が前記複数のラチェット歯に順送りされることにより、前記回動金具の前記固定金具に対する正回転が許容されるとともに、前記爪部材がいずれかの前記ラチェット歯に係合することにより、逆回転が規制される一方、前記回動金具が所定の回転範囲を超えた際に、前記一対のラチェット間に設けられたカムによって、前記爪部材が押されて前記ラチェット歯への係合が解除されるようにした関節金具であって、
前記爪部材は、前記一対のラチェットに対応して、間隔をおいた一対の爪板を有し、その一対の爪板における先端側に、前記ラチェット歯に係合する係合爪が設けられ、
前記一対の爪板間における先端側に、前記カムに対応してカム従動片が設けられるとともに、そのカム従動片に、前記爪部材の先端よりも突出して配置されるガイド突起が設けられ、
前記ガイド突起が前記一対のラチェット間に配置されて、前記一対のラチェットが前記ガイド突起によってガイドされるよう構成されたことを特徴する関節金具。
前記爪部材は、前記一対のラチェットに対応して、間隔をおいた一対の爪板を有し、その一対の爪板における先端側に、前記ラチェット歯に係合する係合爪が設けられ、
前記一対の爪板間における先端側に、前記カムに対応してカム従動片が設けられるとともに、そのカム従動片に、前記爪部材の先端よりも突出して配置されるガイド突起が設けられ、
前記ガイド突起が前記一対のラチェット間に配置されて、前記一対のラチェットが前記ガイド突起によってガイドされるよう構成されたことを特徴する関節金具。
[12] 前記爪部材のカム従動片に、カムが当接するカム当接部が設けられ、そのカム当接部が前記ガイド突起として構成される前項11に記載の関節金具。
[13] 前記回動金具が前記固定金具に対し90°の回転範囲内において7段以上の回転位置で前記爪部材が前記ラチェット歯に係合されるように、前記ラチェット歯のピッチが設定され、
前記一対の爪板の係合爪が3つ以上設けられ、これら複数の係合爪が、対応する複数のラチェット歯に同時に係合されるよう構成される前項11または12に記載の関節金具。
前記一対の爪板の係合爪が3つ以上設けられ、これら複数の係合爪が、対応する複数のラチェット歯に同時に係合されるよう構成される前項11または12に記載の関節金具。
[14] 前記爪部材が板状片の積層体によって構成される前項11〜13のいずれか1項に記載の関節金具。
[15] 板状部材がプレス加工により曲げ成形されることにより、前記爪部材が形成される前項11〜13のいずれか1項に記載の関節金具。
[16] 前項11〜15のいずれか1項に記載の関節金具における前記固定金具側に座フレームが固定されるとともに、前記回動金具側に背もたれフレームが固定され、
前記背もたれフレームが前記関節金具を介して座フレームに対し起倒自在に構成されたことを特徴とする座椅子。
前記背もたれフレームが前記関節金具を介して座フレームに対し起倒自在に構成されたことを特徴とする座椅子。
前記背もたれフレームが前記ラチェット金具を介して前記座フレームに対し起倒自在に構成されてなることを特徴とする座椅子。
上記[1]の発明の関節金具によれば、爪部材を、間隔をおいた一対の爪板により構成するとともに、この一対の爪板間に、爪部材をラチェット係合方向に付勢するための付勢手段を配置するものであるため、付勢手段が爪部材における幅方向の中心位置に配置される。このため両爪板に設けられた係合爪を、一対のラチェットの両ラチェット歯に対し、左右均等な押付力でバランス良く係合させることができる。従って、バランスの良い良好な係合状態を得ることができ、たとえばがたつきや動作不良などの発生を防止できて、安定した動作を確実に得ることができ、製品品質を向上させることができる。
上記[2]の発明の関節金具によれば、回動金具を多くの回転位置で固定することができるため、無段階の角度調整に近い操作性や機能を得ることができ、使用者にとって満足な製品を提供することができる。
上記[3]の発明の関節金具によれば、カム従動板の先端に設けたガイド突起を一対のラチェット間に配置して、ガイド突起が一対のラチェットの対向面にガイドされるようにしているため、爪部材のラチェットに対する左右方向(幅方向)の位置決めを図ることができる。このため爪部材における係合爪のラチェット歯に対する位置ずれを防止でき、係合爪の係脱動作をより確実に行うことができ、動作信頼性を一層向上させることができる。
上記[4]の発明の関節金具によれば、爪部材を、プレス成形した薄板を積層して形成することができるため、寸法精度を高度に維持しつつ、爪部材の製作、ひいては関節金具の製作を効率良く簡単に行うことができる。
上記[5]の発明の関節金具によれば、爪部材を、積層成形などを行わずに一連のプレス成形のみで製作することができ、爪部材をより一層効率良く製作することができる。
上記[6]の発明によれば、上記と同様の効果を奏する座椅子を提供することができる。
<第1実施形態>
図1〜5はこの発明の第1実施形態である関節金具(P1)を示す図である。これらの図に示すように、この関節金具(P1)は、座椅子における座フレームと背もたれフレームとの間の連結部に採用される座椅子用のものであって、固定金具(10)と、回動金具(20)と、爪部材(30)と、カム(40)と、付勢手段としての巻バネ(50)と、を基本的な構成要素として備えている。
図1〜5はこの発明の第1実施形態である関節金具(P1)を示す図である。これらの図に示すように、この関節金具(P1)は、座椅子における座フレームと背もたれフレームとの間の連結部に採用される座椅子用のものであって、固定金具(10)と、回動金具(20)と、爪部材(30)と、カム(40)と、付勢手段としての巻バネ(50)と、を基本的な構成要素として備えている。
図6,7に示すように固定金具(10)は、座椅子における座フレームなどの固定部材に取り付けられる筒状の固定部材取付片(11)と、その端部に設けられたハウジング(12)とを有している。ハウジング(12)は、相対向する一対の略円形の側壁(12a)(12a)と、両側壁(12a)(12a)を連結する底壁(12b)とを備えている。
図8,9に示すように回動金具(20)は、背もたれフレーム等の回動部材に取り付けられる筒状の回動部材取付片(21)と、その端部に設けられ、かつ間隔をおいて相対向する一対のラチェット(22)(22)とを有している。
さらに回動金具(20)の回動部材取付片(21)におけるラチェット(22)の端部には、後述するカム(40)の第1および第2当たり片(45)(46)に衝合し得る第1および第2当たり部(25)(26)が設けられている。
またラチェット(22)の外周縁部には、複数のラチェット歯(23)が所定の細かいピッチで形成されているが、この詳細については、後に詳述するものとする。このラチェット歯(23)は、回動金具(20)が固定金具(10)に対し90°の範囲内で、18段で、つまり18箇所の回転位置で固定できるように非常に小さいピッチで形成されている。なお本発明においては、この段数は特に限定されるものではないが、段数の多い場合、回転位置の微調整を行うことができるので、段数が多い方が好ましい。例えば少なくとも5段以上、好ましくは7段以上、より好ましくは10段以上、より一層好ましくは12段以上、さらに好ましくは15段以上に設定するのが良い。特に10段以上に設定する場合には、無段階の角度調整に近い操作性や機能を得ることができ、使用者にとって満足な製品を提供することができる。
この回動金具(20)の一対のラチェット(22)が、固定金具(10)のハウジング(12)内に収容されて、ハウジング(12)の両側壁(12a)(12a)の略中央に設けられた軸(1)に回動自在に軸支される。
さらに一対のラチェット(22)間には、カム(40)が配置されており、このカム(40)が、ラチェット(22)を支持する軸(1)に、ラチェット(22)と同様に回動自在に軸支される。
図10に示すように、カム(40)は、第1および第2当たり片(45)(46)と、第1および第2当たり片(45)(46)間の外周縁部に設けられる爪部材押込用の周縁押込部(42)と、爪部材押込解除用の周縁凹部(41)と、周縁凹部(41)から周縁押込部(42)にかけて傾斜状に設けられた案内部(43)とを有している。
図1〜5に示すようにカム(40)の第1および第2当たり片(45)(46)は、ラチェット(22)よりも径方向に沿って外側(外周側)に突出するように配置されて、後述するように回動金具(20)の第1および第2当たり部(25)(26)に衝合して、カム(40)が回動操作されるよう構成されている。カム(40)の周縁押込部(42)は、ラチェット(22)の歯(23)よりも径方向に沿って内側(内周側)に配置され、周縁凹部(41)は、言うまでもなく、ラチェット歯(23)よりも内周側に配置されている。
なお本実施形態(後述の第2〜第4実施形態も含む)において「径方向」とは、ラチェット(22)の回転方向を周方向としたとき、その周方向に対し、半径方向に延びる方向のことである。さらに後述する「左右方向(幅方向)」とは、一対のラチェット(22)(22)の間隔方向、つまり回動金具(20)や爪部材(30)の回転軸心に沿った方向のことである。
図11,12に示すように固定金具(10)のハウジング(12)内に配置される爪部材(30)は、両側に配置される一対の爪板(32)(32)と、両爪板(32)(32)間に配置される2枚のカム従動板(31)(31)とを備え、これらの板部材が積層された状態でリベット(35)により固定されている。
この積層体によって構成される爪部材(30)は、その中間に配置されるカム従動板(31)(31)がスペーサとしての機能も有しており、両側の一対の爪板(32)(32)が、カム従動板(31)(31)を介して間隔をおいて配置されて、回動金具(20)の一対のラチェット(22)(22)に位置的に対応して配置されている。この一対の爪板(32)(32)は、その先端側に、ラチェット(22)の歯(23)に咬合し得る複数の係合爪(33)が形成されるとともに、基端側に、軸支持孔(34)(34)がそれぞれ形成されている。
本実施形態において、各爪板(32)には、6つの係合爪(33)が形成されており、これらの係合爪(33)が、対応する複数(6つ)のラチェット歯(23)に咬合するよう構成されている。
なお本発明において、爪板(32)の爪数は多く形成する方が好ましい。すなわち爪数を多く形成する場合には、係合爪(33)やラチェット歯(23)を小さく形成しようとも、爪部材(30)とラチェット(22)との係合面積を大きく確保でき、爪部材(30)のラチェット(22)への係合時における荷重の局部集中を回避することができる。つまりこの係合時の荷重を広い面積で分散して受け止めることができ、係合爪(33)やラチェット歯(23)の破損を有効に防止でき、耐荷重性および強度を向上させることができる。
ここで本実施形態のように10段以上の回転位置で回動金具(20)を固定できるように、ラチェット歯(22)のピッチを細かく設定する場合、各爪板(32)に形成される係合爪の数は、3つ以上、好ましくは4つ以上、より好ましくは5つ以上形成するのが良い。
爪部材(30)の先端側において、カム従動板(31)には、係合爪(33)の爪先よりも先端側に突出するように、ガイド突起としてのカム当接部(31a)が設けられている。またカム従動片(31)(31)は、一対の爪板(32)(32)間における先端側の半部に配置されており、一対の爪板(32)(32)間における基端側には、巻バネ設置スペース(36)が形成されている。
なお本実施形態においいては、カム従動板(31)によってカム従動片が構成されている。
図1〜5に示すように、上記の爪部材(30)が固定金具(10)のハウジング(12)内に配置された状態で、爪部材(30)の基端側における軸支持孔(34)(34)に挿通された軸(2)を介して固定金具(10)に回動自在に軸支される。これにより爪部材(30)における一対の爪板(32)(32)の係合爪(33)(33)が、一対のラチェット(22)(22)のラチェット歯(23)(23)にそれぞれ対応して配置されるとともに、爪部材(30)におけるカム従動板(31)のカム当接部(31a)が、カム(40)に対応しつつ、一対のラチェット(22)(22)間に配置される。
そしてこの爪部材(30)が、軸(2)を支点に図1の紙面に向かって反時計方向(係合方向)に揺動した際には、爪部材(30)における一対の爪板(32)(32)の係合爪(33)(33)が、一対のラチェット(22)(22)のいずれかのラチェット歯(23)(23)に係合するとともに、時計方向(離脱方向)に揺動した際には、爪部材(30)の係合爪(33)(33)が、ラチェット歯(23)(23)から離脱するよう構成されている。なおこの係脱動作時においては、爪部材(30)におけるカム従動板(31)のカム当接部(31a)は、一対のラチェット(22)(22)間に配置されて、ラチェット(22)(22)との干渉が避けられている。さらにカム従動板(31)におけるカム当接部(31a)の両側外面が、一対のラチェット(22)(22)の内面にガイドされることにより、爪部材(30)のラチェット(22)に対する左右方向の位置決めが図られて、爪部材(30)のラチェット(22)に対する係脱動作がスムーズに行われるよう構成されている。
図5に示すように爪部材(30)の一対の爪板(32)(32)間における基端側の巻バネ設置スペース(36)には、軸(2)に巻回状態に設けられた巻バネ(50)が配置される。この巻バネ(50)の一端は、爪部材(30)におけるカム従動板(31)の基端部に圧接状態に係合されるとともに、他端は固定金具(10)における固定部材取付片(11)に圧接状態に係合されている。そしてこの巻バネ(50)の付勢力によって、爪部材(30)は、その係合爪(33)をラチェット歯(23)に咬合させる方向に回転付勢されている。
この構成において図1,2に示すように、爪部材(30)の係合爪(33)がラチェット歯(23)に係合した状態においては、ラチェット(22)の時計方向(逆回転方向)の回転が規制されるよう構成されている。さらにこの係合状態において、ラチェット(22)が反時計方向(正回転方向)に回転しようとした際には、ラチェット歯(23)によって係合爪(33)が離脱方向に押されて係合が解除されることにより、係合爪(33)がラチェット歯(23)を順送りに移動するよう構成されている。
この構成の関節金具(P1)において、図1に示すように、回動金具(20)が固定金具(10)に対し開いた状態(背もたれを後方に倒伏させた状態)においては、爪部材(30)におけるカム従動板(31)のカム当接部(31a)が、カム(40)の周縁凹部(41)内に配置されることにより、爪部材(30)が巻バネ(50)の付勢力により係合方向に付勢されて、係合爪(33)(33)が、ラチェット歯(23)(23)の初期係合位置にそれぞれ係合する。
この初期係合位置(1段目係合位置)においては、上記したように回動金具(20)を開く方向、つまり時計方向に荷重が加わったとしても、爪部材(30)の係合爪(33)(33)がラチェット歯(23)(23)に係合することにより、その開き方向(逆方向)の回転は規制される。
また図1の初期状態から、回動金具(20)を固定金具(10)に対し閉じるように、つまり反時計方向に回転させた際には、ラチェット歯(23)(23)により係合爪(33)(33)が離脱方向に押し込まれて、各係合爪(33)(33)がそれぞれ隣りのラチェット歯(23)(23)を乗り越えた後、巻バネ(50)の付勢力によって、各係合爪(33)(33)が次段のラチェット歯(23)(23)にそれぞれ係合する。このように各係合爪(33)(33)がラチェット歯(23)(23)を順次乗り越えながら、回動金具(20)が固定金具(10)に対し反時計方向に回転される。さらにこの回転操作時において、回動金具(20)を任意の回転位置で停止させた際には、上記初期状態と同様に、各係合爪(33)(33)が対応するラチェット歯(23)(23)に係合することにより、回動金具(20)は逆方向(時計方向)の回転が規制され、その回転位置に維持される。
図2に示すように回動金具(20)を回転操作することによって、回動金具(20)を正回転方向に沿って最終係合位置まで回転させて、各係合爪(33)(33)が最終係合位置の各ラチェット歯(23)(23)にそれぞれ係合した際には、回動金具(20)が固定金具(10)に対し略90°の位置に固定される。
この最終係合位置から、図3に示すように、回動金具(20)を固定金具(10)に対し正回転方向にさらに回転させると、回動金具(20)の第2当たり部(26)がカム(40)の第2当たり片(46)に衝合して、カム(40)が反時計方向(正回転方向)に少量回転する。これにより、爪部材(30)におけるカム従動板(31)のカム当接部(31a)が、巻バネ(50)の付勢力に抗して、カム(40)の案内部(43)に沿って押し込まれていき、カム(40)の周縁押込部(42)に乗り上げることにより、爪部材(30)がラチェット(22)(22)に対し後退する。こうして爪部材(30)の各係合爪(33)(33)が、ラチェット歯(23)(23)から離脱して係合が解除され、その解除状態に維持される。
従ってこの状態においては、回動金具(20)を逆回転方向に回転することが可能となる。
またこの状態(正回転方向の終端位置にある状態)から、回動金具(20)を開く方向(逆回転方向)に回転させていき、上記初期位置直前の状態にまで戻した際には、図4に示すように回動金具(20)の第1当たり部(25)がカム(40)の第1当たり片(45)に衝合する。従ってこの状態から、回動金具(20)をさらに逆回転方向に回転させると、カム(40)が時計方向(逆回転方向)に少量回転して、爪部材(30)におけるカム従動板(31)のカム当接部(31a)が、カム(40)の周縁押込部(42)から案内部(43)を通って周縁凹部(41)の位置に配置される。これにより、巻バネ(50)の付勢力によって、爪部材(30)がラチェット(22)(22)に対し進出し、爪部材(30)のカム当接部(31a)が、カム(40)の周縁凹部(41)内に挿入されると同時に、爪部材(30)の各係合爪(33)(33)が、対応するラチェット歯(23)(23)にそれぞれ係合する。こうして上記した初期係合状態(図1参照)に戻る。
以上のように、本実施形態の関節金具(P1)においては、爪部材(30)を、両側に配置された一対の爪板(32)(32)により構成するとともに、この一対の爪板(32)(32)間に、爪部材(30)を係合方向に付勢するための巻バネ(50)を配置するものであるため、巻バネ(50)が爪部材(30)における左右方向(幅方向)の中心位置、つまり爪部材(30)の軸心方向に沿って中間位置に配置される。このため両爪板(32)(32)に設けられた係合爪(33)(33)を、一対のラチェット(22)(22)の両ラチェット歯(23)(23)に対し、左右均等な押付力でバランス良く係合させることができる。従って、幅方向全域においてバランスの良い良好な係合状態を得ることができ、たとえば正回転時に爪部材(30)をスムーズに順送りすることができ、がたつきや動作不良などの発生を防止できて、安定した動作を確実に得ることができ、高品質の関節金具製品を提供することができる。
さらに本実施形態においては、一対の爪板(32)(32)間に設けたカム従動板(31)の先端にカム当接部(31a)を突出するように形成し、このカム当接部(31a)をガイド突起として一対のラチェット(22)(22)間に配置しているため、カム当接部(31a)の両側外面が一対のラチェット(22)(22)の内側面(対向面)にガイドされることにより、爪部材(30)のラチェット(22)(22)に対する左右方向(幅方向)の位置決めを図ることができる。このため爪部材(30)における係合爪(33)(33)のラチェット歯(23)(23)に対する位置ずれを防止でき、係合爪(33)(33)の係合をより確実に行うことができ、動作信頼性を一層向上させることができる。さらにカム当接部(31a)の両側外面が一対のラチェット(22)(22)の内側面にガイドされることにより、爪部材(30)におけるカム従動板(31)のカム(40)に対する左右方向(幅方向)の位置決めも図ることができる。このためカム(40)をカム従動板(31)に無理なく確実に当接できて、爪部材(30)の従動動作もより一層スムーズに行うことができ、動作信頼性をより一層向上させることができる。
さらに本実施形態においては、カム当接部(31a)を、ラチェット(22)の回転動作をガイドするためのガイド突起として兼用させるものであるため、ガイド突起を別途設ける場合と比較して、構造の簡素化および生産性の向上、さらにはコストの削減を図ることができる。
なお本発明においては、ガイド突起を、カム当接部(31a)とは別体で形成するようにしても良い。さらにガイド突起を別途形成する場合には、カム(40)の周縁押込部(42)を必ずしも、ラチェット(22)間に配置する必要はなく、ラチェット(22)の歯(23)よりも径方向外側に配置するようにしても良い。
また本実施形態においては、爪部材(30)として、両側の爪板(32)(32)と内側のカム従動板(31)(31)とを積層一体化して形成するものであるため、たとえば爪部材を焼結ブロックなどの一体成形品により構成する場合と比較して、係合爪(33)の加工などは、薄板状態の個々の爪板(32)に対して行えば良く、係合爪(33)の加工を容易に行うことができ、寸法精度を高度に維持した上で、爪部材(30)の製作、ひいては関節金具自体の製作を容易に行うことができる。特に本実施形態のように、多段式の関節金具(P1)を製作するような場合、つまり爪部材(30)の係合爪(33)をラチェット歯(23)に合わせて、小さいピッチで複数形成するような場合には、爪部材(30)として積層体を採用することにより、係合爪(33)を精度良く簡単に形成することができ、無段階調整式に近い多段式の関節金具(P1)を確実に提供することができる。
しかも爪部材(30)を積層体によって製作しているため、高価な焼結ブロックにより製作する場合と比較して、コストを削減することができる。
また本実施形態において、ラチェット歯(23)は、回動金具(20)が固定金具(10)に対し90°の範囲内で、18段で、つまり18箇所の回転位置で固定できるように非常に小さいピッチで形成されている。このため、回動金具(20)を多段階の回転位置で固定でき、無段階の角度調整に近い操作性や機能を得ることができ、使用者にとって満足な製品を提供することができる。
なお上記実施形態においては、爪部材(30)の中間(内側)に積層されるカム従動板(31)を2枚用いる場合を例に挙げて説明したが、本発明においては、爪部材の中間に配置されるカム従動板などのカム従動片の数は限定されるものではなく、1つ(1枚)であっても3つ(3枚)以上であっても良い。
<第2実施形態>
図13〜17はこの発明の第2実施形態である関節金具(P2)を示す側面断面図である。同図に示すようにこの第2実施形態の関節金具(P2)が、上記第1実施形態の関節金具(P1)に対し相違する点は、第1実施形態の関節金具(P1)で用いられた爪部材(30)は、積層体によって構成されるのに対し、この第2実施形態の関節金具(P2)で用いられる爪部材(130)は、板状部材の曲げ成形品によって形成されているという点である。
図13〜17はこの発明の第2実施形態である関節金具(P2)を示す側面断面図である。同図に示すようにこの第2実施形態の関節金具(P2)が、上記第1実施形態の関節金具(P1)に対し相違する点は、第1実施形態の関節金具(P1)で用いられた爪部材(30)は、積層体によって構成されるのに対し、この第2実施形態の関節金具(P2)で用いられる爪部材(130)は、板状部材の曲げ成形品によって形成されているという点である。
すなわち図18,19に示すように本実施形態の関節金具(P2)における爪部材(130)は、打ち抜きブランク製品が逆U字状の曲げ成形されて、一対の爪板(132)(132)が形成されるとともに、一対の爪板(132)(132)を連結する上側連結片から前方に突出するように一体形成されたカム従動片(131)が、下方に階段状に折曲されて、そのカム従動片(131)の先端部が一対の爪板(132)(132)間に配置されている。
さらに一対の爪板(132)(132)の先端上部には、複数の係合爪(133)(133)がそれぞれ形成されるとともに、基端側には、軸支持孔(134)(134)が形成されている。
なおこの爪部材(130)において、カム従動片(131)の先端側突出部が、ガイド突起を兼用するカム当接部(131a)として構成されるとともに、一対の爪板(132)(132)間における基端側が巻バネ設置スペース(136)として構成されている。
この爪部材(130)が、上記第1実施形態と同様に、関節金具(P2)内に組み込まれるものである。
すなわち図13〜17に示すように爪部材(130)が固定金具(10)のハウジング(12)内に配置された状態で、爪部材(130)の基端側における軸支持孔(134)(134)に挿通された軸(2)を介して固定金具(10)に回転自在に軸支される。これにより爪部材(130)における一対の爪板(132)(132)の係合爪(133)(133)が、一対のラチェット(22)(22)のラチェット歯(23)(23)にそれぞれ対応して配置されるとともに、爪部材(130)におけるカム従動片(131)のカム当接部(131a)が、カム(40)に対応しつつ、一対のラチェット(22)(22)間に配置される。
さらに上記第1実施形態と同様に、爪部材(130)の一対の爪板(132)(132)間における基端側の巻バネ設置スペース(136)には、軸(2)に巻回状態に設けられた巻バネ(50)が配置される。この巻バネ(50)の一端は、爪部材(130)におけるカム従動片(131)の基端部に圧接状態に係合されるとともに、他端は固定金具(10)における固定部材取付片(11)に圧接状態に係合されている。
本第2実施形態において、他の構成は、上記第1実施形態と実質的に同様であるため、同一または相当部分に、同一または相当符号を付して、重複説明は省略する。
この第2実施形態の関節金具(P2)においても、上記と同様な動作を行うものである。すなわち図13の初期状態から、回動金具(20)を固定金具(10)に対し反時計方向(正回転方向)に回転させた際には、各係合爪(133)(133)が多数のラチェット歯(23)(23)に順次係合するように順送りされる。
そして図14に示すように、回動金具(20)を正回転方向に沿って最終係合位置まで回転させて、各係合爪(133)(133)が最終係合位置の各ラチェット歯(23)(23)にそれぞれ係合した際には、回動金具(20)が固定金具(10)に対し略90°の位置に固定される。
さらにこの最終係合位置から、図15に示すように、回動金具(20)を固定金具(10)に対し正回転方向に回転させると、カム(40)が反時計方向に少量回転して、そのカム(40)に押されて、爪部材(130)の各係合爪(133)(133)が、ラチェット歯(23)(23)から離脱して係合が解除される。
そしてこの状態から、回動金具(20)を時計方向に回転させていき、上記初期位置直前の状態まで戻した際には、図16に示すように、カム(40)が時計方向に少量回転して、図13に示すように爪部材(130)のカム当接部(131a)が、カム(40)の周縁凹部(41)内に挿入されると同時に、爪部材(130)の各係合爪(133)(133)が、対応するラチェット歯(23)(23)にそれぞれ係合する。
このようにこの第2実施形態の関節金具(P2)においても、上記第1実施形態の関節金具(P2)と同様な動作が行われるものである。
またこの第2実施形態の関節金具(P2)においては、上記第1実施形態と同様に、同様の効果を得ることができる。その上さらにこの第2実施形態の関節金具(P2)においては、爪部材(130)を、プレス加工による曲げ成形品によって構成するものであるため、原板の打ち抜き加工から、最終仕上げの成形加工までの一連加工を全てプレス成形のみで行うことができ、上記第1実施形態のように途中で積層一体化工程を挟む場合と比較して、爪部材(130)の製造、ひいては関節金具(P2)の製造をより一層効率良く行えて、一段とコストを削減することができる。
<第3実施形態>
図20はこの発明の第3実施形態である関節金具(P3)を示す側面断面図である。同図に示すようにこの第3実施形態の関節金具(P3)においては、その爪部材(230)およびカム(40)の構成が、上記実施形態と相違するものである。
図20はこの発明の第3実施形態である関節金具(P3)を示す側面断面図である。同図に示すようにこの第3実施形態の関節金具(P3)においては、その爪部材(230)およびカム(40)の構成が、上記実施形態と相違するものである。
すなわち一対のラチェット(22)(22)間に設けられるカム(40)においては、その周縁押込部(42)は、ラチェット(22)の歯(23)よりも径方向に沿って外側(外周側)に配置されている点が、上記実施形態と相違している。
一方図21に示すように、爪部材(230)は、両側に配置される一対の爪板(232)(232)と、両爪板(232)(232)間に配置される2枚のカム従動板(231)(231)とを備え、これらの板部材が積層された状態でリベット(235)によって固定されている。
さらに一対の爪板(232)(232)は、その先端側に係合爪(233)(233)が形成されるとともに、基端側に、軸支持孔(234)(234)がそれぞれ形成されている。またカム従動板(231)(231)は、一対の爪板(232)(232)間における先端側の半部に配置されており、一対の爪板(232)(232)間における基端側には、巻バネ設置スペース(236)が形成されている。
なおこの爪部材(230)において、カム従動板(231)のカム当接部(231a)は、爪板(232)の係合爪(233)の爪先よりも突出しておらず、爪先とほぼ同じ高さ位置に配置されている。
この爪部材(230)が、上記第1実施形態と同様に、関節金具(P3)内に組み込まれるものである。
すなわち図20に示すように爪部材(230)が固定金具(10)のハウジング(12)内に配置された状態で、爪部材(230)の基端側における軸支持孔(234)(234)に挿通された軸(2)を介して固定金具(10)に回転自在に軸支される。これにより爪部材(230)における一対の爪板(232)(232)の係合爪(233)(233)が、一対のラチェット(22)(22)のラチェット歯(23)(23)にそれぞれ対応して配置されるとともに、爪部材(230)におけるカム従動板(231)が、カム(40)に対応して配置される。このとき爪部材(230)におけるカム従動板(231)のカム当接部(231a)は、一対のラチェット(22)(22)間に配置されず、ラチェット(22)(22)に対し径方向の外側(外周側)に配置されている。
この第3実施形態の関節金具(P3)において、他の構成は、上記実施形態と実質的に同様であるため、同一または相当部分に同一または相当符号を付して、重複説明は省略する。
この第3実施形態の関節金具(P3)においても、上記実施形態とほぼ同様に、同様の作用効果を得ることができる。
<第4実施形態>
図22,23はこの発明の第4実施形態である関節金具(P3)を示す図である。両図に示すようにこの第4実施形態の関節金具(P4)においては、その爪部材(230)における従動板(231)(231)のカム当接部(231a)(231a)に、両側の爪板(232)(232)の各係合爪(233)(233)に対応して、係合爪(231b)(231b)が形成されている。
図22,23はこの発明の第4実施形態である関節金具(P3)を示す図である。両図に示すようにこの第4実施形態の関節金具(P4)においては、その爪部材(230)における従動板(231)(231)のカム当接部(231a)(231a)に、両側の爪板(232)(232)の各係合爪(233)(233)に対応して、係合爪(231b)(231b)が形成されている。
その他の構成は、上記第3実施形態と実質的に同様であるため、同一部分に同一符号を付して、重複説明は省略する。
この第4実施形態の関節金具(P4)においても、上記実施形態とほぼ同様に、同様の作用効果を得ることができる。
<変形例>
なお上記各実施形態においては、本発明の関節金具を座椅子に適用した場合について説明したが、本発明はそれだけに限られず、例えば商店の軒先等に適用される揺動式庇の回動支持機構にも採用することができ、更に飛行機のファーストクラスの座席等に適用される揺動式フットレストの回転支持機構や、高級椅子の揺動式肘掛けの支持機構等にも採用することができ、更にはキッチンや書斎等に適用される回転引出式の可動収納棚の支持機構等にも採用することができる。
なお上記各実施形態においては、本発明の関節金具を座椅子に適用した場合について説明したが、本発明はそれだけに限られず、例えば商店の軒先等に適用される揺動式庇の回動支持機構にも採用することができ、更に飛行機のファーストクラスの座席等に適用される揺動式フットレストの回転支持機構や、高級椅子の揺動式肘掛けの支持機構等にも採用することができ、更にはキッチンや書斎等に適用される回転引出式の可動収納棚の支持機構等にも採用することができる。
また上記実施形態においては、回動金具(20)を固定金具(10)に対し開いた状態から閉じる方向に順送りに係合するタイプの関節金具に適用しているが、本発明はそれだけに限られず、ラチェットの歯の向きを逆向きにしたり、回動金具を反転させた状態に取り付けたり、ラチェット歯を逆向きにし、かつ回動金具を反転状態に取り付けたりすることもでき、これにより、回動金具の順送り方向や順送り範囲を自在に変更設定することができる。
更に上記実施形態においては、回動金具を固定金具に対し90度範囲内で動作するようにした関節金具について説明したが、本発明はそれだけに限られず、回動金具が固定金具に対し90°を超える範囲で動作するような関節金具にも適用することができる。
また本発明において、回動金具は、固定金具に対し相対的に回動するように構成すれば良く、たとえば固定金具および回動金具の両金具が回動するような構成も採用することができる。
この発明の関節金具は、例えば座椅子の座フレームと背もたれフレームとの回動連結部用の金具に適用可能である。
10…固定金具
12…ハウジング
20…回動金具
22…ラチェット
23…ラチェット歯
30,130,230…爪部材
31,131,231…カム従動片
31a,131a…カム当接部(ガイド突起)
32,132,232…爪板
33,133,233…係合爪
40…カム
50…巻バネ(付勢手段)
P1〜P4…関節金具
12…ハウジング
20…回動金具
22…ラチェット
23…ラチェット歯
30,130,230…爪部材
31,131,231…カム従動片
31a,131a…カム当接部(ガイド突起)
32,132,232…爪板
33,133,233…係合爪
40…カム
50…巻バネ(付勢手段)
P1〜P4…関節金具
Claims (6)
- 回動金具の一対のラチェットが固定金具のハウジング内に回動自在に軸支され、爪部材が前記ラチェットの複数のラチェット歯に対応し係脱自在に前記ハウジング内に設けられるとともに、付勢手段によって前記爪部材が前記ラチェット歯に係合する方向に付勢され、前記爪部材が前記複数のラチェット歯に順送りされることにより、前記回動金具の前記固定金具に対する正回転が許容されるとともに、前記爪部材がいずれかの前記ラチェット歯に係合することにより、逆回転が規制されるようにした関節金具であって、
前記爪部材は、前記一対のラチェットに対応して、間隔をおいた一対の爪板を有し、
前記一対の爪板における先端側に、前記ラチェット歯に係合する係合爪が設けられ、
前記付勢手段が、前記一対の爪板間に設けられたことを特徴とする関節金具。 - 前記回動金具が前記固定金具に対し90°の回転範囲内において7段以上の回転位置で前記爪部材が前記ラチェット歯に係合されるように、前記ラチェット歯のピッチが設定され、
前記一対の爪板の係合爪が3つ以上設けられ、これら複数の係合爪が、対応する複数のラチェット歯に同時に係合されるよう構成される請求項1に記載の関節金具。 - 前記一対のラチェット間に設けられたカムに対応して、前記一対の爪板間における先端側にカム従動片が設けられ、前記カムによって前記カム従動片が押されることにより、前記爪部材が前記ラチェットに対し後退するよう構成される一方、
前記カム従動片に、前記爪部材の先端よりも突出して配置されるガイド突起が設けられるとともに、そのガイド突起が前記一対のラチェット間に配置され、前記一対のラチェットが前記ガイド突起によってガイドされるよう構成される請求項1または2に記載の関節金具。 - 前記一対の爪板および前記カム従動片とが積層されて固定されることにより、前記爪部材が形成される請求項3に記載の関節金具。
- 板状部材がプレス加工により曲げ成形されることにより、前記爪部材が形成される請求項1〜3のいずれか1項に記載の関節金具。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の関節金具における前記固定金具側に座フレームが固定されるとともに、前記回動金具側に背もたれフレームが固定され、
前記背もたれフレームが前記関節金具を介して座フレームに対し起倒自在に構成されたことを特徴とする座椅子。
前記背もたれフレームが前記ラチェット金具を介して前記座フレームに対し起倒自在に構成されてなることを特徴とする座椅子。
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JPH1028624A (ja) * | 1996-07-17 | 1998-02-03 | Araco Corp | 座椅子等の角度調節機構 |
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2005
- 2005-06-07 JP JP2005167332A patent/JP2006340797A/ja active Pending
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