JP2006339419A - 面発光型半導体レーザおよびその製造方法 - Google Patents

面発光型半導体レーザおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 製造歩留りの良好な面発光型半導体レーザの製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明に係る面発光型半導体レーザ100の製造方法は,
基板101の上方に、第1ミラー102、活性層103、第2ミラー104、エッチングストッパ層120、およびコンタクト層122を構成するための半導体層を積層する工程と、
半導体層をパターニングすることにより、少なくとも第2ミラー104の一部を含む柱状部を形成する工程と、
コンタクト層122の上方に電極107を形成する工程と、
コンタクト層122の一部をエッチングストッパ層120の上面が露出するまでエッチングする工程と,を含む。
【選択図】 図1

Description

本発明は、面発光型半導体レーザおよびその製造方法に関する。
面発光型半導体レーザは、基板に対して垂直な方向に光を出射するレーザであり、2次元的に多数の素子を集積化できる。このため、例えば、空間的に並列に情報を送る並列光伝送システム、並列光インタコネクションなどの光源として用いられる。
面発光型半導体レーザの特性は、例えば、活性層の上面から出射面までの間に形成された上部ミラー(例えばコンタクト層を含む)の反射率に影響される。従来の構造(例えば、特開2002−111054号公報参照)では、製造プロセス中に上部ミラーの最上層の膜厚や表面状態が変化する場合がある。その結果、素子特性の変化をもたらし、面発光レーザの作製において、素子特性の均一性および再現性を悪化させる場合がある。即ち、製造歩留りが悪くなる場合がある。
特開2002−111054号公報
本発明の目的は、製造歩留りの良好な面発光型半導体レーザの製造方法および該製造方法により作製された面発光型半導体レーザを提供することにある。
本発明に係る面発光型半導体レーザの製造方法は、
基板の上方に、第1ミラー、活性層、第2ミラー、エッチングストッパ層、およびコンタクト層を構成するための半導体層を積層する工程と、
前記半導体層をパターニングすることにより、少なくとも前記第2ミラーの一部を含む柱状部を形成する工程と、
前記コンタクト層の上方に電極を形成する工程と、
前記コンタクト層の一部を前記エッチングストッパ層の上面が露出するまでエッチングする工程と、を含む。
この面発光型半導体レーザの製造方法では、前記コンタクト層の一部をエッチングする工程前に、前記コンタクト層は、その上面が削られたり、表面に変質層が形成されたりする。そのような前記コンタクト層を、この製造方法では、前記コンタクト層の一部をエッチングする工程において除去することができる。この工程では、前記エッチングストッパ層の上面が露出した時点でエッチングを止めることができる。この時点まで、前記エッチングストッパ層は前記コンタクト層により覆われている。つまり、前記エッチングストッパ層は、前記コンタクト層のように、その上面が削られたり、表面に変質層が形成されたりすることがない。そして、前記エッチングストッパ層が存在することにより、その上面が露出した時点で前記コンタクト層のエッチングを止めることは容易である。従って、この製造方法によれば、前記エッチングストッパ層の全体の膜厚を再現性良く均一にすることができる。即ち、前記第2ミラーおよび前記エッチングストッパ層により構成されるミラーの反射率を再現性良く均一にすることができる。その結果、面発光型半導体レーザの作製において、素子特性の均一性および再現性を良好にすることができ、延いては、製造歩留りを良好にすることができる。
なお、本発明に係る記載では、「上方」という文言を、例えば、「特定のもの(以下、「A」という)の「上方」に他の特定のもの(以下、「B」という)を形成する」などと用いる場合に、A上に直接Bを形成するような場合と、A上に他のものを介してBを形成するような場合とが含まれるものとして、「上方」という文言を用いている。
本発明に係る面発光型半導体レーザの製造方法において、
前記エッチングストッパ層は、InGaPからなるように形成され、
前記コンタクト層は、InGaAsからなるように形成されることができる。
本発明に係る面発光型半導体レーザの製造方法において、
前記電極を形成する工程において、熱処理を行わないことができる。
本発明に係る面発光型半導体レーザの製造方法において、
前記エッチングストッパ層は、GaAsからなるように形成され、
前記コンタクト層は、InGaPからなるように形成されることができる。
本発明に係る面発光型半導体レーザの製造方法において、
前記第2ミラーおよび前記エッチングストッパ層は、分布ブラッグ反射型ミラーを構成するように形成されることができる。
本発明に係る面発光型半導体レーザは、
基板と、
前記基板の上方に形成された第1ミラーと、
前記第1ミラーの上方に形成された活性層と、
前記活性層の上方に形成された第2ミラーと、
前記第2ミラーの上方に形成されたエッチングストッパ層と、
前記エッチングストッパ層の一部の上方に形成されたコンタクト層と、
前記コンタクト層の上方に形成された電極と、を含む。
本発明に係る面発光型半導体レーザにおいて、
前記エッチングストッパ層は、InGaPからなり、
前記コンタクト層は、InGaAsからなることができる。
本発明に係る面発光型半導体レーザにおいて、
前記エッチングストッパ層は、GaAsからなり、
前記コンタクト層は、InGaPからなることができる。
本発明に係る面発光型半導体レーザにおいて、
前記第2ミラーおよび前記エッチングストッパ層は、分布ブラッグ反射型ミラーを構成することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
1. まず、本実施形態に係る面発光型半導体レーザ100について説明する。図1は、本実施形態に係る面発光型半導体レーザ(以下「面発光レーザ」ともいう)100を模式的に示す断面図である。また、図2は、図1に示す面発光レーザ100を模式的に示す平面図である。なお、図1は、図2のI−I線における断面を示す図である。
本実施形態の面発光レーザ100は、図1および図2に示すように、基板(本実施形態では、半導体基板であるn型GaAs基板)101と、基板101上に形成された垂直共振器(以下「共振器」という)140と、エッチングストッパ層120と、コンタクト層122と、埋め込み絶縁層106と、第1電極107と、第2電極109と、を含む。共振器140は、第1ミラー102と、活性層103と、第2ミラー104と、を含む。
次に、この面発光レーザ100の各構成要素について述べる。
共振器140は、例えば、n型Al0.9Ga0.1As層とn型Al0.15Ga0.85As層とを交互に積層した40ペアの半導体多層膜からなる分布ブラッグ反射型(DBR)ミラーである第1ミラー102と、GaAsウェル層とAl0.3Ga0.7Asバリア層からなり、ウェル層が3層で構成される量子井戸構造を含む活性層103と、p型Al0.9Ga0.1As層とp型Al0.15Ga0.85As層とを交互に積層した25ペアの半導体多層膜からなるDBRミラーである第2ミラー104と、が順次積層されて構成されている。なお、第1ミラー102、活性層103、および第2ミラー104を構成する各層の組成および層数は特に限定されるわけではない。p型の第2ミラー104、不純物がドーピングされていない活性層103、およびn型の第1ミラー102により、pinダイオードが形成される。
第2ミラー104を構成する層のうち活性層103に近い領域に、AlGaAs層を側面から酸化することにより得られる酸化狭窄層105が形成されている。酸化狭窄層105の平面形状は、リング状である。
第2ミラー104の上には、エッチングストッパ層120が形成されている。エッチングストッパ層120としては、後述するコンタクト層122をエッチングする工程において、エッチングストッパ層120の上面でエッチングを止めることができるものを用いる。例えば、エッチングストッパ層120は、p型InGaPからなることができる。エッチングストッパ層120は、その下に形成された第2ミラー104とともに、DBRミラーを構成することができる。従って、エッチングストッパ層120の光学的膜厚は、面発光レーザ100の設計波長がλである場合、λ/4の奇数倍とすることができる。なお、本発明において、設計波長とは、面発光レーザにおいて生じる光のうち強度が最大である光の波長をいう。また、本発明において、光学的膜厚とは、層の実際の膜厚に、該層を構成する物質の屈折率を乗じて得られる値をいう。
共振器140およびエッチングストッパ層120は、円柱状の半導体堆積体(以下「柱状部」という)130を構成している。なお、柱状部130の平面形状は、円形に限定されず、任意の形状をとることができる。
柱状部130の上には、コンタクト層122が形成されている。コンタクト層122としては、後述するコンタクト層122をエッチングする工程において、エッチングストッパ層120よりもエッチングされやすいものを用いる。例えば、コンタクト層122は、p型InGa1−xAsからなることができる。ここで、xは、0.5以上、1以下とすることが好ましい。これにより、後述する第1電極107を形成する工程において、熱処理を行わずに、第1電極107とコンタクト層122とのオーミックコンタクトを得ることができる。
コンタクト層122は、開口部182を有する。コンタクト層122の開口部182から、エッチングストッパ層120の上面の一部が露出している。言い換えるならば、エッチングストッパ層120の一部の上にコンタクト層122は形成されている。露出したエッチングストッパ層120の上面がレーザ光の出射面108となる。コンタクト層122の開口部182の平面形状は、後述する第1電極107の開口部180の平面形状と同じにすることができる。コンタクト層122の開口部182の平面形状は、例えば円形とすることができる。平面視において、コンタクト層122の開口部182の領域は、例えば、第1電極107の開口部180の領域と一致させることができる。あるいは、平面視において、コンタクト層122の開口部182の領域は、第1電極107の開口部180の領域より広くすることができる。即ち、第1電極107をコンタクト層122に対してオーバーハングさせることができる。
柱状部130およびコンタクト層122の側面、並びに、基板101の上面は、埋め込み絶縁層106により覆われている。埋め込み絶縁層106としては、例えば、ポリイミド樹脂などを用いることができる。
コンタクト層122および埋め込み絶縁層106の上には、第1電極107が形成されている。第1電極107は、開口部180を有する。第1電極107の開口部180により、レーザ光は遮られることなく外部に出射されることができる。第1電極107の開口部180の平面形状は、例えば円形とすることができる。
第1電極107は、例えばチタン(Ti)、白金(Pt)、金(Au)の順に積層した膜からなる。さらに、第2電極109は、基板101の裏面101b上に設けられている。第2電極109は、例えば金(Au)とゲルマニウム(Ge)の合金、ニッケル(Ni)、金(Au)の順に積層した膜からなる。
第1電極107は、コンタクト層122およびエッチングストッパ層120を介して第2ミラー104と接合し、第2電極109は、基板101を介して第1ミラー102と接合している。第1電極107および第2電極109により活性層103に電流が注入される。
なお、本実施形態では、第2電極109が基板101の裏面101b上に設けられている場合について示したが、第2電極109を基板101の上面101a上に設けてもよい。
2. 次に、本実施形態に係る面発光レーザ100の製造方法の一例について、図1〜図5を用いて述べる。図3〜図5は、図1および図2に示す本実施形態の面発光レーザ100の一製造工程を模式的に示す断面図であり、それぞれ図1に示す断面図に対応している。
(1)まず、n型GaAsからなる基板101の上に、組成を変調させながらエピタキシャル成長させることにより、図3に示すように、半導体多層膜150を形成する。ここで、半導体多層膜150は、第1ミラー102と、活性層103と、第2ミラー104と、エッチングストッパ層120と、コンタクト層122と、からなる。これらの層を順に基板101上に積層させることにより、半導体多層膜150が形成される。
なお、第2ミラー104を成長させる際に、活性層103近傍の少なくとも1層を、後に酸化されて酸化狭窄層105となるAlGaAs層(AlAs層の場合を含む)に形成することができる。この酸化狭窄層105となるAlGaAs層のAl組成は、例えば0.95以上、1以下である。なお、AlGaAs層のAl組成とは、III族元素に対するアルミニウム(Al)の比率である。
エピタキシャル成長を行う際の温度は適宜決定されるが、例えば450℃〜800℃とすることができる。また、エピタキシャル成長を行う際の所要時間も、温度と同様に適宜決定される。また、エピタキシャル成長させる方法としては、有機金属化学気相成長(MOCVD:metal-organic chemical vapor deposition)法や、分子線エピタキシ(MBE:molecular beam epitaxy)法などを用いることができる。
(2)次に、例えば公知のリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、半導体多層膜150をパターニングする。これにより、図4に示すような柱状の半導体堆積体132が形成される。半導体多層膜150のパターニングは、少なくとも第2ミラー104内に形成された酸化狭窄層105となる層の側面が露出するように行われる。図示の例では、半導体多層膜150のパターニングは、基板101の上面101aが露出するように行われる。言い換えるならば、柱状の半導体堆積体132は、第1ミラー102、活性層103、第2ミラー104、エッチングストッパ層120、およびコンタクト層122から構成される。
次に、例えば400℃程度の水蒸気雰囲気中に、上記工程によって柱状の半導体堆積体132が形成された基板101を投入する。これにより、前述の第2ミラー104中のAl組成が高い層(Al組成が例えば0.95以上の層)を側面から酸化して、図4に示すような酸化狭窄層105を形成する。
次に、柱状の半導体堆積体132を取り囲むように埋め込み絶縁層106を形成する。例えば、埋め込み絶縁層106として、ポリイミド樹脂を用いた場合、まず、例えば、スピンコート法等を用いて前駆体層(ポリイミド前駆体層)を形成する。次に、基板101を加熱して溶媒を除去した後、例えば350℃程度の炉に入れて、前駆体層をイミド化させる。これにより、ほぼ完全に硬化したポリイミド樹脂層が形成される。なお、柱状の半導体堆積体132の上面は、例えば、公知のリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて露出させることができる。以上の工程により、図4に示すような埋め込み絶縁層106が形成される。
(3)次に、図5に示すような第2電極109を形成する。まず、例えば真空蒸着法により、基板101の裏面101b上に、例えば金(Au)とゲルマニウム(Ge)の合金、ニッケル(Ni)、金(Au)の順に積層した膜を形成する。その後、例えば窒素雰囲気中において、熱処理を行うことができる。この熱処理を行うことにより、第2電極109と基板101との良好なオーミックコンタクトを得ることができる。熱処理の温度は、例えば400℃前後で行うことができる。熱処理の時間は、例えば2分程度行うことができる。以上の工程により第2電極109が形成される。
次に、図5に示すような第1電極107を形成する。まず、例えば真空蒸着法により、柱状の半導体堆積体132および埋め込み絶縁層106の上に、例えばチタン(Ti)、白金(Pt)、金(Au)の順に積層した膜を形成する。次に、例えばリフトオフ法により、コンタクト層122の上面に、この積層膜が形成されていない部分を形成する。この部分が開口部180となる。本工程では、熱処理を行わずに、第1電極107とコンタクト層122とのオーミックコンタクトを得ることができる。以上の工程により第1電極107が形成される。
(4)ここまでの工程で、コンタクト層122の上面は、例えばリソグラフィ工程において、現像液やプラズマなどに晒されることにより、削られたり、表面に酸化膜などの変質層が形成されたりする。
(5)次に、図1に示すように、第1電極107をマスクとして、コンタクト層122をエッチングストッパ層120の上面が露出するまでウェットエッチングする。本工程で用いるエッチャントとしては、エッチングストッパ層120がコンタクト層122に比べ、エッチングされ難いものを選択する。即ち、コンタクト層122のエッチングストッパ層120に対するエッチング選択比が高いものを選択する。これにより、コンタクト層122をエッチングする際に、エッチングストッパ層120の上面が露出した時点でエッチングを止めることが容易になる。本実施形態では、例えば、エッチングストッパ層120がInGaPからなり、コンタクト層122がInGaAsからなることができる。この場合、エッチャントとして、リン酸と過酸化水素水と水の混合溶液を用いることにより、コンタクト層122のエッチングストッパ層120に対するエッチング選択比を極めて高くすることができる。
(6)以上の工程により、図1および図2に示すように、本実施形態の面発光レーザ100が得られる。
3. 上述したように、コンタクト層122をエッチングする工程前に、コンタクト層122は、その上面が削られたり、表面に変質層が形成されたりする。そのようなコンタクト層122を、本実施形態の製造方法では、コンタクト層122をエッチングする工程において除去することができる。この工程では、エッチングストッパ層120の上面が露出した時点でエッチングを止めることができる。この時点まで、エッチングストッパ層120はコンタクト層122により覆われている。つまり、エッチングストッパ層120は、コンタクト層122のように、その上面が削られたり、表面に変質層が形成されたりすることがない。そして、エッチングストッパ層120が存在することにより、その上面が露出した時点でコンタクト層122のエッチングを止めることは容易である。従って、本実施形態によれば、エッチングストッパ層120の全体の膜厚を再現性良く均一にすることができる。即ち、第2ミラー104およびエッチングストッパ層120により構成されるミラーの反射率を再現性良く均一にすることができる。このことは、第2ミラー104およびエッチングストッパ層120が、分布ブラッグ反射型(DBR)ミラーを構成する場合に特に有効である。その結果、面発光レーザ100の作製において、素子特性の均一性および再現性を良好にすることができ、延いては、製造歩留りを良好にすることができる。
また、本実施形態の製造方法では、上述したように、第1電極107を形成する工程において、熱処理を行わずに、第1電極107とコンタクト層122とのオーミックコンタクトを得ることができる。例えば熱処理を行うような場合、第1電極107を構成する原子が熱拡散し、例えば活性層103などに到達して、素子特性を悪化させる場合がある。また、熱拡散した原子は、素子の動作中にさらに拡散して、素子特性を悪化させる場合がある。これに対し、本実施形態の製造方法では、熱処理を行わないことができるので、本実施形態の面発光レーザ100は、良好な素子特性を維持することができ、良好な信頼性を有することができる。
また、本実施形態では、コンタクト層122は、InGa1−xAsからなることができ、第1電極107は、チタン(Ti)、白金(Pt)、金(Au)の順に積層した膜からなることができる。これにより、例えば、コンタクト層122が、GaAsからなり、第1電極107が、金(Au)と亜鉛(Zn)との合金、金(Au)の順に積層した膜からなるような場合に比べ、コンタクト抵抗を低くすることができる。これは、InGa1−xAsとチタンとの界面における電位障壁が、GaAsと金−亜鉛合金との界面における電位障壁に比べ、低いためである。コンタクト抵抗をより低くするためには、InGa1−xAsにおけるxをより大きくすることが好ましい。
また、本実施形態では、エッチングストッパ層120は、InGaPからなることができる。これにより、例えば、エッチングストッパ層120がInGaAsからなるような場合に比べ、第2ミラー104の最上層(例えば、Al0.15Ga0.85As層)との格子整合を容易に得ることができる。格子整合とは、エピタキシャル成長できる程度に各層の格子定数が同一または近似していることをいう。これにより、良好な結晶性を有するエッチングストッパ層120を形成することができる。その結果、エッチングストッパ層120の上面の平坦性を向上させることができ、延いては、面発光レーザ100が良好な素子特性を有することができる。なお、具体的な格子定数の値は、例えば以下の通りである。
本実施形態のエッチングストッパ層120として、例えばIn0.49Ga0.51P層を用いた場合、その格子定数は、0.56533nmであり、Al0.15Ga0.85Asの格子定数(0.56544nm)からの格子不整合率は、0.02%である。これに対し、例えば、In0.5Ga0.5Asの格子定数は、0.58559nmであり、Al0.15Ga0.85Asの格子定数からの格子不整合率は、3.56%である。
4. 次に、本実施形態に係る変形例について説明する。
上述した例では、例えば、エッチングストッパ層120がInGaPからなり、コンタクト層122がInGaAsからなる場合について説明したが、本変形例では、例えば、エッチングストッパ層120がp型のGaAsからなり、コンタクト層122がp型のInGaPからなることができる。本変形例では、エッチングストッパ層120の光学的膜厚は、その下に形成された第2ミラー104とともにDBRミラーを構成するように、面発光レーザ100の設計波長がλである場合、λ/4の偶数倍とすることができる。
本変形例では、第1電極107が、例えば金(Au)と亜鉛(Zn)との合金、金(Au)の順に積層した膜からなる。この場合、第1電極107を形成する工程において、金(Au)と亜鉛(Zn)の合金、金(Au)の順に積層した膜をパターニングした後に、例えば窒素雰囲気中において、熱処理を行うことができる。この熱処理を行うことにより、第1電極107とコンタクト層122との良好なオーミックコンタクトを得ることができる。熱処理の温度は、例えば400℃前後で行うことができる。熱処理の時間は、例えば2分程度行うことができる。
また、上述した例では、コンタクト層122をエッチングする工程において、エッチャントとして、リン酸と過酸化水素水と水の混合溶液を用いる場合について説明したが、本変形例では、塩酸と水の混合溶液を用いることができる。これにより、コンタクト層122のエッチングストッパ層120に対するエッチング選択比を極めて高くすることができる。
本変形例によれば、上述した例と同様に、エッチングストッパ層120の全体の膜厚を再現性良く均一にすることができる。その結果、面発光レーザ100の作製において、素子特性の均一性および再現性を良好にすることができ、延いては、製造歩留りを良好にすることができる。
また、本変形例では、第2ミラー104は、AlGaAsからなることができ、エッチングストッパ層120は、GaAsからなることができ、コンタクト層122は、InGaPからなることができる。従って、第2ミラー104からコンタクト層122までを積層する工程において(図3参照)、V族元素(AsおよびP)の原料供給は、砒素(As)の原料から燐(P)の原料に1度だけ切り替えられる。これに対し、例えば、第2ミラー104が、AlGaAsからなり、エッチングストッパ層120が、InGaPからなり、コンタクト層122が、GaAsからなるような場合、V族元素(AsおよびP)の原料供給は、2度切り替えられる。即ち、砒素(As)の原料から燐(P)の原料に切り替えて、次に、燐(P)の原料から砒素(As)の原料に切り替えられる。V族元素の原料の供給量は、結晶成長を良好に行うために、III族元素の原料に比べ、多い方が好ましい。V族元素の原料の供給量が多いと、V族元素の原料が切り替わる時間は、III族元素の原料が切り替わる時間に比べ、長くなる。従って、V族元素の原料の切り替えは、少ない方が好ましい。上述したように、本変形例では、V族元素の原料の切り替えは、1度行われるだけである。これにより、例えば、面発光レーザ100の製造時間を短縮することができる。
上記のように、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。
例えば、上述した実施形態において、各半導体層におけるp型とn型とを入れ替えても本発明の趣旨を逸脱するものではない。また、上述した実施形態の面発光レーザ100では、AlGaAs系のものについて説明したが、発振波長に応じてその他の材料系、例えば、AlGaInAs系、GaInNAs系などの半導体材料を用いることも可能である。
本実施形態に係る面発光レーザを模式的に示す断面図。 本実施形態に係る面発光レーザを模式的に示す平面図。 本実施形態に係る面発光レーザの製造方法を模式的に示す断面図。 本実施形態に係る面発光レーザの製造方法を模式的に示す断面図。 本実施形態に係る面発光レーザの製造方法を模式的に示す断面図。
符号の説明
100 面発光型半導体レーザ、101 基板、102 第1ミラー、103 活性層、104 第2ミラー、105 酸化狭窄層、106 埋め込み絶縁層、107 第1電極、108 出射面、109 第2電極、120 エッチングストッパ層、122 コンタクト層、130 柱状部、132 半導体堆積体、140 共振器、150 半導体多層膜、180 開口部,182 開口部

Claims (9)

  1. 基板の上方に、第1ミラー、活性層、第2ミラー、エッチングストッパ層、およびコンタクト層を構成するための半導体層を積層する工程と、
    前記半導体層をパターニングすることにより、少なくとも前記第2ミラーの一部を含む柱状部を形成する工程と、
    前記コンタクト層の上方に電極を形成する工程と、
    前記コンタクト層の一部を前記エッチングストッパ層の上面が露出するまでエッチングする工程と、を含む、面発光型半導体レーザの製造方法。
  2. 請求項1において、
    前記エッチングストッパ層は、InGaPからなるように形成され、
    前記コンタクト層は、InGaAsからなるように形成される、面発光型半導体レーザの製造方法。
  3. 請求項1または2において、
    前記電極を形成する工程において、熱処理を行わない、面発光型半導体レーザの製造方法。
  4. 請求項1において、
    前記エッチングストッパ層は、GaAsからなるように形成され、
    前記コンタクト層は、InGaPからなるように形成される、面発光型半導体レーザの製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかにおいて、
    前記第2ミラーおよび前記エッチングストッパ層は、分布ブラッグ反射型ミラーを構成するように形成される、面発光型半導体レーザの製造方法。
  6. 基板と、
    前記基板の上方に形成された第1ミラーと、
    前記第1ミラーの上方に形成された活性層と、
    前記活性層の上方に形成された第2ミラーと、
    前記第2ミラーの上方に形成されたエッチングストッパ層と、
    前記エッチングストッパ層の一部の上方に形成されたコンタクト層と、
    前記コンタクト層の上方に形成された電極と、を含む、面発光型半導体レーザ。
  7. 請求項6において、
    前記エッチングストッパ層は、InGaPからなり、
    前記コンタクト層は、InGaAsからなる、面発光型半導体レーザ。
  8. 請求項6において、
    前記エッチングストッパ層は、GaAsからなり、
    前記コンタクト層は、InGaPからなる、面発光型半導体レーザ。
  9. 請求項6〜8のいずれかにおいて、
    前記第2ミラーおよび前記エッチングストッパ層は、分布ブラッグ反射型ミラーを構成する、面発光型半導体レーザ。
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