JP2006337261A - 生体分子の線状固定化基板の製造方法、チップ及び分析方法 - Google Patents

生体分子の線状固定化基板の製造方法、チップ及び分析方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 シリンジと、該シリンジに連通するノズルを有する吐出装置を用いて、基板に生体分子を線状に精度高く固定化する方法を提供する。
【解決手段】 生体分子を含む液体材料をシリンジ内に収容し、該シリンジ内を加圧することにより該シリンジに連通するノズルから所定量の該液体材料を連続的に吐出して、少なくとも表面が液体非吸収性の基板と該ノズルを相対的に移動させながら該基板上に線状に塗布描画し、次いで乾燥して生体分子を固定化する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、生体分子の定量等の解析に用いられる生体分子等を線状に塗布し、固定化する生体分子の線状固定化基板の製造方法に関し、また該基板を含むチップ、及び該基板又はチップを用いた分析方法に関する。
近年、遺伝子をスライドガラス等の平板上に固定化させ、これに結合する相補的遺伝子の有無、量を判断して、特定の細胞中の相補的遺伝子の発現時期などを解析することで疾病の特定を行うことが行われている[例えば、特開2002−65274号公報(特許文献1)]。このような解析に使用される装置において用いられる、特定核酸が固定化されたスライドガラスを得る方法には、特表平10−503841号公報(特許文献2)記載の、毛管分配装置を支持体に打ち付けることによって、選択された配列位置に分配する方法がある。また、スライドガラスやシリコンチップ等の担体上に、プローブ等を含む溶液を吐出してスポットを形成する装置として、特開2003−43041号公報(特許文献3)には、熱などのエネルギーを利用して流路内に保持した液体を吐出する吐出口を有する液体吐出装置の構成として、気圧を変化させ得る気圧室と、気圧室と吐出口とを連通し、かつ液体を保持し得る流路とを設け、気圧室に発生させた減圧を利用することで、吐出口から流路内へ外部から液体の充填を可能とした構成とした装置及び該装置を使用したスポット方法が示されている。
これらの方法は、できるだけ多くの異なる種類の遺伝子をスポット状に一定面積に固定化する目的のためには優れているが、一種類の遺伝子を線状に固定化する方法としては適した方法とは云えない。これらの方法により、線状に遺伝子を塗布するには、数μmづらしてスポットすることを繰り返し、各スポット相互を一部重ね合わせて、スキマが生じないようにできるだけ密に点描する必要があり、該方法により得られる形状は、擬似的な線状である。
一方、スライドガラス等の基板に多数のDNA分子を所定の領域毎に整列固定させた高密度のアレイは、DNAマイクロアレイ(DNAチップともいう)として、核酸の塩基配列の決定、遺伝子の発現、変異、多型性などの同時解析に用いられている。該DNAマイクロアレイを用いた遺伝子情報の解析は、創薬研究、疾病の診断や予防法の開発などに極めて有用で、例えば、特開2004−198406号公報(特許文献4)には、ポリエーテル又はグリコールとポリヌクレオチドとを含む溶液を固体支持体上にスポッティングすることにより、該ポリヌクレオチドを固体支持体上に固定化する方法が記載されている。しかしながら、特許文献4にはポリエーテル又はグリコールとポリヌクレオチドとを含む溶液をスポットすることによって固相化することは述べられているが、線状に塗布描画することについては全く記載されておらず、示唆もされていない。
特開2002−65274号公報 特表平10−503841号公報 特開2003−43041号公報 特開2004−198406号公報
前記従来の方法により、遺伝子等の生体分子を線状に塗布形成する場合に、基板の表面が塗布液吸収性ではない、例えば、多孔質ではないものであると、スポットを数μmづらしスポットすることを繰り返すと、結果的にはスポット同志が重なってしまい、スポットした溶液が先にスポットしてあった溶液に表面張力が影響するような場合には、一カ所に集まり欠落するなどして完全な線とすることは難しかった。この欠落は固定化した生体分子に親和的結合するような生体分子を定量する際に非常に影響を及ぼし、定量することが不可能になってしまう。また、前記のようにスポットを重ね合わせて形成した擬似的な線では、微視的にみると、生体分子の存在場所の厚みが不均一なため生体分子の疎密の程度が場所によって異なっているため、試料中に含まれる生体分子の精密な定量のためには、線状に形成された生体分子を固定化した部分の不均一な厚みを避けなければならない。しかしながら、生体分子を線状に均一な厚みで固定化してなる基板、或いは該基板と流路を形成するための基板とを接合して流路を形成したチップは今まで存在しなかった。
そこで、本発明は、シリンジと、該シリンジに連通するノズルを有する吐出装置を用いて、基板に生体分子を線状に精度高く固定化する方法を提供すること、該方法に使用される装置を提供すること、該方法によりえられた生体分子を均一な厚みの線状に形成した基板を提供すること、該基板を構成要素とするチップを提供すること、及び該基板或いはチップを用いた分析方法を提供することを目的とする。
前記した課題を解決するための本発明の生体分子の線状固定化基板の製造方法は、生体分子を含む液体材料をシリンジ内に収容し、該シリンジ内を加圧することにより該シリンジに連通するノズルから所定量の該液体材料を連続的に吐出して液体非吸収性の基板と該ノズルを相対的に移動させながら該基板上に線状に塗布描画し、次いで乾燥して生体分子を固定化することを特徴とする。
本発明において「線状に塗布描画」とは、単に点状のスポットを形成するものではなく、或いは、点描のように、断続的に適用した液体のスポットの重なりによる擬似的な線を基板に形成することでもなく、ノズルから適用する液体と基体の相対的移動状態において連続して液体を適用して線を形成することを意味する。
本発明により基板上に線状に塗布描画されて形成された線は、スポットの重なりによるものではないため、線の厚み、密度は均一なものとなるので、該線に固定化された生体分子と、試料中に含まれる該生体分子に親和性のある物質の相互作用により、試料中に含まれる物質の定量を精密に行うことが可能となる。
吐出装置及び塗布描画方法
本発明の生体分子の線状固定化基板の製造方法に使用される塗布描画を行うための吐出装置には、液体材料をシリンジ内に収容することができ、該シリンジ内を加圧することにより該シリンジに連通するノズルから所定量の該液体材料を連続的に吐出して基体に塗布描画できる装置であればよい。本発明の生体分子の線状固定化基板の製造方法に用いることができる吐出装置には、例えば、特開2001−227456号公報、特開2003−93942号公報に記載のプランジャロッドの後退動作により貯留容器から液体をシリンジ内に吸引し、該プランジャロッドの進出動作により該液体をシリンジからノズルに排出し、一定量を吐出できる装置が挙げられる。
これらの吐出装置を用いて、吐出される液体を精密に制御するには、液体を吐出するノズル部に振動、機械的振動、或いは、超音波振動を与えて、液体の位相やエネルギーをコントロールすることにより、吐出する液体を様々にコントロールすることができる。例えば、超音波振動をノズル部に与えて振動の位相制御を行うことにより、1)液体とノズル内壁面とを非接触とすること、2)ノズル内での弁作用によって、液体の速度を制御すること、3)液体の温度を制御すること、4)液体の流れを渦流にするという流れそのものを制御することが可能となる。
これらの装置を用いて塗布した液体材料を所望する規定の描画形状になるように制御するためには、塗布した液体材料の描画形状に関するパラメータ、例えば、断面積、塗布幅、塗布高等の許容する範囲を設け、該パラメータを計測し、その許容する範囲より外れる場合に、該範囲内に入るように調整することにより描画形状を制御する。
基板における微小な変形に対しても生体分子を含む液体材料を精度よく塗布描画するには、所定の間隔を保って移動し、基板表面に液体材料を塗布するノズルと一体的に移動する少なくとも二個、好ましくは、ノズルを隔てて位置する少なくとも一対の高さセンサを、そのノズルに隣接させて設け、該高さセンサからの位置情報により、基板の反り等の微小な変形に対しても基板からノズルまでの距離(高さ)を調整することにより、精度よく液体材料を適用できる。該制御方法において、より好ましくは、少なくとも一対の高さセンサを、通常は並進運動を行うノズルの運動軌跡と重ならない位置に、ノズル中心に対して点対称に配設することが好ましい。高さセンサとしては、光を使用するもの、渦電流を検出するものなどを必要に応じて選択することができる。ノズル高さ制御方法は、基板の上方で、液体塗布ノズルを、少なくとも二個の高さセンサと一体的に移動させ、この移動に当って、基板の上方に位置する少なくとも一の高さセンサからの信号に基づいてノズルの高さをコントロールする。上述したところに加えて、全ての高さセンサが基板の外側にはみ出したときには、ノズルの高さコントロールを中断して、そのノズルと基板と水平な方向の移動だけを行う。
本発明の生体分子の線状固定化基板の製造方法において、基板上に形成された塗布描画物の距離(長さ)が0.1mm以上であることが、塗布描画物が精度よく形成されるので望ましい。また、本発明の生体分子の線状固定化基板の製造方法において、得られる生体分子の線状固定化基板の塗布描画物の幅は、0.01mm以上において精度良く形成される。
複数の異なる生体分子の特定量を精度よく基板に塗布描画するには、複数本のシリンジを有する液体吐出装置のシリンジを電磁切換弁にて切り換え、各シリンジ固有の吐出データに基づき、吐出時間を制御することにより、複数の異なる生体分子の一定量を基板に精度よく線状に塗布描画することができる。
液体材料
液体材料は、基板上に生体分子を塗布描画するための材料であり、塗布描画する上で、生体分子を含む液体材料の組成が重要である。特に、液体材料の粘度は均一に塗布描画する上で重要な要素である。例えば、粘度が低すぎると液体吐出装置から液だれが発生し、粘度が高すぎると一定の加圧を行っても液体が吐出することができない。また、粘度が低いと液だれが発生しない場合でも描画形状を維持できず、粘度が高すぎると液体吐出装置から吐出される容量が低く、一定の描画をするための時間が長くなり生産性が低くなる。以上の理由から、液体材料を適切な粘度に制御することは非常に重要である。また、基板上に描画塗布された後、一定時間乾燥しないことも生体分子を均一に固定化する上で重要な要素である。液体材料は、塗布描画後、6時間以上乾燥しないことが好ましく、液体材料にこのような性質を付与するために、ポリエーテル、グリコールを含ませることが望ましい。さらに、ポリエーテルや、グリコール、生体分子を溶解するための溶媒を含ませることが望ましい。これらの成分を含む液体材料は、塗布描画後一定時間乾燥しないために液体材料に含まれる生体分子を均一に固定化することができる。液体材料に含まれる、生体分子、ポリエーテル、グリコール、溶媒には下記に示すものが挙げられる。
1)生体分子
液体材料中に添加する生体分子としては、核酸、タンパク質、ペプチド、糖鎖、糖脂質などから選ばれた1種類以上が挙げられる。核酸は、デオキシリボ核酸あるいはリボ核酸から構成される5個以上の核酸分子からなる、オリゴデオキシリボヌクレオチド、ポリデオキシリボヌクレオチド、オリゴリボヌクレオチド、ポリリボヌクレオチドが挙げられ、さらに、末端等がアミノ基、スルフヒドリル基、カルボキシル基、蛍光色素、ビオチンなどで修飾されたものも用いることが可能である。また、核酸としては、ポリメレース・チェイン・リアクションにより増幅した100bp以上のフラグメントを用いることもできる。これらの核酸は、生体試料から調製したものも、人工的に合成したものも含まれる。また、ホスホジエステル結合をペプチドに変換した人工核酸、ペプチド核酸(PNA)も含まれる。
タンパク質は、アミノ酸のみから構成される通常のタンパク質以外に、糖鎖が結合した糖タンパク質も用いることができる。
ペプチドは、タンパク質を種々の試薬を用いて分解して調製したものや、タンパク質分解酵素などで分解して調製したもの、人工的に合成したものを用いることができる。
糖脂質や糖鎖は、多くの病原性細菌やウイルスの受容体となっていることが知られている非常に重要な生体分子である。糖脂質は、グリセロ糖脂質とスフィンゴ糖脂質に分類され、こうしたものも用いることができる。
2)ポリエーテル、グリコール
ポリエーテル又はグリコールを含む液体材料には、ポリエーテル又はグリコールのいずれかを含む液体材料、或いはポリエーテル及びグリコールの両方を含む液体材料が包含される。ポリエーテル又はグリコールは、液体材料の粘度を均一にし、塗布描画したとき6時間以上乾燥せずに、膜厚を均一に形成させるための有用な成分である。
本発明において用いることができるポリエーテルには、主鎖にエーテル結合をもつ線状高分子ポリエーテルが挙げられる。ポリエーテルとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリトリメチレンオキシド、ポリブテンオキシド及びポリペンテンオキシドなどのポリアルキレンオキシド、ならびにポリオキシメチレンが挙げられ、ポリアルキレンオキシドが好ましく、ポリエチレングリコールが特に好ましい。また、平均分子量100〜2000000のポリエーテルが好ましく、平均分子量200〜20000のポリエーテルがより好ましい。特に、平均分子量200〜2000のポリエチレングリコールが好ましく、平均分子量200〜400のポリエチレングリコールがより好ましい。本明細書において、平均分子量とは、重量平均分子量を意味する。
ポリエーテルは、基板上の官能基と生体分子との反応を阻害せず、固定化を目的としたときに良好な溶媒になると考えられる。
本発明において、ポリエチレングリコールには、ポリエチレングリコールと炭素数1〜50のアルキル基とのモノアルキルエーテル、例えば、ポリエチレングリコールモノデシルエーテル及びポリエチレングリコールモノオクチルエーテルなども包含される。また、本発明において、モノアルキルエーテルの形態でなく両末端に水酸基が存在するポリエチレングリコールは、上記グリコールにも包含される。これらのポリエーテルは、単独で使用してもよいし、複数種を混合して使用してもよい。
具体的には、ポリエチレングリコール200(平均分子量190〜200のものを意味する)、ポリエチレングリコール300(平均分子量285〜315のものを意味する)、ポリエチレングリコール400(平均分子量380〜420のものを意味する)、ポリエチレングリコール600(平均分子量570〜630のものを意味する)、ポリエチレングリコール1000(平均分子量950〜1050のものを意味する)、ポリエチレングリコール1500(PEG300とPEG1540の等量混合物であって、平均分子量500〜600のものを意味する)、ポリエチレングリコール1540(平均分子量1300〜1600のものを意味する)、ポリエチレングリコール2000(平均分子量1800〜2200のものを意味する)、ポリエチレングリコール4000(平均分子量2700〜3400のものを意味する)、ポリエチレングリコール6000(平均分子量7400〜9000のものを意味する)、ポリエチレングリコール20000(平均分子量18000〜25000のものを意味する)、ポリエチレングリコール300モノデシルエーテル、ポリエチレングリコール600モノオクチルエーテル及びこれらの混合物が挙げられる。平均分子量150〜450のポリエチレングリコール、例えば、ポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコール300、ポリエチレングリコール400及びこれらの混合物は、室温で液体であり、塗布描画後、目視又はCCD(Charge Coupled Device )及び冷却CCDなどによる検出が可能であるため簡便に塗布描画時の欠陥を見つけることができ、有利である。
この溶液におけるポリエーテルの濃度は、通常、1〜100重量%、好ましくは1〜80重量%、より好ましくは5〜40重量%である。このポリエーテル溶液は、通常pH2〜13、好ましくはpH5〜9、より好ましくはpH6〜8である。
本発明においてグリコールとは、水酸基を2個有する2価アルコールを意味し、2価の直鎖アルコールが好ましく、主鎖に1〜3000000個の酸素原子を有する2価の直鎖アルコールがより好ましく、主鎖に1〜30000個のエーテル結合を有する2価の直鎖アルコールが特に好ましい。
グリコールは、基板上の官能基と固定化物質(DNA等)との反応を阻害せず、固定化を目的としたときに良好な溶媒になるものと考えられる。
グリコールの具体例としては、アルキレングリコール、ジアルキレングリコール及びトリアルキレングリコールが挙げられ、ジアルキレングリコールが好ましい。ここでアルキレン基は、炭素数2〜6000000、好ましくは炭素数2〜60000のアルキレン基、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレンなどである。本発明においては、グリコールとして、ジエチレングリコールを使用するのが特に好ましい。上記グリコールは、単独で使用してもよいし、複数種を混合して使用してもよい。
この溶液におけるグリコールの濃度は、通常、5〜30重量%、好ましくは5〜20重量%、より好ましくは5〜15重量%である。このグリコール溶液は、通常、pH4〜12、好ましくはpH6〜8である。
3)溶媒
ポリエーテル又はグリコールを溶解させる溶媒としては、特に限定されないが、水性溶媒、例えば、蒸留水、SSC(saline-sodium citrate )など、及びタンパク質、ペプチド、糖鎖、DNA等の生体分子を溶解できる極性有機溶媒、例えば、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、トリフルオロ酢酸、トリエチルアミン、1−メチル−2−ピロリドン、ジオキサン、酢酸エチルなどから選ばれる1以上の溶媒を使用できる。ジメチルスルホキシドを共存させると、スポット形状及び生体分子の固体支持体に対する固定化力を保ったまま溶液粘度を調節できるため有利である。
基板
本発明の生体分子の線状固定化基板に用いる基板の材料としては、基板の一部あるいは全部に、例えば、ガラス、セラミックス、樹脂、シリコン、金属を用いることができる。樹脂には、例えば、アクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂(Acrylonitrile Butadiene Styrene樹脂) 、ポリカーボネート樹脂、ナイロン、ポリウレタン樹脂、メチルペンテン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。基板上に生体分子を線状に一定量を精度良く塗布描画する目的のためには、基板が多孔質であると基板内に浸透、拡散してしまい、精密な描画とすることができないので、本発明の目的のためには、多孔質である基板を用いてはならない。例えば、ニトロセルロース膜のような液体が非常にしみこみ易いような基板は用いてはならない。
基板材料の表面に対して、表面処理を施さなくてもよいが、生体分子と共有結合しうる官能基を基板の一部あるいは全部に導入することがより好ましい。こうした官能基としては、例えば、スクシンイミド基、アルデヒド基、マレイミド基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基、水酸基等が挙げられる。
基板上に金、銀、白金、銅などの金属を蒸着あるいはメッキを施す、あるいは、基板の一部あるいは全部に、金属を用いた場合、こうした金属とチオール基、あるいはジスルフィド基が非常に強固な結合を形成することを利用して、生体分子を固定化する方法もある。
こうした基板上に金属を蒸着やメッキを施した場合、あるいは、基板の一部あるいは全部に金属を用いた場合は、これらの金属層を電極として利用することも可能である。
チップ
前記の本発明の方法により、生体分子を線状に精度高く固定化されてなる基板は、流路となる流路溝を有するもう一方の基板を接着させることにより流路を形成させて、生体分子に親和性を有する物質を分析するためのチップとすることができる。
流路となる流路溝を有する基板の製造方法としては、フォトリソグラフィーとウェットエッチングを用いて、平坦状の石英硝子に直接流路溝を形成させる方法、SU8に流路溝の鋳型を形成させ、ポリジメチルシロキサン(PDMSと略す)を流し込んで硬化させた後、PDMSのみを取りだして流路溝を有する基板とする方法、流路溝の鋳型となる形状を金属金型上に切削加工などにより形成させ、その金型に溶解した樹脂材料を流し込んで硬化させ、硬化した樹脂材料を取りだして流路溝を有する基板とする方法などを用いることができる。
生体分子の線状固定化基板と流路溝を有する基板とを接着する方法は、例えば、柔軟性の高い基板同志を圧着することにより接着する方法、柔軟性の高い基板と硬質の基板とを圧着することにより接着する方法、酸素プラズマ処理を施して接着する方法、熱融着により接着する方法、種々の接着剤を用いて接着する方法、超音波を用いて接着する方法等を用いることができる。
こうして調製したチップ、或いは生体分子の線状固定化基板は、マイクロ流体システムと呼ばれる分析方法に最適であり、液体材料に対して分析することができる。液体材料としての分析対象試料には、生体から得られた試料、例えば、血液、血漿、血清、唾液、組織、細胞が挙げられ、さらにこれらの生体試料から特定の精製処理を行ったものも試料として用いることができる。また、食品加工において発生するような材料、原料や、これらから精製処理を行ったものも試料とすることができる。これ以外に、特定の物質が溶解あるいは懸濁している溶液を試料とすることができる。
また、こうして調製したチップ、或いは生体分子の線状固定化基板は、試料を分析するためのキット中に包含させることができる。こうした試料を分析するためのキットは、分析に必要な主な試薬類が包含されており、ユーザーはキットの取扱説明書により、キット中の試薬類と、場合によっては、汎用の試薬類を加えるなどして反応を行い、この反応物を測定装置を用いて分析することができる。
図1は本発明のチップの構成の1例の概略を示した平面図であり、図2はその断面図の1例である。1は試料中の生体分子を分析するためのマイクロチップであり、第1部材5と第2部材6が接合されて構成されている。第1部材5には、幅10μm−500μm、深さ10μ−100μmの断面の溝が形成されており、第2部材6と接合されたときに、流路2を形成する。流路の一方の端には流路入口3と他方の端には流路出口4が設けられている。この流路入口3、流路出口4の間に試薬、試料を導入するための導入口を1個以上設けることや、目的に応じてこうした流路につながる別の流路を設けることも可能である。流路2内には、試料中の生体分子を捕獲し、分析するための生体分子に親和性を有する生体分子を塗布描画した幅10μm以上の捕獲ゾーン7が設けられている。
分析方法
本発明による生体分子の線状固定化基板或いはチップは、固定化されている生体分子に直接あるいは間接的に親和性を有する生体分子、或いは化学物質の分析に用いることができる。
例えば、最初に、当該基板或いはチップ中に固定化された生体高分子に対して、標識した生体分子を反応させることにより結合させた後、結合した標識生体分子中の標識物質を検出する方法により標識生体分子を分析することができる。遺伝子発現を調べる目的で、標識生体分子を調製する方法としては真核生物の場合は、mRNAを抽出した逆転写反応により標識dNTP(dNTPは、Nがアデニン、シトシン、グアニンまたはチミンである三リン酸である) を取り込ませながらcDNAを調製する方法が一般的に用いられる。この標識したcDNAと本発明による基板或いはチップ中に存在する相補的な核酸分子を結合させ、標識物質の結合の状況を分析することにより遺伝子発現の状況を分析できる。
また、標識を行わずに分析を行う方法としては、例えば、特開平9−288080号公報に示されるような、電気化学検出を用いた方法を採用できる。電気化学検出を用いる本発明の分析方法は、本発明による基板或いはチップ中の電極に固定化された核酸分子と、該核酸分子に相補的な配列を有する核酸分子を結合させた後、電気化学的活性を有する分子を組み込んだインターカレーターを添加し、二重らせんが形成された組合せのみに取り込ませる。この後、核酸が固定化されている電極の電気化学特性を分析することによって結合の状況を解析することができる。
基板に固定化した生体分子が抗体である場合では、サンドイッチイムノアッセイ法を用いることができる。すなわち、この固定化した抗体に反応する抗原を反応させ、次いでこの抗原と反応する固定化した抗体と抗原に対する反応性が同一、あるいは、異なる反応性を有する抗体に標識物質を結合させた標識抗体を反応させて抗原に結合させ、標識抗体中に含まれる標識物質を分析することにより、抗原を分析することができる。また、抗原認識部位が非常に限られる場合においては、抗体あるいは抗原を結合させて競合法により免疫分析を行うことができる。
図3は、1種類以上の生体分子を分析するためのチップであり、流路入口が一つであり流路出口が一つである場合の態様を示す。試料中に含まれる複数種類の生体分子を捕獲するための捕獲ゾーンにおいて、該生体分子を含む複合体を捕獲するための親和性を有する複数種類の生体物質が種類毎に各々独立して固定化されている。
図3のチップを用いて、複数種類の生体分子を分析するには、例えば、前記に説明した基板に固定化した生体分子が抗体である場合と、同様にして、基板に固定化した複数種類の抗体に対して、複数種類の標識した生体分子、例えば、標識抗原を反応させることにより結合させて、複数種類の標識抗原を各々検出することにより行うことができる。
標識物質
分析において用いる標識物質としては、蛍光物質、酵素、放射性物質、ビオチン、金属コロイド、ラテックス、磁性粒子などを用いることができる。蛍光物質としては、Cy5、Cy3などのCyDye(アマシャムバイオサイエンス社製)、DyLight547,647などのDyLight Fluors (ピアス社製) 、FITC、ローダミン、テキサスレッド、FAM、ROX、HEX、FAM、TAMRAなどが挙げられる。酵素としては、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリ性フォスファターゼ、グルコースオキシダーゼ、ガラクトシダ−ゼなどが挙げられる。これらの酵素基質としては、西洋ワサビペルオキシダーゼの場合、分光分析の場合は、N,N'-Bis(2-hydroxy-3-sulfopropyl)tolidine, disodium salt, tetrahydrate(商品名SAT−3、同仁化学研究所製)、3,3',5,5'-Tetramethylbenzidine(商品名TMBZ、同仁化学研究所製)などが挙げられ、蛍光分析の場合は、3-(4-hydrooxyphenyl)propionic acid、4-hydrooxyphenylacetic acid 等が挙げられ、発光分析の場合は、ルミノールなどが挙げられる。アルカリ性フォスファターゼの場合、分光分析の場合は、NADP、4-nitrophenylphosphate、蛍光分析の場合は、4-methylumbelliferylphosphate 、発光分析の場合は、グルコース-6- リン酸、CSPD(登録商標、アプライドバイオシステム社製)およびCDP−Star(登録商標、アプライドバイオシステム社製)などが挙げられる。ガラクトシダーゼの場合、分光分析の場合は、2-nitrophenyl-β-D-garactoside等が挙げられ、蛍光分析の場合は、4-methylumbelliferyl- β-D-garactoside等が挙げられ、発光分析の場合は、Glacton (登録商標、アプライドバイオシステム社製)、Glacton-Plus、Glacton-Star(登録商標、アプライドバイオシステム社製)、2-nitrophenyl-β-D-garactoside等が挙げられる。蛍光分析あるいは発光分析の酵素基質を用いる場合は、蛍光や発光を増強させるエンハンサーを添加することも可能である。
前記金属コロイドとしては、例えば、金コロイド、銀コロイド、鉄コロイドなどを用いることが可能である。コロイドの粒径は、通常、1〜100nmのものが使用される。
ビオチンを標識物として用いることも可能である。ビオチンは、基板あるいはチップ中に固定化した生体分子に直接あるいは間接的に結合する物質に導入する。導入試薬としては、NHS-Biotin(ピアス社製)等を用いることができる。ビオチンを標識物と導入した場合は、種々の着色分子、蛍光分子、着色ラテックス、蛍光ラテックス、酵素等を結合させた、ビオチンに非常に高い親和性を有するアビジン、ストレプトアビジンあるいはニュートラアビジン(アビジン類)をさらに反応させ、アビジン類に結合している着色分子などの標識物を分析することも可能である。
ラテックスは、予め種々の色素、蛍光物質で着色されたものが販売されており、こうしたラテックスを利用することが可能である。粒径は、通常、1〜100nmのものが使用される。
分光分析を行う測定装置としては、分光光度計のほか、非常に微量の試料を高感度に分析することに適している、熱レンズ検出装置(マイクロ化学技研株式会社製)を用いた分析法(例えば、特開2002−82078号公報、特開2002−365252号公報)も用いることができる。蛍光分析を行うには、蛍光光度計の他、蛍光顕微鏡、蛍光レーザー顕微鏡、CCDカメラ、冷却CCDカメラ、マイクロアレイスキャナなどを用いることができる。発光分析を行うには、Butlerシリーズ(商品名、ベルトールド社製)や冷却CCDカメラを用いることができる。
磁性粒子を標識に用いた場合には、giant magnetoresistive sensor (例えば、8th
International Conference on Miniaturized Systems for Chemistry and Life Sciences抄録、vol.2 、521−523,2004)や、Supreconducting Quantum interference detectors(SQUID) 等を用いることが可能である。
1.オリゴヌクレオチド固定化基板の製造
オリゴヌクレオチドを固定化するための基板としてジーンスライド(商品名、ダイヤモンドライクカーボンをスライドガラスにコーティングし、その表面に活性エステル化したカルボキシル基を導入したもの、大きさ75mm×25mm、日本パーカーライジング広島工場製)を用意した。5’末端にアミノ基を導入したNH2 −CGACGGATCCCCGGGAATTCなる配列を有するヌクレオチドを終濃度8.5μMになるように以下の5種類の各々の溶液(溶液A、溶液B、溶液C、溶液D、溶液E)で希釈し、マイクロピペットで、前記基板上にスポッティングを行い、その後は取扱説明書の指示に従った。この後、MilliQ水で洗浄し、乾燥させた。
(溶液A) 1.5M betaine
(溶液B) 3×SSC 、50重量%DMSO
(溶液C) 3×SSC 、7.5重量%グリセリン、1重量%アセチレノール、7.5重量%尿素、7.5重量%チオジグリコール
(溶液D) 1重量%ホルムアルデヒド、10重量%グリセリン、50重量%DMSO
(溶液E) 50重量%ポリエチレングリコール(分子量600)
2.チップの製造
前記工程1.で作製したオリゴヌクレオチド固定化基板と同じ大きさの微細流路溝(流路幅300μm、深さ100μm、ストレート型)4本と、各々の微細流路溝に流体入口及び流体出口を有するポリジメチルシロキサン製基板(PDMS、フルイドウェアテクノロジーズ社製)を用意した。前記工程1.で作製したオリゴヌクレオチド固定化基板を該ポリジメチルシロキサン製基板の微細流路溝を内側にして圧着させることにより貼り合わせて微細流路を形成させたマイクロ流体チップを作製した。該マイクロチップに、1%BSA、1mM EDTAを含むPBSを流路に送液しブロッキングを行った。
3.オリゴヌクレオチド固定化量の確認
前記工程2.で得られたマイクロ流体チップに、5’末端にビオチンを導入させた、ビオチン−GAATTCCCGGGGATCCGTCGなる配列のオリゴヌクレオチド溶液1mM 1μL/分 15分間送液し、PBSで1μL/分 15分間送液して洗浄し、Cy5標識ストレプトアビジン(アマシャムバイオサイエンス社製)を10μg/mLになるように1%牛血清アルブミンを含むPBSを、それぞれ15分送液して、DNAマイクロアレイスキャナー(Biodetect 645 Reader:商品名、GeneScan社製)で蛍光強度を検出して、オリゴヌクレオチドの固定化量を確認した。なお、蛍光の露光時間は60秒とした。
溶液Aの場合は蛍光強度が約34000、溶液Bの場合は約36000、溶液Cの場合では全くシグナルが得ることができなく、溶液Dの場合は約7800、溶液Eの場合は約9000であった。溶液A、B、D、Eを用いた蛍光強度の結果をグラフとして図4に示す。DNAの均一性については、溶液Eと溶液Aで良い結果を得ることができた。図5に、溶液Aを用いた場合のDNAマイクロアレイスキャナー(Biodetect 645 Reader:商品名、GeneScan社製)による蛍光強度の検出結果を表す写真を示す。また、図6に、溶液Bを用いた場合のDNAマイクロアレイスキャナー(Biodetect 645 Reader:商品名、GeneScan社製)による蛍光強度の検出結果を表す写真を示す。また、図7に、溶液Cを用いた場合のDNAマイクロアレイスキャナー(Biodetect 645 Reader:商品名、GeneScan社製)による蛍光強度の検出結果を表す写真を示す。
図5〜図7によれば、溶液Aにおいてはスポットした中心から端になるほどシグナルが高くなる傾向が認められ、溶液Bにおいては、均一なシグナルとはいえないことが分かる。溶液Eは、シグナル値自体は高くないが、均一なシグナル値が得られていることがわかる。
4.ヌクレオチドの線状固定化基板の製造
ディスペンサ型高精度描画装置であるFAD600(商品名、武蔵エンジニアリング社製)により、NH2 −CGACGGATCCCCGGGAATTCなる配列を有するヌクレオチドを終濃度8.5μMになるように添加した、溶液Aおよび溶液Eを用いて、ジーンスライド(商品名、日本パーカーライジング広島工場製)上に線状塗布を試みた。具体的には、50μLマイクロシリンジ(ハミルトン社製)に、前記オリゴヌクレオチドを含有する、溶液Aあるいは溶液Eを注入し、該マイクロシリンジの先端に武蔵エンジニアリング社製ノズルを装着しFAD600(商品名、武蔵エンジニアリング社製)に装着した。オリゴヌクレオチド描画形状は線状(24mm×1mm)となるようにプログラムしたして、溶液A及び溶液Eを塗布描画した。得られたオリゴヌクレオチド基板の状態を示す写真を図8(溶液Eの場合)及び図9(溶液Aの場合)に示す。得られた線状のオリゴヌクレオチド固定化基板について、前記工程1.〜工程3.の方法により評価を行った。その結果、溶液Eの場合は綺麗な線状を描画することができたが、溶液Aの場合は線状の描画をすることができなかった。これらの結果より、線状にオリゴヌクレオチドを固定化するために最も適している溶液は、溶液Eであることがわかった。
5.ポリエチレングリコールの分子量の検討
ポリエチレングリコールの分子量の違いでオリゴヌクレオチドの固定化量に影響があるのかを次のようにして調べた。分子量は200,600とした。オリゴヌクレオチド溶液は、ポリエチレングリコールを75%、オリゴヌクレオチドの濃度を25μMとした。塗布描画基板としてジーンスライド(商品名、日本パーカーライジング広島工場製)と、基板表面をアルデヒド処理を行ってある樹脂基板(商品名:アルデヒド処理プラスチック基板、住友ベークライト社製)を用いた。塗布描画条件は、前記工程4.記載の条件で行った。オリゴヌクレオチド溶液塗布後は取扱説明書の指示に従った。この後、MilliQ水で洗浄し、乾燥させた。この後の評価は、前記工程1.〜3.に記載の方法で行った。ジーンスライドにおいては、検出時のDNAマイクロアレイスキャナーの蛍光積算時間は15秒とした。アルデヒド処理プラスチック基板では、DNA溶液塗布後のインキュベーションを37℃で48時間として、検出時のDNAマイクロアレイスキャナーの蛍光積算時間は30秒とした。ジーンスライドを用いた場合の蛍光強度の検出結果を表すグラフを図10に、アルデヒド処理プラスチック基板を用いた場合の蛍光強度の検出結果を表すグラフを図11に示す。
図10及び図11によれば、ジーンスライドとアルデヒド処理プラスチック基板のどちらにおいても、分子量200で調整した溶液を用いた方が、シグナルが高い結果となり、分子量が低いほどDNAの固定化量が増加することがわかった。塗布描画状況については、いずれも図8に示すような非常に良好な線状であった。
本発明の生体分子の線状固定化基板の製造方法は、生体分子を線状に精度よく基板に形成することができる。該製造方法により得られた生体分子の線状固定化基板及び該基板を用いるチップは、該生体分子に親和性のある物質、特に、生体に含まれる物質の計測が、微量な試料で迅速に行えるため、試料採取における人体への苦痛が和らげ、臨床診断において有用である。本発明の生体分子の線状固定化基板は、化学産業、製薬産業をはじめ、食品産業、農業技術など多くのバイオ関連産業において有用である。
本発明のチップの構成の1例の概略を示した平面図である。 本発明のチップの構成の1例の概略を示した断面図である。 1種類以上の生体分子を分析するためのチップであり、流路入口が一つであり流路出口が一つである場合の態様の概略を示す平面図である。 溶液A、B、D、Eを用いた蛍光強度の結果を表すグラフである。 溶液Aを用いた場合のDNAマイクロアレイスキャナー(Biodetect 645 Reader:商品名、GeneScan社製)による蛍光強度の検出結果を表す写真である。 溶液Bを用いた場合のDNAマイクロアレイスキャナー(Biodetect 645 Reader:商品名、GeneScan社製)による蛍光強度の検出結果を表す写真である。 溶液Eを用いた場合のDNAマイクロアレイスキャナー(Biodetect 645 Reader:商品名、GeneScan社製)による蛍光強度の検出結果を表す写真である。 実施例で得られたオリゴヌクレオチド基板の状態を示す写真(溶液Eの場合)である。 実施例で得られたオリゴヌクレオチド基板の状態を示す写真(溶液Aの場合)である。 ジーンスライドを用いた場合の蛍光強度の結果を表すグラフである。 アルデヒド処理プラスチック基板を用いた場合の蛍光強度の結果を表すグラフである。
符号の説明
1 マイクロチップ
2 流路
3 流路入口
4 流路出口
5 第1部材
6 第2部材
7 捕獲ゾーン

Claims (13)

  1. 生体分子を含む液体材料をシリンジ内に収容し、該シリンジ内を加圧することにより該シリンジに連通するノズルから所定量の該液体材料を連続的に吐出して、少なくとも表面が液体非吸収性の基板と該ノズルを相対的に移動させながら該基板上に線状に塗布描画し、次いで乾燥して生体分子を固定化することを特徴とする生体分子の線状固定化基板の製造方法。
  2. 前記生体分子が、核酸、タンパク質、ペプチド、糖鎖、及び糖脂質から選ばれた1種以上である請求項1記載の生体分子の線状固定化基板の製造方法。
  3. 前記基板を構成する材料が、ガラス、樹脂、セラミックス、シリコン及び金属から選ばれたものである請求項1記載の生体分子の線状固定化基板の製造方法。
  4. 前記液体材料が、描画塗布後、6時間以上乾燥しない性質の溶媒を含むものである請求項1の生体分子の線状固定化基板の製造方法。
  5. 前記液体材料が、ポリエーテルを含む請求項1記載の生体分子の線状固定化基板の製造方法。
  6. 前記液体材料が、ポリエチレングリコールを含む請求項1記載の生体分子の線状固定化基板の製造方法。
  7. 前記基板表面の全面又は一部が、スクシンイミド基、アルデヒド基、マレイミド基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基、水酸基から選ばれた1種以上の反応性基で修飾されている請求項1記載の生体分子の線状固定化基板の製造方法。
  8. 前記基板の全面又は一部が、金属で修飾あるいは構成されている請求項1記載の生体分子の線状固定化基板の製造方法。
  9. 前記基板上に形成された塗布描画物の距離(長さ)が、0.1mm以上である請求項1記載の生体分子の線状固定化基板の製造方法。
  10. 前記基板上に形成された塗布描画物の幅が、0.01mm以上である請求項1記載の生体分子の線状固定化基板の製造方法。
  11. 請求項1乃至10の何れか1項記載の生体分子の線状固定化基板の製造方法により得られた基板と、流路となる流路溝を有する基板を接着させることにより流路を形成させたことを特徴とするチップ。
  12. 請求項1乃至10の何れか1項記載の生体分子の線状固定化基板の製造方法により得られた基板を用いた試料の分析方法。
  13. 請求項11に記載のチップにおける流路の入口に、該流路内に固定化されている生体分子に生物学的に親和性のある物質を含む液体試料を供給し、該生体分子と、該生体分子に親和性のある物質との親和性の有無、或いは程度を検知することを特徴とする試料の分析方法。
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