JP2006337061A - 熱線式流量センサ及び赤外線ガス分析計 - Google Patents

熱線式流量センサ及び赤外線ガス分析計 Download PDF

Info

Publication number
JP2006337061A
JP2006337061A JP2005159062A JP2005159062A JP2006337061A JP 2006337061 A JP2006337061 A JP 2006337061A JP 2005159062 A JP2005159062 A JP 2005159062A JP 2005159062 A JP2005159062 A JP 2005159062A JP 2006337061 A JP2006337061 A JP 2006337061A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flow
gas
flow sensor
silicon
resistor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005159062A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4666252B2 (ja
Inventor
Naoteru Kishi
直輝 岸
Hitoshi Hara
仁 原
Tetsuya Watanabe
哲也 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yokogawa Electric Corp
Original Assignee
Yokogawa Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yokogawa Electric Corp filed Critical Yokogawa Electric Corp
Priority to JP2005159062A priority Critical patent/JP4666252B2/ja
Publication of JP2006337061A publication Critical patent/JP2006337061A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4666252B2 publication Critical patent/JP4666252B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measuring Volume Flow (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)

Abstract

【課題】 4つ単結晶シリコン抵抗体を用いたのフローセンサにおいて、流量ゼロ付近の流量測定のS/Nを改善する。
【解決手段】 熱線式流量センサは、発熱する抵抗体がガスの流れによって冷却又は加熱されることで生じる抵抗値変化を利用した熱線式流量センサにおいて、ガスの流路となる2つの開口部を備えた基板に、前記開口部を跨ぐようにシリコン抵抗体を配置したエアブリッジ構造のフローセンサチップであり、前記フローセンサチップを搭載したフローセンサ基板を2つ重ね合わせ、流路基板を貼り合わせることによりガスの流れをU字に拘束し、U字の流路の各平行部分に等しい性能を持つ前記シリコン抵抗体を所定距離をもって2つずつ、計4個配置し、U字の流路を流れる被測定流れを強調し、外部振動によるガス慣性による相対流れを相殺するようにブリッジ回路を構成することである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、熱線式流量センサ及び赤外線ガス分析計に関し、詳しくは微小ガス流量を計測するセンサデバイスの基本センサ技術に関し、具体的には赤外線ガス分析計におけるガスセル吸収方式の検出器の微小ガス流量を計測するフローセンサ、熱磁気式酸素センサの微小ガス移動を検出するフローセンサ、その他の微小ガス流量を検出する計測器のフローセンサの改良に関する。
従来技術における赤外線ガス分析計は、測定対象ガスの赤外線吸収によって生じる基準セルと試料セルの赤外線の光量差を、ガスセル吸収方式の検出器、即ち、干渉補償検出器の内部に発生する圧力差で発生する流量をフローセンサで検出して、測定対象ガスの濃度を測定するというものである。
その構成は、図9に示すように、赤外線を出射させる赤外線光源111と、この赤外線光源111から発せられる赤外線光束を周期的に同時に、若しくは交互に断続させるモータ120で回転駆動される回転セクタ121と、回転セクタ121で断続されている赤外線光束を分配する分配セル112と、分配セル112の一方側に接続され測定光源として案内して測定光線路を形成する試料セル114と、分配セル112の他方側に接続され比較光源として案内して比較光線路を形成する基準セル113と、試料セル114及び基準セル113の出力側に配置され、両者の光線を受け入れる測定室117及び比較室116を持つ干渉補償検出器115と、測定室117及び比較室116の連通した流通路118に備えたガスの流通を検出するガス検出手段を形成するサーマルフローセンサ119と、このサーマルフローセンサ119で検出した信号を増幅して濃度信号を生成する交流電圧増幅器122と、から大略構成されている。
サーマルフローセンサ119は、図10に示すように、熱線式のもので、その構成はブリッジ回路を組込み、流路に対向する熱線のフローセンサである抵抗体Rth1、Rth2を2個配置し、他の参照抵抗R1、R2を流路外に配置した構成のものがある。
他の例としてのフローセンサは、図11に示すように、熱線式のもので、熱線式フローセンサでブリッジ回路を組み込み、4つの熱線式フローセンサである抵抗体Rth1、Rth2、Rth3、Rth4を流路に配置した構成のものがある。
更に、振動対策を施したフローセンサは、図12に示すように、4つの熱線でブリッジ回路を組み込み、測定対象となるガスの流れで発生する抵抗変化係数をa、振動によるガス慣性で発生する抵抗変化係数をb、各々の熱線の抵抗値をRとすると、第1抵抗体131aはR(1−b)、第2抵抗体131bはR(1+b)、第3抵抗体131cはR(1−a−b)、第4抵抗体131dはR(1+a+b)で表すことができる。そして、第1抵抗体131a及び第2抵抗体131bが流路から外れた位置に配置され、第3抵抗体131c及び第4抵抗体131dが流路に配置されている。
このような構成からなる赤外線ガス分析計において、先ず、赤外線光源111から発せられた赤外線が分配セル112により2つに分割され、それぞれ基準セル113、試料セル114に入射する。基準セル113には不活性ガスなど測定対象成分を含まないガスが充填されている。また、試料セル114には測定試料が流通する。分配セル112で2つに分けられた赤外線は試料セル114でのみ測定対象成分による吸収を受け干渉補償検出器115に到達する。
干渉補償検出器115は、基準セル113からの赤外光と試料セル114からの赤外光を受ける2室(比較室116、試料室117)からなっており、その2室が流通路118でつながる構造をしており、その流通路118にガスの行き来を検出するためのサーマルフローセンサ119が取り付けられている。干渉補償検出器115内には測定対象と同じ成分を含むガスが充填されており、基準セル113、試料セル114からの赤外線が照射されると測定対象成分ガスが赤外線を吸収することで、その中でガスが熱膨張する。
試料セル114内の測定試料に測定対象成分が多く含まれると、赤外線はそこで多くが吸収されるため、干渉補償検出器115では比較室116に多くの赤外線が照射され、よりガスが膨張する。赤外線は回転セクタ121で遮断、照射を繰り返しており、遮断されたときは比較室116、測定室117とも赤外線が照射されないのでガスは膨張せず、赤外線が照射されると干渉補償検出器115の測定室117には試料セル114内の測定対象成分濃度に応じた赤外線が照射され、測定室117には試料中の測定対象成分濃度に応じた赤外線が照射されるため、試料中の測定対象成分の濃度に応じて両室の間に差圧が生じ、両室間の間に設けられた流通器118をガスが行き来することとなる。そのガスの挙動をサーマルフローセンサ119で検出し、交流電圧増幅器122で交流電圧増幅し、濃度信号として出力する。
特開2005−98778号公報(第5頁〜第6頁 第1図)
しかし、従来技術で説明した赤外線ガス分析計においては、マイクロフローセンサの発熱体は、ニッケル、白金などが用いられてきた。微小流量を検出するために流速径が小さい領域で熱線を作成する必要があり、熱線の長さは長く、熱線の幅は小さくする必要がある。
前述の金属材料では、自立支持させる長さと幅に制限があり、金属は比抵抗が小さいことなどから、抵抗幅を大きくできない課題があった。
単結晶シリコンマイクロフローセンサである2つの抵抗体Rth1、Rth2をガスセルの流路に配置した図10の構成は、外付けの抵抗器とブリッジ回路を構成するので、ガスセル内部(フローセンサ)の温度とガスセル外部(参照用の外付け抵抗器)が異なるため、フローセンサと抵抗器の抵抗温度係数の違いと温度の違いから影響を受けやすいという問題点があった。
又、図11のような構成は、フローセンサと参照抵抗は同じ材質で作成でき、抵抗温度係数の違いが発生しにくく、周囲温度の影響を除去できる利点があるが、振動によって発生するガス慣性によるノイズに弱い。
従って、マイクロフローセンサの熱線として、金属材料にかわる比抵抗が大きく不純物導入技術により比抵抗制御が容易な単結晶シリコンを用いた4つのシリコン抵抗体をフローセンサとして用い、流路基板とフローセンサ基板を貼り合わせることにより流れがU字に拘束し、U字の各並行部分に等しい性能を持つ熱線を所定距離を保って2つずつ、計4つ配置し、U字を流れる被測定流れを強調し、外部振動によるガス慣性による相対流れを相殺するようにブリッジ回路を構成し、外部温度の影響、ガスセルの内圧変動による熱伝導の影響、振動によって発生するガス慣性によるノイズの影響を低減することによって、流量ゼロ付近の微小ガス流量測定のS/Nを改善することに解決しなければならない課題を有する。
上記課題を解決するために、本願発明の熱線式流量センサ及び赤外線ガス分析計は、次に示す構成にしたことである。
(1)熱線式流量センサは、発熱する抵抗体がガスの流れによって冷却又は加熱されることで生じる抵抗値変化を利用した熱線式流量センサにおいて、ガスの流路となる2つの開口部を備えた基板に、前記開口部を跨ぐようにシリコン抵抗体を配置したエアブリッジ構造のフローセンサチップであり、前記フローセンサチップを搭載したフローセンサ基板を2つ重ね合わせ、流路基板を貼り合わせることによりガスの流れをU字に拘束し、U字の流路の各平行部分に等しい性能を持つ前記シリコン抵抗体を所定距離をもって2つずつ、計4個配置し、U字の流路を流れる被測定流れを強調し、外部振動によるガス慣性による相対流れを相殺するようにブリッジ回路を構成することである。
(2)前記ブリッジ回路は、前記一方のフローセンサ基板の2つのシリコン抵抗体を直列接続し、前記もう一つのフローセンサ基板の2つのシリコン抵抗体を直列接続してブリッジを構成することである(1)に記載の熱線式流量センサ。
(3)前記シリコン抵抗体はミアンダ状に形成されていることを特徴とする(1)又は(2)に記載の熱線式流量センサ。
(4)赤外線ガス分析計は、測定光線路に配置され、赤外線吸収を行う被分析ガスを含む試料ガス中を通過した測定光線が入射する測定室と、比較光線路に配置され、赤外線吸収を実質的に受けない比較光線が入射する比較室と、前記測定室及び比較室を連通するガス通路と、前記ガス通路に設置されたフローセンサと、前記測定室及び比較室内に前記被分析ガスと同種類のガスを充填すると共に、前記測定光線及び比較光線を周期的に断続して前記測定室及び比較室にそれぞれ入射させ、その際に生じる前記測定室及び比較室の圧力変動に基づくガスの流れ方向によりガスを検出するガス検出手段と、からなり、前記フローセンサは、流路となる2つの開口部を備えた基板に、前記開口部を跨ぐようにシリコン抵抗体を配置したエアブリッジ構造のフローセンサチップで形成され、前記フローセンサチップを搭載したフローセンサ基板を2つ重ね合わせ、流路基板を貼り合わせることによりガスの流れをU字に拘束し、U字の流路の各平行部分に等しい性能を持つ前記シリコン抵抗体を所定距離をもって2つずつ、計4個配置し、U字の流路を流れる被測定流れを強調し、外部振動によるガス慣性による相対流れを相殺するようにブリッジ回路を構成することである。
(5)前記ブリッジ回路は、前記一方のフローセンサ基板の2つのシリコン抵抗体を直列接続し、前記もう一つのフローセンサ基板の2つのシリコン抵抗体を直列接続してブリッジを構成することである(4)に記載の赤外線ガス分析計。
(6)前記シリコン抵抗体はミアンダ状に形成されていることを特徴とする(4)又は(5)に記載の赤外線ガス分析計。
本提案によれば、単結晶シリコンを用いた4つのシリコン抵抗体をフローセンサとして用い、U字の流路を形成する流路基板とフローセンサチップを搭載したフローセンサ基板を貼り合わせることによりガスの流れがU字に拘束し、U字の各並行部分に等しい性能を持つ熱線であるシリコン抵抗体をある距離を保って2つずつ、計4つ配置し、U字を流れる被測定流れを強調し、外部振動によるガス慣性による相対流れを相殺するようにブリッジ回路を構成し、外部温度の影響、ガスセルの内圧変動による熱伝導の影響、振動によって発生するガス慣性によるノイズの影響を低減することによって、流量ゼロ付近の微小ガス流量測定のS/Nを改善することができる。
次に、本願発明に係る熱線式流量センサ及び赤外線ガス分析計の実施形態について、図面を参照して説明する。
本願発明に係る熱線式流量センサを具現化できる赤外線ガス分析計は、従来技術で説明したものと同じく、赤外線光源から出射された赤外線が、試料セルに入射する前、及び透過後の光量変化(試料ガス吸収による赤外線の減衰)のみを、直接ガスセル検出器(干渉補償検出器)で検出するよう構成したものである。
このガスセル検出器のフローセンサに特徴があり、ガスの流路となる2つの開口部を備えた基板に、この開口部を跨ぐようにミアンダ状のシリコン抵抗体を配置したエアブリッジ構造のフローセンサチップで形成し、このフローセンサチップを搭載したフローセンサ基板を2つ重ねると共に、その重ね合わせた両端に更にU字状の流路を形成する流路基板を貼り合わせることで開口部を利用したU字状の流路を作成する。そして、U字の各並行部分に等しい性能を持つシリコン抵抗体を所定距離を保って2つずつ、計4つ配置し、U字を流れる被測定流れを強調し、外部振動によるガス慣性による相対流れを相殺するようにブリッジ回路を構成し、外部温度の影響、ガスセルの内圧変動による熱伝導の影響、振動によって発生するガス慣性によるノイズの影響を低減する。
このようなフローセンサを備えた赤外線ガス分析計の構成は、図1に示すように、赤外線を出射させる赤外線光源11と、この赤外線光源11から発せられる赤外線光束を周期的に同時に、若しくは交互に断続させるモータ20で回転駆動される回転セクタ21と、回転セクタ21で断続されている赤外線光束を分配する分配セル12と、分配セル12の一方側に接続され測定光源として案内して測定光線路を形成する試料セル14と、分配セル12の他方側に接続され比較光源として案内して比較光線路を形成する基準セル13と、試料セル14及び基準セル13の出力側に配置され、両者の光線を受け入れる測定室17及び比較室16を持つ干渉補償検出器15と、測定室17及び比較室16の連通した流通路18に備えたガスの流通を検出するガス検出手段を形成するフローセンサ19と、このフローセンサ19で検出した信号を増幅して濃度信号を生成する交流電圧増幅器22と、から大略構成されている。
また、図においては、干渉補償を行うためのペアの検出器部分の図示を省略しているが、前記図9の如く、同一構成の補償用検出器が直列に挿入されているものである。
なお、干渉補償を行わない場合には、補償用の検出器部分は、不要となる。
フローセンサ19は、後述するフローセンサチップを搭載したフローセンサ基板とU字の流路を形成する流路基板とで構成されている。
フローセンサチップ31は、図2及び図3に示すように、単結晶シリコン(SOI基板)を用いて熱線式のフローセンサとなる抵抗体を形成したチップであり、このチップ31は、シリコン基板32に2つの開口部33a、33bを備え、この開口部33a、33bを跨ぐようにシリコン酸化膜34上にシリコン活性層35で形成された櫛歯状のシリコン抵抗体36a、36bを備え、このシリコン抵抗体36a、36bは開口部33a、33bに臨むように形成された、所謂、自立支持構造に構成されている。そして、このシリコン抵抗体36a、36bの基部に電極37a、37b、37cが備えられ、外部に接続できる構造となっている。
フローセンサ19は、図5に示すように、上記説明したフローセンサチップ31を搭載した第1及び第2フローセンサ基板41、42を重ね合わせ、開口部33a、33bを流路とすると共に、U字状の流路を形成するために、流路をターンさせるための陥没面43を備えた第1流路基板44、第2フローセンサ基板42の開口部33a、33bに合わせた位置に貫通孔45a、45bを備えた第2流路基板46、から構成されている。
これらの構成からなるフローセンサ19は、図6乃至図8に示すように、電極を支持する電極支持部47を絶縁状態で支持するステム48上に陥没面43を上向きにして第1流路基板44を搭載する。その上にフローセンサチップ31を搭載した第1フローセンサ基板41を載せ、やはりその上にフローセンサチップ31を搭載してある第2フローセンサ基板42を重ね合わせるようにして載せる。その上部に貫通孔45a、45bを開口部33a、33bに合わせるようにして第2流路基板46を載せることで、U字状の流路に形成され、そのU字状流路の各平行な流路にシリコン抵抗体36a、36bが臨んだ状態で配置することができる。
即ち、図5に示すように、一方の流路49aには第1フローセンサ基板41のシリコン抵抗体(第1抵抗体50a)と第2フローセンサ基板42のシリコン抵抗体(第2抵抗体50b)がガスの流れに対して上流と下流の関係で配置される。一方の流路49aと反対方向に流れる他方の流路49bには第2フローセンサ基板42のシリコン抵抗体(第3抵抗体50c)と第1フローセンサ基板41のシリコン抵抗体(第4抵抗体50d)がガスの流れに対して上流と下流の関係で配置される。
この4つのシリコン抵抗体(第1〜第4抵抗体50a〜50d)は、図4に示すブリッジ回路を構成しており、第1フローセンサ基板41の第3抵抗体50cと同一基板41の第2抵抗体50bが直列接続され、第2フローセンサ基板42の第4抵抗体50dと同一基板42の第1抵抗体50aが直接接続され、第3抵抗体50cと第4抵抗体50d側からブリッジ電圧が印加される。そして第3抵抗体50cと第2抵抗体50bとの接続点、第4抵抗体50dと第1抵抗体50aとの接続点からブリッジ出力を得る構成になっている
このような構成のブリッジ回路において、第1抵抗体50aと第2抵抗体50bのペア、第3抵抗体50cと第4抵抗体50dのペアはガスの流れに対し、それぞれ下流の抵抗体は冷やされ抵抗値が減少し、上流の抵抗体は加熱され抵抗値が増加する。例えば、図5に示すガス流路49aに矢印方向P1のガスであるときに、第1抵抗体50aが冷やされるとその分抵抗値が減少するため、直列接続の第3抵抗体50cに流れる電流が多くなり、第3抵抗体50cは加熱され抵抗値が増加する。
測定対象となるガスに対しては、U字に流れるため第1抵抗体50aと第3抵抗体50c、第2抵抗体50bと第4抵抗体50dが同様の挙動を示す。
一方、外部振動によるガス慣性に起因した相対的な流れに対しては、第1抵抗体50aと第4抵抗体50d、第2抵抗体50bと第3抵抗体50cが同様の挙動を示す。
図4に示すブリッジ回路の動作は、測定対象となるガスの流れで発生する抵抗変化率をa、振動によるガス慣性で発生する抵抗変化率をb、各々のの抵抗体の抵抗値をRとすると、第1抵抗体50aはR(1−a−b)、第2抵抗体50bはR(1+a+b)、第3抵抗体50cはR(1−a−b)、第4抵抗体50dはR(1+a−b)で表すことができる。
ブリッジ出力Vとブリッジ電圧Vの関係は、表1内に示す関係式であり、それは、
振動対策のない従来例においては、
=(2a−2b)/(4−2ab−a−b)・V
であり、
振動対策のある本提案のものにおいては、
=a/(1−b)・V
である。
Figure 2006337061
この式の意味するところは、図10に示す従来例のブリッジ回路に対し、本提案では振動によるガス慣性で発生する抵抗変化率bの一次項は相殺され影響は低減されることが容易に理解できる。図11に示す従来例のブリッジ回路に対しても、ブリッジ出力は2倍となることから優位である。
具体例として、測定対象のガスの流れで発生する抵抗変化a=0.01と仮定し、振動によるガス慣性で発生する抵抗変化bを変えたときの比較結果を上述した表1に示す。
図11に示す従来例ではaとbとが信号に与える影響は等しく、ほぼ比例し、a=bで検出限界(S/N<1)になるのに対して、本提案の構成では、ガス慣性の影響はガスの流れによる信号に対して0.01%しか発生せず、十分なS/Nが得られる。
以上説明した、熱線式流量センサは、赤外線ガス分析計におけるガスセル内の微小ガス流量を計測する微小流量計への応用にとどまることなく、例えば、熱磁気式酸素センサの微小ガス移動を計測する微小ガス流量計への応用、その他の微小ガス流量を検出するときに用いる計測器の微小ガス流量計へ応用できる。
マイクロフローセンサの熱線として、金属材料にかわる比抵抗が大きく不純物導入技術により比抵抗制御が容易な単結晶シリコンを用いた4つのシリコン抵抗体をフローセンサとして用い、流路基板とフローセンサ基板を貼り合わせることにより流れがU字に拘束し、U字の各並行部分に等しい性能を持つフローセンサをある距離を保って2つずつ、計4つ配置し、U字を流れる被測定流れを強調し、外部振動によるガス慣性による相対流れを相殺するようにブリッジ回路を構成し、外部温度の影響、ガスセルの内圧変動による熱伝導の影響、振動によって発生するガス慣性によるノイズの影響を低減することによって、流量ゼロ付近の微小ガス流量測定のS/Nを改善した熱線式流量センサ及び赤外線ガス分析計を提供する。
本願発明の赤外線ガス分析計を略示的に示したブロック図である。 同、フローセンサを形成するフローセンサチップの上面図である。 同、フローセンサを形成するフローセンサチップの断面図である。 同、2つのフローセンサチップを搭載した基板を重ね合わせてU字状の流路を形成したときのフローセンサを略示的に示した断面図である。 同、フローセンサのブリッジ回路を示した回路図である。 同、フローセンサを組立てるための組立例である。 同、フローセンサを組立てるための組立例である。 同、フローセンサを組立てた外観図である。 従来技術における赤外線ガス分析計を略示的に示したブロック図である。 同、フローセンサのブリッジ回路を示した回路図である。 同、フローセンサのブリッジ回路を示した回路図である。 同、他のフローセンサのブリッジ回路を示した回路図である。
符号の説明
11 赤外線光源
12 分配セル
13 基準セル
14 試料セル
15 干渉補償検出器
16 比較室
17 測定室
18 流通路
19 フローセンサ
20 モータ
21 回転セクタ
22 交流電圧増幅器
31 フローセンサチップ
32 シリコン基板
33a 開口部
33b 開口部
34 シリコン酸化膜
35 シリコン活性層
36a シリコン抵抗体
36b シリコン抵抗体
37a 電極
37b 電極
37c 電極
41 第1フローセンサ基板
42 第2フローセンサ基板
43 陥没面
44 第1流路基板
45a 貫通孔
45b 貫通孔
46 第2流路基板
47 電極支持部
48 ステム
49a 一方の流路
49b 他方の流路
50a 第1抵抗体
50b 第2抵抗体
50c 第3抵抗体
50d 第4抵抗体

Claims (6)

  1. 発熱する抵抗体がガスの流れによって冷却又は加熱されることで生じる抵抗値変化を利用した熱線式流量センサにおいて、
    ガスの流路となる2つの開口部を備えた基板に、前記開口部を跨ぐようにシリコン抵抗体を配置したエアブリッジ構造のフローセンサチップであり、
    前記フローセンサチップを搭載したフローセンサ基板を2つ重ね合わせ、流路基板を貼り合わせることによりガスの流れをU字に拘束し、U字の流路の各平行部分に等しい性能を持つ前記シリコン抵抗体を所定距離をもって2つずつ、計4個配置し、U字の流路を流れる被測定流れを強調し、外部振動によるガス慣性による相対流れを相殺するようにブリッジ回路を構成することを特徴とする熱線式流量センサ。
  2. 前記ブリッジ回路は、前記一方のフローセンサ基板の2つのシリコン抵抗体を直列接続し、前記もう一つのフローセンサ基板の2つのシリコン抵抗体を直列接続してブリッジを構成することである請求項1に記載の熱線式流量センサ。
  3. 前記シリコン抵抗体はミアンダ状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱線式流量センサ。
  4. 測定光線路に配置され、赤外線吸収を行う被分析ガスを含む試料ガス中を通過した測定光線が入射する測定室と、
    比較光線路に配置され、赤外線吸収を実質的に受けない比較光線が入射する比較室と、
    前記測定室及び比較室を連通するガス通路と、
    前記ガス通路に設置されたフローセンサと、
    前記測定室及び比較室内に前記被分析ガスと同種類のガスを充填すると共に、前記測定光線及び比較光線を周期的に断続して前記測定室及び比較室にそれぞれ入射させ、その際に生じる前記測定室及び比較室の圧力変動に基づくガスの流れ方向によりガスを検出するガス検出手段と、
    からなり、
    前記フローセンサは、流路となる2つの開口部を備えた基板に、前記開口部を跨ぐようにシリコン抵抗体を配置したエアブリッジ構造のフローセンサチップで形成され、
    前記フローセンサチップを搭載したフローセンサ基板を2つ重ね合わせ、流路基板を貼り合わせることによりガスの流れをU字に拘束し、U字の流路の各平行部分に等しい性能を持つ前記シリコン抵抗体を所定距離をもって2つずつ、計4個配置し、U字の流路を流れる被測定流れを強調し、外部振動によるガス慣性による相対流れを相殺するようにブリッジ回路を構成することを特徴とする赤外線ガス分析計。
  5. 前記ブリッジ回路は、前記一方のフローセンサ基板の2つのシリコン抵抗体を直列接続し、前記もう一つのフローセンサ基板の2つのシリコン抵抗体を直列接続してブリッジを構成することである請求項4に記載の赤外線ガス分析計。
  6. 前記シリコン抵抗体はミアンダ状に形成されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の赤外線ガス分析計。
JP2005159062A 2005-05-31 2005-05-31 熱線式流量センサ及び赤外線ガス分析計 Expired - Fee Related JP4666252B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005159062A JP4666252B2 (ja) 2005-05-31 2005-05-31 熱線式流量センサ及び赤外線ガス分析計

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005159062A JP4666252B2 (ja) 2005-05-31 2005-05-31 熱線式流量センサ及び赤外線ガス分析計

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006337061A true JP2006337061A (ja) 2006-12-14
JP4666252B2 JP4666252B2 (ja) 2011-04-06

Family

ID=37557754

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005159062A Expired - Fee Related JP4666252B2 (ja) 2005-05-31 2005-05-31 熱線式流量センサ及び赤外線ガス分析計

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4666252B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102980870A (zh) * 2012-12-10 2013-03-20 武汉四方光电科技有限公司 一种高精度微流红外气体传感器及其测量方法
JP2013185867A (ja) * 2012-03-06 2013-09-19 Fuji Electric Co Ltd 赤外線ガス分析計用検出器
JP2016217814A (ja) * 2015-05-18 2016-12-22 アズビル株式会社 熱式流量計及びその傾斜誤差改善方法
CN109269580A (zh) * 2018-11-27 2019-01-25 河北大学 一种用于两相流检测的矩形检测装置及方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5290984A (en) * 1976-01-26 1977-07-30 Fuji Electric Co Ltd Infrared gas analyzer
JP2005003468A (ja) * 2003-06-11 2005-01-06 Yokogawa Electric Corp フローセンサ
JP2006184226A (ja) * 2004-12-28 2006-07-13 Yokogawa Electric Corp 赤外線ガス分析計およびその出力補償方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5290984A (en) * 1976-01-26 1977-07-30 Fuji Electric Co Ltd Infrared gas analyzer
JP2005003468A (ja) * 2003-06-11 2005-01-06 Yokogawa Electric Corp フローセンサ
JP2006184226A (ja) * 2004-12-28 2006-07-13 Yokogawa Electric Corp 赤外線ガス分析計およびその出力補償方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013185867A (ja) * 2012-03-06 2013-09-19 Fuji Electric Co Ltd 赤外線ガス分析計用検出器
CN102980870A (zh) * 2012-12-10 2013-03-20 武汉四方光电科技有限公司 一种高精度微流红外气体传感器及其测量方法
JP2016217814A (ja) * 2015-05-18 2016-12-22 アズビル株式会社 熱式流量計及びその傾斜誤差改善方法
CN109269580A (zh) * 2018-11-27 2019-01-25 河北大学 一种用于两相流检测的矩形检测装置及方法
CN109269580B (zh) * 2018-11-27 2023-12-12 河北大学 一种用于两相流检测的矩形检测装置及方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4666252B2 (ja) 2011-04-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11073415B2 (en) Thermal fluid flow sensor having a dielectric membrane comprising discontinuities between the heating element and an edge
US6322247B1 (en) Microsensor housing
US5515714A (en) Vapor composition and flow sensor
CN104285500B (zh) 红外线发射器与ndir传感器
JP4122067B2 (ja) ガス/流体センサ
JP2008286604A (ja) 熱式流量計
JP4666252B2 (ja) 熱線式流量センサ及び赤外線ガス分析計
JPS6161013A (ja) 流体流量センサ
US20110110394A1 (en) Microstructured sensor for the detection of IR radiation
JP6722989B2 (ja) 気体センサ装置
JP4595745B2 (ja) 赤外線ガス分析計
JP2992848B2 (ja) 熱伝導率検出器
JP4411599B2 (ja) 赤外線ガス分析計および赤外線ガス分析方法
JP4765458B2 (ja) フローセンサ
Schröder et al. A large-area single-filament infrared emitter and its application in a spectroscopic ethanol gas sensing system
JP6807005B2 (ja) 流量センサ
JP2006329914A (ja) 熱線式流量センサ及び赤外線ガス分析計
JP4419835B2 (ja) 赤外線ガス分析計およびその出力補償方法
JP2010230388A (ja) フローセンサ
CN108020682A (zh) 一种光学无线加速度传感器
JP2004144560A (ja) フローセンサ素子およびフローセンサ
US10704947B2 (en) Airflow management device including a slanted passage and a branching passage between two plates supported by pillars
JP2005257621A (ja) 赤外線検出器およびこれを用いた分析計
JPH085433A (ja) マスフローセンサおよびこのマスフローセンサを用いた赤外線ガス分析計
JP2006300805A (ja) フローセンサと赤外線ガス分析計

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071211

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101208

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101217

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101230

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140121

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees