JP2006336444A - 漆喰製板状体、製造方法及び漆喰塗装面形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】漆喰製板状体を突合せて敷き詰める場合に発生する目地状突合せ部の発生、漆喰製板状体表面の汚れ、損傷等問題、漆喰製板状体の物理的強度の低レベル等の諸問題を解決すること。
【解決手段】表面側全面は炭酸ガス低透過性シート2によって密着下に被覆されており、しかも炭酸ガスによる気硬化が未進行状態にあり、裏面側全面は直接又は、水分及び炭酸ガス透過性多孔支持体4を介して空気との接触下にあって炭酸ガスによる気硬化の進行した状態にある漆喰層3を有する漆喰製板状体1。
【選択図】図2

Description

本発明は、従来建築物の天井、内外壁等の現場塗装材料して使用されてきた漆喰の混練物を大量生産工場において予め特殊な構成の板状体に成形して置き、現場塗装作業に代え、該漆喰塗装の必要な部分に該板状体を張り付け、しかもその特殊な構成を使用することによって、板状体突合せ部分に不可避的に生ずる不連続表面を消去したり、板状体の表面の損傷、汚れ等を除去したり、逆に各種模様付けすることのできる漆喰製板状体、その製造方法、さらには該板状体を使用した漆喰塗装面の形成方法に係る技術分野に属する。
建築物の内外壁とか天井等の表面には、古来漆喰を塗装材料として使用した特徴のある塗装面が好まれて来たが、塗装材料の調製、続く塗装がすべて現場作業であり、その作業能率、品質等が気候、天候、個人の技能、経験、技術等によって大きく左右され、再現性のある、しかも平面性等に勝れた塗装内外壁を得ることは困難であった。
しかも、漆喰は粘度が極度に低いため、一回の塗装厚みには限界があり、厚過ぎると塗装面が流れて均一厚みの塗装ができない欠点があるので、一回の塗装厚みを薄くし、塗装回数を多くしなければならない煩雑さがあった。このような煩雑さに加え、炭酸ガスによる気硬化反応が遅く、この点からも塗装厚みを薄くし、しかも塗装回数を増す必要があり、塗装作業の効率面で問題化されてきた。
更に、社会的変化、時代の変遷に伴い、漆喰塗装をはじめ各種塗装に携わる左官技術者が減少し、特に高度の技術を要求される漆喰塗装分野においてはこの傾向が強い。この結果、高級感を持つ塗装壁面が得られるにもかかわらず、従来の塗装方法による漆喰塗装自体が減少したとも考えられている。
最近、これら漆喰又は他の塗装材料を使用する塗装壁に替わって、工場での集中的大量生産型の合成樹脂製板状体等の壁材を使用する貼り付け壁が出現し、広く採用されてきている。
しかし、合成樹脂製板状体を室内壁用に使用した場合、該合成樹脂の種類、添加剤、該板状体の構成材料の種類、建築物構造体へ該板状体の取り付け手段として特殊な接着剤を使用するとその種類によっては、居住人の健康を害する揮発性物質が揮発し、室内に出ていわゆるシックハウス症候群等と呼ばれる疾患の原因になっており、ホルムアルデハイドその他の揮発性有機化合物(VOC)の発生防止、又は材料としての使用の回避等に関する対策が強く要望されている。
シックハウス症候群等の疾患については、上記合成樹脂製板状体の使用に限らず、合成樹脂製又は合成樹脂含有塗装材料を使用する場合についても同様な問題が発生しており、同様の対策の確立が強く要望されている。
このような技術的背景のもと、材料的には居住人の健康に無害な漆喰の使用が見直され、前記のような技術的問題点を解決した漆喰製板状体の研究が見られるようになった。
しかし、漆喰製板状体の場合は複数枚を突合せて敷き詰めた場合に必ず発生する目地状突合せ部の見苦しい外観的問題、対雨じまい問題、該板状体表面の汚れ、損傷等の除去問題等は解決されていないのが原状である。
従って、本発明の課題は、漆喰製板状体を複数枚突合せて敷き詰める場合に発生する前記目地状突合せ部発生という好ましくない外観的問題、風雨侵入問題、取り扱い時に往々にして発生する板状体表面の汚れ、損傷等の問題、漆喰製板状体の物理的強度が低レベルである等の諸問題を解決することにある。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意研究をした結果、漆喰製板状体の特殊な性質を発見し、該性質を利用した特殊な構成の板状体を製造して使用すれば、上記諸問題を解決し得ることを見出し、本発明を完成した。
以下、本発明の要旨を述べる。
第1の発明は、表面側全面は炭酸ガス低透過性シートによって密着下に被覆され、且つ炭酸ガスによる気硬化が未進行状態にあり、裏面側全面は空気との直接接触下に又は水分及び炭酸ガス透過性多孔支持体との密着下にあって炭酸ガスによる気硬化の進行した状態にある漆喰層を有する漆喰製板状体に関する。
第2の発明は、炭酸ガス低透過性シートが合成樹脂系シート又はフィルムである前記第1の発明に記載の漆喰製板状体に関する。
第3の発明は、水分及び炭酸ガス透過性多孔支持体が多孔性無機質又は有機質のシート又は板材である前記第1又は第2の発明に記載の漆喰製板状体に関する。
第4の発明は、漆喰層が複数層からなり、各層間には多孔性補強材が介在してなる前記第1ないし第3の発明のいずれかに記載の漆喰製板状体に関する。
第5の発明は、前記第1の発明に記載の漆喰製板状体の製造方法であり、炭酸ガス低透過性シートを成形盤上に敷き、その上に未硬化漆喰を載置し、直接又は離型紙を介して該未硬化漆喰を加圧下に所望の厚さに拡げて未硬化の漆喰層を形成し、離型紙を使用した場合は該離型紙を除去した後、空気雰囲気下にて該漆喰の乾燥及び炭酸ガスによる気硬化を進行させる漆喰製板状体の製造方法に関する。
第6の発明は、前記第1の発明に記載の漆喰製板状体の製造方法であり、水分及び炭酸ガス透過性多孔支持体の上面に未硬化漆喰を載置し、炭酸ガス低透過性シートを介して該未硬化漆喰を加圧下に所望の厚さに拡げて未硬化の漆喰層を形成し、空気雰囲気下にて該漆喰層の乾燥及び炭酸ガスによる気硬化を進行させる漆喰製板状体の製造方法に関する。
第7の発明は、前記第4の発明に記載の漆喰製板状体の製造方法であり、炭酸ガス低透過性シートを成形盤上に敷き、その上に未硬化漆喰を載置し、直接又は離型紙を介して該未硬化漆喰を加圧下に所望の厚さに拡げて未硬化の漆喰層を形成し、離型紙を使用した場合は該離型紙を除去し、形成された漆喰層上面への多孔性補強用シートの重ね、前記未硬化漆喰の載置及び前記漆喰層形成の操作を1回以上繰り返した後、空気雰囲気下にて該漆喰の乾燥及び炭酸ガスによる気硬化を進行させる漆喰製板状体の製造方法に関する。
第8の発明は、前記第4の発明に記載の漆喰製板状体の製造方法であり、水分及び炭酸ガス透過性多孔支持体の上面に未硬化漆喰を載置し、直接又は離型紙を介して該未硬化漆喰を加圧下に所望の厚さに拡げて未硬化の漆喰層を形成し、離型紙を使用した場合は該離型紙を除去し、形成された漆喰層上面への多孔性補強用シートの重ね、前記未硬化漆喰の載置及び前記漆喰層形成の操作を1回以上繰り返し、最終の漆喰層の形成は、炭酸ガス低透過性シートを介して行い、該シートを剥離、除去することなく空気雰囲気下にて該漆喰の乾燥及び気硬化を進行させる漆喰製板状体の製造方法に関する。
第9の発明は、建築物構造体の表面に漆喰塗装面を形成する方法であって、前記第1ないし第4の発明のいずれかに記載の漆喰製板状体を複数枚、その裏面側を該建築物構造体の表面側と対向させて敷き詰め、相隣る該漆喰製板状体間突合せ部分の間隙を可及的少なくし、且つ該複数枚の漆喰製板状体の表面側を面一に調整して取り付け、漆喰製板状体表面側の炭酸ガス低透過性シートを剥離、除去した後、該漆喰製板状体の表面側全面に水を噴霧し、炭酸ガスによる気硬化未進行状態の漆喰を再湿潤化した全表面を左官用鏝で加圧下に混練、製面し、乾燥させるとともに炭酸ガスによる気硬化を進行させる建築物構造体表面に漆喰塗装面を形成する方法に関する。
本発明は、第1ないし第4の発明の構成を有する漆喰製板状体を提供することにより、各漆喰製板状体の表面側の未気硬化状態を生かして、相隣る板状体同士を突合せて建築物構造体等の内外表面に敷き詰めて取り付けたときに生ずる目地様の境界線とか、各板状体の表面側に生じた損傷、汚れ等をなくすることができるという効果を発揮する。
又、第5ないし第8の発明の構成を有する漆喰製板状体の製造方法をとることにより、前記第1ないし第4に記載の構成を有する漆喰製板状体を得ることができる効果を有し、得られた漆喰製板状体は上記同様の効果を発揮する。
更に、第9の発明の構成を有する工法をとることにより、前記第1ないし第4の発明に記載の漆喰製板状体が、その有する特性に基づく上記効果を発揮する。
以下、図面を用いて本発明の実施例の説明をし、同時に発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
図1は、第1の発明に係る漆喰製板状体の一例であり、漆喰製板状体1の厚み方向切断断面図を示す。該板状体1は漆喰層3とその表面側全面を密着下に被覆する炭酸ガス低透過性シート2とから構成され、しかも該漆喰層3の前記表面側31全面は炭酸ガスによる漆喰の気硬化が未進行状態にあり、逆に裏面側32全面は炭酸ガスによる漆喰の気硬化が進行した状態にある。
ここに使用される漆喰としては、従来左官用漆喰として一般に知られ、建築物の天井、内外壁等の塗装に使用されてきた又は改良の提案されている各種の漆喰系材料がそのまま適用でき、特に限定されるものではない。
漆喰の主原料である消石灰Ca(OH)は、石灰石CaCOを900〜1200℃でか焼して生石灰CaOを得、これに水を加えて得ることができる。ここに石灰石としては石灰岩が主として使用されるが、石灰岩の代わりに蛤、牡蠣などの貝殻も使用でき、製造される消石灰の貝灰は漆喰の特性改良に有用である。
漆喰には左官の作業性改善を目的として、通常「のり」成分が添加され、「角又」、「銀杏草」、「ふのり」等を原料とする海草糊の他、水溶性ポリマーであるメチルセルロースやポリビニルアルコール等の化学糊が一般的に知られている。
更に、漆喰には壁補強のために「すさ」と呼ばれる補強材が添加されることが多い。この補強材としては、通常繊維質のものであり、植物性繊維(和紙、麻)、化学繊維(炭素繊維、ガラス繊維等)が一般的である。
その他の添加材の使用は特に制限されるものではなく、用途、要求特性に応じて適宜使用される。
本発明において使用される炭酸ガス低透過性シートとは、現象的観点から言えばシートの一面側の炭酸ガスが他面側に物理的流れで通過することのないシートを指す。例えば光線が漏れるような程度の大きさの孔でも存在すれば、該孔を通って炭酸ガスは単なる物理的流れでもって透過してしまう。
本発明における炭酸ガス低透過性シートとしては、代表的には種々の合成樹脂シートを挙げることができ、合成樹脂としてはポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエチレン−酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、セルロースアセテート樹脂等を例示することができる。
本発明においては炭酸ガス低透過性シートが必要であるが、ここにいうシートとは厚みの薄いフィルムをも含む概念であるが、後記するように該シートを介して左官鏝等で漆喰を平滑に均したりする作業の必要上、物理的強度は勿論、左官鏝の均し効果が伝わる柔軟さも要求されるので、どの程度の厚みのシート(フィルムを含む)を使用するかは、目的とする漆喰製板状体の厚み、広さ等を勘案して適宜選択、使用される。
漆喰製板状体3の表面側31の漆喰層は炭酸ガスによる気硬化は進行していないが、この気硬化が進行していない理由は明確ではないが、前記の様に気硬化が進行していないと判断される根拠は、漆喰層を密着下に被覆しているシート2を剥離、除去して漆喰製板状体3表面を、例えば指で摩擦したときに大量の白い粉末、即ち消石灰の粉末が指に付着、剥落する現象が見られることにある。もし表面側31が炭酸ガスによる気硬化が進行していたならば、指での摩擦試験でも全く白い粉末の付着はなかったであろう。このことは、炭酸ガス低透過性シートによる被覆のない裏面側32は、炭酸ガスによる気硬化で炭酸石灰化し、上記同様に指で摩擦しても消石灰の白い粉末は全く付着しないという結果からも説明できる。
図2は、第1の発明に係る漆喰製板状体の他の一例であり、漆喰製板状体1の厚み方向切断断面図を示す。該板状体1は漆喰層3とその表面側31全面を密着下に被覆する、炭酸ガス低透過性シート2及び裏面側32全面に密着している水分及び炭酸ガス透過性多孔支持体4とから構成され、しかも該漆喰層3の前記表面側31全面は炭酸ガスによる漆喰の気硬化が未進行状態にあり、逆に裏面側32全面は炭酸ガスによる漆喰の気硬化が進行した状態にある。
図1の場合同様に、漆喰層3の表面側31のシートを剥離、除去すると指による摩擦試験で消石灰の白い粉末が指に付着することから、漆喰層3の表面側31は炭酸ガスによる気硬化が進行していないことが分かる。
しかし、裏面側32は気硬化し、且つ水分及び炭酸ガス透過性の多孔支持体4に硬く付着している。この裏面側32の気硬化の程度は上記多孔支持体4が存在するから直ちには判別できないが、多孔支持体を破壊して除去して検査したところ、図1の場合同様に、炭酸ガスによる気硬化層であることが確認された。
ここにいう水分及び炭酸ガス透過性多孔支持体とは、漆喰を塗装して得られる漆喰層と一体化した板状体を形成しうる支持体であり、塗装された漆喰の水分を通過させることができると同時に、外気の炭酸ガスを通過させることができる多孔性の支持体を指す。上記漆喰の水分の通過、放散により漆喰は乾燥状態になり、同時に漆喰が外気の炭酸ガスを通過、吸入することにより、炭酸ガスによる気硬化が進行する。
上記水分及び炭酸ガス透過性多孔支持体としては木製板、無機質板等が代表的であり、前者の具体例としては木製単層板、積層板(ベニヤ板等)、木粉又は木質繊維の圧縮固化板(不織布も含む)等が挙げられる。後者の具体例としてはガラス繊維、炭素繊維等の圧縮固化板(不織布も含む)、珪酸カルシュウム粉末圧縮固化板、珪藻土圧縮固化板等が挙げられる。
厚みに関しては特に限定されるものではなくて、漆喰層を建築物構造体に固定、支持できる強度、剛性があれば充分である。
図3は、第4の発明に係る漆喰製板状体の一例であり、図2の漆喰層3が複数(3a、3b)形成され、層間に多孔性補強用シート5が挟持された漆喰製板状体1の厚み方向切断断面図を示す。漆喰製板状体1は多孔性補強用シート5を挟む漆喰層3a、3b、漆喰層3aの表面側3a全面を密着下に被覆する炭酸ガス低透過性シート2及び漆喰層3bの裏面側3b全面に密着している水分及び炭酸ガス透過性多孔支持体4とから構成され、しかも該漆喰層3aの前記表面側3a全面は炭酸ガスによる漆喰の気硬化が未進行状態にあり、上記補強用シート5側3a全面及び漆喰層3bの上下面側3b及び3bは炭酸ガスによる漆喰の気硬化が進行した状態にある。
ここに使用される多孔性補強用シートとは、複数の漆喰層間にあって漆喰製板状体の物理的強度を向上させる目的を有するものであり、その有する多数の孔を介して両側の漆喰が互いに一体化することにより、又全体として積層構造を形成することにより補強効果が発揮される。
本発明において使用される多孔性補強用シートとしては、構造的には、加圧下に漆喰が通過しうる程度の大きさの孔を多数有する補強用シートであればよく、各種繊維、延伸テープ等の織布(布等)、不織布(布の他、シートをも含む概念)、延伸シートの延伸軸に沿った解繊シート、所望の径と分布を有する穿孔を有するシート(フィルム)が使用され、材質的には炭素繊維、有機高分子系合成繊維、天然繊維、有機高分子系シート(フィルム)等が好適である。
図4は、第5の発明に係る漆喰製板状体の製造方法の一例を示す。
より詳しくは、第1の発明で説明したような漆喰製板状体の製造方法の一例であり、平滑な成形盤P上に炭酸ガス低透過性シート2を置き、その上に炭酸ガスによる気硬化が進んでいない、好ましくは混練直後の漆喰塊3kを可及的広く載置し,該漆喰塊を直接又は漆喰に対して離型性を有する離型紙(シート又はフィルム)Sを介して左官用鏝T(単なる丸棒とか角棒でもよい)で空洞や凹凸のない所望の厚みの漆喰層にした後、前記離型紙を使用した場合は該離型紙を剥離、除去し、空気中に置かれる。
この操作により、該漆喰層の水分は上面側、即ち前記シート2のない側に移行し放湿して漆喰層は乾燥状態になるとともに、該シート2側は外気、即ち空気中の炭酸ガスと接触することがないので、乾燥した消石灰のまま残り、炭酸石灰になる気硬化が進行しないが、上面側に近づくほど乾燥に基づく水分の移動も多く、それとともに外気中の炭酸ガスの進入、接触も多くなり、気硬化が進行しやすい。このことは従来、建築物の下地への漆喰の塗装時に、炭酸石灰の生成は最も空気とよく接触する表面側から内方に向かって進行し、該進行は内方へ行くほど遅くなるといわれて来た事実と一致する。
なお、当然のことながら、上記方法で得られたシート2で被覆された漆喰製の薄板は、その周辺部に沿って適宜切断、除去して所望の製品としての漆喰製板状体が得られる。
図5は、第6の発明に係る漆喰製板状体の製造方法の一例を示すものであり、より詳しくは、第1の発明で説明したような漆喰製板状体を製造する方法の一例であり、水分及び炭酸ガス透過性多孔支持体4上に炭酸ガスによる気硬化が進んでいない、好ましくは混練直後の漆喰塊3kを可及的広く載置し,該漆喰塊を炭酸ガス低透過性シート2で被覆し、該シート2を介して左官用鏝T(単なる丸棒とか角棒でもよい)で空洞や凹凸のない所望の厚みの漆喰層にした後、漆喰層の乾燥及び炭酸ガスによる気硬化を進行させる漆喰製板状体の製造方法である。
この製造方法をとる場合、炭酸ガス低透過性シート2側の漆喰は外気に接触していないので、水分は下方の支持体4側に移動しつつ乾燥される。炭酸ガス透過性多孔支持体側は外気に接しており、水分を放出し、又同時に炭酸ガスの進入が可能であるので漆喰の乾燥、気硬化が進み易いことは図4の場合と同様である。
漆喰の炭酸ガス低透過性シート2側は乾燥は進んでも気硬化は進行せず、又はほとんど進行せず、消石灰の層ができ、指で摩擦すれば白い粉末が付着するような状態、換言すれば塗膜化していない状態の表面になっている。
反対側の水分及び炭酸ガス透過性多孔支持体4側は該多孔に漆喰が絡んで一体化することが多く、そのままの状態では漆喰の変化状況は把握できないが、境界部分の破壊検査での結果、乾燥も気硬化も進行していることが確認された。
この実施例の場合も、漆喰層をシート2と支持体4で挟持した構造の板状体の端縁部の不要な部分は適宜切断除去されて所望の形状、大きさの製品としての板状体が得られる。
図6は、第7の発明に係る漆喰製板状体の製造方法の一例を示すものであり、より詳しくは、第4の発明で説明したような漆喰製板状体を製造する方法の一例であり、炭酸ガス低透過性シート2を成形盤P上に敷き、その上に炭酸ガスによる気硬化が進んでいない、好ましくは混練直後の漆喰塊3kを可及的広く載置し、該漆喰を離型紙を介して左官用鏝T(単なる丸棒とか角棒でもよい)で加圧下に空洞や凹凸のない所望の厚さに拡げて未硬化の漆喰層3aを形成し、離型紙を剥離除去後、上面に多孔性補強用シート5を敷く。なお、図6では上記のように離型紙を使用する場合について説明したが、離型紙を使用せず、左官用鏝を直接漆喰塊に当てて操作してもよい。
続いて該多孔性補強用シート5表面に前記同様に炭酸ガスによる気硬化が進んでいない、好ましくは混練直後の漆喰塊3kを可及的広く載置し、該表面を再度離型紙Sで覆い、前記同様に左官用鏝Tで空洞や凹凸のない所望の厚みの漆喰層にするとともに、空気中で該漆喰層の乾燥及び炭酸ガスによる気硬化を進行させる。
上記の場合は、左官用鏝による操作を離型紙を介して行なったが、離型紙を使用することなく直接行なってもよい。
図6に示した方法により、多孔性補強用シート5を2層の漆喰層で挟持して多層化した高強度の漆喰製板状体が得られ、しかも一面が炭酸ガス低透過性シート2で気密に被覆されているので、漆喰層の該被覆面は消石灰化するのみで、炭酸ガスによる気硬化、炭酸石灰化が防止できる。
図7は、第8の発明に係る漆喰製板状体の製造方法の一例を示すものであり、より詳しくは、第4の発明で説明した漆喰製板状体を製造する方法の一例である。
先ず水分及び炭酸ガス透過性多孔支持体4上面に炭酸ガスによる気硬化が進んでいない、好ましくは混練直後の漆喰塊3kを可及的広く載置し、該漆喰を離型紙を介して左官用鏝T(単なる丸棒とか角棒でもよい)で加圧下に空洞や凹凸のない所望の厚さに拡げて未硬化の漆喰層3bを形成し、離型紙を剥離除去後、上面に多孔性補強用シート5を敷く。なお、図7では上記のように離型紙を使用する場合について説明したが、離型紙を使用せず、左官用鏝を直接漆喰塊に当てて操作してもよい。
続いて該多孔性補強用シート5表面に前記同様に炭酸ガスによる気硬化が進んでいない、好ましくは混練直後の漆喰塊3kを可及的広く載置し、該表面を炭酸ガス低透過性シート2で覆い、前記同様に左官用鏝Tで空洞や凹凸のない所望の厚みの漆喰層を形成する。
この結果、炭酸ガス低透過性シート2で気密に被覆されて、外気中の炭酸ガスによる直接の気硬化反応を起こさない漆喰層面と反対側は水分及び炭酸ガス透過性多孔支持体で被覆され、乾燥と炭酸ガス気硬化が起こる漆喰面を有し、しかも補強用シートの層を有する多層の漆喰製板状体を得ることができる。もちろん多孔性補強用シートの重ね、漆喰塊の載置及び該漆喰層の形成を繰り返せば3層以上の板状体になることは当然である。
なお、上記の場合は左官用鏝による操作を離型紙を介して行なったが、離型紙を使用することなく直接行なってもよい。
図7に示した方法により、多孔性補強用シート5を2層の漆喰層で挟持して多層化した高強度の漆喰製板状体が得られ、しかも一面が炭酸ガス低透過性シート2で気密に被覆されているので、漆喰層の該被覆面は消石灰化するのみで、炭酸ガスによる気硬化、炭酸石灰化が防止できる。
図8は、図1ないし図3に例示した漆喰製板状体又は図4ないし図7に例示した漆喰製板状体の製造方法により製造された漆喰製板状体であって、長方形のもの2枚の長辺同士を突合せ、且つ炭酸ガス低透過性シート2側を上方側にして面一になるように敷き詰めた後、該シート2を剥離除去し(図面での説明の便宜上、1部剥離の状態で示した)、該シートに接して形成されていた消石灰層に水Wを矢印で示したごとく適宜噴霧し、上記突合せ部分Kとか漆喰製板状体3の表面の、水の添加された消石灰層、即ち再度生成した未気硬化漆喰の層を左官用鏝Tで捏ね、同時に均している状態を示す平面図である。
この操作により、突合せ部分Kの目地状の溝は埋まり、又板状体の表面の汚れ、傷等が修復できるばかりか、上記捏ね、均し等の作業後に表面に模様付け用型を当接することにより、漆喰塗装面に模様付けもできる。
以上詳説して開示した本発明に係る漆喰製板状体の使用により、又漆喰製板状体の製造方法により、更には該漆喰製板状体使用による漆喰塗装面の形成方法の使用により、建築物構造体表面(天井面、内外壁面等)の他、非建築物内外表面の漆喰塗装における従来の問題点がほとんど解決し、工場生産的、多量生産的ラインに乗った漆喰塗装産業に変わるものと考えられる。
第1の発明に係る漆喰製板状体の一例の厚み方向切断断面図。 第1の発明に係る漆喰製板状体の他の一例の厚み方向切断断面図。 第4の発明に係る漆喰製板状体の一例の厚み方向切断断面図。 第5の発明に係る漆喰製板状体の製造方法の一例。 第6の発明に係る漆喰製板状体の製造方法の一例。 第7の発明に係る漆喰製板状体の製造方法の一例。 第8の発明に係る漆喰製板状体の製造方法の一例。 第1〜7の発明に係る漆喰製板状体を使用する漆喰塗装面形成方法を示す平面図。
符号の説明
1・・・・・・漆喰製板状体
2・・・・・・炭酸ガス低透過性シート
3・・・・・・漆喰層
3a・・・・・多孔性補強用シートを挟む漆喰層
3a・・・・漆喰層3aの表面側
3a・・・・漆喰層3aの補強用シート側
3b・・・・・多孔性補強用シートを挟む漆喰層
3b・・・・漆喰層3bの上面側
3b・・・・漆喰層3bの下面側
31・・・・・漆喰層の表面側
32・・・・・漆喰層の裏面側
3k・・・・・漆喰塊
4・・・・・・水分及び炭酸ガス透過性多孔支持体
5・・・・・・多孔性補強用シート
P・・・・・・成形盤
S・・・・・・離型紙
T・・・・・・左官用鏝
W・・・・・・水
K・・・・・・漆喰製板状体突合せ部

Claims (9)

  1. 表面側全面は炭酸ガス低透過性シートによって密着下に被覆され、且つ炭酸ガスによる気硬化が未進行状態にあり、裏面側全面は空気との直接接触下に又は水分及び炭酸ガス透過性多孔支持体との密着下にあって炭酸ガスによる気硬化の進行した状態にある漆喰層を有することを特徴とする漆喰製板状体。
  2. 炭酸ガス低透過性シートが合成樹脂系シート又はフィルムである請求項1記載の漆喰製板状体。
  3. 水分及び炭酸ガス透過性多孔支持体が多孔性無機質又は有機質のシート又は板材である請求項1又は2記載の漆喰製板状体。
  4. 漆喰層が複数層からなり、各層間には多孔性補強材が介在してなる請求項1、2又は3記載の漆喰製板状体。
  5. 請求項1記載の漆喰製板状体の製造方法であり、炭酸ガス低透過性シートを成形盤上に敷き、その上に未硬化漆喰を載置し、直接又は離型紙を介して該未硬化漆喰を加圧下に所望の厚さに拡げて未硬化の漆喰層を形成し、離型紙を使用した場合は該離型紙を除去した後、空気雰囲気下にて該漆喰の乾燥及び炭酸ガスによる気硬化を進行させることを特徴とする漆喰製板状体の製造方法。
  6. 請求項1記載の漆喰製板状体の製造方法であり、水分及び炭酸ガス透過性多孔支持体の上面に未硬化漆喰を載置し、炭酸ガス低透過性シートを介して該未硬化漆喰を加圧下に所望の厚さに拡げて未硬化の漆喰層を形成し、空気雰囲気下にて該漆喰層の乾燥及び炭酸ガスによる気硬化を進行させることを特徴とする漆喰製板状体の製造方法。
  7. 請求項4記載の漆喰製板状体の製造方法であり、炭酸ガス低透過性シートを成形盤上に敷き、その上に未硬化漆喰を載置し、直接又は離型紙を介して該未硬化漆喰を加圧下に所望の厚さに拡げて未硬化の漆喰層を形成し、離型紙を使用した場合は該離型紙を除去し、形成された漆喰層上面への多孔性補強用シートの重ね、前記未硬化漆喰の載置及び前記漆喰層形成の操作を1回以上繰り返した後、空気雰囲気下にて該漆喰の乾燥及び炭酸ガスによる気硬化を進行させることを特徴とする漆喰製板状体の製造方法。
  8. 請求項4記載の漆喰製板状体の製造方法であり、水分及び炭酸ガス透過性多孔支持体の上面に未硬化漆喰を載置し、直接又は離型紙を介して該未硬化漆喰を加圧下に所望の厚さに拡げて未硬化の漆喰層を形成し、離型紙を使用した場合は該離型紙を除去し、形成された漆喰層上面への多孔性補強用シートの重ね、前記未硬化漆喰の載置及び前記漆喰層形成の操作を1回以上繰り返し、最終の漆喰層の形成は、炭酸ガス低透過性シートを介して行い、該シートを剥離、除去することなく空気雰囲気下にて該漆喰の乾燥及び気硬化を進行させることを特徴とする漆喰製板状体の製造方法。
  9. 建築物構造体の表面に漆喰塗装面を形成する方法であって、請求項1ないし4のいずれかに記載の漆喰製板状体を複数枚、その裏面側を該建築物構造体の表面側と対向させて敷き詰め、相隣る該漆喰製板状体間突合せ部分の間隙を可及的少なくし、且つ該複数枚の漆喰製板状体の表面側を面一に調整して取り付け、漆喰製板状体表面側の炭酸ガス低透過性シートを剥離、除去した後、該漆喰製板状体の表面側全面に水を噴霧し、炭酸ガスによる気硬化未進行状態の漆喰を再湿潤化した全表面を左官用鏝で加圧下に混練、製面し、乾燥させるとともに炭酸ガスによる気硬化を進行させることを特徴とする建築物構造体表面に漆喰塗装面を形成する方法。
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