JP2006336342A - 転圧ローラおよび路面の転圧方法 - Google Patents

転圧ローラおよび路面の転圧方法 Download PDF

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Abstract

【課題】転圧施工の効率に優れる転圧ローラおよびこの転圧ローラを用いた路面の転圧方法を提供する。
【解決手段】前後にロールを備えた転圧ローラにおいて、少なくとも一方のロールは左右に分割されて同軸状に配置され、この左右のロール(右ロール6R、左ロール6L)を、正面視して中央に位置した他方のロール(後ロール7)に対して転圧ラップ代が生じる範囲内で、車幅方向に移動させてこの左右のロール間の距離を変更可能とするロール距離可変手段14を設けた。
【選択図】 図3

Description

本発明は、地盤や路面等の転圧施工に使用される転圧ローラおよびアスファルト合材等よりなる路面の転圧方法に関するものである。
複数の車線を有するアスファルト道路で転圧施工を行う場合は、施工外の車線で一般車両を通行させるべく一車線単位で施工を行うのが一般的である。また、複数の車線を有するアスファルト道路においては、その一車線の幅寸法は、特殊な場合を除いて日本等においては3.5m以下が標準となっている。
図15は、転圧ローラを用いて、車線幅3.5mのアスファルト道路を一車線について転圧施工する場合の従来の方法を示した平面説明図である。本図の転圧ローラはタンデム型(前後のロールが一列に配置され、轍が同じ位置になる型式)として示してあり、便宜上、ロール81,82のみ図示して車体等は省略してある。なお、転圧ローラとして振動装置を有したタイプである振動ローラにおけるロール内の構造の一例が特許文献1の図2に記載されている。また、マカダム型(3輪のロールを有する型式)の振動ローラの従来例としては特許文献2及び特許文献3に記載されている。
アスファルト道路を一車線について転圧施工するに当たり、従来で最も一般に行われている方法は(a)の方法であり、ロール81、82の転圧幅(ロール幅)が2.1mである場合、車線幅3.5mに対し、先ず一方寄りの走行レーンで車両を前進及び後進させることで所定回数往復走行した後、レーン変更して、転圧ラップが生ずるように他方寄りの走行レーンで所定回数往復走行するというものである。
しかし、この方法は、先に一方の走行レーンを往復走行している間に、他方の走行レーンにおけるアスファルト合材の温度(通常、転圧開始時の温度は130度〜140度)が下がってしまい、締固め密度に影響が出やすいという問題がある。一方の走行レーンのみを先に往復走行するのではなく、両方の走行レーンを交互に走行するという方法も考えられるが、この方法は、レーン変更のための車両の切り返し回数が多くなるという問題や、走行レーンのトレース精度が出にくいという問題がある。
そこで、施工区間が長い場合等、アスファルト合材の温度降下が特に問題となるような場合には、(b)のように、2台の転圧ローラを転圧ラップが生ずるように前後にずらした状態で併走させるという方法が採られている。
米国特許公報登録第4619552号(Fig.2) 実公平3−24647号公報 特開2001−342609号公報
しかし(b)の方法では、転圧ローラおよび運転者を複数要することになるので施工コストが高くなるという問題や、併走して走るため各運転者は路面状態の確認に加えて車両同士の接触にも気を配りながら運転しなければならないという問題がある。
以上の問題に対し、単純に転圧幅の大きいロールを用いれば、例えば転圧幅3.5m以上のロールを用いれば1つの走行レーンで前記車線に対応できることはいうまでもない。しかし、転圧ローラは施工現場までトレーラまたはトラックの荷台に積載されて輸送されるため、ロールの転圧幅の寸法は自ずと荷台の幅寸法内に限られる。それ故、現在のロールの転圧幅の寸法は2.1m前後が最大仕様となっている。
本発明は以上のような課題を解決するために創案されたものであり、転圧施工の効率に優れる転圧ローラおよびこの転圧ローラを用いたアスファルト合材等の路面の転圧方法を提供することを目的としている。
前記課題を解決するため、本発明は、前後にロールを備えた転圧ローラにおいて、少なくとも一方のロールは左右に分割されて同軸状に配置され、この左右のロールを、正面視して中央に位置した他方のロールに対して転圧ラップ代が生じる範囲内で、車幅方向に移動させてこの左右のロール間の距離を変更可能とするロール距離可変手段を備えたことを特徴とする転圧ローラとした。
この転圧ローラによれば、以下のような効果が奏される。
(1)全ロールによる転圧幅寸法を自在に変更できるので、小規模転圧施工から大規模転圧施工まで幅広く対応可能な転圧ローラとなる。
(2)施工現場近くまでの転圧ローラの移送は、トレーラやトラックにより行われる。トレーラおよびトラックは、自身の道路を走行するうえでの法的規制および機械的制約により、積載できる対象物の幅に制限がある。本発明の転圧ローラは、移送するときに幅を狭めることができるので、トレーラやトラックに積載しての移送に大変有利となる。
また、本発明は、前記ロール距離可変手段は、前記左右のロールを同期的に互いに逆方向に移動させる構成からなる転圧ローラとした。
この転圧ローラによれば、左右のロールを個別に移動させる場合に比して転圧幅の設定変更の動作を迅速に行えることとなる。
また、本発明は、前記ロール距離可変手段の駆動源は、互いに左右反対方向に伸縮する一対の油圧シリンダから構成されることを特徴とする転圧ローラとした。
この転圧ローラによれば、構造が簡単で経済的なロール距離可変手段を実現できる。
また、本発明は、前記左右のロールは、それぞれ、ロールを振動させる振動装置と、この振動装置を駆動する振動用モータとを有して、弾性を有する防振部材を介して車体に取り付けられ、前記防振部材よりロール側のばね下質量側において、前記左右のロールを、この左右のロールの移動に追従可能に連結するロール連結機構を備えたことを特徴とする転圧ローラとした。
この転圧ローラによれば、ばね下質量側において、左右のロールがロール連結機構の介在により一体的な剛体をなす構造となるので、車体に対して一体の動きとなり、前記特許文献3の段落[0013]や図3に記載されているロッキング振動が起きにくくなる。
また、本発明は、前記ロール連結機構は、車幅方向に延設される連結シャフトと、この連結シャフトが軸方向に相対移動可能に挿通する環状のガイド部材とから構成されることを特徴とする転圧ローラとした。
この転圧ローラによれば、ロール間隔を変える構造が簡単で経済的なロール連結機構を実現できる。
また、本発明は、前記左右のロールは、それぞれ、車体側に固定部が接続し、ロール側に出力部が接続してロールを回転させる走行用モータを有して、車体を挟むように位置して車体の両側面に前記防振部材を介して取り付けられ、前記ロール連結機構は、前記走行用モータの固定部間にわたって設けられることを特徴とする転圧ローラとした。
この転圧ローラによれば、左右のロール間に存する車体とロール連結機構との干渉を防止でき、また、構造が簡単で堅牢な構造を実現できる。
また、本発明は、前記左右のロールは、各内側の端部同士が突き合わせ可能であって、各外側の端部側から車体の側部フレームに前記防振部材を介して取り付けられ、前記ロール連結機構は、前記左右のロールの鏡板間にわたって設けられることを特徴とする転圧ローラとした。
この転圧ローラによれば、構造が簡単で経済的なロール連結機構を実現できる。
また、本発明は、前記左右のロールの表面に付着した付着物を掻き取るスクレイパまたは前記左右のロールの表面に付着物の付着防止用の液剤を散布する散布装置の少なくとも一方を備え、前記スクレイパまたは前記散布装置を、前記ロール距離可変手段によってロールと一体に移動する部材に取り付けたことを特徴とする転圧ローラとした。
この転圧ローラによれば、ロールと、スクレイパまたは散布装置との相対的な動きが皆無となり、スクレイパや散布装置を個別に移動させる構造が不要となるので、経済的な転圧ローラとなる。
また、本発明は、前記左右のロールが車幅方向外側のストロークエンドまで移動したとき、各ロールの外側の端部間の距離寸法が3.5m以上となるように設定されていることを特徴とする転圧ローラとした。
複数の車線を有するアスファルト道路においては、その一車線の幅寸法は、特殊な場合を除いて3.5m以下が標準となっている。したがって、左右のロールが車幅方向外側のストロークエンドまで移動したとき、各ロールの外側の端部間の距離寸法が3.5m以上となるように設定されていれば、1つの走行レーンで3.5m規格の車線の転圧施工に対応できる。
また、本発明は、前後両方のロールが左右に分割され、それぞれに前記ロール距離可変手段を備えた転圧ローラであり、かつ、各左右のロールは、各内側の端部同士が突き合わせ可能であって、各外側の端部側から車体の側部フレームに取り付けられる構造からなる転圧ローラを用いて、敷き均した状態の路面材料を転圧するに当たり、始めに、前後の各左右のロールを互いに同距離だけ離した状態で車両を走行レーンに沿って所定回数走行させ、次いで、前後の各左右のロールを互いに突き合わせた状態で車両を前記走行レーンに沿って走行させることを特徴とする路面の転圧方法とした。
この路面の転圧方法によれば、
(イ)ハンドル操作による走行レーン変更の回数が減る、或いは皆無となるので、運転者にとって車両運転の容易な施工方法となる。
(ロ)敷き均した状態のアスファルト合材等の路面材料を両端側から先に施工していくので、ロールによる路面材料の両端側への押し出し量が少なくて済む。
等の効果が奏される。
本発明によれば、転圧施工の効率に優れた転圧ローラおよび路面の転圧方法となる。
以下、本発明をタンデム型、マカダム型の各転圧ローラに適用した形態に分けて説明する。また、両形態とも転圧ローラを、ロールを振動させる振動装置を有した振動ローラとして説明する。
「タンデム型の転圧ローラ(振動ローラ)に適用した形態」
図1は振動ローラ1の側面説明図である。振動ローラ1の車体構成は、センターピン4を介してアーティキュレート式に接続された前部車体2と後部車体3とからなり、車両の操向は油圧シリンダ5にてセンターピン4を支点として前部車体2と後部車体3とを旋回させることにより行う。前部車体2及び後部車体3は、それぞれ鉄輪からなる前ロール6、後ロール7を両側から支持する平面視矩形状の枠組み体として形成されている。後部車体3の前端上部には、運転席が形成され、図示しないエンジン、油圧ポンプ等が搭載される上部車体8が固設されている。
本発明は、前ロール6、後ロール7の少なくとも一方のロールを左右に分割構成し、この分割した左右のロールを後に詳述するロール距離可変手段により車幅方向に移動可能としたことを主な特徴とする。本実施形態では、前ロール6及び後ロール7を共に左右に分割している。図2〜図4は前部車体2及び後部車体3を平面視した図であって、図2は前ロール6、後ロール7の両方において、左右のロールを突き合わせた状態、図3は、図2の状態から前ロール6側のみ、左右のロールを車幅方向外側のストロークエンドまで移動させた状態、図4は前ロール6、後ロール7の両方において左右のロールを車幅方向外側のストロークエンドまで移動させた状態を示す。また、図5は図2におけるA−A断面図、図6は前ロール6側の左右のロールを車幅方向外側のストロークエンドまで移動させた状態を示す外観斜視図である。
前ロール6側及び後ロール7側の各基本構成は同一であるので、図2〜図4において後ロール7側における構成部材については符号を省略し、以下では前ロール6側についてのみ説明する。参照する図面としては見易さの点から主に図3、図6が良い。前ロール6を支持する前部車体2は、本来であれば形状が不変の固定枠なのであるが、本発明にあっては、前部車体2はその車幅方向の長さが可変となる可動枠からなる。前部車体2の両側部を構成し、前ロール6の取り付け部位となる各側部フレーム9の内側面の前後端近傍には、対向する側部フレーム9に向けて延設される角パイプ材からなる前部フレーム10、後部フレーム11が固設されている。各前部フレーム10は単体の角パイプ材からなる接続フレーム12に両側から挿嵌し、各後部フレーム11は、2つの角パイプ材を前後2連に溶接固定した接続フレーム13に対して各角パイプ材に挿嵌している。つまり前部車体2は、前部フレーム10と後部フレーム11とが接続フレーム12、13に対して伸縮することで側部フレーム9間の距離が可変する構造であり、当該構造が、各側部フレーム9に取り付けられる前ロール6(以降、右側のロールを右ロール6R、左側のロールを左ロール6Lという)を車幅方向に移動させて、右ロール6R、左ロール6L間の距離を変更可能とするロール距離可変手段14を構成するものである。接続フレーム13の後面における車幅方向中央部には、後部車体3とのアーティキュレート接続用の部材が固設されている。
図3に示すように、互いに最大距離離れた状態にある右ロール6R、左ロール6Lと、突き合った状態にある後ロール7(右ロール7R、左ロール7L)との間にはそれぞれ転圧ラップ代L1が生じている。つまり、ロール距離可変手段14は、右ロール6R及び左ロール6Lを、車両を正面視した状態において突き合うことで中央に位置した後ロール7に対して転圧ラップ代L1が生じる範囲内で、車幅方向に同軸状を保ちつつ移動させて右ロール6R、左ロール6L間の距離を変更可能とする構成からなる。転圧ラップ代L1の寸法は適宜に設定されるものであるが、おおむね数10cm程度が良い。
ロール距離可変手段14の駆動源は油圧シリンダからなり、具体的には右ロール6Rと左ロール6Lとを同期的に互いに逆方向に移動させるべく、互いに左右方向反対に伸縮する一対の油圧シリンダ15から構成される。各油圧シリンダ15は、各基端部15aが接続フレーム13の各角パイプ材に取り付けられ、各ロッドの先端部15bが各後部フレーム11に取り付けられる。具体的には、油圧シリンダ15は後部フレーム11と接続フレーム13の内部に収装されており、図5に示すように、接続フレーム13の内上面及び内底面に鉛直に掛け渡したピン65に基端部15aが取り付けられ、後部フレーム11の内上面及び内底面に鉛直に掛け渡したピン66に先端部15bが取り付けられている。なお符号67は各ピン65、66の取り付け用の台座である。図8に一対の油圧シリンダ15を同調させる油圧回路の一例を示す。各油圧シリンダ15は互いにシリンダ内径及び最大ストローク長が等しいシリンダである。油圧ポンプPの吐出ポートは、3位置4ポートの電磁弁からなる切換弁Vを介して分集流弁Sの集流側ポートSpに接続している。各油圧シリンダ15は、ピストンを挟んで形成される一対の油室の内、一方の油室に通ずるポート15paがそれぞれ分集流弁Sの分流側ポートSa、Sbに接続し、他方の油室に通ずるポート15pbからの流路は合流した後、前記切換弁Vを介して油タンクTに接続している。
切換弁Vが図8における左位置に切り換わると、油圧ポンプPから供給される圧油は分集流弁Sの集流側ポートSpに流れる。そして、分流側ポートSa、Sbから互いに同容量の圧油が各ポート15paに流れ込み、各ポート15pbから圧油が切換弁Vを介して油タンクTに流れることで、各油圧シリンダ15のロッドが同調して伸長する。切換弁Vが図8における右位置に切り換わると、油圧ポンプPから供給される圧油は各油圧シリンダ15のポート15pbに流れる。この際、各ポート15paが分集流弁Sの分流側ポートSa、Sbに接続していることから、ポート15pbには同容量の圧油が流れる。そして、ポート15paから互いに同容量の圧油が分流側ポートSa、Sbに流れ、集流側ポートSpから切換弁Vを介して油タンクTに流れることで、各油圧シリンダ15のロッドが同調して縮退する。ロッドが伸長して図3のように右ロール6Rと左ロール6Lとが最大距離離れたとき及びロッドが縮退して図2のように右ロール6Rと左ロール6Lとが突き合ったとき、図8の切換弁Vが中央位置に切り換わることで圧油の流れが遮断され、各ロッドの状態が維持される。これにより、各状態にある右ロール6R、左ロール6Lの位置が維持される。
なお、図3において、前部フレーム10の先端周りの外面には抜け止めプレート10aが溶接され、接続フレーム12の端部周りの内面にはフランジ12aがボルトにより取り付けられている。これにより、抜け止めプレート10aとフランジ12aとが当接することで接続フレーム12からの前部フレーム10の先端の抜けが防止され、また、右ロール6Rと左ロール6Lとが最大距離離れたときには、接続フレーム12が車幅方向中央に位置するようになっている。このような抜け止め機構は前部車体2を矩形状の枠組み体とした場合の一例として示される。場合によって、前部フレーム10を設けない構造、つまり前部車体2として、一対の側部フレーム9及び後部フレーム11からなる平面視コの字形状の枠組み体から構成することも可能であり、この場合には勿論、前記したような抜け止め機構は必要なくなる。
次に、右ロール6R、左ロール6L周りの構造について説明する。右ロール6R、左ロール6Lには振動装置16が内蔵され、それぞれに対応して振動装置16を駆動する振動用モータ17及び右ロール6R、左ロール6Lを回転させる走行用モータ18が設けられる。振動用モータ17及び走行用モータ18は油圧モータ等からなる。振動装置16、振動用モータ17及び走行用モータ18は、車両中央寄りから順に振動装置16、走行用モータ18、振動用モータ17の順で配設される。
右ロール6R、左ロール6Lの各内周面には、車両中央寄りから順に円板状の第1鏡板19、第2鏡板20が互いに離間するように固設されており、この両者間には中空円筒形状の起振機ケース21が固設されている。図7は振動装置16周りの拡大説明図であり、本図を参照して説明すると、起振機ケース21内には、第1鏡板19及び第2鏡板20に取り付けた軸受22、22を介して、振動装置16を構成する偏心錘23及びこの偏心錘23を固設した起振軸24が各ロールと同軸状となるように回転自在に軸支されている。
走行用モータ18として本実施形態では貫通孔18dを有した中空で無軸の構造からなるモータとしてあり、その一例として多行程型のラジアルピストンモータとしている。このラジアルピストンモータは薄型でかつ低速高トルクを発生する公知の油圧モータであり、筐体を形成する固定部18a内に、軸受18cを介して出力部18bが回転可能に支持された構造である。なお、図7ではこのラジアルピストンモータを簡略化して図示しているが、より具体的な構造については前記特許文献3に記載されている。走行用モータ18は、その貫通孔18dの空芯がロールの回転軸芯と同芯状となるように配設され、出力部18bがボルト25により第2鏡板20に締結固定され、固定部18aがボルト26によりモータ取り付け板27に締結固定される。このモータ取り付け板27は、図3に示すように、側部フレーム9に対し、ブラケット28及び防振ゴム29を介して取り付けられる部材である。そして、図7に示すように、前記した起振軸24の一端は第2鏡板20から突出して走行用モータ18の貫通孔18d内に挿通し、カップリング30を介して振動用モータ17の出力軸17aと連結している。振動用モータ17の本体部はモータ取り付け板27に固設したブラケットに対しボルト31により締結固定される。
以上により、走行用モータ18に圧油が流れると、固定部18aに対して出力部18bが回転し、この出力部18bに固定された第2鏡板20が回転することでロールが走行回転する。また、振動用モータ17に圧油が流れると、出力軸17aにカップリング30を介して連結した起振軸24が回転し、ロールが振動する。なお、本実施形態では振動装置16を一軸偏心式としているが、多軸偏心式としても良い。また、起振軸24に対して可動となる可動偏心錘を有した可変振幅式の振動装置16としても良い。
さて、以上の説明までの構造では、図3において、右ロール6R、左ロール6Lが各側部フレーム9に、いわゆる片持ち支持の態様で軸装されることとなるが、この片持ち支持の構造では防振ゴム29がなくても路面からの反力により右ロール6R、左ロール6Lがそれぞれ水平な状態を保ちにくい。また、振動ローラの場合は、ロールが揺動する振動(一般にロッキング振動と呼ばれる)が発生しやすくなる。そして、右ロール6R及び左ロール6Lを振動装置16により同時に振動させた場合、防振ゴム29の介在にもかかわらず、振動が前部車体2に両側から伝わり、それが後部車体3側の運転席まで大きな振動として伝わるおそれがある。
この問題に対して本実施形態では、弾性を有する防振部材である防振ゴム29よりロール側のばね下質量側において、右ロール6R及び左ロール6Lを、右ロール6R及び左ロール6Lの移動に追従可能に連結するロール連結機構32を設けた構成としている。本実施形態において、防振ゴム29を境にフレーム本体側の質量が「ばね上質量」、ロール側の質量が「ばね下質量」である。前記構成により、右ロール6Rと左ロール6Lとは前部車体2に対する動きが一体となる。ロール連結機構32としては、車幅方向に延設される連結シャフト33と、この連結シャフト33が軸方向に相対移動可能に挿通する環状のガイド部材34とを有する構成とし、右ロール6R、左ロール6Lの各第1鏡板19、第2鏡板20間にわたって掛け渡す構造が挙げられる。右ロール6R、左ロール6Lにおいて、各起振機ケース21の外側における第1鏡板19と第2鏡板20との間には、ロールの中心軸を挟んで180度正対する位置に、両端が開口した円筒形状(環状)のガイド部材34が一対として掛け渡されるように固設されている。ガイド部材34の両端の開口部は第1鏡板19、第2鏡板20よりも突出して各ロールの外部に臨む。そして、連結シャフト33の一端が右ロール6R側のガイド部材34に挿通され、他端が左ロール6L側のガイド部材34に挿通される。勿論、連結シャフト33とガイド部材34とは剛性をもって接続していることが重要であり、連結シャフト33はガイド部材34に対してがたつきなく軸方向(車幅方向)に摺接移動する。なお、連結シャフト33とガイド部材34、34との組数は図面では2組として示しているが、適宜に3組以上としても良い。
右ロール6Rと左ロール6Lとが最大距離離れたとき、連結シャフト33の先端がガイド部材34から抜け出ないように必要に応じて抜け止め機構が設けられる。図ではガイド部材34において車両中央に臨む開口部側の内周部に摺動用のカラー35を内嵌固定し、連結シャフト33においては端部に軸径よりも大径の円板部材であるエンドキャップ36を取り付け、ガイド部材34内においてエンドキャップ36の縁部とカラー35の端部を当接させることで連結シャフト33の抜けを防止する構造としている。なお、本実施形態では、両端のエンドキャップ36が各カラー35に当接した位置が、右ロール6Rと左ロール6Lとが最大距離離れた位置、すなわち、右ロール6R及び左ロール6Lの車幅方向外側のストロークエンドである。また、車幅方向内側のストロークエンドとは、右ロール6Rと左ロール6Lが互いに付き合った位置である。
以上のように、前ロール6、後ロール7の少なくとも一方のロールを左右に分割して同軸状に配置し、右ロール6R及び左ロール6Lを、正面視して中央に位置した後ロール7に対して転圧ラップ代L1が生じる範囲内で、車幅方向に移動させて右ロール6R、左ロール6L間の距離を変更可能とするロール距離可変手段14を備えた転圧ローラとすれば、以下のような効果が奏される。
(1)全ロールによる転圧幅寸法を自在に変更できるので、小規模転圧施工から大規模転圧施工まで幅広く対応可能な転圧ローラとなる。
(2)施工現場近くまでの転圧ローラの移送は、トレーラやトラックにより行われる。トレーラおよびトラックは、自身の道路を走行するうえでの法的規制および機械的制約により、積載できる対象物の幅に制限がある。本発明の転圧ローラは、移送するときに幅を狭めることができるので、トレーラやトラックに積載しての移送に大変有利となる。
また、敷き均した状態のアスファルト合材等の路面材料を転圧するに当たり、次のような転圧方法を構築できる。
「図9(a)の転圧方法」
図9(a)、(b)は、共に図15で示した例えば車線幅3.5mのアスファルト道路を一車線について転圧施工する場合について図示しており、本発明にかかる転圧車両については便宜上、センターピン4、前ロール6、後ロール7のみ図示して車体は省略している。図9(a)の転圧方法は、前後のロールの内、一方のロールである前ロール6のみを車幅方向外側のストロークエンドまで移動させ、他方のロールである後ロール7は中央に位置させた状態で使用する方法である。したがってこの方法を用いる限り、後ロール7については必ずしも分割構成する必要はなく、少なくとも前後どちらか一方のロールについて分割してあれば良いことになる。この方法によれば、全ロールによる転圧幅寸法が大きくなることから、図15(a)に示した従来の場合に比して転圧ローラの走行レーンの変更をする必要がなくなる。すなわち、本図の場合、車幅方向外側のストロークエンドまで移動したときに右ロール6Rと左ロール6Lの各外側の端部間の距離寸法L2が少なくとも3.5m以上となるように設定されていれば、車線幅3.5mの一車線区画に対して1つの走行レーンで転圧施工を行うことができる。なお、車線からのはみ出しラップ代L3を考慮すると、前記距離寸法L2としては3.7m以上に設定されていることが好ましい。
図9(a)の転圧方法の効果としては以下のようなものが挙げられる。
(イ)ハンドル操作による走行レーン変更の回数が減る、或いは皆無となるので、運転者にとって車両運転の容易な施工方法となる。
「図9(b)の転圧方法」
図9(b)の転圧方法は、前後両方のロールが左右に分割された転圧ローラに限られる。図9(b)の転圧方法は、始めに、上段に示すように、前後の各左右のロールを互いに同距離だけ離した状態で転圧ローラを走行レーンに沿って所定回数走行させ、次いで、下段に示すように、前後の各左右のロールを互いに突き合わせた状態で転圧ローラを前記走行レーンに沿って走行させる方法である。この転圧方法は前記(イ)の効果に加えて、
(ロ)敷き均した状態のアスファルト合材等の路面材料を両端側から先に施工していくので、ロールによる路面材料の両端側への押し出し量が少なくて済む。
という効果が奏される。
次いで図3において、本実施形態のように、ロール距離可変手段14として、右ロール6R、左ロール6Lを同期的に互いに逆方向に移動させる構成とすれば、個別に移動させる場合に比して転圧幅の設定変更の動作を迅速に行える。
また、ロール距離可変手段14の駆動源を、互いに左右反対方向に伸縮する一対の油圧シリンダ15から構成すれば、構造が簡単で経済的なロール距離可変手段14を実現できる。
また、右ロール6R、左ロール6Lが、それぞれ、振動装置16と振動用モータ17とを有し、弾性を有する防振部材(防振ゴム29)を介して車体(前部車体2、後部車体3)に取り付けられる構造の振動ローラである場合、防振ゴム29よりロール側(右ロール6R、左ロール6L側)のばね下質量側において、右ロール6R、左ロール6Lを、この右ロール6R、左ロール6Lの移動に追従可能に連結するロール連結機構32を備える構成とすれば、右ロール6Rと左ロール6Lとが一体的な剛体をなす構造となり、たとえ右ロール6Rと左ロール6Lとが離れた場合であっても、両者は中間部位が抜けただけの単一の幅広なロールとみなすことができ、ロッキング振動が起きにくくなる。
さらに、ロール連結機構32として、車幅方向に延設される連結シャフト33と、この連結シャフト33が軸方向に相対移動可能に挿通する環状のガイド部材34とを有する構成とすれば、構造が簡単で経済的なロール連結機構32を実現できる。なお、第1鏡板19、第2鏡板20側に連結シャフト33を固設し、この連結シャフト33にガイド部材34を遊嵌する構造も可能である。
また、ロール連結機構32を、右ロール6R、左ロール6Lの各第1鏡板19、第2鏡板20間にわたって設ける構成とすれば、より構造が簡単で経済的なロール連結機構32を実現できる。
「マカダム型の転圧ローラ(振動ローラ)に適用した形態」
図10(a)、(b)は振動ローラ41の側面説明図、正面説明図である。振動ローラ41の車体構成は、センターピン44を介してアーティキュレート式に接続された前部車体42と後部車体43とからなり、車両の操向は図示しない油圧シリンダにてセンターピン44を支点として前部車体42と後部車体43とを旋回させることにより行う。前部車体42において、後部上方には運転席が形成され、後部下方にはエンジンや油圧ポンプ等が搭載されている。
前ロール46は前部車体42を挟んで左右一対として配置されている。この左右一対の前ロール46が、請求項に記載の「左右に分割されて同軸状に配置」されたロールを構成するものである。後部車体43は平面視コの字形状の枠組み体からなり、振動ローラ41を正面視した状態で、中央に位置する後ロール47が両持ち支持の態様でこの後部車体43に軸装されている。後ロール47内には公知の振動装置や振動用モータが内蔵されている。なお、本実施形態において、後ロール47は分割されていない従来のロールであるため、以下では後ロール47の説明は省略する。
図11は、前部車体42及び後部車体43を平面視した図であり、右側の前ロール46(以降、右ロール46Rという)と左側の前ロール46(以降、左ロール46Lという)とを車幅方向内側のストロークエンドに位置させた場合(つまり、従来のマカダム型振動ローラにおけるロール位置である)を示している。図12は図11に対して油圧シリンダ56の取り付け構造を示した図であり、後部車体43側は省略している。また、図13は右ロール46Rと左ロール46Lとを車幅方向外側のストロークエンドまで移動させた場合の平面説明図、図14は同外観斜視図である。なお、図14において前部車体42は仮想線にて示している。
以下の説明で参照する図面としては見易さの点から主に図13、図14が良い。前部車体42の各側面には、複数の防振ゴム48を介して、支持板49が前部車体42の側面と平行となるように取り付けられている。各支持板49には、側面視して前ロール46の回転軸を挟んで180度正対する位置に、一対の円筒部材50が固設されている。各支持板49よりも車幅方向外側には、支持板49に対して平行となるモータ取り付け板51が配設されている。モータ取り付け板51には、支持板49側に向けて水平状に突出する一対のガイドシャフト52が固設されている。この一対のガイドシャフト52が前記一対の円筒部材50に挿嵌されて車幅方向に移動することで、モータ取り付け板51が支持板49に対して車幅方向に移動可能に取り付けられる構造となっている。なお、各ガイドシャフト52の車両内側寄りの端部には、円筒部材50からの抜けを防止するべく、ガイドシャフト52の軸径よりも大径の円板部材であるエンドキャップ53を取り付けてある。また、前部車体42の側面には、ガイドシャフト52の逃げ用の貫通孔が穿設されている。
右ロール46R、左ロール46Lの各内周面には鏡板54が固設されており、この鏡板54には、振動装置を内蔵した密閉円筒形状の起振機ケース55が各ロールの回転軸と同軸状に取り付けられている。図では振動装置を略しているが、前記タンデム型の振動ローラの形態で説明した一軸偏心式や多軸偏心式の振動機構等が適用される。起振機ケース55の車両内側寄りの側面には、前記タンデム型の振動ローラの形態で説明したものと同一の中空構造の走行用モータ18の出力部が取り付けられる。そして、走行用モータ18の固定部は前記モータ取り付け板51の車両外側寄りの面に取り付けられる。モータ取り付け板51の車両内側寄りの面には振動用モータ17が取り付けられ、その出力軸は走行用モータ18の貫通孔18d(図7)内にて振動装置の起振軸と連結している。なお、前記支持板49には、振動用モータ17の逃げ用の貫通孔49a(図14)が穿設されている。また、前部車体42の側面にも、振動用モータ17の逃げ用の貫通孔が穿設されている。以上の構造により、走行用モータ18に圧油が流れると、走行用モータ18の出力部に固定された起振機ケース55が回転し、もって右ロール46R、左ロール46Lが走行回転する。また、振動用モータ17に圧油が流れると、その出力軸に連結した起振軸が回転し、右ロール46R、左ロール46Lが振動する。
以上の説明で判るように、本実施形態においては、走行用モータ18を介して右ロール46R、左ロール46Lを取り付けたモータ取り付け板51を、支持板49に対して車幅方向に移動させる構造が、「右ロール46R及び左ロール46Lを車幅方向に移動させて、右ロール46R、左ロール46L間の距離を変更可能とするロール距離可変手段14」を構成するものである。勿論、右ロール46R、左ロール46Lは互いに同軸状を保ちながら移動する。なお、右ロール46R及び左ロール46Lが車幅方向外側のストロークエンドまで移動した場合であっても、両ロールと後ロール47(図11)との間にはそれぞれ転圧ラップ代が生じている。
本実施形態においても、ロール距離可変手段14の駆動源を油圧シリンダとし、図12に示すように、右ロール46Rと左ロール46Lとを同期的に互いに逆方向に移動させるべく、互いに左右方向反対に伸縮する一対の油圧シリンダ56から構成している。前部車体42の両側面における内面側には、側面視して上下にずれた位置にそれぞれブラケット57が固設されている(図12では一方側のみ示す)。一方、各モータ取り付け板51の車両外側寄りの側面にはブラケット58が固設されており、各油圧シリンダ56は、各基端部56aがブラケット57に取り付けられ、各ロッドの先端部56bがブラケット58に取り付けられることで、車幅方向に沿って水平状に配設される。したがって、ロッドが伸縮すると、ブラケット58を介してモータ取り付け板51が車幅方向に移動する。なお、前部車体42の両側面には、油圧シリンダ56の逃げ用の貫通孔が穿設され、支持板49、モータ取り付け板51にもそれぞれ図14に示すように、油圧シリンダ56の逃げ用の貫通孔49b、51aが穿設されている。
一対の油圧シリンダ56を同調させる油圧回路については図8で説明したものと同一のものを適用できるので、説明は省略する。
次いで、図13において、前記実施形態で述べたロッキング振動の問題に対して有効となるロール連結機構32について説明する。本実施形態においても、防振ゴム48よりロール側(右ロール46R、左ロール46L側)のばね下質量側において、右ロール46R及び左ロール46Lを、この右ロール46R及び左ロール46Lの移動に追従可能に連結するロール連結機構32を備えた構成としている。
本実施形態のロール連結機構32も前記実施形態の場合と同様に、車幅方向に延設される連結シャフト59と、この連結シャフト59が軸方向に相対移動可能に挿通する環状(円筒状)のガイド部材60とを有した構成からなる。ただし、前記実施形態が、ロール連結機構32を各ロールの鏡板間にわたって設けた構造であるのに対し、本実施形態は、ロール連結機構32を走行用モータ18の固定部間にわたって、具体的には、走行用モータ18の固定部を取り付けたモータ取り付け板51間にわたって設けた点で両実施形態は異なっている。つまり、前記実施形態の場合、左右のロール間には車体が存在しないことから、鏡板間にわたって掛け渡したロール連結機構32がロールと一体となって回転しても何ら差し支えないのに対し、本実施形態の場合、左右のロール間に車体(前部車体42)が存在するため、ロール連結機構32をロールと一緒に回転させることは実質的に極めて困難となるからである。
モータ取り付け板51の前後端には、ロールの中心軸を挟んで180度正対する位置に貫通孔が穿設されており、この各貫通孔と連通するように、モータ取り付け板51の車両内側寄りの側面には、両端を開口した円筒形状のガイド部材60が固設されている。そして、連結シャフト59の一端が右ロール46R側のガイド部材60に挿通され、他端が左ロール46L側のガイド部材60に挿通される。勿論、連結シャフト59とガイド部材60とは剛性をもって接続していることが重要であり、連結シャフト59はガイド部材60に対してがたつきなく軸方向(車幅方向)に摺接移動する。以上の構造によれば、ロール連結機構32は、前部車体42に対して回転することのない走行用モータ18の固定部間(具体的には走行用モータ18の固定部を取り付けたモータ取り付け板51間)にわたって設けられることになるので、ロールと一体となって回転することもない。なお、前部車体42の両側面には、ロール連結機構32の逃げ用の貫通孔が穿設される。
右ロール46Rと左ロール46Lとが最大距離離れたとき(車幅方向外側のストロークエンドまで移動したとき)、連結シャフト59がガイド部材60から抜け出ないように必要に応じて抜け止め機構が設けられる。図では、連結シャフト59の両端部に軸径よりも大径の円板部材であるエンドキャップ61を取り付け、このエンドキャップ61の縁部をモータ取り付け板51の車両外側寄りの側面に当接させることで連結シャフト59の抜けを防止する構造としている。なお、本実施形態では、両端のエンドキャップ61が各モータ取り付け板51の車両外側寄りの側面に当接した位置が、右ロール46Rと左ロール46Lとが最大距離離れた位置、すなわち、右ロール46R及び左ロール46Lの車幅方向外側のストロークエンドである。
また、連結シャフト59の車幅方向中央部には円筒形状の位置決めガイド部材62が外嵌固定されており、右ロール46R及び左ロール46Lが車幅方向内側に移動し終えたとき、左右のガイド部材60の端面が位置決めガイド部材62の両端面に当接するようになっている(図11の状態)。この位置決めガイド部材62の介在により、連結シャフト59は車両中心に対して左右対称となるように位置決めされる。したがって、連結シャフト59の端部(エンドキャップ61)が鏡板54と干渉することもない。この左右のガイド部材60の端面が位置決めガイド部材62の両端面に当接した位置が、右ロール46R及び左ロール46Lの車幅方向内側のストロークエンドとなる。
以上のように、マカダム型の転圧ローラにおいても、右ロール46R及び左ロール46Lを、正面視して中央に位置した後ロール47(図11等)に対して転圧ラップ代が生じる範囲内で、車幅方向に移動させて右ロール46R、左ロール46L間の距離を変更可能とするロール距離可変手段14を備えた転圧ローラとすれば、前記実施形態で述べた(1)、(2)の効果が奏されることとなる。また、図9(a)の転圧方法も可能となる。
また、ロール距離可変手段14として、右ロール46R、左ロール46Lを同期的に互いに逆方向に移動させる構成とすれば、個別に移動させる場合に比して転圧幅の設定変更の動作を迅速に行えることになる。
また、ロール距離可変手段14の駆動源を、互いに左右反対方向に伸縮する一対の油圧シリンダ56から構成すれば、構造が簡単で経済的なロール距離可変手段14を実現できる。
また、右ロール46R、左ロール46Lが、それぞれ、振動装置16と振動用モータ17とを有し、弾性を有する防振部材(防振ゴム48)を介して車体(前部車体42)に取り付けられる構造の振動ローラである場合、防振ゴム48よりロール側(右ロール46R、左ロール46L側)のばね下質量側において、右ロール46R、左ロール46Lを、この右ロール46R、左ロール46Lの移動に追従可能に連結するロール連結機構32を備える構成とすれば、右ロール46Rと左ロール46Lとが一体的な剛体をなす構造となるので、たとえ右ロール46Rと左ロール46Lとが車両外側寄りのストロークエンドまで移動した場合であっても、両者は中間部位が抜けただけの単一の幅広なロールとみなすことができ、ロッキング振動の発生を低減させることができる。
さらに、ロール連結機構32として、車幅方向に延設される連結シャフト59と、この連結シャフト59が軸方向に相対移動可能に挿通する環状のガイド部材60とを有する構成とすれば、構造が簡単で経済的なロール連結機構32を実現できる。
また、本実施形態のように、右ロール46R、左ロール46Lが前部車体42を挟んで配置された振動ローラである場合、ロール連結機構32を、前部車体42側に取り付けられる走行用モータ18の固定部間にわたって設ける構成とすれば、ロール連結機構32が右ロール46R、左ロール46Lと一体となって回転することもなく、前部車体42と干渉することがない。
以上、本発明をタンデム型とマカダム型の2つの振動ローラに適用した場合について説明した。転圧ローラが、左右のロールの表面に付着した付着物を掻き取るスクレイパ(例えば図1に示す符号71)、または、左右のロールの表面に付着物の付着防止用の液剤を散布する散布装置(例えば図1に示す符号72)の少なくとも一方を備えている場合、スクレイパ71または散布装置72を、ロール距離可変手段14によってロールと一体に移動する部材(例えば側部フレーム9など)に取り付ける構成とすれば、ロールと、スクレイパ71または散布装置72との相対的な動きが皆無となり、スクレイパ71や散布装置72を個別に移動させる構造が不要となるので、経済的な転圧ローラとなる。
振動ローラの側面説明図である。 前部車体及び後部車体を平面視した図であって、前ロール、後ロールの両方において左右のロールを突き合わせた状態を示す。 前部車体及び後部車体を平面視した図であって、前ロールにおいては左右のロールを車幅方向外側のストロークエンドまで移動させ、後ロールにおいては左右のロールを突き合わせた状態を示す。 前部車体及び後部車体を平面視した図であって、前ロール、後ロールの両方において左右のロールを車幅方向外側のストロークエンドまで移動させた状態を示す。 図2におけるA−A断面図である。 前ロール側の左右のロールを車幅方向外側のストロークエンドまで移動させた状態を示す外観斜視図である。 振動装置周りの拡大説明図である。 ロール距離可変手段の駆動源である油圧シリンダに関する油圧回路図である。 (a)、(b)は共に本発明にかかる転圧ローラを用いたアスファルト路面の転圧方法の平面説明図である。 (a)、(b)はそれぞれ振動ローラの側面説明図、正面説明図である。 前部車体及び後部車体を平面視した図であり、左右のロールを車幅方向内側のストロークエンドに位置させた状態を示す。 油圧シリンダの取り付け構造を示す平面説明図である。 左右のロールを車幅方向外側のストロークエンドまで移動させた状態の平面説明図である。 左右のロールを車幅方向外側のストロークエンドまで移動させた状態の外観斜視図である。 転圧ローラを用いて、車線幅3.5mのアスファルト道路を一車線について転圧施工する場合の従来の方法を示した平面説明図である。
符号の説明
1、41 振動ローラ(転圧ローラ)
2、42 前部車体(車体)
3、43 後部車体(車体)
6、46 前ロール
6R、46R 右ロール
6L、46L 左ロール
7、47 後ロール
14 ロール距離可変手段
15、56 油圧シリンダ
16 振動装置
17 振動用モータ
18 走行用モータ
19 第1鏡板
20 第2鏡板
29、48 防振ゴム(防振部材)
32 ロール連結機構
33、59 連結シャフト
34、60 ガイド部材
71 スクレイパ
72 散布装置

Claims (10)

  1. 前後にロールを備えた転圧ローラにおいて、
    少なくとも一方のロールは左右に分割されて同軸状に配置され、
    この左右のロールを、正面視して中央に位置した他方のロールに対して転圧ラップ代が生じる範囲内で、車幅方向に移動させてこの左右のロール間の距離を変更可能とするロール距離可変手段を備えたことを特徴とする転圧ローラ。
  2. 前記ロール距離可変手段は、前記左右のロールを同期的に互いに逆方向に移動させる構成からなる請求項1に記載の転圧ローラ。
  3. 前記ロール距離可変手段の駆動源は、互いに左右反対方向に伸縮する一対の油圧シリンダから構成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の転圧ローラ。
  4. 前記左右のロールは、それぞれ、ロールを振動させる振動装置と、この振動装置を駆動する振動用モータとを有して、弾性を有する防振部材を介して車体に取り付けられ、
    前記防振部材よりロール側のばね下質量側において、前記左右のロールを、この左右のロールの移動に追従可能に連結するロール連結機構を備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の転圧ローラ。
  5. 前記ロール連結機構は、車幅方向に延設される連結シャフトと、この連結シャフトが軸方向に相対移動可能に挿通する環状のガイド部材とから構成されることを特徴とする請求項4に記載の転圧ローラ。
  6. 前記左右のロールは、それぞれ、車体側に固定部が接続し、ロール側に出力部が接続してロールを回転させる走行用モータを有して、車体を挟むように位置して車体の両側面に前記防振部材を介して取り付けられ、
    前記ロール連結機構は、前記走行用モータの固定部間にわたって設けられることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の転圧ローラ。
  7. 前記左右のロールは、各内側の端部同士が突き合わせ可能であって、各外側の端部側から車体の側部フレームに前記防振部材を介して取り付けられ、
    前記ロール連結機構は、前記左右のロールの鏡板間にわたって設けられることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の転圧ローラ。
  8. 前記左右のロールの表面に付着した付着物を掻き取るスクレイパまたは前記左右のロールの表面に付着物の付着防止用の液剤を散布する散布装置の少なくとも一方を備え、
    前記スクレイパまたは前記散布装置を、前記ロール距離可変手段によってロールと一体に移動する部材に取り付けたことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の転圧ローラ。
  9. 前記左右のロールが車幅方向外側のストロークエンドまで移動したとき、各ロールの外側の端部間の距離寸法が3.5m以上となるように設定されていることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の転圧ローラ。
  10. 前後両方のロールが左右に分割され、それぞれに前記ロール距離可変手段を備えた請求項1に記載の転圧ローラであり、かつ、各左右のロールは、各内側の端部同士が突き合わせ可能であって、各外側の端部側から車体の側部フレームに取り付けられる構造からなる転圧ローラを用いて、敷き均した状態の路面材料を転圧するに当たり、
    始めに、前後の各左右のロールを互いに同距離だけ離した状態で車両を走行レーンに沿って所定回数走行させ、
    次いで、前後の各左右のロールを互いに突き合わせた状態で車両を前記走行レーンに沿って走行させることを特徴とする路面の転圧方法。
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