JP2006335039A - 改質された木質材料の製造方法 - Google Patents

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尊子 渡辺
Masami Kondo
近藤  正巳
Atsushi Hamai
篤志 濱井
Shigetoshi Sakai
茂俊 坂井
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Abstract

【課題】低温で短時間の処理により、寸法安定性、硬度、表面の美観性に優れた木質材料を得られる改質された木質材料の製造方法を提供する。
【解決手段】エチレン性不飽和酸無水物またはカルボン酸基が酸無水物基を形成することができるエチレン性不飽和ジカルボン酸のラジカル重合により得られた成分を、全体の5〜100重量%の範囲で含むポリマーと、少なくとも2つのヒドロキシル基を備えるアルキルアミンとからなり、該ヒドロキシル基を架橋成分とする熱架橋性アクリル樹脂を含む水溶液を改質処理剤とする。該改質処理剤を木質材料に浸透せしめる工程と、該木質材料内で該熱架橋性アクリル樹脂を硬化せしめる工程とを備える。前記改質処理剤に、多価アルコール化合物、水溶性エポキシ樹脂、糖アルコールからなる群から選択される少なくとも1種の添加剤を添加する。
【選択図】 図なし

Description

本発明は、改質された木質材料の製造方法に関するものである。
木質材料は、軽量でありながら強度が大きく、しかも加工性に富み、表面に美観性を備えているので、建築材料等として様々な用途に利用されている。ところが、前記木質材料は、表面が柔らかいために傷や凹みがつきやすく、また水分の吸収、放出のために伸縮するので寸法安定性に劣るという問題がある。
前記問題を解決するために、従来、各種の技術が提案されている。前記技術として例えば、エチレン性不飽和ジカルボン酸またはその誘導体(例えば、無水物または塩)と、重合開始剤とを含む改質処理剤を、木質材料に浸透せしめ、該木質材料内で該エチレン性不飽和ジカルボン酸またはその誘導体を重合させて硬化せしめる方法が知られている(例えば特許文献1参照)。
前記方法によれば、寸法安定性及び耐朽性に優れ、音響特性に優れた改質木質材料を得ることができるとされている。
しかしながら、前記方法では、前記エチレン性不飽和ジカルボン酸またはその誘導体の重合を高温で長時間行う必要があり、高温により材料表面の美観性が損なわれるという不都合がある。
特開2001−225302号公報
本発明は、かかる不都合を解消して、低温で短時間の処理により、寸法安定性、硬度、表面の美観性に優れた木質材料を得ることができる改質された木質材料の製造方法を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明の改質された木質材料の製造方法は、エチレン性不飽和酸無水物またはカルボン酸基が酸無水物基を形成することができるエチレン性不飽和ジカルボン酸のラジカル重合により得られた成分を、全体の5〜100重量%の範囲で含むポリマーと、少なくとも2つのヒドロキシル基を備えるアルキルアミンとからなり、該ヒドロキシル基を架橋成分とする熱架橋性アクリル樹脂を含む水溶液を改質処理剤とし、該改質処理剤を木質材料に浸透せしめる工程と、該木質材料内で該熱架橋性アクリル樹脂を硬化せしめる工程とを備えることを特徴とする。
前記熱架橋性アクリル樹脂は、前記ポリマーと前記アルキルアミンとからなり、該アルキルアミンが備える少なくとも2つのヒドロキシル基を架橋成分とすることにより、低温かつ短時間で架橋、硬化する。
そこで、本発明の製造方法は、前記熱架橋性アクリル樹脂を含む水溶液を改質処理剤とし、該改質処理剤を木質材料に浸透せしめた後、該木質材料内で該熱架橋性アクリル樹脂を架橋、硬化させる処理を、低温かつ短時間で行うことができる。この結果、前記熱架橋性アクリル樹脂が前記木質材料内で固定され、寸法安定性及び硬度に優れた木質材料を得ることができる。また、本発明の製造方法によれば、前記木質材料は低温かつ短時間で処理されるので、熱による影響を受けにくく、表面の美観性に優れた木質材料を得ることができる。
前記熱架橋性アクリル樹脂は、例えば、微細化された木質材料チップまたは木質繊維等に含浸せしめ、該木質材料チップまたは木質繊維等により所定形状の成形体を形成する際のバインダーとして用いられており、ビーエーエスエフ社から入手することができる。
また、本発明の製造方法では、前記改質処理剤に、多価アルコール化合物、水溶性エポキシ樹脂、糖類からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤を添加することが好ましい。本発明の製造方法では、前記改質処理剤に、前記添加剤を添加することにより、さらに寸法安定性または硬度に優れた木質材料を得ることができる。
次に、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
本実施形態では、熱架橋性アクリル樹脂を含む水溶液を木質材料の改質処理剤として用い、該改質処理剤を木質材料に浸漬せしめた後、該熱架橋性アクリル樹脂を硬化せしめることにより、改質された木質材料を得る。
前記熱架橋性アクリル樹脂は、エチレン性不飽和酸無水物またはカルボン酸基が酸無水物基を形成することができるエチレン性不飽和ジカルボン酸のラジカル重合により得られた成分を、全体の5〜100重量%、好ましくは10〜100重量%の範囲で含むポリマー(以下、ポリマー成分Aと略記することがある)と、少なくとも2つのヒドロキシル基を備えるアルキルアミン(以下、アルキルアミン成分Bと略記することがある)とからなり、アルキルアミン成分Bの該ヒドロキシル基を架橋成分とするものである。
前記ポリマー成分Aを形成するモノマーとしてのエチレン性不飽和酸無水物は、エチレン性不飽和ジカルボン酸無水物であることが好ましい。前記エチレン性不飽和ジカルボン酸として、例えば、無水マレイン酸、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物等を挙げることができるが、特に無水マレイン酸が好ましい。
また、前記ポリマー成分Aを形成するモノマーは、カルボン酸基が酸無水物基を形成することができるエチレン性不飽和ジカルボン酸であってもよく、このようなエチレン性不飽和ジカルボン酸は、隣接する炭素原子にカルボン酸基を備えるものが好ましい。前記エチレン性不飽和ジカルボン酸として、例えば、マレイン酸、イタコン酸、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸等を挙げることができるが、特にマレイン酸が好ましい。尚、前記エチレン性不飽和ジカルボン酸は、そのアルカリ金属塩、アンモニウム塩等の塩であってもよい。
また、前記ポリマー成分Aを形成するモノマーは、前記エチレン性不飽和酸無水物、カルボン酸基が酸無水物基を形成することができるエチレン性不飽和ジカルボン酸またはその塩の混合物であってもよく、さらに他のモノマーを含んでいてもよい。
前記エチレン性不飽和酸無水物、カルボン酸基が酸無水物基を形成することができるエチレン性不飽和ジカルボン酸またはその塩と共に前記ポリマー成分Aを形成する他のモノマーとしては、例えば、炭素数3〜10のモノエチレン性不飽和モノカルボン酸;直鎖状の1−オレフィン、分岐鎖状の1−オレフィンまたは環状オレフィン;炭素数1〜40のアルキル基(ヒドロキシル基、アミノ基、ジアルキルアミノ基、1つ以上のアルコキシレート基等の置換基を備えていてもよい)を備えるビニルエーテルまたはアリルアルキルエーテル;アクリルアミドまたはアルキル置換されたアクリルアミド;スルホ基含有モノマー;アクリル酸、メタクリル酸、炭素数1〜8のアルキル基を備えるマレイン酸エステル、炭素数1〜4のヒドロキシアルキルを備えるマレイン酸エステル、炭素数2〜4のアルキレンオキシドまたはその混合物2〜50モル倍でアルコキシル化した炭素数1〜18のアルコールとのアクリル酸エステル、炭素数2〜4のアルキレンオキシドまたはその混合物2〜50モル倍でアルコキシル化した炭素数1〜18のアルコールとのメタクリル酸エステル、炭素数2〜4のアルキレンオキシドまたはその混合物2〜50モル倍でアルコキシル化した炭素数1〜18のアルコールとのマレイン酸エステル;アルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、アルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドまたはその四級化生成物;炭素数1〜30のモノカルボン酸のビニルエステル、炭素数1〜30のモノカルボン酸のアリルエステル等を挙げることができる。
さらに、前記エチレン性不飽和酸無水物、カルボン酸基が酸無水物基を形成することができるエチレン性不飽和ジカルボン酸またはその塩と共に前記ポリマーを形成する他のモノマーとして、N−ビニルホルムアミド、N−ビニル−N−メチルホルムアミド、スチレン、α−メチルスチレン、3−メチルスチレン、ブタジエン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルイミダゾール、1−ビニル−2−メチルイミダゾール、N−ビニルカプロラクタム、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アリルアルコール、2−ビニルピリジン、ジアリルジメチルアンモニウム塩化物、ビニリデン塩化物、塩化ビニル、アクロレイン、メタクロレイン、ビニルカルバゾール等を挙げることができる。
また、前記エチレン性不飽和酸無水物、カルボン酸基が酸無水物基を形成することができるエチレン性不飽和ジカルボン酸またはその塩と共に前記ポリマー成分Aを形成する他のモノマーは、前記化合物の混合物であってもよい。前記ポリマー成分Aは、前記他のモノマーから得られた成分を、全体の0〜95重量%、好ましくは60〜90重量%の範囲で含むことができる。
前記アルキルアミン成分Bである少なくとも2つのヒドロキシル基を備えるアルキルアミンとしては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、メチルジエタノールアミン、ブチルジエタノールアミン、メチルジイソプロパノールアミン等を挙げることができるが、特にトリエタノールアミンが好ましい。
前記熱架橋性アクリル樹脂において、前記ポリマー成分Aのカルボキシル基とアルキルアミン成分Bのヒドロキシル基とのモル比は、成分A,Bの反応生成物がホルムアルデヒドを含まないようにするために、通常20:1〜1:1の範囲であり、好ましくは5:1〜1.7:1の範囲である。尚、この場合、酸無水物基は、カルボキシル基2個として計算する。
前記熱架橋性アクリル樹脂は、さらに、架橋促進剤としてリン含有反応促進剤を0.3重量%未満の範囲で含有していてもよい。前記リン含有反応促進剤としては、アルカリ金属ハイポホスファイト、ポリホスファイト、リン酸二水素、ポリリン酸、次亜リン酸、リン酸、アルキルホスフィン酸、これらの塩及び、これらのオリゴマーまたはポリマーを挙げることができる。
前記改質処理剤は、前記熱架橋性アクリル樹脂を含む水溶液であり、該熱架橋性アクリル樹脂の濃度は任意に調整することができるが、木質材料への含浸性や経済性を考慮すると、5〜50重量%の範囲の濃度とすることが好ましい。
また、前記改質処理剤は、前記熱架橋性アクリル樹脂を含む水溶液に、多価アルコール化合物、水溶性エポキシ樹脂、糖類からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤を添加することが好ましい。本実施形態の製造方法では、前記改質処理剤に、前記添加剤を添加することにより、さらに寸法安定性または硬度に優れた木質材料を得ることができる。
前記添加剤は、前記熱架橋性アクリル樹脂100重量部に対して、10〜100重量部の範囲で添加することが好ましい。前記添加剤の添加量が、前記熱架橋性アクリル樹脂100重量部に対して10重量部未満では、前記木質材料の寸法安定性及び硬度を向上させる効果を十分に得られないことがあり、100重量部を超えると前記熱架橋性アクリル樹脂を含む水溶液としての前記改質処理剤の保存安定性が低下することがある。
前記多価アルコール化合物としては、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、へキシレングリコール、オクチルグリコール、ジプロピレングリコール、ジブチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、及びこれらの変性物を用いることができる。尚、炭素数8以上のアルキレングリコールモノマーは水溶性が低く、用いることが難しい。
前記水溶性エポキシ樹脂としては、水溶性であって分子中にエポキシ基を有する樹脂であれば特に制限はないが、例えば、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンポリグリシジルエーテル、ジグリセリンポリグリシジルエーテル、ポリグリセリンポリグリシジルエーテル、ソルビトール系ポリグリシジルエーテル、グリセリンエステル系ポリグリシジルエーテル、ポリアミドエポキシ等を挙げることができる。
前記糖類としては、水溶性であるが常温で吸湿により変性しないものが好ましく、例えば、ショ糖、ソルビトール、エリスリトール、ラクチトール、キシリトール、マンニトール、その他糖類の変性物等を用いることができる。
また、前記改質処理剤は、木質材料の改質性能を損なわない範囲で、粘度調整剤、浸透促進剤、消泡剤、防腐剤、防カビ剤、防虫剤、染料、顔料等を単独で、或いは2種以上組み合わせて適宜添加することができる。
次に、前記改質処理剤を用いて、改質された木質材料を得るための具体的な方法について説明する。
まず、本実施形態で改質の対象となる木質材料は、それ自体木工材料として使用できるものであれば、板状、柱状、ブロック状等、どのような形状であってもよく、樹種においても特に制限はない。但し、木粉、木材チップ等のようにそれ自体木工材料として使用できないものは含まない。前記木質材料は、前記改質処理剤の含浸を容易にするために、予め熱風乾燥機等で、含水率が10重量%以下程度になるように乾燥して用いることが好ましい。
次に、前記のように乾燥された木質材料に、前記改質処理剤を含浸させる。含浸の程度は、目的に応じて適宜選択することができ、前記木質材料の表層部のみであってもよく、内部まででも、さらには該木質材料全体であってもよい。しかし、前記改質処理剤の含浸の程度は、前記木質材料中で前記熱架橋性アクリル樹脂を硬化させて所望の寸法安定度及び硬度を得るために、該木質材料に対して5〜50重量%の範囲となるように行うことが好ましい。前記改質処理剤の含浸の程度が、前記木質材料に対して5重量%未満の範囲では、十分な寸法安定度及び硬度を得ることができないことがある。一方、前記改質処理剤の含浸の程度は、経済的効果を考慮すると、前記木質材料に対して50重量%までで十分である。
前記改質処理剤を含浸させる方法としては、例えば、前記木質材料を該改質処理剤中に浸漬してもよく、或いは該木質材料に該改質材料を塗布または注入するようにしてもよい。前記方法は、特に、減圧下または加圧下で実施することが好ましく、さらには減圧下で実施した後、加圧下で実施するようにすることが好ましい。このようにすることにより、前記木質材料に対する前記改質処理剤の含浸を促進することができる。
次に、前記改質処理剤を含浸させた木質材料を乾燥して、余分な水分を除去する。前記乾燥は、常温放置、外部加熱、または高周波、マイクロ波等による内部加熱等の従来公知の方法により行うことができる。前記木質材料は、減圧下で乾燥することにより、さらに効率よく乾燥することができる。
次に、前記改質処理剤を含浸させ、余分な水分を除去した木質材料を、80〜200℃の範囲、好ましくは100〜160℃の範囲に加熱して、該木質材料中で前記熱架橋性アクリル樹脂を架橋重合させて硬化させる。前記加熱温度が100℃未満では、前記熱架橋性アクリル樹脂の重合速度が低く、硬化に長時間を要する。また、前記加熱温度が160℃を超えると、木質材料の表面に変色が起きて美観性を損ねたり、木質材料自体の劣化が生じることがある。
前記加熱方法は、外部加熱、または高周波、マイクロ波等による内部加熱等の従来公知の方法により行うことができる。前記加熱を行う時間は、前記木質材料の形状、寸法、含浸された前記熱架橋性アクリル樹脂の種類、量、加熱温度、加熱方法等によって異なるが、一般には0.3〜5時間、好ましくは0.5〜3時間の範囲である。
次に、本発明の実施例及び比較例を示す。
本実施例では、まず、エチレン性不飽和酸無水物またはカルボン酸基が酸無水物基を形成することができるエチレン性不飽和ジカルボン酸のラジカル重合により得られたポリマーと、少なくとも2つのヒドロキシル基を備えるアルキルアミンとからなり、該ヒドロキシル基を架橋成分とする熱架橋性アクリル樹脂15重量%を含む水溶液を調製し、該水溶液を改質処理剤とした。前記熱架橋性アクリル樹脂としては、ビーエーエスエフ社製アクロデュアDS3530(商品名、熱架橋性アクリル樹脂を樹脂固形分として約50重量%含む)を用いた。
次に、厚さ3mm、幅85mm、長さ100mmのカバ材の単板を乾燥したもの(以下、乾燥単板と略記する)を用意した。
次に、前記乾燥単板を前記改質処理剤に浸漬して、減圧下で60分間処理した後、さらに加圧下で60分間処理し、該乾燥単板に該改質処理剤を含浸せしめた。次に、前記乾燥単板を前記改質処理剤から取り出し、常温にて16時間放置した後、熱風乾燥機を用いて60℃で2時間乾燥して余分な水分を除去した。そして、前記単板を熱盤に挟み、140℃で1時間加熱して、前記熱架橋性アクリル樹脂を架橋重合させて硬化させ、改質された木質材料を得た。
次に、本実施例で得られた改質された木質材料の表面性状を観察すると共に、重量増加率、ブリネル硬度、幅方向ASE、揮発性有機化合物(VOC)の放散の有無を測定した。
前記幅方向ASEは、寸法安定性の指標であり、次のようにして求めた。まず、本実施例で得られた改質された木質材料を、水道水中に16時間浸漬した後、送風乾燥機にて60℃で8時間乾燥する処理を1サイクルとして、該処理を3サイクルまで繰り返した後、幅方向の寸法変化率(Δd)を測定した。次に、未処理の乾燥単板(未処理材)について前記処理を3サイクルまで繰り返した後、幅方向の寸法変化率(Δd)を測定し、Δd、Δdから、次式により幅方向ASEを求めた。幅方向ASEは数値が大きいほど、寸法安定性が大きいことを示す。
ASE(%)=((Δd−Δd)/Δd)×100
また、VOCの放散の有無は、負荷率0.2〜0.4として、小型チャンバー法により求めた。
結果を表1に示す。
本実施例では、実施例1で調製した熱架橋性アクリル樹脂水溶液に、該熱架橋性アクリル樹脂固形分100重量部に対して33重量部のポリプロピレングリコール(分子量400)を添加したものを改質処理剤とした以外は、実施例1と全く同一にして、改質された木質材料を得た。
次に、実施例1と全く同一にして、本実施例で得られた改質された木質材料の表面性状を観察すると共に、重量増加率、ブリネル硬度、幅方向ASE、揮発性有機化合物(VOC)の放散の有無を測定した。結果を表1に示す。
本実施例では、実施例1で調製した熱架橋性アクリル樹脂水溶液に、該熱架橋性アクリル樹脂固形分100重量部に対して33重量部のポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(分子量約550)を添加したものを改質処理剤とした以外は、実施例1と全く同一にして、改質された木質材料を得た。
次に、実施例1と全く同一にして、本実施例で得られた改質された木質材料の表面性状を観察すると共に、重量増加率、ブリネル硬度、幅方向ASE、揮発性有機化合物(VOC)の放散の有無を測定した。結果を表1に示す。
本実施例では、実施例1で調製した熱架橋性アクリル樹脂水溶液に、該熱架橋性アクリル樹脂固形分100重量部に対して33重量部のラクチトールを添加したものを改質処理剤とした以外は、実施例1と全く同一にして、改質された木質材料を得た。
次に、実施例1と全く同一にして、本実施例で得られた改質された木質材料の表面性状を観察すると共に、重量増加率、ブリネル硬度、幅方向ASE、揮発性有機化合物(VOC)の放散の有無を測定した。結果を表1に示す。
〔比較例1〕
本比較例では、まず、不飽和ジカルボン酸としてマレイン酸を20重量部、重合開始剤としてペルオキソ二硫酸カリウム1.2重量部を含む水溶液を調製し、該水溶液を改質処理剤とした。
次に、実施例1で用いたものと全く同一の前記乾燥単板を前記改質処理剤に浸漬して、減圧下で60分間処理した後、さらに加圧下で60分間処理し、該乾燥単板に該改質処理剤を含浸せしめた。次に、前記乾燥単板を前記改質処理剤から取り出し、50℃で30時間予備乾燥させた後、95℃で30時間加熱処理してマレイン酸の重合反応を行い、続いて150℃で12時間加熱して改質された木質材料を得た。
次に、実施例1と全く同一にして、本比較例で得られた改質された木質材料の表面性状を観察すると共に、重量増加率、ブリネル硬度、幅方向ASE、揮発性有機化合物(VOC)の放散の有無を測定した。結果を表1に示す。
〔比較例2〕
本比較例では、まず、不飽和ポリエステル樹脂25重量部、メタクリル酸メチルモノマー75重量部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(50%液)1重量部を混合して改質処理剤とした。
次に、実施例1で用いたものと全く同一の前記乾燥単板を前記改質処理剤に浸漬して、減圧下で60分間処理した後、さらに加圧下で60分間処理し、該乾燥単板に該改質処理剤を含浸せしめた。次に、前記乾燥単板を前記改質処理剤から取り出し、60℃で16時間乾燥させて改質された木質材料を得た。
次に、実施例1と全く同一にして、本比較例で得られた改質された木質材料の表面性状を観察すると共に、重量増加率、ブリネル硬度、幅方向ASE、揮発性有機化合物(VOC)の放散の有無を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2006335039
表1から、実施例1で得られた改質された木質材料は、表面の木質感を保持して優れた美観性を備えており、しかも優れた寸法安定性と硬度とを備えていることが明らかである。これに対して比較例1では、高温で長時間の処理を必要とするために、得られた改質された木質材料は、表1に示すように表面が褐色化して美観性が損なわれており、また硬度も十分でないことが明らかである。また、比較例2で得られた木質材料は、表1に示すように、表面がプラスチック調となって木質材料としての美観性が損なわれており、寸法安定性も低い上、スチレンを放散することが明らかである。
また、表1から、実施例1の改質処理剤に多価アルコールを添加した実施例2、水溶性エポキシ樹脂を添加した実施例3、糖類を添加した実施例4によれば、実施例1に比較して、さらに優れた寸法安定性または硬度を得ることができることが明らかである。

Claims (2)

  1. エチレン性不飽和酸無水物またはカルボン酸基が酸無水物基を形成することができるエチレン性不飽和ジカルボン酸のラジカル重合により得られた成分を、全体の5〜100重量%の範囲で含むポリマーと、
    少なくとも2つのヒドロキシル基を備えるアルキルアミンとからなり、
    該ヒドロキシル基を架橋成分とする熱架橋性アクリル樹脂を含む水溶液を改質処理剤とし、
    該改質処理剤を木質材料に浸透せしめる工程と、該木質材料内で該熱架橋性アクリル樹脂を硬化せしめる工程とを備えることを特徴とする改質された木質材料の製造方法。
  2. 前記改質処理剤に、多価アルコール化合物、水溶性エポキシ樹脂、糖アルコールからなる群から選択される少なくとも1種の添加剤を添加することを特徴とする請求項1記載の改質された木質材料の製造方法。
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