JP2006334487A - 固液分離装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 固液分離装置の回転するストレーナの外周に固形物および液体の混合物を均一に分散させて移送する。
【解決手段】 固形物および液体の混合物はケース21内を回転する円筒状のストレーナ22によって移送される間に液体を除去され、固形物だけが取出口40に排出される。混合物がストレーナ22によって移送されるとき、ストレーナ22を構成する円形リング体25の外周に固形物の円周方向の移動を抑制する多数の鋸歯状突起25dを形成したので、混合物はストレーナ22の外周の外部領域Aoに均等に分布した状態で移送されることになり、ストレーナ22の回転負荷の周期的な変動を抑制して振動や騒音の発生を防止することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、固形物および液体の混合物から固形物を分離する固液分離装置に関する。
複数の平板状の円形リング体を、所定の隙間で隙間を設けて積層することにより円筒体に形成されたストレーナと、ストレーナを収容する収容部を有するとともに、収容部がストレーナによって、ストレーナの内部領域と外部領域とに分離され、外部領域に固形物と液体との混合物を導入する導入口が形成され、外部領域に固形物と液体との混合物を導入する導入口が形成され、内部領域に円形リング体間を通過して内部領域に進入する液体を外部に排出する排出口が形成されたケースと、円形リング体間の各隙間に先端が進入する平板状凸片を有し、円形リング体の外周面に沿って相対的に移動して円形リング体の端面に付着する固形物を掻き取るスクレーパとを具備した固液分離装置が、下記特許文献1により公知である。
特開2004−351418号公報
ところで、上記従来のものは、円形リング体の外周に所定間隔で突起部を突設することでストレーナの外周面に軸線方向に延びるリブ部を形成し、このリブ部で固形物および液体の混合物を押して取出口へと移送するようになっている。しかしながら、円筒状のストレーナの外周面に所定間隔で形成されたリブ部で混合物を押して移送しようとすると、混合物がストレーナの回転方向上流側に偏ってリブ部の前面に堆積してしまう傾向があった。このように混合物がリブ部の前面に堆積すると、その堆積した混合物がスクレーパによって取出口に排出される際に一時的にストレーナの回転負荷が増大するため、周期的な負荷変動により振動や騒音が発生する問題があった。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、固液分離装置の回転するストレーナの外周に固形物および液体の混合物を均一に分散させて移送することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、複数の平板状の円形リング体を所定の隙間を介して軸線方向に積層することで円筒状に形成されたストレーナと、内部にストレナーを収納することで該ストレーナの径方向外側の外部領域および径方向内側の内部領域に区画されたケースと、ケースの外部領域に固形物および液体の混合物を導入する導入口と、混合物から分離された液体をケースの内部領域から排出する排出口と、混合物から分離された固形物をケースの外部領域から取り出す取出口と、ストレーナを軸線まわりに回転駆動することで、ケースの外部領域に沿って混合物を導入口から取出口へと移送する駆動源と、外部領域に存在する固形物およびストレーナの複数の円形リング体に付着した固形物を掻き取って取出口に案内すべく、該複数の円形リング体間の隙間に嵌合する複数の掻取板を有するスクレーパとを備えた固液分離装置において、前記円形リング体の外周に固形物の円周方向の移動を抑制する多数の鋸歯状突起を形成したことを特徴とする固液分離装置が提案される。
尚、実施例の第1〜第3円形リング体23,24,25は本発明の円形リング体に対応し、実施例の第1〜第3掻取板43,44,45は本発明の掻取板に対応する。
請求項1の構成によれば、固形物および液体の混合物はケース内を回転する円筒状のストレーナによって移送される間に液体を除去され、固形物だけが取出口に排出される。混合物がストレーナによって移送されるとき、ストレーナを構成する円形リング体の外周に固形物の円周方向の移動を抑制する多数の鋸歯状突起を形成したので、混合物はストレーナの外周の外部領域に均等に分布した状態で移送されることになり、ストレーナの回転負荷の周期的な変動を抑制して振動や騒音の発生を防止することができる。
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
図1〜図8は本発明の一実施例を示すもので、図1は生ゴミ処理装置の全体構成を示す図、図2は図1の2部拡大図(図3の2−2線断面図)、図3は図2の3−3線拡大断面図、図4はストレーナおよびスクレーパの部品図、図5はストレーナおよびスクレーパの分解斜視図、図6はスペーサブロックおよび蓋体の斜視図、図7は図2の7−7線拡大断面図、図8は図2の8−8線拡大断面図である。
図1に示すように、例えば家庭のキッチンから出た生ゴミを処理して有機肥料として再生する生ゴミ処理装置は、シンク11に設けた生ゴミ投入口12の下方に配置された粉砕装置13と、この粉砕装置13に接続された固液分離装置14と、この固液分離装置に接続された乾燥装置15とで構成される。
水栓16から流れる水と共にシンク11の生ゴミ投入口12に投入された生ゴミは、粉砕装置13により細かく粉砕された後に固液分離装置14により固形物と水とに分離され、乾燥装置15に送られた固形物は加熱乾燥されて元の生ゴミの20分の1の容積の有機肥料として再生される。
次に、図2〜図8に基づいて固液分離装置14の構造を説明する。
固液分離装置14のケース21の内部に回転自在に配置される概ね円筒状のストレーナ22は、2枚の第1円形リング体23,23と、それらの第1円形リング体23,23の間に交互に挟まれる多数枚の第2円形リング体24…および多数枚の第3円形リング体25…とを備える。第1〜第3円形リング体23,23;24…;25…は、何れも金属板を所定の形状に打ち抜いた板状の部材である。
第1円形リング体23は、円環状の本体部23aと、その中心に位置するボス部23bと、本体部23aおよびボス部23bを60°間隔で径方向に接続する6本のスポーク部23c…とを備えており、ボス部23bの中心に六角形の軸孔23dが形成されるとともに、本体部23aの内周に120°間隔で3個のピン孔23e…が形成される。第2円形リング体24は、第1円形リング体23の本体部23aと同形の本体部24aを備えており、その本体部24aの内周に120°間隔で3個のピン孔24b…が形成される。第3円形リング体25は、第1円形リング体23の本体部23aと同形の本体部25aを備えており、その本体部25aの内周に120°間隔で3個のピン孔25b…が形成される。また第3円形リング体25の本体部25aの外周には、60°間隔で6個の移送突起25c…が形成されるとともに、隣接する移送突起25c…間を埋めるように多数の鋸歯状突起25d…が形成される。
2枚の第1円形リング体23,23と、多数枚の第2円形リング体24…と、多数枚の第3円形リング体25…とを各3個のスペーサワッシャ26…を挟んで軸線L1方向に積層し、第1円形リング体23,23のピン孔23e…と、第2円形リング体24…のピン孔24b…と、第3円形リング体25…のピン孔25b…と、スペーサワッシャ26…とを貫通する3本のピン27…の先端にクリップ28…を装着することでストレーナ22が組み立てられる。そしてストレーナ22の2枚の第1円形リング体23,23のボス部23b,23bの六角形の軸孔23d,23dに、断面六角形の回転軸29が嵌合する。
ケース21は皿状の第1ケース半体30と板状の第2ケース半体31とを複数本のネジ32…で結合してなり、第1、第2ケース半体30,31に軸受けブッシュ33,34を介して回転自在に支持された回転軸29の一端が、電気モータのような駆動源35に接続されて図2の矢印a方向に回転する。
ストレーナ22をケース21内に装着した状態で、第3円形リング体25…の移送突起25c…の先端は第1ケース半体30の内周面30aの大部分に僅かな隙間を介して対向しており、第1ケース半体30の内周面30aとストレーナ22の第1〜第3円形リング体23,23;24…;25…の本体部23a,23a;24a…;25a…との間に外部領域Aoが区画され、前記本体部23a,23a;24a…;25a…の内部に内部領域Aiが区画される。外部領域Aoと内部領域Aiとは、スペーサワッシャ26…により形成された第1〜第3円形リング体23,23;24…;25…の本体部23a,23a;24a…;25a…間の隙間により連通する。
第1ケース半体30の下端部であって内周面30aと第3円形リング体25…の移送突起25c…の先端との距離が広がっている外部領域Aoに、混合物供給ダクト36(図1参照)を介して粉砕装置13に連なる導入口37が形成される。また回転軸29の直下の内部領域Aiに、排水ダクト38(図1参照)に連なる排出口39が形成される。
回転軸29の直上に位置するケース21の上端からストレーナ22の回転方向aの下流側にかけて、脱水した生ゴミを乾燥装置15に供給するための取出口40が形成される。この取出口40には、ストレーナ22により移送される生ゴミを取出口40に向けて案内するとともに、ストレーナ22に付着した生ゴミを掻き取るためのスクレーパ41と、生ゴミから最終的に水分を搾り取るための蓋体42とが設けられる。
スクレーパ41はストレーナ22のスペーサワッシャ26…と略等しい厚さの金属板よりなる第1〜第3掻取板43…,44…,45…を積層して構成される。その積層順序は、隣接する第1掻取板43…の間に、第2掻取板44…および第3掻取板45…が交互に配置されるものである。第1〜第3掻取板43…,44…,45…は、それらを一括して貫通する2本のボルト46,46とナット47,47とにより、第1ケース半体30および第2ケース半体31間に挟まれるように固定される。
第1掻取板43は最も寸法が大きいもので、その円弧状の内周縁が第1〜第3円形リング体23,24,25の本体部23a,24a,25aの内周縁に略一致するように配置される。2番めに寸法が大きい第2掻取板44は、その円弧状の内周縁が第2円形リング体24の本体部24aの外周縁との間に僅かな隙間を形成するように配置される。最も寸法が小さい第3掻取板45は、その円弧状の内周縁が第3円形リング体25の移送突起25cの先端との間に僅かな隙間を形成するように配置される。
ケース21の取出口40のストレーナ22の回転方向aの上流端に、楔状のスペーサブロック48が2本のボルト49,49およびナット50,50で固定される。この取付状態でスペーサブロック48の内周面は、第3円形リング体25…の移送突起25c…の先端との間に僅かな隙間を形成する。ケース21の取出口40を開閉自在に塞ぐ蓋体42の上流端(基端部)が、スペーサブロック48の近傍でボルト51およびナット52により揺動自在に枢支される。蓋体42の凸状の円弧部42aがスペーサブロック48の凹状の円弧部48aに嵌合することで、蓋体42がボルト51まわりに揺動してもスペーサブロック48との間に隙間が発生しないようになっている。
蓋体42の下流端(先端部)にはストレーナ22の軸線L1と平行な軸線L2を有する支軸53の両端部が固定されており、この支軸53にスクレーパ41の上面に対向するローラ54が回転自在に支持される。取出口40の内面と蓋体42の上面との間にコイルスプリングよりなる弾発手段55が圧縮状態で配置されており、この弾発手段55によって蓋体42は取出口40を閉じる方向に、つまりローラ54がスクレーパ41の上面に当接する方向に付勢される。
次に、上記構成を備えた実施例の作用を説明する。
シンク11の生ゴミ投入口12から投入された生ゴミおよび水の混合物は、粉砕装置13で粉砕された状態で混合物供給ダクト36を介して固液分離装置14の導入口37に導入される。導入口37からケース21の下部の外部領域Aoに供給された混合物は、駆動源35で回転するストレーナ22の移送突起25c…に押圧され、ケース21の外部領域Aoを図2の矢印a方向に移送される。ケース21内の水面W(図2参照)よりも上方に出た混合物から染み出た水は、ストレーナ22の第1〜第3円形リング体23,23;24…;25…間の隙間を通過してケース21の内部領域Aiに集まり、そこに開口する排出口39から排水ダクト38を介して排出される。ストレーナ22の第1〜第3円形リング体23,23;24…;25…間の隙間よりも小さい微細な固形物は、その多くが第1〜第3円形リング体23,23;24…;25…の表面に付着した状態で移送される。
ストレーナ22の移送突起25c…に押圧されてケース21の外部領域Aoを移送される混合物がケース21の取出口40の接近すると、その混合物はスクレーパ41の第1、第2掻取板43…,44…の上面に沿って径方向外側に案内され、弾発手段55の弾発力に抗して蓋体42を上方に押し上げる。その際に、混合物は蓋体42の下面に強く押し付けられて圧搾されることで固形物および水に分離され、水が内部領域Aiに落下して固形物が第1〜第3円形リング体23,23;24…;25…の上面に沿って取出口40に押し出される。
また第1〜第3円形リング体23,23;24…;25…の表面に付着した微細な固形物は、それら第1〜第3円形リング体23,23;24…;25…間の隙間に延びる第1掻取板43…によって掻き取られて径方向外側に案内され、外部領域Aoを移送されてきた固形物と合流して取出口40に押し出される。
上述のようにして混合物から水を分離した固形物がケース21の外部領域Aoから蓋体42を押し開いて取出口40に排出されるとき、その固形物は蓋体42の先端に設けたローラ54を回転させながら取出口40に排出されるため、固形物は蓋体42の先端部に引っ掛かることなくスムーズに排出され、しかもストレーナ22を回転させる駆動源35の負荷を減らして消費電力を削減することができる。
また回転するストレーナ22の移送突起25c…に押圧されて混合物がケース21の外部領域Aoを移送されるとき、その混合物がストレーナ22の移送突起25c…の移動方向前面に堆積してしまうと、蓋体42を押し開くためのストレーナ22の回転負荷が周期的に変動して振動や騒音の原因となったり、蓋体42による混合物の圧搾がスムーズに行われなくなる可能性がある。
しかしながら本実施例によれば、第3円形リング体25…の外周に鋸歯状突起25d…を形成したことにより、その鋸歯状突起25d…に混合物を引っかけて円周方向の偏りを抑制し、混合物がストレーナ22の移送突起25c…の移動方向前面に堆積するのを防止することで、振動や騒音の発生を防止するとともに蓋体42による混合物の圧搾をスムーズに行うことができる。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、実施例では第3円形リング体25に鋸歯状突起25d…を設けているが、第1〜第3円形リング体23,24,25のうちの任意の円形リング体に鋸歯状突起を設けても良い。
また実施例の固液分離装置は取出口40に蓋体42を備えているが、この蓋体42は必ずしも必要ではなく、廃止することも可能である。蓋体42を廃止した場合、外部領域Aoの径方向の幅をストレーナ22の回転方向aの下流側ほど狭くすることで、固形物から水分を絞り出すことができる。
生ゴミ処理装置の全体構成を示す図 図1の2部拡大図(図3の2−2線断面図) 図2の3−3線拡大断面図 ストレーナおよびスクレーパの部品図 ストレーナおよびスクレーパの分解斜視図 スペーサブロックおよび蓋体の斜視図 図2の7−7線拡大断面図 図2の8−8線拡大断面図
符号の説明
21 ケース
22 ストレーナ
23 第1円形リング体(円形リング体)
24 第2円形リング体(円形リング体)
25 第3円形リング体(円形リング体)
25d 鋸歯状突起
35 駆動源
37 導入口
39 排出口
40 取出口
41 スクレーパ
43 第1掻取板(掻取板)
44 第2掻取板(掻取板)
45 第3掻取板(掻取板)
Ao 外部領域
Ai 内部領域
L1 軸線

Claims (1)

  1. 複数の平板状の円形リング体(23,24,25)を所定の隙間を介して軸線(L1)方向に積層することで円筒状に形成されたストレーナ(22)と、
    内部にストレナー(22)を収納することで該ストレーナ(22)の径方向外側の外部領域(Ao)および径方向内側の内部領域(Ai)に区画されたケース(21)と、
    ケース(21)の外部領域(Ao)に固形物および液体の混合物を導入する導入口(37)と、
    混合物から分離された液体をケース(21)の内部領域(Ai)から排出する排出口(39)と、
    混合物から分離された固形物をケース(21)の外部領域(Ao)から取り出す取出口(40)と、
    ストレーナ(22)を軸線(L1)まわりに回転駆動することで、ケース(21)の外部領域(Ao)に沿って混合物を導入口(37)から取出口(40)へと移送する駆動源(35)と、
    外部領域(Ao)に存在する固形物およびストレーナ(22)の複数の円形リング体(23,24,25)に付着した固形物を掻き取って取出口(40)に案内すべく、該複数の円形リング体(23,24,25)間の隙間に嵌合する複数の掻取板(43,44,45)を有するスクレーパ(41)と、
    を備えた固液分離装置において、
    前記円形リング体(25)の外周に固形物の円周方向の移動を抑制する多数の鋸歯状突起(25d)を形成したことを特徴とする固液分離装置。
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