JP2006334083A - 内視鏡用カテーテル - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成でありながら確実かつ容易に操作できるとともに安価に提供できる内視鏡用カテーテルを提供することにある。
【解決手段】外シース1と、この外シース1に対し移動自在に組み合わされた内シース2の先端部間に配置され、上記シースの移動により径の拡張および縮小する操作が可能な先端作用部102を具備した内視鏡用カテーテルである。
【選択図】図1

Description

本発明は、体腔内の目的部位に先端部をウェッジして使用するようにした内視鏡用カテーテルに関する。
従来、気管支肺胞内の液体成分を回収して診断する方法として気管支肺胞洗滌診断(Bronchoalveolar Lavage:BAL)がある。これは、気管支鏡先端を目的部位にウェッジし、気管支肺胞に生理食塩水を注入後、気管支肺胞内の液体を吸引して回収し、回収された洗浄液に含まれる細胞成分などを分析し、病理診断や病因論的解析する。
この場合、注入する生理食塩水は、気管支鏡のチャンネルから気管支に注入され、気管支鏡に接続された外部の吸引装置により気管支鏡のチャンネルに陰圧を加えることにより、気管支鏡のチャンネルを介して気管支肺胞内の液体を回収するようにしていた。
この従来の診断手法は、内視鏡が挿入できる気管支が比較的太い部分、即ち中枢気道領域からの生理食塩水の注入および回収が可能な領域にのみ適用できる手法である。また、内視鏡先端より先の気管支は無数に分岐しているため、検査目的とする気管支以外の場所にも生理食塩水が注入され、ある程度広範囲な領域の細胞成分を回収してしまうので、病巣がどの気管支に存在するかは明確に解らず、限局的な解析は望めなかった。
特開平11−262528
そこで、特定の気管支を狙って、内視鏡先端より先の気管支に病巣が存在するか否かを確認したり、病態変化を観察したりする意味での限局性のBALの手技を新たに提案する。これは、バルーン付きのカテーテルを用い、バルーンの拡張にて特定の気管支腔にカテーテルをウェッジさせようとするものである。
一般に、バルーンへの送気・排気のための管路と、カテーテル本来の送液・排液のための管路を夫々独立して配した複雑な多孔チューブを用い、カテーテルの手元にはその各管路に通じる多くの分岐部と口金等を設けたものであり、全体として複雑な構成になっている。このため、製作コストが高まり、その取扱は煩雑で操作に長い時間を要するものであった。
しかしながら、BALでは、局部的ではあるが、気管支内を液体で満たしてしまうので、患者への負担が大きい。そのため、送液した生理食塩水を素早く吸引する必要がある。従来のバルーン付カテーテルでは、複数のルーメンを設けているので、一つ一つのルーメン径が小径になってしまい、流体を送り出したり、吸引したりする際に管路抵抗が大きくなって吸引時間が非常に長くなってしまうとともにその取扱が煩雑で操作に長い時間を要する。
一方、BALとは目的が異なるものの、特許文献1(特開平11−262528)において提案されているバルーン付の血管カテーテルがある。この特許文献1の血管カテーテルは一部の管路を共用するようにしたものである。
しかしながら、この特許文献1の血管カテーテルを仮にBALの手技に適用する場合、バルーンへの送気・排気のための管路部分と、カテーテル本来の送液・排液のための管路部分の構造部分を複雑に構成する必要があり、結果的に小径化が困難な構造になってしまう。
以上の如く、バルーンを備えたカテーテル構造では、管路構成が複雑になるとともに、その管路径を確保するためにカテーテルの小径化が困難であること、さらには製作コスト面でのリスクは否めない。また、バルーンを用いていることからインフレーション時のバルーンを拡張させる場合の送量のコントロール操作等に高度の管理や手技が求められ、素早い処置操作も困難である。
本発明は上記課題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、簡単な構成でありながら確実かつ容易に素早い操作ができるとともに安価に提供できる内視鏡用カテーテルを提供することにある。
本発明は、第1シースと、上記第1シースに対し移動自在に組み合わされた第2シースと、上記第1シースの先端部と上記第2シースの先端部の間に配置され、上記第1シースと上記第2シースの移動により径の拡張および縮小する操作が可能な先端作用部と、を具備したことを特徴とする内視鏡用カテーテルである。
本発明によれば、送排液の管路径の制限が緩和されるので、送排液の管路径を大きくでき、送排液のスピードを速めることができる。従来のバルーン同様の効果をもたらすゴム状シートの拡径操作が容易なものであり、従来のバルーン付カテーテルの場合に比べて、容易に検査できる。しかも、カテーテルの細径化が図れ、かつ、構成の簡略化と製作コストの低減化が図れる。
(第1実施形態)
図1乃至図7を参照しながら本発明の第1実施形態に係る内視鏡用カテーテルについて説明する。
図1に示すように、内視鏡用カテーテル100は、長尺な挿入部101を備え、この挿入部101の先端部には径方向への膨縮が自在な先端作用部102が設けられている。また、挿入部101の後端には操作部103が連結されていて、この操作部103によって、上記先端作用部102を膨縮させる操作を行うようになっている。
図2に示すように、挿入部101は、可撓性を有した長尺な外シース1と、この外シース1の中に摺動自在に挿通された可撓性を有した長尺な内シース2との組み合わせによって構成される。このため、外シース1と内シース2は前後方向へ相対的な移動が自由な関係にあり、相互に進退自在な組み合わせになっている。内シース2はその内孔によってカテーテル管路を形成し、このカテーテル管路は図2に示すように内シース2の先端において開孔している。
また、図2に示すように、内シース2の先端部分は、外シース1の先端から突き出しており、その最先端露出領域は、たとえば気管支腔内への挿入を容易にするために先が細いテーパーとなっている。このテーパー部3の後ろ端側には鍔状の返し部4がフランジ部分として形成されている。返し部4は少なくとも外シース1の外径よりも小径である。
上記先端作用部102は、返し部4と外シース1の先端部5との間に構成され、シースの径方向への拡張と縮小がなされる部分である。本実施形態では、図3に示す如くの伸縮・弾性を有する円筒状のゴム状(弾性)シート6によって構成される。そして、ゴム状シート6は、図2乃至図5に示すように、外シース1の先端と内シース2の先端部分との間に位置する内シース2の外周部分に被嵌して配置されており、ゴム状シート6の一端(基端)は外シース1の先端部5に接着固定され、同シート6の他端(先端)は内シース2の返し部4の直後位置に接着固定される。本実施形態でのゴム状シート6の固定方法としては接着を提示したが、糸巻き接着や溶着または別部材にてゴム状シート6の端部を外周からカシメ等による機械的な固定方法であってもよい。また、ゴム状シート6の材質としては生体適合を有し、かつ弾性機能が高い、たとえば樹脂材料が用いられる。
そして、上記ゴム状シート6の部分は、後述する操作部103により、外シース1を後退させ、あるいは内シース2を前進させる操作を行うことで、図4に示すように延びて径が縮小させられる。また、逆に、外シース1を前進させ、あるいは内シース2を後退させる操作を行うことで、図5に示すように上記ゴム状シート6の材料部分が、返し部4に隣接する部分に集まって縮み、シースの外方向への径拡張がされる。
一方、操作部103は、図6に示すように、外シース1に連結した握り部7と、内シース2に連結した摘み部8との組み合わせによって構成され、外シース1と内シース2を相対的に前進あるいは後退させる操作ができる。ここでは、図示していないが、握り部7と、摘み部8とを所望の位置での固定並びに解除が可能なロック機構がその握り部7と摘み部8との間に設けられている。
図1に示すように、摘み部8の後端部には、内シース2内に通じる口金9が設けられ、この口金9には、図6に示す注射筒104が着脱自在に取り付けられるようになっている。
次に、内視鏡用カテーテル100の作用について説明する。内視鏡用カテーテル100の先端作用部102は、通常の状態では、ゴム状シート6の部分が図4に示すような縮小した形状を呈している。そして、このように先端作用部102が縮小した状態で体腔内に内視鏡用カテーテル100の挿入部101を挿入する。
実際にBALの手法を行う場面では、内視鏡そのものが挿入できる気管支が比較的太い部分、即ち中枢気道領域まで内視鏡を挿入し、この内視鏡のチャンネルを通じて内視鏡用カテーテル100を挿入し、図7に示すように選んだ気管支腔105内に挿入部101の先端部分を差し込む。
そして、手元側の操作部103の握り部7を一方の手で保持しながら、摘み部8を他の手で摘み、摘み部8を後ろ側へ引く。すると、外シース1が後退し、ゴム状シート6は図5の如く、内シース2の返し部4と外シース1の先端部5の間で押し縮められるともに、内視鏡用カテーテル100の挿入部101の軸方向に圧縮されると同時に径方向へ拡径する。このとき、圧縮されたゴム状シート6の外径D1は外シース1の外径D2よりも大きく拡径される。なお、前述の操作以外にも、摘み部8を保持して握り部7の方を前進させることでも同じ作用が得られる。
このように、ゴム状シート6を拡径させると、その拡径部は図7に示すように、気管支腔105の内壁面に押し付けられ、その位置において気管支腔105にウェッジする。そして、図示しないロック機構にて握り部7より後退位置にある摘み部8が動かないように固定する。
この後の生理食塩水の注入・排出は、図6に示す如く、摘み部8の後端部にある口金9に注射筒104を取り付けて内シース2のカテーテル管路を通じて行われる。
以上の如く、手元側の操作部103でシース1,2を後退させ、あるいは前進させる操作で、ゴム状シート6が縮められ、シースの外方向へ径を拡張させることができる。これにより、BAL検査を行う上での気管支腔のウェッジ操作を簡単に行うことができる。また、限局性のBALにおいては特に末梢気管支でカテーテルをウェッジさせることとなるため、従来のバルーンカテーテルのように大きな拡径を必要としないため、本提案のシート圧縮による拡径レベルでもウェッジ機能は十分得られる。
また、バルーンに流体を送排するための管路が設けないので、その分、カテーテル本来の送排用管路径が大きく出来る。このため、送排液のスピードが速い。バルーン同様の効果をもたらすゴム状シート6の拡径操作が、シース1,2を同軸上に進退させる操作のみで済むため、その操作が容易である。
さらに、カテーテル本来の送排用管路以外の管路がないので、カテーテルの挿入部自体を細径化することができる。手元操作部でも複数の送気・送液管路を分離させる分岐構造や複数の口金が増えない。また、ゴム状シート6の成形が比較的容易である。したがって、カテーテルの構成が簡略化し、その製作コストを低減化できる。
(第2実施形態)
図8および図9を参照しながら本発明の第2実施形態に係る内視鏡用カテーテルについて説明する。
本実施形態が上述した第1実施形態のものと異なる点は、弾性を有す樹脂製シートがその厚みに均一性の制約を受けない構成の例であることである。すなわち、図8に示すように、本実施形態では、シート内壁21に複数個のリング状リブ22を、間隔をおいて固着した点である。各リブ22は円形の断面形状のものであり、その材質は金属でも樹脂でもよい。リング状のリブ22はゴム状シート6の材料とは別の部材を使用しているが、ゴム状シート6と一体に成形するものであってもよい。これ以外の構成は上述した第1実施形態と同じである。
このようなゴム状シート6を用いた場合でも、その操作方法は、上述した第1実施形態の場合と同様であるが、ゴム状のシート6が圧縮されて拡径したときに図7に示すように、ゴム状シート6は複数のリブ22の干渉によりコブ状に外側へ強く張り出す。それ以外の作用は、第1実施形態の場合と同じである。
本実施形態の構成によれば、ゴム状シート6が拡径する時の硬さが維持でき、ウェッジ力が強くなる。
(第3実施形態)
図10および図11を参照しながら本発明の第3実施形態に係る内視鏡用カテーテルについて説明する。
本実施形態が上述した第1および2実施形態のものと異なる点は次の通りである。つまり、図10に示すように、ゴム状のシート6のシート厚さは全長に渡り変わらず、太径部31aと小径部31bとが順番に繰り返される波状部31を形成したものである。その他の構成は、第1実施形態と同じである。
このようなゴム状シート6を用いた場合でも、その操作方法は、上述した第1実施形態の場合と同様であるが、ゴム状シート6が圧縮されて拡径したとき、図11に示すように、波状部31の凹凸に準じて、ゴム状シート6がランダムに圧縮拡径がなされる。それ以外は、第1の実施形態と同じである。
本実施形態によれば、波状部31を形成したことにより、ゴム状シート6の軸方向の圧縮に関わる力を軽減でき、ゴム状シート6の拡径操作が軽く容易になる。
(第4実施形態)
図12および図13を参照しながら本発明の第4実施形態に係る内視鏡用カテーテルについて説明する。
本実施形態が上述した第1実施形態のものと異なる点は弾性を有す樹脂製シートがその厚みに均一性の制約を受けない構成のものである。すなわち、本実施形態では、ゴム状のシート6の肉厚を図12に示すように、円筒形状の長手方向中心部で薄肉部41を形成した。それ以外は、第1実施形態と同じである。
図12に示すように、ゴム状シート6が圧縮されて拡径したとき、ゴム状のシート6の薄肉部41を中心として「く」の字状に折れ曲がることで、容易に拡径がなされる。それ以外は、第1の実施形態と同じである。
なお、本発明は、前述した実施形態のものに限定されるものではなく、他の形態にも適用が可能である。例えば、前述した実施形態では、シートがシースに被嵌するように筒状の部材としたが、拡径できれば、筒状でない他の形状の部材であっても良い。また、筒状のシートにスリットを形成するものであっても良い。
本発明の第1実施形態に係る内視鏡用カテーテル全体の斜視図。 同じく第1実施形態に係る内視鏡用カテーテルの先端作用部の斜視図。 同じく第1実施形態に係る内視鏡用カテーテルの先端作用部を構成するゴム状シートの縦断面図。 同じく第1実施形態に係る内視鏡用カテーテルの先端作用部の縮径状態における縦断面図。 同じく第1実施形態に係る内視鏡用カテーテルの先端作用部の拡径状態における縦断面図。 同じく第1実施形態に係る内視鏡用カテーテルの操作部の斜視図。 同じく第1実施形態に係る内視鏡用カテーテルの一使用状態の説明図。 本発明の第2実施形態に係る内視鏡用カテーテルの先端作用部を構成するゴム状シート部分の縮径状態での縦断面図。 同じく第2実施形態に係る内視鏡用カテーテルの先端作用部の拡径状態での縦断面図。 本発明の第3実施形態に係る内視鏡用カテーテルの先端作用部を構成するゴム状シート部分の縮径状態での縦断面図。 同じく第3実施形態に係る内視鏡用カテーテルの先端作用部の拡径状態での縦断面図。 本発明の第4実施形態に係る内視鏡用カテーテルの先端作用部を構成するゴム状シート部分の縮径状態での縦断面図。 同じく第4実施形態に係る内視鏡用カテーテルの先端作用部の拡径状態での縦断面図。
符号の説明
1…外シース、2…内シース、5…先端部、6…ゴム状シート
100…内視鏡用カテーテル、102…先端作用部

Claims (5)

  1. 第1シースと、
    上記第1シースに対し移動自在に組み合わされた第2シースと、
    上記第1シースの先端部と上記第2シースの先端部の間に配置され、上記第1シースと上記第2シースの移動により径の拡張および縮小するようにした操作可能な先端作用部と、
    を具備したことを特徴とする内視鏡用カテーテル。
  2. 上記第1シースは、第2シースの外周に進退自在に被嵌され、上記先端作用部は、上記第2シースの外周に被嵌した弾性を有する筒状のシートからなり、さらに上記シートの一端を上記第1シースに連結し、上記シートの他端を上記第2シースに連結したことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用カテーテル。
  3. 上記シートに波状部を付与したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内視鏡用カテーテル。
  4. 上記シートの中間部に薄肉部を形成したことを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3に記載の内視鏡用カテーテル。
  5. 上記シートに間隔をおいて複数のリング状リブを設けたことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3または請求項4に記載の内視鏡用カテーテル。
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