JP2006333256A - 原稿読取装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 段差ガイド31を、平面視、頂点311が読取位置491側に突出している山型の形状とする。これにより、原稿後端は、段差ガイド31の通過時に、その後端側の辺が主走査方向の両端部から中央部にかけて部分的に徐々に段差ガイド31から開放されることになり、段差からの落下時における副走査方向の速度変動が低減される。
【選択図】 図2
Description
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、段差形成部材等を設けることにより原稿に付着しているごみを原稿台に移り難くして原稿台の汚れによる画質劣化を抑える構成をとりつつ、原稿が段差形成部材等を抜ける時の原稿後端付近の速度変動を低減して画像の歪みをも抑制できる原稿読取装置を提供することを目的としている。
また、前記ガイド部材は、前記直線に平行な方向における当該ガイド部材の一端から他端までの長さが、原稿搬送方向に下流側の位置になるに連れて短くなっていることを特徴とする。
さらに、前記ガイド部材は、当該ガイド部材を平面視したときに、前記読取位置側の端部を頂点としてその頂点から原稿搬送方向上流側に向かって伸びる2つの辺を有する三角形からなる部分を含むことを特徴とする。
また、前記三角形は、二等辺三角形であり、前記頂点が原稿搬送路の幅方向における略中心に位置することを特徴とする。
このようにすれば、原稿後端をその両端部から中央部にかけてガイド部材から徐々に開放することができ、原稿後端の部分部分における速度変動の偏りをなくすことができる。
このようにすれば、速度変動による読取位置でのずれをより少なくすることができ画像歪みをより低減できる。
さらに、前記ガイド部材は、前記原稿台表面に対し段差をつける段差形成部材であることを特徴とする。
また、原稿をその先端から後端までの全体について前記原稿台表面から浮かせた状態で搬送する構成になっていることを特徴とする。
このようにすれば、原稿面の糊等が直接原稿台に移動することがほとんどなくなり、原稿台にごみが付着することをより低減できる。
このように原稿搬送路が弓形になるようにすれば、直線状とする場合に比べて原稿搬送のための部材の設置スペースを縮小でき装置の小型化を図れる。
また、前記ガイド部材は、前記原稿搬送路に沿って、前記原稿台表面に向かって傾斜した状態で配されていることを特徴とする。
また、さらに、前記読取位置は、原稿搬送方向に所定の間隔をおいて位置する複数の読取位置のことであり、前記原稿の画像を前記複数の読取位置で読み取って、各読取位置ごとに対応した異なる色の成分信号を生成する読取手段を備えることを特徴とする。
このようにいわゆるカラー画像を読み取る構成とした場合には、各読取位置での原稿の速度変動を抑えることができ、もって色ずれの抑制が可能になる。
図1は、複写機10の概略構成を示す図である。
同図に示すように複写機10は、大きく分けて、原稿画像を読み取る原稿読取装置としてのイメージリーダ部12と、読み取った画像を記録シート上にプリントして再現するプリンタ部14とから構成される。
自動原稿搬送装置16は、原稿給紙トレイ18にセットされた原稿束から原稿を1枚ずつ分離してシートスルー用プラテンガラス(以下、単に「プラテンガラス」という。)50上を通過させた後、原稿排紙トレイ22に排出するものである。
プラテンガラス50上には、原稿搬送方向上流側の位置に段差ガイド31が貼着されている。この段差ガイド31は、搬送される原稿をプラテンガラス50表面から浮いた状態(プラテンガラス50表面と非接触の状態)になるように案内する部材(ガイド部材)である。この段差ガイド31の形状等については後述する。
画像処理部60は、受信した画像信号にシェーディング補正等の公知の補正処理を施した後、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各再現色用の画像データに変換して画像形成部14に送る。
そして、各色ごとに感光体ドラム上に作像されたトナー像を、中間転写ベルト上の同位置に重なるように一次転写させ、中間転写ベルト上に一次転写された各色トナー像を二次転写位置で記録シート上に一括転写(二次転写)させる。そして、定着部で記録シート上のトナー像を加熱加圧して定着させ、定着後の用紙を機外に排出させる。
段差ガイド31の高さhは、ここでは約0.75[mm]である。図2(a)の一点鎖線25は、原稿搬送路を示している。図2(b)の一点鎖線251は、原稿搬送路25の主走査方向略中央の位置のラインを示している。なお、各部材の大きさについては、説明の都合上、実際のものと一致していない場合がある。
山型の部分312は、頂点311から原稿搬送方向上流側に向かって伸びる、長さが略等しい辺313、314の他端の点315、316を結んでなる二等辺三角形をしており、その頂点311は、原稿搬送路25の主走査方向略中央に位置している。
段差ガイド31に山型の部分312を設けることにより、搬送中の原稿の後端が段差ガイド31から部分的に徐々に開放されて行き、もって段差ガイド31の通過時(抜けたとき)の原稿後端の副走査方向の搬送速度変化による画像歪みを低減することができる。以下、図3〜図8を用いて具体的に説明する。
具体的には、図3(a)は、原稿後端の主走査方向中央部(以下、「原稿の後端中央部」という。)71が段差ガイド31上に残り、主走査方向両端部(以下、「原稿の後端両端部」という。)72、73が段差ガイド31を通過して開放されている(自由端になっている)時点の様子を示す平面図、図3(b)は、図3(a)のC−C線でプラテンガラス50等を切断したときの矢視断面図、図3(c)は、D−D線で切断したときの矢視断面図、図3(d)は、図3(a)の矢印E方向から段差ガイド31を見たときの側面図である。
具体的には、図4(a)は、図3の時点よりも原稿搬送が進み、原稿の後端中央部71が段差ガイド31の頂点311を通過する瞬間の様子を示す平面図、図4(b)は、図4(a)のF−F線でプラテンガラス50等を切断したときの矢視断面図、図4(c)は、図4(a)の段差ガイド31を矢印G方向から見たときの側面図である。なお、図4(b)の破線は、後端中央部71が落下によりプラテンガラス50表面に接したときの状態を示している。
図4に示すように、原稿の後端中央部71が段差ガイド31の頂点311を通過すると、段差ガイド31から開放され、重力等の作用を受けてプラテンガラス50に向かって落下するが、その時点では、原稿の後端中央部71だけが自由端になる。そのため、ある程度の速度変動が生じるが、後端中央部71だけが瞬間的に落下するだけになる。
両図では、横軸が時間を、縦軸が原稿搬送速度を示している。本実験では、原稿搬送速度を測定する公知の測定器具、具体的にはレーザドップラー速度計をプラテンガラス50の下方に配置し、読取位置Gを通過する原稿の後端中央部71付近の実際の速度を所定のサンプリング周期[4kHz]で測定し、これをプロットして線で繋いだものである。ここでは、原稿搬送速度が177[mm/秒]に設定されている。なお、原稿搬送速度は、丸で囲んだピーク部分を除いて177[mm/秒]付近を中心に数%程度の幅をもって上下に振れているが、これは搬送速度の許容範囲内を示している。
ここで、図5では、計測から約1.64[秒]付近でピークが現れている。一方、図6では、1.615[秒]付近でピークが現れており、ピークの現れる位置が異なっている。これは、比較例の場合、段差ガイドが平面視長方形であり、d=0としたものに等しく、段差ガイド31に対し、dすなわち5[mm]分だけ、原稿後端が段差部材を抜ける時間が早くなっているからである。また、双方とも1.67[秒]を過ぎた位置で速度がゼロになっているのは、原稿後端が読取位置Gを通過したことを示している。
本実施の形態と比較例を見ると、本実施の形態の方が、速度変動の生じ始めから収束に向かうまでの時間(t1+t2:以下、変動時間Tという。)が短くなっている。
図7は、原稿上の1つの画素(画像情報)が速度変動が生じないとしたときに読取位置B、G、Rの順に読み取られる場合のその様子を示す模式図であり、(a)は、画像情報が読取位置Bで読み取られる時点T1を、(b)は、読取位置Gで読み取られる時点T2を、(c)は、読取位置Bで読み取られる時点T3をそれぞれ示しており、(d)は、各読取位置B〜Rでの速度変動(従来例に相当)の様子を模式的に示した図である。
T2=T1+(L/V)・・・(式1)
T3=T1+2×(L/V)・・・(式2)
T1〜T2、T2〜T3の時間間隔(L/V)は、LとVが固定であれば一定であるが速度変動が生じると変動することになる。
一方、図7(b)では、原稿後端が段差ガイド31から開放され、プラテンガラス50に向かって落下するため、図7(d)のように副走査方向の速度が一瞬早くなった後(第1のピーク)、遅くなる(第2のピーク)といった現象が生じる。
図7(c)では、原稿後端の落下が完了し、図7(d)のように原稿の搬送速度は略一定に戻り、画像情報は時点T3にて読取位置Rで読み取られる。
上記のように、読取位置B〜R間の副走査方向の距離は、8ライン相当分になっている。そのため、本実施の形態の場合のように、4ライン相当の時間内に速度変動が略収まれば、読取位置B、G、Rの全てにおいて変動の影響を受けることがなく、それだけ色ずれの発生を抑制できる。また、たとえ1色について影響を受けたとしても、その画素数が最少に留まり影響が少なくて済む。
そして、図5等に示すように速度変動とその加速度は、第1のピークのときが最も大きく、第2のピーク以降は徐々に収束していくものなので、実際に色ずれとして問題になり易いのは、時間t1の長さということがいえる。この時間t1に注目すると、本実施の形態の2ライン相当に対し、比較例では8ライン相当になっており、本実施の形態では1/4の時間に短縮されていることが解る。
図8は、色ずれ量を計測した結果を示す図である。
ここでは、原稿として主走査方向に平行な複数の線分を副走査方向に一定の間隔、例えば0.5[mm]間隔をおいて引いた、いわゆるラダーチャートを用いたときに現れた原稿後端中央部の複数の画素について、その色ずれ量の大きかったものを一つのdに対し4個を抽出して黒丸でプロットした図である。ここで、色ずれ量とは、当該画素が本来の読取位置で読み取られたときの位置に対し副走査方向にどれだけずれているかを各色について計ったときのそのずれ量を示している。
この結果からdの値を例えば3[mm]以上にすれば、より色ずれ低減の効果を得られることが理解できる。dの値を大きくすることは、段差ガイド31の副走査方向の幅を広くすることを意味するから、それだけ段差ガイド31の装置上の配置スペースの確保が必要になる。従って、例えば3〜8[mm]の範囲など、dの値は、色ずれと配置スペースとの関係を考慮して実験等から予め最適な値が決められることになる。
以上説明したように本実施の形態では、段差ガイド31に山型の部分312を設ける構成にしたので、原稿後端が段差ガイド31を通過する際に、その山型の部分312の辺313、314(ガイド部材の原稿搬送方向下流側の端辺に相当)に沿って徐々に開放されていくことになり、原稿後端が開放されて落下するときの副走査方向の速度変動を抑制でき、もって色ずれを抑制できるという効果を奏する。また、1色ごとに見れば、当該色の読取位置において本来の位置からずれる画素の数が少なくなってそれだけ画像歪みを抑えることが可能になる。
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施の形態では、段差ガイド31に山型の部分312を設ける構成としたが、搬送される原稿の後端が徐々にガイドから開放される構成であればその構成に限定されることはない。
両図共、原稿の後端が段差ガイド80、85を通過する際にその辺82、83、87(ガイド部材の原稿搬送方向下流側の端辺に相当)から徐々に開放されることになり、実施の形態と略同様の効果を得ることができる。
また、段差ガイドを、山型の部分312、81、三角形の部分86だけで構成するとしても良い。
図10(a)に示す構成例では、プラテンガラス50とガイド部材88とが別々なので、例えばプラテンガラス50上にガイド部材88の貼着領域を確保しておく必要がなく、それだけプラテンガラス50の副走査方向長さを短くできる。
さらに、図10(c)に示すように斜行部881を設ける構成とすれば、原稿後端が斜行部881に沿ってプラテンガラス50に向かうことになり、落下時の速度変動をより抑制することができる。このことは、上記段差ガイド31、80、85にも適用できる。
上記のように、ガイド部材が平面視長方形の構成(従来相当)では、ガイド部材の原稿搬送方向下流側の端辺(直線)が主走査方向に略平行のため、原稿後端がガイド部材を通過する際に原稿の後端側の辺70の全部がガイド部材から一度に開放されてしまい、速度変動が多くなってしまう。
原稿の腰の強さ、原稿搬送速度、段差ガイドの高さ、正面視したときの原稿搬送路の形状(例えば、プラテンガラス50上での経路が略直線状になっている場合には原稿が元の真っ直ぐな状態に戻ろうとする復元力が生じ難く、原稿後端がプラテンガラス50表面に接し難くなる。)等の条件によって、原稿後端もプラテンガラス50に接触せずに(非接触の状態で)プラテンガラス50上方を通過する構成をとることもでき、その場合も原稿後端が徐々に段差ガイド31から開放されることによる速度変動の低減という効果を上記同様に得られることになる。
25 原稿搬送路
31 段差ガイド
49 CCDセンサ
50 プラテンガラス
80、85、88 ガイド部材
81、312 山型の部分
82、83、313、314 山型の部分の原稿搬送方向下流側の端辺
311 段差ガイドの頂点
Claims (10)
- 透光性の原稿台上を搬送中の原稿の画像を固定の読取位置において前記原稿台を介して読み取る原稿読取装置であって、
前記読取位置よりも原稿搬送方向上流側に配置され、搬送中の原稿と接触して、原稿の少なくとも一部を前記原稿台表面から浮かせた状態で案内するガイド部材を備え、
前記ガイド部材は、当該ガイド部材を平面視したときに、原稿搬送方向下流側の端辺が原稿搬送方向に直交かつ前記原稿台表面に平行な直線に対し非平行であることを特徴とする原稿読取装置。 - 前記ガイド部材は、前記直線に平行な方向における当該ガイド部材の一端から他端までの長さが、原稿搬送方向に下流側の位置になるに連れて短くなっていることを特徴とする請求項1に記載の原稿読取装置。
- 前記ガイド部材は、当該ガイド部材を平面視したときに、前記読取位置側の端部を頂点としてその頂点から原稿搬送方向上流側に向かって伸びる2つの辺を有する三角形からなる部分を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の原稿読取装置。
- 前記三角形は、二等辺三角形であり、前記頂点が原稿搬送路の幅方向における略中心に位置することを特徴とする請求項3に記載の原稿読取装置。
- 前記二等辺三角形の前記頂点から当該頂点に対する辺までの長さをdとしたとき、dの値が3[mm]以上になっていることを特徴とする請求項4に記載の原稿読取装置。
- 前記ガイド部材は、前記原稿台表面に対し段差をつける段差形成部材であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の原稿読取装置。
- 原稿をその先端から後端までの全体について前記原稿台表面から浮かせた状態で搬送する構成になっていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の原稿読取装置。
- 前記原稿台上における原稿搬送路を前記直線に平行な方向から見たときに、その形状が凸の向きを原稿台側に向けた弓形状になっていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の原稿読取装置。
- 前記ガイド部材は、前記原稿搬送路に沿って、前記原稿台表面に向かって傾斜した状態で配されていることを特徴とする請求項8に記載の原稿読取装置。
- 前記読取位置は、原稿搬送方向に所定の間隔をおいて位置する複数の読取位置のことであり、
前記原稿の画像を前記複数の読取位置で読み取って、各読取位置ごとに対応した異なる色の成分信号を生成する読取手段を備えることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の原稿読取装置。
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