JP2006330714A - 粘着剤層付き光学積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高温、高湿の条件下においても、光学積層体とガラス基板との接着性に優れ、粘着剤層とガラス基板との間に発泡や剥離が生じないうえに、光学フィルムの収縮により生じる白抜け現象を抑制することができ、耐久性に優れた液晶表示板を得るための粘着層付き光学積層体を提供すること。
【解決手段】 光学積層体上に、官能基含有アクリル系樹脂(A)、該官能基と反応可能な官能基を有する不飽和基含有化合物(B)及び光重合開始剤(C)を含有する組成物[I]層に活性エネルギー線を照射してなる粘着剤層を設けてなることを特徴とする粘着剤層付き光学積層体。

Description

本発明は、三酢酸セルロース系フィルム等の保護フィルムで、偏光フィルム等の光学フィルムが被覆された光学積層体と液晶セルのガラス基板とを接着するための粘着剤層を設けた光学積層体、とりわけ粘着剤層付き偏光板に関し、更に詳しくは、高温、高湿の条件下においても、光学積層体とガラス基板との接着性に優れ、粘着剤層とガラス基板との間に発泡や剥離が生じないうえに、光学フィルムの収縮により生じる白抜け現象を抑制することができ、耐久性に優れた液晶表示板を得るための粘着剤層付き光学積層体に関するものである。
従来より、偏光フィルム、例えば偏光性が付与されたポリビニルアルコール系フィルム等の両面が、セルロース系フィルム、例えば三酢酸セルロースフィルムで被覆された偏光板を、2枚のガラス板の間に配向した液晶成分を狭持させた液晶セルの表面に積層され、液晶表示板とすることが行われており、この液晶セル面への積層は、偏光板表面に設けた粘着剤層を該セル面に当接し、押し付けることにより行われるのが通常である。
このようにして得られる液晶表示板は、パソコンや液晶テレビ、カーナビゲーション等の表示装置として広範囲に使用され、それに伴って使用環境も非常に過酷になっており、かかる過酷な環境下での使用においても耐久性に優れることが要求されている。
例えば、高温、高湿といった過酷な環境下においては、粘着剤層とガラス板との間に生じる発泡や剥がれといった現象が問題となる。更に、高温、高湿の環境下では、偏光フィルムが収縮してしまうのに対して、粘着剤層がこの偏光フィルムの収縮に追従することができず、液晶表示板の周縁部から光が漏れるという、いわゆる白抜け現象が問題となる。
かかる対策として、偏光板に用いる粘着剤の検討が行われており、例えば、アルキル(メタ)アクリレート57〜98.8重量部と、官能基含有モノマー1〜20重量部と、(メタ)アクリロイル基を有すると共にガラス転移温度が40℃以上であり、かつ数平均分子量が2000〜20000の範囲内にあるマクロモノマー0.2〜3重量部と、少なくとも該アルキル(メタ)アクリレートと共重合可能な他のモノマー0〜20重量部との共重合体を主成分とし、かつ該共重合体の重量平均分子量が50万〜200万の範囲内にある液晶素子用感圧接着剤(例えば、特許文献1参照。)や、(A)重量平均分子量50万〜250万の(メタ)アクリル酸エステル単独重合体又は共重合体と、(B)重量平均分子量5000以上50万未満の(メタ)アクリル酸エステル単独重合体又は共重合体とを、重量比100:1〜100:50の割合で含み、かつ(A)成分及び(B)成分のうち少なくとも一方が、分子中に窒素含有官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体である粘着剤組成物(例えば、特許文献2参照。)、(A)(メタ)アクリル酸エステル系共重合体と、(B)ポリイソシアネート化合物のアダクト体であって、2官能性のアダクト体と3官能性以上のアダクト体の含有割合が、重量比で100:0ないし10:90である架橋剤を含む粘着剤組成物(例えば、特許文献3参照。)、(A)重量平均分子量が100万以上の(メタ)アクリル酸エステル系共重合体と、その100重量部当たり、(B)重量平均分子量が1,000〜10,000の(メタ)アクリル酸エステル系オリゴマー5〜100重量部及び(C)2官能性架橋剤を含む架橋剤成分0.001〜50重量部を含む粘着剤組成物(例えば、特許文献4参照。)などが提案されている。
特開平8−209095号公報 特開2001−89731号公報 特開2001−262103号公報 特開2001−335767号公報
しかしながら、上記特許文献1の開示技術では、発泡や剥がれについてはある程度改善されているものの、近年特に重要視されている白抜け現象については考慮されておらず、偏光板用粘着剤としてはまだまだ満足のいくものではなかった。
また、特許文献2の開示技術では、剥がれについては改善されており、更に白抜け現象についても効果は認められるものの、65℃、95%RH、100時間の環境下での耐久評価であり、まだまだ満足のいくものではなく更なる耐久性の改善が求められるものである。
更に、特許文献3及び4の開示技術においては、100℃、1000時間及び60℃、90%RH、1000時間の環境下での耐久評価において、発泡や剥がれ、更に白抜け現象が改善されているが、液晶表示板の実際の使用状況を考慮すると、室温〜高温域の範囲で温度変化が繰り返される環境下においても、発泡や剥がれ、白抜け現象のないものが求められており、かかる環境下ではまだまだ満足のいくものではなかった。
そこで、本発明ではこのような背景下において、高温、高湿の条件下においても、光学積層体、とりわけ偏光板とガラス基板との接着性に優れ、粘着剤層とガラス基板との間に発泡や剥離が生じないうえに、偏光フィルムの収縮により生じる白抜け現象を抑制することができ、耐久性に優れた液晶表示板を得るための粘着層付き光学積層体、とりわけ粘着剤層付き偏光板を提供することを目的とするものである。
しかるに、本発明者等はかかる事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、光学積層体上に、官能基含有アクリル系樹脂(A)、該官能基と反応可能な官能基を有する不飽和基含有化合物(B)及び光重合開始剤(C)を含有する組成物[I]層に活性エネルギー線を照射してなる粘着剤層を設けてなる粘着剤層付き光学積層体が、上記目的と合致することを見出し、本発明を完成した。
また、本発明では、光学積層体又は離型シートのいずれかに、官能基含有アクリル系樹脂(A)、該官能基と反応可能な官能基を有する不飽和基含有化合物(B)及び光重合開始剤(C)を含有する組成物[I]を塗布、乾燥した後、他方を貼合し、活性エネルギー線を照射してなること、または、光学積層体又は離型シートのいずれかに、官能基含有アクリル系樹脂(A)、該官能基と反応可能な官能基を有する不飽和基含有化合物(B)及び光重合開始剤(C)を含有する組成物[I]を塗布、乾燥し、更に活性エネルギー線を照射した後、他方を貼合してなることが好ましい。
更に、本発明では、組成物[I]として、シラン系化合物(D)を含有することもガラス密着性を上げるといった点で、また、架橋剤(E)を含有することも基材への密着性や凝集力と粘着力のバランスを調整しやすいといった点で好ましい。
本発明においては、光学積層体の中でも、特に偏光板用途に用いることが好ましい。
本発明の粘着剤層付き光学積層体は、高温、高湿の条件下においても、光学積層体とガラス基板との接着性に優れ、粘着剤とガラス基板との間に発泡や剥離が生じないうえに、光学フィルムの収縮により生じる白抜け現象を抑制することができ、耐久性に優れた液晶表示板を得ることができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられる官能基含有アクリル系樹脂(A)としては、官能基含有エチレン性不飽和モノマー(a1)及びアクリル酸エステル系モノマー(a2)、必要に応じて更にその他の共重合性モノマー(a3)を共重合してなる重合体である。
かかる官能基含有エチレン性不飽和モノマー(a1)としては、例えば、
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、フマール酸、アクリルアミドN−グリコール酸、ケイ皮酸、(メタ)アクリル酸のミカエル付加物(例えば、アクリル酸ダイマー、メタクリル酸ダイマー、アクリル酸トリマー、メタクリル酸トリマー、アクリル酸テトラマー、メタクリル酸テトラマー等)、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルジカルボン酸モノエステル(例えば、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸モノエステル、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸モノエステル、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸モノエステル、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸モノエステル、2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸モノエステル、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸モノエステル等)等のカルボキシル基含有不飽和モノマー、
2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、3−クロロ2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−クロロ2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−ヒドロキシ3−フェノキシプロピルアクリレート、ジエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等の水酸基含有不飽和モノマー、
グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルメタクリレート等のグリシジル基含有不飽和モノマー、
2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート等のイソシアネート基含有不飽和モノマー、
アクリルアミド、メタクリルアミド、N−(n−ブトキシアルキル)アクリルアミド、N−(n−ブトキシアルキル)メタクリルアミド等のアミド基含有不飽和モノマー、
アクリルアミド−3−メチルブチルメチルアミン、ジメチルアミノアルキルアクリルアミド、ジメチルアミノアルキルメタクリルアミド等のアミノ基含有不飽和モノマー、
エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸あるいはその塩等のスルホン酸基含有不飽和モノマー、
等が挙げられ、これらから選ばれる少なくとも1種が用いられる。中でも、カルボキシル基含有不飽和モノマー、水酸基含有不飽和モノマー、グリシジル基含有不飽和モノマー、イソシアネート基含有不飽和モノマー、アミド基含有不飽和モノマーが好適に用いられる。
又、本発明では特に、アクリル系樹脂(A)中の官能基として、少なくともカルボキシル基を含むことが紫外線照射前の粘着力が高い点で好ましく、該官能基含有エチレン性不飽和モノマー(a1)として上記カルボキシル基含有不飽和モノマー又は、上記カルボキシル基含有不飽和モノマー及びその他の上記官能基含有不飽和モノマーを用いることが好ましい。この場合上記カルボキシル基含有不飽和モノマーの上記官能基含有エチレン性不飽和モノマー(a1)中の割合は90%以上であることが好ましい。また、上記カルボキシル基含有不飽和モノマーに関しては、反応性に応じてヘミアセタール化されているものでもよく、ヘミアセタール化は重合前に行われていても重合後に行われていてもよい。
また、リワーク性を重視する場合、低粘着にするために上記カルボキシル基含有不飽和モノマーではなく、上記水酸基含有不飽和モノマーを使用することが好ましい。
その他、粘着力の調整のために上記カルボキシル基含有不飽和モノマーと上記水酸基含有不飽和モノマーを適宜調整して使用する。
アクリル酸エステル系モノマー(a2)としては、例えば(メタ)アクリル酸エステル、特にはアルキル基の炭素数1〜12、好ましくは4〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられ、具体例として、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等が挙げられ、更に、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
その他の共重合性モノマー(a3)としては、例えばN−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロライド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアリルビニルケトン、N−ビニルピロリドン、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、スチレン等が挙げられる。
上記の官能基含有エチレン性不飽和モノマー(a1)及びアクリル酸エステル系モノマー(a2)、必要に応じて更にその他の共重合性モノマー(a3)を共重合して、官能基含有アクリル系樹脂(A)が得られる。
かかる共重合に当たっては、有機溶媒中に、上記官能基含有エチレン性不飽和モノマー(a1)及びアクリル酸エステル系モノマー(a2)、必要に応じて更にその他の共重合性モノマー(a3)、重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル、過酸化ベンゾイル等)を混合あるいは滴下し、還流状態あるいは50〜90℃で2〜20時間重合する。
かかる官能基含有エチレン性不飽和モノマー(a1)、アクリル酸エステル系モノマー(a2)、その他の共重合性モノマー(a3)の含有割合としては、特に限定されないが、官能基含有エチレン性不飽和モノマー(a1)が0.1〜50重量%(好ましくは1〜39.9重量%)、アクリル酸エステル系モノマー(a2)が50〜99.9重量%(好ましくは60〜98.9重量%)、その他の共重合性モノマー(a3)が0〜30重量%(好ましくは0〜20重量%)であることが好ましい。
かくして得られる官能基含有アクリル系樹脂(A)の重量平均分子量については、特に限定されないが、100万以上であることが耐久性能と白抜け性のバランスの点から好ましく、特に好ましくは120万以上、更に好ましくは140万以上である。かかる重量平均分子量が下限値未満では粘着剤層の耐熱、耐湿熱などの耐久性能と白抜け性のバランスが劣ることとなり、本発明の効果が十分に得られない傾向にある。
また、官能基含有アクリル系樹脂(A)の分散度は、特に限定されないが、15以下であることが好ましく、更には6以下が好ましい。かかる分散度が上限値を超えると粘着剤層の耐熱、耐湿熱などの耐久性能が劣る傾向にあり好ましくない。
更に、官能基含有アクリル系樹脂(A)のガラス転移温度も一概には特定されないが、−80〜−20℃、特には−75〜−25℃、更には−70〜−30℃が好ましく、ガラス転移温度が上限値を超えるとタックが不足する傾向にあり好ましくない。
尚、上記の重量平均分子量は、標準ポリスチレン分子量換算による重量平均分子量であり、高速液体クロマトグラフィー(日本Waters社製、「Waters 2695(本体)」と「Waters 2414(検出器)」)に、カラム:Shodex GPC KF−806L(排除限界分子量:2×107、分離範囲:100〜2×107、理論段数:10,000段/本、充填剤材質:スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、充填剤粒径:10μm)の3本直列を用いることにより測定されるもので、また分散度は重量平均分子量と数平均分子量より求められる。またガラス転移温度はFoxの式より算出されるものである。
官能基含有アクリル系樹脂(A)中の官能基と反応可能な官能基を有する不飽和基含有化合物(B)としては、例えば、前記のカルボキシル基含有不飽和モノマー、水酸基含有不飽和モノマー、グリシジル基含有不飽和モノマー、イソシアネート基含有不飽和モノマー、アミド基含有不飽和モノマー、アミノ基含有不飽和モノマー、スルホン酸基含有不飽和モノマー等が挙げられ、更にはグリシドールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和基を2個以上と水酸基を有するモノマー、および前記水酸基含有モノマーの2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート付加物も挙げられ、反応活性基と官能基の反応性に応じて適宜選択される。
例えば、アクリル系樹脂(A)中の官能基がカルボキシル基の場合はグリシジル基含有不飽和モノマーやイソシアネート基含有不飽和モノマーが、該官能基が水酸基の場合はイソシアネート基含有不飽和モノマーが、該官能基がグリシジル基の場合はカルボキシル基含有不飽和モノマーやアミド基含有不飽和モノマーが、該官能基がアミノ基の場合はグリシジル基含有不飽和モノマーが、それぞれ選択され用いられるが、本発明においては特に、アクリル系樹脂(A)中の官能基がカルボキシル基の場合で、不飽和基含有化合物(B)がイソシアネート基含有不飽和化合物であることが官能基の反応性と光学積層体との密着性の点で好ましい。但し、これらに限定されるものではない。
本発明で用いられる光重合開始剤(C)としては、特に限定されず、例えばベンゾイン、イソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、クロロチオキサントン、ドデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、アセトフェノンジエチルケタール、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等が挙げられ、単独もしくは併用して用いることができるが、中でもベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンが好適に用いられる。
かくして本発明で用いる、官能基含有アクリル系樹脂(A)、該官能基と反応可能な官能基を有する不飽和基含有化合物(B)、及び光重合開始剤(C)を含有する組成物[I]が得られる。
各成分の含有量については特に限定されないが、官能基含有アクリル系樹脂(A)100重量部に対して、不飽和基含有化合物(B)が0.5〜30重量部であることが好ましく、特には1〜25重量部、更には2〜20重量部であることが好ましい。不飽和基含有化合物(B)が下限値未満では凝集力不足となり耐久性能、耐白抜け性の悪化を招き、逆に上限値を超えてもそれ以上の効果が得られず無駄である。
光重合開始剤(C)の含有量については、官能基含有アクリル系樹脂(A)100重量部に対して、0.01〜10重量部、特には0.1〜7重量部、更には0.3〜3重量部が好ましい。光重合開始剤(C)の含有量が下限値未満では硬化性に乏しく物性が安定しなくなるため好ましくなく、上限値を超えてもそれ以上の効果が得られず無駄である。
また、本発明においては、組成物[I]中に占めるエチレン性不飽和基の含有量を、組成物[I]の固形分100gあたり1〜150mmol、特には2〜80mmol、更には5〜70mmolとすることが好ましく、下限値未満では後述の活性エネルギー線照射による粘着力にばらつきが出やすく、上限値を超えると活性エネルギー線照射後に硬化物が硬くなり過ぎ粘着力の低下をまねき好ましくない。
また、本発明では、単官能もしくは多官能アクリレートオリゴマーやウレタンアクリレートにより、不飽和基量を調製することも可能である。但し、これらに限定されるものではない。
本発明においては、上記組成物[I]として、更にシラン系化合物(D)を含有することもガラス板への密着性が向上する点で好ましく、かかるシラン系化合物(D)の含有量については、官能基含有アクリル系樹脂(A)100重量部に対して、0.001〜10重量部、特には0.01〜1重量部、更には0.03〜0.8重量部が好ましい。シラン系化合物(D)が下限値未満では添加効果が得られず、上限値を超えると官能基含有アクリル系樹脂(A)との相溶性が悪く接着力や凝集力が得られなくなる傾向にあり好ましくない。
かかるシラン系化合物(D)としては特に限定されないが、エポキシ系シラン、アクリル系シラン、メルカプト系シラン、水酸基系シラン等が挙げられ、特にエポキシ系シランが好ましく用いられる。
該エポキシ系シランの具体例としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリ(グリシジル)シラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられるが、中でも好ましいのはγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランである。
本発明では、組成物[I]として、更に架橋剤(E)を含有させることも基材への密着性や凝集力と粘着力のバランスを調整しやすいといった点で好ましく、かかる架橋剤(E)としては、特に限定されず、例えば、ビスフェノールA・エピクロルヒドリン型のエポキシ樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエリスリトール、ジグリセロールポリグリシジルエーテル等のエポキシ系化合物、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、N,N′−ジフェニルメタン−4,4′−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、N,N′−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)等のアジリジン系化合物、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミン、ヘキサプロポキシメチルメラミン、ヘキサプトキシメチルメラミン、ヘキサペンチルオキシメチルメラミン、ヘキサヘキシルオキシメチルメラミン、メラミン樹脂等のメラミン系化合物、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付加物、トリメチロールプロパンのキシリレンジイソシアネート付加物、トリメチロールプロパンのジフェニルメタン−4,4−ジイソシアネート付加物、トリメチロールプロパンのイソホロンジイソシアネート付加物、トリフェニルメタントリイソシアネート、メチレンビス(4−フェニルメタン)トリイソシアネート等のイソシアネート系化合物、グリオキザール、マロンジアルデヒド、スクシンジアルデヒド、マレインジアルデヒド、グルタルジアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等のアルデヒド系化合物、ヘキサメチレンジアミン、トリエチルジアミン、ポリエチレンイミン、ヘキサメチレンテトラアミン、ジエチレントリアミン、トリエチルテトラアミン、イソフォロンジアミン、アミノ樹脂、ポリアミド等のアミン系化合物、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、パナジウム、クロム、ジルコニウム等の多金属のアセチルアセトンやアセトアセチルエステル配位化合物等の金属キレート化合物等が挙げられ、中でも、イソシアネート系化合物、アミン系化合物、金属キレート化合物が好適に用いられる。
かかる架橋剤(E)の含有量については、官能基含有アクリル系樹脂(A)100重量部に対して10重量部以下であることが好ましく、特には4重量部以下であることが好ましい。かかる含有量が上限値を超えると、粘着力の低下が起こる傾向にあり好ましくない。
かくして本発明で用いられる組成物[I]が得られるが、本発明では本発明の効果を損なわない範囲において、他の粘着剤、ウレタン樹脂、ロジン、ロジンエステル、水添ロジンエステル、フェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、スチレン系樹脂、キシレン系樹脂等の粘着付与剤、公知の添加剤や紫外線あるいは放射線照射により呈色あるいは変色を起こすような化合物を添加することができる。
本発明では、上記で得られる官能基含有アクリル系樹脂(A)、不飽和基含有化合物(B)及び光重合開始剤(C)更に好ましくはシラン系化合物(D)や架橋剤(E)を含有する組成物[I]層に活性エネルギー線を照射してなる粘着剤層を、光学積層体に設けることにより、粘着剤層付き光学積層体を得るわけであるが、特には、光学積層体上に、組成物[I]を塗布、乾燥した後、離型シートを貼合し、活性エネルギー線を照射してなること、離型シート上に、組成物[I]を塗布、乾燥した後、光学積層体を貼合し、活性エネルギー線を照射してなること、また、光学積層体上に組成物[I]を塗布、乾燥し、更に活性エネルギー線を照射した後、離型シートを貼合してなること、離型シート上に組成物[I]を塗布、乾燥し、更に活性エネルギー線を照射した後、光学積層体を貼合してなることが製造あるいは保管する上での安定性の点で好ましい。
かかる塗布に際しては、溶剤に希釈して塗布することが好ましく、10〜20重量%濃度、好ましくは12〜15重量%濃度が適当である。用いられる溶剤としては、官能基含有アクリル系樹脂(A)、該官能基と反応可能な官能基を有する不飽和基含有化合物(B)、光重合開始剤(C)、シラン系化合物(D)、架橋剤(E)を溶解させるものであれば特に限定されないが、酢酸メチル、酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のエステル類、アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族化合物等が挙げられる。しかし、溶解性、乾燥性、価格等の点から酢酸エチル、トルエンが好適に用いられる。
活性エネルギー線を照射するに当たっては、紫外線を用いることが好ましく、紫外線照射を行う時の光源としては、高圧水銀灯、超高圧水銀灯カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライドランプ、ケミカルランプ、ブラックライト等が用いられる。高圧水銀ランプの場合は、例えば5〜3000mJ/cm2、好ましくは10〜1000mJ/cm2の条件で行われる。照射時間は、光源の種類、光源と塗布面との距離、塗工厚、その他の条件によっても異なるが、通常は数秒〜数十秒、場合によっては数分の1秒でもよい。電子線照射の場合には、例えば、50〜1000Kevの範囲のエネルギーを持つ電子線を用い、2〜50Mradの照射量とするのがよい。
活性エネルギー線を照射した後に、官能基含有アクリル系樹脂(A)中の官能基と該官能基と反応可能な官能基を有する不飽和基含有化合物(B)中の官能基との反応を促進するためのエージング処理を行うことが好ましい。かかるエージング処理とは、通常、室温〜50℃で1〜14日間程度の熟成を行うものである。
また、活性エネルギー線を照射する前に、アクリル系樹脂(A)中の官能基と不飽和基含有化合物(B)中の官能基との反応を促進するための上記と同様のエージング処理を行うことも好ましい。
なお、活性エネルギー線照射の前にエージング処理を行うよりも、活性エネルギー線照射の後にエージング処理を行うほうが、作業性や生産性の点から好ましい。
かかる活性エネルギー線の照射により、組成物[I]よりなる層は粘着性を帯び粘着剤層となるのである。
得られる粘着剤層については、そのゲル分率が80%以上であることが耐久性能と耐白抜け性の点で好ましく、特には90重量%以上が好ましい。ゲル分率が下限値未満では凝集力が不足することに起因する耐久性不足や耐白抜け現象が悪化することになるので好ましくない。
また、得られる粘着剤層の厚みは、特に限定されないが、10〜40μmが好ましく、特には20〜30μmが好ましく、下限値未満では粘着物性が安定しにくいため好ましくなく、上限値を超えると糊残りを起こしやすくなるため好ましくない。
かくして本発明の粘着剤層付き偏光板が得られるが、本発明では、官能基含有アクリル系樹脂(A)と不飽和基含有化合物(B)を予め反応させてなるエチレン性不飽和基を有するアクリル系樹脂を調製しておく必要がないため、非常に簡便に粘着剤層を形成することができる。
尚、エチレン性不飽和基を有するアクリル系樹脂の調製については、不飽和基含有化合物として、実用的には非常に限られた構造のもの、例えば、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートに限られているのが実情であり、他の構造のものではエチレン性不飽和基を有するアクリル系樹脂の調製時にゲル化などを起こし反応が安定して行うことができず、予めエチレン性不飽和基を有するアクリル系樹脂を得ることが難しいものであった。
本発明の粘着剤層付き光学積層体は、離型シートを剥がした後、粘着剤層面をガラス基板に貼合して、液晶表示板に供されるのである。
本発明において、光学積層体としては、特に限定されることなく、例えば偏光板や位相差板、楕円偏光板、光学補償フィルム、輝度向上フィルム、更にはこれらが積層されているものなどが挙げられるが、中でも特に偏光板であることが本発明では有効である。
本発明で用いられる偏光板は、偏光フィルムの両面に三酢酸セルロース系フィルムを保護フィルムとして積層したものであり、かかる偏光フィルムとしては、平均重合度が1500〜10000、ケン化度が85〜100モル%のポリビニルアルコール系樹脂からなるフィルムを原反フィルムとして、ヨウ素−ヨウ化カリウムの水溶液あるいは二色性染料により染色された一軸延伸フィルム(2〜10倍、好ましくは3〜7倍程度の延伸倍率)が用いられる。
ポリビニルアルコール系樹脂としては通常酢酸ビニルを重合したポリ酢酸ビニルをケン化して製造されるが、少量の不飽和カルボン酸(塩、エステル、アミド、ニトリル等を含む)、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸塩等、酢酸ビニルと共重合可能な成分を含有していても良い。又ポリビニルアルコールを酸の存在下でアルデヒド類と反応させた、例えばポリブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂等のいわゆるポリビニルアセタール樹脂及びポリビニルアルコール誘導体が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
尚、例中「部」、「%」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
〔官能基含有アクリル系樹脂(A)の調製〕
[官能基含有アクリル系樹脂(A−1)]
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、アクリル酸(a1)5部、ブチルアクリレート(a2)95部及び酢酸エチル80部、アセトン40部を仕込み、加熱還流開始後、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.03部を加え、酢酸エチル還流温度で3時間反応後、酢酸エチルにて希釈してアクリル系樹脂(A−1)溶液(重量平均分子量180万、分散度3、ガラス転移温度−51℃、固形分16%、粘度8500mPa・s(25℃))を得た。
[官能基含有アクリル系樹脂(A−2)]
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、アクリル酸(a1)5部、ブチルアクリレート(a2)95部及び酢酸エチル120部、アセトン20部を仕込み、加熱還流開始後、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.03部を加え、酢酸エチル還流温度で2時間反応した。その後、酢酸エチル80部にアゾビスイソブチルニトリル0.05部を溶解させたものを加え4時間反応させた。反応終了後、酢酸エチル及びトルエン(酢酸エチルとトルエンの重量混合比=50:50)にて希釈することにより、アクリル系樹脂(A−2)溶液(重量平均分子量120万、分散度10、ガラス転移温度−51℃、固形分20%、粘度5000mPa・s(25℃))を得た。
[官能基含有アクリル系樹脂(A−3)]
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、アクリル酸(a1)5部、ブチルアクリレート(a2)90、メチルアクリレート(a2)5部及び酢酸エチル120部、アセトン20部を仕込み、加熱還流開始後、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.03部を加え、酢酸エチル還流温度で2時間反応した。その後、酢酸エチル80部にアゾビスイソブチルニトリル0.05部を溶解させたものを加え4時間反応させた。反応終了後、酢酸エチル及びトルエン(酢酸エチルとトルエンの重量混合比=50:50)にて希釈することにより、アクリル系樹脂(A−3)溶液(重量平均分子量120万、分散度10、ガラス転移温度−49℃、固形分20%、粘度6000mPa・s(25℃))を得た。
[官能基含有アクリル系樹脂(A−4)]
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、ヒドロキシエチルアクリレート(a1)1部、ブチルアクリレート(a2)99部及び酢酸エチル80部、アセトン40部を仕込み、加熱還流開始後、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.03部を加え、酢酸エチル還流温度で3時間反応後、酢酸エチルにて希釈してアクリル系樹脂(A−4)溶液(重量平均分子量180万、分散度3、ガラス転移温度−51℃、固形分16%、粘度8500mPa・s(25℃))を得た。
[官能基含有アクリル系樹脂(A−5)]
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、アクリル酸(a1)5部、ヒドロキエチルメタクリレート(a1)2.5部、ブチルアクリレート(a2)92.5部及び酢酸エチル80部、アセトン40部を仕込み、加熱還流開始後、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.03部を加え、酢酸エチル還流温度で3時間反応後、酢酸エチルにて希釈してアクリル系樹脂(A−5)溶液(重量平均分子量180万、分散度3、ガラス転移温度−51℃、固形分16%、粘度8500mPa・s(25℃))を得た。
[官能基含有アクリル系樹脂(A−6)]
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、アクリル酸(a1)5部、ブチルアクリレート(a2)95部及び酢酸エチル80部、トルエン5部を仕込み、加熱還流開始後、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.06部を加え、酢酸エチル還流温度で2時間反応した。その後、酢酸エチル50部にアゾビスイソブチルニトリル0.05部を溶解させたものを加え4時間反応させた。反応終了後、酢酸エチル及びトルエン(酢酸エチルとトルエンの重量混合比=50:50)にて希釈することにより、アクリル系樹脂(A−6)溶液(重量平均分子量40万、分散度8、ガラス転移温度−51℃、固形分40%、粘度4000mPa・s(25℃))を得た。
[不飽和基含有化合物(B−1)の製造]
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、トリレンジイソシアネート48部、ジ−t−ブチルヒドロキシフェノール0.05部、トルエン20部、ジブチルスズジラウレート0.02部を仕込み、50℃以下で2−ヒドロキシエチルアクリレート32部を約3時間で滴下し、50℃で反応を継続し、残存イソシアネート基が11.6%となった時点で反応を終了し、不飽和基含有化合物(B−1)を得た(固形分80%、粘度280mPa・s(25℃))。
[不飽和基含有化合物(B−2)の製造]
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、イソホロンジイソシアネート52.6部、ジ−t−ブチルヒドロキシフェノール0.05部、トルエン20.0部、ジブチルスズジラウレート0.02部を仕込み、60℃以下で2−ヒドロキシエチルアクリレート27.4部を約3時間で滴下し、60℃で反応を継続し、残存イソシアネート基が9.9%となった時点で反応を終了し、不飽和基含有化合物(B−2)を得た(固形分80%、粘度230mPa・s(25℃))。
[不飽和基含有化合物(B−3)の製造]
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、トリレンジイソシアネート44.4部、ジ−t−ブチルヒドロキシフェノール0.05部、トルエン20部、ジブチルスズジラウレート0.02部を仕込み、50℃以下で2−ヒドロキシエチルアクリレート35.6部を約3時間で滴下し、50℃で反応を継続し、残存イソシアネート基が8.6%となった時点で反応を終了し、不飽和基含有化合物(B−3)を得た(固形分80%、粘度300mPa・s(25℃))。
[不飽和基含有化合物(B−4)の製造]
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、トリレンジイソシアネート42.2部、ジ−t−ブチルヒドロキシフェノール0.05部、トルエン20部を仕込み、50℃以下で2−ヒドロキシプロピルアクリレート37.8部を約3時間で滴下し、50℃で反応を継続し、残存イソシアネート基が8.1%となった時点で反応を終了し、不飽和基含有化合物(B−4)を得た(固形分80%、粘度280mPa・s(25℃))。
[光重合開始剤(C−1)]
光重合開始剤(C−1)として、以下のものを用意した。
・1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製、「イルガキュア184」)
[シラン系化合物(D−1)]
シラン系化合物(D−1)として、以下のものを用意した。
・γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製、「KBM403」)
[架橋剤(E−1)]
架橋剤(E−1)として、以下のものを用意した。
・トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付加物の55%酢酸エチル溶液(日本ポリウレタン社製、「コロネートL−55E」)
実施例1、3、5、7、9、11、13、15、18、20、22、24及び比較例1、3、4
表1に示す如き配合組成にて組成物[I]溶液を調製した(酢酸エチルにより表1の通り希釈した。)。得られた組成物[I]溶液をポリエステル系離型シートに、乾燥後の厚みが25μmとなるように塗布し、90℃で3分間乾燥した後、かかる組成物[I]層側を偏光板(厚み190μm)上に転写し、40℃、dryの条件下で4日間エージングさせた後、高圧水銀ランプにて紫外線照射(表1記載の照射量)を行い、粘着剤層付き偏光板を得た。
また、上記と同様の方法で、偏光板の変わりにポリエチレンテレフタラートフィルム(厚み38μm)を使用してゲル分率用サンプルを得た。得られたサンプルを40×40mmに切断した後、離型シートを剥がし粘着剤層側を50×100mmのSUSメッシュシート(200メッシュ)に貼合してから、SUSメッシュシートの長手方向に対して中央部より折り返してサンプルを包み込んだ後、トルエン250gの入った密封容器にて浸漬した際の重量変化にてゲル分率の測定を行った。
実施例2、4、6、8、10、12、14、16、19、21、23、25及び比較例2、5
表1に示す如き配合組成にて組成物[I]溶液を調製した(酢酸エチルにより表1の通り希釈した。)。得られた組成物[I]溶液をポリエステル系離型シートに、乾燥後の厚みが25μmとなるように塗布し、90℃で3分間乾燥した後、かかる組成物[I]層側を偏光板(厚み190μm)上に転写し、高圧水銀ランプにて紫外線照射(表1記載の照射量)を行い、40℃、dryの条件下で4日間エージングさせて、粘着剤層付き偏光板を得た。
また、上記と同様の方法で、偏光板の変わりにポリエチレンテレフタラートフィルム(厚み38μm)を使用してゲル分率用サンプルを得た。得られたサンプルを40×40mmに切断した後、離型シートを剥がし粘着剤層側を50×100mmのSUSメッシュシート(200メッシュ)に貼合してから、SUSメッシュシートの長手方向に対して中央部より折り返してサンプルを包み込んだ後、トルエン250gの入った密封容器にて浸漬した際の重量変化にてゲル分率の測定を行った。
実施例17
表1に示す如き配合組成にて組成物[I]溶液を調製した(酢酸エチルにより表1の通り希釈した。)。得られた組成物[I]溶液をポリエステル系離型シートに、乾燥後の厚みが25μmとなるように塗布し、90℃で3分間乾燥した後、23℃、50%RHの条件下で30分放置し、高圧水銀ランプにて紫外線照射(表1記載の照射量)を行った。その後、かかる粘着剤層側を偏光板(厚み190μm)上に転写し、更に40℃、dryの条件下で4日間エージングさせ、粘着剤層付き偏光板を得た。
また、上記と同様の方法で、偏光板の変わりにポリエチレンテレフタラートフィルム(厚み38μm)を使用してゲル分率用サンプルを得た。得られたサンプルを40×40mmに切断した後、離型シートを剥がし粘着剤層側を50×100mmのSUSメッシュシート(200メッシュ)に貼合してから、SUSメッシュシートの長手方向に対して中央部より折り返してサンプルを包み込んだ後、トルエン250gの入った密封容器にて浸漬した際の重量変化にてゲル分率の測定を行った。
尚、偏光板には、膜厚30μmのポリビニルアルコール偏光フィルム(平均重合度1700、平均ケン化度99モル%、ヨウ素染色、4倍延伸)の両側を厚さ80μmの三酢酸セルロースフィルムで積層した偏光板(ポリビニルアルコール偏光フィルムの延伸軸方向を45度傾けて233mm×309mmに切断:15インチ相当)を用いた。
次いで、上記得られた粘着剤層付き偏光板の離型シートを剥離して、粘着剤層側を無アルカリガラス板(コーニング社製、「コーニング1737」)に押圧して、偏光板とガラス板とを貼合した後、オートクレーブ処理(50℃、0.5MPa、20分)を行い、その後、下記の耐久試験における発泡、剥がれ、白抜け現象の評価を行った。評価基準は下記の通りである。評価結果を表2に示す。
〔耐久試験〕
(1)耐熱試験
80℃、500時間の耐久試験
(2)耐湿熱試験
60℃、90%RH、500時間の耐久試験
(3)温度変化繰り返し試験
−20℃で30分放置した後60℃で30分放置する操作を1サイクルとして、300サイクル行う耐久試験
〔評価基準〕
(発泡)
○・・・発泡が見られない
△・・・直径100μm未満の発泡が僅かに見られる
×・・・直径100μm以上の発泡が多く見られる
(剥がれ)
○・・・剥がれない
△・・・1mm未満の剥がれ、もしくは浮きスジの発生
×・・・1mm以上の剥がれ
(白抜け)
○・・・白抜けが見られない
△・・・白抜けが僅かに発生
×・・・4辺に白抜けが大きく発生
Figure 2006330714
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本発明は、高温、高湿の条件下においても、光学積層体とガラス基板との接着性に優れ、粘着剤層とガラス基板との間に発泡や剥離が生じないうえに、光学フィルムの収縮により生じる白抜け現象を抑制することができる粘着剤層付き光学積層体であるため、耐久性に優れた液晶表示板を得るのに非常に有用である。


Claims (10)

  1. 光学積層体上に、官能基含有アクリル系樹脂(A)、該官能基と反応可能な官能基を有する不飽和基含有化合物(B)及び光重合開始剤(C)を含有する組成物[I]層に活性エネルギー線を照射してなる粘着剤層を設けてなることを特徴とする粘着剤層付き光学積層体。
  2. 光学積層体又は離型シートのいずれかに、官能基含有アクリル系樹脂(A)、該官能基と反応可能な官能基を有する不飽和基含有化合物(B)及び光重合開始剤(C)を含有する組成物[I]を塗布、乾燥した後、他方を貼合し、活性エネルギー線を照射してなることを特徴とする請求項1記載の粘着剤層付き光学積層体。
  3. 光学積層体又は離型シートのいずれかに、官能基含有アクリル系樹脂(A)、該官能基と反応可能な官能基を有する不飽和基含有化合物(B)及び光重合開始剤(C)を含有する組成物[I]を塗布、乾燥し、更に活性エネルギー線を照射した後、他方を貼合してなることを特徴とする請求項1記載の粘着剤層付き光学積層体。
  4. 官能基含有アクリル系樹脂(A)中の官能基が、カルボキシル基、水酸基、グリシジル基、イソシアネート基、アミド基から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の粘着層付き光学積層体。
  5. 不飽和基含有化合物(B)中の官能基が、イソシアネート基、カルボキシル基、水酸基、グリシジル基、アミド基、スルホン酸基から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の粘着層付き光学積層体。
  6. 組成物[I]として、更にシラン系化合物(D)を含有することを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の粘着層付き光学積層体。
  7. 組成物[I]として、更に架橋剤(E)を含有することを特徴とする請求項1〜6いずれか記載の粘着層付き光学積層体。
  8. 官能基含有アクリル系樹脂(A)の重量平均分子量が、100万以上であることを特徴とする請求項1〜7いずれか記載の粘着層付き光学積層体。
  9. 粘着剤層のゲル分率が80%以上であることを特徴とする請求項1〜8いずれか記載の粘着層付き光学積層体。
  10. 光学積層体が、偏光板であることを特徴とする請求項1〜9いずれか記載の粘着剤層付き光学積層体。


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