以下に図面を用いて、本発明に係わる露光装置及びその製造方法について説明する。
図1は製造システムの概要構成を示すブロック図である。
図1に示されるように、製造システムは、測定対象の露光ヘッド100、測定装置200及び制御用のパーソナル・コンピュータ(以下PCと言う)300等より構成される。
露光ヘッド100は、不図示のアタッチメントによって測定装置200に取り付けられており、信号ライン126が測定装置200のインターフェース(以下IFと言う)240に接続されている。また、測定装置200とPC300はバスライン260によって相互にデータ送信可能に接続されている。さらに、露光ヘッド100は、露光制御回路150と接続され、露光装置500を構成する。
図1に示すように、測定装置200は、駆動条件信号作成手段210、電流供給回路220、露光ヘッド100との接続用IF240、PC300との接続用のIF250、光量測定手段270等を有している。
駆動条件信号作成手段210は、全体制御用のCPU211、液晶シャッタ駆動回路212、露光ヘッド100が有するLEDの制御条件データを記憶するためのLED駆動条件用メモリ213、露光ヘッド100が有する(後述する)液晶シャッタアレイ118の測定のための駆動条件データ(駆動画素毎の駆動階調データ等)を記憶するための液晶シャッタ駆動条件用メモリ214、液晶シャッタアレイ118の各駆動画素の(後述する)光量分布データF(N)等を記憶するための光量用メモリ215、及び液晶シャッタアレイ118の各駆動画素の透過光量のバラツキを補正するための補正データを記憶する補正値用メモリ216を有している。
CPU211は、IF250及びバスライン260を介してPC300と接続されており、測定開始タイミング及び測定終了タイミング、露光ヘッド100の駆動条件等についてPC300より制御データを受信する。また、CPU211は、受信した制御データに応じて露光ヘッド100及び測定装置200を制御して、光量の測定及び補正データの作成(露光装置の製造/設定)を行う。
液晶シャッタ駆動回路212は、IF240及びライン126を介して、露光ヘッド100が有する液晶シャッタアレイ118の複数の駆動画素を駆動制御する。
また、電流供給回路220は、IF240及びライン126を介して、露光ヘッド100が有する(後述する)LED120(青色用LED、緑色用LED及び赤色用LED)に電流を供給し、且つ供給する電流値を変化させることによって各LEDの発光強度を制御する。
また、光量測定手段270は、N−MOSラインセンサ230、N−MOSラインセンサ230が有する複数の受光素子を制御するためのラインセンサ制御回路276、N−MOSラインセンサ230が有する複数の受光素子の各々の受光量を検出するための受光量検出回路274、及び受光量検出回路274の検出出力を積分して所定時間あたりの受光量データを得るための積分回路272等を有している。
また、電流供給回路220及び液晶シャッタ駆動回路212は、IF240を介してLED駆動信号及び液晶シャッタ駆動信号を送信し、LED120及び液晶シャッタアレイ118を駆動する。
さらに、測定装置200には、CPU211の制御用プログラムを記憶するためのROM及び各種データを一時記憶するためのRAM、各構成要素間のデータの送受信を行うための各種信号線やバスライン等が含まれる。
測定装置200及びPC300は、後述する測定手順に従って、LED120のLED駆動条件データ及び液晶シャッタアレイ118のシェーディング補正用の補正データを求めて、一旦LED駆動条件用メモリ213及び補正値用メモリ216に記憶する。PC300は、LED駆動条件データ及び液晶シャッタアレイ118のシェーディング補正値データを、露光装置500の露光制御回路150の(後述する)LED駆動条件用メモリ160及び(後述する)補正値用メモリ153に送信して記憶させ、適正なLED駆動及びシェーディング補正を行うことができる露光装置500を製造する。なお、測定装置200で測定された、LED駆動条件データ及びシェーディング補正用の補正データは、前述した様に測定毎に露光制御回路150に記憶されるようにしても良い。即ち、測定装置200のLED駆動条件用メモリ213及び補正値用メモリ216は省略しても良い。
また、(1)測定装置200を利用して複数の露光ヘッドを連続して測定し、(2)複数の露光ヘッドのLED駆動条件データ(電流値データ)及びシェーディング補正用の補正データを一旦PC300に記憶し、(3)複数の露光ヘッドに関するLED駆動条件データ及びシェーディング補正用の補正データをPC300から他のPCへ一旦転送又は(FDやCD等の媒体を介して)移動し、(4)露光ヘッドを露光制御回路と接続し、(5)当該他のPCを用いて、各露光制御回路に連続してデータを記録する、という手順を採用しても良い。その際には、後述するシリアルNoシート132に印字されるシリアル番号を用いて各露光ヘッドを特定することが好ましい。
図2は、露光装置500と測定装置300との関係を示した図である。
図2(a)は、シェーディング補正用の補正データを取得するために、N−MOSラインセンサ230による測定を行う場合を示している。また、図2(b)は、シェーディング補正用の補正データを取得した後に、LED駆動条件データを取得するために、フォトダイオード231による測定を行う場合を示している。図2(a)及び(b)に示すように、N−MOSラインセンサ230及びフォトダイオード231は、不図示の機構により、測定に応じて位置が切り替えられる。
本実施形態では、液晶シャッタアレイ118の1つの駆動画素234に対してN−MOSラインセンサ230の4個の受光素子が対応するように構成した。しかしながら、これに限定されるものではない。例えば、受光素子の個数は、駆動画素の整数倍であることが好ましく、1つの駆動画素に対して3個、5個、7個等の受光素子が対応していても良い。特に、即ち1つの駆動画素に対して3個以上の受光素子が対応していることが好ましい。また、本実施形態では、液晶シャッタアレイ118の駆動画素234は、直列に配列した。しかしながら、各駆動画素を駆動させるための電極の配線レイアウト等に応じて、駆動画素を千鳥配列とすることも可能である。
本実施形態では、シェーディング補正用の補正データを得るために、N−MOSラインセンサ230を用いたが、他の半導体ラインセンサ、例えばC−MOSラインセンサ、CCDラインセンサ等を用いることもできる。また、本実施形態では、LEDの電流値を決定するために、単一センサとしてフォトダイオード231を用いたが、可視光領域(400〜700nm)で波長特性が略リニアな他の受光素子、例えば、ホトトランジスタ、フォトマル等を用いることもできる。
図3(a)に、LED120(G色LED)の印加電流値と出力強度及びピーク波長との関係を示す。
図3(a)において、曲線301は2.0mAを印加した場合の相対検出光強度を示し、曲線302は5.0mAを印加した場合の相対検出光強度を示し、曲線303は10.0mAを印加した場合の相対検出光強度を示し、曲線304は12.0mAを印加した場合の相対検出光強度を示している。このように、印加電流値を2.0mAから12.0mAへ変化すると、ピーク波長が約15nm程度移動してしまう。
図3(b)に、フォトダイオード及びN−MOSラインセンサにおける波長と受光感度との関係を示す。
図3(b)において、直線311はフォトダイオード231における波長と相対感度レベルとの関係の一例を示し、曲線312はN−MOSラインセンサ230における波長と相対感度レベルとの関係の一例を示している。図に示すように、N−MOSラインセンサ230を用いると、LEDへの印加電流を変化させることによって波長が変化してしまった場合、相対感度レベルが非線形に変動してしまい、良好な測定を行うことができなくなる可能性がある。
図3(a)に示すように、光源となるLEDでは、駆動電流値を変化させると、光量が変化すると同時に発光波長も変化してしまう。また、N−MOSラインセンサ230もフォトダイオード231も波長に対する受光感度が変化してしまうが、図3(b)に示すように、N−MOSラインセンサ230は非線形に波長特性が変化するのに対し、フォトダイオード231では略線形に波長特性が変化する。このため、N−MOSラインセンサ230を、LEDの駆動電流値を決定する際に利用しようとすると、LEDの駆動電流値を変化させるとN−MOSラインセンサ230の受光感度が非線形に変化して、最適な駆動電流値の絞り込みが困難となる。例えば、LEDの発光強度が増加しているのに、発光波長が変化したことにより、N−MOSラインセンサの出力が低下する場合すら考えられる。これに対して、LEDの発光強度の測定のために、フォトダイオード231を用いると、LEDの駆動電流の増加に伴う発光波長が変化によっても、受光感度がリニアに変化するので、最適な駆動電流値の絞り込みを容易に行うことができる。例えば、図3(a)に示したLEDと図3(b)の直線311のフォトダイオード231とを採用した場合には、LEDの発光強度が増加すれが、発光波長が変化しても、フォトダイオード231の出力は、必ず増加する。
一方、複数の駆動画素を有する液晶シャッタアレイ118からの光量分布を測定するためには、複数の受光素子を有するN−MOSラインセンサ230が最適である。また、光量分布の測定には、LEDの駆動を一定の所定電流に保持して行うため、N−MOSラインセンサの非線形性の影響はほとんどない。これに対して、単一センサであるフォトダイオードでは液晶シャッタアレイ118からの光量分布を良好に測定することができない。
本発明は、このような点に着目したものであって、最初に、ラインセンサを用いてシェーディング補正を行い、複数の画素を有する光変調素子からの光量分布を略同一な条件に設定し、次に、単一センサを用いて光変調素子の一部又は1個の画素からの光量を測定して、LEDの最適な駆動電流値を決定する(最適電流値の合わせ込みをする)ことを1つの特徴とするものである。
図4は露光ヘッド100の一例の分解斜視図であり、図5は図4に示す露光ヘッド100の断面図である。
露光ヘッド100は、図4及び5に示されるように、上部ハウジング104及び下部ハウジング130から構成されており、その間に上部反射板106、導光素子108、ミラー112、下部反射板114、液晶シャッタアレイ118及びLED120が配置されている。また、上部ハウジング104及び下部ハウジング130は、クリップ140によって上下に分離しないように相互に固定されている。
また、上部ハウジング104の上部には、遮光シート102が取り付けられており、外部からの光を遮蔽している。さらに、下部ハウジングの図中下部表面には、露光ヘッド100を識別するためのシリアルNoシート132及び駆動キー136が取り付けられており、下部ハウジング130の溝にはセルフォックレンズアレイ(登録商標)138が固定されている。
上部反射板106は、導光素子108の周りをかこみ、LED120からの光を反射させて導光素子108の突起部110から選択的に光が射出できるように構成されている。また、反射ミラー112はLED120からの光を導光素子108内に反射させ、下部反射板114のスリット部116は導光素子108の突起部110のニゲの役目を有している。また、液晶シャッタアレイ118は、調整用ネジ124及び126によって光路が位置調整されながら、下部ハウジング130に位置決めされて固定されている。また、LED120は、露光ヘッド100の光源であって、R光用LED、G光用LED及びB光用LEDを有している。また、液晶シャッタアレイ118には、液晶シャッタアレイ118の各駆動画素への駆動時間制御用及びLED120への電流印加用の信号線122が接続されており、信号線122の末端は上部及び下部ハウジング104及び130の間から露光ヘッド100の外部に伸びている。また、図中128は、露光ヘッド100の移動用の軸受けである。また、駆動キー136は、露光ヘッド100を不図示のボールネジと軸受け128によって駆動する際に、不図示のセンサ等と共に露光ヘッド100の駆動タイミング等を決めるための部材である。また、セルフォックレンズアレイ138は、多数の円柱状レンズが長手方向に重なり合うように配置されており、正立等倍結像する光学素子である。
なお、図5に示すように、導光素子108の図中上部には、LED120からの各色光を、図中において導光素子108の真下に配置される液晶シャッタアレイ118方向に集中させるために、散乱膜107が導光素子108の長手方向に沿って形成されている。散乱膜107は、白い散乱性のある物質を直線状に塗布して形成されている。露光ヘッド100が測定装置200に取り付けられた場合には、散乱膜107からの各色光は、液晶シャッタアレイ108及びセルフォックレンズアレイ138を通過してN−MOSラインセンサ230に集光される。
図6は、露光装置の一例の断面図である。
露光装置500は、外ケース1内に、露光ヘッド100と露光制御回路150を収納している。露光ヘッド100と露光制御回路150は、信号線122で接続されている。露光制御回路150は、外ケース1の内側に固定されている。露光ヘッド100は、その下部ハウジング130に設けられた開口部に2本の丸棒状の軸受け128を貫通させることによって、軸受け128に沿って移動可能に支持されている。
また、外ケース1の図中の下部には、記録媒体(印画紙)8を収納するためのカセット4が、着脱可能(矢印Aの方向)に設けられている。
露光ヘッド100は、軸受け128に沿って移動しながら、カセット4内に収納されている記録媒体8上に画像形成を行う(例えば、潜像を形成する)。
なお、図6に示した露光装置500は一例であって、これに限定されるものではない。例えば、露光ヘッド100を固定して、記録媒体8を移動させるように構成しても良い。また、露光装置500と、カセット4とを別体に構成しても良い。さらに、露光装置500に、記録媒体に形成された潜像を現像するための処理装置を組み込むように構成しても良い。さらに、露光装置500は、露光ヘッド100と露光制御回路150のみから構成されても良い。
図7は、液晶シャッタアレイの一例の断面図である。
液晶シャッタアレイ118は、図7に示しように、上部基板401の下面全体に透明なITO薄膜などによる透明共通電極411を設けて、ポリイミドなどの配向膜413で被覆している。また下部の基板402の上部には、微細な透明画素電極416を有し、配向膜415で被覆している。また、両基板の外周がエポキシ樹脂等から構成されるシール材403によって結合され、両基板の配向膜413及び415の間に液晶414が充填されている。なお。液晶414の厚さは5μmに設定されている。また、透明共通電極411には、クロム材料等から構成される遮光層412が被覆されており、透明画素電極416に対応する遮光層412の箇所にはスリットが設けられて、その部分だけ光を通すように構成されている。また、両基板の外側には、偏光板410及び417が設けられている。さらに、液晶414は、例えばツイスト角240°のSTNモードで動作され、2枚の偏光板410及び417は、これに応じた角度で偏光軸を交差させるようにすることができる。
さらに、透明共通電極412及び透明画素電極416によって、液晶シャッタアレイを構成する個々の駆動画素234が直列に配列されるように構成されている。ここで、液晶シャッタアレイを構成する個々の駆動画素234の大きさは、図3で説明したように、長さ(b)150μm(又は200μm)、幅(e)76μm、ピッチ(f)100μmである。
図8は、液晶シャッタアレイの駆動画素の一例を示す図である。
図3で説明したように、液晶シャッタアレイ118の駆動画素234は、長方形の形状をしており、長さbは150μm(又は200μm)、幅eは76μmで、ピッチfは100μmである。
図9は、露光ヘッド100が有するLED120からN−MOSラインセンサ230までの光路の一例を示す図である。
LED120から発せられた光は、図9に示すように、導光素子108に導光素子108の長手方向に向かって入射され、散乱膜107によって下方に反射され、導光素子108の下部突起部110から液晶シャッタアレイ118へ向けて射出される。さらに、液晶シャッタアレイ118の各駆動画素234により透過制御された光は、セルフォックアレイ138によりN−MOSラインセンサ230上に結像される。なお、露光ヘッド100には、3色のLEDが配置されており、各色LEDから発せられた各色光が、図10に示した光路にしたがって、N−MOSラインセンサ230上に結像される。
露光ヘッド100において、LED120から発せられ、液晶シャッタアレイ118の各駆動画素234から出力された各色光は、均等な光量を有するように設計されているが、駆動画素毎の光量にバラツキを生じる場合がある。その原因の一例を以下に示す。
まず、導光素子108の下部突起部110から液晶シャッタアレイ118に向けて均等に光を射出するために、散乱膜107は導光素子108の長手方向に沿って、均一な幅を有するように構成されている。しかしながら、散乱膜107の幅を長手方向に沿って完全に均一形成することは困難である。したがって、散乱膜107の幅の微妙な誤差が、液晶シャッタアレイ118の各駆動画素への入射光を均一にすることを妨げ、駆動画素毎の光量にランダムなバラツキを生じさせる。
次に、液晶シャッタアレイ118の各駆動画素234は、各画素を形成する透明電極間への電圧の印加に応じて光透過率が変化し、それによって光透過制御を行えるように構成されている。しかしながら、特に駆動画素を開制御した場合の光透過率を全ての駆動画素について均一とすることは困難である。したがって、全ての駆動画素に均一な光が入射したとしても、駆動画素毎の光量にランダムなバラツキが生じる。
さらに、液晶シャッタアレイ118の各駆動画素234から出射した光は、セルフォックレンズアレイ138によって結像されるが、セルフォックレンズアレイ138は多数の円柱状レンズが長手方向に重なり合うように構成されている。したがって、均一の光をセルフォックレンズアレイ138に入射しても、円柱状レンズの配列周期に対応して出射光に変動を生じる。
上述した原因等によって生じた駆動画素毎の透過光量のバラツキによって、露光ヘッド100によって感光材料上へ露光が行われても、そのままでは良好な画像形成を行うことができなかった。そこで、露光ヘッド100の各駆動画素234の光量をそれぞれ測定し、各駆動画素234へ同一の階調レベルデータが与えられた場合に、結果として均一な光量を得られるようなシェーディング補正を行うことが必要となる。
図10に、露光制御回路150の一例を示す。
露光制御回路150は、図10に示すように、階調画像データDgをパーソナル・コンピュータ等から入力するための入力IF151、階調画像データDgに対してシェーディング補正を行うためのシェーディング補正回路152、シェーディング補正回路152でシェーディング補正を行うためのシェーディング補正用の補正データを記憶する補正値用メモリ153、補正された階調画像データDg´及び露光タイミングデータScを用いて液晶シャッタアレイ118を駆動するための制御信号(LCS制御信号)を生成するLCS制御回路154、LCS制御信号を生成するためのルックアップテーブル(LUT)155、LCS制御信号に応じて実際に液晶シャッタアレイの各画素を駆動する駆動信号(LCS駆動信号)を生成するためのLCS駆動回路156を有している。
また、露光制御回路150は、階調画像データDgから露光タイミングデータScを生成する露光補正回路158、露光タイミングデータSc及びLED駆動条件データに応じてLED120を駆動するためのLED駆動信号を生成するLED点灯制御回路159、LED駆動条件データを記憶するLED駆動条件用メモリ160を有している。
LCS駆動信号及びLED駆動信号は、信号線122を介して露光ヘッドに送信され、液晶シャッタアレイ188及びLED120はLCS駆動信号及びLED駆動信号に応じてそれぞれ駆動される。
なお、後述するようにして求められたシェーディング補正用の補正データ及びLED駆動条件データ(電流値データ)は、それぞれ補正値用メモリ153及びLED駆動条件用メモリ160に記憶されているものとする。
図11は、露光ヘッド100のシェーディング補正用の補正データを求めるフローの一例を示す図である。
図11に示すフロー開始の際には、測定用の露光ヘッド100の本体が測定装置200の所定の場所にセットされ、信号線122がIF240に差込まれる。その後、オペレータによって、PC300からの測定開始指示がバスライン260を介して測定装置200のCPU211に送信されて、測定が開始される。以下図11に示すフローは、PC300に記憶されているシステム制御ソフトウエアに従い、PC300と測定装置200のCPU211が相互に連携しながら実行される。
最初にN−MOSラインセンサ230が、図2(a)に示す位置に移動される(S1110)。
次に、予め定められている基準電流値が、電流供給回路220から露光ヘッド100のLED120の一つのLED素子に印加されて点灯する(S1111)。本実施形態の露光ヘッド100は、3色のLED素子(青色、緑色及び赤色)を有しているが、測定は色LED素子毎に行われる。
次に、標準駆動階調データH(N)で液晶シャッタアレイ118を駆動する(S1112)。標準駆動階調データH(N)は、液晶シャッタアレイ118の全駆動画素(N1〜N6)に対して、中間駆動階調レベルHm(=128)を与えるものである。中間駆動階調レベルHmは、液晶シャッタ駆動回路212から露光ヘッド100へ供給される。本実施形態では、標準駆動階調データH(N)により液晶シャッタアレイ118の全駆動画素に中間駆動階調レベルHmを与えるものとしたが、最大駆動階調レベルとしても良い。
次に、N−MOSラインセンサ230の全ての受光素子232からの受光量が受光量検出回路274によって検出され、積分回路272によって積分されて、不図示のA/D変変換回路によってデジタル信号に変換され、第1の光量データである光量データE(X)としてCPU211に検出される(S1113)。本実施形態では、前述したように2048個の受光素子232を有しているため、2048個の光量データE(X)(Xは、0〜2047)が取得される。
図12は、取得された光量データE(X)の一例を示す図である。
光量データE(X)は、A/D変換装置の出力値(0〜4095)として示されている。
次に、光量データE(X)の内の最大値を有する光量データEmaxを検出し(S1114)、Emaxが予め定めされている範囲内か否かが判断される(S1115)。Emaxが大きく、A/D変換回路のA/D変換限界を超えている場合、変換後のデータが飽和している可能性が高く、良好な測定結果を得ることができないからである。また、Emaxが小さい場合、全体的にデータが圧縮されていて、後述する谷部等の検出性が悪くなり、良好な測定結果を得ることができないからである。本実施形態では、A/D変換限界の90%以下且つ80%以上の範囲をEmaxの所定範囲内と設定した。
S1115で、Emaxが予め定めされている範囲内に無いと判断された場合には、S1116に移行し、S1107で印加した基準電流値を所定比例分だけ調整させて再度S1110〜S1116を繰り返す。本実施形態では、所定比例分は10%としたので、E1maxが予め定められている範囲より高い場合には10%ダウン、Emaxが予め定められている範囲より低い場合には10%アップするように、所定電流値を調整する。なお、品質の一定したLEDを入手できる場合等には、上述したS1114〜S1116のステップを省略することもできる。
S1115において、Emaxが予め定められた範囲内にあると判断された場合には、光量データE(X)から液晶シャッタアレイ118の各駆動画素の光量データを含む光量分布データF(N)を取得する(S1120)。なお、S1111で定める所定電流値は経験上定められるものであってある程度の信頼性は期待できるので、所定の品質のLED120が入手できる場合には、S1114〜S1116のステップを行わないようにしても良い。
ここで、光量データE(X)の谷部(図12の1201参照)から駆動画素の画素領域を特定し、特定された各画素領域のピーク値を、液晶シャッタアレイ118の各駆動画素の光量データFとした。本実施形態では、1つの駆動画素に対して4つの受光素子が対応しているため、駆動素子の真下に位置していない受光素子の出力が光量データE(X)の谷部に相当する。そこで、谷部を用いて、各画素領域を定めたものである。
図13に、光量分布データF(N)の一例を示す。
次に、光量分布データF(N)から、補正参照データU(N)を求める(S1121)。補正参照データU(N)は、後述するように、シェーディング補正用の補正データを作成するために用いられる液晶シャッタアレイ118の駆動画素毎のデータであって、光量分布データF(N)の最小値Fminを基準(=1)にした場合に、Fminに合わせるためのデータを示し、U(N)=Fmin/F(N)で表すことができる。
図14に、補正参照データU(N)の一例を示す。
補正参照データU(N)は、図14に示すように、液晶シャッタアレイ118の各駆動画素N1〜N6に対応し、Fminに相当する画素の補正データ=1となるように正規化されている。
次に、補正参照データU(N)から補正データHm´(N)を求める(S1122)。
補正データHm´(N)は、以下のステップにより求める。
(1)まず、中間駆動階調レベルHm(S1112参照)が入力された場合に必要な照射露光量S(Hm)を、補正参照データU(N)及び関係式T(Hm)から、「S(Hm)=T(Hm)/U(N)」の式を用いて、駆動画素N1〜N6のそれぞれについて求める。ここで、T(H)は、液晶シャッタアレイ118の全ての駆動画素に共通する関係式であって、駆動階調レベル(H)と規格化された照射露光量Tの関係を表すものであり、液晶シャッタアレイ118の非線形な駆動特性と、感光材料の非線形な感度特性との関係から求められたものである。
(2)次に、S(Hm)=T(Hm´)を満足する実数値Hm´を、駆動画素N1〜N6のそれぞれについて求める。
(3)次に、駆動画素N1〜N6のそれぞれについて求めたHm´を補正データHm´(N)とする。Hm´は、ある駆動画素に中間駆動階調レベルHmが与えられた場合に、最小光量Fminに対応する駆動画素に中間駆動階調レベルHmが与えられた場合と同じ照射露光量を得るために必要な駆動階調レベルを表している。即ち、ある駆動画素に中間駆動階調レベルHmが与えられた場合に、HmをHm´に変更するようにして、シェーディング補正が行われる。なお、Hm´の小数点以下を四捨五入して整数値としても良い。
次に、駆動画素N1〜N6について、補正データHm´(N)を用いて、液晶シャッタアレイ118の駆動制御を行い、再度E´(X)を測定し、測定したE´(X)に基づいて、駆動画素N1〜N6に関する補正された光量分布データF´(N)を求める(S1124)。
図15に、光量分布データF´(N)の一例を示す。
光量分布データF´(N)は、図15に示すように、図13をシェーディング補正によって補正した結果であり、理想的には、図13のFminの光量レベルに揃っていることが望ましい。
次に、光量分布データF´(N)の最大値Fmax及び最小値Fminを求め(S1125)、最大値Fmax及び最小値Fminの差が、所定の範囲内に収まっているか否かの判断を行う(S1126)。
S1126において、最大値Fmax及び最小値Fminの差が、所定の範囲内に収まってない場合には、液晶シャッタアレイ118の駆動画素N1〜N6に関しては良好にシェーディング補正が行えない要因があると判断して、エラー出力を行い(S1129)、測定を中止する。最大値Fmax及び最小値Fminの差が大きい場合には、液晶シャッタアレイ118の駆動画素N1〜N6にからの光量が均一になるようにシェーディング補正が行えない可能性や、液晶シャッタアレイ118の駆動画素N1〜N6にからの光量が均一になるように補正すると光量自体の強度が下がってしまう可能性が高い。そこで、最大値Fmax及び最小値Fminの差が大きい場合には、測定対象の露光ヘッドが不適正なものであると判断し、エラーを出力することとした。
S1126において、最大値Fmax及び最小値Fminの差が、所定の範囲内に収まっている場合には、液晶シャッタアレイ118の駆動画素N1〜N6に関しては良好にシェーディング補正が行えると判断する(F(N)は適正であると判断する)。
次に、全ての階調レベルについての補正データH´(N)を求める(S1127)。S1122では、中間階調レベルHmについての補正データHm´(N)を求めたので、それ以外の階調レベルについて、補正データを求めることとなる。なお、補正データの具体的な求め方はS1122と同様であるので、説明を省略する。
図16に、シェーディング補正用の補正データH´(N)の一例を示す。
補正データH´(N)は、H´0(N)〜H´255(N)の集合であり、図16に示すように、全駆動画素N1〜N6について、与えられた全ての駆動階調レベル(H=0〜H=255)に対応した補正値を示している。また、図16の例は、赤色LED素子に関する補正値であるが、実際には、青色LED素子及び緑色LED素子についても同様な手順にしたがって補正データを求める。
最後に、F(N)を光量用メモリ215に記憶し、補正データH´(N)を補正値用メモリ216に記憶して(S1128)、フローを終了する。
このように、図11のフローに従うことによって、液晶シャッタアレイ118の全駆動画素に対応するシェーディング補正用の補正データを、受光素子を用いて適切に取得することが可能となった。
補正値H´(N)(図16参照)は、一旦補正値用メモリ216に記憶された後、露光ヘッド100に接続される露光制御回路150内の所定のメモリ、例えば補正値用メモリ153に記憶される。なお、補正値H´(N)は、FD、CD等の記録媒体に書き込まれ、測定された露光ヘッド100と共に、出荷されるようにしても良い。
図17は、LEDに供給する電流値を定めるフローを示す図である。
露光ヘッド100に組み込まれるLED120からの光量は、供給される電流値に応じて変化するため、実際に露光装置500が使用される場合に必要とされる光量を得るための電流値を定める必要がある。図11又は図17に示すフローにおいて、シェーディング補正用の補正データを取得することができたので、次に、図17に示すフローを用いて、LEDに供給する電流値を定める。
図17のフローでは、電流値を定める時点で既にシェーディング補正用の補正データが作成され、その補正データを用いて液晶シャッタアレイ118を駆動して、電流値を定めるための露光量を測定している。したがって、液晶シャッタアレイ118からの透過光量は均一に補正されており、どの駆動画素を利用しても又はいくつの駆動画素を利用して露光量を測定しても良いという利点がある。また、シェーディング補正を行う前に電流値を決定してしまうと、シェーディング補正によって何れかの駆動画素の透過光量レベルに均一化されてしまうので、決定された電流値に対応した光量が変動してしまうという問題があった。しかしながら、図17に示すフローの様に、シェーディング補正用の補正データを決定してから、発光素子120への供給電流値を決定すれば、そのような問題は発生しない。
図18は、シェーディング補正用の補正データH´(N)の働きを示す図である。
図18(a)は、図11のS1112で液晶シャッタアレイ118の駆動画素に供給される駆動階調レベルH(N)(全駆動画素に対して中間駆動階調レベルHm)を示しており、図18(b)は、図11のS1120で駆動階調レベルH(N)が供給された場合に合成された光量分布データF(N)を示している。図18(c)は、図11のS1122で取得された(中間駆動階調レベルHmに対する)補正データHm´(N)を示しており、図18(d)は、補正データHm´(N)が供給された場合に得られる補正光量分布データF´(N)を示している。
図17に示すフロー開始の際には、測定用の露光ヘッド100の本体が測定装置200の所定の場所にセットされ、信号線122がIF240に差込まれる。その後、オペレータによって、PC300からの測定開始指示がバスライン260を介して測定装置200のCPU211に送信されて、測定が開始される。以下図17に示すフローは、PC300に記憶されているシステム制御ソフトウエアに従い、PC300と測定装置200のCPU211が相互に連携しながら実行される。さらに、図17に示すフローではR色LEDについて電流値を定めるが、他のG色LED及びB色LEDについても同様に電流値を定めるものとする。
最初に、N−MOSラインセンサ230に代えてフォトダイオード231を移動させて図2(b)に示す位置にセットする(S1700)。N−MOSラインセンサ230が非線形な波長特性を有しており、LED120が印加電流に応じてピーク波長も変動してしまうことから、LED120の印加電流値を変化させながらN−MOSラインセンサ230で光量を測定すると、正確な測定ができない可能性がある。そこで、非線形な波長特性を有していないフォトダイオード231を利用してLED120の光量測定を行うこととした。なお、重要な点は、非線形な波長特性を有していない受光素子を利用することであるので、フォトダイオードの代わりにフォトマル等の非線形な波長特性を有していない受光素子を利用することもできる。
次に、予め定められた基準電流値又は図11のS1116で調整された調整電流値J1を用いてLEDを点灯し(S1701)、図11のS1105で取得された(中間駆動階調レベルHmに対する)補正データH´(N)(図18(c)参照)を用いて液晶シャッタアレイ118を駆動して(S1702)、フォトダイオード231により露光量P1を取得する(S1703)。
ここで、補正データH´(N)によって、図18(d)に示すように、液晶シャッタアレイ118からの光量はどこの画素についてもほぼ同じレベルに統一されていることから、フォトダイオード231は何処に配置していても良いが、本実施形態では、液晶シャッタアレイ118のほぼ中央部付近に配置させるものとする。また、S1702で駆動する液晶シャッタアレイ118の駆動画素数は、任意の個数(例えば、1個でも良い)でかまわないが、本実施形態では、全ての駆動画素を駆動するものとする。
また、露光量P1を簡易に測定するために、別にフォトダイオード231を利用せずに、N−MOSラインセンサ230をそのまま利用するようにしても良い。
次に、予め定められた他の基準電流値J2を用いてLEDを点灯し(S1704)、図11のS1105で取得した(中間駆動階調レベルHmに対する)補正データH´(N)(図18(c)参照)を用いて液晶シャッタアレイ118を駆動して(S1705)、露光量P2を取得する(S1706)。なお、この場合の、液晶シャッタアレイ118の駆動画素はS1702及びS1703と同様である。
次に、J1及びP1、J2及びP2、及び目標露光量Ptを用いて、予想電流値J3を決定する(S1707)。予想電流値を決定する具体的な方法については後述する。
次に、S1707で決定された予想電流値J3を用いてLEDを点灯し(S1709)、図11のS1105で取得した(中間駆動階調レベルHmに対する)補正データH´(N)(図18(c)参照)を用いて液晶シャッタアレイ118を駆動して(S1710)、露光量P3を取得する(S1711)。なお、この場合の、液晶シャッタアレイ118の駆動画素はS1702及びS1703と同様である。
次に、S1711で測定した露光量P3が予め定められた所定の範囲内であるか否かが判断され(S1712)、所定の範囲内であれば、露光量P3が第2の光量データとなり、予想電流値J3を測定対象の露光ヘッド100のR色LED用の指定電流値として、LED駆動条件用メモリ213に記憶して(S1713)、フローを終了する。
S1712で、予想電流値J3によって得られた露光量P3が所定の範囲内でない場合には、|P1−Pt|と|P2−Pt|とが比較され(S1714)、|P2−Pt|が大きい場合にはS1715でデータを修正して再度S1707〜1812を繰り返し、|P2−Pt|が大きくない場合にはS1716でデータを修正して再度S1707〜1812を繰り返し、最終的に測定された露光量P3が所定の範囲内に入るようなJ3を決定する。
図19は、|P2−Pt|が|P1−Pt|より大きい場合の予想電流値J3の絞り込み方法を説明するための図である。
図19(a)において、特性曲線1900は、露光ヘッド100(R色LED点灯時)の露光量とR色LEDへの供給電流との関係を示している。R色LEDの特性曲線は、通常図示されるように非線形な曲線を描き、LED固有であって、事前に特定することが困難である。そこで、図17のフローでは、2つの測定点1901及び1902を用いて、目標露光量Ptを実現する電流値を予想する。図19(a)において、点1901は、S1701〜S1703で測定した電流値J1に対する露光量P1をプロットしたものであり、点1902は、S1704〜S1706で測定した電流値J1に対する露光量P2をプロットしたものである。
S1707で説明した予想電流値は、図19(a)に示すように、点1901と点1902を結んだ線分が目標露光量Ptと交わる点1903を決定し、点1903からの垂線とX軸とが交わる点の数値から決定した。なお、2つの測定点1901及び1902から予想電流値J3を決定するために、他の方式を採用することも可能である。
点1904は、S1707〜S1711で測定した予想電流値J3に対する露光量はP3をプロットしたものである。図19(a)では、予想電流値J3を供給した結果、測定された露光量P3が予め定めた目標露光量Ptを含む所定の範囲内1905内に入っていない状況を示している。
また、図19(a)において、S1714で説明した|P2−Pt|は1906に相当し、|P1−Pt|は1907に相当する。図19(a)に示すように、|P1−Pt|<|P2−Pt|であるので、S1715に進み、J1=J2及びP1=P2と置き換え、J2=J3及びP2=P3と置き換えて、再度予想電流値J3を決定する。
図19(b)に示すように、今回は、点1904(前回の予想電流値J3に対する露光量はP3)と点1902を結んだ線分が目標露光量Ptと交わる点1910を決定し、点1910からの垂線とX軸とが交わる点の値を予想電流値J3と定めた(S1707)。その後、再度新しい予想電流値J3をLEDに供給して新たな露光量P3を測定する(S1711)。点1911は、新たな予想電流値J3に対する新たな露光量はP3をプロットしたものである。新たに測定した露光量P3は、所定の範囲内1905内に入っているので、これ以上の予想電流値の決定及び測定をやめて、決定した予想電流値J3を測定対象の露光ヘッド100用の指定電流値として記憶する(S1713)。
図20は、|P2−Pt|が|P1−Pt|より大きくはない場合の予想電流値J3の絞り込み方法を説明するための図である。
図20(a)において、曲線1900は、露光ヘッド100(R色LED点灯時)の露光量とR色LEDへの供給電流との関係を示し、通常図示されるようにLEDに応じた非線形な曲線を描き、LED固有であって、事前に特定することが困難である。そこで、図17のフローでは、2つの測定点2001及び2002を用いて、目標露光量Ptを実現する電流値を予想する。また、図20(a)において、点2001は、S1701〜S1703で測定した電流値J1に対する露光量P1をプロットしたものであり、点2002は、S1704〜S1706で測定した電流値J1に対する露光量P2をプロットしたものである。
S1707で説明した予想電流値は、図20(a)に示すように、点2001と点2002を結んだ線分が目標露光量Ptと交わる点2003を決定し、点2003からの垂線とX軸とが交わる点の数値から決定した。なお、2つの測定点2001及び2302から予想電流値J3を決定するために、他の方式を採用することも可能である。
点2004は、S1707〜S1711で測定した予想電流値J3に対する露光量はP3をプロットしたものである。図20(a)では、予想電流値J3を供給した結果、測定された露光量P3が予め定めた目標露光量Ptを含む所定の範囲内2005内に入っていない状況を示している。
また、図20(a)において、S1714で説明した|P2−Pt|は2006に相当し、|P1−Pt|は2007に相当する。図20(a)に示すように、|P1−Pt|<|P2−Pt|でないので、S1716に進み、J2=J3及びP2=P3と置き換えて、再度予想電流値J3を決定する。
図20(b)に示すように、今回は、点2001と点2004(前回の予想電流値J3に対する露光量はP3)を結んだ線分が目標露光量Ptと交わる点2010を決定し、点2010からの垂線とX軸とが交わる点の値を予想電流値J3と定めた(S1707)。その後、再度新しい予想電流値J3をLEDに供給して新たな露光量P3を測定する(S1711)。点2011は、新たな予想電流値J3に対する新たな露光量はP3をプロットしたものである。新たに測定した露光量P3は、所定の範囲内2005内に入っているので、これ以上の予想電流値の決定及び測定をやめて、決定した予想電流値J3を測定対象の露光ヘッド100用の指定電流値として記憶する(S1713)。
このように、図17のフローに従うことによって、露光ヘッド100から所定の範囲内の露光量を得られるような指定電流値を決定することが可能となった。指定電流値J3(S1713)は、一旦LED駆動条件用メモリ213に記憶された後、露光ヘッド100に接続される露光制御回路150内の所定のメモリ、例えばLED駆動条件メモリ160に記憶される。なお、指定電流値J3(S1713)はは、FD、CD等の記録媒体に書き込まれ、測定された露光ヘッド100と共に、出荷されるようにしても良い。
また、図17のフローでは、2つの測定点及び目標露光量から予想電流値J3を求めたが、1つの測定点(電流値J1に対する露光量P1)のみから予想電流値J3を求めるようにしても良い。
さらに、図17のフローでは、予想電流値J3を用いて再度露光量P3の測定を行ったが、測定を行わずに、予想電流値J3をそのまま露光ヘッド100の特定のLEDに対する指定電流値をしても良い。
図21は、フォトダイオード231の波長特性を補正した場合の予想電流値J3の絞り込み方法を説明するための図である。
図3(a)に示したように、LEDへの印加電流値が増加すると、ピーク波長は減少する。また、図3(b)に示したように、フォトダイオード231も受光する光の波長が増加すると受光感度レベルも増加する。したがって、LEDへの印加電流値が増加した場合に、露光量が減少するように補正をすれば良い。そこで、図21に示す例では、図19(a)に示す場合の最適露光量Pt2100をフォトダイオード231の波長特性に合わせて傾けるように補正した。このような設定すれば、フォトダイオード231の波長特性をほぼ相殺して、さらに良好な電流値の絞り込みを行うことができる。