JP2006329402A - 締め忘れ防止締結具とそれを備えた電気接続具 - Google Patents

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Abstract

【課題】コネクタの締結具の締め付け状態を容易かつ簡単に確認でき、締め付け忘れを防止し、コネクタ同士の電気接続を確実に行うようにする。
【解決手段】被締結部材21と締結具300a,310aとの間に、一対の切り口端部間に切り口隙間を形成した環状の主ワッシャ120aと、環状の補助平ワッシャ130aとを重ねて設けるものであって、補助平ワッシャ130aの座面側における締結具のボルト部を挿通するボルト部挿通孔周縁に戴頭円錐形状のテーパ部130bを設ける一方で、主ワッシャ120a側に、テーパ部130bが受容可能な内周面120aを形成する。また、被締結部材21に、補助平ワッシャ130aを一体に形成した。
【選択図】図20

Description

本発明は、ボルトやナット等の締結具の締め付け忘れを防止し、締め付け状態を確認する締め忘れ防止締結具と、それを備えた電気接続具に関する。
ボルト、ねじ、ワッシャ、ナット等の締結具は、部材同士の結合により製品を組み立てていくのに重要な機械要素であり、締結具の締め忘れや締め付け力不足等の締結不良は確実に防止する必要がある。締結不良を防止するために、座金とも称されるワッシャに特殊な加工を施すことが行われている。ワッシャに特殊な加工を施した技術には、例えば、特許文献1(特開平8−193613号公報)、特許文献2(特開平9−287613号公報)、特許文献3(特開2001−208032号公報)等に記載のものが公知である。
すなわち、特許文献1のものは、ワッシャとしてのばね座金の切り口隙間を有するばね座金端部に、直立した突起部と、これに相対向配置して傾斜した突起部とを設け、ボルトの締め付けによりばね座金が圧縮変形をすると、傾斜した突起部が直立した突起部と平行に並ぶようになる。両突起部が平行に並ぶ状態を目視することで、ボルト締結が行われたことを確認できるようにしたものである。
また、特許文献2のものは、ワッシャの一形態である平座金のボルト挿通孔内周から半径方向に切り欠き部を設け、この切り欠き部の相対する縦側面を互いに上に切り起こすように反らせた表示片を左右対称に設けている。この表示片の上からばね座金を着座させ、ボルトを締め付けることにより表示片がばね座金により平らに押しつぶされ、相対向する表示片の縦側面が接近して密接するようになる。表示片同士が密接するようになる状態を上方から目視することで、締結具の締結状態を確認するようにしたものである。
特許文献3に記載の技術は、平座金(ワッシャ)に塗料を塗着し、ボルトを締結することにより塗料が平座金から剥離することでボルトの締め付けを確認するものである。
一方、特許文献4(特開平6−313417号公報)に記載のものは、締着具と被締着物との間に、座金の色彩とは異なる色彩を有するゴム等の素材で形成した軟質部材を介装したものである。締着具により締め付けが行われるとき、締め付け力により軟質部材が座金から作用する締め付け力により外側へ捲れるように膨出させる。膨出する軟質部材を目視することにより、ボルトの締め付けを確認し、締め忘れを防止することができるようにしたものである。
他方、コネクタ(電気接続具)の結合状態を監視して電気接続が正常であるか否かをチェックする技術として、例えば、特許文献5(特開平9−89974号公報)および特許文献6(特開2003−125025号公報)に記載の技術が知られている。すなわち、特許文献5および特許文献6記載の技術は、共に上位側のコネクタと、上位側ピンコネクタに電気接続される下位側のコネクタとを結合したときに形成される信号線に、電気接続の異常を検知する検知手段を設けた構成のものである。電気接続が異常である場合には、信号線に異常信号が流れることにより、検知手段が作動し、接続異常を知ることができるようにしている。
特開平8−193613号公報 特開平9−287613号公報 特開2001−208032号公報 特開平6−313417号公報 特開平9−89974号公報 特開2003−125025号公報
しかしながら、特許文献1や特許文献2記載の技術にあっては、ワッシャであるばね座金に起立して対向配置した二つの突起の接近具合や、平座金に相対向して設けた表示片同士が互いに接近する具合は、小さな変形量であり、これを目視しなければならないとなると、視認性が悪くなってしまう。このため、作業者が、ボルトの締結状態を目視して締め忘れを防止する確認作業が困難になる問題がある。
また、特許文献3の技術では、ボルト締結時に、塗料が平座金から剥離することでボルトの締め付け忘れを防止するようにしたものではあるが、一旦、塗料が剥離したワッシャは再使用ができない。また、特許文献4記載の技術においても、軟質部材の膨出量が少ない場合には、その視認性が著しく悪く、このため、軟質部材の膨出状態を一目で確認するのが困難となり、また、一旦使用した後は、特許文献3の場合と同様に、軟質部材を繰り返して使用できないという問題がある。
また、特許文献5および特許文献6記載の技術のように、信号線を利用する態様では、複雑な電子回路を追加的に設ける必要があるので、コネクタの製造コストが高くなるという問題がある。
本発明は、上記に鑑みて工夫されたものであり、締結具締め付け時、締結具と被締結部材との間に介装されるワッシャが圧縮されるとき、ワッシャの一部がボルト頭部やナット等の締結具の外側へ拡大させる。この外側へ拡大変形したワッシャ部分を視認することで、締結具の締め付けが行われたと判断する。これにより、締結具による締結状態を確認し易くし、締結具の締め忘れを円滑に防止するようにした締め忘れ防止締結具と、これを備えた電気接続具を提供することを目的とするものである。
本発明は、上記課題を解決するために、次のような手段を講ずることとした。すなわち、本発明に係わる締め忘れ防止締結具は、被締結部材と締結具との間に介装され、締結具締結時同締結具の締め付け方向に対し直交する外方向へ広がるように形成されたワッシャであって、前記ワッシャを、上方ワッシャ部と、前記上方ワッシャ部に対向配置される下方ワッシャ部と、前記上下両ワッシャ部の外周縁の間に連結され、中間部位を境にして外側へ扁平状に弾性屈曲変形する複数の連結部とで形成されたことを特徴とする。
本発明に係わる締め忘れ防止締結具によれば、ワッシャは上方ワッシャ部と下方ワッシャ部の外周縁を屈伸可能な連結部で結合した上下二段構造のワッシャを基本形態とする構成にしている。ワッシャを介してボルトを被締結部材に締結するとき、締結具の締め付け力が上方ワッシャ部に作用すると、連結部はその中間部位を境にして締結具締め付け方向に直交する外側へ扁平状に拡がって弾性屈曲変形する。さらに締め付け続けると、上方ワッシャ部は、下方ワッシャ部と密着するようになり、締結具の締め付け作業は完了する。
このとき、連結部が外側に扁平状に押し潰されるように変形するので、ボルト頭部やナット等の締結具から外側に大きくはみ出す。この扁平状にはみ出して拡がった部分が、作業者から容易に目視して確認できる。その結果、締結具が締め付け状態にあるかどうかが、ワッシャの連結部が扁平状に広がっているかを確認チェックするだけで行え、また何度でも繰り返してワッシャを使用できる。また、例えば、連結部表面に蛍光塗料といった視認性の良い物質を塗布したり、連結部自体を目立つ色彩に富んだ素材で形成したりすることで、より一層ワッシャの視認性を向上でき、締結具締結作業の確実化が図れ、ひいては締結具の締め付け忘れを未然に回避できるようになる。
また、本発明に係わる締め忘れ防止締結具は、さらに、前記連結部の外面に、前記締結具の締め付け状態を示す目盛表示部が設けられたことを特徴とする。本発明によれば、連結部に設けられた目盛表示部を目視することで、締結具による締め付け具合を容易に把握することができる。このため、扁平状に押し潰された連結部の目盛表示部を視認することで、締め付けトルクが不足しているかどうかをチェックしながら締結作業を行え、また、被締結部材の材質等に応じた締め付けトルクで締結を行えるので、被締結部材や締め忘れ防止締結具の損傷を回避でき、締め付けトルク管理を簡単かつ正確に行えるようになる。
また、本発明に係わる締め忘れ防止締結具は、好ましくは、前記連結部を、弾性変形可能な素材で形成するとともに、前記連結部の外面に、視認機能発揮手段を設けたことを特徴とする。本発明によれば、連結部を弾性変形可能な素材で形成しているので、連結部の屈伸、すなわち、屈曲変形を繰り返し行える。このため、ワッシャを何度でも繰り返して使用できる。
また、本発明に係わる締め忘れ防止締結具は、被締結部材と締結具との間に介装され、締結具締結時同締結具の締め付け方向に対し直交する外方向へ広がるように形成されたワッシャであって、前記ワッシャは、切り口隙間を有する円環状に形成され、前記切り口隙間で向き合った各切り口端面に、互いにカム接触することにより前記ワッシャを外側へ拡大させる略同一形状のカム接触面が設けれらたことを特徴とする。
本発明によれば、ワッシャの切り口隙間の切り口端面に設けたカム接触面同士を互いにカム接触させているので、ワッシャにボルト締結時の締め付け力が作用すると、切り口端面がカム接触しながら摺動する。このため、自由状態で縮径されていたワッシャは、その外径が外側へ拡大する。その結果、締結具締結時においては、ボルト頭部やナット等の締結具から外側にはみ出したワッシャを視認でき、締結具の締め忘れを未然に防止できる締め忘れ防止締結具を得ることができるようになる。
また、本発明に係わる締め忘れ防止締結具は、好ましくは、前記ワッシャは、前記切り口端部が互いに離反する方向に反るように曲げられ、かつ、前記カム接触面は、前記カム接触点に関して点対称であって、対向する切り口端面に向かって膨出する湾曲面形状に形成されたことを特徴とする。
本発明によれば、締結具締結時、互いに離反する方向に曲げられたワッシャの切り口端部は、ワッシャの自体有するばね力に抗して弾性変形し、ワッシャ本体の面内と略一致するように近接する。これにより、ワッシャ切り口端面に形成された湾曲面形状を呈するカム接触面同士がカム接触しながら相対摺動する。その結果、自由状態で縮径されていたワッシャの外径が外側に拡大し、ボルト頭部やナット等の締結具から外側にはみ出すワッシャの拡大部分が視認されることで、締結具の締結が完了したことを確認することができるようになる。この場合、例えば、ワッシャ上表面に塗料を塗布したり、ワッシャ自体を色彩を備えた素材で形成したりすれば、より一層視認性が向上し好都合となる。
また、本発明に係わる締め忘れ防止締結具は、前記湾曲面形状をなす前記両カム接触面が、直線状の平坦面と合成されていることを特徴とする。本発明によれば、ワッシャ切り口の端面におけるカム接触面が、湾曲面形状と直線状の平坦面との合成された面で形成されるので、締結具締結時における締め付け力が作用すると、双方のカム接触面はカム接触しながら摺動することができ、ワッシャを円滑に外側へ拡大変形させることが可能となる。
また、本発明に係わる締め忘れ防止締結具は、好ましくは、前記ワッシャを、前記両切り口が同じ方向で対向して反るように曲げ、かつ、前記両カム接触面を、略左右対称の膨出する湾曲面形状に形成したことを特徴とする。本発明におけるワッシャ切り口端部を互いに離反する方向に曲げるのではなく、同じ方向で対向するように曲げてもよい。しかしながら、本発明に係わる締め忘れ防止締結具のワッシャに締結具による締め付け力が作用すると、カム接触面に略左右対称に膨出する湾曲形状のカム面を形成しているので、両カム接触面が円滑にカム接触しながら被締結部材とボルト頭部との間に締め付けられる。その結果、自由状態で縮径された形状を有するワッシャが、外径が拡大するように外側に弾性変形し、拡大したワッシャの部分が作業者から容易に視認されるようになり、ボルト締結忘れを未然に防止できるようになる。この場合、例えば、ワッシャ上表面に塗料を塗布したり、ワッシャ自体を色彩を備えた素材で形成したりすれば、より一層視認性が向上し好都合となる。
また、本発明に係わる締め忘れ防止締結具は、締結部材と締結具との間に、一対の切り口端部間に切り口隙間を形成した環状の主ワッシャと、突起部を有する環状の補助平ワッシャとを重ねて設けるものであって、前記締結具を前記被締結部材に締結するとき、前記補助平ワッシャの突起部が前記主ワッシャの前記切り口隙間に押し込まれることにより、前記主ワッシャを外側へ押し広げるようにしたことを特徴とする。
本発明に係わる締め忘れ防止締結具よれば、主ワッシャと、突起部を有する補助平ワッシャとを組み合わせて使用する態様に構成されるもので、主ワッシャに締結具の締め付け力が作用したとき、自由状態で縮径した状態にあった主ワッシャと補助平ワッシャは、締結具(ボルトまたはナット)と被締結部材との間に挟まれて圧縮力を受ける。そのため、補助平ワッシャの突起部は、主ワッシャの切り口端部の間の切り口隙間に割り込み、その切り口を拡大させる。その結果、主ワッシャは、ボルト頭部やナット等の締結具の外側へはみ出すように拡大変形することとなる。この拡大した部分を視認することで、締結具を締結したことを確認でき、はみ出していない場合には、締結具が未締結の状態であると判断できる。したがって、ボルトを締め付けることにより、締め付け忘れを防止できるようになる。この場合、例えば、ワッシャ上表面に塗料を塗布したり、ワッシャ自体を色彩を備えた素材で形成したりすれば、より一層視認性が向上し好都合となる。
なお、好ましくは、前記主ワッシャにおける前記一対の切り口端部は、主ワッシャの同じ側に反るように曲げ、前記補助平ワッシャの前記突起部を、前記切り口端面にカム接触する形状に形成するようにしてもよい。
また、本発明に係わる締め忘れ防止締結具を、被締結部材と締結具との間に、一対の切り口端部間に切り口間を形成した環状の主ワッシャと、環状の補助平ワッシャとを重ねて設ける締結具であって、前記締結具下面に、軸心に向かって外径を減少させる円錐形状の外周を有する首部を形成する一方で、前記主ワッシャおよび前記補助平ワッシャの、前記締結具のねじ部が挿通されるねじ挿通孔の内周面に、前記締結具の首部を受容可能なテーパ面を形成するように構成してもよい。締結具の締め付け時に、締結具下面の首部の円錐形状の外周面が、主ワッシャと補助平ワッシャのねじ挿通孔内周面のテーパ面に受容されるので、主ワッシャの切り口隙間が外方へ押し広げられる。これにより、締結具の締め忘れを防止できるようになる。
また、被締結部材と締結具との間に、一対の切り口端部間に切り口隙間を形成した環状の主ワッシャと、環状の補助平ワッシャとを重ねて設けるものであって、前記補助平ワッシャの座面側における前記締結具のボルト部を挿通するボルト部挿通孔周縁に戴頭円錐形状のテーパ部を設ける一方で、前記主ワッシャ側に、前記テーパ部が受容可能な内周面を形成するように構成してもよい。また、この場合、好ましくは、前記被締結部材に、前記補助平ワッシャを一体に形成してもよい。
なお、本発明にあっては、前記補助平ワッシャは、前記主ワッシャと一体に結合されるのが好ましい。これによれば、ワッシャと補助平ワッシャとを、例えば、点溶接等により一体化しているので、補助平ワッシャを紛失するのを回避でき、取り扱いに便利で、締結具の締め付け作業の効率を向上できる。
また、本発明において、前記主ワッシャの外周縁近傍に、例えば、主ワッシャに視認性の良い塗料物質を塗布したり、赤や黄色等の合成樹脂材を埋め込んだワッシャに形成したり、金属色の異なる金属物質を埋め込んだりするなど、視認機能発揮手段を設けるようにしてもよい。
また、本発明に係わる締め忘れ防止締結具を備えた電気接続具は、被締結部材は、電気接続具であることを特徴とする。本発明によれば、締め忘れ防止締結具を用いて電気接続具を締結するとき、ワッシャの連結部が外側へ扁平状に屈曲して広がるように弾性変形し、また、ワッシャの切り口端面に設けたカム接触面同士のカム接触によりワッシャが外側へ弾性拡大変形し、また、ワッシャと補助平ワッシャとの組み合わせの場合には、補助平ワッシャの突起部にカム接触するワッシャ切り口端面が互いに離間して外側へ拡大変形する。このため、電気接続具(コネクタ)を相手側の電気接続具と締結具により締結するとき、外側へ広がるように弾性変形するワッシャの部分の有無、あるいはその程度を視認することで、ボルトの締め忘れがないか否かを確認することができる。また、電気接続具同士の締結を、信号線を利用する複雑な電子回路を追加する必要がないので、コスト安価に電気接続を実現できるようになる。
本発明によれば、ワッシャの連結部がボルト頭部やナット等の締結具から外側へ扁平状に押しつぶされているかどうか、主ワッシャの外周が外側へ広がるように変形しているかどうか、その変形量を見ることにより、締結具(ボルト、ねじ、ナット)の締め忘れを確実に防止でき、また、締め付け量をチェックしながら締結を行え、さらに何度でも繰り返してワッシャ(主ワッシャ)を使用できて、安価な締め忘れ防止締結具を得ることができる。また、ワッシャ上表面に蛍光塗料や目立つカラー塗料を塗布したり、ワッシャ自体を色彩を備えた素材や視認機能手段で形成したり、あるいは設けたりすれば、より一層視認性が向上し、締結作業の効率化を図れる。また、電気接続具同士の締結状態の確認を、信号線を利用した複雑な電子回路を追加することなく実現できるので、コスト安価で信頼性ある電気接続を実現できる。
以下において、本発明を実施するための最良の形態を、各実施例に基づいて詳述していくこととする。
[第1実施例]
第1実施例の締め忘れ防止締結具としてのワッシャ10は、図1〜図3に示すように、例えば、被締結部材としての電気接続具(以下、「コネクタ」という)20と、ボルト30との間に介装されるもので、その全体が合成樹脂材で形成され、外周円形状の上方ワッシャ部11と、上方ワッシャ部11に対面して配置された外周円形状の下方ワッシャ部12と、各ワッシャ11,12を繋ぐ連結部13,14とで成る。
上方ワッシャ部11と下方ワッシャ部12の中央部には、ボルト30を挿通する挿通孔11a,12aが形成される。連結部13,14は、各ワッシャ11,12の厚さよりも薄い板厚を有し、各ワッシャ部の直径線上において、左右対称となる位置に配置され、各ワッシャの外周縁の間を連結する。連結部13,14は、負荷(ボルトによる締め付け力)の作用しない自由状態においては、側面視で中間部位を境にしてそれぞれ外側へくの字状に屈曲し、上下方両ワッシャ部11,12を互いに平行な状態で離間させている。本実施例においては、上下の各ワッシャ部11,12および連結部13,14は、例えば、合成樹脂材で一体成形されており、左右対称な位置に2個設けた場合を例に挙げているが、平面視において十文字状に4個設けてもよく、あるいは120度間隔の三つ又状に3個設ける等その数は特に限定されるものではない。
連結部13,14の中間部位、上方ワッシャ部11と連結部13,14との結合部位,下方ワッシャ部12と連結部13,14との結合部位には、ワッシャ10が屈伸して扁平状に弾性変形が可能となるように弾性ヒンジが形成される。それら弾性ヒンジの形態としては、具体的には、図2(a)〜(f)に示されるように種々のものがある。なお、連結部13,14は左右対称に配置されているので、以下の説明では、図2(a)〜(f)に示すように、ワッシャ10の右半分を部分的に示した断面図に基づいて説明する。
すなわち、図2(a)のものにおいては、連結部14の中間部位の内側に凹溝14aを、また、結合部位では、切り欠き溝14bを設けることで弾性ヒンジが形成される。
図2(b)のものは、凹溝14aに対向する連結部14の外側面にも切り欠き溝14cを設けた形態を有する。これにより、連結部14の屈伸変形がさらに容易となるようにしている。
図2(c)、(d)の連結部14は、上方ワッシャ部11,下方ワッシャ部12との結合部位では肉厚が薄く、中間部位へ向かうにつれて肉厚を漸増させた断面形状を有する形態にしている。(c)では、連結部14の中間部位の内側に凹溝14aを設けた断面構造であり、(d)では、連結部14の外側にも切り欠き溝14cを設けた構造にしている。
図2(e)に示すものは、図2(a)の基本形態に加えて、連結部14の中間部位の外側において、外方へ出っ張る膨出部14dを設けた断面構造とした形態、(f)の断面構造では、さらに(e)の膨出部14dに切り欠き溝14cを設けた断面形態としている。
また、図2(a)に示すように、連結部14の中間部位における弾性ヒンジから上半部の外面には、例えば、蛍光塗料、黄色等の視認機能発揮手段である視認性に富んだカラー塗料を塗布した塗布部14eが形成される。
こうして、図2に示すような弾性ヒンジがワッシャ10に形成されることで、ワッシャ10の弾性屈曲変形が円滑になり、ワッシャの再利用も可能となる。
次に、図3に基づいて、ワッシャ10を用いてコネクタ20を締め付ける締結作業手順を説明する。図3(a)に示すように、まず、第1コネクタ21のフランジに設けたボルト孔21aと、第2コネクタ22のフランジに設けた雌ねじ部22aと、第1コネクタ21のフランジ上に設けるワッシャ10のボルト挿通孔11a,12aとを位置合わせする段取りを行い、上方からボルト30を挿入していき、ボルト30を雌ねじ部22aにねじ込んでいく。すると、図3(b)に示されるように、上方ワッシャ部11から作用するボルト30の頭部31による締め付け力により、連結部13,14は中間部位を屈曲点として外側へ広がるように扁平状に屈曲して弾性変形をする。上方ワッシャ部11は下方ワッシャ部12側へと重なる状態となり、締結作業が完了する。こうして、上下両コネクタ21,22は、ワッシャ10を介してボルト30により締め付けられることとなる。
締結が完了すると、連結部14の上半部に設けた塗布部14eが上側に視認され易い状態で露呈しているので、作業者は塗布部14eを容易に見ることができ、ボルト10による締め付けが完了したことを一目しただけで締結状態を確認することができる。このように、第1実施例によれば、連結部13,14に締結作業が完了したかどうかを確認する表示機能たる塗布部14eを設けているので、塗布部14eを上方から視認できない場合には、未だボルト締結が完了していないと判断される。この場合には、ボルトの締め付けを行い締結を完結させる。このため、コネクタに対するボルトの締め忘れを確実に回避することができる。また、ワッシャ10は何回でも繰り返して使用することができるので、コスト低減を図れる。
上記第1実施例では、ワッシャ10に、凹溝14a、切り欠き溝14b、14c等により弾性ヒンジを設けた場合について説明したが、場合によっては、これら弾性ヒンジを設けないワッシャ構造でもよいのは勿論である。また、上方ワッシャ部11,下方ワッシャ部12を金属素材で形成し、連結部13,14は合成樹脂材で形成した複合素材を一体化した態様のものでもよい。
[第2実施例]
第2実施例のワッシャ40は、図4,図5に示すように、全体が合成樹脂材で形成され、その基本形態は、帯状で六角環状の扁平形状を呈する構造を有する。上方ワッシャ部41および下方ワッシャ部42には、ボルト30を挿通する挿通孔41a,42aが設けられる。連結部43、44は、その上下方向のほぼ中間部位で外側へ屈伸可能に屈曲していて、その内側には凹溝43a,44aが、外側には切り欠き溝43b、44bが、また、ワッシャ部と連結部との結合部には、切り欠き溝43c、44cが設けられ、これらによってワッシャ40が屈曲し易くなる弾性ヒンジを形成している。なお、場合によっては、外側の切り欠き溝43b、44bは特に設けなくてもよい。
また、連結部43、44の上半部の外面には、上記第1実施例の場合と同様に、蛍光塗料等の目立つ塗料を塗布した視認機能発揮手段としての塗布部(図11(b)のハッチングで表示)43c、44cが設けられる。連結部43、44には、薄板の板状のばね材45,46が埋め込まれている。ワッシャ40は、自由状態では、図4(a)、図5の二点鎖線で示すように扁平状の六角形状を成し、締め付け力が作用することで、上方ワッシャ部41が下方ワッシャ部42に密着する方向へ弾性変形する。
本第2実施例によれば、図5の二点鎖線で示す自由状態にあるワッシャ40を、ボルト30により第1コネクタ21と第2コネクタ22とを結合する場合、ボルト30からの締め付け力がワッシャ40に作用しはじめると、ワッシャはばね材45,46のばね力に抗して、連結部43、44を外側へ押しつぶすようにして扁平状に広がる。これにより、塗布部43c、44cが、ボルト30の外側にはみ出して表示されるので、作業者はボルト30の締め付け具合を容易に目視して確認することができ、締結具の締め付け忘れを円滑に防止することができる。
なお、第2実施例では、連結部43、44に板状のばね材45,46を一体に内装したが、ばね材を設けない態様、すなわち、ワッシャ40全体を合成樹脂材で一体成形した態様でもよいのは勿論である。また、連結部43,44に塗布部43c、44cを設けたが、この代わりに、あるいはこれと併用して目盛表示を形成してもよい。目盛表示を形成することで、扁平状に弾性変形するワッシャの締め付けトルクに応じて現れる目盛を視ながら、そのときどきの締め付けトルクを判断できるので、ボルト締結作業をきめ細かに行うことが可能となる。
[第3実施例]
第3実施例のワッシャ50は、図6に示すように、合成樹脂材のような薄肉の弾性変形可能な素材で形成され、かつ、その基本形態は、側面視において扁平の繭型の環状を呈する形状に形成されている。また、ワッシャ50の上方ワッシャ部51および下方ワッシャ部52には、ボルト30を挿通するボルト挿通孔51a,52aが設けられる。連結部53は、外側へ屈伸可能に緩やか湾曲面をなして出っ張っている。連結部53の外面には、締め付けトルクを判断するために用いられる視認機能発揮手段としての目盛部53aが形成される。
第3実施例によれば、図7に示すように、第1コネクタ21と第2コネクタ22のフランジを重ねて位置合わせし、ワッシャ50を第1コネクタ21のフランジの上に載せる。ボルト30をボルト挿通孔51a,52a、ボルト孔21aに挿入して、雌ねじ部22aに締め付けていく。連結部53は、ボルト30と第1コネクタ21との間に挟まれているので、図8(a)に示すように、弾性変形しながら外側に扁平状態となって押しつぶされる。この締結作業の過程において、目盛部53aは、図8(b)に示すように、ボルト30の外側へ大きく膨出してくるので、作業者は目盛部53aを目視しながら行うことができると同時に、締め付け作業が完了したことを確認でき、したがって、締結具の締め忘れを防止することができるようになる。
[第4実施例]
図9、図10に示す第4実施例のワッシャ60は、被締結部材たる第1コネクタ21とボルト30との間に介装されるもので、切り口端部が互いに離反する方向にねじ曲げられたリング状(円環状)のばねワッシャ(ばね座金)を基本形態とする。すなわち、ボルト締結時において同ボルト30の締め付け方向に対し直交する外方向へ強制的に広げられるように弾性変形するものであって、その切り口隙間を形成する各切り口端面には、互いに常時接触可能なカム接触面61,62が設けられる。カム接触面61,62は、カム接触点Pに関して略点対称であって、対向する切り口端面、つまりカム接触面61,62に向かって膨出する略同一の湾曲面が形成されている。これにより、各カム接触面61、62が、互いにカム接触しながら相対摺動することによりワッシャ60の切り口を拡大させる。そして、ワッシャ60の上面側、上下両面側には、蛍光塗料や適宜の色塗料が塗布されている。なお、このワッシャ60は、適宜のカラーを有する合成樹脂材により形成する態様であってもよいものである。
第4実施例によれば、図10(a)のように、ワッシャ60をボルト30と第1コネクタ21のフランジとの間に介在させて締め付けるとき、ワッシャの切り口端部61a,62aには、ボルト締め付けによる圧縮力が作用する。すると、図10(b)に示すように、双方のカム接触面61,62が互いに滑りながら相対移動し、ワッシャ60はボルトの締め付け方向に対し、直交する外方向へ寸法Hだけ外径が拡大する(図9(c)参照)。このため、拡大したワッシャ60が、ボルト30の頭部31から外側へはみ出すので、これによりボルトによる締め付けが完了したことを確認することができるようになる。ボルト30を弛緩すれば、ワッシャ60は、その外径が縮径するように復元する。
なお、第4実施例では、カム接触面61,62を、湾曲面形状に形成した場合であったが、この代わりに図11(a)に示す変形例のように、側面から視て直線形状を有して形成されるカム接触面61a,62aに形成したワッシャ60aであってもよい。この変形例によれば、ワッシャ60aは、ボルト締結時に、図11(b)のように、平坦面を成すカム接触面61a、62bが直線状の切り口端面の状態で接触するようになる。また、図11(c)に示すワッシャ60bのように、直線ではなく、折れ線を呈するカム接触面61b、62bを有するように形成してもよい。この場合には、ボルト締結時には、ワッシャ60bは、図11(d)のように弾性変形する。これら変形例の場合も、ボルト締結時、ワッシャ60a,60bは外側へHだけ外径が拡大変形するようになり、ボルトの締め忘れを未然に防止できる。
[第5実施例]
図12に示される第5実施例のワッシャ70は、第4実施例と異なり、ワッシャの両切り口を同じ側(方向)に反らせて、左右対称の位置で対向するように形成したものである。そして、両カム接触面71,72を、略左右対称であって膨出する湾曲面形状に形成するとともに、常時両カム接触面71,72がカム接触を保持する形態としている。このため、ボルト締結時には、図12(b)に示すように、互いのカム接触面71,72がカム接触をしながらワッシャ70の外径寸法が、自由状態の時よりも外側にHだけ拡大変形するようになる。
[第6実施例]
図13,図14に示す第6実施例に係わる締め忘れ防止締結具は、被締結部材としての第1コネクタ21とボルト30との間に介装される主ワッシャ80と、同主主ワッシャ80の下方に配置される補助平ワッシャ90とで形成される。主ワッシャ80は、いわゆるばね座金であり、ボルト締結時同ボルトの締め付け方向に対し直交する外方向へ広がるように形成され、同じ方向に反り上がるように曲げられた切り口隙間Sを有する円環状のばね座金の形態を有する。各切り口端面には、上記第5変形例の場合と同様に、湾曲形状のカム接触面81,82が形成される。補助平ワッシャ90の一カ所に、表面にカム面を備えた突起部91が設けられている。こうして、主ワッシャ80は、図13(b)に示すように、その自由状態において、カム接触面81,82を補助平ワッシャ90の突起部91にカム接触可能なように置かれる。また、ボルト頭に面する側の主ワッシャの表面には、視認機能発揮手段としての塗料が塗布される。
第6実施例によれば、図14(a)に示されるように、主ワッシャ80と補助平ワッシャ90とを組み合わせて第1コネクタ21のフランジにセットする。次いで、ボルト30を主ワッシャ80,補助平ワッシャ90、および第1コネクタ21のボルト孔21aに挿通し、締結を行う。締結が行われると、図14(b)に示すように、主ワッシャ80は、ボルト30の頭部31と補助平ワッシャ90との間に挟まれながら圧縮される。これにより、主ワッシャ80側のカム接触面81,82は、補助平ワッシャ90側の突起部91を擦りながら相対移動する。そのため、切り口隙間Sの間隔が拡大し、縮径していた主ワッシャ80の外径が外側へ拡大変形することとなる。ボルト頭31からはみ出した主ワッシャの拡大変形部分の塗料の色を視認することにより、作業者はボルトの締め付け作業が完了したことを確認することができ、ボルトの締め忘れを効果的に回避できる。
なお、第6実施例では、主ワッシャ80と補助平ワッシャ90とを別部材として形成したが、図13(c)に示す部位Xにおいて、溶接により両部材80,90を一体化した構成にすることも可能である。かかる変形例により、作業効率を向上できる。
[第7実施例]
上記第6実施例では、主ワッシャ80を補助平ワッシャ90の上に載せる態様で構成したが、補助平ワッシャを上に、主ワッシャをその下側に配置して使用する第7実施例の構成でも可能である。すなわち、図15に示すように、切り口101と、外周縁に視認性に優れた視認機能発揮部である塗料等を着色した着色部102を設けた主ワッシャ100の上に、補助平ワッシャ110を載せるように重ね、これにプラスドライバーに係合可能な頭部301を有するねじ300に挿通して使用する態様のものである。補助平ワッシャ110の下面には、第6実施例の突起部91と略同様な機能を備えた楔形状の突起部111を形成し、これを切り口101に割り込むようにする。
第7実施例によれば、ねじ300を被締結部材たる第1コネクタ21に締め付けることで、突起部111が切り口101に割り込む。したがって、図15(b)のように、主ワッシャ100の切り口101が外側へ押し広げられ、外周縁がねじ300の頭部301の外側に広がり、着色部102が上方から見えるので、ねじ300を締め付けたことが確認できる。
[第8実施例]
本発明の本第8実施例を、図16〜図18により説明する。本実施例も、上記第6、第7の各実施例と同様に、主ワッシャと補助ワッシャを重ねて設ける態様の締結具であるが、上記各実施例では、補助平ワッシャ90、110に設けた突起部91、111により主ワッシャの切り口隙間を外側へ押し広げるように構成しているのに対して、本実施例では、ねじ300により押し広げるようにした点で相違するものである。すなわち、ねじ300の頭部301の下部に、ねじの軸心に向かって外径を減少させる円錐形状の外周を有する首部302を形成する。他方、主ワッシャ(スプリングワッシャ)120および補助平ワッシャ130の、ねじ300のねじ部が挿通されるねじ挿通孔の内周面には、図16に示すように、首部302を受容可能な形状、つまり、円錐形状のテーパ面121,131を形成する。また、主ワッシャ120の外周縁に、例えば、色彩塗料の塗布、カラーリングの取り付け、あるいは主ワッシャとは別の金属を合体させる等で形成される視認機能発揮部122を設けている。
第8実施例によれば、図17(a)、(b)に示すように、主ワッシャ120および補助平ワッシャ130に、ねじ300を通して第1コネクタ21を締結する場合、ねじ300を図示しないプラスドライバーを使用して締め付けていく。すると、ねじ頭部301と第1コネクタ21との間に挟まれた主ワッシャ120と補助平ワッシャ130のテーパ面121,131に、ねじ300の首部302が受容されていく。このとき、図17(c)のように、主ワッシャ120は、首部302との円錐面接触により、ねじ頭部301の外側に拡大変形するので、これに伴い視認機能発揮部122が見えてくる。また、ねじの締め付けを緩めると、視認機能発揮部122は頭部301に隠れて見えなくなる。このように、作業者は、ねじの上方から外観で、ねじの締め付け状態を確認できるようになる。
なお、第8実施例のねじ300に代えて、図18に示す変形例ように、ナット310に円錐形の外周面を備えた首部311を設け、これをボルト312に締め付ける場合にも適用できる。
[第9実施例]
第9実施例を説明する。上記第8実施例の変形例では、ナット310の首部311に円錐形の外周面を設けたが、本第9実施例では、図19に示すように、補助平ワッシャ130aの座面側におけるボルト312aの挿通孔周縁に戴頭円錐形状のテーパ部130bを設ける一方で、主ワッシャ120a側に、テーパ部130aを受容する内周面120bを形成した態様のものである。ナット310aは、通常のナットであり、上記ナット310のように、円錐形のテーパを形成した首部311を有しない構造である。
この第9実施例によれば、図19(a)に示すように、締め付け前におけるナット310aを被締結部材たる第1コネクタ21側に締め付けていくと、テーパ部130bと内周面120bとの係合により、主ワッシャ120aは、図19(b)に示すように、補助平ワッシャ130aにより、ねじ込み方向から視て同心円上に外側に広げられる。このため、視認機能発揮部122はナット310aの外側にはみ出るので、ナット310aの締め付け状態を確認することができる。
[第10実施例]
図20に示す第10実施例について説明する。上記第8実施例では、図17のように、ねじ300の頭部301の下部に、円錐形状の外周を有する首部302を形成したが、本第10実施例では、ねじ300aに首部そのものを有しない通常のねじを使用する代わりに、補助平ワッシャ130aの、ねじ300aのボルト部を挿通するボルト部挿通孔周縁に、上記第9実施例の場合と同様に、下方に末広がる戴頭円錐形状のテーパ部130bを設ける一方で、主ワッシャ120a側に、テーパ部130aを受容する内周面120bを形成した態様のものである。
本第10実施例によれば、図20(a)に示す締め付け前のねじ300aを締め付けていくと、図20(b)のように、主ワッシャ122aの内周面122bは、テーパ部130bに嵌り込んでいき、主ワッシャ122aはねじ込み方向から視て同心円上に外側に拡大する。これにより、主ワッシャに設けた視認機能発揮部122は、ねじ頭部301aの外側に露呈するようになり、締め付け作業の確認が容易となる。
なお、第10実施例では、補助平ワッシャ130aを被締結部材21と別に構成したが、この代わりに、図21に示す変形例のように、被締結部材21そのものに、上記第10実施例の補助平ワッシャ130aに形成したと同様の戴頭円錐形状のテーパ部21bを設ける一方で、主ワッシャ120aにテーパ部21bを受容する内周面120bを設けるようにしてもよい。この変形例において、図21(a)に示される締め付け前のねじ301aを締め付けていくと、図21(b)のように、テーパ部21bは主ワッシャ120aの内周面120bに入り込んでいくため、主ワッシャ120aは外方へ同心円状に広がる。このため、視認機能発揮部122がねじ頭部301aの外側へ拡大し、締め付け作業の確認を行い易くなる。また、補助平ワッシャを被締結部材21と一体化したので、部品点数を少なくできる利点がある。
以上、本発明に係わる実施形態を図面により詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明の範囲に含まれるものである。
たとえば、第1〜第3の各実施例のワッシャを合成樹脂材で形成し、あるいは用いた場合を例に挙げて説明したが、素材は合成樹脂材に限定されず、この他の素材として、例えば金属素材を用いて形成したものでもよい。また、これら各実施例における視認機能発揮手段として、ワッシャに塗料を塗布したが、この代わりに、例えば、ワッシャに溝を設けたり、凹凸の模様を形成したり、メッキを施したりする態様であってもよいのは言うまでもない。
また、第6〜第10の各実施例において、主ワッシャ外周縁近傍に設けられる視認機能発揮手段を、塗料を塗布することで形成したが、この代わりに、例えば、主ワッシャに溝を設けたり、凹凸の模様を形成したり、あるいはメッキを施したりする態様であってもよい。
また、上記第4実施例において、一つのワッシャにおける2つのカム接触面は、点対称である必要はなく、一例として、図9(b)61aのカム接触面と図11(a)62aのカム接触面とを組み合わせて使用することも可能である。なお、カム接触面の作用は、いわゆるカム動作に限定されず、図11に示す例のようにボルト締結時に両カム接触面のスライド動作によってワッシャを外側へ押し広げるような場合も含まれる。
また、上記第1〜第7の各実施例においては、ボルト30(ねじ)を用いて締結する場合について説明したが、この代わりにナットにより締結する態様にも適宜適用できるのは言うまでもない。
また、上記第7、第8実施例および第8実施例の変形例、第9、第10実施例における主ワッシャと、補助平ワッシャとは別体構造としたが、第6実施例において、図13(c)の部位Xで溶接したと同様に、主ワッシャ0の切り口から離れた部位において、溶接により主ワッシャと補助平ワッシャとを一体化する構成にすることも可能である。
第1実施例に係り、(a)は、ワッシャの外観斜視図、(b)は、ワッシャの平面図、(c)は、(b)のA−A線における断面図である。 第1実施例のワッシャに設けられる弾性ヒンジの構成例を断面で示した部分断面図である。 第1実施例に係わるワッシャを使用してコネクタを締め付ける状態を断面図で示した説明図である。 第2実施例におけるワッシャに係り、(a)はその外観斜視図、(b)は平面図、(c)はその拡大正面図である。 第2実施例に係わるワッシャを使用してコネクタを締め付ける状態を断面図で示した説明図である。 第3実施例におけるワッシャに係り、(a)はその外観斜視図、(b)はその平面図、(c)は(b)のC−C線における断面図である。 第3実施例に係り、ボルトによる締め付け前の段取りの状態を断面図で示した説明図である。 第3実施例に係り、(a)はボルトによる締め付け完了後の状態を断面図で示す説明図、(b)は(a)の平面図である。 第4実施例におけるワッシャに係り、(a)はその平面図、(b)はワッシャの自由状態における正面図、(c)は締め付け後におけるワッシャの正面図である。 第4実施例に係り、(a)は締め付け前の段取りを示す説明図、(b)は締め付け後における締結状態を示す説明図である。 第4実施例におけるワッシャの変形例を示す図である。 第5実施例におけるワッシャに係り、(a)はワッシャの自由状態における正面図、(b)は締め付け後におけるワッシャの状態を示す正面図である。 第6実施例におけるワッシャに係り、(a)はワッシャの自由状態における平面図、(b)はその正面図、(c)はその側面図である。 第6実施例に係り、(a)は締め付け前の段取りを示す説明図、(b)は締め付け後のワッシャの状態を示す説明図である。 第7実施例に係り、(a)はねじ締め付け前の状態における断面図、(b)は締め付け後における状態を示す断面図である。 第8実施例に係り、(a)は主ワッシャの平面図、(b)は(a)の正面図、(c)は(a)のD−D線における断面図、(d)は補助平ワッシャを中心で切断した状態を示した断面図である。 第8実施例に係り、(a)はねじを締め付ける前の状態を示す断面図、(b)は(a)における主ワッシャおよび補助平ワッシャを中心断面で示した断面図、(c)は締め付け後の状態を示す断面図である。 第8実施例の変形例に係り、ナットを締め付けた後の状態を示す断面図である。 第9実施例に係り、(a)はナット締め付け前の状態における断面図、(b)は締め付け後における状態を示す断面図である。 第10実施例に係り、(a)はねじ締め付け前の状態における断面図、(b)は締め付け後における状態を示す断面図である。 第10実施例の変形例に係り、(a)はねじ締め付け前の状態における断面図、(b)は締め付け後における状態を示す断面図である。
符号の説明
10 ワッシャ
11 上方ワッシャ部
11a ボルト挿通孔
12 下方ワッシャ部
12a ボルト挿通孔
13,14 連結部
14e 塗布部
20 コネクタ
21 第1コネクタ
21a ボルト孔
21b テーパ部
22 第2コネクタ
22a 雌ねじ部
30 ボルト
31 ボルト頭部
40 ワッシャ
41 上方ワッシャ部
42 下方ワッシャ部
43,44 連結部
45,46 ばね材
50 ワッシャ
51 上方ワッシャ部
52 下方ワッシャ部
53 目盛表示部
60 ワッシャ
61、62 カム接触面
60a、60b ワッシャ
61a、62a カム接触面
61b、62b カム接触面
70 ワッシャ
71,72 カム接触面
80 主ワッシャ
81,82 カム接触面
90 補助平ワッシャ
91 突起部
100 主ワッシャ
102 着色部(視認機能発揮部)
110 補助平ワッシャ
111 突起部
120、120a 主ワッシャ
120b 内周面
121 テーパ面
122 視認機能発揮部
130,130a 補助平ワッシャ
130b テーパ部
131 テーパ面
300、300a ねじ(締結具)
302 首部
310、310a ナット(締結具)
311 首部
H ワッシャ外径拡大寸法
P 接触点
S 切り口隙間

Claims (15)

  1. 被締結部材と締結具との間に介装され、締結具締結時同締結具の締め付け方向に対し直交する外方向へ広がるように形成されたワッシャであって、前記ワッシャを、上方ワッシャ部と、前記上方ワッシャ部に対向配置される下方ワッシャ部と、前記上下両ワッシャ部の外周縁の間に連結され、中間部位を境にして外側へ扁平状に弾性屈曲変形する複数の連結部とで形成されたことを特徴とする締め忘れ防止締結具。
  2. 前記連結部の外面に、前記締結具の締め付け状態を示す目盛表示部が設けられたことを特徴とする請求項1記載の締め忘れ防止締結具。
  3. 前記連結部は、弾性変形可能な素材で形成されるとともに、前記連結部の外面に、視認機能発揮手段を設けたことを特徴とする請求項1または2記載の締め忘れ防止締結具。
  4. 被締結部材と締結具との間に介装され、締結具締結時同締結具の締め付け方向に対し直交する外方向へ広がるように形成されたワッシャであって、前記ワッシャは、切り口隙間を有する円環状に形成され、前記切り口隙間で向き合った各切り口端面に、互いにカム接触することにより前記ワッシャを外側へ拡大させる略同一形状のカム接触面が設けれらたことを特徴とする締め忘れ防止締結具。
  5. 前記ワッシャは、前記切り口端部が互いに離反する方向に反るように曲げられ、かつ、前記カム接触面は、前記カム接触点に関して略点対称であって、対向する切り口端面に向かって膨出する湾曲面形状に形成されたことを特徴とする請求項4記載の締め忘れ防止締結具。
  6. 前記湾曲面形状をなす前記両カム接触面が、直線状の平坦面と合成されていることを特徴とする請求項5記載の締め忘れ防止締結具。
  7. 前記ワッシャは、前記両切り口が同じ方向で対向して反るように曲げられ、かつ、前記両カム接触面が、略左右対称の膨出する湾曲面形状に形成されることを特徴とする請求項4記載の締め忘れ防止締結具
  8. 被締結部材と締結具との間に、一対の切り口端部間に切り口隙間を形成した環状の主ワッシャと、突起部を有する環状の補助平ワッシャとを重ねて設ける締結具であって、前記締結具を前記被締結部材に締結するとき、前記補助平ワッシャの突起部が前記主ワッシャの前記切り口隙間に押し込まれることにより、前記主ワッシャを外側へ押し広げるようにしたことを特徴とする締め忘れ防止締結具。
  9. 前記主ワッシャの前記一対の切り口端部は、主ワッシャの同じ側に反るように曲げられ、前記補助平ワッシャの前記突起部は、前記切り口端面にカム接触する形状に形成したことを特徴とする請求項8記載の締め忘れ防止締結具。
  10. 被締結部材と締結具との間に、一対の切り口端部間に切り口隙間を形成した環状の主ワッシャと、環状の補助平ワッシャとを重ねて設けるものであって、前記締結具下面に、軸心に向かって外径を減少させる円錐形状の外周を有する首部を形成する一方で、前記主ワッシャおよび前記補助平ワッシャの、前記締結具のねじ部が挿通されるねじ挿通孔の内周面に、前記締結具の首部を受容可能なテーパ面を形成したことを特徴とする締め忘れ防止締結具。
  11. 被締結部材と締結具との間に、一対の切り口端部間に切り口隙間を形成した環状の主ワッシャと、環状の補助平ワッシャとを重ねて設けるものであって、前記補助平ワッシャの座面側における前記締結具のボルト部を挿通するボルト部挿通孔周縁に戴頭円錐形状のテーパ部を設ける一方で、前記主ワッシャ側に、前記テーパ部が受容可能な内周面を形成したことを特徴とする締め忘れ防止締結具。
  12. 前記被締結部材に、前記補助平ワッシャを一体に形成したことを特徴とする請求項11記載の締め忘れ防止締結具。
  13. 前記補助平ワッシャは、前記主ワッシャと一体に結合されたことを特徴とする請求項8〜12のいずれか一項に記載の締め忘れ防止締結具。
  14. 前記主ワッシャの外周縁近傍に、視認機能発揮手段を設けたことを特徴とする請求項8〜13のいずれか一項に記載の締め忘れ防止締結具。
  15. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の締め忘れ防止締結具において、前記被締結部材は、電気接続具であることを特徴とする締め忘れ防止締結具を備えた電気接続具。
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