JP2006328937A - 手摺用支柱の取付構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】梁Hの側面に固定され、係る梁Hの側面に接する内側面12に垂直な凹溝13を有し、且つ係る凹溝13の底面と外側面14との間を貫通する上下一対の横長の長孔17を有するベースプレート10と、係るベースプレート10の凹溝13に嵌装され、上記一対の長孔17と連通する上下一対の雌ネジ孔19を有するナット板18と、上記ベースプレート10の外側面14に内側壁が接触し、係る内側壁に上下一対の貫通孔2aを有する支柱2と、係る支柱2の各貫通孔2aおよびベースプレート10の各長孔17を貫通し且つ上記ナット板18の各雌ネジ孔19に螺合する複数の固定用ボルトBと、を含む、手摺用支柱の取付構造。
【選択図】 図4
Description
一方、歩行用のスペースの確保や、デザイン性の見地から手摺用支柱を、廊下などの床面を支持する梁などの側面に取り付ける場合もある。
しかも、前記特許文献1の手摺では、手摺用支柱を垂直に取り付けられる反面、手摺用支柱を取り付ける床面に対し、更に上階に手摺取付装置を設置する必要があるため、大かがりな工事となり、多数の労力と施工手数とを要する、という問題もあった。
即ち、本発明の手摺用支柱の取付構造(請求項1)は、梁または桁の側面に固定され、係る梁または桁の側面に接する内側面に垂直な凹溝または凹部を有し、且つ係る凹溝または凹部の底面と外側面との間を貫通する上下複数の横長の長孔を有するベースプレートと、係るベースプレートの凹溝または凹部に嵌装され、上記上下複数の横長の長孔と連通する上下複数の雌ネジ孔を有するナット板と、上記ベースプレートの外側面に接触し、且つ上下複数の貫通孔を有する支柱と、係る支柱の各貫通孔およびベースプレートの各長孔を貫通し且つ上記ナット板の各雌ネジ孔に螺合する複数の固定用ボルトと、を含む、ことを特徴とする。
また、前記桁は、傾斜した階段用の桁を含み、階段の長手方向における一方の側面に沿った桁の他、階段の両側面に沿った一対の桁をも含んでいる。加えて、支柱の前記内側壁は、ベースプレートの外側面に接する側壁である。
更に、前記柱における上下複数の貫通孔は、係る柱の下部を内外方向に沿って貫通するが、後述する中空部を有する支柱では、その内側壁に形成される。
これによれば、前記のように、ベースプレートを梁などの側面における所定の位置で、垂直線に対し左右方向の何れかに極く僅かの傾きを伴って固定した場合でも、係るベースプレートにおける上下複数の横長の長孔と、支柱における複数の縦長の長孔との双方を活用することができる。従って、これらの長孔を貫通する固定ボルトの位置を調整することで、上記傾きを矯正し且つ所定の高さに揃えて、支柱を一層容易に取り付けることができる。
これによれば、ナット板をベースプレートの凹溝または凹部に嵌装した際、係るベースプレートおよびナット板の内側面を、ほぼ面一にできるため、予め、上記嵌装をしておくことで、現場への搬入が容易となる。しかも、ベースプレートを梁などの側面に固定した際には、当該梁の側面を過度に損傷する事態を防ぐことも可能となる。
尚、上記凹溝は、ベースプレートの内側面を上辺から下辺まで貫通する形態の他、ベースプレートの内側面の上辺にのみ開口し、係る凹溝の下端がベースプレートの内側面の途中で閉じた形態としても良い。係る形態で且つ底面が開口部よりも幅広の底広凹溝とした場合、断面ほぼ台形やほぼ逆T字形のナット板を落下させずに、嵌装した状態で容易且つ安全に現場にセットすることができる。
これによれば、例えば、支柱がアルミニウム合金の中空形材からなる場合、係る支柱の内側壁に形成する複数の貫通孔を固定用ボルトが貫通しても、上記アルミニウム合金よりも高強度の鋼板やステンレス鋼板などからなる座金を用いることで、上記貫通孔を当初の形状に容易に保つことができる。特に、支柱の貫通孔が縦長の長孔である場合には、その変形を一層確実に防ぐことが可能となる。
尚、本発明の対象となる支柱は、上記中空部を有しない中実材であっても良く、係る支柱を用いる形態では、複数の前記固定ボルトごとのボルト頭を収容可能な複数の窪み、または垂直な窪み溝を、当該支柱の外側面に形成することが望ましい。係る中実材の支柱には、角形鋼、角形ステンレス鋼、断面が角形のアルミニウム合金からなる棒(バー)材、あるいは硬質の樹脂材または木材が適用される。
これによれば、ベースプレートの取り付け具合に影響されることなく、複数の支柱を、梁や桁の側面に垂直で且つ同じ高さに揃えるか、一定の傾斜角度に沿って揃えて立設できるため、係る複数の支柱の間に各種デザインの柵体やパネルが容易に且つ体裁良く取り付けることができる。加えて、複数の支柱の上端にまたがって、笠木を水平または所定の傾斜を伴って取り付けることもできる。従って、設計時の基本意匠を保った手摺を容易に施工することが可能となる。
図1は、本発明の取付構造を用いた手摺1を示す側面(正面)図、図2は、図1中のX−X線の矢視に沿った垂直断面図、図3は、図2中のY−Y線の矢視に沿った水平断面図、図4は、本発明の取付構造の要部を示す分解斜視図である。
図1,図2に示すように、手摺1は、例えば、建物の一階と二階とにまたがる吹き抜けに沿って係る二階の廊下を形成(支持)する梁H、桁K、および床板Fのうち、吹き抜け側に面した梁Hの側面に対し、垂直に固定して取り付けられる複数の支柱2と、係る支柱2,2間に取付られる柵体6と、複数の支柱2の上端に金具kを介して水平に支持される笠木(手摺レール)Tと、を備えている。
上記柵体6は、隣接する支柱2,2の上・下部に対し、両端が固定される上桟7、下桟8、および、これらの間に垂直に立設された複数の縦格子(格子)9とからなる。
支柱2は、アルミニウム合金の中空押出形材からなり、断面ほぼ角形で且つほぼ正方形の中空部3を垂直(長手)方向に沿って有し、その下部の外側壁には、上下一対の挿通孔4およびこれを塞ぐキャップ5を有する共に、内側壁における上記挿通孔4と同じ高さの位置には、上下一対(複数)の貫通孔2aを有している。係る支柱2の中空部3の下部には、上記一対の貫通孔2aと同軸心となる上下一対の通し孔22を有する座金20が、内側壁に接蝕して挿入される。
尚、上記キャップ5は、樹脂製の成形品であるが、これに替えて貼り付けシールにしても良く、上記座金20は、例えば、鋼板またはステンレス鋼板からなる。
更に、ナット板18も、例えば、鋼板またはステンレス鋼板からなり、図2〜図4に示すように、前記凹溝13の深さとほぼ同じ板厚で、且つ側面視で係る凹溝13とほぼ相似形の長方形で且つ全体が直方体を呈すると共に、上下一対の雌ネジ孔19を有している。係る雌ネジ孔19,19間のピッチも、ベースプレート10の長孔17,17間、支柱2の貫通孔2a,2a間、および挿通孔4,4間のピッチと同じである。尚、ナット板18の幅寸法は、前記凹溝13の幅寸法よりも若干小さく設定され、係る凹溝13内での傾動を可能としている。
この際、図3に示すように、ナット板18と凹溝13との間には、左右一対の隙間sが形成される。また、ナット板18が外れないように、例えば、図示しないテープをベースプレート10の底面に予め貼り付けておくと良い。
次いで、凹溝13にナット板18を嵌装したベースプレート10を、そのプレート本体11における四隅の大径穴15から小径穴16に向かってこれらを貫通するボルトbを、梁Hの側面からネジ込む。この結果、図1に示すように、当該ベースプレート10を梁Hの側面に等間隔で固定する。その後、上記大径穴15の開口部は、例えば、ベースプレート10と同色のキャップcにより閉塞され、且つ各キャップcの表面は、ベースプレート10の外側面14と面一とされる。
この結果、図1,図2に示すように、複数の支柱2は、梁Hの側面に垂直で且つ高さを揃えた状態で取り付けられる。更に、隣接する支柱2,2の間には、柵体6の上・下桟7,8の端部が図示しない金具を介して固定される。
最後に、複数の支柱2の上端に固定した金具kを介して、笠木Tを固定して支持することにより、図1に示すように、手摺1が設計の通りにして施工される。
係る場合には、図5に示すように、ベースプレート10の上下一対の長孔17のうち、上方の長孔17の中央から極く僅か左側に固定用ボルトBを貫通させると共に、下方の長孔17の中央から極く僅か右側に固定用ボルトBを貫通させるように、前記各隙間sを利用してナット板18を傾動させて、支柱2を取り付ける。この結果、係る支柱2を垂直姿勢で確実に立設できると共に、その高さを隣接する支柱2と揃える操作が、現場で容易に行うことができる。
従って、本発明による手摺1用支柱2の取付構造を用いることで、手摺1を梁Hの外側に設計通りのデザインにして容易且つ確実に施工することができる。
係る支柱2の取付構造が前記の形態と相違するところは、支柱2の内側壁に設ける複数の貫通孔を、上下一対(複数)の縦長(長軸が垂直向き)の長孔(長円形孔)3b,3bとしている点である。これにより、前記図5で示したように、ベースプレート10およびその凹溝13に嵌装したナット板18を、梁Hの側面に対し傾斜して固定した際には、ベースプレート10の横長の各長孔17と共に、上記支柱2の縦長の各長孔3bを併せて活用することができる。この結果、支柱2を垂直姿勢で確実に立設でき、その高さを隣接する支柱2と揃える操作を、現場にて一層容易で確実に行うことが可能となる。
図7,図8に示すように、支柱24は、例えばステンレス鋼からなり、断面が長方形(角形)である棒状の本体25と、その外側面の下部に形成され且つ係る外側面に開口する上下一対の窪み26と、各窪み26の底面中央部から内側面に向かって水平に貫通すると貫通孔27とを有している。上記窪み26は、座ぐり加工によって全体が円柱形に形成されているが、係る形状に限るものではない。
前記同様にして、ベースプレート10は、その凹溝13にナット板18を嵌装した状態で、梁Hの側面に固定され、この際に、ベースプレート10の横長の各長孔17と、ナット板18の各雌ネジ孔19とは、互いに連通すると共に、係るナット板18と凹溝13との間には、左右一対の隙間sが形成される。
その結果、図7に示すように、支柱24は、2本の固定用ボルトBおよびナット板18を介して、ベースプレート10の外側面14に垂直姿勢で固定され且つ梁Hの側面に立設される。尚、係る支柱24の各窪み26は、当該支柱24の外側面に貼り付けられる樹脂製の丸いシールSによって目隠しされる。
更に、隣接する支柱24,24の間に、前記同様に柵体6の上・下桟7,8の端部が図示しない金具を介して固定された後、複数の支柱24の上端に固定した金具kを介して、笠木Tを固定して支持することにより、前記図1に示した同様ような手摺が設計の通りにして施工される。
尚、前記上下一対の窪み26に替えて、垂直方向に沿った単一の窪み溝を支柱24の外側面に形成し、前記ボルトBを用いて固定した後で、係る窪み溝をことほぼ相似形のシールまたはキャップで塞いでも良い。また、支柱24の下部を貫通する上下一対の貫通孔27に替えて、それぞれを縦長の長孔として良い。
従って、手摺用支柱24の取付構造を用いることで、前記手摺1と同様な手摺を梁Hの外側に設計通りのデザインにして容易且つ確実に施工することができる。
また、係る凹溝13aに嵌装されるナット板18aは、凹溝13aの深さとほぼ同じ板厚で、且つ側面視で凹溝13aとほぼ相似形の長方形を呈する。
以上のようなベースプレート10aを用いることで、その凹溝13aに嵌装したナット板18aが外れる事態を防止できるため、前述した手摺1などの施工を、前記テープなどを用いることなく、一層容易に行うことができる。
また、上記凹部13bに嵌装されるナット板18bは、凹溝13bの深さとほぼ同じ板厚で、且つ側面視で凹溝13bとほぼ相似形の長方形を呈する。
以上のようなベースプレート10bを用いることで、その凹部13bに嵌装したナット板18bが外れる事態を一層確実に防止できるため、前述した手摺1などの施工を、前記テープなどを用いずに、更に容易に行うことができる。
また、上記底広凹溝13cに嵌装されるナット板18cは、底広凹溝13cの深さととほぼ同じ板厚で、且つ断面が凹溝13cと相似形の台形を呈する。係るナット板18cと底広凹溝13cとの間には、左右一対の隙間sが形成される。
以上のようなベースプレート10cを用いることで、底広凹13cに嵌装したナット板18cが外れないため、前述した手摺1などの施工を、更に容易にして安全に行うことができる。
係るベースプレート10dは、図12に示すように、前記同様のプレート本体11と、その内側面12の中央に垂直方向に沿って形成され、且つ底面よりも開口部が狭い底広凹溝(凹溝)13dと、上下一対の長孔17と、プレート本体11の四隅を貫通する前記同様の大径穴15および小径孔16と、を有している。
以上のようなベースプレート10dを用いる場合でも、底広凹13dに嵌装したナット板18dが外れないため、前述した手摺1などの施工を、更に容易且つ安全にして行うことができる。
手摺1aは、図13に示すように、傾斜した階段(図示せず)の側面を支持する桁Kの側面に垂直姿勢で取付られる複数の支柱2と、係る支柱2,2間に金具k1を介して取付られるパネルPと、複数の支柱2の上端に金具k2を介して桁Kと同じ傾斜角度で支持される笠木(手摺レール)Tと、を備えている。
従って、種々の傾斜角度が付される階段の桁Kに対しても、その側面に同じ傾斜角度の笠木Tを含む手摺1aを容易且つ確実に施工することが可能となる。
例えば、本発明の取付構造は、屋内に限らず、屋外に露出した廊下、デッキ、桟橋、橋梁、または、各種の階段などを支持する梁Hや桁Kの側面に対しても、手摺用の支柱2を垂直姿勢で且つ所定の高さにして取り付けることも可能である。
また、本発明の取付構造が適用される支柱は、前記角形の中空部3を内蔵する中空押出形材の支柱2に限らず、断面円形や楕円形、または、断面ほぼ半円形の中空押出形材の支柱としたり、更には、断面コ字形、断面H字形、断面I字形、断面ほぼT字形などの中実の押出形材としても良い。
更に、支柱は、前記アルミニウム合金製に限らず、鋳鉄や鋳鋼、または型鋼、角形鋼、ステンレス鋼製の棒材、硬質の樹脂製の棒材、または、硬質の棒状木材からなる支柱などしても良く、これらの場合、前記座金20を省略することも可能である。
また、ベースプレートを桁などに固定するには、前記ボルトを用いる他、皿ビスなどの木ねじを用いたり、金属製の桁の場合には、溶接付けする方法でも良い。
加えて、ベースプレートの前記長孔、ナット板の前記雌ネジ孔、支柱の貫通孔、および座金の通し孔は、上下に沿って3個以上を併設した形態としても良い。
2,24…………………支柱
2a,27………………貫通孔
3…………………………中空部
3b………………………縦長の長孔(貫通孔)
6…………………………柵体
9…………………………縦格子(格子)
10,10a〜10d…ベースプレート
12………………………内側面
13,13a……………凹溝
13b……………………凹部
13c,13d…………底広凹溝(凹溝)
17………………………横長の長孔
18,18a〜18d…ナット板
19………………………雌ネジ孔
20………………………座金
22………………………通し孔
H…………………………梁
K…………………………桁
B…………………………固定用ボルト
T…………………………笠木
P…………………………パネル
Claims (5)
- 梁または桁の側面に固定され、係る梁または桁の側面に接する内側面に垂直な凹溝または凹部を有し、且つ係る凹溝または凹部の底面と外側面との間を貫通する上下複数の横長の長孔を有するベースプレートと、
上記ベースプレートの凹溝または凹部に嵌装され、上記上下複数の横長の長孔と連通する上下複数の雌ネジ孔を有するナット板と、
上記ベースプレートの外側面に接触し、且つ上下複数の貫通孔を有する支柱と、
上記支柱の各貫通孔およびベースプレートの各長孔を貫通し且つ上記ナット板の各雌ネジ孔に螺合する複数の固定用ボルトと、を含む、
ことを特徴とする手摺用支柱の取付構造。 - 前記支柱の各貫通孔は、縦長の長孔である、
ことを特徴とする請求項1に記載の手摺用支柱の取付構造。 - 前記ベースプレートの凹溝または凹部の深さと前記ナット板の板厚とがほぼ同じあると共に、上記凹溝または凹部とナット板とは、側面視でほぼ相似形の長方形または正方形を呈する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の手摺用支柱の取付構造。 - 前記支柱は、断面ほぼ角形で且つ垂直方向に沿って中空部を有すると共に、前記各貫通孔に連通し、且つ前記各固定用ボルトの雄ネジ部を貫通させる通し孔を有する座金が上記中空部に挿入されている、
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の手摺用支柱の取付構造。 - 前記支柱は、前記梁または桁の側面に間隔を置いて、前記ベースプレート、ナット板、および固定ボルトを介して複数個が固定されると共に、
隣接する支柱同士の上部または間に、笠木、複数の立子を有する柵体、または、パネルの少なくとも1つが取り付けられる、
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の手摺用支柱の取付構造。
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