JP2006327847A - 光学ガラス素子成形型 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高画素カメラ等に用いられる小型の高精度の光学ガラス素子を安価で提供するために、非球面精度に優れ、同じ成形型で、数万個のオーダーまでの光学ガラス素子を量産することができる耐久性を備えた光学ガラス素子成形型を提供する。
【解決手段】 Si含有量が5重量%以上30重量%以下であり、型の表面に存在する遊離Si粒子の径が40μm以下、かつ、型の表面に存在し、径が10μm以上40μm以下である遊離Si粒子が50個/mm2以下であるSi‐SiC複合材料により、光学ガラス素子成形型を構成する。
【選択図】 なし
【解決手段】 Si含有量が5重量%以上30重量%以下であり、型の表面に存在する遊離Si粒子の径が40μm以下、かつ、型の表面に存在し、径が10μm以上40μm以下である遊離Si粒子が50個/mm2以下であるSi‐SiC複合材料により、光学ガラス素子成形型を構成する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、カメラレンズ、プリズム等のガラスからなる光学素子、特に、携帯電話、デジタルカメラ、デジタル機器のカメラレンズ等の量産される小型の光学ガラス素子の製造に好適に用いられる成形型に関する。
近年、200メガピクセル以上の高画素カメラ付携帯電話やデジタルカメラ等の普及により、直径数mm程度の小型高精度非球面レンズを低コストで量産することが求められている。
従来、安価で量産される汎用のレンズ素材には、プラスチックが主に用いられていた。
しかしながら、プラスチックレンズは、軽く、成形が容易であるという利点を有する反面、傷が付きやすく、変色しやすいという欠点を有していた。
また、上記のような携帯電話等の小型カメラに用いられる非球面レンズにおいては、熱膨張係数、寸法安定性等の観点から、プラスチックレンズでは、高精度化を図るには限界があった。
従来、安価で量産される汎用のレンズ素材には、プラスチックが主に用いられていた。
しかしながら、プラスチックレンズは、軽く、成形が容易であるという利点を有する反面、傷が付きやすく、変色しやすいという欠点を有していた。
また、上記のような携帯電話等の小型カメラに用いられる非球面レンズにおいては、熱膨張係数、寸法安定性等の観点から、プラスチックレンズでは、高精度化を図るには限界があった。
このため、高精度非球面レンズ等の光学素子においては、ガラスレンズが用いられている。このような光学ガラス素子は、通常、安価で量産可能とするために、後の研磨加工を必要とせずに、プレス成形加工のみによって製造される。
ガラスは、プラスチックよりも軟化温度が高いことから、光学ガラス素子のプレス成形に使用される型材には、より高い耐熱性が求められ、それ以外にも、高硬度、高強度、優れた離型性および鏡面加工性等の特性が要求される。
ガラスは、プラスチックよりも軟化温度が高いことから、光学ガラス素子のプレス成形に使用される型材には、より高い耐熱性が求められ、それ以外にも、高硬度、高強度、優れた離型性および鏡面加工性等の特性が要求される。
このような型材としては、金属、合金、セラミックス等が挙げられるが、上記特性に加えて、熱膨張係数が小さく、熱伝導率が大きい等の特徴を有することから、SiCやSi3N4等のセラミックスが好適に用いられている(例えば、特許文献1参照)。
さらに、成形型の面荒れ防止のため、型材の表面をダイヤモンドやSiC等によりコーティングすることも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開昭52−45613号公報
特開平1−301864号公報
さらに、成形型の面荒れ防止のため、型材の表面をダイヤモンドやSiC等によりコーティングすることも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、引用文献1に記載されているようなSiC等のセラミックスは、通常、粉末原料をCIP等により成形した後、高温で焼結させるため、焼結体組織におけるポアは避けられず、作製された型の表面には、気孔が生じやすい。
このような気孔を有する型を用いて成形した光学ガラス素子は、該気孔により、表面に傷が付いたり、少量のガラスが型に融着する、いわゆるかじり等が発生し、滑らかな非球面を形成することは困難であった。
たとえ、粉末原料の粒子径を調整して、加圧焼結により型を作製した場合であっても、気孔を含まない型を得ることは、コスト高になるとともに、非常に困難であった。
このような気孔を有する型を用いて成形した光学ガラス素子は、該気孔により、表面に傷が付いたり、少量のガラスが型に融着する、いわゆるかじり等が発生し、滑らかな非球面を形成することは困難であった。
たとえ、粉末原料の粒子径を調整して、加圧焼結により型を作製した場合であっても、気孔を含まない型を得ることは、コスト高になるとともに、非常に困難であった。
さらに、上記のような気孔を被覆するために、引用文献2に記載されているように、ダイヤモンド等でCVDコーティングした場合であっても、光学ガラス素子の成形工程における急激な加熱冷却に伴う熱応力によって、コーティング膜は部分的に剥離しやすく、型の十分な耐久性は得られなかった。
また、SiCによりコーティングした場合であっても、上述したようなSiCを基材とした型の表面には、数μm以上の径の気孔が存在するため、この部分がコーティング膜の剥離やクラック等の発生起点となりやすく、均一なコーティング膜を形成維持することは難しく、長時間の繰り返しのガラス成形での耐用性は不十分であった。
しかも、CVDによるコーティングは高コストであり、光学ガラス素子を安価で提供するという要求に適した方法とは言えなかった。
また、SiCによりコーティングした場合であっても、上述したようなSiCを基材とした型の表面には、数μm以上の径の気孔が存在するため、この部分がコーティング膜の剥離やクラック等の発生起点となりやすく、均一なコーティング膜を形成維持することは難しく、長時間の繰り返しのガラス成形での耐用性は不十分であった。
しかも、CVDによるコーティングは高コストであり、光学ガラス素子を安価で提供するという要求に適した方法とは言えなかった。
本発明は、上記技術的課題を解決するためになされたものであり、上述したような高画素カメラ等に用いられる小型の高精度の光学ガラス素子を安価で提供するために、非球面精度に優れ、同じ成形型で、数万個のオーダーまでの光学ガラス素子を量産することができる耐久性を備えた光学ガラス素子成形型を提供することを目的とするものである。
本発明に係る光学ガラス素子成形型は、Si‐SiC複合材料からなり、型の表面に存在する遊離Si粒子は、径が40μm以下であり、かつ、径が10μm以上40μm以下のものが50個/mm2以下であることを特徴とする。
このように、型表面の遊離Si粒子の径が小さく、かつ、分布割合が少ない、Si‐SiC複合材料を用いることにより、SiCの優れた特性を損ねることなく、気孔のない緻密で表面が滑らかな型を得ることが可能となり、型の非球面精度および耐久性の向上も図られる。
このように、型表面の遊離Si粒子の径が小さく、かつ、分布割合が少ない、Si‐SiC複合材料を用いることにより、SiCの優れた特性を損ねることなく、気孔のない緻密で表面が滑らかな型を得ることが可能となり、型の非球面精度および耐久性の向上も図られる。
前記光学ガラス素子成形型は、遊離Si含有量が5重量%以上30重量%以下であることが好ましい。
遊離Siの酸化による離型性の低下、遊離Si量の不足による型材中での気孔残留等を抑制する観点から、前記光学ガラス素子成形型を構成するSi‐SiC複合材料中の遊離Siは、上記規定範囲内の含有量であることが好ましい。
遊離Siの酸化による離型性の低下、遊離Si量の不足による型材中での気孔残留等を抑制する観点から、前記光学ガラス素子成形型を構成するSi‐SiC複合材料中の遊離Siは、上記規定範囲内の含有量であることが好ましい。
上述したとおり、本発明に係る光学ガラス素子成形型を用いれば、非球面精度に優れ、しかも、耐久性に優れていることから、同じ成形型で、数万個のオーダーまでの光学ガラス素子を歩留まりよく量産することができる。
したがって、カメラ付携帯電話等の高画素カメラ等に用いられる小型の高精度の光学ガラス素子を安価で提供することができる。
したがって、カメラ付携帯電話等の高画素カメラ等に用いられる小型の高精度の光学ガラス素子を安価で提供することができる。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明に係る光学ガラス素子成形型は、Si‐SiC複合材料からなるものである。
本発明は、上述したようなSiCの優れた特性に着目し、Si‐SiC複合材料を用いることにより、その特性を損ねることなく、気孔のない緻密な型を得ることを可能としたものである。
本発明に係る光学ガラス素子成形型は、Si‐SiC複合材料からなるものである。
本発明は、上述したようなSiCの優れた特性に着目し、Si‐SiC複合材料を用いることにより、その特性を損ねることなく、気孔のない緻密な型を得ることを可能としたものである。
前記光学ガラス素子成形型においては、型の表面に存在する遊離Si粒子は、径が40μm以下であり、かつ、径が10μm以上40μm以下のものが50個/mm2以下である。
Si‐SiC複合材料の表面は、SiCの部分とSiの部分とが混在した状態であり、Siの方がSiCよりも硬度が低いことから、型の研磨加工の際、SiCとSiとの研磨速度の差により、表面荒れ(凹凸)が発生する。このような表面荒れは、該型を用いて製造する光学ガラス素子の面精度を低下させるため好ましくない。
したがって、型の表面荒れを抑制するために、全体が均一な研磨速度で仕上げ加工されるようにする必要がある。
本発明は、このような観点から、型の表面に存在する、相対的に硬度の低い遊離Si粒子が、径が40μm以下と小さいものであることを規定したものである。さらに、前記遊離Si粒子のうち、径が10μm以上40μm以下のものは、50個/mm2以下とし、型の表面に存在する遊離Si微粒子の分布割合も少ないものであることが好ましい。
Si‐SiC複合材料の表面は、SiCの部分とSiの部分とが混在した状態であり、Siの方がSiCよりも硬度が低いことから、型の研磨加工の際、SiCとSiとの研磨速度の差により、表面荒れ(凹凸)が発生する。このような表面荒れは、該型を用いて製造する光学ガラス素子の面精度を低下させるため好ましくない。
したがって、型の表面荒れを抑制するために、全体が均一な研磨速度で仕上げ加工されるようにする必要がある。
本発明は、このような観点から、型の表面に存在する、相対的に硬度の低い遊離Si粒子が、径が40μm以下と小さいものであることを規定したものである。さらに、前記遊離Si粒子のうち、径が10μm以上40μm以下のものは、50個/mm2以下とし、型の表面に存在する遊離Si微粒子の分布割合も少ないものであることが好ましい。
上記のような本発明に係る光学ガラス素子成形型を構成するSi‐SiC複合材料は、いわゆる反応焼結法により好適に得ることができる。
反応焼結法によるSi‐SiC複合材料の製造方法の一例を以下に述べる。
まず、SiC粉とカーボン粉とを原料とし、これに分散剤とバインダを添加し、水を分散媒として混合し、スラリーを調製する。
次に、スプレードライヤ等を用いて、スラリーから造粒粉を作製し、所定の金型またはCIP等により成形する。得られた成形体を脱脂後、溶融Siを含浸させることにより、Si‐SiC複合材料が得られる。
反応焼結法によるSi‐SiC複合材料の製造方法の一例を以下に述べる。
まず、SiC粉とカーボン粉とを原料とし、これに分散剤とバインダを添加し、水を分散媒として混合し、スラリーを調製する。
次に、スプレードライヤ等を用いて、スラリーから造粒粉を作製し、所定の金型またはCIP等により成形する。得られた成形体を脱脂後、溶融Siを含浸させることにより、Si‐SiC複合材料が得られる。
上記のような反応焼結法においては、溶融Siと原料のカーボンとが反応して、新たなSiCを形成し、これが原料のSiC間のネットワークとなり、SiCマトリックスを形成する。SiCマトリックスの間は、溶融Siで満たされるため、気孔は残留しない。
このようにして得られたSi‐SiC複合材料は、Siの融点である1420℃よりも耐熱温度は低くなるが、硬度、離型性、鏡面加工性等の特性は、SiCと同等である。
このようにして得られたSi‐SiC複合材料は、Siの融点である1420℃よりも耐熱温度は低くなるが、硬度、離型性、鏡面加工性等の特性は、SiCと同等である。
上記のような製造方法により得られるSi‐SiC複合材料中の遊離Si含有量は、本発明に係る光学ガラス素子成形型においては、5重量%以上30重量%以下であることが好ましく、より好ましくは、10重量%以上25重量%以下である。
Si‐SiC複合材料中の遊離Si含有量は、成形体密度により制御することができ、成形体密度が大きくなると、相対的に遊離Si含有量は低下する傾向にある。
遊離Si含有量が30重量%を超える場合は、Si‐SiC複合材料の組織中に存在する遊離Siが酸化されやすいことから、成形した光学ガラス素子の離型性が低下する。
一方、Si含有量が5重量%未満である場合は、成形体密度が大きく、反応焼結時にSiが通るパス径が小さくなり、Siの含浸が不十分になることから、Si‐SiC複合材料の組織中における微細な気孔の残留率が高く、気孔に起因する光学ガラス素子表面の傷やかじり等が生じやすくなる。
Si‐SiC複合材料中の遊離Si含有量は、成形体密度により制御することができ、成形体密度が大きくなると、相対的に遊離Si含有量は低下する傾向にある。
遊離Si含有量が30重量%を超える場合は、Si‐SiC複合材料の組織中に存在する遊離Siが酸化されやすいことから、成形した光学ガラス素子の離型性が低下する。
一方、Si含有量が5重量%未満である場合は、成形体密度が大きく、反応焼結時にSiが通るパス径が小さくなり、Siの含浸が不十分になることから、Si‐SiC複合材料の組織中における微細な気孔の残留率が高く、気孔に起因する光学ガラス素子表面の傷やかじり等が生じやすくなる。
本発明に係る光学ガラス素子成形型は、必要に応じて、適宜、研削、研磨加工等された後、鏡面仕上げを施されて、所定の非球面ガラスレンズ等の型として得られる。
上述したように、この光学ガラス素子成形型を構成するSi‐SiC複合材料は、組織中に気孔がないため、この型を用いた光学ガラス素子の製造においては、傷等の転写が抑制され、かじり等による装置の停止頻度の低減化も図られる。
上述したように、この光学ガラス素子成形型を構成するSi‐SiC複合材料は、組織中に気孔がないため、この型を用いた光学ガラス素子の製造においては、傷等の転写が抑制され、かじり等による装置の停止頻度の低減化も図られる。
上記のような本発明に係る光学ガラス素子成形型を用いた光学ガラス素子の製造は、後に研磨工程を必要としない、いわゆる直接プレス成形法により行うことができる。
この直接プレス成形法とは、例えば、非球面ガラスレンズを製造する場合には、予め所定の非球面形状、サイズおよび面精度で作製された本発明に係る光学ガラス素子成形型を用いて、ガラスを熱プレスにより成形し、離型したものを、研磨加工することなく、直接製品とする方法である。
本発明に係る光学ガラス素子成形型を用いれば、傷やかじり等を生じることなく、直接プレス成形法により、滑らかな非球面ガラスレンズ等の光学ガラス素子を、同じ成形型で連続して、数万個程度まで歩留まりよく量産することが可能となる。ひいては、該光学ガラス素子の製造効率の向上、コスト低減化を図ることができる。
この直接プレス成形法とは、例えば、非球面ガラスレンズを製造する場合には、予め所定の非球面形状、サイズおよび面精度で作製された本発明に係る光学ガラス素子成形型を用いて、ガラスを熱プレスにより成形し、離型したものを、研磨加工することなく、直接製品とする方法である。
本発明に係る光学ガラス素子成形型を用いれば、傷やかじり等を生じることなく、直接プレス成形法により、滑らかな非球面ガラスレンズ等の光学ガラス素子を、同じ成形型で連続して、数万個程度まで歩留まりよく量産することが可能となる。ひいては、該光学ガラス素子の製造効率の向上、コスト低減化を図ることができる。
また、本発明に係る光学ガラス素子成形型は、従来のCVD等によりコーティングされた型と同様に、表面をSiC等でコーティングして使用することもできる。
本発明に係る型材であるSi‐SiC複合材料中には、コーティング膜の剥離やクラック等の発生起点となる気孔がないため、均一な成膜が可能であり、コーティングすることにより、型の耐久性を一層向上させることができる。
本発明に係る型材であるSi‐SiC複合材料中には、コーティング膜の剥離やクラック等の発生起点となる気孔がないため、均一な成膜が可能であり、コーティングすることにより、型の耐久性を一層向上させることができる。
以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例により制限されるものではない。
[実施例1]
平均粒径1μmのSiC粉と平均粒径0.1μmのカーボン粉を用いて造粒粉を調製した。これを圧力5t/cm3で静水圧プレスにより成形した。得られた成形体を脱脂処理後、溶融Siと反応させてSi‐SiC複合材料を得た。
得られたSi‐SiC複合材料を鏡面研磨加工したところ、表面には、径が40μm以上の遊離Siは見られず、径が10μm以上40μm以下の遊離Siの分布割合は、12個/mm2であった。また、最大表面粗さ(Rmax)は、0.01〜0.03μmであった。
[実施例1]
平均粒径1μmのSiC粉と平均粒径0.1μmのカーボン粉を用いて造粒粉を調製した。これを圧力5t/cm3で静水圧プレスにより成形した。得られた成形体を脱脂処理後、溶融Siと反応させてSi‐SiC複合材料を得た。
得られたSi‐SiC複合材料を鏡面研磨加工したところ、表面には、径が40μm以上の遊離Siは見られず、径が10μm以上40μm以下の遊離Siの分布割合は、12個/mm2であった。また、最大表面粗さ(Rmax)は、0.01〜0.03μmであった。
[実施例2]
静水圧プレスにおける圧力を2.5t/cm3とし、それ以外については、実施例1と同様にして、Si‐SiC複合材料を作製した。
得られたSi‐SiC複合材料を鏡面研磨加工したところ、表面には、径が40μm以上の遊離Siは見られず、径が10μm以上40μm以下の遊離Siの分布割合は、45個/mm2であった。また、最大表面粗さ(Rmax)は、0.04〜0.05μmであった。
静水圧プレスにおける圧力を2.5t/cm3とし、それ以外については、実施例1と同様にして、Si‐SiC複合材料を作製した。
得られたSi‐SiC複合材料を鏡面研磨加工したところ、表面には、径が40μm以上の遊離Siは見られず、径が10μm以上40μm以下の遊離Siの分布割合は、45個/mm2であった。また、最大表面粗さ(Rmax)は、0.04〜0.05μmであった。
[比較例1]
静水圧プレスにおける圧力を1t/cm3とし、それ以外については、実施例1と同様にして、Si‐SiC複合材料を作製した。
得られたSi‐SiC複合材料を鏡面研磨加工したところ、表面には、径が40μm以上の遊離Siは見られなかったが、径が10μm以上40μm以下の遊離Siの分布割合は、69個/mm2であった。また、最大表面粗さ(Rmax)は、0.18〜0.46μmであった。
静水圧プレスにおける圧力を1t/cm3とし、それ以外については、実施例1と同様にして、Si‐SiC複合材料を作製した。
得られたSi‐SiC複合材料を鏡面研磨加工したところ、表面には、径が40μm以上の遊離Siは見られなかったが、径が10μm以上40μm以下の遊離Siの分布割合は、69個/mm2であった。また、最大表面粗さ(Rmax)は、0.18〜0.46μmであった。
実施例1および2、比較例1から、表面に、径が40μm以上の遊離Siがなく、かつ、径が10μm以上40μm以下の遊離Siの分布割合が50個/mm2以下であるSi‐SiC複合材料は、表面が滑らかであることが認められた。
[実施例3]
反応焼結法によって製造したSi含有量が20重量%のSi‐SiC複合材料を用いて、非球面レンズ成形型を作製した。
このレンズ成形型を用いて、直径6mmの非球面ガラスレンズを連続して15000〜20000個(1ヶ月間)製造し、得られたレンズの表面状態および取出し不良について評価した。
その結果、レンズを20000個製造した場合であっても、いずれのレンズにも異常は認められず、融着やかじり等もなく、離型性も良好であった。
反応焼結法によって製造したSi含有量が20重量%のSi‐SiC複合材料を用いて、非球面レンズ成形型を作製した。
このレンズ成形型を用いて、直径6mmの非球面ガラスレンズを連続して15000〜20000個(1ヶ月間)製造し、得られたレンズの表面状態および取出し不良について評価した。
その結果、レンズを20000個製造した場合であっても、いずれのレンズにも異常は認められず、融着やかじり等もなく、離型性も良好であった。
[比較例2]
反応焼結法によって製造したSi含有量が35重量%のSi‐SiC複合材料を用いて、非球面レンズ成形型を作製した。
このレンズ成形型を用いて、実施例3と同様に非球面ガラスレンズを連続して製造し、得られたレンズの表面状態および取出し不良について評価した。
その結果、6300個を超えたあたりから、レンズ表面に曇りが発生し、歩留まりが低下し始めた。レンズ成形型の酸化に伴う面荒れによるものと推測される。同時に、ガラスとの融着による離型不良も徐々に増加し、取出し不良回数が50回を超えた時点で、レンズの製造を中止した。
反応焼結法によって製造したSi含有量が35重量%のSi‐SiC複合材料を用いて、非球面レンズ成形型を作製した。
このレンズ成形型を用いて、実施例3と同様に非球面ガラスレンズを連続して製造し、得られたレンズの表面状態および取出し不良について評価した。
その結果、6300個を超えたあたりから、レンズ表面に曇りが発生し、歩留まりが低下し始めた。レンズ成形型の酸化に伴う面荒れによるものと推測される。同時に、ガラスとの融着による離型不良も徐々に増加し、取出し不良回数が50回を超えた時点で、レンズの製造を中止した。
[比較例3]
反応焼結法によって製造したSi含有量が3重量%のSi‐SiC複合材料を用いて、非球面レンズ成形型を作製した。
型の表面に気孔があり、最大表面粗さ(Rmax)が0.09〜1.0μm以上となり、作製した成形型によるばらつきが大きく、レンズ成形型として使用不可のものもあった。
最大表面粗さが小さいレンズ成形型を用いて、実施例3と同様に非球面ガラスレンズを連続して製造し、得られたレンズの表面状態および取出し不良について評価した。
その結果、13900個を超えたあたりから、レンズ成形型の表面の気孔部分を中心とした面荒れの増加に伴い、レンズ表面の面荒れも増加した。また、主に気孔部へのかじり等による離型不良も増加し、取出し不良回数は8〜25回であった。
反応焼結法によって製造したSi含有量が3重量%のSi‐SiC複合材料を用いて、非球面レンズ成形型を作製した。
型の表面に気孔があり、最大表面粗さ(Rmax)が0.09〜1.0μm以上となり、作製した成形型によるばらつきが大きく、レンズ成形型として使用不可のものもあった。
最大表面粗さが小さいレンズ成形型を用いて、実施例3と同様に非球面ガラスレンズを連続して製造し、得られたレンズの表面状態および取出し不良について評価した。
その結果、13900個を超えたあたりから、レンズ成形型の表面の気孔部分を中心とした面荒れの増加に伴い、レンズ表面の面荒れも増加した。また、主に気孔部へのかじり等による離型不良も増加し、取出し不良回数は8〜25回であった。
実施例3、比較例2および3から、Si含有量が10重量%以上30重量%以下であるSi‐SiC複合材料からなる非球面ガラスレンズ成形型は、離型性および耐久性に優れており、このため、表面の傷やかじり、取出し不良等を生じることなく、ガラスレンズを連続して量産可能であることが認められた。
Claims (2)
- Si‐SiC複合材料からなり、型の表面に存在する遊離Si粒子は、径が40μm以下であり、かつ、径が10μm以上40μm以下のものが50個/mm2以下であることを特徴とする光学ガラス素子成形型。
- 遊離Si含有量が5重量%以上30重量%以下であることを特徴とする請求項1記載の光学ガラス素子成形型。
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Cited By (2)
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WO2013141234A1 (ja) * | 2012-03-19 | 2013-09-26 | 株式会社東海エンジニアリングサービス | ガラス成形用プレス型及びその製造方法 |
WO2017212902A1 (ja) * | 2016-06-08 | 2017-12-14 | オリンパス株式会社 | レンズ成形用金型の製造方法およびレンズの製造方法 |
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2005
- 2005-05-24 JP JP2005150691A patent/JP2006327847A/ja not_active Withdrawn
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