JP2006327678A - 酸素吸収性を有する容器蓋 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガスロスなどによる内容物の品質低下を有効に防止することが可能であると同時に、ヘッドスペース中の残存酸素による内容物劣化を有効に抑制することが可能な容器蓋を提供する。
【解決手段】頂板部5と頂板部周縁から降下したスカート部7とを備え、該頂板部5の内面にはライナー材3が設けられている容器蓋において、前記ライナー材3は、酸素透過係数が1.0×10−10cc.cm/cm2.sec.cmHg(25℃)未満の酸素バリアー性を有する熱可塑性樹脂から形成されたシール部Xと、酸素透過係数が1.0×10−10cc.cm/cm2.sec.cmHg(25℃)以上の酸素透過性熱可塑性樹脂中に酸素吸収剤が分散された樹脂組成物から形成された酸素吸収部Yとを有し、該ライナー材3の少なくともリング状の周縁部が前記シール部Xとなっており、該ライナー材3の該リング状の周縁部に囲まれた中央部分に前記酸素吸収部Yが形成されていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、酸素吸収性を有する容器蓋に関するものであり、より詳細には、容器蓋の頂板部の内面に酸素吸収性を有するライナー材が設けられている容器蓋に関する。
飲料等の内容物が充填されたボトル等の容器の口部に容器蓋を締結した包装容器では、容器内部に必ずヘッドスペース(内容物と容器蓋の頂板部内面との間に形成される空間)が存在しているため、このようなヘッドスペース中の残存酸素による内容物劣化を防止する必要がある。このような残存酸素による内容物劣化を防止するための手段としては、一般に、容器蓋の頂板部内面に酸素吸収剤を含有するライナー材(以下、酸素吸収性ライナー材と呼ぶことがある)を設けるという手段が採用されている(特許文献1,2参照)。
特開平6−40463号公報 特開2003−221076号公報
しかしながら、上記のような酸素吸収性ライナー材を設けるという手段では、酸素吸収性と同時にガスバリアー性を確保することが困難であるという問題がある。例えば、容器内容物が炭酸飲料の如き発泡性飲料である場合には、容器口部の上端とライナー材との密着部からの炭酸ガスの抜け(ガスロス)を防止する必要があるが、酸素吸収性ライナー材を設けた場合には、ガスロスが大きくなってしまい、残存酸素による内容物劣化を防止できたとしても、ガスロスによる内容物の品質低下を防止することが困難である。
即ち、酸素吸収性ライナー材は、熱可塑性樹脂中に酸素吸収剤を分散させた樹脂組成物により形成されるが、酸素吸収剤の酸素吸収機能を十分に発揮させるために、マトリックスとなる熱可塑性樹脂として、酸素透過性の大きい樹脂を用いる必要がある。このため、このような酸素吸収性ライナー材を用いた場合には、炭酸ガスの抜けを防止することが困難となってしまうのである。勿論、マトリックスとなる熱可塑性樹脂として、ガス遮断性に優れたものを使用することも考えられるが、この場合には、該熱可塑性樹脂がバリアーとして働くため、残存酸素と酸素吸収剤との接触が抑制されてしまい、酸素吸収機能が十分に発揮せず、ガスロスによる品質低下を防止できたとしても、残存酸素による内容物劣化を防止することが困難となってしまうのである。
従って本発明の目的は、ガスロスなどによる内容物の品質低下を有効に防止することが可能であると同時に、ヘッドスペース中の残存酸素による内容物劣化を有効に抑制することが可能な容器蓋を提供することにある。
本発明によれば、頂板部と頂板部周縁から降下したスカート部とを備え、該頂板部の内面にはライナー材が設けられている容器蓋において、
前記ライナー材は、酸素透過係数が1.0×10−10cc.cm/cm2.sec.cmHg(25℃)未満の酸素バリアー性を有する熱可塑性樹脂から形成されたシール部と、酸素透過係数が1.0×10−10cc.cm/cm2.sec.cmHg(25℃)以上の酸素透過性熱可塑性樹脂中に酸素吸収剤が分散された樹脂組成物から形成された酸素吸収部とを有し、該ライナー材の少なくともリング状の周縁部が前記シール部となっており、該ライナー材の該リング状の周縁部に囲まれた中央部分に前記酸素吸収部が形成されていることを特徴とする容器蓋(第1の態様)が提供される。
上記の第1の態様の容器蓋においては、
1.前記シール部には、酸素吸収剤が分散されていること、
2.前記ライナー材は、前記シール部形成用の熱可塑性樹脂によって形成されたシール性基体を有し、該シール性基体のリング状周縁部が前記シール部となっており、該シール性基体の前記中央部分に、前記酸素吸収剤が分散された樹脂組成物からなる層が積層されて前記酸素吸収部が形成されていること、
が好ましい。
本発明によれば、また、頂板部と頂板部周縁から降下したスカート部とを備え、該頂板部の内面にはライナー材が設けられている容器蓋において、
前記ライナー材は、酸素透過係数が1.0×10−10cc.cm/cm2.sec.cmHg(25℃)未満で且つショアD硬度が20〜60の酸素バリアー性熱可塑性エラストマー中に酸素吸収剤が分散された樹脂組成物からなる酸素吸収性のシール性基体からなり、該基体の中央部分が、シール部となる該基体のリング状周縁部よりも厚肉に形成されて酸素吸収部となっていることを特徴とする容器蓋(第2の態様)が提供される。
本発明においては、容器蓋の頂板部内面に設けるライナー材に、シール部と酸素吸収部とを設けて機能分離させたことが重要な特徴であり、これにより、酸素吸収剤による酸素吸収機能を十分に発揮させ、ヘッドスペース中の残存酸素を有効に吸収させ、残存酸素による内容物劣化を有効に回避すると同時に、ガスバリアー性を高め、ガスロスによる品質低下をも抑制することが可能となったものである。
特に第1の態様の容器蓋においては、ライナー材は材質的に完全に機能分離されており、容器内のヘッドスペースに対面する部分のライナー材中央部分は、酸素透過性の高い熱可塑性樹脂中に酸素吸収剤が分散された樹脂組成物から形成された酸素吸収部となっているため、ヘッドスペース内の残存酸素は、速やかに酸素吸収剤によって吸収され、残存酸素による内容物劣化を有効に防止することができる。しかも、容器口部上端に密着するライナー材のリング状周縁部(即ち、シール部)は、酸素バリアー性の高い熱可塑性樹脂から形成されているため、例えば炭酸飲料などからの炭酸ガスの抜け(ガスロス)をも有効に防止することができる。
一方、第2の態様の容器蓋においては、ライナー材は、酸素バリアー性の高い熱可塑性樹脂エラストマーに酸素吸収剤を分散させた樹脂組成物から形成されているが、形状的に機能分離されているため、やはり酸素吸収機能とガスバリアー性の両方が確保されている。即ち、シール部となるライナー材のリング状の周縁部は、酸素バリアー性の高い熱可塑性樹脂エラストマーによって優れたガス遮断性を示し、従ってガスロスを有効に防止でき、一方、酸素吸収部となるライナー材の中央部は、シール部と同じ樹脂組成物により形成されているが、この部分はシール部よりも厚く形成されているため、シール部に比して酸素吸収能が高められ、酸素バリアー性の向上による酸素吸収能の低下が抑制されており、残存酸素による容器内容物の酸化劣化を有効に回避することができる。特にこの態様の容器蓋は、酸素吸収能の点では、第1の容器蓋に劣るが、ライナー材のシール部及び酸素吸収部が同一材料で形成されているため、ライナー材の製造が容易であり、且つ安価に製造できると共に、ガスロスを有効に防止出来るという利点がある。
本発明を、以下、本発明を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、第1態様における本発明の容器蓋の半断面側面を容器口部と共に示す図であり、
図2は、図1の容器蓋に設けられているライナー材の平面図であり、
図3は、図1の容器蓋に設けられるライナー材の他の例を示す側断面図であり、
図4は、第2態様における本発明の容器蓋の半断面側面を容器口部と共に示す図である。
図1及び図2を参照して、この容器蓋は、大まかに言って、キャップシェル1と、ライナー材3とから形成されている。キャップシェル1は、それ自体公知の形状を有するものであってよく、プラスチック製及び金属製の何れでもよいが、この例では、プラスチック製のものが示されている。
即ち、プラスチック製のキャップシェル1は、頂板部5と、頂板部5の周縁部から垂下しているスカート状側壁7とから成っており、頂板部5の内面には、上記のライナー材3が設けられている。
また、スカート状側壁7の内面には、螺条13が形成されており、この螺条13は、容器口部壁50の外面に形成されている螺条51と係合する。即ち、スカート状側壁7を閉栓方向に旋回し、螺条13と容器口部壁50の外面の螺条51とを螺子係合することにより、このキャップシェル1は、容器口部壁50に装着され、容器口部50の上端がライナー材3の周縁部(後述するシール部20)に密着することにより、容器口部50が密封されることとなる。
尚、このプラスチック製のキャップシェル1の場合には、頂板部5からスカート状側壁7にかかる部分に環状突片15を形成し、この突片15の先端内面部分までライナー材3が形成されており、その部分のライナー材3が容器口部50の上方外周部分に密接するように構成されていることが好ましい。即ち、容器内に充填されている内容液60が発泡性飲料の場合、そのガス圧によって頂板部5が上方に膨らんでしまう(所謂ドーミング)ことがある。このようなドーミングを生じると、容器口部50の上面とライナー材3の間に隙間が生じて密封性が損なわれてしまう恐れがあるが、上記のような突片15を設けて、ライナー材3を容器口部50の上方外周部分に密接よりドーミングによる密封性の低下を有効に回避することができる。
ところで、図1から明らかな通り、容器内に充填された内容液60の液面と頂板部5の内面(ライナー材3の内面)との間には、必ず、ヘッドスペース(図1においてAで示す)が形成される。このヘッドスペースA内に酸素が残存していると、容器内容液60の酸化劣化を生じてしまう。また、容器内容液60が発泡性飲料の場合には、発生した炭酸ガスが外部に漏洩してしまうと(即ち、ガスロス)、内容液60の品質低下を生じてしまう。本発明では、ライナー材3に、機能分離させて酸素吸収性とガスバリアー性とを持たせることにより、ヘッドスペースA内の残存酸素を吸収して容器内容液60の酸化劣化を防止し、同時にガスロスを防止し、ガスロスによる内容液60の品質低下を回避するものである。
即ち、図1と共に図2を参照して、このライナー材3は、実質上円板形状のシール性基体31と、このシール性基体31の中央部分に積層された酸素吸収性層33とからなっており、容器口部50の上端面に密着する部分が、上記シール性基体31のリング状周縁部がシール部X(図2参照)となっている。また、このシール部Xで囲まれる領域では、シール性基体31は薄肉に形成され、この部分に酸素吸収性層33が積層されており、容器内のヘッドスペースAに対面する部分が、この酸素吸収性層33から形成された酸素吸収部Yとなっている。
本発明において、シール部Xを形成するシール性基体31は、酸素透過係数が1.0×10−10cc.cm/cm2.sec.cmHg(25℃)未満の酸素バリアー性を有する熱可塑性樹脂から形成されており、このため、シール部Xは、優れたガス遮断性を示し、ガスロスを有効に防止することができる。
このような酸素透過係数の低い高酸素バリアー性の熱可塑性樹脂としては、種々知られており、例えば、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリブテン−1、エチレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体エラストマー、水素化エチレン−プロピレン−ジエン共重合体エラストマー、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)エラストマー、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)エラストマー、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン(SEBS)エラストマー、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン(SEPS)エラストマー、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)などを挙げることができ、特に柔軟性が高く、容器口部50の上端との密着性が良好であるという点で、ショアD硬度が20〜60の熱可塑性エラストマー、例えばSBSエラストマー、SISエラストマー、SEBSエラストマー、SEPSエラストマーなどのスチレン系エラストマーが好適である。
尚、上記のような酸素バリアー性の熱可塑性樹脂からなるシール性基体31により形成されているシール部Xの厚みは、通常、0.50乃至1.00mm程度であるのがよく、以下に述べる酸素吸収性層33が積層される部分のシール性基体31の厚みは、通常、0.25mm以下である。
また、容器内のヘッドスペースAに対面する酸素吸収部Yを形成する酸素吸収性層33は、酸素透過係数が1.0×10−10cc.cm/cm2.sec.cmHg(25℃)以上の酸素透過性の熱可塑性樹脂中に酸素吸収剤が分散された樹脂組成物から形成されるものであり、このような酸素透過性の高い熱可塑性樹脂中に酸素吸収剤が分散されていることにより、ヘッドスペースA内の残存酸素が速やかに酸素吸収性層33中に浸透し、酸素吸収剤によって速やかに吸収され、残存酸素による容器内容液60の酸化劣化を有効に防止することができるのである。例えば、酸素吸収剤を前述した酸素バリアー性の高い熱可塑性樹脂中に配合させた場合には、酸素が遮断されるため、酸素吸収剤による残存酸素の吸収性が低下してしまうこととなる。
上記のような酸素透過性の熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、イオン架橋オレフィン系共重合体などのオレフィン系樹脂を例示することができる。
また、酸素吸収剤としては、種々のものが知られているが、容器内容液への溶出を生じないようなもの、例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、亜硫酸塩及び炭酸塩;アスコルビン酸、エリソルビン酸、エルカ酸及びこれらの塩類;トコフェロール、或いはトコフェロールと電子供与物質との組み合わせ;多価フェノールを骨格内に有する高分子化合物(例えば多価フェノール含有フェノール・アルデヒド樹脂;グルコース、フラクトース、ガラクトース、マルトーズ、セロピオース等の糖類と、電子供与物質(特に塩基性物質或いはグルコースオキシターゼ等の糖類酸化酵素)との組み合わせなどを好適に使用することができ、特に好適には、亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、トコフェロールが使用される。このような酸素吸収剤は、その種類によっても異なるが、通常、上記の酸素透過性熱可塑性樹脂100重量部当り、5乃至25重量部の量で配合されているのがよい。
酸素吸収部Yを形成する上記のような酸素吸収性層33の厚みや大きさ(径)は、容器蓋を装着する容器口部の大きさやヘッドスペースAの容積に応じて、所定の酸素吸収性が確保されるように選択されればよいが、一般的には、その厚みは1.00乃至2.00mm程度に設定される。
尚、上記のライナー材3は、例えばキャップシェル1を成形した後、インシェルモールドにより、シール性基体形成用樹脂の溶融物を頂板部5の内面に滴下した後、これを押し広げてシール性基体31を形成した後、再度のインシェルモールドにより、酸素吸収性層用の樹脂組成物の溶融物をシール性基体31上に滴下して押し広げることにより形成される。勿論、共射出成形等により、シール性基体31と酸素吸収性層33とからなるライナー材3を所定形状に成形し、これを接着剤等により頂板部5の内面に貼り付けてもよい。
また、上記のような容器蓋において、ライナー材3は、シール性基体31の中央部に酸素吸収性層33が積層された構造を有しているが、このような態様に限定されず、例えば図3に示されているように、酸素吸収性層用の樹脂組成物を用いて円板形状の酸素吸収部Yを形成し、その周囲に環状のシール部Yを、シール性基体形成用の熱可塑性樹脂で形成した構成とすることもできる。このようなライナー材3を備えた容器蓋は、前述した共射出等の成形手段によりライナー材3を形成し、これを頂板部5の内面に接着固定することにより作製される。
以上の例は、ライナー材3が材料的にシール部Xと酸素吸収部Yとに機能分離された例であるが、図4には、ライナー材3が形状的に酸素吸収部Yとに機能分離された例を示した。
図4の例においては、キャップシェル1は、図1に示す例と全く同様であり、ライナー材3のみが、図1の例と異なっており、ライナー材3は、その全体が、酸素透過係数が1.0×10−10cc.cm/cm2.sec.cmHg(25℃)未満の酸素バリアー性を有し、且つショアD硬度が20〜60の熱可塑性樹脂エラストマー中に前述した酸素吸収剤を分散した樹脂組成物から形成されている。このような熱可塑性樹脂エラストマーとしては、先のシール性基体31形成用材料に関して例示したものが使用され、例えば、SBSエラストマー、SISエラストマー、SEBSエラストマー、SEPSエラストマーなどのスチレン系エラストマーによって一体的に形成されている。
即ち、図4においては、シール部X及び酸素吸収部Yが全く同一材料で形成されている。従って、容器口部壁50の上端面と密着するリング状のシール部では、ライナー材が高酸素バリアー性を示し、且つ柔軟性が高く、容器口部壁50との密着性も高いことから炭酸ガスの漏洩を有効に防止することができ、ガスロスによる内容液60の品質低下を有効に回避することができる。
一方、この例では、酸素吸収部Yもシール部Xと同様の材料で形成されているため、この酸素吸収部Yは、シール部Xに比して厚肉に形成されていなければならない。即ち、マトリックスとなる樹脂が高い酸素遮断性を有しているため、ヘッドスペースA内の残存酸素を迅速に酸素吸収剤により吸収させるため、酸素吸収部Yの厚みを、シール部Xよりも厚くするわけである。従って、シール部Xの厚みは、前述した図1のシール性基体31の周縁部の厚みと同じ程度に設定されていてよいが、この酸素吸収部Yは、そのシール部Xよりも厚く、例えばシール部Xの厚みの2.0倍以上、特に2.0乃至3.0倍程度の厚みを有していることが好ましい。
図4の例の容器蓋におけるライナー材3は、図1の容器蓋のライナー材3と同様の手段で成形できるが、特に同じ材料でシール部Xと酸素吸収性層Yとが形成されていることから、酸素吸収機能の点では図1の例よりも劣るが、その製造が容易であるという利点がある。
尚、上述した図1〜図4の例において、キャップシェル1は、先にも述べたように、プラスチック製及び金属製の何れで形成されていてもよい。例えば、例えば、低−、中−または高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、熱可塑性ポリエステル、ポリアミド、スチレン系樹脂、ΑΒS樹脂等を用いての射出成形、圧縮成形等の一体成形によりキャップシェル1を製造することができし、アルミニウムや表面処理鋼板等の金属材料の打ち抜き、曲げ加工当によってキャップシェルを成形することもできる。
本発明の容器蓋は、ヘッドスペースの残存酸素による酸化劣化が有効に抑制され、また、炭酸ガスの漏洩(ガスロス)による内容物の品質低下が有効に抑制されるため、例えばビール等の発泡性アルコール飲料や、シャンペン等の発泡性果実飲料用の容器蓋として極めて有用である。
以下の例において、キャップシェルとして、内径が28.0mmでキャップハイトが20.1mmのポリプロピレン製螺子キャップを用いた。
上記のキャップシェルの頂板部内面に、インシェルモールドにより、以下のライナー材を設けた。
ライナー材1:(従来のキャップライナー)
酸素透過係数が32×10−10cc.cm/cm2.sec.cmHg(25℃)のスチレン系熱可塑性エラストマーからなるライナー材。
ライナー材2:
酸素透過係数が12×10−10cc.cm/cm2.sec.cmHg(25℃)のスチレン系熱可塑性エラストマーに酸素吸収剤を8重量%を配合したエラストマーからなるライナー材。
ライナー材3:
酸素透過係数0.9×10−10cc.cm/cm2.sec.cmHg(25℃)のブチル系熱可塑性エラストマーに酸素吸収剤を8重量%を配合したエラストマーからなるライナー材。
上記1乃至3のライナー付キャップにおいて、内容物からの炭酸ガスの放出量(ガスロス量)を測定した。測定はジーエルサイエンス社製炭酸ガス透過度測定機GPM−250を使用し、環境温度23℃で行った。その結果を表1に記載する。
上記1乃至3のライナー付キャップにおいて、ライナー材の酸素吸収能力を測定した。キャップを密封し、保管湿度100%RH、保管温度は5、23、40℃の3通り、1W、2W、4W、2M、3Mの5通りのサンプルで測定した。測定はジーエルサイエンス社製ガスクロマトグラフ「GC−320」を使用した。
測定方法はアルミパウチにテストキャップのスカート状側壁を取り除いた頂板部(ライナー含む)を6個と水(1cc:酸素吸収トリガー)を入れ、ヒートシールして密封する。パウチにシリンジを刺せるセプタムを2カ所接着しておき、1カ所からシリンジで空気100ccを注入する。アルミパウチごと、上記経時保管を開始し、経時取り出し後、もう1カ所のセプタムより、パウチ内空気をシリンジで抜き、測定器に打ち込み、酸素濃度を求める。
スタート時に測定した酸素濃度から、測定値を差し引き、パウチ内に入れたキャップ個数、経時日数で割り、1日当たり、キャップ1個当たりの酸素吸収能力を求めた。その結果を表1に記載する。
Figure 2006327678
第1態様における本発明の容器蓋の半断面側面を容器口部と共に示す図。 図1の容器蓋に設けられているライナー材の平面図。 図1の容器蓋に設けられるライナー材の他の例を示す側断面図。 第2態様における本発明の容器蓋の半断面側面を容器口部と共に示す図。
符号の説明
1:キャップシェル
3:ライナー材
31:シール性基体
33:酸素吸収性層
A:ヘッドスペース
X:シール部
Y:酸素吸収部

Claims (4)

  1. 頂板部と頂板部周縁から降下したスカート部とを備え、該頂板部の内面にはライナー材が設けられている容器蓋において、
    前記ライナー材は、酸素透過係数が1.0×10−10cc.cm/cm2.sec.cmHg(25℃)未満の酸素バリアー性を有する熱可塑性樹脂から形成されたシール部と、酸素透過係数が1.0×10−10cc.cm/cm2.sec.cmHg(25℃)以上の酸素透過性熱可塑性樹脂中に酸素吸収剤が分散された樹脂組成物から形成された酸素吸収部とを有し、該ライナー材の少なくともリング状の周縁部が前記シール部となっており、該ライナー材の該リング状の周縁部に囲まれた中央部分に前記酸素吸収部が形成されていることを特徴とする容器蓋。
  2. 前記シール部には、酸素吸収剤が分散されている請求項1に記載の容器蓋。
  3. 前記ライナー材は、前記シール部形成用の熱可塑性樹脂によって形成されたシール性基体を有し、該シール性基体のリング状周縁部が前記シール部となっており、該シール性基体の前記中央部分に、前記酸素吸収剤が分散された樹脂組成物からなる層が積層されて前記酸素吸収部が形成されている請求項1または2に記載の容器蓋。
  4. 頂板部と頂板部周縁から降下したスカート部とを備え、該頂板部の内面にはライナー材が設けられている容器蓋において、
    前記ライナー材は、酸素透過係数が1.0×10−10cc.cm/cm2.sec.cmHg(25℃)未満で且つショアD硬度が20〜60の酸素バリアー性熱可塑性エラストマー中に酸素吸収剤が分散された樹脂組成物からなる酸素吸収性のシール性基体からなり、該基体の中央部分が、シール部となる該基体のリング状周縁部よりも厚肉に形成されて酸素吸収部となっていることを特徴とする容器蓋。
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