JP2006326393A - 噴霧盤、噴霧装置及び噴霧乾燥機 - Google Patents

噴霧盤、噴霧装置及び噴霧乾燥機 Download PDF

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Abstract

【課題】 粒子の粒径バラツキの抑制が図られた噴霧盤、噴霧装置及び噴霧乾燥機を提供する。
【解決手段】 本発明に係る噴霧盤34においては、上下取付円板50の中心部付近に供給された原液は、上下取付円板50の周縁方向に流れ、噴霧用コロ62の周面62aに沿って上昇して膜状となる。そして、原液は、膜状とされた後、上下取付円板50から外方に噴霧される。ここで、上部取付円板52からは上側鍔部66が環状に張り出しているので、原液の少なくとも一部の液滴はこの上側鍔部66に衝突する。そして、その衝突の際、比較的大きな径の液滴は衝突の衝撃によってより小さな径の液滴に破砕される。その結果、液滴が縮小化されて、液滴全体における径のバラツキが抑制されることとなる。従って、この噴霧盤34を用いることで、得られる粒子の粒径バラツキの抑制が実現される。
【選択図】 図3

Description

本発明は、遠心式の噴霧装置に用いる噴霧盤、この噴霧盤を用いた噴霧装置、及びこの噴霧装置を用いた噴霧乾燥機に関するものである。
従来、薬剤や食料品などの流体や、セラミックスラリー等である原液を、噴霧盤や加圧ノズルによって液滴状にして高温ガス中に噴霧し、瞬時に乾燥固化させることで原液を粒子化する噴霧乾燥機が一般に知られている。このような噴霧乾燥機は、原液の粒子化の際に、原液のろ過や分離、機械的濃縮等の処理を省略できるという特長があり、多くの場合球状の粒子を得ることができる。
このような噴霧乾燥機のうち、噴霧盤を備えるタイプの噴霧乾燥機は、例えば、下記特許文献1に開示されている。この文献に記載の噴霧盤80は、図6の(a)及び(b)に示すように、上下取付円板82の間に円錐状の噴霧用コロ84が配置された構造を有している。そして、この噴霧盤80を用いて原液の噴霧をおこなう際には、回転する上下取付円板82の中心部付近に、原液供給管86から原液を供給する。すると、原液は遠心力によって上下取付円板82の周縁方向に流れる。そして、原液は、上下取付円板82の周縁に配置された噴霧用コロ84まで達すると、噴霧用コロ84の周面84aに沿って上昇して、噴霧用コロ84の高さ方向に関して略均一厚さの膜状となる。その後、原液は、噴霧用コロ84の周面84aから液滴状になって離脱し、噴霧盤80から噴霧される。このように、噴霧用コロ84によって原液を一旦均一厚さの膜状とすることにより、噴霧される液滴の径の均一化が図られている。その結果、この液滴を乾燥固化して得られる粒子の粒径の均一化も図られている。
特開平9−131550号公報
しかしながら、従来の上記噴霧乾燥機には、次のような課題が存在している。すなわち、噴霧盤に供給された原液を、噴霧用コロの高さ方向に関して厳密に均一厚さの膜状とすることが困難であったため、原液が離脱する噴霧用コロの高さ位置によって、液滴の径にバラツキが生じていた。この液滴の径のバラツキが、この液滴を乾燥固化して得られる粒子の粒径バラツキの原因となっていた。
そこで、本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、粒子の粒径バラツキの抑制が図られた噴霧盤、噴霧装置及び噴霧乾燥機を提供することを目的とする。
本発明に係る噴霧盤は、上部取付円板と下部取付円板とを有する上下取付円板と、上部取付円板の外縁部から略環状に張り出すと共に、下部取付円板側に傾斜する上側鍔部と、上下取付円板の間の略周縁に沿って配置された略円錐状の複数の噴霧用コロとを備えることを特徴とする。
この噴霧盤においては、上下取付円板の中心部付近に供給された原液は、上下取付円板の周縁方向に流れ、噴霧用コロの周面に沿って上昇して膜状となる。そして、原液は、膜状となった後に、液滴状になって噴霧用コロの周面から離脱し、上下取付円板から外方に噴霧される。ここで、上下取付円板の上部取付円板からは上側鍔部が略環状に張り出しているので、上下取付円板から噴霧された原液の液滴のうち、少なくとも一部の液滴はこの上側鍔部に衝突する。そして、その衝突の際、上側鍔部に衝突した液滴のうちの比較的大きな径の液滴は、衝突の衝撃によってより小さな径の液滴に破砕される。その結果、比較的大きな径を有する液滴が縮小化されて、液滴全体における径のバラツキが抑制されることとなる。従って、この噴霧盤を用いることで、得られる粒子の粒径バラツキの抑制が実現される。
また、下部取付円板の外縁部から略環状に張り出すと共に、上部取付円板側に傾斜し、且つ、上側鍔部の外径よりも小さな外径を有する下側鍔部をさらに有することが好ましい。上側鍔部の傾斜角を小さくすることで、液滴の破砕を効果的におこなうことができる。しかし、上側鍔部の傾斜が小さくした場合に、上下取付円板から噴霧された原液の液滴の全てを上側鍔部に衝突させるためには、上側鍔部の外径を大きくする必要がある。そこで、下部取付円板から張り出す上記下側鍔部を設けることで、上側鍔部の傾斜を抑えつつ、上側鍔部の大径化を抑えることが可能となる。
また、下側鍔部の上端位置が、上側鍔部の下端位置よりも上側に位置することが好ましい。この場合、上下取付円板から噴霧された原液の液滴は、全て上側鍔部の下端から噴霧盤の外方に飛散する。
本発明に係る噴霧装置は、上部取付円板と下部取付円板とを有する上下取付円板と、上部取付円板の外縁部から略環状に張り出すと共に、下部取付円板側に傾斜する上側鍔部と、上下取付円板の間の略周縁に沿って配置された略円錐状の複数の噴霧用コロとを有する噴霧盤と、噴霧盤の上下取付円板を回転させる回転軸と、上下取付円板に、上部取付円板側から原液を供給する原液供給手段とを備えることを特徴とする。
この噴霧装置においては、噴霧盤の上下取付円板の中心部付近に供給された原液は、上下取付円板の周縁方向に流れ、噴霧用コロの周面に沿って上昇して膜状となる。そして、原液は、膜状となった後に、液滴状になって噴霧用コロの周面から離脱し、上下取付円板から外方に噴霧される。ここで、上下取付円板の上部取付円板からは上側鍔部が略環状に張り出しているので、上下取付円板から噴霧された原液の液滴のうち、少なくとも一部の液滴はこの上側鍔部に衝突する。そして、その衝突の際、上側鍔部に衝突した液滴のうちの比較的大きな径の液滴は、衝突の衝撃によってより小さな径の液滴に破砕される。その結果、比較的大きな径を有する液滴が縮小化されて、液滴全体における径のバラツキが抑制されることとなる。従って、この噴霧装置を用いることで、得られる粒子の粒径バラツキの抑制が実現される。
また、下部取付円板の外縁部から略環状に張り出すと共に、上部取付円板側に傾斜し、且つ、上側鍔部の外径よりも小さな外径を有する下側鍔部をさらに有することが好ましい。この場合、上側鍔部の傾斜を抑えつつ、上側鍔部の大径化を抑えることが可能となる。
また、下側鍔部の上端位置が、上側鍔部の下端位置よりも上側に位置することが好ましい。この場合、上下取付円板から噴霧された原液の液滴は、全て上側鍔部の下端から噴霧盤の外方に飛散する。
本発明に係る噴霧乾燥機は、上部取付円板と下部取付円板とを有する上下取付円板と、上部取付円板の外縁部から略環状に張り出すと共に、下部取付円板側に傾斜する上側鍔部と、上下取付円板の間の略周縁に沿って配置された略円錐状の複数の噴霧用コロとを有する噴霧盤と、噴霧盤の上下取付円板を回転させる回転軸と、上下取付円板に、上部取付円板側から原液を供給する原液供給手段と、噴霧盤を収容する噴霧乾燥室と、噴霧乾燥室内に、噴霧盤から噴霧される原液を加熱乾燥するための高温ガスを供給するガス供給手段とを備えることを特徴とする。
この噴霧乾燥機においては、噴霧盤の上下取付円板の中心部付近に供給された原液は、上下取付円板の周縁方向に流れ、噴霧用コロの周面に沿って上昇して膜状となる。そして、原液は、膜状となった後に、液滴状になって噴霧用コロの周面から離脱し、上下取付円板から外方に噴霧される。ここで、上下取付円板の上部取付円板からは上側鍔部が略環状に張り出しているので、上下取付円板から噴霧された原液の液滴のうち、少なくとも一部の液滴はこの上側鍔部に衝突する。そして、その衝突の際、上側鍔部に衝突した液滴のうちの比較的大きな径の液滴は、衝突の衝撃によってより小さな径の液滴に破砕される。その結果、比較的大きな径を有する液滴が縮小化されて、液滴全体における径のバラツキが抑制されることとなる。従って、この噴霧乾燥機を用いることで、得られる粒子の粒径バラツキの抑制が実現される。
また、下部取付円板の外縁部から略環状に張り出すと共に、上部取付円板側に傾斜し、且つ、上側鍔部の外径よりも小さな外径を有する下側鍔部をさらに有することが好ましい。この場合、上側鍔部の傾斜を抑えつつ、上側鍔部の大径化を抑えることが可能となる。
また、下側鍔部の上端位置が、上側鍔部の下端位置よりも上側に位置することが好ましい。この場合、上下取付円板から噴霧された原液の液滴は、全て上側鍔部の下端から噴霧盤の外方に飛散する。
本発明によれば、粒子の粒径バラツキの抑制が図られた噴霧盤、噴霧装置及び噴霧乾燥機が提供される。
以下、添付図面を参照して本発明に係る噴霧盤、噴霧装置及び噴霧乾燥機を実施するにあたり最良と思われる形態について詳細に説明する。なお、同一又は同等の要素については同一の符号を付し、説明が重複する場合にはその説明を省略する。
図1に、本発明の実施形態に係る噴霧乾燥機10の概略構成図を示す。この噴霧乾燥機10は、セラミックスラリー等である原液を液滴状にして噴霧すると共に、液滴状にした原液を乾燥固化することによって、原液から微細な球状の粒子を得るためのものであり、スプレードライヤとも称される。そして、噴霧乾燥機10は、噴霧乾燥室12と、噴霧乾燥室12の頂部に設けられた噴霧装置14と、噴霧装置14の周辺から噴霧乾燥室12内に熱風(すなわち、高温ガス)を供給するガス供給手段16とを備えている。
噴霧乾燥室12は、ガス供給手段16から熱風が吹き込まれて、その熱風によって噴霧装置14から噴霧された液滴を乾燥固化するための容器である。噴霧乾燥室12の底部には、噴霧装置14から噴霧された液滴の乾燥固化によって得られた粒子を回収するための回収ポケット18と、ガス供給手段16から供給された熱風の排気をおこなうための排気口20が設けられている。この排気口20は、排気管22を介して、上記粒子の分離及び回収をおこなうサイクロン24につながっている。
ガス供給手段16は、ガス供給口26とガス供給装置28とによって構成されている。ガス供給口26は、噴霧装置14の周囲から噴霧乾燥室12内に竜巻状の熱風を吹き込むように配されている。ガス供給装置28は、ガス供給口26に熱風を送り込む装置である。
噴霧装置14は、噴霧乾燥室12内に原液の液滴を噴霧するものであり、アトマイザとも称される。この噴霧装置14の具体的な構成は、図2に示したとおりである。すなわち、噴霧装置14は、モータ30と、モータ30によって回転されると共に鉛直下向きに延びる回転軸32と、回転軸32の下端に設けられた噴霧盤34と、噴霧盤34に対して原液を供給する複数本(例えば4本)の原液供給管36とを備えている。そして、噴霧装置14のうち、少なくとも噴霧盤34に関しては、噴霧乾燥室12の内部に収容されている。
ここで、原液供給管36は、本発明における原液供給手段であり、原液供給装置38から原液が送られてくる。なお、必要に応じて、原液供給管36から導入される原液を、液分配器により均一に分配した後に噴霧盤34に供給してもよい。
噴霧装置14は、さらに、2つの軸受け40A,40Bを有すると共に回転軸32を保持するハウジング42と、ハウジング42及び原液供給管36を収容すると共に下方に向かうに従って漸次縮径しているロート状ケーシング44と、モータ30を覆うと共に噴霧装置14全体を釣止するためのモータカバー46とを備えている。
このような構成を有する噴霧装置14においては、モータ30を駆動することにより、回転軸32が回転し、回転軸32に取り付けられた噴霧盤34が回転する。そして、回転している噴霧盤34に対して、原液供給管36から原液を供給すると、噴霧盤34の回転に伴う遠心力により噴霧盤34から原液の液滴が水平方向に沿う方向(図3の矢印A方向)に噴霧される。そして、噴霧された液滴は、図1に示した噴霧乾燥室12内において瞬時に乾燥固化されて粒子となり、その大部分が沈下して噴霧乾燥室12の底部の回収ポケット18に回収され、その一部は熱風に搬送されて排気口20を通りサイクロン24によって回収される。
次に、上述した噴霧盤34の構成について、図3及び図4を参照しつつ詳しく説明する。図3に示すように、噴霧盤34は、回転軸32と直交する上下取付円板50を有している。この上下取付円板50は、平行に配された上部取付円板52及び下部取付円板54と、上部取付円板52と下部取付円板54とを連結する複数の連結軸56とによって構成されている。下部取付円板54の中央部には、回転軸32と螺合するためのナット部58が形成されており、このナット部58において下部取付円板54と回転軸32とを結合させて袋ナット60で締結することにより上下取付円板50と回転軸32とが一体的に回転する。上部取付円板52は、中央部が空隙となっている環状円板であり、その空隙に上述した原液供給管36が配置される。上部取付円板52の外径(本実施形態では65mm)は、下部取付円板54の外径と略同一となっている。
上部取付円板52と下部取付円板54とを連結する複数本(本実施形態では12本)の連結軸56は、図4に示すように、上下取付円板50の周縁に沿って同心円状に等角度間隔で配置されている。そして、各連結軸56の周りには、噴霧用コロ62が回動自在に設けられている。つまり、この噴霧用コロ62も、連結軸56と同様に、下部取付円板54の周縁(すなわち、上下取付円板50の周縁)に沿って配置されている。この噴霧用コロ62は、下部取付円板54から上部取付円板へ向かって漸次縮径する略円錐状を有している。なお、噴霧用コロ62は、適宜回動しないように連結軸56に固定してもよい。
そして、上部取付円板52の外縁部52aには、上側鍔部66が一体的に設けられている。この上側鍔部66は、上部取付円板52の外縁部52aから、この外縁部52aの全域に亘って円環状に張り出している。そして、上側鍔部66は、下部取付円板54側に傾斜角α(本実施形態では25度)で傾斜しており、その下端位置は、下部取付円板54の上面54aの高さ位置Pよりも上側の高さ位置Qとなっている。
一方、下部取付円板54の外縁部54bにも、下側鍔部68が一体的に設けられている。この下側鍔部68は、下部取付円板54の外縁部54bから、上側鍔部66同様、外縁部54bの全域に亘って円環状に張り出している。そして、下側鍔部68は、上部取付円板52側に傾斜角β(本実施形態では15度)で傾斜しており、その上端位置は、上側鍔部66の下端位置Qよりも上側の高さ位置Rとなっている。また、下側鍔部68の外径(本実施形態では83.5mm)は、上側鍔部66の外径(本実施形態では100mm)よりも小さくなっている。そのため、下側鍔部68の上端は、上側鍔部66の中に入り込んだ状態となっており、上側鍔部66が下側鍔部68に覆い被さった状態となっている。
以上のような構成を有する噴霧盤34によって液滴の噴霧をおこなう際には、回転軸32により上下取付円板50を回転させている状態で、原液供給管36によって上下取付円板50の中心部付近に上部取付円板52側から原液を供給する。すると、上下取付円板50に供給された原液は、遠心力によって下部取付円板54の上面54aを上下取付円板50の周縁方向に流れる。そして、原液が噴霧用コロ62まで達すると、噴霧用コロ62の周面62aに沿ってすくい上げられるように上昇して膜状となる。このとき、この膜状の原液の厚さは、噴霧用コロ62の高さ方向に関して略均一となっている。原液は、噴霧用コロ62において膜状となった後、液滴状になって噴霧用コロ62の周面62aから離脱し、図3の矢印Aに示すように上下取付円板50から外方に噴霧される。このように、噴霧用コロ62によって原液を一旦均一厚さの膜状にすることで、噴霧される液滴の径がある程度均一化される。
そして、上下取付円板50から外方に噴霧された原液の液滴は、上下取付円板50の外方に位置する上側鍔部66に衝突する。その衝突の際に、上側鍔部66に衝突した液滴のうちの比較的大きな径を有する液滴(以下、粗粒液滴とも称す。)は、衝突の衝撃によってより小さな径の液滴に破砕される。換言すると、上下取付円板50から噴霧される液滴全体の粒度分布は、上側鍔部66による破砕によって粗粒領域の粒子が微粒領域側に遷移する。それにより、液滴の粒度分布範囲が狭くなって、液滴の径のバラツキが抑制される。なお、破砕されて縮小化(つまり、小径化)された液滴は、その他の液滴と共に上側鍔部66の下端から飛散される。
すなわち、以上で示したような上側鍔部66を備えた噴霧盤34によれば、上側鍔部66において粗粒液滴の破砕がおこなわれるため、上側鍔部66を備えない従来の噴霧盤80(図6参照)に比べて、噴霧される液滴の径のバラツキの抑制が実現される。そのため、上述した噴霧盤34、噴霧装置14及び噴霧乾燥機10を用いることで、粒子の粒径バラツキが抑制されて粒径の均一化が実現される。
ここで、上下取付円板50から噴霧される全ての液滴を必ずしも上側鍔部66に衝突させなくてもよいが、粗粒液滴の破砕を効果的におこなうためには、上下取付円板50から噴霧される全ての液滴が上側鍔部66に衝突するようにしたほうが好ましい。一方で、粗粒液滴の破砕を効果的におこなうためには、上側鍔部66の傾斜角αは小さいほうが好ましい。そのため、上側鍔部66の傾斜角αをある程度小さく(例えば、45度以下)抑えると共に、上側鍔部66の下端位置が、下部取付円板54の上面54aの高さ位置Pよりも下側になるようにすることが好適である(図3参照)。しかしながら、そのような上側鍔部では、外径が大きくなりすぎてしまい、噴霧盤の大型化を招いてしまう。
そこで、噴霧盤34においては下側鍔部68が設けられている。上下取付円板50から外方に噴霧される液滴のうち、低い位置において噴霧用コロ62から離脱して下側鍔部68に向かう液滴は、下側鍔部68に衝突して上側鍔部66の方向に跳ね返ったり、下側鍔部68に付着して下側鍔部68の上端から上側鍔部66に飛散したりすることとなる。そのため、上側鍔部66の外径の増大を抑制するために、その下端位置が下部取付円板54の上面54aの高さ位置Pに達しない上側鍔部66を設けた場合であっても、上端位置が上側鍔部66の下端位置よりも上側である下部取付円板54を設けることによって、上下取付円板50から噴霧される全ての液滴が上側鍔部66に衝突するようになる。従って、噴霧盤34においては、上側鍔部66による粗粒液滴の破砕が効果的におこなわれる。なお、下側鍔部68の傾斜角βは、0〜90度の範囲から適宜選択することができるが、下側鍔部68において下部取付円板54の上面54aを流れる原液が滞留する事態を回避する点から、ある程度小さい角度を選択することが好ましい。
また、上述したように、下側鍔部68の上端位置Rが、上側鍔部66の下端位置Qよりも上側に位置しているため、上下取付円板50から噴霧された液滴は、全て上側鍔部66の下端から噴霧盤34の外方に飛散するようになっている。すなわち、噴霧盤34から飛散する液滴の飛散位置(つまり、高さ位置Q)が揃っているため、得られる粒子の粒径等の物性値の均質化も図られている。
上側鍔部を備える噴霧盤の効果を明らかなものとするため、以下、実施例及び比較例を用いて説明する。
発明者らは、上述した実施形態に係る噴霧盤34と同様の噴霧盤(以下、噴霧盤Aと称す。)と、従来技術に係る噴霧盤80と同様の噴霧盤(以下、噴霧盤Bと称す。)とを用意して、それぞれの噴霧盤を用いてセラミックスラリーを粒子化する実験をおこなった。そして、両噴霧盤A,Bを比較するために、それぞれの噴霧盤によって粒子化された粒子の粒度分布を測定した。なお、粒径に影響を与える噴霧盤の周速(25m/sec)等の諸条件は、両噴霧盤A,Bにおいて同一にして実験をおこなった。
粒度分布の測定結果は、図5のグラフに示すとおりであった。なお、図5のグラフの横軸は粒径(μm)を示しており、縦軸は累積分率(%)を示している。また、このグラフにおいては、噴霧盤Aで粒子化した粒子の粒度分布(累積度数曲線)は実線で示しており、噴霧盤Bで粒子化した粒子の粒度分布(累積度数曲線)は破線で示している。
このグラフから明らかなように、噴霧盤Aを用いた場合には、噴霧盤Bを用いた場合に比べて、粒径の大きな粒子の低減が図られている。これは、上述したように上側鍔部66による粗粒液滴の破砕によるものであると考えられる。その結果、噴霧盤Aにおいては、噴霧盤Bに比べて、粒子の粒径バラツキが抑制されて粒径の均一化が実現されている。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、上側鍔部は必要に応じて上部取付円板と別体にしてもよく、同様に下側鍔部も下部取付円板と別体にしてもよい。また、上側鍔部及び下側鍔部はともに完全な環状でなくてもよく、一部にスリットや切り欠き等が形成されていてもよい。さらに、上述した噴霧乾燥機は、セラミック粒子以外の粒子を作製する際に利用してもよい。
本発明の実施形態に係る噴霧乾燥機の概略構成図である。 図1の噴霧乾燥機の噴霧装置を示した要部拡大断面図である。 図2の噴霧装置の噴霧盤を示した要部拡大断面図である。 図3の噴霧盤の平面図である。 本発明の実施例に係る測定結果を示したグラフである。 従来技術に係る噴霧盤を示した図であり、(a)は断面図、(b)は平面図を示している。
符号の説明
10…噴霧乾燥機、12…噴霧乾燥室、14…噴霧装置、16…ガス供給手段、32…回転軸、34…噴霧盤、36…原液供給管、50…上下取付円板、52…上部取付円板、54…下部取付円板、62…噴霧用コロ、66…上側鍔部、68…下側鍔部。

Claims (9)

  1. 上部取付円板と下部取付円板とを有する上下取付円板と、
    前記上部取付円板の外縁部から略環状に張り出すと共に、前記下部取付円板側に傾斜する上側鍔部と、
    前記上下取付円板の間の略周縁に沿って配置された略円錐状の複数の噴霧用コロとを備える、噴霧盤。
  2. 前記下部取付円板の外縁部から略環状に張り出すと共に、前記上部取付円板側に傾斜し、且つ、前記上側鍔部の外径よりも小さな外径を有する下側鍔部をさらに有する、請求項1に記載の噴霧盤。
  3. 前記下側鍔部の上端位置が、前記上側鍔部の下端位置よりも上側に位置する、請求項2に記載の噴霧盤。
  4. 上部取付円板と下部取付円板とを有する上下取付円板と、前記上部取付円板の外縁部から略環状に張り出すと共に、前記下部取付円板側に傾斜する上側鍔部と、前記上下取付円板の間の略周縁に沿って配置された略円錐状の複数の噴霧用コロとを有する噴霧盤と、
    前記噴霧盤の前記上下取付円板を回転させる回転軸と、
    前記上下取付円板に、前記上部取付円板側から原液を供給する原液供給手段とを備える、噴霧装置。
  5. 前記下部取付円板の外縁部から略環状に張り出すと共に、前記上部取付円板側に傾斜し、且つ、前記上側鍔部の外径よりも小さな外径を有する下側鍔部をさらに有する、請求項4に記載の噴霧装置。
  6. 前記下側鍔部の上端位置が、前記上側鍔部の下端位置よりも上側に位置する、請求項5に記載の噴霧装置。
  7. 上部取付円板と下部取付円板とを有する上下取付円板と、前記上部取付円板の外縁部から略環状に張り出すと共に、前記下部取付円板側に傾斜する上側鍔部と、前記上下取付円板の間の略周縁に沿って配置された略円錐状の複数の噴霧用コロとを有する噴霧盤と、
    前記噴霧盤の前記上下取付円板を回転させる回転軸と、
    前記上下取付円板に、前記上部取付円板側から原液を供給する原液供給手段と、
    前記噴霧盤を収容する噴霧乾燥室と、
    前記噴霧乾燥室内に、前記噴霧盤から噴霧される原液を加熱乾燥するための高温ガスを供給するガス供給手段とを備える、噴霧乾燥機。
  8. 前記下部取付円板の外縁部から略環状に張り出すと共に、前記上部取付円板側に傾斜し、且つ、前記上側鍔部の外径よりも小さな外径を有する下側鍔部をさらに有する、請求項7に記載の噴霧乾燥機。
  9. 前記下側鍔部の上端位置が、前記上側鍔部の下端位置よりも上側に位置する、請求項8に記載の噴霧乾燥機。
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