JP2006325446A - 薬剤に対する感受性を決定する方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、慢性骨髄性白血病の治療薬の感受性に影響を及ぼすbcr−abl融合遺伝子の変異型の検出を容易せしめるための有用な手法を提供するものである。
【解決手段】bcr−abl融合蛋白質のアミノ酸の変異を核酸レベルで解析する方法として、bcr−abl融合蛋白質のアミノ酸番号255番のグルタミン酸から他のアミノ酸への変異を検出する場合、変異部分にプローブを作成し、該プローブと測定したい核酸配列を含む溶液とを混合しプローブと核酸配列のハイブリダイズの様子を解析することで判定できる。また、慢性骨髄性白血病の治療薬の感受性に影響を及ぼすbcr−abl融合遺伝子の変異型を検出するためのプライマーを設計し、遺伝子増幅を行い、遺伝子増幅産物が得られたか否かによって慢性骨髄性白血病の治療薬の感受性を判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、癌細胞における薬剤感受性の検査に用いられるプライマーに関する。具体的には、慢性骨髄性白血病の治療薬の感受性に影響を及ぼすbcr−abl融合遺伝子の変異型の存在を検出することによって、薬剤に対する感受性または耐性を高感度に検出する方法である。
化学療法においては、標的となる細胞や組織の薬剤感受性の早期診断は、治療戦略上、有効な手段となる。薬剤感受性には、薬剤が効果的に作用する場合と、薬剤に対する耐性が強まる場合がある。薬剤感受性の早期診断が可能となれば、薬剤が効果的に作用する場合は、薬剤の副作用を勘案し、薬剤投与量の検討を行うことができる。また、薬剤に対する耐性が強まる場合、癌細胞の薬剤耐性が強まるのに反比例して、その薬剤の有効性は徐々に減少する傾向を示す。よって、薬剤耐性の初期検出は、別の治療戦略の開発、選択、および時期を決めるために非常に有益なものである。薬剤耐性の獲得は標的分子をコードする遺伝子に変異が生じることによって生じることが知られている。
この変異を分析する従来技術としては、例えば核酸配列決定法(シークエンシング法)がある。核酸配列決定法は核酸配列中に含まれる変異を検出、同定することができるが、鋳型核酸の調製、DNAポリメラーゼ反応、ポリアクリルアミドゲル電気泳動、核酸配列の解析等を行うため多大な労力と時間が必要である。また近年の自動シークエンサーを用いることで省力化は行うことができるが、高価な装置が必要であるという問題がある。
他に変異を検出する方法として、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)などの遺伝子増幅法を利用した遺伝子の変異の検出方法が知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。この方法では、遺伝子増幅法に用いる一対のプライマーのうち、一方のプライマーとして、野生型遺伝子の増幅領域の端部領域に完全に相補的な野生型プライマーと、変異型遺伝子の増幅領域の端部領域に完全に相補的な変異型プライマーを用いる。変異型のプライマーは、その3’末端が予想される変異を起こしたヌクレオチドに相補的なヌクレオチドになっている。このような野生型及び変異型プライマーをそれぞれ別個に用いて試料遺伝子を遺伝子増幅法に供する。
試料遺伝子が野生型であれば、野生型プライマーを用いた場合には核酸の増幅が起きるが、変異型プライマーを用いた場合には、プライマーの3’末端が試料遺伝子の対応ヌクレオチドと相補的ではない(ミスマッチ)ので伸長反応が起きず、核酸の増幅は起きない。一方、試料遺伝子が変異型であれば、逆に、野生型プライマーを用いた場合には増幅が起きず、変異型プライマーを用いた場合に増幅が起きる。従って、各プライマーを用いた場合に増幅が起きるか否かを調べることにより、試料遺伝子が野生型か変異型かを判別することができ、それによって試料遺伝子中の変異を検出することができる。また変異を含む核酸配列を予め増幅しておき、各プライマーにおいて増幅核酸を用いて伸長反応が起きるか否かでの判定を行ってもかまわない。
このような原理によれば、従来法により明確に塩基変異型の検出が行えるように思われるが、実際には、野生型プライマーと変異型プライマーとはわずか1塩基の相違があるのみであり、変異型プライマーを用いて野生型遺伝子を増幅した場合及び野生型プライマーを用いて変異型遺伝子を伸長もしくは増幅した場合にもある程度の反応が起きることが多く、明確な判定が困難となる場合が少なくない。このようなミスマッチな組み合わせにおいて伸長または増幅が起きるか否かは、用いる機器の種類やその他の微妙な条件によって左右され、再現性も低い場合がある。従って、ミスマッチな組み合わせで反応が完全に起こらないようにするためには、反応時の温度条件等を極めて厳密に制御する必要があり、かなり困難な作業になる。
また、正確な伸長反応が可能である3’エキソヌクレアーゼ活性を有するDNAポリメラーゼをPCRに用いた場合は、更に判定を困難にさせる場合がある。すなわち、DNAポリメラーゼの3’エキソヌクレアーゼ活性によって、野生型プライマーと変異型プライマーの唯一ことなる3’末端が消失し、差異がなくなるおそれがある。しかし、ハイブリダイゼーション等で検出する場合、DNAプローブでの検出を容易せしめるためには正確な伸長反応を行う必要がある。
Taqポリメラーゼのように3’エキソヌクレアーゼが欠損したDNAポリメラーゼの場合、伸長反応においてミスがあってもそれを更正することができずに変異を含んだ伸長反応を行う場合がある。この変異を含んだ伸長産物をハイブリダイゼーション等で検出する場合、DNAプローブの選定を極めて厳密に行わなければならない。
薬剤耐性に関連した変異遺伝子の検出には、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)後、制限酵素を用いる方法も検討されている(例えば、非特許文献1参照)。変異遺伝子は、増幅された核酸断片を配列特異的に切断することのできる制限酵素を用いるPCR−RFLP法によって検出される。ところが変異遺伝子の存在量が野生型遺伝子に比して極めて少ない場合、PCR増幅においてバイアスが生じ、変異遺伝子の増幅が妨げられ、結果として検出されない場合がある。この場合、薬物を投与し続けると薬物に対する耐性を有する変異遺伝子を有する細胞の生存比率が高くなる結果、薬剤の治療効果は失われる。また、この方法では、少なくとも10個の腫瘍細胞が必要であり、その中にごくわずかしか存在しない薬剤耐性遺伝子は遺伝子増幅段階において、圧倒的多数を示す感受性遺伝子の存在のため、増幅されず結果として検出することが困難である。
特公平4−67957号公報 特公平4−67960号公報 BLOOD 第100巻、第1014〜1018頁(2002年発行)
本発明は、慢性骨髄性白血病の治療薬の感受性に影響を及ぼすbcr−abl融合遺伝子の変異型の検出を容易せしめるための有用な手法を提供するものである。
本発明者らは鋭意検討した結果、以下に示すような手段により、上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
本発明は以下のような構成からなる。
1. チロシンキナーゼ阻害活性を有する慢性骨髄性白血病の治療薬に対する感受性を判定する方法であって、bcr−abl融合蛋白質のアミノ酸番号255番のグルタミン酸から他のアミノ酸への変異を核酸レベルで解析することを特徴とする方法。
2. 前記変異をプライマーもしくはプローブを用いて解析することを特徴とする項1に記載の方法。
3. プライマーの3’末端から2番目のヌクレオチドが、bcr−abl融合蛋白質のアミノ酸番号255番のグルタミン酸から他のアミノ酸への変異を引き起こすヌクレオチドに対応するようにプライマーが設計されていることを特徴とする項2に記載の方法。
4. プライマーの3’末端のヌクレオチドが、bcr−abl融合蛋白質のアミノ酸番号255番のグルタミン酸から他のアミノ酸への変異を引き起こすヌクレオチドに対応するように設計されていることを特徴とする項2に記載の方法。
5. チロシンキナーゼ阻害活性を有する慢性骨髄性白血病の治療薬に対する感受性を判定する方法であって、bcr−abl融合蛋白質のアミノ酸番号315番のスレオニンから他のアミノ酸への変異を核酸レベルで検出するためのプライマーもしくはプローブを用いて解析することを特徴とする慢性骨髄性白血病の治療薬に対する感受性を判定する方法。
6. プライマーの3’末端のヌクレオチドが、前記変異を引き起こすヌクレオチドに対応するように設計されていることを特徴とする項5に記載の方法。
7. 前記プライマーの3’末端から2番目のヌクレオチドが、前記変異を引き起こすヌクレオチドに対応するように設計されていることを特徴とする項5に記載の方法。
8. bcr−abl融合蛋白質のアミノ酸番号244、248、250、252、253、255、311、315、317、343、351、355、359、379、382、387、396からなる群より選択されるアミノ酸の変異をプライマーもしくはプローブを用いてbcr−abl融合遺伝子の変異型を検出し、それに基づきチロシンキナーゼ阻害活性を有する慢性骨髄性白血病の治療薬に対する感受性を判定する方法。
9. bcr−abl融合蛋白質のアミノ酸番号244、248、250、252、253、255、311、315、317、343、351、355、359、379、382、387、396からなる群より選択されるアミノ酸の変異をプライマーの3’末端より2番目の塩基に対応している該プライマーを用いてbcr−abl融合遺伝子の変異型を検出し、それに基づきチロシンキナーゼ阻害活性を有する慢性骨髄性白血病の治療薬に対する感受性を判定する方法。
10. 配列番号1−5に示される配列またはこれに相補的な配列のうち、連続した少なくとも15塩基を含んだ少なくとも一つをプライマーもしくはプローブとして用いてbcr−abl融合遺伝子の変異型を検出し、それに基づきチロシンキナーゼ阻害活性を有する慢性骨髄性白血病の治療薬に対する感受性を判定する方法。
11. 配列番号1に示される配列またはこれに相補的な配列のうち、連続した少なくとも15塩基を含んだ少なくとも一つをbcr−abl融合遺伝子の野生型および変異型の共通のプライマーとして用いることを特徴とする項10に記載の方法。
12. 配列番号2及び4に示される配列またはこれに相補的な配列のうち、連続した少なくとも15塩基を含んだ少なくとも一つを、bcr−abl融合遺伝子の野生型のプライマーもしくはプローブとして用いることを特徴とする項10に記載の方法。
13. 配列番号3及び5に示される配列またはこれに相補的な配列のうち、連続した少なくとも15塩基を含んだ少なくとも一つを、bcr−abl融合遺伝子の変異型のプライマーもしくはプローブとして用いることを特徴とする項10に記載の方法
14. プライマーの3’末端から2番目のヌクレオチドが、bcr−abl融合遺伝子の変異部位に対応するように設計されていることを特徴とする項12または13に記載の方法。
15. プライマーの3’末端のヌクレオチドが、bcr−abl融合遺伝子の変異部位に対応するように設計されていることを特徴とする項12または13に記載の方法。
16. プライマーの3’末端より3番目から5’末端までの塩基に、相補的でないヌクレオチドが少なくとも1つ含まれることを特徴とする項3,7,9及び14のいずれかに記載の方法。
17. プライマーが、予めビオチン、蛍光物質、ハプテン、抗原、放射線物質、発光団よりなる群から選ばれたいずれかにより標識されていることを特徴とする項2〜16のいずれかに記載の方法。
18. 項2〜17のいずれかに記載のプライマーを利用して遺伝子増幅法を行い、遺伝子増幅産物が得られたか否かによって慢性骨髄性白血病の治療薬の感受性を判定する方法。
19. 遺伝子増幅法を行うに先立って、標的となるbcr−abl融合遺伝子を含む試料を予め制限酵素処理を行うことを特徴とする項18に記載の方法。
20. 前記遺伝子増幅法が、PCR、NASBA、LCR、SDA、RCRおよびTMAよりなる群から選ばれるということを特徴とする項18に記載の方法。
21. 前記遺伝子増幅法がPCRであり、該PCRに用いられるDNAポリメラーゼが二本鎖DNAの3’エキソヌクレアーゼ活性を有することを特徴とする項18に記載の方法。
22. 前記DNAポリメラーゼがピロコッカス・エスピーKOD1株もしくはハイパーサーモフィリック・アーカエバクテリウム由来であることを特徴とする項21に記載の方法。
23. 電気泳動、ハイブリダイゼーション法、5’ヌクレオチダーゼ活性を利用した標識オリゴヌクレオチドプローブを用いる方法、インターカーレーターを用いた蛍光検出法からなる群より選ばれる方法をもちいて、遺伝子増幅産物が得られたか否かを分析することを特徴とする項18〜22のいずれかに記載の方法。
24. ハイブリダイゼーション法、5’ヌクレオチダーゼ活性を利用した標識オリゴヌクレオチドプローブを用いる方法、インターカーレーターを用いた蛍光検出法からなる群より選ばれる方法を用いてbcr−abl融合蛋白質のアミノ酸番号255番のグルタミン酸から他のアミノ酸への変異を核酸レベルで解析することを特徴とする項1に記載の方法。
25. 対立遺伝子が測定対象の変異アミノ酸を有する遺伝子の少なくとも10倍存在する場合において、特異的に測定対象物を検出する項1〜24のいずれかに記載の方法。
26. 対立遺伝子が測定対象の変異アミノ酸を有する遺伝子の少なくとも100倍存在する場合において、特異的に測定対象物を検出する項1〜24のいずれかに記載の方法。
27. 対立遺伝子が測定対象の変異アミノ酸を有する遺伝子の少なくとも1000倍存在する場合において、特異的に測定対象物を検出する項1〜24のいずれかに記載の方法。
28. 対立遺伝子が測定対象の変異アミノ酸を有する遺伝子の少なくとも10000倍存在する場合において、特異的に測定対象物を検出する項1〜24のいずれかに記載の方法。
29. 項2〜17のいずれかに記載の1対のプライマー(フォワードプライマーとリバースプライマー)と、DNAポリメラーゼと、ヌクレオチドとを含むことを特徴とする慢性骨髄性白血病の治療薬の感受性を判定するための試薬キット。
30. 項29記載のDNAポリメラーゼが二本鎖DNAの3’エキソヌクレアーゼ活性を有することを特徴とする試薬キット。
31. DNAポリメラーゼがピロコッカス・エスピーKOD1株もしくはハイパーサーモフィリック・アーカエバクテリウム由来であることを特徴とする項29または30に記載の試薬キット。
32. さらに制限酵素を含むことを特徴とする項29〜31のいずれかに記載の試薬キット。
本発明は、bcr−abl融合蛋白質のアミノ酸の変異を核酸レベルで解析することで、慢性骨髄性白血病の治療薬に対する感受性を判定する方法を提供するものである。本発明により、特殊な技術を要することもなく、厳密な反応条件の制御を用いる必要もなく、慢性骨髄性白血病の治療薬に対する感受性を早期診断できるようになり、化学療法の治療戦略において有効な手段として期待される。
bcr−ablポリペプチド配列及びDNA配列の番号付けは、GenBank accession no. M14752に登録された配列の番号付けに基づくものである。例えば255位と315位のアミノ酸変異の非制限的な例を、以下に示す。
塩基1127番目のG→A(アミノ酸255番目のE→K)
塩基1308番目のC→T(アミノ酸315番目のT→I)
bcr−abl融合蛋白質のアミノ酸の変異を核酸レベルで解析する方法として、プローブを用いる方法、核酸配列を複製または増幅する方法が利用できる。あるいは、これらの方法を組み合わせた方法も利用できる。
bcr−abl融合蛋白質のアミノ酸の変異を核酸レベルで解析する方法として、プローブを用いる方法が利用できる。例えば、本発明のbcr−abl融合蛋白質のアミノ酸番号255番のグルタミン酸から他のアミノ酸への変異を検出する場合、変異部分にプローブを作成し、該プローブと測定したい核酸配列を含む溶液とを混合しプローブと核酸配列のハイブリダイズの様子を解析することで判定できる。例えば、TaqManプローブ法(Genome Res. 第6巻、第986頁(1996))などを用いて解析を実施してもよいがこれに限定されるものではない。
bcr−abl融合蛋白質のアミノ酸の変異を核酸レベルで解析する方法として、核酸配列を複製または増幅する方法も利用できる。核酸配列を複製する場合、一本鎖に変性した標的核酸にプライマー、4種類のデオキシヌクレオシド三リン酸(dNTP)とDNAポリメラーゼを作用させることで、標的核酸を鋳型としてプライマー伸長反応が起こり核酸配列の相補鎖が合成される。このとき試料核酸に野生型プライマーと、変異型プライマーをそれぞれ別個に用いて伸長反応を行うことにより変異型を検出する方法である。
またこのとき標的核酸が検出するのに十分な量が含まれていない場合、予め前記変異配列を含む核酸断片を増幅しておくことも可能である。この場合の核酸増幅方法としては、PCR、NASBA(Nucleic acid sequence−based amplification method;Nature 第350巻、第91頁(1991))、LCR(国際公開89/12696号公報、特開平2−2934号公報)、SDA(Strand Displacement Amplification:Nucleic acid research 第20巻、第1691頁(1992))、RCR(国際公開90/1069号公報)、TMA(Transcription mediated amplification method;Journal of Clinical Microbiology 第31巻、第3270頁(1993))などが挙げられる。
なかでもPCR法は、試料核酸、4種類のデオキシヌクレオシド三リン酸、一対のプライマー及び耐熱性DNAポリメラーゼの存在下で、変性、アニーリング、伸長の3工程からなるサイクルを繰り返すことにより、上記一対のプライマーで挟まれる試料核酸の領域を指数関数的に増幅させる方法である。すなわち、変性工程で試料の核酸を変性し、続くアニーリング工程において各プライマーと、それぞれに相補的な一本鎖試料核酸上の領域とをハイブリダイズさせ、続く伸長工程で、各プライマーを起点としてDNAポリメラーゼの働きにより鋳型となる各一本鎖試料核酸に相補的なDNA鎖を伸長させ、二本鎖DNAとする。この1サイクルにより、1本の二本鎖DNAが2本の二本鎖DNAに増幅される。従って、このサイクルをn回繰り返せば、理論上上記一対のプライマーで挟まれた試料DNAの領域は2n倍に増幅される。増幅されたDNA領域は大量に存在するので、電気泳動等の方法により容易に検出できる。よって、遺伝子増幅法を用いれば、従来では検出不可能であった、極めて微量(1分子でも可)の試料核酸をも検出することが可能であり、最近非常に広く用いられている技術である。
上記のような核酸増幅法を利用した方法では、野生型核酸を増幅できる野生型プライマーと、変異型核酸を増幅できる多型プライマーをそれぞれ別個に用いて遺伝子増幅法を行う。ここで、変異型核酸とは、野生型核酸のうちの1つのヌクレオチドのみが点変異して他のヌクレオチドに置換されているものや野生核酸配列の一部に挿入、欠失配列等を含む核酸配列のことである。
野生型プライマーを用いて試料核酸を伸長または増幅反応を行った場合、試料核酸が野生型であれば反応が起きるが、変異型では反応が起きない。逆に、変異型プライマーを用いて試料核酸を伸長または増幅反応を行った場合、試料核酸が変異型であれば反応が起きるが、野生型であれば反応は起こらない。従って、一つの試料を二つに分け、一方は野生型プライマーを用いて反応を行い、他方は変異型プライマーを用いて反応を行い、反応が起ったか否かを調べることにより、試料核酸が野生型であるか変異型であるかを明確に知ることができる。
これまで説明したことは従来法とも共通するものであるが、上述のように、従来法では、野生型プライマー/変異型核酸及び変異型プライマー/野生型核酸の組合せにおいて、プライマーの3’末端のみが鋳型核酸と非相補的(ミスマッチ)になっている(すなわち、プライマーの3’末端が試料核酸の予想される多型部位に対応する)ので、これらの組合せにおいても反応が起こる場合がある。このような場合には、試料核酸が野生型か変異型かを判別することが困難になる。
これは増幅反応によく用いられるサーマス・アクエティカス(Thermus aquaticus)由来のDNAポリメラーゼ等は3’エキソヌクレアーゼ活性を持たないため、増幅反応を行った場合、正確に鋳型配列の相補鎖を合成できなかった時もそのまま増幅反応を続けるため、増幅核酸断片に変異を含有する事がある。つまり3’末端にミスマッチがあっても反応が進んでしまう事になり、このような問題が起こると考えられている。
一方、伸長反応の正確性が優れているピロコッカス・エスピー(Pyrococcussp.)KOD1株もしくはハイパーサーモフィリック・アーカエバクテリウム(Hyperthermophilic archaebacterium)由来のDNAポリメラーゼは、3’エキソヌクレアーゼ活性を有するため3’末端にミスマッチがあった場合、そのヌクレアーゼ活性によりミスマッチ部分を切除した後伸長反応を続けるためこのような問題が起こると考えられる。
このような問題を解決するためには、上記組合せにおいてプライマーの3’末端から2番目のヌクレオチドが変異型配列のヌクレオチドと対応するように設計してもよい。このように設計した場合野生型プライマー/野生核酸及び変異型プライマー/変異型核酸の組合せにおいて、プライマーは完全に一致する為反応は起こるが、野生型プライマー/変異型核酸及び変異型プライマー/野生型核酸の組合せにおいてはプライマーの3’末端より2番目の塩基がミスマッチしているため、特に3’エキソヌクレアーゼ活性を有するDNAポリメラーゼはミスマッチを認識するが、3’末端は相補的な為、エキソヌクレアーゼも働かず、またDNAポリメラーゼ反応も起こらない事が確認された。
さらに、ダブルミスマッチを利用した野生型プライマー及び変異型プライマーを設計してもよい。すなわち3’末端から2番目の塩基は変異型が予想されるヌクレオチドに対応する塩基配列であり、また3番目から5’末端までの塩基に相補的でないヌクレオチドを含むプライマーを用いることも可能である。これは3番目にミスマッチを用いた場合ミスマッチの認識が更に強くなり、また他の部分に用いた場合はプライマーの結合を妨げる効果が考えられる。
また、上記のプライマーが予め標識されているものであってもよい。該標識としては、ビオチン、蛍光物質、ハプテン、抗原、放射線物質、発光団などが挙げられる。
以下に、bcr−abl融合蛋白質のアミノ酸の変異を核酸レベルで解析するためのプライマー設定箇所を説明する。
慢性骨髄性白血病患者のほとんど(90〜95%)には、フィラデルフィア染色体(Ph染色体)と呼ばれる異常な染色体が認められている。このフィラデルフィア染色体は、22番染色体が途中から切れて、9番染色体の断片と結合している。つまり、9番と22番の染色体がそれぞれある部分で2つに切断され、互いに入れ替わって結合しているキメラ遺伝子が存在する。9番染色体の切断された部分にはablという名の遺伝子が、22番染色体の切断部分にはbcrという遺伝子があり、9番と22番の染色体断片が結合することによってこの2つの遺伝子が融合し、新たにbcr−abl融合遺伝子が作られる。このbcr−abl融合遺伝子から作り出されるbcr−abl融合蛋白質は、白血病細胞の異常増殖を引き起こし、同時に血液細胞のアポトーシス(細胞死)を起こしにくくし、その結果、慢性骨髄性白血病を発症させている。
この慢性骨髄性白血病に対して、チロシンキナーゼ活性阻害作用を有する薬剤が有効に作用することが知られている。bcr−abl融合蛋白質のキナーゼ領域は、ablに含まれるキナーゼ領域に存在する。
本発明は、Ph染色体を有する慢性骨髄性白血病患者に適用されるものである。
特にbcr−abl融合蛋白質のキナーゼ領域のアミノ酸番号255番のグルタミン酸から他のアミノ酸への変異が、慢性骨髄性白血病の治療薬に対し薬物抵抗性になることが、Ann. Hematol. (2003) 284-289に記載されている。
この変異は、アミノ酸番号255番のグルタミン酸からリジンへの変異が多いが、これに限定されるものではない。また、アミノ酸番号315番のスレオニンから他のアミノ酸への変異によって薬剤の感受性が異なることが制限酵素を用いた方法で確認されている(例えば、非特許文献1参照)。この変異は、アミノ酸番号315番のスレオニンからイソロイシンへの変異が多いが、これに限定されるものではない。
このように、チロシンキナーゼ活性阻害作用を有する薬剤の感受性を判定するには、bcr−abl融合蛋白質のキナーゼ領域を判定することが有効であることがわかる。そのほかにも、bcr−abl融合蛋白質のキナーゼ領域にはアミノ酸番号244、248、250、252、253、311、317、343、351、355、359、379、382、387、396より選ばれる位置にも変異があることも知られている(Soverini et al. “Denaturing-HPLC-Based Assay for Detection of ABL Mutations in Chronic Myeloid Leukemia Patients Resistant to Imatinib” Clinical Chemistry 50, No.7, 2004)。
薬剤治療時において、薬剤に対する感受性を遺伝子レベルで調べることは、治療方針選択において極めて重要な臨床データが提供されることに繋がる。特に、チロシンキナーゼ活性阻害作用を有する薬剤を使用する場合、その投与量には厳密な注意がはらわれているので、このbcr−abl融合蛋白質に含まれるキナーゼ領域の変異の有無を早期に診断することは重要である。少ないコピー数を検出すること及び対立遺伝子/対象遺伝子の比率が大きい試料において標的遺伝子を検出することは、薬剤に対する抵抗性を有する遺伝子の高感度検出を行うことであり、より早く治療方針、治療計画の変更を行うことが可能となる。
本発明は、対立遺伝子が測定対象遺伝子の少なくとも10倍、好ましくは少なくとも100倍、より好ましくは少なくとも1000倍、特に好ましくは少なくとも10000倍存在するサンプルにおいても、測定対象遺伝子を検出することが可能である。
しかし、前述のように制限酵素を用いる方法(例えば、非特許文献1参照)では、変異遺伝子の存在量が野生型遺伝子に比して極めて少ない場合、検出することが困難となりやすい。
従来の制限酵素を用いる方法の問題点を解決するため、本発明の方法に従って野生型プライマーと変異型プライマーを設定することにより、bcr−abl融合蛋白質に含まれるキナーゼ領域の変異を、従来法より高感度に検出でき、早期に薬剤耐性の評価を行なうことが可能となる。より好ましくは、配列番号1〜5の配列に従ったプライマーを作製し、薬剤耐性の評価を行なうのがよいが、これに限定されるものではない。
プライマーは15〜30塩基が好ましく、より好ましくは17〜26塩基である。
好ましいプライマーは、配列番号1〜5のプライマーであり、配列番号1については、15塩基以上の連続する塩基配列を有するプライマーが好ましく、配列番号2〜5については、3’末端から15塩基以上の連続する塩基配列を有するプライマーが好ましい。
また、本発明の方法に従ってプローブを設定することにより、bcr−abl融合蛋白質に含まれるキナーゼ領域の変異を、従来法より高感度に検出でき、早期に薬剤耐性の評価を行なうことが可能となる。より好ましくは、配列番号2,3、4,5の配列またはこれに相補的な配列に従ったプローブを作製し、薬剤耐性の評価を行うのがよいが、これに限定されるものではない。
アッセイのための腫瘍細胞は、患者の組織または腹水から採取し、鋳型として用いるDNAあるいはRNAは既知の方法により抽出すればよい。代表的なものとして、フェノール/クロロホルム抽出法(Biochimica et Biophysica acta 第72巻、第619〜629頁、1963年)、アルカリSDS法(Nucleic Acid Research 第7巻、第1513〜1523頁、1979年)等の液相で行う方法がある。また、核酸の単離に核酸結合用担体を用いる系としては、ガラス粒子とヨウ化ナトリウム溶液を使用する方法(Proc. Natl. Acad. USA 第76−2巻、第615〜619頁、1979年)、ハイドロキシアパタイトを用いる方法(特開昭63−263093号公報)等がある。その他の方法としてはシリカ粒子とカオトロピックイオンを用いた方法(J. Clinical Microbiology 第28−3巻、第495〜503頁、1990年、特開平2−289596号公報)が挙げられる。
得られたRNAあるいはDNAを本発明の処方に従い作製された野生型プライマーと変異型プライマーを用い特異的増幅反応を行えば、PCR増幅反応によるバイアスを回避し、高感度に薬剤感受性遺伝子変異を検出することができる。また、得られた核酸試料は制限酵素処理を行った上で増幅反応に供することも可能である。特異的増幅反応により得られた核酸断片は電気泳動や、相補的なプローブとのハイブリダイゼーションによって検出可能であるが、これに限定されるものではない。また、TaqManプローブ法のような5´ヌクレアーゼ活性を利用した蛍光標識プローブアッセイへの適用も可能である。
以下、実施例を挙げることにより、本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に特に限定されるものではない。
[実施例1]
(プライマーの設計)
本発明の処方に従い、慢性骨髄性白血病の原因遺伝子として知られているbcr−abl融合遺伝子のabl領域にあたるアミノ酸番号315番のスレオニンから他のアミノ酸への変異と、アミノ酸番号255番のグルタミン酸から他のアミノ酸への変異の検出を行うプライマーを配列番号1〜5に従い設計し、薬剤耐性を判定する例とした。選択されたプライマーセットの配列の詳細を表1に示す。表1中「Forward」とはフォワードプライマー、「Reverse」とはリバースプライマー、を意味する。
Figure 2006325446
(RNAの調製)
白血病 細胞株から抽出したトータルRNAをカラム(QIAampRNA Blood Mini Kit; QIAGEN社製)に吸着させ、カラムを洗浄後、吸着したRNAをDEPC水(diethylpyrocarbonate treated distilled and deionized water)で溶出した。RNAの濃度と純度は、吸光度A260nm/A280nmの比で確認した。
(cDNAの調製)
上記で得られたトータルRNA2μgを、500ngのランダムプライマー、200ユニットの逆転写酵素(SuperScript II; GIBCO社製)、40ユニットのRNase阻害剤(GIBCO社)及び1mM dNTPを含む45μlの反応液中で逆転写して調製した。
上記で調製したcDNA2μlに、フォワードプライマー(gagcagcagaagaagtgtttcaga)とリバースプライマー(ctctagcagctcatacacctggg)を各5pmole、10×PCR buffer、0.2mM dNTPs、1.5mM MgSO4、KOD-plusDNApolymeraseを添加し、全量を25μlとした。
PCR反応は、最初に94℃で2分、次いで94℃−15秒のデナチュレーション工程、及び65℃−30秒のアニーリング及び68℃−30秒のDNA伸長反応工程を1サイクルとして、これを計35サイクル行うことにより実施し、二本鎖DNAを得た。得られた反応溶液をminiprepを用いて精製することによって、核酸断片を得た。
得られた核酸断片を制限酵素Hinc IIで切断されたpUC18にライゲーションし、competent cell DH5αへ導入することによって形質転換体を得た。得られた形質転換体をクローニングし、目的の断片が挿入されたクローンを得た。得られたクローンを試験管で培養後、プラスミドを抽出し、以後の実験に使用した。
(PCRの実施)
上記で調製したプラスミドを10倍希釈し、1〜10コピーを有する試料溶液を調製した。調製された各プラスミド溶液2.25μl、フォワードプライマーとリバースプライマー各 5pmoles、および10×PCRmix、0.2mM dNTPs、1.5mM MgSO4、KOD−plusDNApolymerase、ミリQ水に加えて全量を25μlとした。PCR反応は、最初に94℃で2分、次いで94℃−15秒のデナチュレーション工程、及び65℃−30秒のアニーリング及び68℃−30秒のDNA伸長反応工程を1サイクルとして、これを計40サイクル行うことにより実施した。
(判別)
PCR増幅後、反応液を電気泳動することによって判別を行った。
なお、上記本発明によって白血病キメラ遺伝子の検出並びに白血病 の診断において所望の測定系が提供できることが確認できた(図1、図2)。本発明によれば、従来10Copy存在しなければ検出されなかった変異遺伝子が10Copy存在すれば検出可能となった。
本発明は、特殊な技術を要することもなく、厳密な反応条件の制御を用いる必要もなく、慢性骨髄性白血病の治療薬の感受性に影響を及ぼすbcr−abl融合遺伝子の変異型の早期診断方法を提供するものであり、化学療法の治療戦略において、有効な手段として期待され、産業界に寄与することが大である。
実施例1におけるアミノ酸番号255番のグルタミン酸から他のアミノ酸への変異を判定した結果を示す図である。 実施例1におけるアミノ酸番号315番のスレオニンから他のアミノ酸への変異を判定した結果を示す図である。

Claims (32)

  1. チロシンキナーゼ阻害活性を有する慢性骨髄性白血病の治療薬に対する感受性を判定する方法であって、bcr−abl融合蛋白質のアミノ酸番号255番のグルタミン酸から他のアミノ酸への変異を核酸レベルで解析することを特徴とする方法。
  2. 前記変異をプライマーもしくはプローブを用いて解析することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. プライマーの3’末端から2番目のヌクレオチドが、bcr−abl融合蛋白質のアミノ酸番号255番のグルタミン酸から他のアミノ酸への変異を引き起こすヌクレオチドに対応するようにプライマーが設計されていることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. プライマーの3’末端のヌクレオチドが、bcr−abl融合蛋白質のアミノ酸番号255番のグルタミン酸から他のアミノ酸への変異を引き起こすヌクレオチドに対応するように設計されていることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  5. チロシンキナーゼ阻害活性を有する慢性骨髄性白血病の治療薬に対する感受性を判定する方法であって、bcr−abl融合蛋白質のアミノ酸番号315番のスレオニンから他のアミノ酸への変異を核酸レベルで検出するためのプライマーもしくはプローブを用いて解析することを特徴とする慢性骨髄性白血病の治療薬に対する感受性を判定する方法。
  6. プライマーの3’末端のヌクレオチドが、前記変異を引き起こすヌクレオチドに対応するように設計されていることを特徴とする請求項5に記載の方法。
  7. 前記プライマーの3’末端から2番目のヌクレオチドが、前記変異を引き起こすヌクレオチドに対応するように設計されていることを特徴とする請求項5に記載の方法。
  8. bcr−abl融合蛋白質のアミノ酸番号244、248、250、252、253、255、311、315、317、343、351、355、359、379、382、387、396からなる群より選択されるアミノ酸の変異をプライマーもしくはプローブを用いてbcr−abl融合遺伝子の変異型を検出し、それに基づきチロシンキナーゼ阻害活性を有する慢性骨髄性白血病の治療薬に対する感受性を判定する方法。
  9. bcr−abl融合蛋白質のアミノ酸番号244、248、250、252、253、255、311、315、317、343、351、355、359、379、382、387、396からなる群より選択されるアミノ酸の変異をプライマーの3’末端より2番目の塩基に対応している該プライマーを用いてbcr−abl融合遺伝子の変異型を検出し、それに基づきチロシンキナーゼ阻害活性を有する慢性骨髄性白血病の治療薬に対する感受性を判定する方法。
  10. 配列番号1−5に示される配列またはこれに相補的な配列のうち、連続した少なくとも15塩基を含んだ少なくとも一つをプライマーもしくはプローブとして用いてbcr−abl融合遺伝子の変異型を検出し、それに基づきチロシンキナーゼ阻害活性を有する慢性骨髄性白血病の治療薬に対する感受性を判定する方法。
  11. 配列番号1に示される配列またはこれに相補的な配列のうち、連続した少なくとも15塩基を含んだ少なくとも一つをbcr−abl融合遺伝子の野生型および変異型の共通のプライマーとして用いることを特徴とする請求項10に記載の方法。
  12. 配列番号2及び4に示される配列またはこれに相補的な配列のうち、連続した少なくとも15塩基を含んだ少なくとも一つを、bcr−abl融合遺伝子の野生型のプライマーもしくはプローブとして用いることを特徴とする請求項10に記載の方法。
  13. 配列番号3及び5に示される配列またはこれに相補的な配列のうち、連続した少なくとも15塩基を含んだ少なくとも一つを、bcr−abl融合遺伝子の変異型のプライマーもしくはプローブとして用いることを特徴とする請求項10に記載の方法
  14. プライマーの3’末端から2番目のヌクレオチドが、bcr−abl融合遺伝子の変異部位に対応するように設計されていることを特徴とする請求項12または13に記載の方法。
  15. プライマーの3’末端のヌクレオチドが、bcr−abl融合遺伝子の変異部位に対応するように設計されていることを特徴とする請求項12または13に記載の方法。
  16. プライマーの3’末端より3番目から5’末端までの塩基に、相補的でないヌクレオチドが少なくとも1つ含まれることを特徴とする請求項3,7,9及び14のいずれかに記載の方法。
  17. プライマーが、予めビオチン、蛍光物質、ハプテン、抗原、放射線物質、発光団よりなる群から選ばれたいずれかにより標識されていることを特徴とする請求項2〜16のいずれかに記載の方法。
  18. 請求項2〜17のいずれかに記載のプライマーを利用して遺伝子増幅法を行い、遺伝子増幅産物が得られたか否かによって慢性骨髄性白血病の治療薬の感受性を判定する方法。
  19. 遺伝子増幅法を行うに先立って、標的となるbcr−abl融合遺伝子を含む試料を予め制限酵素処理を行うことを特徴とする請求項18に記載の方法。
  20. 前記遺伝子増幅法が、PCR、NASBA、LCR、SDA、RCRおよびTMAよりなる群から選ばれるということを特徴とする請求項18に記載の方法。
  21. 前記遺伝子増幅法がPCRであり、該PCRに用いられるDNAポリメラーゼが二本鎖DNAの3’エキソヌクレアーゼ活性を有することを特徴とする請求項18に記載の方法。
  22. 前記DNAポリメラーゼがピロコッカス・エスピーKOD1株もしくはハイパーサーモフィリック・アーカエバクテリウム由来であることを特徴とする請求項21に記載の方法。
  23. 電気泳動、ハイブリダイゼーション法、5’ヌクレオチダーゼ活性を利用した標識オリゴヌクレオチドプローブを用いる方法、インターカーレーターを用いた蛍光検出法からなる群より選ばれる方法をもちいて、遺伝子増幅産物が得られたか否かを分析することを特徴とする請求項18〜22のいずれかに記載の方法。
  24. ハイブリダイゼーション法、5’ヌクレオチダーゼ活性を利用した標識オリゴヌクレオチドプローブを用いる方法、インターカーレーターを用いた蛍光検出法からなる群より選ばれる方法を用いてbcr−abl融合蛋白質のアミノ酸番号255番のグルタミン酸から他のアミノ酸への変異を核酸レベルで解析することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  25. 対立遺伝子が測定対象の変異アミノ酸を有する遺伝子の少なくとも10倍存在する場合において、特異的に測定対象物を検出する請求項1〜24のいずれかに記載の方法。
  26. 対立遺伝子が測定対象の変異アミノ酸を有する遺伝子の少なくとも100倍存在する場合において、特異的に測定対象物を検出する請求項1〜24のいずれかに記載の方法。
  27. 対立遺伝子が測定対象の変異アミノ酸を有する遺伝子の少なくとも1000倍存在する場合において、特異的に測定対象物を検出する請求項1〜24のいずれかに記載の方法。
  28. 対立遺伝子が測定対象の変異アミノ酸を有する遺伝子の少なくとも10000倍存在する場合において、特異的に測定対象物を検出する請求項1〜24のいずれかに記載の方法。
  29. 請求項2〜17のいずれかに記載の1対のプライマー(フォワードプライマーとリバースプライマー)と、DNAポリメラーゼと、ヌクレオチドとを含むことを特徴とする慢性骨髄性白血病の治療薬の感受性を判定するための試薬キット。
  30. 請求項29記載のDNAポリメラーゼが二本鎖DNAの3’エキソヌクレアーゼ活性を有することを特徴とする試薬キット。
  31. DNAポリメラーゼがピロコッカス・エスピーKOD1株もしくはハイパーサーモフィリック・アーカエバクテリウム由来であることを特徴とする請求項29または30に記載の試薬キット。
  32. さらに制限酵素を含むことを特徴とする請求項29〜31のいずれかに記載の試薬キット。
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