JP2006296241A - チトクロームp450遺伝子多型を検出する方法およびそのキット - Google Patents

チトクロームp450遺伝子多型を検出する方法およびそのキット Download PDF

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Abstract

【課題】チトクロームP450(CYP)の遺伝子多型、特に3A4および3A5遺伝子の多型と薬物代謝の関係を調べることは、医薬品を開発し、治療薬として使用する上で非常に重要かつ有用な情報となりつつある。従って、目的は、簡便性、正確性、再現性に優れたチトクロームP450(CYP)の遺伝子多型の検出方法、プライマーセット及びそのキットを提供することである。
【解決手段】チトクロームP450 3A4遺伝子及び/又は3A5遺伝子における少なくとも1種類以上の遺伝子多型を、野生型および変異型の共通プライマーと、野生型検出用プライマーおよび/または多型検出用プライマーとを用いて検出する検出方法、プライマーセット及びそのキットを提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、試料中に存在する薬物代謝酵素遺伝子多型の検出に関する。更に詳しくはチトクロームP450遺伝子の中でも特に3A4及び3A5の遺伝子多型の検出に関する。
ゲノムとは遺伝情報が記されている設計図であるが、その情報全体はヒトの場合、3−4万個の遺伝子で構成されている。これらの遺伝子の塩基配列を比較すると、個人毎に異なっている箇所が存在することが明らかになってきた。このことは遺伝子の多型と呼ばれ、既に140万個以上の一塩基多型(Single Nucleotide Polymorphism;SNP)が同定されている。これらの塩基多型は薬物代謝において副作用および治療失敗の発生において個体間変動の原因として重要な役割を果たし、体質として知られる基礎代謝等の個人差の原因としても知られている。その上、多数の疾患の遺伝マーカーとしての働きもするといわれており、それゆえこれら塩基多型の解明は臨床的に重要であると考えられている。
チトクロームP450(CYP)は肝臓に存在する薬物代謝酵素で、CYP 1ファミリー、CYP 2ファミリー、およびCYP 3ファミリー等が同定されている。CYP1ファミリーは、2つのサブファミリー:CYP 1Aサブファミリー(CYP 1A1およびCYP 1A2のアイソフォームを有する)およびCYP 1Bサブファミリー(CYP 1B1アイソフォームを有する)を含むことが知られている。CYP 2ファミリーは、主に5つのサブファミリー:CYP 2Aサブファミリー(CYP 2A6アイソフォーム、CYP 2A7アイソフォーム、CYP 2A13アイソフォームを有する)、CYP 2Bサブファミリー(CYP 2B6アイソフォームを有する)、CYP 2Cサブファミリー(CYP 2C8アイソフォーム、CYP 2C9アイソフォーム、CYP 2C18アイソフォーム、CYP 2C19アイソフォームを有する)、CYP 2Dサブファミリー(CYP 2D6アイソフォームを有する)、およびCYP 2Eサブファミリー(CYP 2E1アイソフォームを有する)、を含むことが知られている。ファミリー 3は、CYP 3A4アイソフォーム、CYP 3A5アイソフォーム、CYP 3A7アイソフォーム、およびCYP3A43アイソフォームを有するCYP 3Aサブファミリーを含む。
薬の効き易さや副作用の出方など薬剤に対する反応性の個人差は、これらCYPファミリー群の遺伝子多型が原因の一つであると考えられている。チトクロームP450(CYP)をはじめ多数の薬物代謝酵素において一塩基多型(Single Nucleotide Polymorphism;SNP)の解析が進められている。特にCYP2C19遺伝子、並びにCYP2C9遺伝子では、臨床的に代謝能の変化を示す遺伝子多型が明らかとなっており、そのタイピング結果は薬物治療の用量調整に関する重要な情報と期待されている。しかし、他のCYPファミリー、サブファミリー、アイソフォームについての知見は乏しい。
チトクロームP450(CYP)の3A4および3A5遺伝子についても研究途上である。3A4および3A5遺伝子の多型の出現頻度およびハプロタイプについて検討により、CYP3A4 IVS10+12(G>A)やCYP3A5*3の出現頻度が比較的高いことが分かっている(非特許文献1、2参照)。また薬物代謝との関連性において研究が進められており、CYP3A4*1Bにおいては前立腺癌との関係も示唆にとどまっている(非特許文献3参照)。その他CYP3A4*17および*18においては男性ホルモンであるテストステロンや有機リン系農薬のクロルピリホスの代謝との関係についての報告やCYP3A4*1BおよびCYP3A5と肺癌罹患との関係についての研究報告もあるが、さらなる検討が必要である(非特許文献4、5参照)。3A4および3A5遺伝子の多型と、上記疾患に対する薬の効き易さや副作用の出方や薬物代謝などに対する反応性との関連性は明確にわかっていないのが現状である。
遺伝子多型と薬物代謝との関連性を確認するための従来の核酸配列分析技術としては、例えば核酸配列決定法(シークエンシング法)がある。核酸配列決定法は核酸配列中に含まれる塩基多型を検出、同定することができるが、鋳型核酸の調製、DNAポリメラーゼ反応、ポリアクリルアミドゲル電気泳動等、核酸配列の解析等を行うため多大な労力と時間を必要である。また近年の自動シークエンサーを用いることで省力化は行うことができるが、高価な装置が必要であるという問題がある。
他の従来の核酸配列分析技術としては、PCR(polymerase chain reaction)法(例えば、特許文献1、特許文献2参照)などの遺伝子増幅法を利用した遺伝子の点突然変異の検出方法が知られている。この方法では、遺伝子増幅法に用いる一対のオリゴヌクレオチドのうち、一方のオリゴヌクレオチドとして、野生型遺伝子の増幅領域の端部領域に完全に相補的な野生型用オリゴヌクレオチドと、変異型遺伝子の増幅領域の端部領域に完全に相補的な変異型用オリゴヌクレオチドとを用いる。変異型のオリゴヌクレオチドは、その3’末端が予想される点突然変異を起こしたヌクレオチドに相補的なヌクレオチドになっている。このような野生型及び変異型用オリゴヌクレオチドをそれぞれ別個に用いて試料遺伝子を遺伝子増幅法に供する。
試料遺伝子が野生型であれば、野生型用オリゴヌクレオチドを用いた場合には核酸の増幅が起きるが、変異型用オリゴヌクレオチドを用いた場合には、オリゴヌクレオチドの3’末端が試料遺伝子の対応ヌクレオチドと相補的ではない(ミスマッチ)ので伸長反応が起きず、核酸の増幅は起きない。一方、試料遺伝子が変異型であれば、逆に、野生型用オリゴヌクレオチドを用いた場合には増幅が起きず、変異型用オリゴヌクレオチドを用いた場合に増幅が起きる。従って、各オリゴヌクレオチドを用いた場合に増幅が起きるか否かを調べることにより、試料遺伝子が野生型か変異型かを判別することができ、それによって試料遺伝子中の点突然変異を同定することができる。この時増幅がおきたか否かを調べる方法として、増幅産物をアガロースゲル電気泳動した後、エチジウムブロマイド等の核酸特異的結合蛍光試薬を用いて染色の後、UV照射して増幅核酸の有無を検出できる。またほかの様式として、ナイロン膜上に増幅核酸を固定し、標識プローブを用いて検出するサザンブロット法、個体担体上に固定した補足プローブで捕捉した後検出プローブを作用させて検出するサンドイッチハイブリダイゼーション法などが開発されてきた。
このような原理によれば、従来法により明確に塩基変異型の検出が行えるように思われるが、実際には、野生型用オリゴヌクレオチドと変異型用オリゴヌクレオチドとはわずか1塩基の相違があるのみであり、変異型用オリゴヌクレオチドを用いて野生型遺伝子を増幅した場合及び野生型用オリゴヌクレオチドを用いて変異型遺伝子を伸長もしくは増幅した場合にもある程度の反応が起きることが多く、明確な判定が困難となる場合が少なくない。このようなミスマッチな組み合わせにおいて伸長または増幅が起きるか否かは、用いる機器の種類やその他の微妙な条件によって左右され、再現性も低い場合がある。従って、ミスマッチな組み合わせで反応が完全に起こらないようにするためには、反応時の温度条件等を極めて厳密に制御する必要があり、かなり困難な作業になる。
また、正確な伸長反応が可能である3’エキソヌクレアーゼ活性を有するDNAポリメラーゼをPCRに用いた場合は、更に判定を困難にさせる場合がある。すなわち、DNAポリメラーゼの3’エキソヌクレアーゼ活性によって、野生型検出用プライマーと変異型プライマーの唯一異なる3’末端が消失し、差異がなくなるおそれがある。しかし、ハイブリダイゼーション等で検出する場合、DNAプローブでの検出を容易せしめるためには正確な伸長反応を行う必要がある。
Taqポリメラーゼのように3’エキソヌクレアーゼが欠損したDNAポリメラーゼの場合、伸長反応においてミスがあってもそれを更正することができずに変異を含んだ伸長反応を行う場合がある。この変異を含んだ伸長産物をハイブリダイゼーション等で検出する場合、DNAプローブの選定を極めて厳密に行わなければならない。
従って、現在に至るまで、上記のような問題点により、チトクロームP450(CYP)の3A4および3A5遺伝子の多型と薬物代謝の関係を検討するにあたって、簡便、短時間に検出する適切なツールがない状況にあった。特に、どの位置にハイブリダイズするプライマーを用いれば非特異的な反応を抑え、効果的に増幅反応させることができるかは解明されていなかった。
特公平4−67960号公報 特公平4−67957号公報 Fukushima et al. (2004) Hum Mutat 23: 100 Saeki et al. (2003) Hum Mutat 21: 653 Rebbeck et al. (1998) J Natl Cancer Inst 90: 1225-9 Dai et al. (2001) J Pharmacol Exp Ther 299: 825-31 Kadlubar et al. (2003) : Cancer Epidemiol Biomarkers Prev 12: 327-31
チトクロームP450(CYP)の遺伝子多型、特に3A4および3A5遺伝子の多型と薬物代謝の関係を調べることは、医薬品を開発し、治療薬として使用する上で非常に重要かつ有用な情報となりつつある。
多くの薬物の代謝にはチトクロームP450が関与しておりその中でもCYP3A種が半数以上の医薬品の代謝に関係しているといわれている。たとえば吸入ステロイド喘息治療剤であるプロピオン酸フルチカゾンはCYP3A4で代謝されることが知られているが、リトナビルなどのCYP3A4阻害作用を有する薬剤と併用すると期待通りの代謝が行われず、結果として薬剤の血中濃度が顕著に上昇し治療に影響を及ぼすことがある。また、向精神薬として用いられるアルプラゾラムの代謝にも主に肝代謝酵素CYP3A4及びCYP3A5が関与していることが分かっており、同じく薬物の相互作用によりインジナビル(クリキシバン)等を併用するとすれば代謝阻害が起こり、その結果薬剤の血中濃度が上昇し,作用の増強及び作用時間の延長が起こるおそれがある。前述のとおりCYP3A4およびCYP3A5で代謝される薬剤は非常に多いことからさまざまな薬剤によって同様の薬剤相互作用が起こることは明らかであり、したがってCYP3A4およびCYP3A5の発現レベルに関与すると予想されるこれらの多型を検出することは薬剤の投与、治療さらには個人の健康を維持する上で非常に重要である。
しかし、従来技術では、塩基多型を検出するためには上記のとおり、非常に厳密な操作が必要であるということ、正確な多型の同定には熟練を要するということ、また非特異反応が生じるといった問題点がある。従って、本発明の目的は、上記のような課題を解決して、簡便性、正確性、再現性に優れたチトクロームP450(CYP)の遺伝子多型の検出方法及びそのキットを提供することである。特に、チトクロームP450(CYP)のなかでも、3A4および3A5遺伝子の多型の検出方法、プライマーセット及びそのキットを提供することである。
本発明者らは鋭意検討した結果、以下に示すような手段により、上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明は、検出方法、プライマーセット及びそのキットを提供することである。
1.チトクロームP450 3A4遺伝子及び/又は3A5遺伝子における少なくとも1種類以上の遺伝子多型を、野生型および変異型の共通プライマーと、野生型検出用プライマーおよび/または多型検出用プライマーとを用いて検出することを特徴とするチトクロームP450遺伝子多型の検出方法。
2.チトクロームP450 3A4遺伝子の遺伝子多型が、*1B,*2,*5,*16A,*17,*18AおよびIVS10+12からなる群より選ばれた1種以上の遺伝子多型であることを特徴とする1のチトクロームP450遺伝子多型検出方法。
3.チトクロームP450 3A5遺伝子の遺伝子多型が、*3,*5及び*6からなる群より選ばれた1種以上の遺伝子多型であることを特徴とする1のチトクロームP450遺伝子多型検出方法。
4.配列番号1、4、10、13、16、19、22に示される配列のうち、連続した少なくとも15塩基を含んだ少なくとも一つをチトクロームP450 3A4遺伝子の野生型および変異型の共通プライマーとして用いることを特徴とする1または2のチトクロームP450遺伝子多型検出方法。
5.配列番号2、5、11、14、17、20、23に示される配列のうち、連続した少なくとも15塩基を含んだ少なくとも一つを、チトクロームP450 3A4遺伝子の野生型検出用プライマーとして用いることを特徴とする1または2のチトクロームP450遺伝子多型検出方法。
6.配列番号3、6、12、15、18、21、24に示される配列のうち、連続した少なくとも15塩基を含んだ少なくとも一つを、チトクロームP450 3A4遺伝子の多型検出用プライマーとして用いることを特徴とする1または2のチトクロームP450遺伝子多型検出方法。
7.プライマーの3’末端から2番目のヌクレオチドが、チトクロームP450遺伝子の多型部位に対応するように設計されていることを特徴とする5または6のチトクロームP450遺伝子多型検出方法。
8.プライマーの3’末端のヌクレオチドが、チトクロームP450遺伝子の多型部位に対応するように設計されていることを特徴とする5または6のチトクロームP450遺伝子多型検出方法。
9.プライマーの3’末端より3から5番目の少なくとも一つ以上の塩基が相補的でない塩基に置換されていることを特徴とする5〜8のいずれかのチトクロームP450遺伝子多型検出方法。
10.配列番号7、25、28に示される配列のうち、連続した少なくとも15塩基を含んだ少なくとも一つをチトクロームP450 3A5遺伝子の野生型および変異型の共通プライマーとして用いることを特徴とする1または3のチトクロームP450遺伝子多型検出方法。
11.配列番号8、26、29に示される配列のうち、連続した少なくとも15塩基を含んだ少なくとも一つを、チトクロームP450 3A5遺伝子の野生型のプライマーとして用いることを特徴とする1または3のチトクロームP450遺伝子多型検出方法。
12.配列番号9、27、30に示される配列のうち、連続した少なくとも15塩基を含んだ少なくとも一つを、チトクロームP450 3A5遺伝子の多型のプライマーとして用いることを特徴とする1または3のチトクロームP450遺伝子多型検出方法。
13.プライマーの3’末端から2番目のヌクレオチドが、チトクロームP450遺伝子の多型部位に対応するように設計されていることを特徴とする11または12のチトクロームP450遺伝子多型検出方法。
14.プライマーの3’末端のヌクレオチドが、チトクロームP450遺伝子の多型部位に対応するように設計されていることを特徴とする11または12のチトクロームP450遺伝子多型検出方法。
15.プライマーの3’末端より3から5番目の少なくとも一つ以上の塩基が相補的でない塩基に置換されていることを特徴とする11〜14のいずれかのチトクロームP450遺伝子多型検出方法。
16.次に示す1)〜10)からなる群より選ばれる少なくとも1種以上のプライマーセットを用いて遺伝子増幅反応を行い、チトクロームP450 3A4遺伝子及び/又は3A5遺伝子の多型を検出することを特徴とするチトクロームP450遺伝子多型検出方法;
1)配列番号1,2及び/又は3に示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
2)配列番号4,5及び/又は6で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
3)配列番号7,8及び/又は9で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
4)配列番号10,11及び/又は12で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
5)配列番号13,14及び/又は15で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
6)配列番号16,17及び/又は18で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
7)配列番号19,20及び/又は21で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
8)配列番号22,23及び/又は24で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
9)配列番号25,26及び/又は27で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
10)配列番号28,29及び/又は30で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
17.プライマーの3’末端から2番目のヌクレオチドが、チトクロームP450遺伝子の多型部位に対応するように設計されていることを特徴とする16のチトクロームP450遺伝子多型検出方法。
18.プライマーの3’末端のヌクレオチドが、チトクロームP450遺伝子の多型部位に対応するように設計されていることを特徴とする16のチトクロームP450遺伝子多型検出方法。
19.プライマーの3’末端より3から5番目の少なくとも一つ以上の塩基が相補的でない塩基に置換されていることを特徴とする16〜18のいずれかのチトクロームP450遺伝子多型検出方法。
20.次に示す1)〜10)からなる群より選ばれる少なくとも1種以上のプライマーセットを用いて遺伝子増幅反応を行い、チトクロームP450 3A4遺伝子及び/又は3A5遺伝子の多型を検出することを特徴とするチトクロームP450遺伝子多型検出方法;
1)配列番号1,2及び/又は3に示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
2)配列番号4,5及び/又は6で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
3)配列番号7,8及び/又は9で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
4)配列番号10,11及び/又は12で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
5)配列番号13,14及び/又は15で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
6)配列番号16,17及び/又は18で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
7)配列番号19,20及び/又は21で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
8)配列番号22,23及び/又は24で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
9)配列番号25,26及び/又は27で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
10)配列番号28,29及び/又は30で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
21.次に示す1)〜10)からなる群より選ばれる少なくとも1種以上のプライマーセットを含むチトクロームP450 3A4遺伝子及び/又は3A5遺伝子の多型検出のための遺伝子増幅法用プライマーセット;
1)配列番号1,2及び/又は3に示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
2)配列番号4,5及び/又は6で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
3)配列番号7,8及び/又は9で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
4)配列番号10,11及び/又は12で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
5)配列番号13,14及び/又は15で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
6)配列番号16,17及び/又は18で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
7)配列番号19,20及び/又は21で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
8)配列番号22,23及び/又は24で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
9)配列番号25,26及び/又は27で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
10)配列番号28,29及び/又は30で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
22.プライマーの3’末端から2番目のヌクレオチドが、チトクロームP450遺伝子の多型部位に対応するように設計されていることを特徴とする21のチトクロームP450 3A4遺伝子または3A5遺伝子の多型検出のための遺伝子増幅法用プライマーセット。
23.プライマーの3’末端のヌクレオチドが、チトクロームP450遺伝子の多型部位に対応するように設計されていることを特徴とする21のチトクロームP450 3A4遺伝子及び/又は3A5遺伝子の多型検出のための遺伝子増幅法用プライマーセット。
24.プライマーの3’末端より3から5番目の少なくとも一つ以上の塩基が相補的でない塩基に置換されていることを特徴とする21〜23のいずれかのチトクロームP450 3A4遺伝子及び/又は3A5遺伝子の多型検出のための遺伝子増幅法用プライマーセット。
25.次に示す1)〜10)からなる群より選ばれる少なくとも1種以上のプライマーセットを含むチトクロームP450 3A4遺伝子及び/又は3A5遺伝子の多型検出のための遺伝子増幅法用プライマーセット;
1)配列番号1,2及び/又は3に示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
2)配列番号4,5及び/又は6で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
3)配列番号7,8及び/又は9で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
4)配列番号10,11及び/又は12で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
5)配列番号13,14及び/又は15で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
6)配列番号16,17及び/又は18で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
7)配列番号19,20及び/又は21で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
8)配列番号22,23及び/又は24で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
9)配列番号25,26及び/又は27で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
10)配列番号28,29及び/又は30で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
26.次に示す1)〜10)からなる群より選ばれる少なくとも1種以上のプライマーセットを用いて遺伝子増幅反応を行い、チトクロームP450 3A4遺伝子及び/又は3A5遺伝子の多型を検出することを特徴とするチトクロームP450遺伝子多型検出用キット;
1)配列番号1,2及び/又は3に示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
2)配列番号4,5及び/又は6で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
3)配列番号7,8及び/又は9で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
4)配列番号10,11及び/又は12で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
5)配列番号13,14及び/又は15で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
6)配列番号16,17及び/又は18で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
7)配列番号19,20及び/又は21で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
8)配列番号22,23及び/又は24で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
9)配列番号25,26及び/又は27で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
10)配列番号28,29及び/又は30で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
27.プライマーの3’末端から2番目のヌクレオチドが、チトクロームP450遺伝子の多型部位に対応するように設計されていることを特徴とする26のチトクロームP450遺伝子多型検出用キット。
28.プライマーの3’末端のヌクレオチドが、チトクロームP450遺伝子の多型部位に対応するように設計されていることを特徴とする26のチトクロームP450遺伝子多型検出用キット。
29.プライマーの3’末端より3から5番目の少なくとも一つ以上の塩基が相補的でない塩基に置換されていることを特徴とする26〜28のいずれかのチトクロームP450遺伝子多型検出用キット。
30.次に示す1)〜10)からなる群より選ばれる少なくとも1種以上のプライマーセットを用いて遺伝子増幅反応を行い、チトクロームP450 3A4遺伝子及び/又は3A5遺伝子の多型を検出することを特徴とするチトクロームP450遺伝子多型検出用キット;
1)配列番号1,2及び/又は3に示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
2)配列番号4,5及び/又は6で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
3)配列番号7,8及び/又は9で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
4)配列番号10,11及び/又は12で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
5)配列番号13,14及び/又は15で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
6)配列番号16,17及び/又は18で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
7)配列番号19,20及び/又は21で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
8)配列番号22,23及び/又は24で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
9)配列番号25,26及び/又は27で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
10)配列番号28,29及び/又は30で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
31.1〜30のいずれかの遺伝子増幅反応が、PCR、NASBA、LCR、SDA、RCRおよびTMAよりなる群から選ばれる遺伝子増幅反応。
32.1〜30のいずれかの遺伝子増幅反応がPCRであり、該PCRに用いられるDNAポリメラーゼが3’エキソヌクレアーゼ活性を有することを特徴とする遺伝子増幅反応。
本発明により、チトクロームP450(CYP)の遺伝子多型を簡便にかつ再現性よく検出することが出来る。より具体的には、本発明の検出方法、プライマーセット及びそのキットの提供により、チトクロームP450(CYP)の3A4および3A5遺伝子の多型と薬物代謝の関係が明確になり、多型毎に薬剤の投与量などを的確に判断できるようになり、オーダーメイド医療に貢献できる。
本発明で、被験体から核酸試料を得、前記試料中で、チトクロームP450(CYP)の遺伝子多型を検出することによって、将来これらの多型と薬物との関連がより明らかになった際には薬の効き易さや副作用の出方など薬剤に対する反応性の個人差の指標および代謝能の変化を示すことで薬物治療の用量調整に関する重要な情報の一つを提供することが期待される。
アッセイのための試料は、患者の血液、組織から採取し、鋳型として用いるDNAは既知の方法により抽出すればよい。代表的なものとして、フェノール/クロロホルム抽出法(Biochimica et Biophysica acta 第72巻、第619〜629頁、1963年)、アルカリSDS法(Nucleic Acid Research 第7巻、第1513〜1523頁、1979年)等の液相で行う方法がある。また、核酸の単離に核酸結合用担体を用いる系としては、ガラス粒子とヨウ化ナトリウム溶液を使用する方法(Proc. Natl. Acad. USA 第76−2巻、第615〜619頁、1979年)、ハイドロキシアパタイトを用いる方法(特開昭63−263093号公報)等がある。その他の方法としてはシリカ粒子とカオトロピックイオンを用いた方法(J. Clinical Microbiology 第28−3巻、第495〜503頁、1990年、特開平2−289596号公報)が挙げられる。
本発明は、チトクロームP450(CYP)の遺伝子に存在する多型の中でCYP3A4に存在する*1B,*2,*5,*16,*17,*18,IV10+12の7多型とCYP3A5に存在する*3,*5,*6の3多型を検出するための方法およびそのキットである。この多型の名前付けは、チトクロームP450(CYP)の遺伝子に存在する多数の遺伝子多型を区別するために命名されており、その詳細な情報はthe Home Page of the Human Cytochrome P450 (CYP) Allele Nomenclature Committee (http://www.imm.ki.se/CYPalleles/default.htm)に基づいている。
また、それぞれの多型部位は、CYP3A4はGenBankの ACCESSION AF280107に基づいて説明するならば*1Bは61645番目、*2は77749番目、*5は77738番目、*16Aは77639番目、*17は77651番目、*18Aは82106番目に位置する。同様にCYP3A5はGenBankの ACCESSION AC005020に基づいて説明するならば*3Aは22893番目、*5は28859番目、*6は30597番目に位置する。
ここで、多型または多型核酸とは、野生または野生型核酸のうちの1つのヌクレオチドのみが点変異して他のヌクレオチドに置換されているものや、野生核酸配列の一部に挿入、欠失配列等を含む核酸配列のことである。
チトクロームP450(CYP)の遺伝子多型を、核酸配列を複製または増幅する方法を用いて検出してもよい。この場合の核酸増幅方法としては、PCR、NASBA(Nucleic acid sequence−based amplification method;Nature 第350巻、第91頁(1991))、LCR(国際公開89/12696号公報、特開平2−2934号公報)、SDA(Strand Displacement Amplification:Nucleic acid research 第20巻、第1691頁(1992))、RCR(国際公開90/1069号公報)、TMA(Transcription mediated amplification method;Journal of Clinical Microbiology 第31巻、第3270頁(1993))などが挙げられる。
なかでもPCR法は、試料核酸、4種類のデオキシヌクレオシド三リン酸、一対のプライマー及び耐熱性DNAポリメラーゼの存在下で、変性、アニーリング、伸長の3工程からなるサイクルを繰り返すことにより、上記一対のプライマーで挟まれる試料核酸の領域を指数関数的に増幅させる方法である。すなわち、変性工程で試料の核酸を変性し、続くアニーリング工程において各プライマーと、それぞれに相補的な一本鎖試料核酸上の領域とをハイブリダイズさせ、続く伸長工程で、各プライマーを起点としてDNAポリメラーゼの働きにより鋳型となる各一本鎖試料核酸に相補的なDNA鎖を伸長させ、二本鎖DNAとする。この1サイクルにより、1本の二本鎖DNAが2本の二本鎖DNAに増幅される。従って、このサイクルをn回繰り返せば、理論上上記一対のプライマーで挟まれた試料DNAの領域は2n倍に増幅される。増幅されたDNA領域は大量に存在するので、電気泳動等の方法により容易に検出できる。よって、遺伝子増幅法を用いれば、従来では検出不可能であった、極めて微量(1分子でも可)の試料核酸をも検出することが可能であり、最近非常に広く用いられている技術である。
上記のような核酸増幅法を利用した方法に本発明のプライマーを利用しても良い。本発明において、共通プライマーとは目的とする遺伝子の野生型配列および多型型配列の何れも増幅させることが可能な染色体またはその断片に相同又は相補的な配列を有するプライマーであって、野生型検出用プライマーとは通常の表現型を有している遺伝子多型部位を含む染色体又はその断片に相同又は相補的な配列を有するプライマーであって、多型検出用プライマーとは、野生型とは異なる配列を有している遺伝子多型部位を含む染色体又はその断片に相同又は相補的な配列を有するプライマー示す。共通プライマーをフォワードプライマーとして設計した場合には、野生型検出用プライマー及び/又は多型検出用プライマーはリバースプライマーとして設計し、共通プライマーをリバースプライマーとして設計した場合には、野生型検出用プライマー及び/又多型検出用プライマーはフォワードプライマーとして設計すればよい。
本発明に従って、チトクロームP450(CYP)の遺伝子多型を検出するための野生型検出用プライマーと多型検出用プライマーを設定することにより、これらの多型を簡便にかつ再現性よく検出することができる。好ましくは、配列番号3、6、9、12、15、18、21、24、27、30からなる群より選ばれた連続する少なくとも15塩基を含んだ1種以上の配列を多型検出用プライマー、配列番号2、5、8、11、14、17、20、23、26、29からなる群より選ばれた連続する少なくとも15塩基を含んだ1種以上の配列を野生用プライマー、配列番号1、4、7、10、13、16、19、22、25、28からなる群より選ばれた連続する少なくとも15塩基を含んだ1種以上の配列を野生型および変異型の共通のプライマーとして利用してよい。このとき、プライマーの配列には、多型部位が含まれるのがよい。多型部位とプライマーの組み合わせを表1に示す。好ましいくは配列番号1〜30の全配列に従ったプライマーを作製するとよい。
本発明に従い作製した野生型検出用プライマーを用いて試料核酸を伸長または増幅反応を行った場合、試料核酸が野生型であれば伸長反応または増幅反応が起きる。逆に、本発明に従い作製した多型検出用プライマーを用いて試料核酸を伸長または増幅反応を行った場合、試料核酸が多型であれば伸長反応または増幅反応が起きる。よって、その伸長反応産物または増幅反応産物を確認することにより、野生型と多型の判別が容易に行える。
上記設計方法で、チトクロームP450(CYP)の遺伝子に存在する多型の中でCYP3A4に存在する*1B,*2,*5,*16,*17,*18,IV10+12の7多型とCYP3A5に存在する*3,*5,*6の3多型を検出するには十分である。しかし、野生型検出用プライマー/多型核酸及び多型検出用プライマー/野生型核酸の組合せにおいて、プライマーの3’末端のみが鋳型核酸と非相補的(ミスマッチ)になっていると(すなわち、プライマーの3’末端が試料核酸の予想される多型部位に対応する)、これらの組合せにおいても反応が起こる場合がある。このような場合には、試料核酸が野生型か多型かを判別することが困難になる。
これは増幅反応によく用いられるサーマス・アクエティカス(Thermus aquaticus)由来のDNAポリメラーゼ等は3’エキソヌクレアーゼ活性を持たないため、増幅反応を行った場合、正確に鋳型配列の相補鎖を合成できなかった時もそのまま増幅反応を続けるため、増幅核酸断片に多型を含有する事がある。つまり3’末端にミスマッチがあっても反応が進んでしまうことになり、このような問題が起こると考えられている。
一方、伸長反応の正確性が優れているピロコッカス・エスピー(Pyrococcussp.)KOD1株もしくはハイパーサーモフィリック・アーカエバクテリウム(Hyperthermophilic archaebacterium)由来のDNAポリメラーゼは、3’エキソヌクレアーゼ活性を有するため3’末端にミスマッチがあった場合、そのヌクレアーゼ活性によりミスマッチ部分を切除した後伸長反応を続けるためこのような問題が起こると考えられる。
本発明では、このような問題を解決するための方法も提供する。本発明に従えば、上記組合せにおいてプライマーの3’末端から2番目のヌクレオチドが多型配列のヌクレオチドと対応するように設計してもよい。このように設計した場合野生型検出用プライマー/野生核酸及び多型検出用プライマー/多型核酸の組合せにおいて、プライマーは完全に一致する為反応は起こるが、野生型検出用プライマー/多型核酸及び多型検出用プライマー/野生型核酸の組合せにおいてはプライマーの3’末端より2番目の塩基がミスマッチしているため、特に3’エキソヌクレアーゼ活性を有するDNAポリメラーゼはミスマッチを認識するが、3’末端は相補的な為、エキソヌクレアーゼも働かず、またDNAポリメラーゼ反応も起こらないことが確認された。
さらに、ダブルミスマッチを利用した野生型検出用プライマー及び多型検出用プライマーを設計してもよい。すなわち3’末端から2番目の塩基は多型が予想されるヌクレオチドに対応する塩基配列であり、また3番目から5’末端までの塩基に相補的でないヌクレオチドを含むプライマーを用いることも可能である。これは3番目にミスマッチを用いた場合ミスマッチの認識が更に強くなり、また他の部分に用いた場合はプライマーの結合を妨げる効果が考えられる。
本発明の一つの実施形態として、一つの試料を二つに分け、一方は野生型検出用プライマーを用いて反応を行い、他方は多型検出用プライマーを用いて反応を行い、反応が起ったか否かを調べても良い。これにより、試料核酸が野生型であるか多型であるかを明確に知ることができる。さらに、本発明の他の一つの実施形態として、実施方法を簡便化する方法をも提供する。すなわち、配列番号1〜30の全配列に従ったプライマーを作製することにより、同一増幅条件で増幅反応が実施できる方法も開示する。
もちろん、本発明のプライマーは、一つの野生型および多型の共通のプライマーと、野生型または多型検出用プライマーをそれぞれ別個に用いて試料遺伝子を遺伝子増幅法に供してもよい。しかし、さらに操作を簡便化するために、好ましくは配列番号1〜30の全配列に従ったプライマーを用いれば、反応溶液とプライマーを含んだ複数の反応チューブは、一つの増幅装置で、同一の増幅条件で、同時に増幅操作を行っても良い。本発明の重要な発明の開示の一つとして、プライマー設計の巧みさがあげられる。従来、複数の増幅反応を行う場合、正確性、再現性に優れた増幅反応を行うためには、それぞれのプライマーセットの組み合わせに応じた増幅条件を設定する必要があった。正確性、再現性を重要視するならば、それぞれの増幅条件にあわせて少なくとも20台以上の増幅装置が必要となる。現実的には、妥協により2〜3の増幅条件に集約し、増幅反応を実施することになる。
本発明では、この問題を解決する方法も提供する。すなわち、プライマーの位置、Tm、プライマー長、増幅鎖長の検討により、同一増幅条件で正確性かつ再現性に優れたプライマー配列を見いだすに至った。好ましくは配列番号1〜30の全配列に従ったプライマーを用いれば良い。本発明に従えば、一つの増幅装置で複数箇所を同時に測定できるので、正確性、再現性に加えて簡便性も実現している。
本発明は、前述のように別個の反応チューブで増幅反応を実施しても良いが、前記性質を有しているので、必要により複数の共通のプライマーと複数の野生型検出用プライマーの混合物による遺伝子増幅、複数の共通のプライマーと複数の多型検出用プライマーの混合物による遺伝子増幅を別個に実施してもよい。また、必要により複数の共通のプライマーと複数の野生型検出用プライマーと複数の多型検出用プライマーの混合物による遺伝子増幅を行っても良い。
本発明の配列番号1〜30の全配列に従ったプライマーを用いる場合には、95℃・30秒、66℃・30秒、72℃・30秒の増幅サイクルを20〜50サイクル、好ましくは25〜45サイクル、更に好ましくは30〜40サイクルの条件で増幅反応を行っても良いが、これに限定されるものではない。
なお、プライマーが予め標識されていてもよい。該標識としては、ビオチン、蛍光物質、ハプテン、抗原、放射線物質、発光団、酵素、蛍光蛋白質、発光蛋白質、磁性体、導電性物質などを用いればよい。例えば、標識が蛍光化学物質または蛍光蛋白質の場合、特定波長の光を照射し蛍光化学物質または蛍光蛋白質を励起させ、基底状態に変換される際に生じる特定波長の蛍光量を測定することが可能である。これらに用いられる蛍光化学物質としては、FITC、FAM、TAMRA、TexasRed、VIC、Cy3、Cy5、HEX等が挙げられ、蛍光蛋白質としては、GFP、YFP、RFP等を挙げることができる。標識が酵素である場合、酵素の基質を添加することによって生成される反応生成物を検出することによって測定が可能である。これらに用いられる酵素と基質の組み合わせとしては、アルカリフォスファターゼとパラニトロフェニルリン酸、CDP-star、AMPPD、DDAOphospate、BCIP-NBT等の組み合わせ、パーオキシダーゼとTMB、Lumi-Light(ロッシュ・ダイアグノスティックス)、SAT-1(同仁化学)等の組み合わせ、ジアホラーゼとNTB等の組み合わせ、各種オキシダーゼと基質、各種デヒドロゲナーゼと基質の組み合わせ等、反応生成物が検出されるものであれば、これらに限定されることはなく用いることが可能である。標識が磁性体の場合、磁気を検出することによって測定が可能である。標識が導電性物質の場合、電流値を検出することによって測定が可能である。
本発明よって得られた増幅産物は、電気泳動や、増幅産物の核酸配列と相同あるいは相補的な塩基配列を備えたなプローブとのハイブリダイゼーションによって検出可能であるが、これに限定されるものではない。また、TaqManプローブ法のような5´ヌクレアーゼ活性を利用した蛍光標識プローブアッセイへの適用も可能である。
本発明よって得られた増幅産物をプローブで検出する場合には、標識プローブが好ましく使用される。標識プローブは新たに生成した配列に対してハイブリダイズするように設計されているので、既に存在している核酸の影響を受けることなく、伸長反応により新たに生成した伸長生成物を、効率よく検出することができる。プローブの標識としては、オリゴヌクレオチドプライマーの標識と同様のものが使用され、プライマーとプローブの両方を標識する場合には、異なる標識を好ましく使用できる。
蛍光色素で予め標識されたオリゴヌクレオチドプローブと、5´ヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼを利用したいわゆるTaqmanアッセイであれば、PCR反応と共に一塩基変異(多型)の検出が可能な試料を解析する上では極めて有効な方法である。あるいは、オリゴヌクレオチドプローブを用いた融解曲線解析を行なうことによっても、配列を特定することができる。他の方法としては、得られた核酸断片をSYBR(登録商標)GreenIやエチレンブロマイドなどのインターカレーターを用いて蛍光検出することも可能であり、電気泳動にて増幅断片を検出しても良い。
増幅産物を検出するためのプローブは、水不溶性担体に固定されていてもよい。水不溶性担体としては、合成高分子、生体高分子、金属、ガラスなどが例示される。すなわち、水不溶性担体に固定化されたプローブに予め1本鎖にされたPCR産物を添加することにより、担体上にPCR産物が結合される。結合されたPCR産物が予め標識されていれば、その標識を検出することによって、PCR産物の配列を特定することが可能である。
増幅産物を検出するためのプローブは、これらの水不溶性担体にアレイ状に配置し、DNAアレイとして用いてもよい。チトクロームP450(CYP)の3A4および3A5遺伝子の多型を調べるためのプローブ単独のDNAアレイを作成しても良い。また、他のCYPファミリー、サブファミリー、アイソフォームの多型を調べるためのプローブを含んでいても良い。これらのDNAアレイを用いることで、チトクロームP450(CYP)の多型と薬物代謝の関係を網羅的に解析することが可能となる。
本発明の別の態様として、プライマーの配列をプローブに使用することも可能である。例えば、多型異部分にプローブを作成し、該プローブと測定したい核酸配列を含む溶液とを混合しプローブと核酸配列のハイブリダイズの様子を解析することで判定できる。好ましくは、配列番号3、6、9、12、15、18、21、24、27、30からなる群より選ばれた連続する少なくとも15塩基を含んだ1種以上の配列を多型用プローブ、配列番号2、5、8、11、14、17、20、23、26、29からなる群より選ばれた連続する少なくとも15塩基を含んだ1種以上の配列を野生用プローブとし、例えば、TaqManプローブ法(Genome Res. 第6巻、第986頁(1996))などを用いて解析を実施してもよい。なお、プローブの配列には、多型部位が含まれるのが好ましい。また、本プローブは、前述のように水不溶性担体に固定されていてもよい。さらに、前述のように、水不溶性担体にアレイ状に配置してもよい。
本発明の方法、プライマーセット、およびキットによって、被験体から核酸試料を得、前記試料中で、チトクロームP450(CYP)の遺伝子多型を簡便かつ再現性よく検出することが可能となる。従って、これらの多型と薬物代謝との関連性を明確化するツールを提供できるようになった。さらには、薬の効き易さや副作用の出方など薬物に対する反応性の個人差および代謝能の変化を示す指標を提供することが出来る。これにより薬物治療の用量調整に関する重要な情報を迅速に提供することができる。
以下、実施例に基づき本発明をより具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
実施例1 チトクロームP450遺伝子多型(CYP3A4*1B)の検出
(1)CYP3A4*1Bを検出するオリゴヌクレオチドの合成
パーキンエルマー社製DNAシンセサイザー392型を用いて、ホスホアミダイト法にて、配列番号1〜3に示される塩基配列を含むオリゴヌクレオチド(以下、オリゴ1〜3と示す)を合成した。合成はマニュアルに従い、各種オリゴヌクレオチドの脱保護はアンモニア水で55℃、一夜実施した。オリゴヌクレオチドの精製はパーキンエルマー社OPCカラムにて実施した。もしくはDNA合成受託会社((株)日本バイオサービス、プロリゴ・ジャパン(株)、オペロン バイオテクノロジー(株)等)に依頼した。
オリゴ1 5’- CAG GGA ATA AGA CTA GAC TAT GCC C -3’
オリゴ2 5’- GCA TAA AAT CTA TTA AAT CGC CTC TCT ATT -3’
オリゴ3 5’- AAA ATC TAT TAA ATC GCC TCT CTG CT -3’
オリゴ1はCYP3A4*1Bを検出するためのものである。このオリゴは野生型、多型何れも増幅することが可能なオリゴである。なお、オリゴは必要により標識して使用される。
オリゴ2および3はCYP3A4*1Bの多型を検出するためのものである。
オリゴ2は多型部位が(A)のヌクレオチド配列である場合に検出可能なオリゴヌクレオチドで3’末端から2番目に (A)のヌクレオチド配列、および3番目に人為的ミスマッチを有し、オリゴ3は多型部位が(G)のヌクレオチド配列である場合に検出可能なオリゴヌクレオチドで3’末端から2番目に多型(G)のヌクレオチド配列、および3番目に人為的ミスマッチを有し、これらはオリゴ1と組み合わせて増幅反応のオリゴヌクレオチドとして使用される。なお、これらのオリゴは必要により標識して使用される。
また、本実施例での、オリゴ2および3の各オリゴヌクレオチドは3’末端から3番目に人為的ミスマッチを導入したが、ミスマッチの位置はこれに限定されるものではない。さらにはこれ以外に数カ所(1〜5箇所程度でプライマーの全体長による(特に5’末端))のミスマッチが導入されていても良い。
さらに、オリゴ1からオリゴ3の各オリゴヌクレオチドは伸長反応の有無を検出するのに適当な長さ等を基準に決めたものであって、対象となる遺伝子の適当な部分に対応するものであれば、本実施例の配列に限定されるものではない。
(2)チトクロームP450遺伝子多型(CYP3A4*1B)の解析
<1>PCR法による増幅反応
ヒト白血球からフェノール・クロロフォルム法により抽出したDNA溶液をサンプルとして使用して、下記試薬を添加して、下記条件によりチトクロームP450遺伝子多型CYP3A4*1Bを解析した。なお、反応は反応液a、bとも同じ条件で同時に行った。
試薬
以下の試薬を含む25μl溶液を2種類調製した。
Taq DNAポリメラーゼ反応液a
オリゴ1 5 pmol
オリゴ2 5 pmol
×10緩衝液 2.5 μl
2mM dNTP 2.5 μl
25 mM MgCl3.8 μl
Taq DNAポリメラーゼ 1.25 U
抽出DNA溶液 20 ng
Taq DNAポリメラーゼ反応液b
オリゴ1 5 pmol
オリゴ3 5 pmol
×10緩衝液 2.5 μl
2mM dNTP 2.5 μl
25 mM MgCl3.3 μl
Taq DNAポリメラーゼ 1.25 U
抽出DNA溶液 20 ng
増幅条件(aおよびb)
95℃・5分
95℃・30秒、66℃・30秒、72℃、30秒(35サイクル)
72℃・2分。
<2>ポリアクリルアミドゲル電気泳動による検出
<1>のa,bそれぞれの増幅反応液5μlを5%ポリアクリルアミドゲルにアプライしATTO社電気泳動装置で100V-30分間電気泳動を行った。結果は図1に示す。
<3>核酸特異的結合物質による検出
<1>のa,bそれぞれの増幅反応液3μlを30000倍に希釈されたSYBR(登録商標)GreenI(Invitrogen社製)の溶液100μlに加えて、室温にて攪拌後に暗室中で蛍光プレートリーダー(大日本製薬社製)で蛍光強度量を測定した。所要時間は約15分であった。
得られた蛍光強度から、以下の計算式を用いて試料の蛍光強度量を算出した。算出した値より良好な型分け性能が得られていることが確認できた。以上によりオリゴ1〜3を用いることで容易且つ迅速にCYP3A4*1Bの多型を判定することが出来た。結果を表2に示す。試料の蛍光強度FLは、下記の式によって求めた。表中、Aを検出するプライマーセットを用いたときに得られる蛍光強度をFL(A)、Gを検出するプライマーセットを用いたとき得られる蛍光強度をFL(G)で示し、判定したタイプをType欄に示した。P.C.(A)はAのホモのポジティブコントロール、P.C.(A/G)はAとGのへテロのポジティブコントロール、P.C.(G)はGのホモのポジティブコントロールを示す。
FL=FLs-FLb (式1)
FLb:Negative Control (試料が未添加)の蛍光強度
FLs:各試料の蛍光強度
実施例2 チトクロームP450遺伝子多型(CYP3A4*2)の検出
(1)CYP3A4*2を検出するオリゴヌクレオチドの合成
パーキンエルマー社製DNAシンセサイザー392型を用いて、ホスホアミダイト法にて、配列番号4〜6に示される塩基配列を含むオリゴヌクレオチド(以下、オリゴ4〜6と示す)を合成した。合成はマニュアルに従い、各種オリゴヌクレオチドの脱保護はアンモニア水で55℃、一夜実施した。オリゴヌクレオチドの精製はパーキンエルマー社OPCカラムにて実施した。もしくはDNA合成受託会社((株)日本バイオサービス、プロリゴ・ジャパン(株)、オペロン バイオテクノロジー(株)等)に依頼した。
オリゴ4 5’- ATT AGT GGT TGC ATA TGA TGA CAG G -3’
オリゴ5 5’- ATT TTT TGG ATC CAT TCT TTC TGT C -3’
オリゴ6 5’- ATT TTT TGG ATC CAT TCT TTC TAC C -3’
オリゴ4はCYP3A4*2を検出するためのものである。このオリゴは野生型、多型何れも増幅することが可能なオリゴである。なお、オリゴは必要により標識して使用される。
オリゴ5および6はCYP3A4*2の多型を検出するためのものである。
オリゴ5は多型部位が(T)のヌクレオチド配列である場合に検出可能なオリゴヌクレオチドで3’末端から2番目に (T)のヌクレオチド配列、および3番目に人為的ミスマッチを有し、オリゴ6は多型部位が(C)のヌクレオチド配列である場合に検出可能なオリゴヌクレオチドで3’末端から2番目に多型(C)のヌクレオチド配列、および3番目に人為的ミスマッチを有し、これらはオリゴ4と組み合わせて増幅反応のオリゴヌクレオチドとして使用される。なお、これらのオリゴは必要により標識して使用される。
また、本実施例での、オリゴ5および6の各オリゴヌクレオチドは3’末端から3番目に人為的ミスマッチを導入したが、ミスマッチの位置はこれに限定されるものではない。さらにはこれ以外に数カ所(1〜5箇所程度でプライマーの全体長による(特に5’末端))のミスマッチが導入されていても良い。
さらに、オリゴ4からオリゴ6の各オリゴヌクレオチドは伸長反応の有無を検出するのに適当な長さ等を基準に決めたものであって、対象となる遺伝子の適当な部分に対応するものであれば、本実施例の配列に限定されるものではない。
(2)チトクロームP450遺伝子多型(CYP3A4*2)の解析
<1>PCR法による増幅反応
ヒト白血球からフェノール・クロロフォルム法により抽出したDNA溶液をサンプルとして使用して、下記試薬を添加して、下記条件によりチトクロームP450遺伝子多型CYP3A4*2を解析した。なお、反応は反応液c、dとも同じ条件で同時に行った。
試薬
以下の試薬を含む25μl溶液を2種類調製した。
Taq DNAポリメラーゼ反応液c
オリゴ4 5 pmol
オリゴ5 5 pmol
×10緩衝液 2.5 μl
2mM dNTP 2.5 μl
25 mM MgCl4.7 μl
Taq DNAポリメラーゼ 1.25 U
抽出DNA溶液 20 ng
Taq DNAポリメラーゼ反応液d
オリゴ4 5 pmol
オリゴ6 5 pmol
×10緩衝液 2.5 μl
2mM dNTP 2.5 μl
25 mM MgCl5.0 μl
Taq DNAポリメラーゼ 1.25 U
抽出DNA溶液 20 ng
増幅条件(aおよびb)
95℃・5分
95℃・30秒、66℃・30秒、72℃、30秒(35サイクル)
72℃・2分。
<2>ポリアクリルアミドゲル電気泳動による検出
<1>のc,dそれぞれの増幅反応液5μlを5%ポリアクリルアミドゲルにアプライしATTO社電気泳動装置で100V-30分間電気泳動を行った。結果は図2に示す。
<3>核酸特異的結合物質による検出
<1>のc,dそれぞれの増幅反応液3μlを30000倍に希釈されたSYBR(登録商標)GreenI(Invitrogen社製)の溶液100μlに加えて、室温にて攪拌後に暗室中で蛍光プレートリーダー(大日本製薬社製)で蛍光強度量を測定した。所要時間は約15分であった。
得られた蛍光強度から、以下の計算式を用いて試料の蛍光強度量を算出した。算出した値より良好な型分け性能が得られていることが確認できた。以上によりオリゴ4〜6を用いることで容易且つ迅速にCYP3A4*2の多型を判定することが出来た。結果を表3に示す。試料の蛍光強度FLは、下記の式によって求めた。表中、Tを検出するプライマーセットを用いたときに得られる蛍光強度をFL(T)、Cを検出するプライマーセットを用いたとき得られる蛍光強度をFL(C)で示し、判定したタイプをType欄に示した。P.C.(T)はTのホモのポジティブコントロール、P.C.(T/C)はTとCのへテロのポジティブコントロール、P.C.(C)はCのホモのポジティブコントロールを示す。
FL=FLs-FLb (式1)
FLb:Negative Control (試料が未添加)の蛍光強度
FLs:各試料の蛍光強度
実施例3 チトクロームP450遺伝子多型(CYP3A5*3C)の検出
(1)CYP3A5*3Cを検出するオリゴヌクレオチドの合成
パーキンエルマー社製DNAシンセサイザー392型を用いて、ホスホアミダイト法にて、配列番号7〜9に示される塩基配列を含むオリゴヌクレオチド(以下、オリゴ7〜9と示す)を合成した。合成はマニュアルに従い、各種オリゴヌクレオチドの脱保護はアンモニア水で55℃、一夜実施した。オリゴヌクレオチドの精製はパーキンエルマー社OPCカラムにて実施した。もしくはDNA合成受託会社((株)日本バイオサービス、プロリゴ・ジャパン(株)、オペロン バイオテクノロジー(株)等)に依頼した。
オリゴ7 5’- GCA ACA TGA CTT AGT AGA CAG ATG ACA CAG -3’
オリゴ8 5’- GGT CCA AAC AGG GAA GAG ATi TT -3’
オリゴ9 5’- GGT CCA AAC AGG GAA GAG ATi CT -3’
オリゴ7はCYP3A5*3Cを検出するためのものである。このオリゴは野生型、多型何れも増幅することが可能なオリゴである。なお、オリゴは必要により標識して使用される。
オリゴ8および9はCYP3A5*3Cの多型を検出するためのものである。
オリゴ8は多型部位が(A)のヌクレオチド配列である場合に検出可能なオリゴヌクレオチドで3’末端から2番目に (A)のヌクレオチド配列、および3番目に人為的ミスマッチを有し、オリゴ9は多型部位が(G)のヌクレオチド配列である場合に検出可能なオリゴヌクレオチドで3’末端から2番目に多型(G)のヌクレオチド配列、および3番目に人為的ミスマッチを有し、これらはオリゴ7と組み合わせて増幅反応のオリゴヌクレオチドとして使用される。なお、これらのオリゴは必要により標識して使用される。
また、本実施例での、オリゴ8および9の各オリゴヌクレオチドは3’末端から3番目に人為的ミスマッチを導入したが、ミスマッチの位置はこれに限定されるものではない。なた人為的ミスマッチはイノシンを導入したが、これに限定されるものではない。さらにはこれ以外に数カ所(1〜5箇所程度でプライマーの全体長による(特に5’末端))のミスマッチが導入されていても良い。
さらに、オリゴ7からオリゴ9の各オリゴヌクレオチドは伸長反応の有無を検出するのに適当な長さ等を基準に決めたものであって、対象となる遺伝子の適当な部分に対応するものであれば、本実施例の配列に限定されるものではない。
(2)チトクロームP450遺伝子多型(CYP3A5*3C)の解析
<1>PCR法による増幅反応
ヒト白血球からフェノール・クロロフォルム法により抽出したDNA溶液をサンプルとして使用して、下記試薬を添加して、下記条件によりチトクロームP450遺伝子多型CYP3A5*3Cを解析した。なお、反応は反応液e、fとも同じ条件で同時に行った。
試薬
以下の試薬を含む25μl溶液を2種類調製した。
Taq DNAポリメラーゼ反応液e
オリゴ7 2.5 pmol
オリゴ8 5 pmol
×10緩衝液 2.5 μl
2mM dNTP 2.5 μl
25 mM MgCl2.8 μl
Taq DNAポリメラーゼ 1.25 U
抽出DNA溶液 20 ng
Taq DNAポリメラーゼ反応液f
オリゴ7 2.5 pmol
オリゴ9 5 pmol
×10緩衝液 2.5 μl
2mM dNTP 2.5 μl
25 mM MgCl2.3 μl
Taq DNAポリメラーゼ 1.25 U
抽出DNA溶液 20 ng
増幅条件(aおよびb)
95℃・5分
95℃・30秒、66℃・30秒、72℃、30秒(35サイクル)
72℃・2分。
<2>ポリアクリルアミドゲル電気泳動による検出
<1>のe,fそれぞれの増幅反応液5μlを5%ポリアクリルアミドゲルにアプライしATTO社電気泳動装置で100V-30分間電気泳動を行った。結果は図3に示す。
<3>核酸特異的結合物質による検出
<1>のe,fそれぞれの増幅反応液3μlを30000倍に希釈されたSYBR(登録商標)GreenI(Invitrogen社製)の溶液100μlに加えて、室温にて攪拌後に暗室中で蛍光プレートリーダー(大日本製薬社製)で蛍光強度量を測定した。所要時間は約15分であった。
得られた蛍光強度から、以下の計算式を用いて試料の蛍光強度量を算出した。算出した値より良好な型分け性能が得られていることが確認できた。以上によりオリゴ7〜9を用いることで容易且つ迅速にCYP3A5*3Cの多型を判定することが出来た。結果を表4に示す。試料の蛍光強度FLは、下記の式によって求めた。表中、Aを検出するプライマーセットを用いたときに得られる蛍光強度をFL(A)、Gを検出するプライマーセットを用いたとき得られる蛍光強度をFL(G)で示し、判定したタイプをType欄に示した。P.C.(A)はAのホモのポジティブコントロール、P.C.(A/G)はAとGのへテロのポジティブコントロール、P.C.(G)はGのホモのポジティブコントロールを示す。
FL=FLs-FLb (式1)
FLb:Negative Control (試料が未添加)の蛍光強度
FLs:各試料の蛍光強度
実施例4 チトクロームP450遺伝子多型(CYP3A4*5,*16A,*17,*18A,IVS10+12)の検出
(1)CYP3A4*5,*16A,*17,*18,IVS10+12検出用オリゴヌクレオチドの合成
パーキンエルマー社製DNAシンセサイザー392型を用いて、ホスホアミダイト法にて、配列番号10〜24に示される塩基配列を含むオリゴヌクレオチド(以下、オリゴ10〜24と示す)を合成した。合成はマニュアルに従い、各種オリゴヌクレオチドの脱保護はアンモニア水で55℃、一夜実施した。オリゴヌクレオチドの精製はパーキンエルマー社OPCカラムにて実施した。もしくはDNA合成受託会社((株)日本バイオサービス、プロリゴ・ジャパン(株)、オペロン バイオテクノロジー(株)等)に依頼した。
オリゴ10 5’- GTG ATA GAA GGT GAT CTA GTA GAT CTG AAA -3’
オリゴ11 5’- CCA CAT ACT TAT TGA GAG AAA GAA GGG -3’
オリゴ12 5’- TCC ACA TAC TTA TTG AGA GAA AGA AAC G -3’

オリゴ13 5’- TTT GTG ACA GGG GGC TGA TAG -3’
オリゴ14 5’- CCT ACA GCA TGG ATG TGA TCT CT -3’
オリゴ15 5’- TAC AGC ATG GAT GTG ATC GGT -3’

オリゴ16 5’- TTG ATC TCA GAG GTA GGT CTA ATT CAG -3’
オリゴ17 5’- GAG AGT CGA TGT TCA CTC CGA A -3’
オリゴ18 5’- AGA GTC GAT GTT CAC TCC GGA -3’

オリゴ19 5’- AAC CAG AGC CAG CAC GTT TTA C -3’
オリゴ20 5’- CTT TCA GCT CTG TCC GAT GTG -3’
オリゴ21 5’- CTT TCA GCT CTG TCC GAT ACG -3’

オリゴ22 5’- GTG GAT ACA GCT AAG GGG ACA T -3’
オリゴ23 5’- TTT ACC CAA TAA GGT GAG TGG ATA GT -3’
オリゴ24 5’- TTT ACC CAA TAA GGT GAG TGG ATA AT -3’
オリゴ10はCYP3A4*5を検出するためのものである。またオリゴ13、16,19,22はそれぞれCYP3A4*16A、*17、*18A、IVS10+12を検出するためのものである。これらのオリゴは野生型、多型何れも増幅することが可能なオリゴである。なお、オリゴは必要により標識して使用される。
オリゴ11および12はCYP3A4*5の多型を検出するためのものである。
オリゴ11は多型部位が(C)のヌクレオチド配列である場合に検出可能なオリゴヌクレオチドで3’末端から2番目に (C)のヌクレオチド配列、および3番目に人為的ミスマッチを有し、オリゴ12は多型部位が(G)のヌクレオチド配列である場合に検出可能なオリゴヌクレオチドで3’末端から2番目に多型(G)のヌクレオチド配列、および3番目に人為的ミスマッチを有し、これらはオリゴ10と組み合わせて増幅反応のオリゴヌクレオチドとして使用される。
オリゴ14および15はCYP3A4*16Aの多型を検出するためのものである。
オリゴ14は多型部位が(C)のヌクレオチド配列である場合に検出可能なオリゴヌクレオチドで3’末端から2番目に (C)のヌクレオチド配列、および3番目に人為的ミスマッチを有し、オリゴ15は多型部位が(G)のヌクレオチド配列である場合に検出可能なオリゴヌクレオチドで3’末端から2番目に多型(G)のヌクレオチド配列、および3番目に人為的ミスマッチを有し、これらはオリゴ13と組み合わせて増幅反応のオリゴヌクレオチドとして使用される。
オリゴ17および18はCYP3A4*17の多型を検出するためのものである。
オリゴ17は多型部位が(T)のヌクレオチド配列である場合に検出可能なオリゴヌクレオチドで3’末端から2番目に (T)のヌクレオチド配列、および3番目に人為的ミスマッチを有し、オリゴ18は多型部位が(C)のヌクレオチド配列である場合に検出可能なオリゴヌクレオチドで3’末端から2番目に多型(C)のヌクレオチド配列、および3番目に人為的ミスマッチを有し、これらはオリゴ16と組み合わせて増幅反応のオリゴヌクレオチドとして使用される。
オリゴ20および21はCYP3A4*18Aの多型を検出するためのものである。
オリゴ20は多型部位が(T)のヌクレオチド配列である場合に検出可能なオリゴヌクレオチドで3’末端から2番目に (T)のヌクレオチド配列、および3番目に人為的ミスマッチを有し、オリゴ21は多型部位が(C)のヌクレオチド配列である場合に検出可能なオリゴヌクレオチドで3’末端から2番目に多型(C)のヌクレオチド配列、および3番目に人為的ミスマッチを有し、これらはオリゴ19と組み合わせて増幅反応のオリゴヌクレオチドとして使用される。なお、これらのオリゴは必要により標識して使用される。
オリゴ23および24はCYP3A4 IVS10+12の多型を検出するためのものである。
オリゴ23は多型部位が(G)のヌクレオチド配列である場合に検出可能なオリゴヌクレオチドで3’末端から2番目に (G)のヌクレオチド配列、および3番目に人為的ミスマッチを有し、オリゴ24は多型部位が(A)のヌクレオチド配列である場合に検出可能なオリゴヌクレオチドで3’末端から2番目に多型(A)のヌクレオチド配列、および3番目に人為的ミスマッチを有し、これらはオリゴ22と組み合わせて増幅反応のオリゴヌクレオチドとして使用される。なお、これらのオリゴは必要により標識して使用される。
また、本実施例での、オリゴ11,12,14,15,17,18,20,21,23,24の各オリゴヌクレオチドは3’末端から3番目に人為的ミスマッチを導入したが、ミスマッチの位置はこれに限定されるものではない。さらにはこれ以外に数カ所(1〜5箇所程度でプライマーの全体長による(特に5’末端))のミスマッチが導入されていても良い。
さらに、本実施例の各オリゴヌクレオチドは伸長反応の有無を検出するのに適当な長さ等を基準に決めたものであって、対象となる遺伝子の適当な部分に対応するものであれば、本実施例の配列に限定されるものではない。
(2)CYP3A4*5,*16A,*17,*18A,IVS10+12検出用オリゴヌクレオチドの解析
<1>PCR法による増幅反応
ヒト白血球からフェノール・クロロフォルム法により抽出したDNA溶液をサンプルとして使用して、下記試薬を添加して、下記条件によりチトクロームP450遺伝子多型CYP3A4*5,*16A,*17,*18A,IVS10+12を解析した。
試薬
CYP3A4*5検出用として以下の試薬を含む25μl溶液を2種類調製した。
Taq DNAポリメラーゼ反応液g
オリゴ10 10 pmol
オリゴ11 5 pmol
×10緩衝液 2.5 μl
2mM dNTP 2.5 μl
25 mM MgCl4.3 μl
Taq DNAポリメラーゼ 1.25 U
抽出DNA溶液 20 ng
Taq DNAポリメラーゼ反応液h
オリゴ10 10 pmol
オリゴ12 5 pmol
×10緩衝液 2.5 μl
2mM dNTP 2.5 μl
25 mM MgCl4.3 μl
Taq DNAポリメラーゼ 1.25 U
抽出DNA溶液 20 ng
試薬
CYP3A4*16A検出用として以下の試薬を含む25μl溶液を2種類調製した。
Taq DNAポリメラーゼ反応液i
オリゴ13 5pmol
オリゴ14 5 pmol
×10緩衝液 2.5 μl
2mM dNTP 2.5 μl
25 mM MgCl4.0 μl
Taq DNAポリメラーゼ 1.25 U
抽出DNA溶液 20 ng
Taq DNAポリメラーゼ反応液j
オリゴ13 5 pmol
オリゴ15 5 pmol
×10緩衝液 2.5 μl
2mM dNTP 2.5 μl
25 mM MgCl4.0 μl
Taq DNAポリメラーゼ 1.25 U
抽出DNA溶液 20 ng
試薬
CYP3A4*17検出用として以下の試薬を含む25μl溶液を2種類調製した。
Taq DNAポリメラーゼ反応液k
オリゴ16 2.5pmol
オリゴ17 10 pmol
×10緩衝液 2.5 μl
2mM dNTP 2.5 μl
25 mM MgCl3.5 μl
Taq DNAポリメラーゼ 1.25 U
抽出DNA溶液 20 ng
Taq DNAポリメラーゼ反応液l
オリゴ16 2.5 pmol
オリゴ18 10 pmol
×10緩衝液 2.5 μl
2mM dNTP 2.5 μl
25 mM MgCl3.0 μl
Taq DNAポリメラーゼ 1.25 U
抽出DNA溶液 20 ng
試薬
CYP3A4*18A検出用として以下の試薬を含む25μl溶液を2種類調製した。
Taq DNAポリメラーゼ反応液m
オリゴ19 5pmol
オリゴ20 5 pmol
×10緩衝液 2.5 μl
2mM dNTP 2.5 μl
25 mM MgCl2.8 μl
Taq DNAポリメラーゼ 1.25 U
抽出DNA溶液 20 ng
Taq DNAポリメラーゼ反応液n
オリゴ19 5 pmol
オリゴ21 5 pmol
×10緩衝液 2.5 μl
2mM dNTP 2.5 μl
25 mM MgCl2.8 μl
Taq DNAポリメラーゼ 1.25 U
抽出DNA溶液 20 ng
試薬
CYP3A4 IVS10+12検出用として以下の試薬を含む25μl溶液を2種類調製した。
Taq DNAポリメラーゼ反応液o
オリゴ22 5pmol
オリゴ23 5 pmol
×10緩衝液 2.5 μl
2mM dNTP 2.5 μl
25 mM MgCl3.3 μl
Taq DNAポリメラーゼ 1.25 U
抽出DNA溶液 20 ng
Taq DNAポリメラーゼ反応液p
オリゴ22 5 pmol
オリゴ24 5 pmol
×10緩衝液 2.5 μl
2mM dNTP 2.5 μl
25 mM MgCl3.8 μl
Taq DNAポリメラーゼ 1.25 U
抽出DNA溶液 20 ng
g〜pそれぞれの反応溶液を下記の同一増幅条件にてPCRを行った。
増幅条件(g〜p)
95℃・5分
95℃・30秒、66℃・30秒、72℃、30秒(35サイクル)
72℃・2分。
<2>核酸特異的結合物質による検出
<1>のg〜pそれぞれの増幅反応液3μlを30000倍に希釈されたSYBR(登録商標)GreenI(Invitrogen社製)の溶液100μlに加えて、室温にて攪拌後に暗室中で蛍光プレートリーダー(大日本製薬社製)で蛍光強度量を測定した。所要時間は約15分であった。
得られた蛍光強度から、以下の計算式を用いて試料の蛍光強度量を算出した。算出した値より良好な型分け性能が得られていることが確認できた。以上によりオリゴ10〜21を用いることで容易且つ迅速にチトクロームP450遺伝子多型(CYP3A4*5,*16A,*17,*18A、IV10+12)を判定することが出来た。結果を表5,6,7,8,9に示す。試料の蛍光強度FLは、下記の式によって求めた。表中、Aを検出するプライマーセットを用いたときに得られる蛍光強度をFL(A)、Gを検出するプライマーセットを用いたとき得られる蛍光強度をFL(G)、Tを検出するプライマーセットを用いたときに得られる蛍光強度をFL(T)、Cを検出するプライマーセットを用いたとき得られる蛍光強度をFL(C)で示し、判定したタイプをType欄に示した。P.C.(C)はCのホモのポジティブコントロール、P.C.(C/G)はCとGのへテロのポジティブコントロール、P.C.(G)はGのホモのポジティブコントロール、P.C.(T)はTのホモのポジティブコントロール、P.C.(T/C)はTとCのへテロのポジティブコントロール、P.C.(G/A)はGとAのへテロのポジティブコントロール、P.C.(A)はAのホモのポジティブコントロールを示す。
FL=FLs-FLb (式1)
FLb:Negative Control (試料が未添加)の蛍光強度
FLs:各試料の蛍光強度
実施例5 チトクロームP450遺伝子多型(CYP3A5*5,*6)の検出
(1)CYP3A5*5,*6検出用オリゴヌクレオチドの合成
パーキンエルマー社製DNAシンセサイザー392型を用いて、ホスホアミダイト法にて、配列番号25〜30に示される塩基配列を含むオリゴヌクレオチド(以下、オリゴ25〜30と示す)を合成した。合成はマニュアルに従い、各種オリゴヌクレオチドの脱保護はアンモニア水で55℃、一夜実施した。オリゴヌクレオチドの精製はパーキンエルマー社OPCカラムにて実施した。もしくはDNA合成受託会社((株)日本バイオサービス、プロリゴ・ジャパン(株)、オペロン バイオテクノロジー(株)等)に依頼した。
オリゴ25 5’- ACA AAA CAG ATC AGT ACC TGT AGT TAA ATG -3’
オリゴ26 5’- CCA GCG GAA AAC TCA AGG AGA TA -3’
オリゴ27 5’- CAG CGG AAA ACT CAA GGA GAC A -3’

オリゴ28 5’- GTG GGG TGT TGA CAG CTA AAG -3’
オリゴ29 5’- CCT TTG TGG AGA GCA CTA TGA -3’
オリゴ30 5’- CCT TTG TGG AGA GCA CTA CAA -3’
オリゴ25はCYP3A5*5を検出するためのものである。またオリゴ28はCYP3A5*6を検出するためのものである。これらのオリゴは野生型、多型何れも増幅することが可能なオリゴである。なお、オリゴは必要により標識して使用される。
オリゴ26および27はCYP3A5*5の多型を検出するためのものである。
オリゴ26は多型部位が(T)のヌクレオチド配列である場合に検出可能なオリゴヌクレオチドで3’末端から2番目に (T)のヌクレオチド配列、および3番目に人為的ミスマッチを有し、オリゴ27は多型部位が(C)のヌクレオチド配列である場合に検出可能なオリゴヌクレオチドで3’末端から2番目に多型(C)のヌクレオチド配列、および3番目に人為的ミスマッチを有し、これらはオリゴ25と組み合わせて増幅反応のオリゴヌクレオチドとして使用される。
オリゴ29および30はCYP3A5*6の多型を検出するためのものである。
オリゴ29は多型部位が(G)のヌクレオチド配列である場合に検出可能なオリゴヌクレオチドで3’末端から2番目に (G)のヌクレオチド配列、および3番目に人為的ミスマッチを有し、オリゴ30は多型部位が(A)のヌクレオチド配列である場合に検出可能なオリゴヌクレオチドで3’末端から2番目に多型(A)のヌクレオチド配列、および3番目に人為的ミスマッチを有し、これらはオリゴ28と組み合わせて増幅反応のオリゴヌクレオチドとして使用される。
また、本実施例での、オリゴ26、27、29、30の各オリゴヌクレオチドは3’末端から3番目に人為的ミスマッチを導入したが、ミスマッチの位置はこれに限定されるものではない。さらにはこれ以外に数カ所(1〜5箇所程度でプライマーの全体長による(特に5’末端))のミスマッチが導入されていても良い。
さらに、本実施例のの各オリゴヌクレオチドは伸長反応の有無を検出するのに適当な長さ等を基準に決めたものであって、対象となる遺伝子の適当な部分に対応するものであれば、本実施例の配列に限定されるものではない。
(2)CYP3A5*5,*6検出用オリゴヌクレオチドの解析
<1>PCR法による増幅反応
ヒト白血球からフェノール・クロロフォルム法により抽出したDNA溶液をサンプルとして使用して、下記試薬を添加して、下記条件によりチトクロームP450遺伝子多型CYP3A5*5,*6を解析した。
試薬
CYP3A5*5検出用として以下の試薬を含む25μl溶液を2種類調製した。
Taq DNAポリメラーゼ反応液q
オリゴ25 12 pmol
オリゴ26 4.5 pmol
×10緩衝液 2.5 μl
2mM dNTP 2.5 μl
25 mM MgCl2.3 μl
Taq DNAポリメラーゼ 1.25 U
抽出DNA溶液 20 ng
Taq DNAポリメラーゼ反応液r
オリゴ25 12pmol
オリゴ27 2.0 pmol
×10緩衝液 2.5 μl
2mM dNTP 2.5 μl
25 mM MgCl2.3 μl
Taq DNAポリメラーゼ 1.25 U
抽出DNA溶液 20 ng
試薬
CYP3A5*6検出用として以下の試薬を含む25μl溶液を2種類調製した。
Taq DNAポリメラーゼ反応液s
オリゴ28 2.5pmol
オリゴ29 5 pmol
×10緩衝液 2.5 μl
2mM dNTP 2.5 μl
25 mM MgCl3.8 μl
Taq DNAポリメラーゼ 1.25 U
抽出DNA溶液 20 ng
Taq DNAポリメラーゼ反応液t
オリゴ28 2.5 pmol
オリゴ30 5 pmol
×10緩衝液 2.5 μl
2mM dNTP 2.5 μl
25 mM MgCl3.8 μl
Taq DNAポリメラーゼ 1.25 U
抽出DNA溶液 20 ng
q〜tそれぞれの反応溶液を下記の同一増幅条件にてPCRを行った。
増幅条件(q〜t)
95℃・5分
95℃・30秒、66℃・30秒、72℃、30秒(35サイクル)
72℃・2分。
<2>核酸特異的結合物質による検出
<1>のo〜rそれぞれの増幅反応液3μlを30000倍に希釈されたSYBR(登録商標)GreenI(Invitrogen社製)の溶液100μlに加えて、室温にて攪拌後に暗室中で蛍光プレートリーダー(大日本製薬社製)で蛍光強度量を測定した。所要時間は約15分であった。
得られた蛍光強度から、以下の計算式を用いて試料の蛍光強度量を算出した。算出した値より良好な型分け性能が得られていることが確認できた。以上によりオリゴ25〜30を用いることで容易且つ迅速にチトクロームP450遺伝子多型(CYP3A5*5,*6)を判定することが出来た。結果を表10,11に示す。試料の蛍光強度FLは、下記の式によって求めた。表中、Tを検出するプライマーセットを用いたときに得られる蛍光強度をFL(T)、Cを検出するプライマーセットを用いたとき得られる蛍光強度をFL(C)、 Gを検出するプライマーセットを用いたとき得られる蛍光強度をFL(G)、Aを検出するプライマーセットを用いたときに得られる蛍光強度をFL(A)で示し、判定したタイプをType欄に示した。P.C.(T)はTのホモのポジティブコントロール、P.C.(T/C)はTとCのへテロのポジティブコントロール、P.C.(C)はCのホモのポジティブコントロール、P.C.(G)はGのホモのポジティブコントロール、P.C.(G/A)はGとAのへテロのポジティブコントロール、P.C.(A)はAのホモのポジティブコントロールを示す。
FL=FLs-FLb (式1)
FLb:Negative Control (試料が未添加)の蛍光強度
FLs:各試料の蛍光強度
本発明により、被験体から核酸試料を得、前記試料中で、チトクロームP450(CYP)の遺伝子多型を簡便でかつ再現性が高い結果が得られるようになり、これらの多型に関連のある薬物使用の際に重要な情報を迅速に提供することができることからも産業界に大きく寄与することが期待される。
チトクロームP450遺伝子多型CYP3A4*1Bの解析結果 チトクロームP450遺伝子多型CYP3A4*2の解析結果 チトクロームP450遺伝子多型CYP3A5*3Cの解析結果

Claims (32)

  1. チトクロームP450 3A4遺伝子及び/又は3A5遺伝子における少なくとも1種類以上の遺伝子多型を、野生型および変異型の共通プライマーと、野生型検出用プライマーおよび/または多型検出用プライマーとを用いて検出することを特徴とするチトクロームP450遺伝子多型の検出方法。
  2. チトクロームP450 3A4遺伝子の遺伝子多型が、*1B,*2,*5,*16A,*17,*18AおよびIVS10+12からなる群より選ばれた1種以上の遺伝子多型であることを特徴とする請求項1に記載のチトクロームP450遺伝子多型検出方法。
  3. チトクロームP450 3A5遺伝子の遺伝子多型が、*3,*5及び*6からなる群より選ばれた1種以上の遺伝子多型であることを特徴とする請求項1に記載のチトクロームP450遺伝子多型検出方法。
  4. 配列番号1、4、10、13、16、19、22に示される配列のうち、連続した少なくとも15塩基を含んだ少なくとも一つをチトクロームP450 3A4遺伝子の野生型および変異型の共通プライマーとして用いることを特徴とする請求項1または2に記載のチトクロームP450遺伝子多型検出方法。
  5. 配列番号2、5、11、14、17、20、23に示される配列のうち、連続した少なくとも15塩基を含んだ少なくとも一つを、チトクロームP450 3A4遺伝子の野生型検出用プライマーとして用いることを特徴とする請求項1または2に記載のチトクロームP450遺伝子多型検出方法。
  6. 配列番号3、6、12、15、18、21、24に示される配列のうち、連続した少なくとも15塩基を含んだ少なくとも一つを、チトクロームP450 3A4遺伝子の多型検出用プライマーとして用いることを特徴とする請求項1または2に記載のチトクロームP450遺伝子多型検出方法。
  7. プライマーの3’末端から2番目のヌクレオチドが、チトクロームP450遺伝子の多型部位に対応するように設計されていることを特徴とする請求項5または6に記載のチトクロームP450遺伝子多型検出方法。
  8. プライマーの3’末端のヌクレオチドが、チトクロームP450遺伝子の多型部位に対応するように設計されていることを特徴とする請求項5または6に記載のチトクロームP450遺伝子多型検出方法。
  9. プライマーの3’末端より3から5番目の少なくとも一つ以上の塩基が相補的でない塩基に置換されていることを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載のチトクロームP450遺伝子多型検出方法。
  10. 配列番号7、25、28に示される配列のうち、連続した少なくとも15塩基を含んだ少なくとも一つをチトクロームP450 3A5遺伝子の野生型および変異型の共通プライマーとして用いることを特徴とする請求項1または3に記載のチトクロームP450遺伝子多型検出方法。
  11. 配列番号8、26、29に示される配列のうち、連続した少なくとも15塩基を含んだ少なくとも一つを、チトクロームP450 3A5遺伝子の野生型のプライマーとして用いることを特徴とする請求項1または3に記載のチトクロームP450遺伝子多型検出方法。
  12. 配列番号9、27、30に示される配列のうち、連続した少なくとも15塩基を含んだ少なくとも一つを、チトクロームP450 3A5遺伝子の多型のプライマーとして用いることを特徴とする請求項1または3に記載のチトクロームP450遺伝子多型検出方法。
  13. プライマーの3’末端から2番目のヌクレオチドが、チトクロームP450遺伝子の多型部位に対応するように設計されていることを特徴とする請求項11または12に記載のチトクロームP450遺伝子多型検出方法。
  14. プライマーの3’末端のヌクレオチドが、チトクロームP450遺伝子の多型部位に対応するように設計されていることを特徴とする請求項11または12に記載のチトクロームP450遺伝子多型検出方法。
  15. プライマーの3’末端より3から5番目の少なくとも一つ以上の塩基が相補的でない塩基に置換されていることを特徴とする請求項11〜14のいずれかに記載のチトクロームP450遺伝子多型検出方法。
  16. 次に示す1)〜10)からなる群より選ばれる少なくとも1種以上のプライマーセットを用いて遺伝子増幅反応を行い、チトクロームP450 3A4遺伝子及び/又は3A5遺伝子の多型を検出することを特徴とするチトクロームP450遺伝子多型検出方法;
    1)配列番号1,2及び/又は3に示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    2)配列番号4,5及び/又は6で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    3)配列番号7,8及び/又は9で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    4)配列番号10,11及び/又は12で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    5)配列番号13,14及び/又は15で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    6)配列番号16,17及び/又は18で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    7)配列番号19,20及び/又は21で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    8)配列番号22,23及び/又は24で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    9)配列番号25,26及び/又は27で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    10)配列番号28,29及び/又は30で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
  17. プライマーの3’末端から2番目のヌクレオチドが、チトクロームP450遺伝子の多型部位に対応するように設計されていることを特徴とする請求項16に記載のチトクロームP450遺伝子多型検出方法。
  18. プライマーの3’末端のヌクレオチドが、チトクロームP450遺伝子の多型部位に対応するように設計されていることを特徴とする請求項16に記載のチトクロームP450遺伝子多型検出方法。
  19. プライマーの3’末端より3から5番目の少なくとも一つ以上の塩基が相補的でない塩基に置換されていることを特徴とする請求項16〜18のいずれかに記載のチトクロームP450遺伝子多型検出方法。
  20. 次に示す1)〜10)からなる群より選ばれる少なくとも1種以上のプライマーセットを用いて遺伝子増幅反応を行い、チトクロームP450 3A4遺伝子及び/又は3A5遺伝子の多型を検出することを特徴とするチトクロームP450遺伝子多型検出方法;
    1)配列番号1,2及び/又は3に示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
    2)配列番号4,5及び/又は6で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
    3)配列番号7,8及び/又は9で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
    4)配列番号10,11及び/又は12で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
    5)配列番号13,14及び/又は15で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
    6)配列番号16,17及び/又は18で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
    7)配列番号19,20及び/又は21で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
    8)配列番号22,23及び/又は24で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
    9)配列番号25,26及び/又は27で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
    10)配列番号28,29及び/又は30で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
  21. 次に示す1)〜10)からなる群より選ばれる少なくとも1種以上のプライマーセットを含むチトクロームP450 3A4遺伝子及び/又は3A5遺伝子の多型検出のための遺伝子増幅法用プライマーセット;
    1)配列番号1,2及び/又は3に示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    2)配列番号4,5及び/又は6で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    3)配列番号7,8及び/又は9で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    4)配列番号10,11及び/又は12で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    5)配列番号13,14及び/又は15で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    6)配列番号16,17及び/又は18で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    7)配列番号19,20及び/又は21で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    8)配列番号22,23及び/又は24で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    9)配列番号25,26及び/又は27で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    10)配列番号28,29及び/又は30で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
  22. プライマーの3’末端から2番目のヌクレオチドが、チトクロームP450遺伝子の多型部位に対応するように設計されていることを特徴とする請求項21に記載のチトクロームP450 3A4遺伝子または3A5遺伝子の多型検出のための遺伝子増幅法用プライマーセット。
  23. プライマーの3’末端のヌクレオチドが、チトクロームP450遺伝子の多型部位に対応するように設計されていることを特徴とする請求項21に記載のチトクロームP450 3A4遺伝子及び/又は3A5遺伝子の多型検出のための遺伝子増幅法用プライマーセット。
  24. プライマーの3’末端より3から5番目の少なくとも一つ以上の塩基が相補的でない塩基に置換されていることを特徴とする請求項21〜23のいずれかに記載のチトクロームP450 3A4遺伝子及び/又は3A5遺伝子の多型検出のための遺伝子増幅法用プライマーセット。
  25. 次に示す1)〜10)からなる群より選ばれる少なくとも1種以上のプライマーセットを含むチトクロームP450 3A4遺伝子及び/又は3A5遺伝子の多型検出のための遺伝子増幅法用プライマーセット;
    1)配列番号1,2及び/又は3に示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
    2)配列番号4,5及び/又は6で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
    3)配列番号7,8及び/又は9で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
    4)配列番号10,11及び/又は12で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
    5)配列番号13,14及び/又は15で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
    6)配列番号16,17及び/又は18で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
    7)配列番号19,20及び/又は21で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
    8)配列番号22,23及び/又は24で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
    9)配列番号25,26及び/又は27で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
    10)配列番号28,29及び/又は30で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
  26. 次に示す1)〜10)からなる群より選ばれる少なくとも1種以上のプライマーセットを用いて遺伝子増幅反応を行い、チトクロームP450 3A4遺伝子及び/又は3A5遺伝子の多型を検出することを特徴とするチトクロームP450遺伝子多型検出用キット;
    1)配列番号1,2及び/又は3に示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    2)配列番号4,5及び/又は6で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    3)配列番号7,8及び/又は9で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    4)配列番号10,11及び/又は12で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    5)配列番号13,14及び/又は15で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    6)配列番号16,17及び/又は18で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    7)配列番号19,20及び/又は21で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    8)配列番号22,23及び/又は24で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    9)配列番号25,26及び/又は27で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
    10)配列番号28,29及び/又は30で示される塩基配列のうちの連続した少なくとも15塩基からなるオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むプライマーセット。
  27. プライマーの3’末端から2番目のヌクレオチドが、チトクロームP450遺伝子の多型部位に対応するように設計されていることを特徴とする請求項26に記載のチトクロームP450遺伝子多型検出用キット。
  28. プライマーの3’末端のヌクレオチドが、チトクロームP450遺伝子の多型部位に対応するように設計されていることを特徴とする請求項26に記載のチトクロームP450遺伝子多型検出用キット。
  29. プライマーの3’末端より3から5番目の少なくとも一つ以上の塩基が相補的でない塩基に置換されていることを特徴とする請求項26〜28のいずれかに記載のチトクロームP450遺伝子多型検出用キット。
  30. 次に示す1)〜10)からなる群より選ばれる少なくとも1種以上のプライマーセットを用いて遺伝子増幅反応を行い、チトクロームP450 3A4遺伝子及び/又は3A5遺伝子の多型を検出することを特徴とするチトクロームP450遺伝子多型検出用キット;
    1)配列番号1,2及び/又は3に示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
    2)配列番号4,5及び/又は6で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
    3)配列番号7,8及び/又は9で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
    4)配列番号10,11及び/又は12で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
    5)配列番号13,14及び/又は15で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
    6)配列番号16,17及び/又は18で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
    7)配列番号19,20及び/又は21で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
    8)配列番号22,23及び/又は24で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
    9)配列番号25,26及び/又は27で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
    10)配列番号28,29及び/又は30で示される塩基配列をプライマーとして含むプライマーセット。
  31. 請求項1〜30のいずれかに記載の遺伝子増幅反応が、PCR、NASBA、LCR、SDA、RCRおよびTMAよりなる群から選ばれる遺伝子増幅反応。
  32. 請求項1〜30のいずれかに記載の遺伝子増幅反応がPCRであり、該PCRに用いられるDNAポリメラーゼが3’エキソヌクレアーゼ活性を有することを特徴とする遺伝子増幅反応。
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