JP2006324362A - フレキシブル基板とそのエッチング方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高い耐食性と絶縁信頼性を有する銅皮膜層を形成したフレキシブル基板および配線部パターン形成時の優れたエッチング方法を提供する。
【解決手段】フレキシブル基板の絶縁体フィルム上に、乾式めっき法により膜厚3〜40nmに形成され、かつクロムの割合が23〜70重量%のニッケル−クロム合金を主として含有する下地金属層と、該下地金属層上に形成した膜厚10nm〜35μmの銅皮膜層とを有するフレキシブル基板を用いて、塩化第二鉄、塩化第二銅、過硫酸アンモニウム、硫酸と過酸化水素水から選択された1種を含むエッチング液で1段目のエッチングを行い、その後水洗を行い、塩酸と硫酸を含有するエッチング液で2段目のエッチングを行い、配線部パターンを形成する。
【選択図】 なし

Description

本発明はフレキシブル基板とそのエッチング方法に係り、より具体的には、絶縁体フィルム上に乾式めっき法でクロム濃度の高いニッケル−クロム下地金属層を形成し、電気銅めっき法を採用して銅皮膜層を形成した高耐食性を有するフレキシブル基板と、得られた銅皮膜層及びクロム濃度の高いニッケル−クロム下地金属層を有するフレキシブル基板において所望の回路パターンを好適にエッチングして除去することができるエッチング方法に関するものである。
フレキシブル配線板を作製するために用いられる基板は、絶縁体フィルム上に接着剤を用いて導体層となる銅箔を貼り合わせた3層フレキシブル基板(例えば、特許文献1参照)と、該絶縁体フィルム上に接着剤を用いることなしに乾式めっき法または湿式めっき法により直接銅皮膜層を形成した2層フレキシブル基板とに大別される。
そして、3層フレキシブル基板を用いる場合には、サブトラクティブ法によって基板上に所望の配線パターンを形成することにより3層フレキシブル配線板を製造することができ、これに対し、2層フレキシブル基板を用いる場合には、サブトラクティブ法またはアディティブ法・セミアディティブ法によって基板上に所望の配線パターンを形成することによりフレキシブル配線板を製造することができる。
一般には、製造方法が簡単で、低コストで製造することが可能な3層フレキシブル基板を使用するのが主流となっていた。
ところで、近年の電子機器の高密度化に伴って、配線板における配線幅も狭ピッチのものが待望されるようになってきている。しかし、配線板の製造に際しては、基板の絶縁体フィルム上に形成した銅皮膜層を所望の配線パターンに従ってエッチングして配線部の形成を行う場合に、配線部の側面がエッチングされる、いわゆるサイドエッチングを生ずるために、配線部の断面形状が裾広がりの台形になり易い。従って配線部間の電気的絶縁性を確保するまでエッチングを行うと配線ピッチ幅が広くなり過ぎてしまうために、従来一般的に使用されている35μm膜厚の銅箔を接着剤で絶縁体フィルムと貼り合わせた3層フレキシブル基板を用いている限り配線板における配線部の狭ピッチ化を行うには限界があった。
このため、従来の35μm膜厚の銅箔貼り合わせた基板に代えて、18μm膜厚以下の薄い銅箔貼り合わせ基板を使用し、サイドエッチングによる裾広がりの幅を小さくして配線板における配線部の狭ピッチ化を図ることが行われてきた。しかし、このような薄肉の銅箔は剛性が小さくハンドリング性が悪いため、一旦銅箔にアルミニウムキャリアなどの補強材を貼り合わせて剛性を高くした後、該銅箔と絶縁体フィルムの貼り合わせを行い、しかる後再びアルミニウムキャリアを化学エッチング等で除去する方法が採られていたが、この方法はあまりに手間と時間がかかり作業効率や生産性が悪いという問題があった。
また、このような薄い銅箔では、膜厚のばらつきやピンホールや亀裂、皴の発生などによる皮膜欠陥が増加するなどの製造技術上の問題もあるし、さらに銅箔が薄くなればなるほどその製造が困難となり、製造価格が高くなって3層フレキシブル配線板のコストメリットが失われてしまう結果となっていた。
殊に最近になって、膜厚10数μm以下、数μm程度の銅箔を使用しなくては製造できないような狭幅で、狭ピッチの配線部を有する配線板への要求が強まるにつれ、3層フレキシブル基板を用いる配線板は、上記のような技術的な問題もさることながら、製造コスト上からも問題があった。
また、3層フレキシブル基板では、40μmピッチ以下では(ライン/スペース=20/20μm)では、フライイングリードが簡単に折れ曲がってしまい、これ以上の狭ピッチ化ができない、という問題に直面しているのが現状である。
そこで、接着剤を施すことなく直接絶縁体フィルムの少なくとも片面上に銅皮膜層を形成することができる2層フレキシブル基板を用いたフレキシブル配線板が注目されるようになった。該2層フレキシブル基板は接着剤なしで直接絶縁体フィルムの表面上に銅皮膜層を形成するものであり、従って基板自体の厚さを薄くすることができる上に、被着させる銅導体皮膜の膜厚も任意の厚さに調整することができるという利点を有する。
また、上記2層フレキシブル基板を加工すると、デバイスホールが不要でかつ、フライイングリードが存在しないため、40μmピッチ以下の狭ピッチ化が可能となる。また、基板全体の厚さが薄くなるため、折り曲げ性が非常に良く、従来3層フレキシブル基板では必要だったスリットホールの加工も必要ないなどの工程上のメリットも得られる。
上記2層フレキシブル基板を製造する場合には、絶縁体フィルム上に均一な膜厚の銅導電性皮膜を形成する手段として通常は電気銅めっき法が採用されるが、そのためには、電気銅めっき皮膜を施す絶縁体フィルムの表面上に、薄膜の下地金属層を形成して表面全面に導電性を付与し、その上に電気銅めっき処理を行うのが一般的である(特許文献2参照)。
ここで、下地金属層を形成した絶縁体フィルム上に所望の膜厚の銅皮膜層を形成した2層フレキシブル基板を用いて、例えばサブトラクティブ法によってフレキシブル配線板の製造を行う場合を例にとって説明すると、配線部パターンの形成は次の工程で行われる。
(1)該銅皮膜層上に、配線部のみがマスキングされ非配線部の銅皮膜層が露出するような所望の配線部パターンを有するレジスト層を設ける。
(2)露出している銅皮膜層を化学エッチング処理により除去する。
(3)最後にレジスト層を剥離除去する。
従って、銅皮膜層の膜厚を、特に、例えば5μmというように極めて薄く形成した基板を使用して、例えば配線幅15μm、配線ピッチ30μmというような狭配線幅、狭配線ピッチの配線板を製造する場合、乾式めっき処理によって基板の下地金属層に生じているピンホールのうち粗大なものは大きさが数10μm乃至数100μmのオーダーに達し、5μm程度の膜厚の電気銅めっき皮膜を形成したのでは、ピンホールによる絶縁体フィルム露出部分を殆ど埋めることができないため、この露出部分、つまり皮膜層の欠落部分が配線部にかかり、配線部は該ピンホールの位置で欠落して配線欠陥となるか、そうでなくても配線部の密着不良を招く原因となっていた。
かかる問題を解決する方法として、絶縁体フィルム上に乾式めっき法で下地金属層を形成した上に、さらに中間金属層として無電解めっきによる銅層を施してピンホールによる絶縁体フィルムの露出部分を被覆する方法が提案されている(特許文献3参照)が、この方法によるときは、確かにある程度ピンホールによる絶縁体フィルムの露出部分をなくすことはできるが、無電解銅めっき処理に用いられるめっき液やその前処理液などが、既に形成され修復されていない大小さまざまなピンホール部分から絶縁体フィルムと下地金属層との間に浸透し、これが下地金属層の密着性、その後に形成される電気銅めっきによる皮膜層の密着性を阻害する原因となる可能性があることが判明しており、十分な解決策とはなっていなかった。
また、狭幅、狭ピッチの配線部を持ったフレキシブルプリント配線板を得ることを目的に、下地金属層にニッケル−クロム皮膜を形成し電気銅めっき皮膜を形成する時、下地金属層のクロム含有量が少ない場合には、配線パターン形成後、ICと接続するためリード線部に金めっきを行う場合がある。この時、長時間金めっき液にリード線部が曝された場合には、下地金属層が腐食することがあることが指摘されていた。更に、高温高湿の環境下で隣り合うリード線間に直流電圧をかけると、該リード線が接着しているフィルム部分に変色が起きる場合があることがあるが、まだ詳しい原因は未だ解明されていなかった。
また、下地金属層のクロム量が多い場合には、ポリイミド基板を上記したように化学エッチング処理を行うと、エッチングを十分にすることができず絶縁不良が発生することが知られており、この対策について詳細には十分に検討されていなかった。
特開平6−132628号公報 特開平8−139448号公報 特開平10−195668号公報
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、乾式めっき法および電気めっき法を使用したフレキシブルプリント配線板の製造における、絶縁体フィルムの少なくとも片面上に乾式めっき処理によって下地金属層(シード層とも言う)を形成するに際し、高い耐食性を得るとともに、併せて、さらに高い耐食性と絶縁信頼性を有する銅皮膜層を形成したフレキシブル基板を提供するとともに、該フレキシブル基板を用いてフレキシブル配線板の製造を行うに際し、配線部パターン形成時の優れたエッチング方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、絶縁体フィルムの片面又は両面に、接着剤を介さずに直接下地金属層を形成し、該下地金属層上に銅皮膜層を形成するフレキシブル基板において、前記絶縁体フィルム上に、乾式めっき法により膜厚3〜40nmに形成され、かつクロムの割合が23〜70重量%のニッケル−クロム合金を主として含有する下地金属層と、次に該下地金属層上に形成された膜厚10nm〜35μmの銅皮膜層とを有するフレキシブル基板と、この基板を用いて、塩化第二鉄、塩化第二銅、過硫酸アンモニウム、硫酸と過酸化水素水から選択された1種を含むエッチング液で1段目のエッチングを行い、その後水洗を行い、塩酸と硫酸を含有するエッチング液で2段目のエッチングを行うことにより、上記課題を解決し、高い絶縁信頼性と耐食性を有する銅皮膜層を形成したフレキシブル基板を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の第1の実施態様に係るフレキシブル基板は、絶縁体フィルムの少なくとも片面上に、接着剤を介さずに、クロムの割合が23〜70重量%のニッケル−クロム合金を主成分とする膜厚3〜40nmの下地金属層を乾式めっき法により形成し、次いで該下地金属層上に膜厚10nm〜35μmの銅皮膜層を形成することを特徴とするものである。
また、本発明の第2の実施態様に係るフレキシブル基板は、本発明のフレキシブル基板において、前記絶縁体フィルムは、ポリイミド系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリテトラフルオロエチレン系フィルム、ポリフェニレンサルファイド系フィルム、ポリエチレンナフタレート系フィルム、もしくは液晶ポリマー系フィルムから選ばれた樹脂フィルムであることを特徴とするものである。
本発明の第1の実施態様に係るフレキシブル基板のエッチング方法は、本発明のフレキシブル基板を2段エッチングするに際し、1段目のエッチングは塩化第二鉄、塩化第二銅、過硫酸アンモニウム、硫酸と過酸化水素水から選択された1種を含有するエッチング液を用いて主として銅皮膜層をエッチング除去する工程であり、2段目のエッチングは塩酸と硫酸を含有するエッチング液を用いて主としてニッケル−クロム合金を主成分とする下地金属層をエッチング除去する工程であることを特徴とするものである。
また、本発明の第2の実施態様に係るフレキシブル基板のエッチング方法は、前記2段目のエッチング液は、塩酸を8〜12重量%、硫酸を13〜17重量%含有することを特徴とし、かつ、上記2段目のエッチングを行った後、更に過マンガン酸カリウムと水酸化カリウムと水酸化ナトリウムの混合液に浸漬処理を行うことを特徴とするものである。
本発明のフレキシブル基板は、絶縁体フィルムの片面又は両面に、接着剤を介さずに直接下地金属層を形成し、該下地金属層上に銅皮膜層を形成するフレキシブル基板において、前記絶縁体フィルム上に、乾式めっき法により膜厚3〜40nmに形成するとともに、クロムの割合が23〜70重量%のニッケル−クロム合金を主として含有する下地金属層と、該下地金属層上に形成された膜厚10nm〜35μmの銅皮膜層とを有する基板であり、該基板を用いて、塩化第二鉄、塩化第二銅、過硫酸アンモニウム、硫酸と過酸化水素水から選択された1種を含むエッチング液で1段目のエッチングを行い、その後水洗を行い、塩酸と硫酸を含有するエッチング液で2段目のエッチングを行うことにより、高い耐食性を有し、高い絶縁信頼性を有するフレキシブル配線板を作製することができ、工業上きわめて有用である。
1)フレキシブル基板
まず、本発明のフレキシブル基板において使用される絶縁体フィルムとしては、ポリイミド系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリテトラフルオロエチレン系フィルム、ポリフェニレンサルファイド系フィルム、ポリエチレンナフタレート系フィルム、又は液晶ポリマー系フィルムから選ばれた樹脂フィルムが、フレキシブル基板としての柔軟性と実用上必要な強度、配線材料として好適な電気絶縁性を有する点から好ましい。
また、本発明のフレキシブル基板は、前記材質の絶縁体フィルムの片面又は両面に、接着剤を介さずに直接下地金属層を形成し、該下地金属層上に銅皮膜層を形成するフレキシブル基板において、前記絶縁体フィルム上に、乾式めっき法により膜厚3〜40nmに形成するとともに、クロムの割合が23〜70重量%のニッケル−クロム合金を主として含有する下地金属層と、該下地金属層上に形成された膜厚10nm〜35μmの銅皮膜層とを有することを特徴としている。
上記クロム濃度の高いニッケル−クロム下地金属層を形成し、電気銅めっき法を採用して銅皮膜層を形成したフレキシブル基板は高耐食性を有するとともに、密着性が高く、耐熱性を有しており、銅皮膜層及びクロム濃度の高いニッケル−クロム下地金属層を所望の回路パターンを好適にエッチングして除去することができるエッチング方法を採用することによって、絶縁信頼性の高い銅皮膜層を形成したフレキシブル基板を得ることができるのである。
ここで、前記乾式めっき法で得られたニッケル−クロム合金を主として含有する下地金属層の膜厚が、3nm未満であると、その後の処理工程を経ても下地金属層の長期的な密着性に問題が生じてしまい、一方、該下地金属層の膜厚が、40nmを超えると、クロム濃度の高いニッケル−クロム下地金属層を用いており、配線部の加工に際して下地金属層の除去が困難となり、更には、ヘヤークラックや反りなどを生じて密着強度が低下する場合があり、好ましくないため、下地金属層は3nm〜40nmの膜厚とする必要がある。
また、該下地金属層の組成は、金属層中クロムの割合が23〜70重量%であることが、高耐食性の観点から必要である。即ち、クロムの割合が23重量%未満であると耐熱性が低下してしまい、従来並みの耐食性しか確保できないが、一方、クロムの割合が70重量%を超えると、エッチング方法を選択しても、配線部の加工に際して下地金属層の除去が困難となるので好ましくない。また、クロムの割合が70重量%を超えると、クロムが粒界に析出する可能性が出てくるので好ましくない。更に100重量%のCrは塩酸で溶解するため、耐酸性が低下し、絶縁信頼性の低下につながる。また、該ニッケル−クロム合金に耐熱性や耐食性を向上する目的で遷移金属元素を目的特性に合わせて適宜添加することもできる。
例えば、膜厚が25〜75μmの上記絶縁体フィルムが好適に使用することができる。尚、ガラス繊維等の無機質材料は目的特性に合わせて適宜添加することもできる。
乾式めっき法には、真空蒸着法、スパッタリング法、またはイオンプレーティング法のいずれかを用いることが好ましい。
本発明のフレキシブル基板においては、上記下地金属層上に乾式めっき法で銅皮膜層を形成した後、該銅皮膜層の上に必要に応じ湿式めっき法で銅層を積層形成する。
該銅皮膜層は、該下地金属層上に、乾式めっき法で形成することができるが、銅皮膜層を乾式めっき法で形成した後、該銅皮膜層の上に湿式めっき法で銅層を積層形成することもできる。乾式めっき法は、前記したとおり真空蒸着法、スパッタリング法、またはイオンプレーティング法のいずれかであるが、湿式めっき法に比べると成膜速度が遅いこともあり、銅皮膜層を比較的薄く形成する場合に適している。一方、乾式めっき法で銅皮膜層を形成した後、該銅皮膜層の上に湿式めっき法で銅層を積層形成することは、比較的厚い銅皮膜層を形成することり10nm〜35μmに形成することが必要である。膜厚が、10nm未満であるに適している。
該下地金属層上に形成する銅皮膜層の膜厚は、上記した通り10nm〜35μmに形成することが必要である。膜厚が、10nm未満であると、配線部の電気導電性に問題が発生し易くなったり、強度上の問題が現れたりする可能性があり、一方、膜厚が、35μmを超えて厚くなると、ヘヤークラックや反りなどを生じて密着強度が低下する場合があり好ましくない。乾式めっき法で銅皮膜層を形成した後、該銅皮膜層の上に湿式めっき法で銅層を積層形成する場合には、乾式めっき法で膜厚10nm〜1μm程度形成してから、湿式めっき法で所望の銅皮膜層の膜厚となるまで成膜すればよい。
2)フレキシブル基板の製造方法
以下、本発明のフレキシブル基板の製造方法を詳述する。
本発明においては、上記したようにポリイミド系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリテトラフルオロエチレン系フィルム、ポリフェニレンサルファイド系フィルム、ポリエチレンナフタレート系フィルム、もしくは液晶ポリマー系フィルムから選ばれた樹脂フィルムである絶縁体フィルムの片面又は両面に、接着剤を介さずに直接下地金属層を形成し、該下地金属層上に所望の膜厚の銅皮膜層を形成する。
該絶縁体フィルムは通常水分を含んでおり、乾式めっき法によりニッケル−クロム合金を主として含有する下地金属層を形成する前に、大気乾燥あるいは真空乾燥等の強制乾燥を行い、絶縁体フィルム中に存在する水分を取り去っておく必要がある。これが不十分であると、下地金属層との密着性が悪くなってしまう。
本発明の下地金属層は、上記した通り前記絶縁体フィルム上に、乾式めっき法により膜厚3〜40nmに形成するとともに、クロムの割合が23〜70重量%のニッケル−クロム合金を主として含有する下地金属層である。上記クロム濃度の高いニッケル−クロム下地金属層を形成し、電気銅めっき法を採用して銅皮膜層を形成したフレキシブル基板は、下記する実施例に示される通り耐環境試験であるHHBT(High Temperature High Humidity Bias Test)試験や、腐食の指標として用いられるHHBT試験後のサンプル裏面観察による裏面変色有無においても高耐食性を有することが確認されるとともに、密着性が高く、耐熱性を有している。
乾式めっき法により該ニッケル−クロム合金を主として含有する下地金属層を形成する場合、例えば、巻取式スパッタリング装置を用い下地金属層を形成する場合には、下地金属層の組成を有するターゲットをスパッタリング用カソードに装着する。まず、絶縁体フィルムをセットしたスパッタリング装置内を真空排気後、Arガスを導入し、装置内を圧力1.3Pa程度に保持し、さらに装置内の巻取巻出ロールに装着した帯状の絶縁体フィルムを毎分5m程度の速さで搬送しながら、カソードに接続したスパッタリング用直流電源より電力を供給しスパッタリング放電を開始し、絶縁体フィルム上にニッケル−クロム合金を主として含有する下地金属層を連続成膜する。
また、ターゲットが作製しづらい場合には、例えば、ニッケルとクロムのターゲットを用意し2元同時スパッタリング法を用いることもできる。
この成膜によって所望の膜厚のニッケル−クロム合金を主として含有する下地金属層が絶縁体フィルム上に形成される。
同様に、銅ターゲットをスパッタリング用カソードに装着したスパッタリング装置を用い、銅皮膜層を成膜する。この時、下地金属層と銅皮膜層は同一真空室内で連続して形成することが好ましい。下地金属層を形成後、絶縁体フィルムを大気中に取り出し、他のスパッタリング装置を用いて銅皮膜層を形成する場合は、絶縁体フィルムとの密着性に悪影響を与えないよう成膜以前に脱水分を十分に行っておく必要がある。
また、銅皮膜層を、乾式めっき法で形成した後、該銅皮膜層の上に湿式めっき法で銅層を形成する場合は、例えば、無電解銅めっき処理を行うが、これは基板全面に無電解めっき銅層を形成させることによって、粗大ピンホールが存在する絶縁体フィルムであっても、フィルム露出面を覆って基板面全面を良導体化し、これによってピンホールの影響を受けることがないように行われるものである。
なお、この無電解銅めっき液によるめっき銅層の膜厚は、基板面におけるピンホールによる欠陥修復が可能でかつ電気銅めっき処理を施す際に、電気銅めっき液によって溶解されない程度の膜厚であればよく、0.01〜1.0μmの範囲であることが好ましい。
このようにして無電解めっき銅層を形成させた基板は、最終的に所望の膜厚の導体層が形成されるように二次電気銅めっき処理を施すことにより、下地金属層形成時に発生した大小様々なピンホールによる影響を受けない良好で皮膜層の密着度の高いフレキシブル基板を得ることができる。なお、本発明において行われる電気銅めっき処理は、一次、二次ともに常法による電気銅めっき法における諸条件を採用すればよい。
このようにして下地金属層上に形成された銅皮膜層の膜厚は下地金属層を含めて厚くとも35μm以下にする必要がある。35μmを超えた膜厚では、柔軟性が急激に低下し、フレキシブル基板としての実用性に乏しくなる。また、電気めっきにおける生産性も極端に悪くなるため好ましくない。
3)配線パターンの形成
本発明のフレキシブル基板を用いて、該フレキシブル基板の片面又は両面に、配線パターンを個別に形成すると共に、所定の位置に層間接続のためのビアホールを形成して、各種用途に用いる。
(a)高密度配線パターンをフレキシブル基板の少なくとも片面に個別に形成する。
(b)該配線層が形成されたフレキシブル基板に、該配線層とフレキシブル基板とを貫通するビアホールを形成する。
(c)該ビアホール内に、導電性物質を充填してホール内を導電化する。
前記配線パターンの形成方法としては、フォトエッチング等の従来公知の方法が使用できる。本発明の下地金属層は、上記した通り前記絶縁体フィルム上に、乾式めっき法により膜厚3〜40nmに形成するとともに、クロムの割合が23〜70重量%のニッケル−クロム合金を主として含有するクロム濃度の高いニッケル−クロム合金膜である。上記クロム濃度の高いニッケル−クロム下地金属層を形成し、電気銅めっき法を採用して銅皮膜層を形成したフレキシブル基板においては、通常のエッチング液を用いただけでは銅皮膜層を十分に除去できない。
そこで、本発明においては、片面又は両面に銅皮膜層を形成されたフレキシブル基板を準備して、該銅皮膜層上にスクリーン印刷あるいはドライフィルムをラミネートして感光性レジスト層を形成後、露光現像してパターニングする。
次いで、塩化第二鉄、塩化第二銅、過硫酸アンモニウム、硫酸と過酸化水素水から選択された1種を含むエッチング液で1段目のエッチングを行い、その後水洗を行い、塩酸と硫酸を含有するエッチング液で2段目のエッチングを行う。
1段目のエッチングは、塩化第二鉄、塩化第二銅、過硫酸アンモニウム、硫酸と過酸化水素水から選択された1種を含むエッチング液で行い、主に、銅皮膜層のうち銅皮膜層のエッチングを行うものである。
次に、2段目のエッチングとして、塩酸と硫酸を含有するエッチング液で行うが、ここでは、主に、クロム含有下地金属層をエッチングする。塩酸と硫酸を含有するエッチング液は銅皮膜層の組成に合わせて適宜選択されるが、塩酸を8〜12重量%、硫酸を13〜17重量%含有するエッチング液が好ましい。この2段のエッチング処理によって、上記クロム濃度の高いニッケル−クロム下地金属層を有し、電気銅めっき法を採用して銅皮膜層が形成されたフレキシブル基板であっても、良好なエッチング処理を行うことができ、絶縁信頼性の高いフレキシブル回路基板が得られるのである。
さらに、2段目のエッチング処理後、水洗した後、過マンガン酸カリウムと水酸化カリウムとの混合液に浸漬処理を行うことによって、主として、上記2段のエッチングでも除去できなかった酸化クロム等を除去することによって、さらに絶縁信頼性の高いフレキシブル回路基板が得られる。
上記エッチング液で該銅皮膜層を選択的にエッチング除去した後、レジスト層を除去して所定の配線パターンを形成する。
配線をより高密度化するためには、両面に銅皮膜層が形成されたフレキシブル基板を準備し、両面をパターン加工して基板両面に配線パターンを形成することが好ましい。全配線パターンを幾つの配線領域に分割するかどうかは該配線パターンの配線密度の分布等によるが、例えば、配線パターンを配線幅と配線間隔がそれぞれ50μm以下の高密度配線領域とその他の配線領域に分け、フレキシブル基板との熱膨張差や取扱い上の都合等を考慮し、分割する配線基板のサイズを10〜65mm程度に設定して適宜分割すればよい。
前記ビアホールの形成方法としては、従来公知の方法が使用でき、例えば、レーザー加工、フォトエッチング等により、前記配線パターンの所定の位置に、該配線パターンとフレキシブル基板を貫通するビアホールを形成する。ビアホールの直径は、ホール内の導電化に支障がない範囲内で小さくすることが好ましく、通常100μm以下、好ましくは50μm以下にする。
該ビアホール内には、めっき、蒸着、スパッタリング等により銅等の導電性金属を充填、あるいは所定の開孔パターンを持つマスクを使用して導電性ペーストを圧入、乾燥し、ホール内を導電化して層間の電気的接続を行う。前記導電性金属としては、銅、金、ニッケル等が挙げられる。
[実施例]
つぎに本発明の実施例を比較例とともに説明する。
ピール強度の測定方法は、IPC−TM−650、NUMBER2.4.9に準拠した方法で行った。ただし、リード幅は1mmとし、ピールの角度は90°とした。リードはサブトラクティブ法あるいはセミアディティブ法で形成した。また、耐熱性の指標としては、1mmのリードを形成した絶縁体フィルムを150℃で168時間放置し、取り出したあと室温になるまで放置したのち、90°ピール強度を評価することで行った。
耐環境試験であるHHBT(High Temperature High Humidity Bias Test)試験は、まず30μmピッチ(ライン/スペース=15/15μm)の櫛歯試験片を塩化第二鉄でエッチングし、サブトラクトティブ法によって形成し、残留するNi−Crを除去するために、塩酸を8〜12重量%、硫酸を13〜17重量%含有するエッチング液を用いてエッチングを行って形成した試験片を用いた。あるいは、1段目のエッチング後、セミアディティブ法によって形成した試験片を用いた。
エッチングファクターは、下記する数式1により算出できる。即ち、銅皮膜層の膜厚、(H)、銅皮膜層の基板側底面のリード幅(B)、銅皮膜層の表面側のリード幅(T)として、
[式1]
EF=H/[(B−T)/2]
で表され、30μmピッチの場合であれば、EFは2.8以上であれば良好なエッチング状態と言える。エッチング残渣が無いように十分にエッチングを行うと、EFは低下してしまう。
HHBT試験の測定は、JPCA−ET04に準拠し、85℃85%RH環境下で、DC60Vを端子間に印加し、1000時間抵抗を観察する。抵抗が10Ω以下になった時点でショート不良と判断し、1000時間経過後も10Ω以上であれば合格と判断した。
腐食の指標としては、裏面変色が挙げられるが、これは、HHBT試験後のサンプル裏面観察によって行った。著しい変色が見られた場合、不良と判断し、変色が軽微な場合、合格と判断した。
(実施例1)
膜厚38μmのポリイミドフィルム(東レ・デユポン社製、製品名「カプトン150EN」)を12cm×12cmの大きさに切り出し、下記する表1に示すようにその片面に下地金属層の第1層として23重量%Cr−Ni合金ターゲット(住友金属鉱山(株)製)を用い、直流スパッタリング法により23重量%Cr−Ni合金下地金属層を成膜した。別途同条件で成膜した一部を透過電子顕微鏡(TEM:日立製作所(株)製)を用いて膜厚を測定したところ20nmであった。上記NiCr膜を成膜したフィルム上に、さらに第2層として、Cuターゲット(住友金属鉱山(株)製)を用いて、スパッタリング法により銅皮膜層を10nmの膜厚に形成した。さらに、該銅皮膜層の上に湿式めっき法により銅層を膜厚8μm形成した。
得られた2層フレキシブル基板の初期ピール強度は620N/mであった。耐熱ピール強度は580N/mと、大きな変化が無く良好であった。
上記した2段エッチング処理を行い、30μmピッチ(ライン/スペース(L/S)=15/15μm)の櫛歯試験片を作製した。EF=2.9であった。
さらに絶縁信頼性試験と耐食性試験を得られた3サンプルについて行ったが、併せて表1に示すようにいずれも劣化は認められなかった。
また、耐腐食性試験(85℃、85%RH恒温槽中に1000時間放置後の絶縁体フィルム裏面変色)で変化は見られなかった。
(実施例2〜4)
表1に示すように40、60、70重量%Cr−Ni合金ターゲット(住友金属鉱山(株)製)を用い、直流スパッタリング法によりそれぞれ40、60、70重量%Cr−Ni合金下地金属層を成膜した以外は、実施例1と同様にして2層フレキシブル基板を作製した。上記下地金属層を別途同条件で成膜し、その一部を使用し透過電子顕微鏡で膜厚を測定したところいずれも20nmであった。
上記Ni―Cr合金膜を成膜した絶縁体フィルム上に、さらに第2層として、Cuターゲット(住友金属鉱山(株)製)を用いて、スパッタリング法により銅皮膜層を10nmの膜厚に形成した。さらに、該銅皮膜層の上に湿式めっき法により銅層を膜厚8μm形成した。
得られた2層フレキシブル基板の初期ピール強度は各々640、640、650N/mであった。耐熱ピール強度は各々590、590、600N/mと、大きな (L/S) 変化が無く良好であった。
上記した2段エッチング処理を行い、30μmピッチ(ライン/スペース(L/S)=15/15μm)の櫛歯試験片を作製した。いずれもEF=2.9であった。
さらに絶縁信頼性試験と耐食性試験を各々3サンプルについて行ったが、併せて表1に示すようにいずれも劣化は認められなかった。また、耐腐食性試験(85℃、85%RH恒温槽中に1000時間放置後のフィルム裏面変色)についても変色は見られなかった。
(実施例5〜7)
表1に示すように40重量%Cr−Ni合金ターゲット(住友金属鉱山(株)製)を用い、直流スパッタリング法により40重量%Cr−Ni組成で、スパッタリング時間を替えることで、膜厚が5、15、50nmの40重量%Cr−Ni合金下地金属層を成膜した以外は、実施例1と同様にして2層フレキシブル基板を作製した。
上記Ni―Cr合金膜を成膜したフィルム上に、さらに第2層として、Cuターゲット(住友金属鉱山(株)製)を用いて、スパッタリング法により銅皮膜層を10nmの膜厚に形成した。さらに、該銅皮膜層の上に湿式めっき法により銅層を膜厚8μm形成した。
得られた2層フレキシブル基板の初期ピール強度は各々640、640、640N/mであった。耐熱ピール強度は各々560、585、610N/mと大きな変化が無く、良好であった。
上記した2段エッチング処理を行い、30μmピッチ(ライン/スペース(L/S)=15/15μm)の櫛歯試験片を作製した。いずれもEF=2.9であった。
さらに絶縁信頼性試験と耐食性試験を各々3サンプルについて行ったが、併せて表1に示すようにいずれも劣化は認められなかった。また、耐腐食性試験(85℃、85%RH恒温槽中に1000時間放置後のフィルム裏面変色)についても変色は見られなかった。
(実施例8)
表1に示すように40重量%Cr−Ni合金ターゲット(住友金属鉱山(株)製)を用い、直流スパッタリング法により40重量%Cr−Ni組成で、膜厚が20nmのCr−Ni合金下地金属層を成膜し、該NiCr膜を成膜した上に、さらに第2層として、Cuターゲット(住友金属鉱山(株)製)を用いて、スパッタリング法により銅皮膜層を8μmの膜厚に形成した。
得られた2層フレキシブル基板の初期ピール強度は640N/mであった。耐熱ピール強度は590N/mと大きな変化が無く、良好であった。
セミアディティブ法を用い、30μmピッチ(ライン/スペース(L/S)=15/15μm)の櫛歯試験片を作製した。
絶縁信頼性試験と耐食性試験を各々3サンプルについて行ったが、併せて表1に示すようにいずれも劣化は認められなかった。また、耐腐食性試験(85℃、85%RH恒温槽中に1000時間放置後のフィルム裏面変色)についても変色は見られなかった。
(比較例1)
表1に示すように15重量%Cr−Ni合金ターゲット(住友金属鉱山(株)製)を用い、直流スパッタリング法により15重量%Cr−Ni合金下地金属層を成膜した以外は、実施例1と同様にして2層フレキシブル基板を作製した。
得られた2層フレキシブル基板の初期ピール強度は610N/mであった。耐熱ピール強度は550N/mとなり大きな変化が無く、良好であった。
上記した2段エッチング処理を行い、30μmピッチ(ライン/スペース(L/S)=15/15μm)の櫛歯試験片を作製した。EF=2.9であった。
さらに絶縁信頼性試験と耐食性試験を3サンプルについて行ったが、併せて表1に示すように絶縁劣化が3サンプルすべてで見られた。また、耐腐食性試験(85℃、85%RH恒温槽中に1000時間放置後のフィルム裏面変色)ではフィルム裏面に一部変色が認められた。
(比較例2)
表1に示すように80重量%Cr−Ni合金ターゲット(住友金属鉱山(株)製)を用い、直流スパッタリング法により80重量%Cr−Ni合金下地金属層を成膜した以外は、実施例1と同様にして2層フレキシブル基板を作製した。
得られた2層フレキシブル基板の初期ピール強度は660N/mであった。耐熱ピール強度は600N/mとなり大きな変化が無く、良好であった。
さらに、絶縁信頼性試験用に、塩化第二鉄でエッチングを行おうとしたが下地金属層がエッチングできなかった。
(比較例3)
表1に示すようにCrターゲット(東ソー(株)製)を用い、直流スパッタリング法によりCr下地金属層を成膜し、膜厚を20nmとし、該Cr膜を成膜した上に、さらに第2層として、Cuターゲット(住友金属鉱山(株)製)を用いて、スパッタリング法により銅皮膜層を10nmの膜厚に形成した。さらに、該銅皮膜層の上に湿式めっき法により銅層を膜厚8μm形成した。
得られた2層フレキシブル基板の初期ピール強度は660N/mであった。耐熱ピール強度は605N/mとなり大きな変化が無く、良好であった。
得られた2層フレキシブル基板を塩化第二鉄でエッチングしようとしたが、エッチングできず、リードを形成できなかった。但し、過マンガン酸カリウム10%濃度液でエッチングを行うことは可能であった。この方法でエッチング処理を行い、30μmピッチ(ライン/スペース(L/S)=15/15μm)の櫛歯試験片を作製した。EF=2.9であった。ただし、絶縁信頼性試験では、3サンプルとも、併せて表1に示すようにショートしてしまった。
また、耐腐食性試験(85℃、85%RH恒温槽中に1000時間放置後のフィルム裏面変色)ではフィルム裏面に変色が認められた。
(比較例4)
表1に示すように20重量%Cr−Ni合金ターゲット(住友金属鉱山(株)製)を用い、直流スパッタリング法により20重量%Cr−Ni合金下地金属層を成膜し、膜厚を20nmとし、該Ni―Cr合金膜を成膜した上に、さらにその上に第2層として、Cuターゲット(住友金属鉱山(株)製)を用いて、スパッタリング法により銅皮膜層を10nmの膜厚に形成した。さらに、該銅皮膜層の上に湿式めっき法により銅層を膜厚8μm形成した。
1段エッチング処理として、塩化第二鉄でエッチングを行い、30μmピッチ(ライン/スペース(L/S)=15/15μm)の櫛歯試験片を作製した。EF=1.9であり、実用上好ましくなかった。
絶縁信頼性試験を各々3サンプルについて行ったが、いずれも劣化は認められなかった。また、耐腐食性試験(85℃、85%RH恒温槽中に1000時間放置後のフィルム裏面変色)についても変色は見られなかった。
Figure 2006324362

Claims (5)

  1. 絶縁体フィルムの少なくとも片面上に、接着剤を介さずに、クロムの割合が23〜70重量%のニッケル−クロム合金を主成分とする膜厚3〜40nmの下地金属層を乾式めっき法により形成し、次いで該下地金属層上に膜厚10nm〜35μmの銅皮膜層を形成することを特徴とするフレキシブル基板。
  2. 前記絶縁体フィルムは、ポリイミド系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリテトラフルオロエチレン系フィルム、ポリフェニレンサルファイド系フィルム、ポリエチレンナフタレート系フィルム、もしくは液晶ポリマー系フィルムから選ばれた樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1記載のフレキシブル基板。
  3. 請求項1記載のフレキシブル基板を2段エッチングするに際し、1段目のエッチングは塩化第二鉄、塩化第二銅、過硫酸アンモニウム、硫酸と過酸化水素水から選択された1種を含有するエッチング液を用いて主として銅皮膜層をエッチング除去する工程であり、2段目のエッチングは塩酸と硫酸を含有するエッチング液を用いて主としてニッケル−クロム合金を主成分とする下地金属層をエッチング除去する工程であることを特徴とするフレキシブル基板のエッチング方法。
  4. 前記2段目のエッチング液は、塩酸を8〜12重量%、硫酸を13〜17重量%含有することを特徴とする請求項3記載のフレキシブル基板のエッチング方法。
  5. 請求項3又は請求項4の2段目のエッチングを行った後、更に過マンガン酸カリウムと水酸化カリウムと水酸化ナトリウムの混合液に浸漬処理を行うことを特徴とする請求項3又は4記載のフレキシブル基板のエッチング方法。

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