JP2006323766A - 車両用通信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 光を照射することにより車両が光信号として情報を送受信する技術を有効に利用し、安全性または交通の円滑性を向上させる。
【解決手段】 車両用通信装置において、ECU100は、車両10へ与えられ得るまたは車両10が与え得る危険の度合いを示す危険度を判断する。テールランプ16は、ECU100により判断された危険度を示す情報を送信する。記憶手段は、層別された複数の危険度のランクを記憶する。ECU100は、危険度が複数のランクのいずれのランクに該当するかを判断し、テールランプ16は、ECU100により判断されたランクを示す情報を送信する。テールランプ16は、所定の頻度により情報を送信するものであって、ECU100により判断された危険度に応じて頻度を変更する。
【選択図】 図1
【解決手段】 車両用通信装置において、ECU100は、車両10へ与えられ得るまたは車両10が与え得る危険の度合いを示す危険度を判断する。テールランプ16は、ECU100により判断された危険度を示す情報を送信する。記憶手段は、層別された複数の危険度のランクを記憶する。ECU100は、危険度が複数のランクのいずれのランクに該当するかを判断し、テールランプ16は、ECU100により判断されたランクを示す情報を送信する。テールランプ16は、所定の頻度により情報を送信するものであって、ECU100により判断された危険度に応じて頻度を変更する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、車両用通信装置に関し、特に、光信号を送受信する車両用通信装置に関する。
近年、車両間において相互に情報を送受信することにより車両の安全および車両の円滑な走行に役立てる技術の開発が進められている。このような車両間の通信を行う通信装置としては、電波により情報を送受信をするものが一般的に用いられている。一方、電波により車両間で情報の送受信を行う場合には、たとえば同時に複数の車両から情報を受信する場合など複数の車両間での通信が同時に行われたときに、情報が重畳してしまい本来対象とすべき情報を特定することが困難になってしまう可能性がある。
このため、たとえば特許文献1では、伝達すべき情報に相応するパルス状の光信号を対象物に取り付けられた少なくとも1つの発光性の半導体素子を介して送信し、光信号を車両に配置された光電式の受信装置を介して受信し、受信信号に相応する情報を車両に表示させることにより車両へ情報を伝達する送受信装置などが提案されている。また、たとえば特許文献2では、光に信号を重畳して車両間で通信を行うものであって、自動的にまたはユーザの要求によって信号を送受信し、相手方からの情報に返信する際に相手方の車両の識別情報をキーとして送信する車両用通信装置が提案されている。
特開2000−222684号公報
特開2004−326705号公報
しかし、車両へ与えられ得るまたは車両が与え得る危険をより効果的に回避するなどのために、光を照射することにより車両が光信号として情報を送受信する技術をさらに有効に利用することが求められている。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、光を照射することにより車両が光信号として情報を送受信する技術を有効に利用し、安全性または交通の円滑性を向上させることにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の車両用通信装置は、車両に設けられ、光信号を照射して所定の情報を送信する送信手段を備える車両用通信装置において、車両へ与えられ得るまたは車両が与え得る危険の度合いを示す危険度を判断する危険度判断手段をさらに備える。送信手段は、危険度判断手段により判断された危険度を示す情報を送信する。この態様によれば、この情報を受信する対象物は、受信された情報に基づいて、たとえば危険度に応じて対応を変更するなど、危険の回避に対して柔軟な対応が可能となる。
層別された複数の危険度のランクを記憶する記憶手段をさらに備えてもよい。危険度判断手段は、危険度が複数のランクのいずれのランクに該当するかを判断し、送信手段は、危険度判断手段により判断されたランクを示す情報を送信してもよい。この態様によれば、たとえば予めランクに応じた対応を決めておくことなどが可能となり、円滑に危険を回避することができる。
本発明の別の態様もまた、車両用通信装置である。この装置は、車両に設けられ、光信号を照射して所定の情報を送信する送信手段を備える車両用通信装置において、車両へ与えられ得るまたは車両が与え得る危険の度合いを示す危険度を判断する危険度判断手段をさらに備える。送信手段は、所定の頻度により情報を送信するものであって、危険度判断手段により判断された危険度に応じて頻度を変更する。この態様によれば、たとえば危険度に応じて送信手段が情報を送信する頻度を高めることができ、この情報を受信する対象物は、受信された情報に基づいて迅速に対応することができる。
本発明のさらに別の態様もまた、車両用通信装置である。この装置は、車両に設けられ、光信号を照射して所定の情報を送信する送信手段を備える車両用通信装置において、送信手段は、車両が停止しているときに車両が停止していることを示す停止情報を送信する。この態様によれば、たとえばその車両に向かって走行する他の車両がこの停止情報を受信することにより走行方向にある車両が停止中であることを正確に認識することができるなど、車両周辺の環境を安全なものとすることができる。
本発明のさらに別の態様もまた、車両用通信装置である。この装置は、車両に設けられ、光信号を照射して所定の情報を送信する送信手段を備える車両用通信装置において、送信手段は、車両が所定の速度よりも低い速度で走行しているときに車両が低速で走行していることを示す低速走行情報を送信する。この態様によれば、たとえばその車両に向かって走行する他の車両がこの低速走行情報を受信することにより走行方向にある車両が低速走行中であることを正確に認識することができるなど、車両周辺の環境を安全なものとすることができる。
本発明のさらに別の態様もまた、車両用通信装置である。この装置は、車両に設けられ、照射された光信号として所定の情報を受信する受信手段を備える車両用通信装置において、受信手段は、車両が停止しているときに、車両が制動力を制御するため、車両に向かって走行する他の車両の速度または他の車両のブレーキ操作のタイミングを受信する。この態様によれば、たとえば、車両に向かって走行する他の車両の速度が速い場合または他の車両のブレーキ操作のタイミングが遅い場合にブレーキ液圧を増圧させるなどの制御もでき、車両の停止中に他の車両が衝突した場合においてもその影響を低減することが可能となる。
本発明のさらに別の態様もまた、車両用通信装置である。この装置は、車両に設けられ、照射された光信号として所定の情報を受信する受信手段と、車両に設けられ、光信号を照射して所定の情報を送信する送信手段を備える車両用通信装置において、受信手段は、第1対象物により送信された情報を受信し、送信手段は、第1対象物により送信された情報を第2対象物に送信する。この態様によれば、受信して得られた情報を他の対象物とも共有することができる。また、たとえば第1対象物と第2対象物が離れている場合や第1対象物と第2対象物との間に障害物がある場合のように、第1対象物により発信された情報を第2対象物が直接受信することができない場合においても、第2対象物が第1対象物により発信された情報を間接的に情報を受信することが可能となる。
本発明の車両用通信装置によれば、光を照射することにより車両が光信号として情報を送受信する技術を有効に利用し、安全性または交通の円滑性を向上させることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態(以下、「実施形態」という。)について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る車両用通信装置を有する車両10の全体構成図である。本図では、主に車両用通信装置が情報を送信するための構成を記載する。本実施形態に係る車両用通信装置は、電子制御ユニット100(以下「ECU100」という)、ヘッドライト12、スモールランプ14、テールランプ16、ブレーキランプ17、ウィンカ18などにより構成される。
図1は、第1の実施形態に係る車両用通信装置を有する車両10の全体構成図である。本図では、主に車両用通信装置が情報を送信するための構成を記載する。本実施形態に係る車両用通信装置は、電子制御ユニット100(以下「ECU100」という)、ヘッドライト12、スモールランプ14、テールランプ16、ブレーキランプ17、ウィンカ18などにより構成される。
ヘッドライト12、スモールランプ14、テールランプ16、ブレーキランプ17、ウィンカ18は、その目的は各々異なるが、いずれも光を照射する光照射装置として機能する。本実施形態において、これらの光照射装置はLED(発光ダイオード)により光を照射する。LEDはメガヘルツといった高い周波数によるパルス駆動で駆動することが可能であり、このため、人間が目視により認識可能な周波数以上で駆動することができる。本実施形態に係る車両用通信装置は、この点に着目し、これらの光照射装置が光を照射している間に、光信号を重畳して情報を他の対象物に送信する。これにより、これらの光照射装置の機能を損ねることなく、他の対象物に所定の情報を送信することが可能となる。
前方車間距離センサ22は、レーザにより前方の車両などとの車間距離を検出し、後方車間距離センサ24は、レーザにより後方の車両などとの車間距離を検出する。車速センサ20は、車輪の回転を検出することにより、車両の速度である車速を検出する。車速センサ20は、コイルピックアップ型回転センサ、ホールIC回転センサ、またはエンコーダなどの回転センサのいずれかが適宜採用される。また、ブレーキセンサ28は、ブレーキペダル26が操作されたことを検出する。これらの各種のセンサはECU100に接続されており、各センサの検出結果は、ECU100に出力される。ECU100は、これらのセンサの検出結果に基づいて、光照射装置のいずれかに、光照射装置が照射する光に光信号を重畳して所定の情報を送信する。なお、ECU100は、他の車両などの対象物から光信号として送信された情報を後述する前方受信装置50または後方受信装置52などにより受信し、この受信した情報に基づいて、もしくは車両室内にいる者からの入力などにより、光信号として所定の情報を送信ることができる。
図2は、第1の実施形態に係る車両用通信装置を有する車両10の全体構成図である。本図では、主に車両用通信装置が情報を受信し、受信された情報に基づいて車両10において制御を行う場合の構成を記載する。本実施形態に係る車両用通信装置は、図1に示されるものの他に、さらに前方受信装置50、後方受信装置52などにより構成される。
前方受信装置50および後方受信装置52は、CCDセンサなどの光信号を受信可能なセンサによって構成される。なお、後方視界を得るためのものであって、車両10が後退するときに車両10の室内に設けられたディスプレイに後方視界を表示することにより、後退時の運転の安全性を確保するバックアイカメラが、後方受信装置52として機能してもよい。前方受信装置50および後方受信装置52はECU100に接続されており、これらの検出結果はECU100に送信される。
車両10は、エンジン60を有しており、エンジン60は、吸気通路62、スロットル弁モータ64、スロットル弁66を有している。アクセルペダル30はECU100に接続されており、アクセルペダル30が操作されるとその操作量を示す情報がECU100に出力される。スロットル弁モータ64はECU100に接続されており、ECU100は、アクセルペダル30の操作量に応じてスロットル弁モータ64に駆動信号を出力してスロットル弁66を開弁または閉弁する。ECU100はこのようにスロットル弁66の開度を制御することにより、エンジン60のエンジントルクを制御する。
また、車両10は、車輪に制動力を与えるブレーキのブレーキ液圧を制御する油圧システム80を有している。油圧システム80は、各車輪に設けられたホイールシリンダ82に連通されており、ブレーキ液圧であるホイールシリンダ圧を制御することにより車両10の制動力を制御する。本実施形態に係る油圧システム80は、電子制御ブレーキシステムが採用されている。ECU100は、ブレーキペダル26の操作量および車速などの各種の情報に基づいて、油圧システム80の後述する増圧用リニアバルブや減圧用リニアバルブなどを制御することにより、ブレーキ液圧としてのホイールシリンダ圧を制御する。
図3は、第1の実施形態に係る車両用通信装置を有する車両間における通信制御の一例を示す図である。本図において、第1車両10Aおよび第2車両10Bは走行中であり、第1車両10Aが前方車両、第2車両10Bが第1車両10Aの後方に位置する後続車両であるものとする。
本実施形態において、第1車両10Aは、後方車間距離センサ24により、後続車両である第2車両10Bとの車間距離を検出する。第1車両10Aのテールランプ16が点灯されている場合、第1車両10AのECU100は、後方車間距離センサ24の検出結果、および車速センサ20の検出結果などに基づいて、テールランプ16が照射する光に信号を重畳させ、光信号として情報を第2車両10Bに送信する。
車間距離が短ければ第1車両10Aと第2車両10Bとが衝突する危険度が高まることから、第1車両10AのECU100は、後方車間距離センサ24の検出結果、および車速センサ20の検出結果などに基づいて、第1車両10Aへ与えられ得るまたは第2車両10Bが与え得る危険の度合いを示す危険度を判断し、この危険度を示す情報をテールランプ16により第2車両10Bに送信する。本実施形態においては、ECU100は、現在の第1車両10Aと第2車両10Bとの車間距離および第1車両10Aの速度が、予め層別された複数の危険度のランクのいずれのランクに該当するかを判断し、この危険度のランクをテールランプ16により第2車両10Bに送信する。これにより、第2車両10Bは、たとえば予めランクに応じた対応を決めておくなど、この危険度のランクに応じた車両の制御を行うことが可能となり、円滑に危険を回避することができる。危険度を示す情報は、このようなランクでなくてもよく、例えば第1車両10Aと第2車両10Bとの車間距離を示す情報や第1車両10Aの車速を示す情報でもよい。この場合、第2車両10Bがこれらの情報に基づいて危険度を演算すればよい。
また、第1車両10AのECU100は、この危険度を示す情報が含まれる所定の情報を第2車両10Bに送信する送信頻度をこの危険度に応じて変更する。具体的には、第1車両10AのECU100は、危険度が低い場合にはこの所定の情報を第2車両10Bに送信する送信頻度を低くし、危険度が高い場合にはこの送信頻度を高くする。これにより、この情報を受信する対象物は、受信された情報に基づいて迅速に対応することができる。
なお、本実施形態において、第1車両10AのECU100が危険度を判断する場合に、本図における第1車両10Aの車速ではなく、第2車両10Bが第2車両10Bの車速を第1車両10Aに照射する光信号として第1車両10Aに送信し、第2車両10Bの車速信号を受信した第1車両10Aは、この第2車両10Bの車速と、第1車両10Aと第2車両10Bとの車間距離から危険度を判断してもよい。また、第1車両10AのECU100は、第1車両10Aの車速、および後方車間距離センサ24により検出された第1車両10Aと第2車両10Bとの車間距離の変化率から第2車両10Bの車速を算出してもよい。これにより、第2車両10Bの速度も考慮して危険度を判断することができる。
図4は、第1の実施形態に係る車両用通信装置が情報を送信する場合のECU100の機能ブロック図である。ECU100は、各種の情報を記憶し、演算する主制御部110、および送信制御部140などを有している。主制御部110は各種の情報を記憶するROM130、および各種の情報を算出する演算ユニット120を有している。
主制御部110は、車速センサ20、前方車間距離センサ22、後方車間距離センサ24、ブレーキセンサ28などから検出結果の入力を受ける。主制御部110の演算ユニット120は、車間距離演算部122および車速演算部124を有している。車間距離演算部122は、前方車間距離センサ22および後方車間距離センサ24の検出結果から前方車両や後続車両との車間距離を算出する。車速演算部124は、車速センサ20の検出結果から車速を算出する。
ROM130は危険度を示すランクを記憶するランク記憶部132を有している。ランク記憶部132に記憶されたランクは、層別された複数のランクと、車間距離と車速が対応づけられたテーブルとして記憶されている。演算ユニット120はランク判断部126を有しており、ランク判断部126は、車間距離演算部122によって算出された車間距離と、車速演算部124によって算出された車速とを比較する。これにより、現在の車両の状況がどの危険度のランクに該当するかを判断する。
主制御部110により判断された危険度のランクは、送信制御部140に出力される。送信制御部140は、図示しない駆動回路および変調器を有しており、この変調器によって駆動回路から出力される駆動電流に信号が重畳される。変調器によって信号を変調する変調方式は、AM変調、FM変調、パルス幅変調、パルスコード変調などの各種の変調方式のいずれかが適宜採用される。送信制御部140は、主制御部110から出力された危険度のランクを含む所定の情報を、ヘッドライト12、スモールランプ14、テールランプ16、ブレーキランプ17、ウィンカ18などの光照射装置により外部へ光信号として出力する。この場合、これらの光照射装置によって光信号を送信する必要性が高い場合や低い場合があることから、これらの光照射装置によって外部に光信号を送信するときは、ECU100の送信制御部140は、所定の送信頻度で外部に光信号を送信する。本実施形態においては、送信制御部140は、ランク記憶部132に記憶された危険度のランクに応じた送信頻度を取得し、この送信頻度により外部へ光信号として情報を出力する。
図5(a)および(b)は、第1の実施形態に係る車両用通信装置の危険度のランクを示すテーブルである。本実施形態において、危険度のランクを示すテーブルは車両の速度ごとに設けられている。ECU100は、検出された車両の速度から、いずれのテーブルを使用するかをまず判断する。たとえば、V1が時速80キロメートル、V2が時速100キロメートルであって、車両の速度が90キロメートルである場合、ECU100は、図5(a)のテーブルを使って危険度のランクを判断する。
ECU100は、採用したテーブルの車間距離と前方車間距離センサ22または後方車間距離センサ24により検出された車間距離とを比較し、危険度のランクを判断する。たとえば、車間距離がそれぞれL1が50メートル、L2が80メートル、L3が60メートル、L4が100メートルなどに設定されている場合、車両の時速が110キロメートルで車間距離が80メートルの場合、危険度のランクは「中」となる。
また、外部に光信号として情報を送信する送信頻度は、図5(a)および(b)に示されるように、各危険度のランクに対応して設けられている。これらの送信頻度は、たとえばF1が100ミリ秒、F2が200ミリ秒、F3が500ミリ秒などの値を示す情報とされる。
図6は、第1の実施形態に係る車両用通信装置の送信頻度を示す図である。本図において、横軸は時間であり、所定間隔ごとに現れる凸部は光信号として光照射装置が照射する光に重畳されるパルス信号である。
危険度のランクが低い場合には、光信号を外部に送信する送信頻度は、低いF3とされる。これにより、危険度が低い場合には光信号を送信する負担を軽減することができる。例えば車間距離が短くなることなどにより、ECU100が危険度のランクが中であると判断すると、ECU100は、送信頻度をF3よりも高いF2に変更する。さらに車間距離が短くなることなどにより、ECU100が危険度のランクが高と判断すると、ECU100は、送信頻度をF2よりもさらに高いF1に変更する。これにより、危険度が高い車両から送信された情報を他の車両が迅速に受信する可能性を高めることができ、安全性を向上させることができる。
図7は、第1の実施形態に係る車両用通信装置の通信制御の処理を示すフローチャートである。本フローチャートにおける処理は、所定時間ごとに繰り返される。
まず、ECU100は、光照射装置はオンか否かを判断する(S11)。本実施形態においては、後続車両に光信号を送信するものであることから、本フローチャートにおける光照射装置は後続車両に光を照射することが可能なテールランプ16または後方のウィンカ18である。光照射装置はオフと判断された場合(S11のN)、光照射装置により光信号を送信することができないため本フローチャートにおける処理を終了する。
送信用ランプはオンと判断された場合(S11のY)、ECU100は、後続車両があるか否かを判断する(S12)。後続車両があるか否かは、例えば後方車間距離センサ24の検出結果に基づいて判断する。後続車両がないと判断された場合(S12のN)、後続車両との関係における危険度はないと判断され、本フローチャートにおける処理を終了する。
後続車があると判断された場合(S12のY)、ECU100は、危険度のランクを判定する(S13)。この危険度のランクの判定は、前述のように車速と車間距離に基づいて行われる。危険度のランクが判定されると、ECU100は、危険度は高か否かを判断する(S14)。危険度は高と判断された場合(S14のY)、ECU100は、送信頻度Fを最も高いF1に設定し(S15)、この送信頻度F1で危険度のランク情報を含む所定の情報を光信号として外部に送信する(S16)。
危険度は高でないと判断された場合(S14のN)、ECU100は、危険度は中か否かを判断する(S17)。危険度は中と判断された場合(S17のY)、ECU100は、送信頻度FをF2に設定し(S18)、この送信頻度F2で危険度のランク情報を含む所定の情報を光信号として外部に送信する(S19)。
危険度は中でないと判断された場合(S17のN)、ECU100は、送信頻度Fを最も低いF3に設定し(S20)。この送信頻度F3で危険度のランク情報を含む所定の情報を光信号として外部に送信する(S21)。危険度のランク情報が送信されると、本フローチャートにおける処理を終了する。
図8は、第1の実施形態に係る車両用通信装置が情報を受信する場合のECU100の機能ブロック図である。ECU100は、マイクロコンピュータによる演算ユニット120、ROM130、RAM135、I/Oポートなどを含む主制御部110を有している。また、ECU100は、油圧システム制御部150を有している。油圧システム制御部150は、開弁されることによりホイールシリンダ圧を増圧する増圧弁として機能する増圧用リニアバルブ84、開弁されることによりホイールシリンダ圧を減圧する減圧弁として機能する減圧用リニアバルブ86、増圧用リニアバルブ84および減圧用リニアバルブ86を制御してホイールシリンダ圧を制御し、制動力制御手段として機能するリニアバルブ制御部152、ポンプモータ88を制御するポンプモータ制御部156、マスタ遮断弁90を制御するマスタ遮断弁制御部158などから構成され、それぞれ油圧システム80の増圧用リニアバルブ84、減圧用リニアバルブ86、ポンプモータ88、マスタ遮断弁90に接続されている。このECU100および油圧システム80により、制動力制御手段として機能する電制御ブレーキシステムが構成される。
主制御部110のI/Oポートには、図示しないストロークセンサ、アキュムレータ圧センサ、マスタ圧センサ、ホイールシリンダ圧センサが接続されており、演算ユニット120には、ブレーキペダル26のストローク信号、アキュムレータ圧信号、マスタ圧信号、ホイールシリンダ圧信号が入力される。演算ユニット120は、入力されたこれらの信号に基づき、ROM130に格納されたプログラムを利用して、各車輪の目標ホイールシリンダ圧を演算する。リニアバルブ制御部152は、ホイールシリンダ圧が演算された目標ホイールシリンダ圧となるよう、増圧用リニアバルブ84および減圧用リニアバルブ86を制御する。このようにして電子制御ブレーキシステムは、各車輪に最適な制動力を与えている。
この電子制御ブレーキシステムは、本実施形態に係る車両用通信装置により受信した情報に基づいて、車輪に与える制動力を制御する。ECU100は、前方受信装置50および後方受信装置52が光信号として受信した他の車両などの対象物から送信された情報の入力を受ける。本実施形態においては、ECU100は、前方車両から受信した危険度のランクを示す情報の入力を受ける。また、ECU100は、車速センサ20および前方車間距離センサ22から検出結果の入力を受ける。主制御部110の演算ユニット120は、ROM130に格納されたテーブルなどを利用し、入力された危険度のランクを示す情報から、危険度のランク、および危険度を低減するための目標車速や目標車間距離を演算する。演算ユニット120は、この目標車速と目標車間距離と、車速センサ20および前方車間距離センサ22の検出結果から算出した車速と車間距離を比較する。目標車速よりも実際の車速が高い、または目標車間距離よりも実際の車間距離が短い場合は、演算ユニット120は、車速を低減させるまたは車間距離を長くするために、車輪に与えるべき制動力を算出し、リニアバルブ制御部152に出力する。リニアバルブ制御部152は、入力された制動力を実現するよう、増圧用リニアバルブ84を開弁し、ホイールシリンダに圧力を与えてブレーキを作動させ、車輪に適度に制動力を与える。実際の車速および実際の車間距離が目標車速および目標車間距離の範囲内となったときに、リニアバルブ制御部152は、増圧用リニアバルブ84を閉弁し、減圧用リニアバルブ86を開弁することによりホイールシリンダへ与えていた圧力を解除し、ブレーキの作動を停止させる。これにより、ECU100は、他の車両から受信した危険度を示す情報を利用して車両間の安全性を高めることができる。
また、ECU100は、エンジントルク制御手段として機能するスロットル制御部160を有している。前述のように、演算ユニット120は、この目標車速と目標車間距離と、車速センサ20および前方車間距離センサ22の検出結果から算出した車速と車間距離を比較する。目標車速よりも実際の車速が高い、または目標車間距離よりも実際の車間距離が短い場合は、演算ユニット120は、車速を低減させる、または車間距離を長くするためにエンジン60が発生するべき目標エンジントルクを算出し、スロットル制御部160に出力する。スロットル制御部160は、目標エンジントルクの入力を受け、スロットル弁モータ64に駆動信号を出力する。スロットル弁モータ64は、駆動信号の入力を受けてスロットル弁66を適度に閉弁する。これにより、過度のエンジントルクを低減する。実際の車速および実際の車間距離が目標車速および目標車間距離の範囲内となったときに、スロットル制御部160は、スロットル弁66を開弁するようにスロットル弁モータ64に駆動信号を出力する。
(第2の実施形態)
図9は、第2の実施形態に係る車両用通信装置を有する車両間における通信制御の一例を示す図である。本図において、第3車両10Cは停止中であり、第4車両10Dは第3車両10Cに向かって走行中であるものとする。なお、第1の実施形態と同一の箇所については説明を省略する。
図9は、第2の実施形態に係る車両用通信装置を有する車両間における通信制御の一例を示す図である。本図において、第3車両10Cは停止中であり、第4車両10Dは第3車両10Cに向かって走行中であるものとする。なお、第1の実施形態と同一の箇所については説明を省略する。
第3車両10Cは、第3車両10Cの停止中に、第3車両10Cが停止していることを示す停止情報を、光照射装置により他の車両などの対象物に光信号として送信する。停止情報を受信した第4車両10Dは、第4車両10Dが走行する方向に、停止中の車両などの対象物があることを運転者に報知するために、車両室内に設けられたディスプレイに、車両が走行する方向に停止中の対象物がある旨を表示し、また車両室内に設けられたスピーカからその旨を音声出力する。これにより、運転者に迅速に停止中の対象物があることを報知することができる。
なお、停止情報を受信した第4車両10Dは、例えば、第1の実施形態と同様に、ECU100が油圧システム80を制御することにより車輪に制動力を与えてもよく、また、ECU100がスロットル弁モータ64を制御することによりエンジントルクを制御してもよい。これにより、停止中の対象物と走行中の車両との間の安全性を向上させることができる。
また、第3車両10Cは、前方車間距離センサ22および後方車間距離センサ24の検出結果から、第3車両10Cに向かって走行する車両などの対象物があると判断された場合に、停止情報を送信してもよい。これにより、第3車両10Cが光信号を送信する負担を軽減することができる。また、前方車間距離センサ22および後方車間距離センサ24の検出結果から、第3車両10Cに向かって走行する車両が第3車両10Cと所定の車間距離となった場合に停止情報を送信してもよく、第3車両10Cと第4車両10Dの車間距離と第4車両10Dの車速から、危険度が高いと判断された場合に停止情報を送信してもよい。第4車両10Dの車速は、前方車間距離センサ22または後方車間距離センサ24により検出された車間距離の変化によって第3車両10CのECU100が算出してもよく、また第4車両10Dが自身で検出した第4車両10Dの車速を、ヘッドライト12などの光照射装置により光信号として第3車両10Cに送信してもよい。
図10は、第2の実施形態に係る車両用通信装置の通信制御の処理を示すフローチャートである。本フローチャートにおける処理は、所定時間ごとに繰り返される。
ECU100は、車速Vがゼロか否かを判断する(S31)。車速Vがゼロでないと判断された場合(S31のN)、車両は走行中であると判断され、本フローチャートにおける処理を終了する。車速Vがゼロと判断された場合(S31のY)、車両は停止中であると判断され、ECU100は、ブレーキペダルはオンか否かを判断する(S32)。ブレーキペダルはオフと判断された場合(S32のN)、光信号として情報を送信できないと判断され、本フローチャートにおける処理を終了する。ブレーキペダルはオンと判断された場合(S32のY)、光信号として情報を送信可能と判断され、ECU100は、ブレーキランプ17により照射される光に光信号を重畳して停止情報を外部に送信する(S33)。これにより、車両が停止中であることを他の車両などの対象物が認識することができ、車両間の安全性を向上させることができる。
第3車両10Cは停止中でなく走行中である場合に、S31において、ECU100は、車速Vが所定の速度V1以下か否かを判断してもよい。また、S33において車速Vが所定の速度V1以下であると判断された場合に車両が低速で走行していることを示す低速走行情報を、ブレーキランプ17またはテールランプ16などにより外部に送信してもよい。これにより、車両が低速で走行していることを他の車両などの対象物が認識することができ、車両間の安全性を向上させることができる。
(第3の実施形態)
図11は、第3の実施形態に係る車両用通信装置を有する車両間における通信制御の一例を示す図である。本図において、第5車両10Eは停止中であり、第6車両10Fは第5車両10Eに向かって走行中であるものとする。なお、前述の実施形態と同一の箇所については説明を省略する。
図11は、第3の実施形態に係る車両用通信装置を有する車両間における通信制御の一例を示す図である。本図において、第5車両10Eは停止中であり、第6車両10Fは第5車両10Eに向かって走行中であるものとする。なお、前述の実施形態と同一の箇所については説明を省略する。
第6車両10FのECU100は、車速センサ20によって検出された車速情報およびブレーキセンサ28によって検出されたブレーキ操作がされたタイミングを示すブレーキタイミング情報を、ヘッドライト12を含む光照射装置によって光信号として外部に送信する。第5車両10Eは、第6車両10Fから送信された第6車両10Fの車速情報およびブレーキタイミング情報を後方受信装置52により受信する。第5車両10EのECU100は、受信した対象物である第6車両10Fの車速情報およびブレーキタイミング情報に基づいて、ブレーキ液圧としてホイールシリンダ圧を制御する。
具体的には、以下の制御を行う。第5車両10EのECU100は、前方車間距離センサ22および後方車間距離センサ24のより検出された前方車両および後続車両との車間距離の入力を受ける。ECU100は、受信した第6車両10Fの車速情報およびタイミング情報、および後方車間距離センサ24により検出された第6車両10Fとの車間距離と、ROM130に格納されたテーブルを比較し、第5車両10Eに向かって走行する対象物である第6車両10Fの速度が所定の速度より大きいか、またはブレーキタイミングが所定のブレーキタイミングよりも遅いか否かを判断する。第6車両10Fの速度が所定の速度より大きい、またはブレーキタイミングが所定のブレーキタイミングよりも遅いと判断された場合には、ECU100は、油圧システム制御部150のリニアバルブ制御部152に、ホイールシリンダに与えるべき圧力である目標ホイールシリンダ圧を出力する。リニアバルブ制御部152は、目標ホイールシリンダ圧の入力を受け、増圧用リニアバルブ84を開弁してホイールシリンダ圧を増圧し、ブレーキが車輪に与える制動力を増大させる。これにより、車両の停止中に他の車両が衝突した場合においても、衝突された車両の移動量を低減することが可能となる。ECU100は、ホイールシリンダ圧が目標ホイールシリンダ圧に到達した場合に、増圧用リニアバルブ84および減圧用リニアバルブ86を制御してホイールシリンダ圧を目標シリンダ圧に維持する。
図12は、第3の実施形態に係る車両用通信装置の通信制御の処理を示すフローチャートである。本フローチャートにおける処理は所定時間ごとに繰り返される。なお、S41およびS42は図10のS31およびS32と同様であるため、説明を省略する。
ブレーキペダルはオンと判断された場合(S42のY)、ECU100は、まず送信頻度Fを最も低いF3に設定する(S43)。送信頻度FがF3に設定されると、ECU100は、光照射装置から車両が停止中であることを示す停止情報を送信する(S44)。
停止情報が送信されると、ECU100は、後方車間距離センサ24の検出結果から後続車があるか否かを判断する(S45)。後続車両がないと判断された場合(S45のN)、後続車両との間での危険はないと判断され、本フローチャートにおける処理を終了する。
後続車両があると判断された場合(S45のY)、ECU100は、後続車両との間の危険度のランクを判定する(S46)。危険度のランクが判定されると、ECU100は、検出された後続車両との車間距離、および後続車両から受信した車速情報およびブレーキタイミング情報などに基づいて、危険度のランクは高か否かを判断する(S47)。
危険度のランクは高と判断された場合(S47のY)、ECU100は、送信頻度Fを最も高いF1に設定する(S48)。送信頻度FがF1に設定されると、ECU100は、危険度のランクを光照射装置により光信号として外部に送信する(S49)。
危険度のランクが送信されると、ECU100は、増圧用リニアバルブ84を開弁してホイールシリンダ圧を増圧する(S50)。ホイールシリンダ圧が増圧されると、ECU100は、車両室内に設けられたディスプレイに、後続車両の速度が大きい、または後続車両のプレーキングのタイミングが遅れた旨の警告を表示する(S51)。これにより、車両に乗車している者に後続車両との関係で危険度が高い旨を報知することができる。なお、この際、車両室内に設けられたスピーカにこれらの旨の音声出力を行ってもよい。警告が表示されると、本フローチャートにおける処理を終了する。
危険度のランクは高でないと判断された場合(S47のN)、ECU100は、危険度のランクは中か否かを判断する(S52)。危険度のランクは中と判断された場合(S52のY)、ECU100は、送信頻度FをF2に設定する(S53)。送信頻度FがF2に設定されると、ECU100は、危険度のランクを送信し(S54)、本フローチャートにおける処理を終了する。危険度のランクは中でないと判断された場合(S52のN)、ECU100は、送信頻度FをF3に設定する(S55)。送信頻度FがF3に設定されると、ECU100は、危険度のランクを送信し(S56)、本フローチャートにおける処理を終了する。
なお、第5車両10Eは停止中でなく低速により走行中である場合に、S41において、ECU100は、車速Vが所定の速度V1以下か否かを判断してもよい。また、S43において車速Vが所定の速度V1以下であると判断された場合に車両が低速で走行していることを示す低速走行情報を、ブレーキランプ17またはテールランプ16などにより外部に送信してもよい。
(第4の実施形態)
図13は、第4の実施形態に係る車両用通信装置を有する車両間における通信制御の一例を示す図である。第7車両10G、第8車両10H、第9車両10Iは走行中であってもよく、また停止中であってもよい。また、第8車両10Hの前方車両が第7車両10G、第8車両10Hの後続車両が第9車両10Iであるものとする。なお、前述の実施形態と同一の箇所については説明を省略する。
図13は、第4の実施形態に係る車両用通信装置を有する車両間における通信制御の一例を示す図である。第7車両10G、第8車両10H、第9車両10Iは走行中であってもよく、また停止中であってもよい。また、第8車両10Hの前方車両が第7車両10G、第8車両10Hの後続車両が第9車両10Iであるものとする。なお、前述の実施形態と同一の箇所については説明を省略する。
第8車両10Hは、光信号として所定の情報を送信する第1対象物から情報を受信した場合、その対象物以外の他の対象物に、受信した情報を、第2対象物に送信する。本図においては、まず第8車両10Hは、例えば前方車両である第7車両10Gのブレーキランプ17から光信号として送信された情報を、前方受信装置50により受信する。前方受信装置50の検出結果の入力を受けたECU100は、ブレーキランプ17から光信号として第7車両10Gから受信した情報を、後続車両である第9車両10Iに向かって送信する。第9車両10Iは、第8車両10Hから送信された情報を前方受信装置50によって受信する。これにより、第8車両10Hは、第7車両10Gから受信した情報を第9車両10Iと共有することができる。また、光信号として情報を送受信する場合、光が遮断されることにより情報の送受信が困難となる。たとえば本図のような場合は第7車両10Gから送信された情報は、第8車両10Hが光信号を遮断してしまうため第9車両10Iが受信することが困難になる場合がある。本実施形態のように第7車両10Gから送信された情報を第8車両10Hが他の対象物に送信することにより、光が遮断されている対象物からも情報を受信することが可能となる。
本実施形態においては、信号機200や標識202にLEDが設けられ、光信号として所定の情報を送信することができる。信号機200は、たとえば信号機が赤または青に変わったことを示す情報や、赤または青となっている残り時間を示す情報を他の車両などの対象物へ送信することができる。標識202は、たとえば車両通行禁止、一方通行、または駐車禁止である旨など、その標識が表す情報を他の対象物へ送信することができる。第8車両10Hは、信号機200または標識202などから光信号として送信されたこれらの情報を受信する。これらの情報を受信した第8車両10Hは、ヘッドライト12やスモールランプ14、ウィンカ18などにより前方車両である第7車両10Gに送信し、また、ブレーキランプ17やウィンカ18などにより後方車両である第9車両10Iに送信する。これにより、信号機や標識などの情報を各車両において共有することができる。
図14は、第4の実施形態に係る車両用通信装置の通信制御の処理を示すフローチャートである。本フローチャートにおける処理は、所定時間ごとに繰り返される。
まずECU100は、外部から信号が受信されたか否かを判断する(S61)。外部から信号が受信されていないと判断された場合(S61のN)、他の車両などの対象物と共有する情報がないため、本フローチャートにおける処理を終了する。外部から信号が受信されたと判断された場合(S61のY)、ECU100は、後続車両などの対象物へ光信号を送信することができるテールランプ16などの光照射装置がオンか否かを判断する(S62)。光照射装置はオフと判断された場合(S62のN)、車両から光信号を送信することができないので、本フローチャートにおける処理を終了する。
光照射装置はオンと判断された場合(S62のY)、ECU100は、受信した情報を外部へ送信する(S63)。これにより、受信した情報を他の車両などの対象物と共有することが可能となる。受信した情報が外部へ送信されると、ECU100は、外部から信号が受信されなくなったか否かを判断する(S64)。外部から信号が受信されていると判断された場合(S64のN)、引き続きその情報を他の対象物と共有するため、受信したその情報を再度外部へ送信する(S63)。
外部から信号が受信されなくなったと判断された場合(S64のY)、ECU100は、信号が受信されなくなってから所定時間を経過したか否かを判断する(S65)。信号が受信されなくなってから所定時間が経過していないと判断された場合(S65のN)、受信した情報を再度外部へ送信する(S63)。信号が受信されなくなってから所定時間が経過と判断された場合(S65のY)、本フローチャートにおける処理を終了する。
本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、各実施形態の各要素を適宜組み合わせたものも、本発明の実施形態として有効である。また、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を各実施形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も本発明の範囲に含まれうる。以下、そうした例をあげる。
車両において外部に光を照射して所定の情報を送信する光照射装置は、前述のものに限られず、例えば外部に光信号を送信する専用の光照射装置であってもよい。これにより、たとえばテールランプ16やヘッドライト12により光が照射されない昼間などにおいても、外部に光信号を送信することが可能となる。
光信号として所定の情報を送信するのは、前述の例のほかに、自転車やバイクに設けられたライトや、夜間に車両などへ自己の存在を認識させるために人間が身につける光信号の送信装置などであってもよい。
鉄道の踏切の警戒照明灯が、光信号を照射して所定の情報を送信する送信装置として機能してもよい。たとえば、この警戒照明灯は、踏切または遮断機が閉じられている状態から開放されるまでの予測時間を車両10などに送信してもよい。また、この警戒照明灯が点滅状態になったことを示す情報、踏切または遮断機が閉じられている状態であることを示す情報、警戒照明灯の点滅状態が解除されたことを示す情報、もしくは踏切または遮断機が開放されたことを示す情報などを車両10などに送信してもよい。これにより、これらの情報を受信した車両10などは、踏切周辺における安全性を高めるためにこれらの情報を利用することが可能となる。
また、車両から送信された情報は、前方車両および後続車両だけでなく、対向車その他周辺に位置する車両が受信してもよい。これにより、前方車両および後続車両だけでなく周辺に位置する車両との関係においても安全性および交通の円滑性を向上させることができる。また、車両だけでなく、人間が身につけるための受信装置や、自転車やバイクなどに設けられた受信装置が光信号として情報を受信してもよい。これにより、車両以外の対象物も車両から送信された情報を利用することが可能となる。
後続車両の車速が所定の速度よりも低い場合、または後続車両が停止中の場合は、後続車両との間において危険はないと判断し、その前方車両は、前述の危険度を判断しなくてもよく、または前方車両は後続車両に光信号により所定の情報を送信しなくてもよい。これにより、光信号を外部に送信する負担を軽減することができる。
車両が送信する情報は、前述の例だけでなく、車両が故障中である旨や車両が事故に遭った旨を示す情報、渋滞が発生している旨を示す情報でもよい。これにより、車両の故障や渋滞に関する情報を受信した車両などの対象物がこれらの情報を利用することが可能となる。また、車両が所定の情報を送信する場合、所定の頻度により情報を送信してもよく、運転者など車両室内にいる者から送信ボタンの入力を受け付けることなどにより情報を送信してもよい。
10 車両、 12 ヘッドライト、 14 スモールランプ、 16 テールランプ、 17 ブレーキランプ、 18 ウィンカ、 20 車速センサ、 22 前方車間距離センサ、 24 後方車間距離センサ、 26 ブレーキペダル、 28 ブレーキセンサ、 30 アクセルペダル、 50 前方受信装置、 52 後方受信装置、 100 ECU。
Claims (7)
- 車両に設けられ、光信号を照射して所定の情報を送信する送信手段を備える車両用通信装置において、
前記車両へ与えられ得るまたは前記車両が与え得る危険の度合いを示す危険度を判断する危険度判断手段をさらに備え、
前記送信手段は、前記危険度判断手段により判断された危険度を示す情報を送信することを特徴とする車両用通信装置。 - 層別された複数の危険度のランクを記憶する記憶手段をさらに備え、
前記危険度判断手段は、前記危険度が前記複数のランクのいずれのランクに該当するかを判断し、前記送信手段は、前記危険度判断手段により判断された前記ランクを示す情報を送信することを特徴とする請求項1に記載の車両用通信装置。 - 車両に設けられ、光信号を照射して所定の情報を送信する送信手段を備える車両用通信装置において、
前記車両へ与えられ得るまたは前記車両が与え得る危険の度合いを示す危険度を判断する危険度判断手段をさらに備え、
前記送信手段は、所定の頻度により情報を送信するものであって、前記危険度判断手段により判断された危険度に応じて前記頻度を変更することを特徴とする車両用通信装置。 - 車両に設けられ、光信号を照射して所定の情報を送信する送信手段を備える車両用通信装置において、
前記送信手段は、前記車両が停止しているときに前記車両が停止していることを示す停止情報を送信することを特徴とする車両用通信装置。 - 車両に設けられ、光信号を照射して所定の情報を送信する送信手段を備える車両用通信装置において、
前記送信手段は、前記車両が所定の速度よりも低速で走行しているときに前記車両が低速で走行していることを示す低速走行情報を送信することを特徴とする車両用通信装置。 - 車両に設けられ、照射された光信号として所定の情報を受信する受信手段を備える車両用通信装置において、
前記受信手段は、前記車両が停止しているときに、前記車両が制動力を制御するため、前記車両に向かって走行する他の車両の速度または前記他の車両のブレーキ操作のタイミングを受信することを特徴とする車両用通信装置。 - 車両に設けられ、照射された光信号として所定の情報を受信する受信手段と、
前記車両に設けられ、光信号を照射して所定の情報を送信する送信手段を備える車両用通信装置において、
前記受信手段は、第1対象物により送信された情報を受信し、
前記送信手段は、前記第1対象物により送信された情報を第2対象物に送信することを特徴とする車両用通信装置。
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