JP2006322827A - ガス漏れ検出装置 - Google Patents

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亮 冨松
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Abstract

【課題】 確実且つ効率良く排気管のガス漏れを検出する。
【解決手段】 ガス漏れ検出ユニット300は、エンジンヘッド200aと排気管210との接合部に設けられたフランジ330及びガスケット340を備える。フランジ330及びガスケット340は、夫々一部が空間を隔てて対面している。一方、フランジ330とガスケット340との間には電源310により所定の電圧が印加されている。係る接合部からガスが漏れた場合、漏出ガス11に含まれるイオンによってフランジ330とガスケット340とが導通し、閉回路にイオン電流が流れるため、検出用端子360の端子電圧が変化する。この検出用端子360の出力はECU100に入力されており、ECU100は、ガス漏れ検出処理を実行する過程で、この端子電圧に基づいてガス漏れの検出を行う。
【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関において排気管からのガス漏れを検出するためのガス漏れ検出装置の技術分野に関する。
この種の技術として、空燃比センサの出力に基づいて排気系の異常(例えば、ガス漏れ)を検出するものがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示された内燃機関の排気系異常検出装置(以下、「従来の技術」と称する)によれば、空燃比を強制的にリッチに制御した場合に、空燃比センサがそれに対応した出力を示すか否かによって、排気系の異常を検出可能であるとされている。
尚、異なる分野において漏れを検出するものとして、鋳造工場における溶湯搬送パイプ接続部に埋設された電極に溶湯が接触した場合若しくは電極が溶断した場合に、その電気的な変化に基づいて溶湯漏れを検知するシステムも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、同じく異なる分野において漏れを検出するものとして、配管継手部に検出ケーブルを巻きつけることによって液漏れを検出するシステムも提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2002−317678号公報 特開平8−309517号公報 特開平9−15077号公報
従来の技術では、空燃比センサの出力値が然るべき値でないことをもって排気系が異常であると判定される。無論、排気系の異常も空燃比センサの出力値を変化せしめる要素となり得るが、空燃比センサの出力は、例えば、空燃比センサ自体の異常、エンジン内部の燃焼状態など他の要因によっても変化し得るから、このように空燃比センサの出力値に基づいて排気系の異常が検出される場合、誤判定の発生は避け難く、排気系の異常を検出する精度が低くなり易い。即ち、従来の技術には、排気系のガス漏れを確実に且つ効率良く検出することが困難であるという技術的な問題点がある。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、排気系のガス漏れを確実且つ効率良く検出することが可能なガス漏れ検出装置を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係るガス漏れ検出装置は、内燃機関に設置され、該内燃機関における排気管の所定部位を覆う空間に少なくとも一部が接する導電性の第1端子と、前記内燃機関に、(i)前記第1端子との間に電気的な絶縁性を有し、且つ(ii)少なくとも一部が前記第1端子において前記空間に接する少なくとも一部と前記空間を隔てて対面するように設置され、該隔てられた空間によって前記絶縁性の少なくとも一部が規定される導電性の第2端子と、前記第1端子と前記第2端子との間に電圧を印加する印加手段と、前記電圧が印加され且つ前記排気管内部に存在する所定種類のイオンを含むガスが前記排気管内部から前記所定部位を介して前記空間へ漏れている場合に前記第1端子と第2端子との間に前記イオンに起因して流れる電流を検出する検出手段とを具備することを特徴とする。
本発明に係るガス漏れ検出装置は、第1端子と第2端子とを備える。
第1端子は、内燃機関に設置され、少なくとも一部が係る内燃機関における排気管の所定部位を覆う空間に接する導電性の部材である。
ここで、本発明に係る「内燃機関」とは、燃料の燃焼によって生じるガスを直接利用して作動する機関を包括する概念であり、好適には、ガソリン、軽油、LPG等を燃料とする車両用のエンジンなどを指す。
また、「排気管」とは、係る内燃機関において、シリンダ(気筒)内から排気バルブを介して排気されたガス、例えば、燃焼ガス又は未燃焼の混合気などを排気するための流路を規定する部材を包括する概念である。例えば、エンジンにおいて、エンジンヘッドが、排気バルブによってシリンダとの連通状態が制御される連通口とエキゾーストマニホールド(即ち、排気管の一例)とをつなぐ流路を内包する場合には、係る流路を規定するエンジンヘッドの一部も本発明に係る排気管となり得る趣旨である。
ここで、「排気管の所定部位」とは、排気管の少なくとも一部であると共に、排気工程においてシリンダ内から排気されたガスを排気管外部へ漏出させる可能性を有する部位を包括する概念である。係る概念が担保される限りにおいて、係る所定部位とはどのような部位であってもよい。また、この所定部位を覆う空間とは、この所定部位を介して排気管内部のガスが漏れた場合に、漏れたガスが滞留、充満又は放散する空間及びその近傍の空間を包括する概念であり、従って、排気管をどの程度覆うのかは特に明確に或いは数値的に規定されなくともよい趣旨である。
第2端子は、第1端子と同様に内燃機関に設置される導電性の部材である。第2端子は、第1端子との間に電気的な絶縁性を有し、且つ少なくとも一部が、第1端子において前述した空間に接する少なくとも一部と係る空間を隔てて対面するように設置されている。
ここで、「電気的な絶縁性を有し」とは、第1端子と第2端子とが結果として電気的に絶縁されている状態を包括する概念であり、係る概念が担保される限りにおいて、このような絶縁性を付与するための態様は何ら限定されない趣旨である。
また、第2端子の少なくとも一部は、第1端子において空間と接する部分と当該空間を隔てて対面している。従って、第1及び第2端子に各々における、少なくともこの対面する部分においては、この隔てられた空間(間隙)が絶縁層として機能し、両者の電気的な絶縁状態が保持されている。即ち、この隔てられた空間によって、係る絶縁性の少なくとも一部が規定されている。
この第1端子と第2端子との間(以下、適宜「端子間」と称する)には、印加手段によって電圧が印加される。本発明に係る「印加手段」とは、例えば、係る電圧(電位差)を与える電源、係る電源と各端子とを繋ぐ配線部材、及び所定の負荷(抵抗など)など、端子間に電圧を付与すると共に、端子間が導通した場合に電源を破壊させないための素子及び回路などを含んだシステムを包括する概念である。
この印加された電圧(以降、適宜、「印加電圧」と称する)に応じて第1端子及び第2端子の端子間に電流が流れた場合、係る電流は検出手段によって検出される。尚、第1端子と第2端子とは既に述べた如く電気的な絶縁性が保たれている(即ち、両端子は共に擬似的に開放された状態である)から、印加手段によって電圧が印加されたとしても、通常は端子間に電流は流れない。
ここで特に、排気管内部を流れるガスには、所定種類のイオンが含まれる場合がある。ここで、「所定種類のイオン」とは、燃料(混合気)が燃焼する際に火炎帯におけるイオン化反応で生じるイオンを包括する概念であり、例えば、H等を含む趣旨である。このようなイオンを含む排気管内部のガスが所定部位を介して排気管外部に漏れた場合、このガスは、この所定部位を覆う空間(狭義には、端子間を隔てる空間)に到達することになる。
これらのイオンを含むガスが係る空間に到達すると、端子間の絶縁状態(導通状態)が変化する。具体的には、この空間は、擬似的に見て電線などのケーブルと同等の作用を端子間に及ぼし、印加手段と両端子とを電気的に接続して閉回路を構築する。従って、第1及び第2端子の端子間には、印加電圧に応じた電流(本発明に係る「イオンに起因する電流」、以下、適宜「イオン電流」と称する)が流れることになる。本発明に係る検出手段は、係るイオン電流を検出する。
このように、イオン電流が検出手段によって検出されるのは、排気管からガスが漏れている場合のみと言ってよく、検出手段によって電流が検出された場合には必然的に排気管にガス漏れが生じていることとなる。更にこの際、両端子の設置位置に応じて、ガス漏れ部位が必然的に特定され得る。即ち、本発明に係るガス漏れ検出装置によれば、確実且つ効率良く排気管からのガス漏れを検出することが可能となるのである。
尚、検出手段の態様は、電流を直接的に検出するものに限らず、電流を間接的に検出するもの、例えば少なくとも端子間にイオン電流が流れているか否かに応じて変化する物理的、電気的又は化学的な指標値を検出するものであってもよい。例えば、印加手段と両端子とを含む閉回路の一部から検出用に取り出された端子の電圧を検出するものであってもよい。この場合、この端子における基準電位(例えば、電源の基準電位)との電位差(電圧)が、イオン電流の有無によって変化するから、この端子電圧の変化に基づいてガス漏れを検出することができる。また、係る端子の出力は、内燃機関を制御するECU(Electronic Controlling Unit)などの制御ユニットに入力され、検出が行われてもよい。
尚、上述したガス漏れ検出の原理に鑑みれば、排気管の所定部位を覆う空間を隔てて各端子の少なくとも一部が対面している限りにおいて、各端子は、内燃機関のどの部分に設置されていてもよい。例えば、内燃機関において比較的設置スペース的に余裕がある部分に設置され、電流検出に使用される部分のみが、係る空間を隔てて対面していてもよい。
尚、第1端子及び第2端子が夫々有する導電性とは、イオン電流の検出を阻害しない限りにおいて、厳密に導電率などの数値として規定されなくてもよい。
本発明に係るガス漏れ検出装置の一の態様では、前記検出された電流に基づいて前記所定部位におけるガス漏れの状態を診断する診断手段を更に具備する。
例えば、排気管からのガス漏れの中にも、比較的軽微なものとそうでないものがある。従って、それらを混同して単一のガス漏れとして検出するよりは、そのガス漏れの状態を判定し得た方が実用上好ましい場合がある。この態様によれば、診断手段によって、イオン電流に基づいてガス漏れの状態が診断されるため、一層効率良くガス漏れを検出することが可能である。このような診断手段とは、内燃機関の動作を制御するECUであってもよい。
ここで、「検出された電流に基づいて」とは、イオン電流の値そのものに限らず、端子間にイオン電流が流れることによって生じる他の物理的、電気的、或いは化学的な指標値に基づいて係る診断が行われてもよいことを表す趣旨である。このような指標値とは、即ち、前述したような端子電圧であってもよい。
ここで「ガス漏れの状態を診断する」とは、ガスが漏れているか否かの二値的な診断が行われる(即ち、ガス漏れが検出される)ことを排除するものではないが、このような二値的な診断が行われる場合には、例えば、予め実験的に、経験的に、或いはシミュレーションなどに基づいて設定される基準に従って、内燃機関の実使用上問題となる程度のガス漏れであるか否かが診断されてもよい。
一方、検出されるイオン電流の大きさを規定する指標値(電流値や電圧値)が、ガス漏れの程度(例えば、漏出ガス流量など)に応じて変化することが予め判明している、或いは推測される場合には、係る指標値に基づいてガス漏れの状態が多段階に診断されてもよい。更に、この場合、診断の基準となる指標値は、予め実験的に、経験的に、或いはシミュレーションなどに基づいて設定され、然るべき記憶手段、例えば、ROM(Read Only Memory)などに参照可能に記憶されていてもよい。
尚、第1端子及び第2端子各々においてイオン電流の生成に寄与する部分(即ち、相互に空間を隔てて対面する部分)の配置態様に鑑みれば、端子間にイオン電流が流れた場合、高い確率で所定部位からのガス漏れであると見なし得るが、場合によっては、他の部位からのガス漏れである場合も可能性としては存在する。然るに、本発明に係るガス漏れ検出装置において、ガス漏れが発生していないにもかかわらずガス漏れが発生していると誤判定される可能性は著しく低く、このように必ずしもガス漏れ部位が正確に特定され得ないとしても、本発明に係る効果は何ら阻害されるものではない。反対に、検出手段によって検出される電流又はそれに伴う電圧などの変化によって、ガス漏れの部位が特定可能である場合には、診断手段は、そのようなガス漏れ部位の特定を更に行ってもよい。また、このような各種態様を含め、本態様に係る診断内容は、例えば車両の運転者などに対し所定のインディケータを介して告知されてもよい。
本発明に係るガス漏れ検出装置の他の態様では、前記所定部位は、前記排気管の接合部位である。
排気管は、複数の管状部材(部分的な排気管)又はそれとみなし得る部材が相互に気密を保って接合されることによって形成される場合が多い。本発明に係る「接合部位」とは、排気管において、このような気密を保って接合されている部分を包括する概念であり、排気管上の位置などは何ら限定されない趣旨である。尚、接合部位における排気管の接合の態様は何ら限定されず、例えば、フランジ、ガスケット又はカプラなどのシーリング部材によって排気管が相互に連結されることにより接合されていてもよいし、溶接などによって接合されていてもよい。
このような接合部位では、比較的にガス漏れが発生し易いから、この態様によれば効率的にガス漏れの検出を行うことが可能となる。尚、このように接合部位のガス漏れを検出する場合、上記したようなシーリング部材の少なくとも一部を第1端子及び第2端子として利用してもよい。
尚、この態様では、前記第1端子は、前記接合部位を規定するフランジの少なくとも一部であり、前記第2端子は、前記フランジと相対するように設けられると共に前記接合部位において前記フランジにより少なくとも一部が押圧されるガスケットの少なくとも一部であってもよい。
フランジは通常金属材料で形成されるから、イオン電流を流すために必要となる導電性を担保することは難しくない。また、ガスケットも、金属材料で形成されたメタルガスケットを使用することによって、良好な導電性を担保することが可能である。このように、排気管の接合部位におけるガス漏れを検出する場合には、第1及び第2端子を夫々新規な部材として備える必要が生じない。従って、極めて経済的であり効率的である。
尚、フランジ及びガスケットは、シーリング部材としては一対の部材であり、使用される際には気密性保持のためフランジはガスケットを介在させた状態で接合対象(例えば、相対するフランジや、本発明に係るガス漏れ検出装置の場合にはエンジンヘッドなど)に押圧される。従って、ガスケットとフランジとは、少なくとも一部において密着し、第1及び第2端子が、夫々フランジ及びガスケット全体である場合には、この密着する部分が電気的に短絡されてしまう可能性がある。従って、この場合、フランジとガスケットとの密着部分には、然るべき絶縁体が挿入される必要がある。一方で、「少なくとも一部」とあるように、第1端子及び第2端子は、フランジ及びガスケット全体でなくともよく、空間を隔てて相互に対面する部分のみが導電性を有するように(即ち、端子となるように)フランジ及びガスケットが形成されていてもよい。
本発明に係るガス漏れ検出装置の他の態様では、前記第1及び第2端子において前記空間を隔てて相互に対面する部分を除いた部分の夫々少なくとも一部によって挟持されると共に前記絶縁性の一部を規定する絶縁体を更に具備する。
この態様によれば、第1端子及び第2端子において、相互に空間を隔てて対面している部分を除く少なくとも一部は、絶縁体を挟持しており、この絶縁体によって両端子間の絶縁性の少なくとも一部が規定されている。絶縁体を挟持させることによって、両端子を近接配置させることが可能であり、本発明に係る漏れ検出装置を比較的コンパクトに構成することが可能である。
尚、ここで述べられる絶縁体とは、第1及び第2端子間を電気的に絶縁可能である限りにおいてその形状及び材質は何ら限定されない。例えば、前述した如く、接合部位に使用されるフランジ及びガスケットなどを第1及び第2端子として利用する場合、これら全体を金属材料で形成し且つこれらの密着(圧接)部分に係る絶縁体を介在させれば、経済的且つ効率的である。
尚、この態様では、前記絶縁体は、前記第1及び第2端子のうち少なくとも一方に形成されてもよい。
この場合、絶縁体は、第1端子及び第2端子の少なくとも一方と一体に形成される。従って、部品点数を削減することが可能となるので好適である。尚、この場合、絶縁体は、固体であってもよいし、液体であってもよい。液体である場合、予め第1端子又は第2端子の当該部分(即ち、挟持される部分)に塗布されていてもよい。
本発明に係るガス漏れ検出装置の他の態様では、前記内燃機関が所定の動作条件を満たすか否かを判別する判別手段を更に具備し、前記印加手段は、前記動作条件を満たすと判別された場合に前記電圧を印加する。
印加手段により印加される電圧の値は、第1及び第2端子の形状、規模若しくは導電率又は検出に必要な電流の値などに応じて適宜決定されるべきものであるが、例えば、比較的高圧(例えば、200V程度)の電圧を印加する必要がある場合、常時電圧を印加することは好ましくない。この態様によれば、内燃機関が所定の動作条件を満たす場合に電圧が印加されるため、効率的にガス漏れを検出することが可能となる。
ここで、「所定の動作条件」とは、ガス漏れの検出を効果的に行うことが可能な内燃機関の動作条件を包括する概念である。例えば、本発明に係るガス漏れ検出装置において、ガス漏れ検出の精度は、排気管内部に存在するガス中に含有されるイオンの割合に大きく依存する。即ち、排気管内部のガスにイオンが多く含まれている程、排気管からガスが漏れた場合にイオン電流として検出し易くなる。従って、所定の動作条件とは、排気管内にイオンが多く含まれる条件であってもよい。
このような、排気管内部にイオンが多く含まれる内燃機関の動作条件とは、例えば、内燃機関が緩慢な燃焼状態である場合や、点火時期が遅角制御されている場合、或いは内燃機関が2次空気の導入装置を有することによって排気管内に大気(2次空気)が導入されている場合などを含んでいてもよい。
ここで、「緩慢な燃焼」とは、内燃機関において、爆発(膨張)工程を過ぎて排気工程に至っても燃焼が継続している状態を包括する概念である。既に述べた通り、イオン電流に寄与するイオンは火炎帯中で生成されるものが主であるから、燃焼が排気工程において継続している場合には、排気管中にイオンが含まれる可能性が高くなる。また、点火時期が遅角制御される場合にも、燃焼のタイミングが排気行程に近付くから、同様に排気管内部にイオンが含まれ易くなる。このような点火時期の遅角制御は、内燃機関が高負荷運転されている場合には、変速ショックの低減やノッキングの防止のために実行されることがある。内燃機関が高負荷運転時は、上述した緩慢な燃焼と比較して電流検出に際してのSN比が良好になり易いため、ガス漏れ検出のタイミングとして好適である。
一方、内燃機関が2次空気導入装置(例えば、エアインジェクションなど)を有する場合、吸気系の一部であるエアフィルタなどからバイパスされる形で吸入空気の一部がバルブを介して排気管に導入される。この排気管に導入される空気によって排気管内部の酸素量が増加し、排気管内部は酸化雰囲気となる。従って、未燃焼のCO(炭化水素)やHC(炭化水素)が排気管内部で燃焼し、イオン電流の生成に寄与するイオンが増加する。尚、このような2次空気の導入に際し、例えば、空燃比(A/F)を通常のストイキ制御から外れてリッチ側に制御し、一層排気管内での燃焼が促進されてもよい。この場合、排気管内部で積極的に燃焼が発生するから、排気管において通常イオンが到達し得ない部分(比較的シリンダから遠い部分)にまでイオンを到達させることもできる。従って、ガス漏れ検出可能な範囲が拡大する。
尚、このような動作条件は、予め実験的に、経験的に、或いはシミュレーションなどに基づいて設定されていてもよい。
尚、この態様では、前記所定の動作条件を満たすように前記内燃機関を制御する制御手段を更に具備してもよい。
この態様によれば、制御手段によって、内燃機関が、前述した動作条件に制御される。従って、一定又は不定に訪れるタイミング毎にガス漏れ検出を行うことが可能となり、効率的である。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
<実施形態>
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。
<実施形態の構成>
<エンジンシステムの構成>
始めに、図1を参照して、本発明の実施形態に係るエンジンシステム10の構成について説明する。ここに、図1は、エンジンシステム10の模式図である。
図1において、エンジンシステム10は、ECU(Electronic Controlling Unit)100、エンジン200及びガス漏れ検出ユニット300を備える。
ECU100は、図示せぬROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)などを備えると共にエンジン200の動作を制御することが可能な制御ユニットである。また、ECU100は、ROMに格納されたプログラムを実行することによって、後述するガス漏れ検出処理を実行することが可能に構成されており、ガス漏れ検出ユニット300と共に本発明に係る「ガス漏れ検出装置」の一例として機能するように構成されている。
エンジン200は、シリンダ201内において点火プラグ202により混合気を爆発させると共に、爆発力に応じて生じるピストン203の往復運動を、コネクションロッド204を介してクランクシャフト205の回転運動に変換することが可能に構成された、本発明に係る「内燃機関」の一例である。以下に、エンジン200の要部構成をその動作と共に説明する。尚、図1において、エンジン200は、シリンダ201を複数有する多気筒エンジンであるが、説明の簡略化のため、図1では一のシリンダ201のみが示されている。
シリンダ201内における燃料の燃焼に際し、外部から吸入された空気は吸気管206を通過し、インジェクタ207から噴射された燃料と混合されて前述の混合気となる。インジェクタ207には、図示せぬ燃料タンクから燃料(例えば、ガソリン)が供給されており、インジェクタ207は、この供給される燃料を、ECU100の制御に従って吸気管206内に噴射することが可能に構成されている。
シリンダ201内部と吸気管206とは、吸気バルブ208の開閉によって連通状態が制御されている。シリンダ201内部で燃焼した混合気は排気ガスとなり吸気バルブ208の開閉に連動して開閉する排気バルブ209を介して排気管210に排気される。
吸気管206上には、エアフィルタ211が配設されており、外部から吸入される空気が浄化された後に吸気管206に供給されている。エアフィルタ211の下流側(シリンダ側)には、シリンダ201内部への吸入空気量を調節するスロットルバルブ212が配設されている。このスロットルバルブ212は、スロットルバルブモータ213によって駆動される。また、シリンダ201の外壁(シリンダブロック)には、エンジン200におけるノック強度を検出するノッキングセンサ214が設置されている。
クランクシャフト205近傍には、クランクシャフト205の位置を検出するクランクポジションセンサ215が設置されている。クランクポジションセンサ215によって検出されるクランク角に基づいて、ECU100は、点火プラグ202による点火時期を制御したり、エンジン200の回転数などを取得したりすることが可能に構成されている。
排気管210には、三元触媒216が設置されている。三元触媒216は、エンジン200から排出されるCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、及びNOx(窒素酸化物)を夫々浄化することが可能な触媒である。また、排気管210における三元触媒216の前段には、エンジン200における空燃比を検出する空燃比センサ217が設置されており、その出力がECU100に入力されている。
一方で、排気管210における図示点線枠付近には、ガス漏れ検出ユニット300が設置され、エンジン200の筐体の一部であるエンジンヘッド200aと排気管210との接合部(即ち、本発明に係る「所定部位」の一例)におけるガス漏れを検出することが可能に構成されている。ガス漏れ検出ユニット300は、ECU100と共に本発明に係る「ガス漏れ検出装置」の一例として機能する。
<ガス漏れ検出ユニットの構成>
次に、図2を参照して、ガス漏れ検出ユニット300の詳細な構成について説明する。ここに、図2は、ガス漏れ検出ユニット300の模式図である。尚、同図において、図1と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を省略することとする。また、図2は、図1における点線枠の模式的な拡大図となっている。
図2において、ガス漏れ検出ユニット300は、電源310、負荷320、フランジ330、ガスケット340、絶縁体350及び検出用端子360を備える。
電源310は、ガス漏れ検出ユニット300の電源電圧を供給する電源であり、図2においては不図示のECU100によってその動作が制御されるように構成されている。電源310は、電圧印加時には、フランジ330とガスケット340との間に、ガス漏れ検出のための所定の電圧を印加することが可能に構成されている。
負荷320は、ガス漏れ検出ユニット300の短絡を防止するために電源310とフランジ330との間に挿入される、例えば電気抵抗などの負荷である。
フランジ330及びガスケット340は、エンジンヘッド200a内を貫通する排気管210と、エンジンヘッド200a外に伸延する排気管210とを接合するための金属材料製のシーリング部材であり、夫々本発明に係る「第1端子」及び「第2端子」の一例である。フランジ330は、ガスケット340を挟んでエンジンヘッド200aにボルトなどの固定部材により固定されており、従って、フランジ330とガスケット340とは、一部において密着している。この密着する一部には、絶縁体350が介在しており、フランジ330とガスケット340との間の電気的な絶縁が保たれている。また、フランジ330とガスケット340とは、フランジ330の外縁部分がエンジンヘッド200aとは反対側の方向に向かって曲折していることに起因して、固定状態において夫々の外縁部分が相互に離間しており、接合部の周囲に適度な空間(即ち、本発明に係る「所定部位を覆う空間」の一例)が保たれている。即ち、相互に離間することによって空間を隔てて対面する部分は、この空間によって絶縁性が保たれている。
検出用端子360は、ガス漏れを検出するための電圧を取り出すための端子であり、ECU100と電気的に接続されている。
尚、係る構成において、電源310、負荷320及び検出用端子360は、エンジンヘッド200aと排気管210との接合部に設けられておらずともよい。即ち、ガス漏れ検出ユニット300は、本発明に係る第1及び第2端子の一例として機能するフランジ330及びガスケット340が接合部における前述した空間に接している限り、設置上の制約が比較的少なく構成されている。
<実施形態の動作>
次に、上記構成を有するガス漏れ検出ユニット300及びECU100の動作について説明する。
<ガス漏れ検出の原理>
始めに、図3を参照して、ガス漏れ検出ユニット300におけるガス漏れ検出の原理について説明する。ここに、図3は、ガス漏れ発生時のガス漏れ検出ユニット300の模式図である。尚、同図において、図2と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を省略することとする。
図3において、フランジ330及びガスケット340が設置された排気管210の接合部から排気管210内部のガスが漏れた場合、フランジ330とガスケット340との間に介在する空間内に漏出ガス11が蔓延する。
一方で、この漏出ガスには、シリンダ201内の火炎帯で発生し、主として下記化学式(1)〜(3)で規定される化学反応によって生成される様々なイオン(即ち、本発明に係る「所定種類のイオン」の一例)が含まれる。このうち、(2)式で規定されるHイオンは、火炎帯中に比較的大量に存在する。
CH+O → CHO+e・・・・・(1)
CHO+HO→ H+CO・・・・・(2)
+e → H+HO・・・・・・・(3)
この状態で電源310から電源電圧が印加されると、これらイオンが空間内の電荷のキャリアとなり、フランジ330とガスケット340とを導通させることになる。即ち、ガス漏れが発生した場合、フランジ330とガスケット340とが電位的に等しくなる。
ここで、検出用端子360の端子電圧を、ガス漏れ発生前後で比較すると、電源310からの印加電圧をVとすれば、ガス漏れ発生前の端子電圧はVであり、ガス漏れ発生後の端子電圧は理想的にはゼロとなる。即ち、ガス漏れ発生前後で検出用端子360の端子電圧は大きく変化する。従って、検出用端子360の端子電圧から、ガス漏れの発生を容易に検出することが可能となっている。例えば、端子電圧と適当な閾値電圧との大小関係により、ガス漏れの有無が検出される。
<ガス漏れ検出処理の詳細>
ガス漏れ検出ユニット300によるガス漏れの検出は、基本的にどのようなタイミングで実行されてもよいが、上記したガス漏れ検出の原理に鑑みれば、排気管210内にイオンが多く含まれている可能性の高い条件で行われることが好ましい。また、電源310が絶えず電圧を印加することのエネルギー的なロスの面からも、その方が好ましい。そこで、本実施形態に係るガス漏れ検出ユニット300は、ECU100によって実行されるガス漏れ検出処理に従ってガス漏れの検出を行っている。
ここで、図4を参照して、ECU100が実行するガス漏れ検出処理の詳細について説明する。ここに、図4は、ガス漏れ検出処理のフローチャートである。
図4において、ECU100は、エンジン200が高負荷運転中であるか否かを判別する(ステップA10)。この際、ECU100は、クランクポジションセンサ215によって検出されるクランク角に基づいて算出されるエンジン200の回転数、又は図1においては不図示のアクセルポジションセンサやスロットルポジションセンサの出力から特定されるアクセルペダル開度やスロットルバルブ212の開度、或いは図1においては不図示の吸気センサなどの出力から特定される吸入空気量などから、エンジン200が高負荷状態であるか否かを判別する。
エンジン200が高負荷運転中である場合(ステップA10:YES)、ECU100は、点火プラグ202の点火時期が遅角制御中であるか否かを判別する(ステップA14)。点火時期の遅角制御は、例えば、ノッキングセンサ214によってエンジン200にノッキングが発生していると判別された場合や、変速ショックを軽減するために、エンジントルクをなます必要がある場合などに実行される。点火時期は、クランクポジションセンサ215によって検出されるクランク角に対応付けられる形で設定されており、ECU100は、現時点において設定されている点火時期と、予め設定されている点火時期の基準値との比較に基づいて、係る判別を行う。
点火時期が遅角制御されていない場合(ステップA14:NO)、高負荷運転中は、前述したイオンが排気管210内のガスに含まれる可能性が低い、或いはイオンの含有量が低いと予想されるため、ECU100は、ガス漏れ検出を実行せず、処理をステップA10に戻す。一方で、点火時期が遅角制御されている場合には(ステップA14:YES)、ECU100は、処理をステップA15に移行させ、電源310を制御してガス漏れ検出ユニット300に電源電圧を供給する。ここで、点火時期が遅角制御されている場合、シリンダ201内における燃焼時期が相対的に排気行程に近付くために、排気管210内の排気ガス中にイオンが含まれる可能性が高くなる。
一方、エンジン200が高負荷運転中ではない場合(ステップA10:NO)、ECU100は、エンジン200が緩慢な燃焼状態であるか否かを判別する(ステップA11)。ここで、緩慢な燃焼状態とは、シリンダ内の燃焼速度が遅い状態を指す。シリンダ内の燃焼速度が遅い場合、排気行程に至っても燃焼が継続していることが多く、必然的に排気管210内に燃焼に際して生成されるイオンが多く含まれる可能性が高くなる。燃焼状態が緩慢である期間は、ガス漏れ検出に適した期間であるが、検出用端子360の端子電圧を検出する際のSN比が確保し辛い場合があり、前述の如く高負荷且つ点火時期遅角制御が行われている期間と合わせてガス漏れ検出の条件に設定されている。このような緩慢な燃焼状態とは、典型的には、アイドリング期間などを指す。また、冷間時においてアイドリング期間が短い場合(冷間ファストアイドル)などもこれに該当する。
ECU100は、エンジン200の回転数と、エンジン200の負荷状態とに基づいてエンジン200が緩慢な燃焼状態であるか否かを判別する。
エンジン200が緩慢な燃焼状態である場合(ステップA11:YES)、ECU100は処理をステップA15に移行させる一方、エンジン200が緩慢な燃焼状態ではない場合(ステップA11:NO)、ガス漏れ検出のタイミングであるか否かを判別する(ステップA12)。
ここで、上述した如く、高負荷且つ点火時期遅角制御中又は緩慢燃焼中のいずれかの場合にのみガス漏れ検出を実行したのでは、ガス漏れ検出の実行機会が十分でない場合が生じ得る。そこで、本実施形態では、ECU100は、予め適当な時間間隔を隔てたタイミング毎に強制的にガス漏れ検出を行う。尚、このような時間間隔は、予め実験的に、経験的に、或いはシミュレーションなどに基づいて、適当な値に設定されている。
ガス漏れ検出のタイミングではない場合(ステップA12:NO)、ECU100は処理をステップA10に戻すと共に、ガス漏れ検出のタイミングである場合には(ステップA12:YES),点火時期の遅角制御を実行する(ステップA13)。点火時期が遅角制御されることによって、前述した高負荷運転中と同様に、排気管210内部にイオンが含まれる可能性が高くなる。即ち、本実施形態に係るECU100は、本発明に係る「制御手段」の一例としても機能するように構成されている。
高負荷運転且つ点火時期遅角制御中であるか、緩慢燃焼中であるか、又は所定の検出タイミングである場合、ECU100は電源310を制御してガス漏れ検出ユニット300に電源電圧を印加させる(ステップA15)。これに伴い、ECU100は、ガス漏れが発生しているか否かを判別する(ステップA16)。ガス漏れが生じていれば、検出用端子360の端子電圧が変化する。本実施形態において、検出用端子360の端子電圧はECU100に入力されており、ECU100は検出用端子360の端子電圧を、予めROMなどの記憶手段に記憶された基準電圧(閾値電圧)と比較し、係る基準電圧との大小関係に基づいてガス漏れの有無を判別する。
ガス漏れが検出されない場合(ステップA16:NO)、ECU100は処理をステップA10に戻し、ステップA10から始まる一連の処理を繰り返すと共に、ガス漏れが検出された場合には(ステップA16:YES),エンジン200が備わる車両内の所定の表示機器(インストルメントパネル上の表示灯など)を制御して、排気管210にガス漏れが発生している旨を警告して(ステップA17)、ステップA10に処理を戻す。
以上、説明したように、本実施形態に係るガス漏れ検出ユニット300及びECU100によれば、ガス漏れが検出用端子360の端子電圧に直結するため、ガス漏れを確実に検出することが可能であると共に、ガス漏れが検出された場合には、フランジ330及びガスケット340の設置位置(接合部)に応じてガス漏れの発生位置を特定することが可能である。即ち、確実且つ効率良く排気管からのガス漏れを検出することが可能なのである。更に、エンジン200の動作条件が比較的ガス漏れを検出し易い条件であるか、又は現時点が検出用のタイミングである場合に電圧の印加を行うため、一層効率良くガス漏れを検出することが可能となっている。
<第2実施形態>
ガス漏れ検出処理は、第1実施形態で示したものに限定されない。ここで、図5を参照して、本発明の第2実施形態に係るガス漏れ検出処理について説明する。ここに、図5は、本発明の第2実施形態に係るガス漏れ検出処理のフローチャートである。尚、同図において、図4と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を省略することとする。
図5において、ガス漏れが検出された場合(ステップA16:YES)、ECU100は、ガス漏れ状態を診断する(ステップB10)。
第1実施形態では、検出用端子360の端子電圧と基準電圧との大小関係に基づいて二値的にガス漏れの有無を検出しているが、例えば、フランジ330とガスケット340との間に介在する空間におけるイオンの充満状態に応じて、即ち、ガス漏れの程度に応じて端子電圧が変化する場合には、ガス漏れの程度を多段階に診断することも可能である。例えば、ガス漏れが比較的軽微である場合と大量にガス漏れが生じている場合とを比較した場合、フランジ330とガスケット340との間に介在する空間の電気的な抵抗値は前者の方が大きくなる可能性がある。この場合、フランジ−ガスケット間に然るべき電圧降下が生じるため、相対的に検出用端子360の端子電圧は低下する。このように端子電圧の変化に応じて、ガス漏れの程度を診断することも容易にして可能である。尚、このような端子電圧の変化に応じたガス漏れ状態の区分は、予め実験的に、経験的に、或いはシミュレーションなどに基づいて設定されていてもよい。
<第3実施形態>
排気管内部のガスにイオンが含まれ易い条件は、上述したものに限定されない。ここで、図6を参照して、このような本発明の第3実施形態について説明する。ここに、図6は、本発明の第3実施形態に係るエンジンシステム12の模式図である。尚、同図において、図1と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を省略することとする。
図6において、エンジンシステム12は、エンジン200の代わりにエンジン400を備え、ガス漏れ検出ユニット300の代わりにガス漏れ検出ユニット500を備える点においてエンジンシステム10と相違している。
エンジン400は、二次空気導入装置410を備える点において、エンジン200と相違している。二次空気導入装置410は、導入管411及び制御バルブ412を備える。
導入管411は、エアフィルタ211と排気管210とを繋ぐ管状部材である。制御バルブ412は、導入管411上に設けられ、ECU100によってその開閉状態が制御される電磁弁である。通常、ECU100は、制御バルブ412を常に開弁状態に制御しており、エアフィルタ211を介して供給される空気は、吸気管206以外に、直接排気管210に供給されている。この排気管210内に直接供給される空気(即ち、二次空気)により、排気ガス中に含まれるCOやHCなどの物質が排気管210内で燃焼する。
前述した如く、ガス漏れ検出に寄与するイオンは、その多くが火炎帯中で生成されるため、このように排気管210内で燃焼が発生することによって、排気管210内は比較的豊潤にイオンで満たされる。従って、ガス漏れが発生した場合には、効率良くその検出を行うことができる。
更に言えば、燃焼がシリンダ内でしか発生しない場合、生成されたイオンの到達距離は比較的短く、ガス漏れ検出を効果的に実施可能な部位としては、第1実施形態に示す如く、エンジンヘッド近傍が好適である。然るに、このように排気管内で燃焼が発生する場合には、排気管内でイオンが生成されるため、比較的エンジンヘッドから遠い位置までも到達することができる。従って、第3実施形態の場合、ガス漏れを検出することが可能な部位は第1実施形態と比較して広範囲となる。本実施形態においてガス漏れ検出ユニット500は、ガス漏れ検出ユニット300よりも後段の部位において、ガス漏れを検出するように設置されている。
次に、図7を参照して、ガス漏れ検出ユニット500の詳細な構成について説明する。ここに、図7は、ガス漏れ検出ユニット500の模式図である。尚、同図において、図2と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を省略することとする。また、図7は、図6における点線枠の模式的な拡大図となっている。
図6において、ガス漏れ検出ユニット500は、フランジ330及びガスケット340の代わりに、フランジ510及び520を備える点においてガス漏れ検出ユニット300と相違している。
フランジ510及び520は、樹脂材料で形成された一対のシーリング部材であり、排気管210同士が気密を保って接合されるように、ボルト及びナットなどの締結部品によって相互に締結されている。即ち、フランジ510及び520の設置位置は、本発明に係る「接合部位」の他の一例である。
フランジ510及び520は樹脂材料で形成されているため、締結されることによって相互に密着する部分は絶縁性を有している。このため、既に述べた如きガス漏れ検出を可能とするために、フランジ510及び520各々における図示上方の一部には、導電性の金属材料で形成された端子部510a及び520aが設けられており(図示、着色部分)、夫々本発明に係る「第1端子」及び「第2端子」の他の一例を構成している。
排気管210からガスが漏れた場合、この端子部510aと520aとの間に介在する空間が導電性のイオンで満たされ、両端子部は導通状態となる。従って、既に述べた如きガス漏れ検出が実行される。このように、二次空気導入装置410が備わることによって、エンジンヘッド近傍に限定されることなく、ガス漏れの検出を行うことが可能となり、一層効率良くガス漏れ検出を行うことが可能となるのである。
尚、二次空気導入装置410が備わる場合、基本的には排気管210内で燃焼が行われているから、上述した如くエンジンヘッドから比較的離れた部位でのガス漏れ検出が容易であるが、例えば、ECU100は、更に排気管210内部での燃焼を促進するための制御を行ってもよい。例えば、空燃比センサ217の出力に基づいて通常ストイキに制御される空燃比を、一定又は不定に訪れる検出タイミング毎にリッチに制御し、排気管210内に排気されるガス内にCO及びHCが多く含まれるようにして、排気管内部での燃焼を促進してもよい。この場合、排気管210内部で燃焼により生成されるイオンが増加するため、ガス漏れ検出の精度を一層向上させることが可能である。
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うガス漏れ検出装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本発明の第1実施形態に係るエンジンシステムの模式図である。 図1のエンジンシステムにおけるガス漏れ検出ユニットの模式図である。 図2のガス漏れ検出ユニットのガス漏れ検出時の模式図である。 図1のエンジンシステムにおいてECUが実行するガス漏れ検出処理のフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係るガス漏れ検出処理のフローチャートである。 本発明の第3実施形態に係るエンジンシステムの模式図である。 図6のエンジンシステムにおけるガス漏れ検出ユニットの模式図である。
符号の説明
10…エンジンシステム、11…漏出ガス、12…エンジンシステム、100…ECU、200…エンジン、200a…エンジンヘッド、201…シリンダ、210…排気管、300…ガス漏れ検出ユニット、400…エンジン、500…ガス漏れ検出ユニット。

Claims (8)

  1. 内燃機関に設置され、該内燃機関における排気管の所定部位を覆う空間に少なくとも一部が接する導電性の第1端子と、
    前記内燃機関に、(i)前記第1端子との間に電気的な絶縁性を有し、且つ(ii)少なくとも一部が前記第1端子において前記空間に接する少なくとも一部と前記空間を隔てて対面するように設置され、該隔てられた空間によって前記絶縁性の少なくとも一部が規定される導電性の第2端子と、
    前記第1端子と前記第2端子との間に電圧を印加する印加手段と、
    前記電圧が印加され且つ前記排気管内部に存在する所定種類のイオンを含むガスが前記排気管内部から前記所定部位を介して前記空間へ漏れている場合に前記第1端子と第2端子との間に前記イオンに起因して流れる電流を検出する検出手段と
    を具備することを特徴とするガス漏れ検出装置。
  2. 前記検出された電流に基づいて前記所定部位におけるガス漏れの状態を診断する診断手段を更に具備する
    ことを特徴とする請求項1に記載のガス漏れ検出装置。
  3. 前記所定部位は、前記排気管の接合部位である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のガス漏れ検出装置。
  4. 前記第1端子は、前記接合部位を規定するフランジの少なくとも一部であり、
    前記第2端子は、前記フランジと相対するように設けられると共に前記接合部位において前記フランジにより少なくとも一部が押圧されるガスケットの少なくとも一部である
    ことを特徴とする請求項3に記載のガス漏れ検出装置。
  5. 前記第1及び第2端子において前記空間を隔てて相互に対面する部分を除いた部分の夫々少なくとも一部によって挟持されると共に前記絶縁性の一部を規定する絶縁体を更に具備する
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のガス漏れ検出装置。
  6. 前記絶縁体は、前記第1及び第2端子のうち少なくとも一方に形成される
    ことを特徴とする請求項5に記載のガス漏れ検出装置。
  7. 前記内燃機関が所定の動作条件を満たすか否かを判別する判別手段を更に具備し、
    前記印加手段は、前記動作条件を満たすと判別された場合に前記電圧を印加する
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のガス漏れ検出装置。
  8. 前記所定の動作条件を満たすように前記内燃機関を制御する制御手段を更に具備する
    ことを特徴とする請求項7に記載のガス漏れ検出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR102267010B1 (ko) * 2020-04-08 2021-06-18 소성영 레인지 후드용 관 연결상태 확인 검출회로

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