JP2006320878A - 流体混合装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡易で小型の構成で断面の相当直径が1000マイクロメートル以下のマイクロ流路内に流れる二つの流体を任意の混合比率をもって混合する。
【解決手段】 溶媒を導入する溶媒導入流路22と原液を導入する原液導入流路24とに接続された断面が幅120μmで深さが40μmの略円弧状に形成された混合流路32の底部に隙間が波線状となる一対の電極34a,34bを取り付け、この電極34a,34bに電圧値を変更可能な交流電圧を印加する。電極34a,34b上では交流電気浸透により交流電圧の電圧値に応じた強度で原液と溶媒とが混合される。したがって、電極34a,34bに印加する交流電圧を調整することにより、原液を任意の混合比率をもって溶媒で希釈した希釈液として希釈液取流路40から取り出すことができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、流体混合装置に関し、詳しくは、第1の流体に第1の流体とは異なる第2の流体を混合比率の調整を伴って混合する流体混合装置に関する。
流路内の異なる二つの流体を混合する手法としては、先端部にプロペラを有するミキサーをモータで駆動して混合する機械的手法や超音波を照射することにより混合する手法などが種々提案されている。
一般に、断面の相当直径が1000マイクロメートル以下のマイクロ流路内に流れる二つの流体の混合は、二つの流体の導入流量を目的とする混合比になるように調節することにより行なわれる。このため、二つの流体の導入流量の調節を高い精度をもって行なう必要が生じ、二つの流体を導入する装置が複雑化したり大型化する。
本発明の流体混合装置は、簡易で小型の構成で断面の相当直径が1000マイクロメートル以下のマイクロ流路内に流れる二つの流体を任意の混合比率をもって混合することを目的の一つとする。また、本発明の流体混合装置は、断面の相当直径が1000マイクロメートル以下のマイクロ流路内に流れる二つの流体を高い精度の任意の混合比率をもって混合することを目的の一つとする。
本発明の流体混合装置は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
本発明の流体混合装置は、
第1の流体に該第1の流体とは異なる第2の流体を混合比率の調整を伴って混合する流体混合装置であって、
同一平面内にY字状に分岐した二つの導入口とY字状に分岐した二つの排出口とを有し、断面の相当直径が1000マイクロメートル以下の混合流路と、
前記混合流路の導入口の一方に前記第1の流体を導入する第1流体導入部と、
前記混合流路の導入口の他方に前記第2の流体を導入する第2流体導入部と、
前記混合流路における流体の撹拌の程度を調整する撹拌程度調整手段と、
前記混合流路の二つの排出口のうち前記第1の流体が導入される導入口と同側の排出口に接続されて混合流体を取り出す混合流体取出流路と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の流体混合装置では、一方の導入口から混合流路に導入された第1の流体と他方の導入口から混合流路に導入された第2の流体とを撹拌の程度の調整をもって撹拌し、混合流路の二つの排出口のうち一方の導入口と同側の排出口に接続された混合流体取出流路から混合流体を取り出す。混合流路における流体の撹拌の程度を低くすると、混合流路内の二つの流体の層状の流れはあまり乱されないから、混合流体取出流路からは第2の流体の混合比率の低い混合流体を取り出すことができる。一方、混合流路における流体の撹拌の程度を高くすると、混合流路内の二つの流体の層状の流れは大きく乱されて撹拌されるから、混合流体取出流路からは第2の流体の混合比率の高い混合流体を取り出すことができる。このように混合流路の撹拌の程度を調整することにより、第1の流体に対する第2の流体の混合率を値0から両流体の導入流量の比率の範囲で変化させることができる。この結果、断面の相当直径が1000マイクロメートル以下のマイクロ流路内で二つの流体を高い精度の任意の混合比率をもって混合することができる。ここで、本発明の流体混合装置において、混合流路の断面の相当直径については1000マイクロメートル以下であればよく、断面の相当直径としては、500マイクロメートルや100マイクロメートル、50マイクロメートル、10マイクロメートルなどを用いることものとしてもよい他、ナノメートルオーダーを用いるものとしてもよい。
こうした本発明の流体混合装置において、前記撹拌程度調整手段は、前記混合流路に配設された複数の電極と、該複数の電極に電圧および/または周波数を変更可能に交流電圧を印加する交流電圧印加手段と、を備える手段であるものとすることもできる。この撹拌は、流体内に配設された二つの電極に交流電圧を印加すると、各電極上の流体粒子に他方の電極から遠ざかる方向の力が作用して流体内に対流が生じる、いわゆる交流電気浸透が生じる現象に基づく。即ち、流路に配設された複数の電極に交流電圧を印加することにより、流路内の流体に交流電気浸透を生じさせ、流路内の流体にその流向とは異なる方向の対流現象作用を生じさせ、これにより流体を撹拌するのである。こうした撹拌の程度は印加する交流電圧の大きさや周波数によって異なるものとすることができるから、印加する交流電圧を調整するだけで二つの流体を任意の混合比率をもって混合することができる。この結果、簡易で小型の構成でマイクロ流路内を流れる二つの流体を任意の混合比率をもって高い精度で混合することができる。この場合、前記撹拌程度調整手段は、前記複数の電極を前記混合流路における流体の流心に対して非対称となるよう配置してなる手段であるものとすることもできるし、前記複数の電極として二つの電極を用いると共に該二つの電極を電極間の隙間が曲線状となるよう形成して配置してなる手段であるものとすることもできる。後者の場合、前記二つの電極は、該二つの電極間の隙間が波線状となるよう形成されてなるものとすることもできる。これらの場合、撹拌性を高くすることができるから、印加する交流電圧の強度範囲を小さくすることができる。また、前記第1流体導入部および前記第2流体導入部は、前記混合流路の断面の相当直径dh、前記混合流路の長さL、前記混合流路における流体の流速v、前記混合流路における流体の拡散係数Dに対して、v・dh/Dにより演算されるペクレ数が102〜104の範囲でL/dhにより演算される対象演算値が100〜102の範囲となる条件を満たすよう前記第1の流体と前記第2の流体とを導入することを特徴とするものとすることもできる。
また、本発明の流体混合装置において、前記混合流体取出流路から取り出される混合流体の混合を均一化する均一化手段を備えるものとすることもできる。こうすれば、均一に混合された混合流体を取り出すことができる。この場合、前記均一化手段は、前記混合流体取出流路に配設された複数の電極と、該複数の電極に交流電圧を印加する交流電圧印加手段と、を備える手段であるものとすることもできる。こうすれば、交流電気浸透により混合流体の混合を均一なものとすることができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としての流体混合装置20の構成の概略を示す構成図である。実施例の流体混合装置20は、図示するように、希釈用の溶媒を導入する溶媒導入流路22と、希釈される原液を導入する原液導入流路24と、導入された原液を導入された溶媒に任意の混合比率で混合する混合流路32を有する混合部30と、この混合部30の混合流路32の下流部の溶媒導入流路22側に取り付けられて混合流路32から混合された希釈液を取り出す希釈液取出流路40と、この希釈液取出流路40に取り付けられて希釈液の均一化を図る均一化部42と、混合部30の混合流路32の下流部の原液導入流路24側に取り付けられて混合流路32から若干の希釈液が混合した不要な原液である廃液を回収する廃液回収流路48と、混合部30における原液の溶媒に対する混合比率をコントロールする電子制御ユニット50と、を備える。
混合部30は、溶媒導入流路22からの溶媒と原液導入流路24からの原液が導入される混合流路32と、この混合流路32の底部に隙間が波線状となる一対の電極34a,34bと、この電極34a,34bに交流電圧を印加する交流電源36と、電極34a,34bに印加される交流電圧の電圧Vを調整する可変抵抗38と、を備える。混合流路32は、その断面は幅が120μmで深さが40μmの略円弧状に形成されており、長さが5mmとして形成されている。一対の電極34a,34bは、混合流路32内に流れる流体の流心に沿って対をなし、その隙間が波線状となり長手方向(流心に沿った方向)の長さが1.5mmとなるよう形成されて混合流路32の底部に同一平面状となるよう配設されている。また、交流電源36は、振幅の電圧が20Vで周波数が1kHzの交流電圧を供給し、可変抵抗38の抵抗値を変更することにより0V〜20Vの交流電圧を一対の電極34a,34bに印加することができるようになっている。なお、溶媒導入流路22からの溶媒と原液導入流路24からの原液は、原液の溶媒に対する最大混合比率となる流量比で混合流路32に導入され、混合流路32での流速が3mm/s〜15mm/s程度となるよう調節されている。
混合部30における混合は次の原理による。一般に、断面の相当直径が1000μm以下のマイクロ流路内に流れる流体は乱流領域になり難く、層流領域で流れる。したがって、同一の流量の溶媒と原液とを混合流路32に導入すると、溶媒と原液は流路の中央を境として図1中では上下に層をなして流れ、それぞれの拡散係数にしたがった拡散により混合する。したがって、この状態では、混合部30の混合流路32の下流部の溶媒導入流路22側に取り付けられた希釈液取出流路40からは原液がほとんど混合されていない溶媒が希釈液として取り出されることになり、混合流路32の下流部の原液導入流路24側に取り付けられた廃液回収流路48からは溶媒がほとんど混合されていない原液が廃液としてとして取り出されることになる。実施例のように、混合部30の混合流路32の底部に一対の電極34a,34bを設け、この一対の電極34a,34bに交流電圧を印加すると、電極34a,34b上の流体粒子が他方の電極から遠ざかる方向に移動する現象が見られる。この現象は交流電気浸透として知られている。図2に例示するように、混合流路32内の流体の流心に沿って一対の電極34a,34bを配置して電極34a,34bに交流電圧を印加すれば、こうした交流電気浸透による流体粒子の移動に伴って混合流路32内の流体の流心に対して対称をなす二つの対流現象作用が生じる。ここで、図3に例示するように、混合流路32内の流体の流心に対して偏心して、即ち、一方の電極34aを他方の電極34bより大きな面積となるように配置して電極34a,34bに交流電圧を印加すれば、混合流路32内の流体の流心から偏心した位置で非対称の二つの対流現象作用が生じる。前述したように、混合流路32内では溶媒と原液とは流路の中央を境として層を流れるから、図3に例示するように、電極34a,34bを混合流路32内の流体の流心に対して偏心するように配置すれば、交流電気浸透による非対称の二つの対流現象作用により溶媒と原液との混合が行なわれる。実施例の混合部30では、図1に示すように、電極34a,34bは混合流路32内の流体の流心に沿ってその隙間が波線状となるように形成されて配置されているから、混合流路32の流体の流れに沿って、電極34aが電極34bより大きな面積となるように配置された状態と逆に電極34bが電極34aより大きな面積となるように配置された状態とを繰り返すことになる。このため、混合流路32内では、溶媒側に偏った非対称の二つの対流現象作用と原液側に偏った非対称の二つの対流現象作用とが繰り返されることにより混合流路32内が撹拌され、溶媒と原液とが混合する。上述の交流電気浸透に基づく対流現象作用は、印加する交流電圧の振幅、即ち電圧の大きさによって変化するから、電極34a,34bに印加する交流電圧の大きさを調整することにより、溶媒と原液との混合の程度を調節することができる。即ち、可変抵抗38の抵抗値を最大値として最小電圧の交流電圧を電極34a,34bに印加するものとすれば、原液の混合比率が略0の希釈液を得ることができ、逆に可変抵抗の抵抗値を最小値として最大電圧の交流電圧を電極34a,34bに印加するものとすれば、原液と溶媒の流量比の混合比率の希釈液を得ることができ、可変抵抗38の抵抗値を最小値と最大値との間の中間値として中間電圧の交流電圧を電極34a,34bに印加するものとすれば、原液と溶媒の流量比と値0との中間の混合比率の希釈液を得ることができるのである。
次に、実施例の混合部30における混合性能について説明する。図4は、実施例の混合部30における混合流路32内の流体(溶媒および原液)の流速Vと90%混合するのに必要な混合流路32内における電極34a,34bの長さを比較例と共に示した説明図である。ここで比較例は、実施例の混合部30から電極34a,34bを取り除いたときの混合流路32内の流体(溶媒および原液)の流速Vと90%混合するのに必要な混合流路32の長さである。図示するように、比較例では、混合流路32内の流体の流速が4mm/s〜12mm/sの範囲内で90%混合するのに必要な混合流路32の長さが15mm〜100mm程度であるのに対して、実施例では、同一の混合流路32内の流体の流速の範囲に対して90%混合するのに必要な電極34a,34bの長さは0.3mm〜1.2mm程度となる。したがって、実施例では、混合流路32の長さを比較例に比して1/10〜1/100程度にすることができる。上述したように、実施例では電極34a,34bの長さを1.5mmとしたから、実施例の混合部30は原液と溶媒とをほぼ完全に混合することができる性能を有しているのが解る。
実施例の混合部30では、その緒言(断面の幅や深さ、断面形状、流路内の流速)を変更すれば、電極34a,34bの長さや混合流路32の長さが変化する。そこで、一般的な緒言とするために、混合流路32内の流体の流速を「V」、混合流路32の断面の相当直径を「dh」、混合流路32内の流体の拡散係数を「D」、90%混合するのに必要な混合流路32内における電極34a,34bの長さを「X90」としたときに、V・dh/Dで表わされるペクレ数Peと90%混合するのに必要な混合流路32内における電極34a,34bの長さを混合流路32の断面の相当直径で除したX90/dhとの関係を示せば、図5に示すように、ペクレ数Peが102〜104の範囲でX90/dhが100〜102の範囲となる。この図5の関係は、詳しくは、ペクレ数Peを横軸にX90/dhを縦軸に両対数軸としたときに図中のポイントを結ぶ近似直線より左上の領域となるように緒言を調整すれば、原液と溶媒との混合率が90%以上として取り出すことができることを意味している。したがって、必要な混合率から実施例の混合部30の混合流路32の断面の幅や深さ、断面形状、流路内の流速、電極34a,34bの長さを設定することができる。
希釈液取出流路40に取り付けられた均一化部42は、混合部30と同様に、この希釈液取出流路40の底部に隙間が波線状となる一対の電極44a,44bと、この電極44a,44bに交流電圧を印加する交流電源46と、を備える。均一化部42は、混合部30とは異なり、希釈液の均一化を行なうものであるから、交流電圧の大きさを調節する必要がないため、可変抵抗は設けられていない。
電子制御ユニット50は、CPU52を中心とするマイクロコンピュータとして構成されており、CPU52の他に、処理プログラムなどを記憶するROM54と、データを一時的に記憶するRAM56と、図示しない入出力ポートとを備える。こうした電子制御ユニット50には、スイッチやキーボードなどの入力機器として構成された濃度指示値入力部60からの濃度指示値C*などが入出力ポートを介して入力されており、電子制御ユニット50からは、混合部30の交流電源36へのオンオフ信号や可変抵抗38への抵抗調整信号、均一化部42の交流電源46へのオンオフ信号などが出力ポートを介して出力されている。
次に、こうして構成された実施例の流体混合装置20の動作について説明する。図6は電子制御ユニット50により実行される濃度設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、濃度指示値入力部60から濃度指示値C*が入力されたときに実行される。このルーチンが実行されると、電子制御ユニット50のCPU52は、まず、濃度指示値入力部60からの濃度指示値C*を入力し(ステップS100)、入力した濃度指示値C*に基づいて電極34a,34bに印加する交流電圧の振幅としての電圧Vを設定する(ステップS110)。この電圧Vの設定は、実施例では、実験などにより希釈液取出流路40から取り出される希釈液の原液の混合比率が濃度指示値C*に一致する交流電圧の電圧値を求めて予め電圧設定用マップとしてROM54に記憶しておき、濃度指示値C*が与えられるとマップから対応する電圧Vを導出して設定するものとした。電圧設定用マップの一例を図7に示す。こうして電圧Vを設定すると、設定した電圧Vの交流電圧が電極34a,34bに印加されるよう可変抵抗38の抵抗値を調整して(ステップS120)、本ルーチンを終了する。こうした処理により、濃度指示値C*を入力するだけで、指示した濃度に原液を希釈した希釈液を希釈液取出流路40から取り出すことができる。
以上説明した実施例の流体混合装置20によれば、混合部30の混合流路32の底部に隙間が波線状となる一対の電極34a,34bに交流電圧を印加することにより原液と溶媒とを混合するから、簡易で小型の構成で断面の相当直径が1000マイクロメートル以下の混合流路32内に流れる原液と溶媒とを混合することができる。しかも、一対の電極34a,34bに印加する交流電圧の大きさを変更するだけで原液の混合比率を変更した希釈液を希釈液取出流路40から取り出すことができる。したがって、一対の電極34a,34bに印加する交流電圧の大きさを調整することにより、原液と溶媒と任意の混合比率をもって混合することができる。さらに、実施例の流体混合装置20によれば、こうした原理に基づいて電圧設定用マップを用いることにより、濃度指示値C*を入力するだけで指示した濃度に原液を希釈した希釈液を希釈液取出流路40から取り出すことができる。これにより、断面の相当直径が1000マイクロメートル以下の混合流路32内に流れる原液と溶媒とを高い精度の任意の混合比率をもって混合して希釈液として取り出すことができる。
実施例の流体混合装置20によれば、希釈液取出流路40に均一化部42を設けているから、希釈液取出流路40から取り出される希釈液における原液の溶媒への混合を均一なものとすることができる。
実施例の流体混合装置20では、混合部30の混合流路32内に流れる流体の流心に沿って対をなし、その隙間が波線状となるよう一対の電極34a,34bを形成して混合流路32の底部に配設するものとしたが、混合流路32内に流れる流体の流心に対して偏心していればよいから、図8の変形例の混合部130に例示するように、混合流路132の底部に混合流路132内に流れる流体の流心から偏心するよう二対の電極134a,134bを配設するものとしてもよい。また、図9の変形例の混合部230に例示するように、混合流路232の底部の中央に電極234aを配設すると共に混合流路232の底部の両サイドに二つの電極234bを配設するものとしてもよい。この場合、中央の電極234aは、二つの電極を合体させたものと見ることができ、対流現象作用は混合流路232内に流れる流体の流心から偏心している。さらに、図10の変形例の混合部330に例示するように、その隙間が曲線状となるように且つその隙間が混合流路332内に流れる流体の流心から偏心するように一対の電極334a,334bを形成して混合流路332の底部に配設するものとしてもよい。このほか、矩形や円形,楕円形に形成された複数の電極を混合流路32内に千鳥状に配置するものとしても構わない。こうした変形例の混合部130,230,330の電極134a,13b,234a,234b,334a,334bの構成や配置は希釈液取出流路40に取り付けられた均一化部42の電極44a,44bの構成や配置にも適用することができる。
実施例の流体混合装置20では、交流電気浸透の原理を用いて混合部30を構成するものとしたが、相当直径が1000マイクロメートル以下の混合流路32内に流れる原液と溶媒との混合の程度(撹拌の程度)を変更可能なものであれば、如何なるものを用いるものとしてもよい。例えば、超音波の強度を変更可能な超音波攪拌機を用いて混合部を構成するものとしてもよいし、混合流路に流れる原液と溶媒に強度を変更可能な圧力パルスを与えることにより、原液と溶媒との混合の程度を変更するものとしても構わない。
実施例の流体混合装置20では、希釈液取出流路40に均一化部42を設けるものとしたが、こうした均一化部42を設けないものとしても構わない。
実施例の流体混合装置20では、入力された濃度指示値C*に基づいて電極34a,34bに印加する交流電圧の振幅としての電圧Vを設定すると共に設定した電圧Vとなるように可変抵抗38の抵抗値を調整するものとしたが、希釈液取出流路40から取り出される希釈液の濃度を検出する濃度センサを取り付け、濃度センサにより検出される希釈液の濃度が濃度指示値C*に一致するよう可変抵抗38の抵抗値を調整する、いわゆるフィードバック制御を行なうものとしてもよい。
実施例の流体混合装置20では、原液と溶媒とを混合して任意の混合比率をもって原液を希釈した希釈液を取り出すものとしたが、異なる二つの液体を任意の混合比率をもって混合してなる溶液を取り出すものとしても構わない。
実施例の流体混合装置20、一対の電極34a,34bを混合流路32の底部に配設するものとしたが、一対の電極34a,34bを混合流路32の底部に配設するものに限定されるものではなく、一対の電極34a,34bを混合流路32の頂部や側部など種々の部位に配設するものとしてもよい。この場合、一対の電極34a,34bを同一平面上に配置しないものとしても構わない。
実施例の流体混合装置20では、混合流路32の断面を幅が120μmで深さが40μmの略円弧状としたが、混合流路32の断面は、相当直径が1000μm以下であれば、如何なる断面形状としてもよい。即ち、円形断面としてもよいし、矩形断面としてもよいし、多角形断面や楕円断面などとしても構わない。また、こうした混合流路32としては、断面の相当直径が1000μm以下のマイクロ流路であればよく、マイクロ流路の断面の相当直径としては、500μmや100μm、50μm、10μmなどを用いるものとしてもよい他、ナノメートルオーダーを用いるものとしてもよい。
実施例の流体混合装置20では、交流電源36として振幅の電圧が20Vで周波数が1kHzのものを用いるものとしたが、電極34a,34b上で交流電気浸透の現象を生じさせると共にその程度を変更可能なものであれば、如何なる振幅の如何なる周波数の交流電圧であっても構わない。例えば、交流電圧の振幅は1V以上や3V,5V,10V,30V,50Vなど種々のものを用いることができるし、周波数も100Hzや300Hz,500Hz,1kHz,3kHz,5kHzなど種々のものを用いることができる。
実施例の流体混合装置20では、可変抵抗38の抵抗値を変更して電極34a,34bに印加する交流電圧の振幅を変更することにより、原液の溶媒に対する混合比率を変更するものとしたが、交流電圧の周波数を変更することにより、原液の溶媒に対する混合比率を変更するものとしても構わない。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、流体混合装置の製造産業に利用可能である。
本発明の一実施例としての流体混合装置20の構成の概略を模式的に示す構成図である。 交流電気浸透により対称な二つの対流現象作用を説明する説明図である。 非対称な二つの対流現象作用を説明する説明図である。 実施例における混合流路32内の流体の流速Vと90%混合するのに必要な混合流路32内における電極34a,34bの長さとの関係の一例を示す説明図である。 ペクレ数PeとX90/dhとの関係の一例を示す説明図である。 電子制御ユニット50により実行される濃度設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。 電圧設定用マップの一例を示す説明図である。 変形例の混合部130の構成の概略を示す構成図である。 変形例の混合部230の構成の概略を示す構成図である。 変形例の混合部330の構成の概略を示す構成図である。
符号の説明
20 流体混合装置、22 溶媒導入流路、24 原液導入流路、30,130,230,330 混合部、32,132,232,332 混合流路、34a,34b,134a,134b,234a,234b,334a,334b 電極、36 交流電源、38 可変抵抗、40 希釈液取出流路、42 均一化部、44a,44b 電極、 46 交流電源、48 廃液回収流路、50 電子制御ユニット、52 CPU、54 ROM、56 RAM 60 濃度指示値入力部。

Claims (8)

  1. 第1の流体に該第1の流体とは異なる第2の流体を混合比率の調整を伴って混合する流体混合装置であって、
    同一平面内にY字状に分岐した二つの導入口とY字状に分岐した二つの排出口とを有し、断面の相当直径が1000マイクロメートル以下の混合流路と、
    前記混合流路の導入口の一方に前記第1の流体を導入する第1流体導入部と、
    前記混合流路の導入口の他方に前記第2の流体を導入する第2流体導入部と、
    前記混合流路における流体の撹拌の程度を調整する撹拌程度調整手段と、
    前記混合流路の二つの排出口のうち前記第1の流体が導入される導入口と同側の排出口に接続されて混合流体を取り出す混合流体取出流路と、
    を備える流体混合装置。
  2. 前記撹拌程度調整手段は、前記混合流路に配設された複数の電極と、該複数の電極に電圧および/または周波数を変更可能に交流電圧を印加する交流電圧印加手段と、を備える手段である請求項1記載の流体混合装置。
  3. 前記撹拌程度調整手段は、前記複数の電極を前記混合流路における流体の流心に対して非対称となるよう配置してなる手段である請求項2記載の流体混合装置。
  4. 前記撹拌程度調整手段は、前記複数の電極として二つの電極を用いると共に該二つの電極を電極間の隙間が曲線状となるよう形成して配置してなる手段である請求項2記載の流体混合装置。
  5. 前記二つの電極は、該二つの電極間の隙間が波線状となるよう形成されてなる請求項4記載の流体混合装置。
  6. 前記第1流体導入部および前記第2流体導入部は、前記混合流路の断面の相当直径dh、前記混合流路の長さL、前記混合流路における流体の流速v、前記混合流路における流体の拡散係数Dに対して、v・dh/Dにより演算されるペクレ数が102〜104の範囲でL/dhにより演算される対象演算値が100〜102の範囲となる条件を満たすよう前記第1の流体と前記第2の流体とを導入することを特徴とする請求項1ないし5いずれか記載の流体混合装置。
  7. 前記混合流体取出流路から取り出される混合流体の混合を均一化する均一化手段を備える請求項1ないし6いずれか記載の流体混合装置。
  8. 前記均一化手段は、前記混合流体取出流路に配設された複数の電極と、該複数の電極に交流電圧を印加する交流電圧印加手段と、を備える手段である請求項7記載の流体混合装置。
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