JP2008062190A - マイクロミキサーおよび流体の撹拌方法並びに流体の混合方法 - Google Patents

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Yukio Kin
幸夫 金
Takehiko Kitamori
武彦 北森
Naoki Sasaki
直樹 佐々木
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Abstract

【課題】簡易な構成により、断面の相当直径が1000マイクロメートル以下のマイクロ流路内に流れる導電性流体を迅速に撹拌したり混合する。
【解決手段】混合流路22の底部に、混合流路22内に流れる流体の流心に対して偏心するようにその隙間が波線状となるよう形成された一対の電極24a,24bを配設し、この電極24a,24bに振幅が10V以上で105Hz以上の周波数の交流電圧を印加する。電極24a,24b上ではエレクトロサーマルフロー(Electrothermal Flow)により導電性流体に対流現象作用が生じるため、混合流路22内の流体を迅速に撹拌したり混合することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、マイクロミキサーおよび流体の撹拌方法並びに流体の混合方法に関し、詳しくは、断面の相当直径が1000マイクロメートル以下の流路に流れる所定導電率以上の導電率を有する導電性流体を撹拌するマイクロミキサーおよび断面の相当直径が1000マイクロメートル以下の流路に流れる10-3mol/lの塩化カリウム水溶液の導電率以上の導電率を有する導電性流体を撹拌する撹拌方法並びに断面の相当直径が1000マイクロメートル以下の流路に層状に流れる10-3mol/lの塩化カリウム水溶液の導電率以上の導電率を有する複数の流体を混合する混合方法に関する。
流路内の流体を撹拌したり、複数の流体の混合を促進する手法としては、先端部にプロペラを有するミキサーをモータで駆動することにより撹拌したり混合する機械的な手法や超音波を照射することにより撹拌したり混合する手法などが種々提案されている。
しかしながら、断面の相当直径が1000マイクロメートル以下のマイクロ流路内に流れる流体を撹拌したり混合する場合には、機械的手法によっては行なうことができない。また、超音波を用いて撹拌したり混合する場合には、超音波発信器を備える必要から装置が大型化してしまう。こうした問題に対して、流路を三次元的にくねらせた構造としたり、流路内の流れを乱す構造物を形成したりしてその撹拌性や混合性を高めることも考えられるが、いずれの場合にも流路の形成が困難なものとなる。
本出願の発明者らは、上述した課題を解決するために、交流電気浸透により流体に対流現象作用を生じさせて混合流路内の流体を迅速に撹拌したり混合するものとして、「断面の相当直径が1000マイクロメートル以下の流路に流れる流体を撹拌するマイクロミキサーであって、前記流路に配設された複数の電極と、前記複数の電極に交流電圧を印加する交流電圧印加手段と、を備えるマイクロミキサー」を提案している(特願2005−148719)。発明者らのその後の研究により、交流電気浸透を用いた流体の撹拌や混合は、導電率の低い流体に対しては高い撹拌率や混合率を得ることができるものの、導電率が高い流体に対しては十分な撹拌や混合が得られないことが解った。導電率が高い流体の撹拌や混合は、溶媒に薬剤を溶解する際の撹拌や溶媒に薬液を混合する際の混合などに必要なものであることから、高い撹拌率や混合率で導電率が高い流体を撹拌したり混合することが望まれる。
本発明のマイクロミキサーおよび流体の撹拌方法並びに流体の混合方法は、断面の相当直径が1000マイクロメートル以下のマイクロ流路内に流れる導電率の高い流体を迅速に撹拌したり混合することを目的の一つとする。また、本発明のマイクロミキサーおよび流体の撹拌方法並びに流体の混合方法は、簡易な構成により、断面の相当直径が1000マイクロメートル以下のマイクロ流路内に流れる導電率の高い流体を撹拌したり混合することを目的の一つとする。
本発明のマイクロミキサーおよび流体の撹拌方法並びに流体の混合方法は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
本発明のマイクロミキサーは、
断面の相当直径が1000マイクロメートル以下の流路に流れる所定導電率を超える導電率を有する導電性流体を撹拌するマイクロミキサーであって、
前記流路に配設された複数の電極と、
前記複数の電極に所定周波数以上の周波数の交流電圧を印加する交流電圧印加手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明のマイクロミキサーでは、流路に配設された複数の電極に所定周波数以上の周波数の交流電圧を印加することにより、流路に流れる導電性流体を撹拌する。これは、流体内に配設された二つの電極に交流電圧を印加すると、二つの電極と電極の間から、それらの他端に向かう力が溶液に作用し、導電性流体内に対流が生じる、いわゆるエレクトロサーマルフロー(Electrothermal Flow:以下、ETFと略す。)による現象に基づく。即ち、流路に配設された複数の電極に所定周波数以上の周波数の交流電圧を印加することにより、流路内の導電性流体にETFを生じさせ、流路内の導電性流体にその流向とは異なる方向の対流現象作用を生じさせ、これにより導電性流体を撹拌するのである。したがって、流路内に複数の電極を配設すると共に配設した複数の電極に所定周波数以上の周波数の交流電圧を印加するだけで断面の相当直径が1000マイクロメートル以下の流路に流れる導電性流体を撹拌することができる。この結果、簡易な構成により、こうしたマイクロ流路内に流れる導電性流体を迅速に撹拌することができる。ここで、所定導電率としては、10-3mol/lの塩化カリウム水溶液の導電率を用いることができる。即ち、10-3mol/lの塩化カリウム水溶液の導電率を超える導電率の導電性流体の撹拌に特に有効である。また、所定周波数としては、105Hzを用いることができる。即ち、105Hz以上の周波数の交流電圧を印加するときに特に有効である。このとき、振幅としての電圧としては、10Vや20V,50V,100V,200Vなど種々の電圧を用いることができる。さらに、流路の断面の相当直径については1000マイクロメートル以下であればよく、断面の相当直径としては、500マイクロメートルや100マイクロメートル、50マイクロメートル、10マイクロメートルなどを用いるものとしてもよい他、ナノメートルオーダーを用いるものとしてもよい。
こうした本発明のマイクロミキサーにおいて、前記複数の電極は、前記流路における導電性流体の流心に対して非対称となるよう配設されてなるものとすることもできる。こうすれば、導電性流体に対して非対称な対流現象作用を生じさせるから、より迅速に撹拌することができる。
また、本発明のマイクロミキサーにおいて、前記複数の電極は、千鳥状に配設されてなるものとすることもできる。こうすれば、導電性流体に対して直交する複数の方向の対流現象作用を生じさせるから、より迅速に撹拌することができる。
さらに、本発明のマイクロミキサーにおいて、前記複数の電極は、二つの電極を該二つの電極間の隙間が曲線状となるよう形成されて配設されてなるものとすることもできる。こうすれば、導電性流体の流心に対して対流現象作用を曲線状に変化させることができるから、より迅速に撹拌することができる。この場合、前記二つの電極は、該二つの電極間の隙間が波線状となるよう形成されて配設されてなるものとすることもできる。
あるいは、本発明のマイクロミキサーにおいて、前記複数の電極は、同一平面上に配置されてなるものとすることもできる。こうすれば、容易に複数の電極を配設することができる。
本発明の撹拌方法は、
断面の相当直径が1000マイクロメートル以下の流路に流れる10-3mol/lの塩化カリウム水溶液の導電率を超える導電率を有する導電性流体を撹拌する撹拌方法であって、
前記流路に配設された複数の電極に105Hz以上の周波数の交流電圧を印加する、
ことを特徴とする。
この本発明の撹拌方法では、本発明のマイクロミキサーと同様に、流路に配設された複数の電極に105Hz以上の周波数の交流電圧を印加することにより、流路内の10-3mol/lの塩化カリウム水溶液の導電率を超える導電率を有する導電性流体にETFを生じさせ、流路内の導電性流体にその流向とは異なる方向の対流現象作用を生じさせ、これにより導電性流体を撹拌する。したがって、流路内に複数の電極を配設すると共に配設した複数の電極に105Hz以上の周波数の交流電圧を印加するだけで断面の相当直径が1000マイクロメートル以下の流路に流れる導電性流体を撹拌することができる。この結果、簡易な構成により、こうしたマイクロ流路内に流れる導電性流体を迅速に撹拌することができる。
本発明の混合方法は、
断面の相当直径が1000マイクロメートル以下の流路に層状に流れる10-3mol/lの塩化カリウム水溶液の導電率を超える導電率を有する複数の流体を混合する混合方法であって、
前記流路に複数の電極を配設すると共に該複数の電極に105Hz以上の周波数の交流電圧を印加することにより前記複数の流体を混合する、
ことを特徴とする。
この本発明の混合方法は、本発明のマイクロミキサーと同様に、流路に配設された複数の電極に105Hz以上の周波数の交流電圧を印加することにより、流路内の10-3mol/lの塩化カリウム水溶液の導電率を超える導電率を有する流体に交流電気浸透を生じさせ、流路内の流体にその流向とは異なる方向の対流現象作用を生じさせ、これにより複数の流体を混合する。したがって、流路内に複数の電極を配設すると共に配設した複数の電極に105Hz以上の周波数の交流電圧を印加するだけで断面の相当直径が1000マイクロメートル以下の流路に層状に流れる10-3mol/lの塩化カリウム水溶液の導電率を超える導電率を有する複数の流体を混合することができる。この結果、簡易な構成により、こうしたマイクロ流路内に層状に流れる複数の流体を迅速に混合することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのマイクロミキサー20の平面的な構成の概略を模式的に示す構成図である。実施例のマイクロミキサー20は、図示するように、導入流路12,14から10-3mol/lの塩化カリウム水溶液の導電率以上の導電率を有する異なる液体(A液およびB液)が供給される混合流路22と、この混合流路22の底部に隙間が波線状となる一対の電極24a,24bと、この電極24a,24bに振幅が10V以上で105Hz以上の周波数の交流電圧を印加する交流電源26とを備える。
混合流路22は、その断面は幅が120μmで深さが40μmの略円弧状に形成されており、長さが10mmとして形成されている。一対の電極24a,24bは、混合流路22内に流れる流体の流心に沿って対をなし、その隙間が波線状となり長手方向(流心に沿った方向)の長さが1.5mmとなるよう形成されて混合流路22の底部に同一平面状となるよう配設されている。また、交流電源26は、振幅の電圧が25Vで周波数が5MHzの交流電圧を印加する電源として構成されている。なお、導入流路12,14から導入されるA液およびB液は、混合流路22での流速が1mm/s〜6mm/s程度となるよう流量調節がなされている。
次に、こうして構成された実施例のマイクロミキサー20による撹拌の原理について説明する。一般に、断面の相当直径が1000μm以下のマイクロ流路内に流れる流体は乱流領域になり難く、層流領域で流れる。したがって、同一の流量のA液とB液とを混合流路22に導入すると、A液とB液は流路の中央を境として図1中では上下に層をなして流れ、それぞれの拡散係数にしたがった拡散により混合する。こうしたマイクロ流路の底部に一対の電極を設け、この一対の電極に交流電圧を印加すると、電極上の流体粒子が他方の電極から遠ざかる方向に移動する現象が見られる。この現象は、流体の導電率が低く且つ振幅が数Vで数kHz程度以下の周波数では交流電気浸透として知られており、流体の導電率が高く且つ振幅が数十VでMHz程度の周波数ではエレクトロサーマルフロー(Electrothermal Flow:以下、ETFと略す。)として知られている。本実施例のマイクロミキサー20では、A液およびB液は10-3mol/lの塩化カリウム水溶液の導電率を超える導電率を有する液体を対象としていることと振幅が10V以上で105Hz以上の周波数の交流電圧を印加することから、ETFによるものとなる。図2に導電性流体の導電率と交流電圧の周波数と導電性流体の混合率との関係の一例を示す。図中、破線は電気分解が生じていることを示す。10-4mol/lの塩化カリウム水溶液では、kHzの周波数で混合率が高くMHzの周波数以上では混合率が低いのに対して、10-1mol/lの塩化カリウム水溶液では、kHzの周波数では電気分解し、0.1MHzの周波数以上では混合率が高いのが解る。図2や他の実験結果から、10-3mol/lの塩化カリウム水溶液の導電率を超える導電率の導電性流体を対象として105Hzの周波数以上の周波数の交流電圧を用いることによりETFによる混合が有効と考えられる。
図3はETFにより対称な二つの対流現象作用を説明する説明図である。図3に例示するように、マイクロ流路としての混合流路22内の流体の流心に沿って一対の電極24a,24bを配置して電極24a,24bに交流電圧を印加すれば、上述したETFによる流体粒子の移動に伴って混合流路22内の流体の流心に対して対称をなす二つの対流現象作用が生じる。ここで、図4に例示するように、混合流路22内の流体の流心に対して偏心して、即ち、一方の電極24aを他方の電極24bより大きな面積となるように配置して電極24a,24bに交流電圧を印加すれば、混合流路22内の流体の流心から偏心した位置で非対称の二つの対流現象作用が生じる。前述したように、混合流路22内ではA液とB液とは流路の中央を境として層を流れるから、図4に例示するように、電極24a,24bを混合流路22内の流体の流心に対して偏心するように配置すれば、ETFによる非対称の二つの対流現象作用によりA液とB液との混合が行なわれる。実施例のマイクロミキサー20では、図1に示すように、電極24a,24bは混合流路22内の流体の流心に沿ってその隙間が波線状となるように形成されて配置されているから、混合流路22の流れに沿って、電極24aが電極24bより大きな面積となるように配置された状態と逆に電極24bが電極24aより大きな面積となるように配置された状態とを繰り返すことになる。このため、混合流路22内では、A液側に偏った非対称の二つの対流現象作用とB液側に偏った非対称の二つの対流現象作用とが繰り返されることにより混合流路22内が撹拌され、A液とB液とが迅速に混合される。
次に、実施例のマイクロミキサー20の性能について説明する。図5は、実施例のマイクロミキサー20における混合流路22内の流体(A液およびB液)の流速Vと50%混合するのに必要な混合流路22内における電極24a,24bの長さを比較例と共に示した説明図である。ここで比較例は、実施例のマイクロミキサー20から電極24a,24bを取り除いたときの混合流路22内の流体(A液およびB液)の流速Vと50%混合するのに必要な混合流路22の長さである。実施例の条件としては、A液およびB液として10-1mol/lの塩化カリウム水溶液を用い、振幅が25Vで5MHzの周波数の交流電圧を印加した。図示するように、比較例では、混合流路22内の流体の流速が2mm/s〜6mm/sの範囲内で50%混合するのに必要な混合流路22の長さが8mm〜20mm程度であるのに対して、実施例では、同一の混合流路22内の流体の流速の範囲に対して50%混合するのに必要な電極24a,24bの長さは0.9mm〜2mm程度となる。したがって、実施例では、混合流路22の長さを比較例に比して1/10程度にすることができる。
図6は、実施例のマイクロミキサー20における混合流路22内の流体(A液およびB液)の導電率と混合率との関係の一例を示す説明図である。なお、実験条件としては、振幅が25Vで5MHzの周波数の交流電圧を印加した。図示するように、10-3mol/lの塩化カリウム水溶液の導電率を超える導電率で良好な混合率となっているのが解る。
図7に、0.1mol/lの塩化カリウム水溶液に850pmol/lのλ−DNAを混在させた溶液と0.1mol/lの塩化カリウム水溶液とを混合する際に電極24a,24bに交流電圧を印加した場合(ON)と印加しなかった場合(OFF)との混合の状態を示す。このときの条件としては、混合流路22として120μmで深さ40μmを用いると共に電極24a,24bに印加する交流電圧としては振幅が15Vで5MHzの周波数のものを用いた。図示するように、電極24a,24bに交流電圧を印加した場合(ON)は、電極24a,24bに交流電圧を印加しなかった場合(OFF)に比して、十分な混合が行なわれているのが解る。
以上説明した実施例のマイクロミキサー20によれば、ETFを利用することにより、断面の相当直径が1000μm以下のマイクロ流路内に流れる10-3mol/lの塩化カリウム水溶液の導電率を超える導電率を有する導電性流体を迅速に撹拌したり混合することができる。しかも、混合流路22内の流体の流心に対して偏心するよう混合流路22の底部に一対の電極24a,24bを配設すると共にこの一対の電極24a,24bに105Hzの周波数以上の周波数の交流電圧を印加するだけで、断面の相当直径が1000μm以下のマイクロ流路内に流れる導電性流体を迅速に撹拌したり混合することができる。即ち、簡易な構成でマイクロ流路内に流れる導電性流体を迅速に撹拌したり混合することができる。これらの結果、混合流路22の長さを従来からの比較例に比して短くすることができ、装置の小型化を図ることができる。
実施例のマイクロミキサー20では、一対の電極24a,24bを混合流路22の底部に配設するものとしたが、一対の電極24a,24bを混合流路22の底部に配設するものに限定されるものではなく、一対の電極24a,24bを混合流路22の頂部や側部など種々の部位に配設するものとしてもよい。この場合、一対の電極24a,24bを同一平面上に配置しないものとしても構わない。
実施例のマイクロミキサー20では、混合流路22の断面を幅が120μmで深さが40μmの略円弧状としたが、混合流路22の断面は、相当直径が1000μm以下であれば、如何なる断面形状としてもよい。即ち、円形断面としてもよいし、矩形断面としてもよいし、多角形断面や楕円断面などとしても構わない。また、こうした混合流路22としては、断面の相当直径が1000μm以下のマイクロ流路であればよく、マイクロ流路の断面の相当直径としては、500μmや100μm、50μm、10μmなどを用いるものとしてもよい他、ナノメートルオーダーを用いるものとしてもよい。
実施例のマイクロミキサー20では、混合流路22内の流体の流心に対して偏心するよう混合流路22の底部にその隙間が波線状となるよう形成された一対の電極24a,24bを配設するものとしたが、混合流路22内の流体の流心に対して偏心しないように混合流路22の底部にその隙間が直線状となるよう形成された矩形の一対の電極を配設するものとしても構わない。
また、実施例のマイクロミキサー20では、混合流路22内に流れる流体の流心に沿って対をなし、その隙間が波線状となるよう一対の電極24a,24bを形成して混合流路22の底部に配設するものとしたが、混合流路22内に流れる流体の流心に対して偏心していればよいから、図8の変形例のマイクロミキサー120に例示するように、混合流路122の底部に混合流路122内に流れる流体の流心から偏心するよう二対の電極124a,124bを配設するものとしてもよい。この場合でも実施例と同様に混合流路122内の流体を迅速に撹拌したり混合することができる。また、図9の変形例のマイクロミキサー220に例示するように、混合流路222の底部の中央に電極224aを配設すると共に混合流路222の底部の両サイドに二つの電極224bを配設するものとしてもよい。この場合、中央の電極224aは、二つの電極を合体させたものと見ることができ、対流現象作用は混合流路222内に流れる流体の流心から偏心している。この場合でも実施例と同様に混合流路222内の流体を迅速に撹拌したり混合することができる。さらに、図10の変形例のマイクロミキサー320に例示するように、その隙間が曲線状となるように且つその隙間が混合流路322内に流れる流体の流心から偏心するように一対の電極324a,324bを形成して混合流路322の底部に配設するものとしてもよい。このほか、矩形や円形,楕円形に形成された複数の電極を混合流路22内に千鳥状に配置するものとしても構わない。
実施例のマイクロミキサー20では、混合流路22に導入流路12,14から異なる液体(A液およびB液)が導入されるものとしたが、導入される液体は2液に限定されるものではなく、3以上の複数の液体が導入されるものとしてもよいし、1液のみが導入されるものとしても構わない。
実施例のマイクロミキサー20では、一対の電極24a,24bに振幅が10V以上で105Hz以上の周波数の交流電圧を印加する交流電源26を備えるものとしたが、一対の電極24a,24bに印加する交流電圧の振幅としての電圧は、10Vや50Vに限定されるものでなく、20Vや70V,100V,200Vなど種々の電圧を用いることができる。また、交流電圧の周波数も105Hz以上であればよく、1MHzや5MHz,10MHzなど種々の周波数の交流電圧を用いることができる。
実施例では、本発明を装置としてのマイクロミキサーとして説明したが、断面の相当直径が1000μm以下のマイクロ流路内に流れる導電性流体の撹拌方法の形態としてもよいし、断面の相当直径が1000μm以下のマイクロ流路内に層をなして流れる複数の流体の混合方法の形態としてもよい。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、マイクロミキサーの製造産業などに利用可能である。
本発明の一実施例としてのマイクロミキサー20の平面的な構成の概略を模式的に示す構成図である。 導電性流体の導電率と交流電圧の周波数と導電性流体の混合率との関係の一例を示す説明図である。 ETFにより対称な二つの対流現象作用を説明する説明図である。 ETFにより非対称な二つの対流現象作用を説明する説明図である。 実施例における混合流路22内の流体の流速Vと50%混合するのに必要な混合流路22内における電極24a,24bの長さとの関係の一例を示す説明図である。 実施例のマイクロミキサー20における混合流路22内の流体(A液およびB液)の導電率と混合率との関係の一例を示す説明図である。 0.1mol/lの塩化カリウム水溶液を用いた実験結果の一例を示す説明図である。 変形例のマイクロミキサー120の構成の概略を示す構成図である。 変形例のマイクロミキサー220の構成の概略を示す構成図である。 変形例のマイクロミキサー320の構成の概略を示す構成図である。
符号の説明
12,14 導入流路、20 マイクロミキサー、22,122,222,322 混合流路、24a,24b,124a,124b,224a,224b,324a,324b 電極、26 交流電源。

Claims (11)

  1. 断面の相当直径が1000マイクロメートル以下の流路に流れる所定導電率を超える導電率を有する導電性流体を撹拌するマイクロミキサーであって、
    前記流路に配設された複数の電極と、
    前記複数の電極に所定周波数以上の周波数の交流電圧を印加する交流電圧印加手段と、
    を備えるマイクロミキサー。
  2. 前記所定導電率は、10-3mol/lの塩化カリウム水溶液の導電率である請求項1記載のマイクロミキサー。
  3. 前記所定周波数は、105Hzである請求項1または2記載のマイクロミキサー。
  4. 前記複数の電極は、前記流路における導電性流体の流心に対して非対称となるよう配設されてなる請求項1ないし3いずれか記載のマイクロミキサー。
  5. 前記複数の電極は、千鳥状に配設されてなる請求項1ないし4いずれか記載のマイクロミキサー。
  6. 前記複数の電極は、二つの電極を該二つの電極間の隙間が曲線状となるよう形成されて配設されてなる請求項1ないし3いずれか記載のマイクロミキサー。
  7. 前記二つの電極は、該二つの電極間の隙間が波線状となるよう形成されて配設されてなる請求項6記載のマイクロミキサー。
  8. 前記複数の電極は、同一平面上に配置されてなる請求項1ないし7いずれか記載のマイクロミキサー。
  9. 前記交流電圧印加手段は、振幅が10V以上の電圧の交流電圧を印加可能な手段である請求項1ないし8いずれか記載のマイクロミキサー。
  10. 断面の相当直径が1000マイクロメートル以下の流路に流れる10-3mol/lの塩化カリウム水溶液の導電率を超える導電率を有する導電性流体を撹拌する撹拌方法であって、
    前記流路に配設された複数の電極に105Hz以上の周波数の交流電圧を印加する、
    ことを特徴とする撹拌方法。
  11. 断面の相当直径が1000マイクロメートル以下の流路に層状に流れる10-3mol/lの塩化カリウム水溶液の導電率を超える導電率を有する複数の流体を混合する混合方法であって、
    前記流路に複数の電極を配設すると共に該複数の電極に105Hz以上の周波数の交流電圧を印加することにより前記複数の流体を混合する、
    ことを特徴とする混合方法。
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