JP2005254112A - 液体混合装置およびその方法 - Google Patents

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峰雪 村上
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Michio Takayama
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Abstract

【課題】連続する液体を流しながら短時間で混合することが可能な液体混合装置およびその方法を提供すること。
【解決手段】互いに界面を接して流路内を流れる異なる液体を、音波によって混合する液体混合装置1およびその方法。音波を伝播すると共に、液体の流路2dが形成された伝播部材2と、伝播部材に設けられ、音波を発生し、発生した音波を液体に向かって放射する櫛歯電極5とを有し、櫛歯電極5は、音波の音軸が流路の中心から変位されている。
【選択図】 図6

Description

本発明は、液体混合装置およびその方法に関し、さらには連続液体を移動させながら混合する液体混合装置およびその方法に関するものである。
従来の生化学マイクロ分析システム(Micro Total Analysis Systems:μTAS)では、レイノルズ数が小さいため、分析対象の反応液に乱流を発生させて混合することが困難であり、混合に際しては分子拡散に大きく依存し、完全に混合させるためには膨大な時間が必要であった。このため、こうした要望に応じ、且つ、デッドボリュームを最小化しながら混合する方法の一つとして、超音波流動を利用して液体を能動的に混合或いは攪拌する装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、超音波により液体に流れを発生させる手段については、種々の文献で紹介されている(例えば、非特許文献1,2参照)。
国際公開第02/81070号パンフレット 「Physical Acoustics」, Vol. 2B, Ed. W. P. Mason, Academic Press, 1965, Acoustic Streaming, W. L. Nyborg S. Shiokawa, et.al., Jpn. J. Appl. Phys. Supl. 29-1, 1990, pp.135−137
しかしながら、特許文献1の装置は、表面弾性波を利用して所定の撹拌領域に液体を保持し、この液体を撹拌することから、連続流体を扱えないという問題があった。一方、非特許文献1,2の装置は、ポンプとしての機能しかなく、液体を混合することができないという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、連続する液体を流しながら短時間で混合することが可能な液体混合装置およびその方法を提供することを目的とする。
ことを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる液体混合装置の一態様は、互いに界面を接して流路内を流れる異なる液体を、音波によって混合する液体混合装置であって、前記音波を伝播すると共に、前記液体の流路が形成された伝播部材と、前記伝播部材に設けられ、音波を発生し、発生した音波を前記液体に向かって放射する音波発生手段と、を有し、前記音波発生手段は、前記音波の音軸が前記流路の中心から変位されていることを特徴とする。
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる液体混合装置の一態様は、流路内を互いに界面を接して流れる異なる液体を、音波によって混合する液体混合装置であって、前記音波を伝播すると共に、前記液体の流路が形成された伝播部材と、前記伝播部材に設けられ、音波を発生し、発生した音波を前記液体に向かって放射する音波発生手段と、を有し、前記音波発生手段は、前記音波の音軸が、前記異なる液体の接触界面から変位されていることを特徴とする。
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる液体混合方法の一態様は、流路内を互いに界面を接して流れる異なる液体を混合する液体混合方法であって、前記液体を前記流路内に導入するステップと、導入された前記液体に、前記流路の中心から変位した音軸を有する音波を放射するステップと、を含むことを特徴とする。
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる液体混合方法の一態様は、互いに接触界面を有し、流路内を連続して流れる複数の液体を混合する液体混合方法であって、前記複数の液体を前記流路内に導入するステップと、導入された前記複数の液体に、前記接触界面から変位した音軸を有する音波を放射するステップと、を含むことを特徴とする。
上記態様の液体混合装置及び上記態様の液体混合方法によれば、連続する液体を流しながら短時間で完全に混合する液体混合装置及び混合方法が提供される。
ここで、本発明において、音軸とは、音波発生手段から放射される音波の主たる進行方向をいう。
また、本発明にかかる液体混合装置の一態様は、上記の発明において、前記音波発生手段は、超音波を発生することを特徴とする。
また、本発明にかかる液体混合装置の一態様は、上記の発明において、前記超音波は、表面弾性波であることを特徴とする。
上記態様の液体混合装置によれば、異なる液体の流速分布が不均一となり、異なる液体の界面を変動させ分子の接触界面が増大するため、高い撹拌効果を発揮する。
また、本発明にかかる液体混合装置の一態様は、上記の発明において、前記音波発生手段は、前記液体に放射した音波によって前記液体の流速分布を攪乱することを特徴とする。
また、本発明にかかる液体混合装置の一態様は、上記の発明において、前記音波発生手段は、複数配置されていることを特徴とする。
上記態様の液体混合装置によれば、音波発生手段から放射した音波によって複数の音響流が発生するため、異なる液体の流速分布が不均となり、異なる液体の界面変動がより複雑でより大きくなることで接触界面がさらに増大するため、より高い撹拌混合効果が得られる。
また、本発明にかかる液体混合装置の一態様は、上記の発明において、前記音波発生手段は、発生する音波の音軸が前記流路と平行となるように配置されることを特徴とする。
上記態様の液体混合装置によれば、音波発生手段から放射した音波によって発生する音響流が、異なる液体の流速分布の中央よりずれた箇所で流速を速くし、流路内の流速分布の不均一性が生じ、異なる液体の界面を変動させ分子の接触界面を増大させるため、高い撹拌混合効果が得られる。
また、本発明にかかる液体混合装置の一態様は、上記の発明において、前記音波発生手段は、発生する音波の音軸が前記流路と交差するように配置されることを特徴とする。
上記態様の液体混合装置によれば、音波発生手段から放射した音波により異なる液体の界面を貫通する音響流が発生し、流路内の流速分布の不均一性が生じると共に、異なる液体の界面の変動が大きくなり、分子の接触界面が増大して、高い撹拌混合効果が得られる。
また、本発明にかかる液体混合装置の一態様は、上記の発明において、前記音波発生手段は、発生する音波の音軸が前記液体の流れの向きと対向するように配置されることを特徴とする。
上記態様の液体混合装置によれば、音波発生手段から放射した音波によって液体の流れを打ち消すように音響流が発生し、液体の流速分布の中央よりずれた箇所で流速が遅くなり、流路内の流速分布の不均一性が生じる。これにより、異なる液体の界面が変動し、分子の接触界面が増大するため、高い撹拌混合効果を得られる。
また、本発明にかかる液体混合装置の一態様は、上記の発明において、前記音波発生手段は、櫛歯電極であることを特徴とする。
上記態様の液体混合装置によれば、櫛歯電極に対して周波数が表面音波速度と櫛歯電極の電極間距離の比に等しい共鳴条件がほぼ満足される交流電場を与えると、圧電基板に表面弾性波が励起される。伝搬方向は相互に係合する電極の配列方向である。すなわち、電極間距離を狭くすることで高い共振周波数を実現すると共に、方向性をもった音波が発生する。
また、本発明にかかる液体混合装置の一態様は、上記の発明において、前記複数の音波発生手段は、発生する音波の各音軸がそれぞれ異なっていることを特徴とする。
上記態様の液体混合装置によれば、複数の音波発生手段が、液体の流速分布を複雑にし、流速分布の不均一性により、異なる液体の界面変動が促進され、分子の接触界面が顕著に増大するため、高い撹拌混合効果が得られる。
また、本発明にかかる液体混合装置の一態様は、上記の発明において、前記音波発生手段は、前記流路内の所定の位置で音波を集束させることを特徴とする。
上記態様の液体混合装置によれば、音響流が液体中の一点に向かって収束し、流速を局部的に増加させる結果、異なる液体の界面変動が促進され、分子の接触界面が顕著に増大するため、高い撹拌混合効果が得られる。
また、本発明にかかる液体混合装置の一態様は、上記の発明において、前記音波発生手段は、円弧形状に配置された櫛歯電極であることを特徴とする。
上記態様の液体混合装置によれば、円弧形状の櫛歯電極から発生する円弧中心方向へ向かう表面弾性波は、ある角度をもって縦波にモード変換された音響流となり、櫛歯電極の円弧形状により定められるある一点に向かって収束する。この結果、モード変換された縦波により液体中に放物線状の流速プロファイルを攪乱するような音響流が局部的生じて異なる液体の界面変動を促進し、分子の接触界面が顕著に増大するため、高い撹拌混合効果が得られる。
また、本発明にかかる液体混合装置の一態様は、上記の発明において、前記超音波発生手段は、前記流路の鉛直方向における中心から変位した位置に音波を集束させることを特徴とする。
上記態様の液体混合装置によれば、円弧状の櫛歯電極からある角度をもって発生する音響流は、櫛歯電極の円弧形状により定められたある1点で収束し最も流速を増すので、その収束する点の位置が流路内であって、流路の鉛直方向における中心から変位していることで、流路を流れる液体の流れに対して大きく影響し、より高い攪拌効果が得られる。
また、本発明にかかる液体混合装置の一態様は、上記の発明において、前記超音波発生手段は、前記流路の鉛直方向下部に設けられていることを特徴とする。
また、本発明にかかる液体混合装置の一態様は、上記の発明において、前記超音波発生手段は、前記流路の外部に設けられていることを特徴とする。
上記態様の液体混合装置によれば、音響流の発生位置及び方向を種々変更することにより、流路内における異なる液体に対して効果的な界面変動を生じさせて、界面変動を促進し、分子の接触界面を増大させることで、高い撹拌混合効果が得られる。
また、本発明にかかる液体混合装置の一態様は、上記の発明において、前記流路は、屈折部を有することを特徴とする。
また、本発明にかかる液体混合装置の一態様は、上記の発明において、前記流路は、前記液体の流れに直交する面における断面積が、前記液体の流れに沿って変化することを特徴とする。
本発明にかかる液体混合装置およびその方法は、連続する液体を流しながら短時間で混合することができるという効果を奏する。
以下に、本発明の液体混合装置およびその方法に係る実施の形態1を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の液体混合装置を示す斜視図である。図2は、液体混合装置の作動原理を説明する平面図である。図3は、液体混合装置を長手方向に沿って切断した断面図である。図4は、図3のD部を拡大した図である。図5は、図2の配置における2つの液体の速度プロファイルを示す図である。
液体混合装置1は、図1〜図3に示すように、伝搬部材2と音波を発生する櫛歯電極(IDT: Inter Digital Transducers)5を有している。
伝播部材2は、図1に示すように、櫛歯電極5が発生した音波を伝播する部材で、固体基板2a、絶縁層2b及びカバー2cを有し、中央に液体の流路2dが長手方向に形成されている。流路2dは、一端に流路2d1と流路2d2とが設けられ、いずれも矩形断面を有し、T字形に形成されている。固体基板2aは、例えば、Yカットニオブ酸リチウム結晶が使用され、上面には半導体プロセス等で使用されているフォトリソグラフィ法等によって超音波、ここでは表面弾性波(SAW: surface acoustic wave)を励起するための共振器となる概略円弧形状の櫛歯電極5が形成され、櫛歯電極5は保護膜を兼ねる絶縁層2bで被覆されている。カバー2cは、流路2dとなる矩形の微小な溝が形成されたポリメチルシロキサン(PDMS)で形成されており、PDMS自体の自己粘着性により固体基板2a上面の絶縁層2bに密着している。また、カバー2cは、図1に示すように、流路2d1に繋がる第1の液体の注入口2eと流路2d2に繋がる第2の液体の注入口2fが設けられている。
本発明においては、固体基板は、例えば半導体製造技術におけるシリコンやガラスなどの固体基板、またはこれらの固体基板上の、例えば金属層や絶縁層を意味する。この他、固体基板は、上記ニオブ酸リチウム結晶の他、例えば酸化亜鉛、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT: lead zirconate titanate)などの圧電性の固体基板、さらにはこれらの圧電性基板上の一部に例えば石英層や金属層を設けたものを包含する。
櫛歯電極5は、例えば数μmのピッチで交互に櫛歯状に係合する2つの円弧状の電極5a,5bを有している。櫛歯電極5は、配線6によって外部の電源7と接続されている。
上記構成の液体混合装置1は、櫛歯電極5に、電源7から例えば数MHz〜数百MHz程度の高周波交流電場を印加すると、周波数が表面音波速度と櫛歯電極5を構成する櫛歯状の電極5a,5b間の距離の比に等しい共鳴条件がほぼ満足される場合に、固体基板2aに表面弾性波が励起される。励起された表面弾性波は、固体基板2aの表面を伝搬するが、伝搬方向は櫛歯電極5の相互に係合する電極5a,5bの配列方向である。本実施の形態においては、電極5a,5bが円弧状に成形されているため、円弧中心Cに集束するように表面弾性波が伝搬していく。ここで、絶縁層2bを介して固体基板2aと界面を有する液体の音響インピーダンスが絶縁層2bと整合が取れている場合、図4に示すように、表面弾性波Wsは櫛歯電極5の部分から絶縁層2bを介して液体Lq側へと漏れ出ていく。表面弾性波は、このようにして液体に接触している絶縁層2bの部分から液体Lq側へ漏洩していく。このとき、液体Lqのような流体中では表面弾性波等の横波は伝搬できないため、絶縁層2bと液体Lqの界面では次式のスネルの法則に則り横波→縦波へとモード変換が行われる。
Sinθi/Vs=Sinθlt/Vl ……(1)
ここで、θiは絶縁層2bから液体Lqの界面へ入射する表面弾性波の入射角、θltは液体Lqへ透過/漏洩する縦波の透過角、Vsは絶縁層2bにおける表面弾性波の音速、Vlは液体Lqにおける縦波の音速である。すなわち、櫛歯電極5のある絶縁層2bの部分においてはモード変換された縦波が液体中へ透過/伝搬していくことになる。これにより、櫛歯電極5の部分からモード変換された縦波は液体を効率的に流動させることができる。例えば、モード変換された縦波が少なくとも数十ミリ秒以上の連続音波であれば、液体中に音響流を発生させることができる。
ここで、(1)式より、表面弾性波からモード変換された縦波は、固体基板2aに対してある角度θltをもって液体中へ透過/漏洩していく。表面弾性波がレイリー波の場合、θi=90°となり、透過/漏洩角度は各音速の比(Vl/Vs)で決まる。ここで、音速は、材質ごとに固有値を持つ。従って、液体混合装置1は、表面弾性波の音速に基づいて所望する進行方向へ縦波が放射されるように、固体基板2a及び絶縁層2bの材質を適宜選択すればよい。
従って、液体混合装置1は、電源7より表面弾性波の励起に必要な交流電場が印加されると、円弧形状の櫛歯電極5からは、円弧中心方向へ向かう表面弾性波と円弧中心と反対方向へ向かう表面弾性波が発生する。円弧中心方向へ向かう表面弾性波は、ある角度をもって縦波にモード変換されて音響流Ffとなり、櫛歯電極5の円弧形状により定められるある一点に向かって収束し流速を増加させていく。これに対して、円弧中心と反対方向へ向かう表面弾性波は、縦波にモード変換されて発散する方向で進んでいく音響流Frとなるので、周囲の液体の流れに与える影響は小さい。この結果、液体Lqは、電源7から櫛歯電極5に交流電場を印加したときには、瞬時に表面弾性波からモード変換された縦波により、液体Lq中に速度プロファイルP1で示されるような音響流が生じる。そして、交流電場の印加を停止すると、液体Lqが微量で、慣性力が小さいので、音響流は直ちに停止する。
ここで、液体混合装置1は、注入口2eから液体L1が連続して注入されると共に、注入口2fから液体L2が連続して注入され、図5に示すように、流路2d1には液体L1が矢印の方向に速度プロファイルPa1で流れ、流路2d2には液体L2が矢印の方向に速度プロファイルPa2で流れている。注入口2e,2fから注入された液体L1,L2は、流路2dを速度プロファイルPt1で流れ、図示しない他端から排出される。このとき、流路2d1と流路2d2は同じ矩形断面形状であり、液体L1と液体L2の流量も同じである。
このとき、液体L1と液体L2は、図5に示すように、流路2dの中心で界面を接して流れる。また、流路2d,2d1,2d2は、矩形断面形状を有しており、その大きさは1辺がμmオーダーであり、大きくても数mm以下である。従って、液体L1,L2はレイノルズ数が小さいため層流で流れ、その速度分布は放物線状の速度プロファイルを持つ。そして、液体L1と液体L2は、層流で流れるため、図5に示すように、流路2dに合流しても、分子拡散によって界面Ifで混合するだけであるため、なかなか混合が進まずに流れていく。そこで、本発明では、このような複数の液体が流れる流路において、複数の液体を効率的に混合する液体混合装置およびその方法機構と方法を提供するものである。
(実施の形態1)
図6は、本発明に係る液体混合装置およびその方法に係る実施の形態1を説明するもので、液体混合装置の平面図である。液体混合装置1は、図1に示すように、固体基板2a、絶縁層2b、カバー2c及び流路2dを有する伝播部材2と、櫛歯電極5を有する形状が基本構成であり、櫛歯電極5が流路2dの中心から流路幅WのW/4だけ液体L1側に変位した流路2dに配置、言い換えれば櫛歯電極5の発生する音波の音軸が流路2dの中心から変位した位置に配置されている。ここで、図6に示すように、流路2d1には液体L1が矢印の方向に速度プロファイルPa1で流れ、流路2d2には液体L2が矢印の方向に速度プロファイルPa2で流れている。実施の形態1に係る液体混合装置1は、このような構成とすることにより、電源7から櫛歯電極5に交流電場を印加すると、櫛歯電極5が発生する表面弾性波によって、液体L1に速度プロファイルP1をもつ音響流Ffが発生する。このため、流路2dでは速度プロファイルPt1であった液体L1,L2の流れは、櫛歯電極5に起因した音響流Ffの速度プロファイルP1の分が加わる。このため、櫛歯電極5を通過後の流れは、速度プロファイルPt2の様に変化する。この速度プロファイルの変化は、液体L1の流れが加速されたことを意味している。
このため、液体L2は液体L1に引きずられるような状態になり、液体L1,L2が流路2dに流入したときには、液体L1と液体L2は流路2dの幅方向中央に界面Ifをもっている。そして、液体L1,L2は、櫛歯電極5を通過したあとでは、その界面Ifが液体L1側に移動している。この速度プロファイルの変化を分かり易く説明すると、櫛歯電極5を通過する前の界面Ifを挟んで液体L1,L2のほぼ同じ位置にある液体の微小部分をΔL1、液体L2の微小部分をΔL2とすると、櫛歯電極5を通過した後では、先に定義した液体L1の微小部分ΔL1は微小部分ΔL11に、液体L2の微小部分ΔL2は微小部分ΔL21へと移動している。このことは、櫛歯電極5によって発生する音響流Ffにより、流路2d内の流れにおける放物線状の速度プロファイルが乱され、液体L1と液体L2は、流路2d内で混合が促進されていることを示している。
即ち、櫛歯電極5は、音軸を流路2dの中心から変位させたことにより、液体L1に放射した音波によって発生する音響流が、流路2dの中心から変位した位置で連続液体を部分的に加速する。この結果、流路2dを流れる液体L1,L2は、流速分布が流路中心にピークを有する放物線状(パラボリックフロー)ではなく、流速分布が攪乱された不均一な形となり、この異なる不均一な流速分布によって液体L1,L2の界面Ifが変動し、分子の接触界面が増大するため高い撹拌混合効果を得ることができる。
以上のように、液体混合装置1は、流路2d内に櫛歯電極5を配置することで、流路2d内の攪拌性能を向上させることができる。ただし、櫛歯電極5は、流路2dの中心以外の位置に配置することが必要である。それは、流路2dの中心は、放物線状の速度プロファイルの頂点であり、その位置に櫛歯電極5を配置し、音響流Ffにより液体の流れを加速しても、速度プロファイルは変形するが、液体の流れの中心に対して対称性を維持しており、上述の界面の移動が生じないからである。
ここまでの説明では、櫛歯電極5の発生する音波の音軸を、流路2dと平行となるように変位させていたが、櫛歯電極5の発生する音波の音軸が、流路2dにおける液体の流れの方向に対して傾いている場合には、櫛歯電極5が流路2dの中心にあっても攪拌効果を発揮することができる。また、円弧状の櫛歯電極5からある角度をもって発生する音響流Ffは、櫛歯電極5の円弧形状により定められたある1点で収束し最も流速を増す。このため、この収束する点が流路2d内にあるように、櫛歯電極5及び流路2dの鉛直方向における高さを設計することが望ましい。また、音響流Ffが収束する点の位置が、液体L1,L2の流路2dの中心より鉛直方向上側もしくは下側に変位しているほうが、流路2dを流れる液体L1,L2の流れに対する影響が大きいので、より大きな攪拌効果を得ることができる。
さらに、攪拌対象である液体L1,L2は、表面弾性波の振幅(電圧)により攪拌効果を調整することができる。また、表面弾性波の励起時間、パルスの長さや形状、間隔等、音響流に関する条件は、櫛歯電極5に印加する交流電場の電源を電気的に調節することで容易に変更可能である。また、これらの条件変更は、電気的な制御によって可能なので、ソフトウエアで制御することができるなど、本発明の液体混合装置1は、条件変更や調整が容易であるという利点がある。さらに、本実施の形態においては、櫛歯電極5を流路2dの中心から変位させて配置しているが、攪拌対象である液体L1,L2の界面Ifを基準として変位させて配置してもよい。
(実施の形態2)
図7は、本発明に係る液体混合装置およびその方法に係る実施の形態2を説明するもので、液体混合装置の平面図である。以下、実施の形態1と同一の構成部分には同一の符号を用いて説明する。また、図7に示すように、流路2d1には液体L1が矢印の方向に速度プロファイルPa1で流れ、流路2d2には液体L2が矢印の方向に速度プロファイルPa2で流れており、これは以下に説明する各実施の形態においても同じである。
液体混合装置10は、図7に示すように、櫛歯電極5と同様に構成される櫛歯電極51,52,53を液体L1,L2の流路2dに互い違いに配置し、それぞれ電源7a,7bによって駆動するように構成したことを特徴とする。ここで、実施の形態2に係る液体混合装置10は、このような構成とすることにより、流路2d内の液体L1,L2の流れの速度プロファイルが、櫛歯電極51の手前では放物線状の流路プロファイルPt1であったのが、櫛歯電極51の下流では速度プロファイルPt2のように櫛歯電極51側の流速が早くなる。そして、櫛歯電極52の下流では、逆に速度プロファイルPt3のように櫛歯電極52側の流速が早くなる。更に、櫛歯電極53の下流では、速度プロファイルPt4のように櫛歯電極53側の流速が早くなっている。これにより、液体混合装置10は、流速分布が攪乱されて、流路2dを流れる液体L1,L2の界面Ifが大きく蛇行し、液体L1,L2を攪拌する効果が向上する。
即ち、櫛歯電極51を通過する前の界面Ifを挟んで液体L1,L2のほぼ同じ位置にある液体の微小部分をΔL1、液体L2の微小部分をΔL2とすると、櫛歯電極51を通過した後では、先に定義した液体L1の微小部分ΔL1は微小部分ΔL11に、液体L2の微小部分ΔL2は微小部分ΔL21へと移動している。また、櫛歯電極52を通過した後は、液体L1の微小部分ΔL11は微小部分ΔL12に、液体L2の微小部分ΔL21は微小部分ΔL22へと移動している。そして、櫛歯電極53を通過した後は、液体L1の微小部分ΔL12は微小部分ΔL13に、液体L2の微小部分ΔL22は微小部分ΔL23へと移動している。このように、櫛歯電極51〜53によって発生する音響流により、流路2d内の流れにおける放物線状の速度プロファイルが乱され、液体L1と液体L2は、流路2d内で混合が促進されている。しかも、液体混合装置10は、速度プロファイルが3回変化し、流速分布が攪乱されて、液体L1,L2の界面Ifが大きく蛇行しており、実施形態1の液体混合装置1よりも大きな攪拌効果を得ることができる。このとき、前記のように、櫛歯電極5への交流電場の印加を停止すると、液体L1が微量で、慣性力が小さいので、音響流は直ちに停止し、従って、界面Ifの蛇行は経時的に元の状態に復帰する。これは、他の実施の形態においても同様である。
ここで、液体混合装置10は、図7に示すように、櫛歯電極51と櫛歯電極53を同一の電源7aに接続しているが、それぞれの櫛歯電極51,53を個別の電源に接続して交流電圧を個々に印加できるようにし、3個の櫛歯電極51〜53を異なる条件で励起してより複雑な速度プロファイルの流れを作り出すことも可能である。また、当然ながら櫛歯電極の数は3個ではなく、複数以上であれば良い。更に、櫛歯電極51〜53は、図7においては等間隔で互い違いに配置したが、不等間隔でもよく、1個ずつの互い違いでなくてもよい。例えば、図7において上側に2個、下側に1個等、任意の配置が可能である。また、櫛歯電極51,53は、流路2dと平行な直線上に配置してあるが、各々の音軸を変位してもよい。
(実施の形態3)
図8は、本発明に係る液体混合装置およびその方法に係る実施の形態3を説明するもので、液体混合装置の平面図である。液体混合装置15は、液体混合装置10において櫛歯電極51〜53の音軸を流路2dの中心方向に向けて所定角度をもって、または音軸と流路2dの中心が交わるように配置したことを特徴とする。
液体混合装置15は、このような構成とすることにより、液体L1が櫛歯電極51を通過すると、液体L1の微小部分ΔL1は微小部分ΔL11に、液体L2の微小部分ΔL2は微小部分ΔL21へと移動する。また、櫛歯電極52を通過した後は、液体L1の微小部分ΔL11は微小部分ΔL12に、液体L2の微小部分ΔL21は微小部分ΔL22へと移動する。そして、櫛歯電極53を通過した後は、液体L1の微小部分ΔL12は微小部分ΔL13に、液体L2の微小部分ΔL22は微小部分ΔL23へと移動する。従って、液体混合装置15は、図8に示すように、液体L1と液体L2が接する界面Ifの蛇行が液体混合装置10よりも大きくなり、流速分布が攪乱されて、液体L1と液体L2の分子衝突面積をより増大させることができ、さらに大きな攪拌効果を得ることができる。ここで、櫛歯電極51〜53は、実施の形態2で説明したように、種々に配置を変更することが可能である。
(実施の形態4)
図9は、本発明に係る液体混合装置およびその方法に係る実施の形態4を説明するもので、液体混合装置の平面図である。液体混合装置20は、実施の形態1の液体混合装置において、液体L2の流れの下流に、液体L1側に設けた櫛歯電極51と音軸を対向させて櫛歯電極52を追加し、櫛歯電極51,52をそれぞれ電源7a,7bによって駆動するように構成したことを特徴とする。
液体混合装置20は、このような構成とすることにより、液体L1が櫛歯電極51を通過すると、液体L1の微小部分ΔL1は微小部分ΔL11に大きく移動するのに対し、液体L2の微小部分ΔL2は、液体L2側に設けた櫛歯電極52によって押し戻されるため、微小部分ΔL21へと僅かしか移動しない。この結果、液体混合装置20は、流速分布が攪乱されて、液体L1と液体L2の接する界面Ifが極端に蛇行し、これによって液体L1と液体L2の分子衝突面積がより一層増大し、大きな攪拌効果を得ることができる。ここで、櫛歯電極51〜53は、実施の形態2で説明したように、種々に配置を変更することが可能である。
以上、実施の形態1〜4の液体混合装置について説明したが、同一の流路において、各実施の形態の構成を組み合わせて、液体L1,L2を攪拌することも可能である。例えば、実施の形態1の液体混合装置において、櫛歯電極5を音軸が流れの上流に向くように配置しても良い。また、実施の形態2の液体混合装置において、櫛歯電極51〜53のいくつかを、音軸が流れの上流に向かうように配置してもよいし、流路2dの中心に向けて傾けて配置してもよく、実施の形態3の液体混合装置でも同様の変更が可能である。
また、実施の形態1〜4の液体混合装置では、流路2dの下側となる固体基板2aに櫛歯電極5を配置したが、流路2dの上側となるカバー2cの形状を変更し、流路2dの上側にも櫛歯電極5を配置してもよい。このようにすると、液体混合装置は、液体L1,L2を攪拌する櫛歯電極5の配置におけるバリエーションが増加し、種々の混合形態を採用することができる。
(実施の形態5)
次に、本発明に係る液体混合装置およびその方法に係る実施の形態5を説明する。図10は、本発明の実施の形態5を説明するもので、液体混合装置の平面図である。液体混合装置25は、実施の形態1の櫛歯電極5を、複数の電極26a,26bが平行な櫛歯電極26に変更したことを特徴とする。
液体混合装置25は、このような構成とすることにより、櫛歯電極26が、複数の電極26a,26bの配列方向に表面弾性波を励起し、モード変換された縦波により液体L1の中に速度プロファイルP1,P2のような音響流Ff,Frを生じる。このため、流路2d内の液体L1,L2は、櫛歯電極26の上流側において音響流Frの流れを受けて放物線状の速度プロファイルが乱れ、速度プロファイルPt1のような流れとなる。そして、櫛歯電極26の下流では音響流Ffの影響を受けて、速度プロファイルPt2のような流れとなる。これにより、液体L1の微小部分ΔL11は、櫛歯電極26を通過すると微小部分ΔL12へと大きく移動するのに対し、液体L2の微小部分ΔL21は、微小部分ΔL22へと移動し、移動量が小さい。
この結果、液体混合装置25は、流速分布が攪乱されて液体L1と液体L2の接する界面Ifが蛇行し、これによって液体L1と液体L2の分子衝突面積がより増大し、大きな攪拌効果を得ることができる。このとき、複数の電極26a,26bが平行な櫛歯電極26は、円弧形状の櫛歯電極に比べ設計段階での性能を予測するのが容易であるという利点がある。以上のように、本発明の液体混合装置は、流路2d内の流れの速度プロファイルを乱すことができるものであれば、攪拌効果を得ることができる。従って、超音波を放射可能なものであれば、例えば積層型の圧電振動子等でも、本発明の液体混合装置に適用可能である。また、液体混合装置25は、実施の形態1〜4で説明した変形や組み合わせが可能である。
(実施の形態6)
次に、本発明に係る液体混合装置およびその方法に係る実施の形態6を説明する。実施の形態6は、音波発生手段を液体の流路の外側に配置した液体混合装置に関するものである。図11は、本発明の実施の形態6に係る液体混合装置の基本構成を示す概略図である。図12は、図11のA−A線に沿った断面図である。図13−1は、伝達部材におけるカバーに設けた隙間を示す斜視図である。図13−2は、隙間に沿った断面図である。図14は、屈折流路による液体の撹拌作用を説明する図である。図15は、図14の屈折流路に本発明を適用した場合における撹拌効果を説明する平面図である。図16は、図14の屈折流路に本発明を適用した場合における撹拌効果を説明する断面図である。
液体混合装置30は、図11及び図12に示すように、伝搬部材31と音波を発生する複数の櫛歯電極35と櫛歯電極36を有している。
伝播部材31は、図11及び図12に示すように、櫛歯電極35が発生した音波を伝播する部材で、固体基板31a及びカバー31bを有し、中央に複数の屈折部Bを有する屈折流路31cが長手方向に形成されている。屈折流路31cは、一端が導入口31dから液体が導入され、他端の導出口31eから液体を導出する。カバー31bは、屈折流路31cとなる矩形の微小な溝が形成されたポリメチルシロキサン(PDMS)で形成されており、PDMS自体の自己粘着性により固体基板31a上面に密着している。但し、カバー31bは、表面弾性波の進路上において音波の進行を妨げないように、例えば、図13−1に示すように、屈折流路31cに比べて極微小な隙間31gを固体基板31aとの間に設けるとよい。カバー31bを形成するPDMSは疎水性材料であり、隙間31gが屈折流路31cに比べて極微小である場合には、圧力損失が非常に大きいため、図13−2に示すように、屈折流路31c内の液体Lqが外部へ漏れ出すことはない。また、屈折流路31cは矩形であり、例えば、屈折部Bにおいて流れに直交する面における断面積が流れに沿って変化している。
櫛歯電極35は、例えば数μmのピッチで交互に櫛歯状に係合する複数の電極35a,35bが平行に配置され、屈折流路31cに複数個所に設けられている。櫛歯電極36は、平行に配置される複数の電極36a,36bが櫛歯電極35よりも長く設定されている。ここで、各櫛歯電極35は、音波の音軸Axを屈折流路31cの中心軸Afから変位させて固体基板31aに設けられている。また、櫛歯電極35,36は、配線によって外部の電源へ接続されているが、図面の錯綜を避けるため省略している。
図11及び図12のように構成される液体混合装置30は、櫛歯電極35,36を駆動せずに2つの液体L1,L2を導入口31dから流すと、2つの液体L1,L2は図14に示すように、屈折流路31cを通って流れるため、2つの液体の接触界面が増大し分子拡散が促進されるため導出口31eへと移動するに伴って混合されていく。
これに対し、例えば数MHz〜数百MHz程度の高周波交流電場を櫛歯電極35,36に印加すると、周波数が表面音波速度と櫛歯電極35,36の電極間距離の比に等しい共鳴条件がほぼ満足される場合に、固体基板31aの圧電性領域に表面弾性波が誘起される。表面弾性波の伝搬方向は、相互に係合する櫛歯電極35,36の電極の配列方向である。本実施の形態においては、表面弾性波は、図15における櫛歯電極35,36の表面に沿って撹拌対象の液体L1,L2に向かって斜め上方に向かって伝搬していく。表面弾性波は、固体基板表面から約一波長程度の深度領域に閉じ込められて伝搬方向へ進むが、固体基板31aと界面を有する媒質が水などの液体の場合、固体基板31aと液体との音響インピーダンスが近いため、表面弾性波は固体基板31aから液体側へと漏れ出ていく。
そして、液体中では表面弾性波等の横波は伝搬できないため、固体基板31aと液体の界面ではスネルの法則に則り横波→縦波へとモード変換が行われる。例えば、モード変換された縦波が少なくとも数十ミリ秒以上の連続音波であれば、液体中に音響流が発生し流路内の流れ場を乱して流速分布が攪乱される。このため、液体混合装置30は、屈折流路31cのみのよる効果に加え、音響流による流れの攪乱が生じるため、液体の撹拌混合効果を高めることができる。
さらに、液体混合装置30は、(1)撹拌対象の液体への作用力強度は表面弾性波の振幅により調整可能、(2)作用時間、例えばパルスの種々の長さを電子的に容易に設定可能、(3)ソフトウエアでの制御が可能、といった利点を有する。
なお、この発明の液体混合装置は、各種の変形、変更が可能である。例えば、図17に示すように、流路31cを挟んで2つの櫛歯電極を配置し、2つの櫛歯電極35を斜めに対向配置したり、2つの櫛歯電極37を音軸Axを変位させて斜めに配置してもよい。また、図18に示すように、2つの櫛歯電極38を流路31cを挟んで対向させて配置してもよい。更に、カバー31bは、図19に示す液体混合装置30のように、櫛歯電極35,36を2枚の固体基板31a,31fに振り分けて設け、固体基板31a,31fで流路を形成する流路部材33を挟んだ構成としても良い。また、矩形の屈折流路の他、図20に示すように、曲線状に滑らかに蛇行する流路31cであっても構わない。さらに、カバー31bを別途設けず、櫛歯電極が設けられた固体基板31a上に、例えば親水性/疎水性のような表面特性の違いを利用して流路31cを形成しても構わない。また、撹拌の際には、本実施の形態で用いているよりもさらに多くの櫛歯電極35,36を同時に使用しても良い。更に、液体混合装置は、櫛歯電極35,36を同時駆動する以外に、所定の強度、所定の組み合わせで時間をずらして駆動しても良い。
以上のように、本発明にかかる液体混合装置およびその方法は、連続的に流れる複数の異なる液体の混合に有用であり、特に、微量の液体の混合に適している。
本発明の液体混合装置を示す斜視図である。 液体混合装置の作動原理を説明する平面図である。 液体混合装置を長手方向に沿って切断した断面図である。 図3のD部を拡大した図である。 図2の配置における2つの液体の速度プロファイルを示す図である。 本発明に係る液体混合装置およびその方法に係る実施の形態1を説明するもので、液体混合装置の平面図である。 本発明に係る液体混合装置およびその方法に係る実施の形態2を説明するもので、液体混合装置の平面図である。 本発明に係る液体混合装置およびその方法に係る実施の形態3を説明するもので、液体混合装置の平面図である。 本発明に係る液体混合装置およびその方法に係る実施の形態4を説明するもので、液体混合装置の平面図である。 本発明の実施の形態5を説明するもので、液体混合装置の平面図である。 本発明の実施の形態6に係る液体混合装置の基本構成を示す概略図である。 図11のA−A線に沿った断面図である。 伝達部材におけるカバーの一例として、固体基板との間に隙間を形成するカバーを示す斜視図である。 隙間に沿った断面図である。 屈折流路による液体の撹拌作用を説明する図である。 図14の屈折流路に本発明を適用した場合における撹拌効果を説明する平面図である。 図14の屈折流路に本発明を適用した場合における撹拌効果を説明する断面図である。 実施の形態6に係る液体混合装置における音波発生手段の異なる配置の変形例を示す図である。 実施の形態6に係る液体混合装置における音波発生手段の更に異なる配置の変形例を示す図である。 実施の形態6の変形例を示す平面図である 実施の形態6の他の変形例を示す平面図である。
符号の説明
1 液体混合装置
2 伝播部材
2a 固体基板
2b 絶縁層
2c カバー
2d 流路
2d1,2d2 流路
2e,2f 注入口
5 櫛歯電極
5a,5b 電極
6 配線
7 電源
7a,7b 電源
10,15,20 液体混合装置
25 液体混合装置
26 櫛歯電極
26a,26b 電極
30 液体混合装置
31 伝播部材
31a、31f 固体基板
31b カバー
31c 屈折流路
31d 導入口
31e 導出口
31g 隙間
35 櫛歯電極
35a,35b 電極
36 櫛歯電極
36a,36b 電極
51,52,53 櫛歯電極
Ax 音軸
Af 中心軸
B 屈折部
L1,L2 液体

Claims (20)

  1. 互いに界面を接して流路内を流れる異なる液体を、音波によって混合する液体混合装置であって、
    前記音波を伝播すると共に、前記液体の流路が形成された伝播部材と、
    前記伝播部材に設けられ、音波を発生し、発生した音波を前記液体に向かって放射する音波発生手段と、
    を有し、前記音波発生手段は、前記音波の音軸が前記流路の中心から変位されていることを特徴とする液体混合装置。
  2. 流路内を互いに界面を接して流れる異なる液体を、音波によって混合する液体混合装置であって、
    前記音波を伝播すると共に、前記液体の流路が形成された伝播部材と、
    前記伝播部材に設けられ、音波を発生し、発生した音波を前記液体に向かって放射する音波発生手段と、
    を有し、前記音波発生手段は、前記音波の音軸が、前記異なる液体の接触界面から変位されていることを特徴とする液体混合装置。
  3. 前記音波発生手段は、超音波を発生することを特徴とする請求項1又は2に記載の液体混合装置。
  4. 前記超音波は、表面弾性波であることを特徴とする請求項3に記載の液体混合装置。
  5. 前記音波発生手段は、前記液体に放射した音波によって前記液体の流速分布を攪乱することを特徴とする請求項1又は2に記載の液体混合装置。
  6. 前記音波発生手段は、複数配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体混合装置。
  7. 前記音波発生手段は、発生する音波の音軸が前記流路と平行となるように配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体混合装置。
  8. 前記音波発生手段は、発生する音波の音軸が前記流路と交差するように配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体混合装置。
  9. 前記音波発生手段は、発生する音波の音軸が前記液体の流れの向きと対向するように配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体混合装置。
  10. 前記音波発生手段は、櫛歯電極であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体混合装置。
  11. 前記複数の音波発生手段は、発生する音波の各音軸がそれぞれ異なっていることを特徴とする請求項6に記載の液体混合装置。
  12. 前記音波発生手段は、前記流路内の所定の位置で音波を集束させることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体混合装置。
  13. 前記音波発生手段は、円弧形状に配置された櫛歯電極であることを特徴とする請求項12に記載の液体混合装置。
  14. 前記超音波発生手段は、前記流路の鉛直方向における中心から変位した位置に音波を集束させることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の液体混合装置。
  15. 前記超音波発生手段は、前記流路の鉛直方向下部に設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の液体混合装置。
  16. 前記超音波発生手段は、前記流路の外部に設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の液体混合装置。
  17. 前記流路は、屈折部を有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の液体混合装置。
  18. 前記流路は、前記液体の流れに直交する面における断面積が、前記液体の流れに沿って変化することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の液体混合装置。
  19. 流路内を互いに界面を接して流れる異なる液体を混合する液体混合方法であって、
    前記液体を前記流路内に導入するステップと、
    導入された前記液体に、前記流路の中心から変位した音軸を有する音波を放射するステップと、
    を含むことを特徴とする液体混合方法。
  20. 互いに接触界面を有し、流路内を連続して流れる複数の液体を混合する液体混合方法であって、
    前記複数の液体を前記流路内に導入するステップと、
    導入された前記複数の液体に、前記接触界面から変位した音軸を有する音波を放射するステップと、
    を含むことを特徴とする液体混合方法。
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