JP4469974B2 - 微量液体分取装置及び微量液体分取方法 - Google Patents

微量液体分取装置及び微量液体分取方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4469974B2
JP4469974B2 JP2004067948A JP2004067948A JP4469974B2 JP 4469974 B2 JP4469974 B2 JP 4469974B2 JP 2004067948 A JP2004067948 A JP 2004067948A JP 2004067948 A JP2004067948 A JP 2004067948A JP 4469974 B2 JP4469974 B2 JP 4469974B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid
solid substrate
trace
sound wave
acoustic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004067948A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005257408A (ja
Inventor
徳近 福島
峰雪 村上
元章 尾▲崎▼
美智雄 高山
俊彦 千葉
Original Assignee
ベックマン・コールター・インコーポレーテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ベックマン・コールター・インコーポレーテッド filed Critical ベックマン・コールター・インコーポレーテッド
Priority to JP2004067948A priority Critical patent/JP4469974B2/ja
Publication of JP2005257408A publication Critical patent/JP2005257408A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4469974B2 publication Critical patent/JP4469974B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Automatic Analysis And Handling Materials Therefor (AREA)

Description

本発明は、大きな体積の液塊から微量の液体を定量分取する微量液体分取装置及び微量液体分取方法に関するものである。
従来の生化学マイクロ分析システム(Micro Total Analysis Systems:μTAS)においては、正確な分析を行うため、分析対象である微量の反応液を所望の体積で正確に分取又は分注することが望まれている。このような要望に応じるため、従来から、例えば、パルス駆動される圧電体を利用し、液体表面に集束させた超音波エネルギーによってノズルを介して微量液滴を吐出する装置が提案されている(例えば、特許文献1,非特許文献1参照)。このとき、微量液滴は、波動エネルギーの流れである音波の伝搬を、物体によって遮るときに生じる力であって、物体を音波の伝搬方向に押す力である音響放射圧によって発生する。即ち、液体中を伝搬する音波は、液体が気体と接する気液界面で進行が遮られるため、気液界面が音波によって伝搬方向へ押される。このため、特許文献1や非特許文献1に開示された装置においては、超音波エネルギーを気液界面である液体表面に集束させるようにしておくことで、表面張力以上の非常に強い押圧力を気液界面に局部的に作用させ、連続液体から微量液滴を分離している。
ところで、特許文献1に引用されている非特許文献2によれば、エネルギー集束径d、焦点距離L、液体中の音速C、レンズ径D,駆動周波数Fとすると、エネルギー集束径dは次式で決まる。
d=2.44L・C/(D・F)…………(1)
そして、特許文献1には、ノズルから吐出される液滴の径は、エネルギー集束径dに線形比例すると記載されている。
特開2003−121440号公報 「10th International Conference on Solid-State Sensors and Actuators」, P. 1784-1788, 「Ejection Characteristics of Micromachined Acoustic-Wave Liquid Ejector」 実吉純一 外監修、藤吉敏生 発行、「超音波技術便覧」日刊工業新聞社、1960年11月25日、p.171
しかしながら、液滴は、径が小さくなると表面張力が支配的になる。このため、ノズルから吐出される液滴の径は、(1)式の関係が必ずしも当てはまらなくなる。例えば、非特許文献1において、(1)式を適用した場合、計算上の液滴径は役1.5μmとなるが、実際の液滴径は最小でも10μm程度であった。このため、従来の装置は、微量な液体を分取する際の精度の点で必ずしも満足すべきものではなかった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、目的とする液量を超える液塊から微量の液体を精度良く定量分取することが可能な微量液体分取装置及び微量液体分取方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る微量液体分取装置の一態様は、狭隘部を介して連結され、液体を保持する保持部と、前記狭隘部と交差する方向から前記狭隘部に向けて音波を発生する音波発生手段と、が固体基板の表面に設けられていることを特徴とする。
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る微量液体分取方法の一態様は、固体基板上に形成され、狭隘部を介して連結された保持部に保持された液体を、音波によって分取する微量液体分取方法であって、前記狭隘部と交差する方向から前記狭隘部に向けて音波を出射するステップと、前記音波の音響放射圧によって前記液体から微量液体が分取されるステップと、を含むことを特徴とする。
上記態様の微量液体分取装置及び上記態様の微量液体分取方法によれば、目的とする液量を超える液塊のうち、狭隘部に存在する液体から微量液体を分取することから、定量の液体が精度良く分取される。
また、本発明に係る微量液体分取装置の一態様は、上記の発明において、前記音波発生手段は、前記保持部と共に第1の固体基板上に設けられていることを特徴とする。
また、本発明に係る微量液体分取装置の一態様は、上記の発明において、前記音波発生手段及び前記保持部は、前記固体基板の同一平面上に配置されていることを特徴とする。
また、本発明に係る微量液体分取装置の一態様は、上記の発明において、前記音波発生手段は、前記保持部と異なる第2の固体基板上に設けられていることを特徴とする。
また、本発明に係る微量液体分取装置の一態様は、上記の発明において、前記音波発生手段は、前記狭隘部と直交する方向から前記狭隘部の液体に向けて音波を発生することを特徴とする。
また、本発明に係る微量液体分取装置の一態様は、上記の発明において、前記固体基板と前記液体との音響インピーダンスの差は、前記固体基板と前記固体基板が接する雰囲気との音響インピーダンスの差より小さく、かつ、前記液体と前記液体が接する雰囲気との音響インピーダンスの差より小さいことを特徴とする。
また、本発明に係る微量液体分取装置の一態様は、上記の発明において、前記音波発生手段は、発生する音波を前記保持部に保持される液滴の狭隘部に選択的に指向することを特徴とする。
また、本発明に係る微量液体分取装置の一態様は、上記の発明において、前記音波発生手段は、表面弾性波を発生する表面弾性波発生手段であることを特徴とする。
また、本発明に係る微量液体分取装置の一態様は、上記の発明において、前記表面弾性波発生手段は、平面上に直線状の電極が配列された櫛歯電極であることを特徴とする。
また、本発明に係る微量液体分取装置の一態様は、上記の発明において、前記表面弾性波発生手段は、平面上に曲線状の電極が配列された櫛歯電極であり、前記狭隘部の液体の当該表面弾性波発生手段から離れた縁部に前記表面弾性波を集束させることを特徴とする。
また、本発明に係る微量液体分取装置の一態様は、上記の発明において、前記第1の固体基板と前記第2の固体基板は、前記液体に近い音響インピーダンスを有する物質を介して密着されていることを特徴とする。
また、本発明に係る微量液体分取装置の一態様は、上記の発明において、前記音波発生手段は、表面弾性波を発生する表面弾性波発生手段であり、前記液体に近い音響インピーダンスを有する物質は、前記表面弾性波を音源として、前記第1の固体基板と前記第2の固体基板との接合面で変換されて発生する縦波音波の波長を基準として所定の厚さに設定されていることを特徴とする。
また、本発明に係る微量液体分取装置の一態様は、上記の発明において、前記音波発生手段は、表面弾性波を発生する表面弾性波発生手段であり、前記第1の固体基板は、前記第1の固体基板と前記第2の固体基板との接合面で前記表面弾性波が変換されることによって生じた縦波音波が透過可能な音響インピーダンス又は前記液体に近い音響インピーダンスを持つ材料で形成されていることを特徴とする。
また、本発明に係る微量液体分取装置の一態様は、上記の発明において、前記音波発生手段は、表面弾性波を発生する表面弾性波発生手段であり、前記第1の固体基板は、前記第1の固体基板と前記第2の固体基板との接合面で前記表面弾性波が変換されることによって生じた縦波音波の波長を基準として所定厚さに設定されていることを特徴とする。
また、本発明に係る微量液体分取装置の一態様は、上記の発明において、前記保持部に液体を保持したときの前記狭隘部における液体の幅は、前記表面弾性波を音源とする縦波音波の波長波長によって決まる所定の値であることを特徴とする。
また、本発明に係る微量液体分取装置の一態様は、上記の発明において、前記保持部の表面は、親水性を有し、前記保持部に隣接する部分の表面は、疎水性を有することを特徴とする。
また、本発明に係る微量液体分取装置の一態様は、上記の発明において、前記第1の固体基板は、前記音波発生手段側から前記保持部側に向かって低くなるように傾斜し、かつ、前記液体が前記保持部に保持される傾斜角度に設定されていることを特徴とする。
本発明にかかる微量液体分取装置及び微量液体分取方法は、目的とする液量を超える液塊から微量の液体を精度良く定量分取することができるという効果を奏する。
以下に、本発明にかかる微量液体分取装置及び微量液体分取方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施の形態1)
先ず、実施の形態1に係る微量液体分取装置及び微量液体分取方法について説明する。図1は、本発明の微量液体分取装置及び微量液体分取方法に係る実施の形態1を説明するもので、微量液体分取装置の斜視図である。図2−1〜図2−4は、微量液体分取装置における液体を保持する保持部の形状を示す平面図である。図3は、保持部に保持された液体の形状を示す正面図である。図4は、保持部、音波発生手段、分割された微量液体を示す平面図である。
微量液体分取装置(以下、単に「分取装置」という)1は、図1に示すように、固体基板2の上面に液体の保持部3と、音波発生手段、ここでは表面弾性波を発生するIDT(Inter Digital Transducers)櫛歯電極(以下、単に「櫛歯電極」という)4が設けられている。
固体基板2は、櫛歯電極4側から保持部3側に向かって低くなり、かつ、液体が保持部3に保持されるように、角度θ傾斜させて配置されている。固体基板2は、上面に保持部3及び櫛歯電極4が設けられ、保持部3に隣接する部分は疎水化処理されて疎水性を有している。疎水化処理は、固体基板2の表面に櫛歯電極4を形成した後、フッ素樹脂系ポリマーから成る撥水剤をスピンコートしたり、プラズマCVD法による低温コーティングによってアモルファスカーボンの皮膜(DLC)を形成したりすることによって行う。ここで、固体基板2は、例えば半導体製造技術において使用するシリコンやガラスなどの固体基板、またはこれらの固体基板上に金属層や絶縁層を形成したもの、ニオブ酸リチウム結晶、酸化亜鉛、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT: lead zirconate titanate)等の圧電性の固体基板、さらにはこれらの圧電性基板上の一部に石英層や金属層を設けたもの等が使用される。
保持部3は、マイクロピペッターやシリンジ分注器等を用いて微量液体を分割取得しようとする液体を載置する部分であり、親水性を有し、図1及び図2−1に示すように、狭隘部3a介して受容部3bが連結されている。保持部3は、親水性を有するのに対し、固体基板2の保持部3に隣接する部分は疎水化処理されている。従って、固体基板2は、液体を保持部3に載置すると、図3に示すように液滴が形成され、狭隘部3aにおける液体の量が少なく、受容部3bが盛り上がった形状に液体が保持される。このため、保持部3に保持された液体は、量が少ない狭隘部3aから微小な液体に容易に分割される。保持部3は、固体基板2の該当部分にガラス系のコーティングをしたり、固体基板2としてシリコン基板を使用したときには、その表面に酸化皮膜等を形成したりすることによって固体基板2の表面に設けられる。
ここで、保持部3は、図2−2に示すように、狭隘部3aで受容部3bが点状に連結された形状としてもよい。この場合、保持部3に液体を載置すると、狭隘部3aに存在する液体Lnは、点線で示すように狭隘部3aから僅かにはみ出すが、受容部3bよりも少ないので、微量液体を分割するうえで問題はない。また、保持部3は、図2−3に示すように、狭隘部3aを図2−1に示すものよりも長く形成したり、図2−4に示すように、狭隘部3aに微小保持部3cを形成したりしてもよい。このような構造にすると、保持部3は、狭隘部3aに直交する面における液体の断面積が小さくなり、載置した液体から微量液体が一層容易に分割される。
櫛歯電極4は、図1に示すように、数μmのピッチで交互に櫛歯状に係合する直線状の電極4a,4bを有し、配線6によって外部の電源7と接続されている。櫛歯電極4は、発生する表面弾性波の進路と交差する位置に狭隘部3aが存在するように、保持部3とオフセットさせて固体基板2の表面に設けられている。即ち、櫛歯電極4は、図4に示すように、平面上に形成される直線状の電極4a,4bが重なり合い、表面弾性波を発生させる有効領域Aeが、狭隘部3aに存在する液体Lnの長さLgと一致するように設けられている。これにより、櫛歯電極4は、表面弾性波を狭隘部3aに選択的に指向して発生するので、図4及び図5に示すように、狭隘部3aから微量液体Lqmが分割される。
以上のように構成される分取装置1は、例えば数MHz〜数百MHz程度の高周波交流電場を電源7から櫛歯電極4に印加すると、周波数が表面弾性波の速度と櫛歯電極4の電極4a,4b間距離の比に等しい共鳴条件がほぼ満足される場合に、図6に示すように、固体基板2の圧電性領域に表面弾性波Wsが誘起される。表面弾性波Wsは、相互に係合する電極4a,4bの配列方向に沿って櫛歯電極4の両側へ固体基板2の表面を2方向に伝搬する。2方向に伝搬する表面弾性波Wsのうち、保持部3に向かう表面弾性波Wsが、微量液体Lqmを分割するための外力として狭隘部3aに存在する液体Lnに作用する。
ここで、物質中における表面弾性波の伝搬は、物質中の微小粒子が進行方向に一致して振動することにより行われる。ごく限られた時間の中では、振動する微小粒子に密になる部分と疎になる部分ができ、この疎密状態の進行速度が音速であり、音速の関係式は、Cを音速(伝搬速度)、Kを体積弾性率、ρを密度とすると、次式で表される。
C=(K/ρ)1/2……………(2)
表面弾性波が伝搬する上で、固体や液体の構成分子が粗密な変化を生じる場合、各々の点の圧力が上下する。この圧力の差(常圧からの圧力変動分)を音圧と呼び、音圧に対する粒子速度の比を音響インピーダンスと呼ぶ。平面波の場合、音響インピーダンスZは、媒質の密度ρと音速Cの積により決定され、次式で与えられる。
Z=ρ・C………………………(3)
従って、例えば音速と密度が大きいと、音響インピーダンスが大きくなる。音響インピーダンスは、物質中の表面弾性波の伝達効率を左右する物性値であり、前述のように互いに接する二種類の物質間の音響インピーダンスの差が大きいと、一方の物質表面を伝搬していた表面弾性波は他方へは伝搬しない。これに対して、二種類の物質間の音響インピーダンスの差が小さいと、一方の物質表面を伝搬していた表面弾性波は他方へ伝搬する。
従って、固体基板2と固体基板2が界面を接する流体との音響インピーダンスが大きく異なる場合、表面弾性波Wsは固体基板2の表面から約一波長程度の深度領域に閉じ込められたまま伝搬する。これに対して、固体基板2と固体基板2が界面を接する流体との音響インピーダンスが近い場合、表面弾性波Wsは固体基板2から流体側へと漏れ出ていく現象が発生する。分取装置1は、保持部3を除き、固体基板2が界面を接する流体は空気/大気などに代表される雰囲気であり、両者の音響インピーダンスは著しく異なる。このため、表面弾性波Wsは、固体基板2の表面に閉じ込められたまま伝搬する。しかし、保持部3においては、固体基板2が界面を接する流体は液体Lqであり、両者の音響インピーダンスは比較的近いものとなる。このため、表面弾性波Wsは、狭隘部3aにおいて液体Lq側へ漏洩していく。但し、表面弾性波等の横波は、液体Lqのような流体中では伝搬できないため、固体基板2と液体Lqの界面では次式で示されるスネルの法則に則り、横波から縦波へのモード変換が行われる。
Sinθi/Vs=Sinθlt/Vl…(4)
ここで、θiは、固体基板2から液体Lqへ入射する界面における表面弾性波の入射角、θltは、液体Lqへ透過/漏洩する縦波の透過角、Vsは固体基板2における表面弾性波の速度、Vlは液体Lqにおける縦波の速度である。
このように、狭隘部3aにおいては、図6及び図7に示すように、モード変換された縦波音波Wlが液体Ln中へ透過/伝搬していくことになる。このとき、狭隘部3aは、気液界面近傍における液面直下の固体基板2の表面となる。このため、モード変換された縦波音波は、狭隘部3aに存在する液体の気液界面を効率的に変動させることができる。
このとき、例えば、モード変換された縦波音波が数MHz〜数百MHz程度であれば、液体Lqに流れまたは気液界面の変動を発生させることが可能である。また、モード変換された縦波音波が数ミリ秒程度の繰り返しパルスであれば、音響放射圧を液体の揺動や移動のための物理的エネルギーとして利用することが可能である。更に、表面弾性波からモード変換された縦波音波は、図7に点線で示すように、(4)式によって決まる角度θltをもって固体基板2から液体Lq中へ透過/漏洩してゆく。このとき、表面弾性波がレイリー波の場合には、θi=90°となり、透過/漏洩角度は各音速の比(Vl/Vs)で決まる。このため、分取装置1は、固体基板2における表面弾性波の速度を適宜選択することで、所望する方向へ縦波音波を放射し、狭隘部3aに存在する液体から微量液体を分割することができる。
即ち、図3において、保持部3に保持された液体Lqは、狭隘部3aに直交する面における断面積が狭隘部3aでは特異的に小さくなる。このため、分取装置1は、比較的小さい力で液体Lqから微量液体Lqmを液滴として切り離すことができる。ここで、狭隘部3aにおいは、図7に示すように、狭隘部3aに存在する液体Ln中を点線で示すように伝搬する縦波音波Wlによって音響放射圧が発生する。そして、この音響放射圧が、縦波音波の進行方向に沿って微量液体Lqmを切り離す力として液体Lqに作用する。
このとき、縦波音波の進行方向は、図7において、狭隘部3aに存在する液体Lnの幅W方向であり、固体基板2の表面より液体Lqに漏洩した縦波音波の音響放射圧は、液中への漏洩開始位置から縦波音波の進行方向に沿って暫減する。一般的に、縦波音波は、液体Lqへの漏洩開始位置から約8波長分の距離までは液中へ漏洩するとされる。従って、図4において、狭隘部3aに存在する液体Lqの幅Wは、このような理由から、縦波音波の波長を基準として適切な値に設定することができる。ここで、図4は、液体Lqを保持する保持部3を示しているが、図4は平面図であることから、同時に保持部3に存在する液体Lqの平面的な広がりも示している。
更に、固体基板2は、図1に示すように、角度θ傾斜させることにより、保持部3に対して櫛歯電極4が高い位置に配置され、保持部3を除く表面が疎水性(撥水性)を有している。このため、表面弾性波によって分離された微量液体Lqmは、重力によって固体基板2の表面を容易に流れ落ちる。ここで、固体基板2を傾斜させる角度θは、液体に音響放射圧が作用しない状態において、親水性表面を持つ保持部3の吸着性によって液体が保持され、流れ落ちない角度に設定する。さらに、狭隘部3aの縁部から分割される微量液体Lqmが通過する固体基板2の表面を疎水化処理しておくことによって、分取された微量液体Lqmを固体基板2上での凝着による体積の減少を起こさせずに固体基板2上を搬送することができる。
分取装置1において、分割される微量液体の体積決定に支配的な要素を整理すると、次のようになる。先ず、微量液体を分割する際の抗力となる凝集力は、液体の粘性或いは表面張力、及び狭隘部3aに存在する液体の立体的な形状及び寸法で決定される。一方、凝集力に抗して微量液体を切り離そうとする力の大きさは、音響放射圧の強度を決定する櫛歯電極4の振動周波数と振幅であり、櫛歯電極4の駆動電圧の印加時間である。櫛歯電極4は、超音波振動子の中では比較的高い、例えば100MHz前後の周波数の超音波を発生する。このとき、高い駆動電圧に対する耐圧を有する櫛歯電極は、圧電素材により形成される超音波振動子よりも小型で、操作対象の液滴の狭隘部付近に効率良く音響放射圧を加えることが可能である。
また、分取装置1は、櫛歯電極4の振幅、即ち、駆動電圧の大きさと印加時間の選択により、液体へ作用する音響放射圧の強度が調整可能であると共に、微量液体の分取体積の調節ができる。更に、分取装置1は、狭隘部3aを拡大した斜視図である図8に示すように、狭隘部3aに存在する液体Lnの立体的な形状及び寸法(例えば、幅W,長さLg或いは狭隘部3aに直交する面における断面積S)の設定によっても、微量液体の分取体積の調節が可能である。
分取装置1は、この他の特長として1.例えば、櫛歯電極4に印加する駆動電圧パルスの波形を電子的に制御することで、液体に対する音響放射圧の作用時間を容易に設定可能、2.駆動電圧パルスのソフトウエアでの制御が可能、3.液体を載置する固体基板2の表面に凹凸がないので洗浄が容易、等の利点を有している。
ここで、分取装置1は、図9に示す櫛歯電極5を使用してもよい。櫛歯電極5は、長さL5が、狭隘部3aに存在する液体Lnの長さLgよりも長く、数μmのピッチで交互に櫛歯状に係合する直線状の電極5a,5bを有し、配線6によって外部の図示しない交流電源と接続されている。
分取装置1は、櫛歯電極5を使用すると、図9に示すように、長さL5方向に沿った広い範囲に表面弾性波Wsが誘起され、固体基板2の表面を伝搬してゆく。そして、表面弾性波Wsが保持部3に達すると、モード変換された縦波音波が液体へ漏洩し、狭隘部3aに存在する液体から微量液体Lqmを分割する。このとき、狭隘部3aの外側で液体に漏洩した縦波音波は、音響放射圧による音響流Flを液体中に発生させる。音響流Flは、微量液体Lqmが分割される方向と同じ方向の旋廻流になると考えられる。このため、音響流Flは、液体から微量液体Lqmを分割するうえで、補助的機能を発現することが期待できる。なお、本実施の形態では、分取精度が最良となるように、音波を狭隘部3aと直交するように放射しているが、少なくとも音波が狭隘部3aと交差するように放射されていれば分取は可能である。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2に係る微量液体分取装置及び微量液体分取方法について説明する。図10は、実施の形態2の分取装置を示す斜視図である。ここで、以下の説明においては、分取装置1と同一の構成部材については同一の複数の符号を付して説明する。
分取装置10は、櫛歯電極4に代えて数μmのピッチで交互に櫛歯状に係合する円弧状の電極11a,11bとした櫛歯電極11を固体基板2上に設けたものである。櫛歯電極11は、電極11a,11bが円弧状をしているために、発生する表面弾性波は、保持部3に保持された液体Lqに関し、狭隘部3aに存在する液体の櫛歯電極11から離れた縁部、即ち、分割された微量液体Lqm側に集束する。このため、分取装置10は、狭隘部3aに存在する液体から微量液体Lqmを、分取装置1よりも効率良く分離させることができる。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3に係る微量液体分取装置及び微量液体分取方法について説明する。図11は、実施の形態3の分取装置を示す斜視図である。図12は、狭隘部を横断して切断した分取装置の断面図である。
分取装置15は、固定基板16の上面の、狭隘部3aと対向する位置に液体の保持部3が設けられ、固定基板17の上面に櫛歯電極4が設けられ、固定基板16,17は音響整合層18を介して密着されている。ここで、固定基板16は、固体基板16,17の接合面で表面弾性波が変換されることによって生じた縦波音波が透過可能な音響インピーダンス又は保持部3に保持される液体に近い音響インピーダンスを持つ材料で形成するか、或いは表面弾性波が変換されることによって生じた縦波音波の波長を基準として所定厚さに設定する。固体基板16,17は、固体基板2と同じ素材で構成され、櫛歯電極4側から保持部3側に向かって低くなり、かつ、液体Lqが保持部3に保持されるように、角度θ傾斜させて配置される。また、音響整合層18は、固体基板16,17間に塗布又は充填することにより、音響インピーダンスを整合させて固体基板16,17間を音響的に結合するもので、保持部3に保持される液体に近い音響インピーダンスを有する物質を使用し、櫛歯電極4が発生する表面弾性波を音源として、固体基板16,17の接合面で変換されて発生する縦波音波の波長を基準として所定の厚さに設定する。音響整合層18は、保持部3に保持して微量液体を分割する液体が、主成分を水とする場合や水に近い音響インピーダンスを持つ液体のときには、水やシリコン系のオイルや合成ゴム、水とグリセリンなどのエマルジョン、或いはエポキシ系樹脂等が使用される。
ここで、固体基板17から固体基板16へ伝達される音響エネルギーの減衰は、上述の(2),(3)式より、音響整合層18となる物質の密度や体積弾性率といった物性値と、物質中を伝播する表面弾性波の波長に依存する。伝播する表面弾性波の減衰を抑えようとすると、音響整合層18の厚さは薄い方が望ましく、例えば固体基板16,17の接合面でモード変換されて発生する縦波の波長を基準に適切な値を求めることが可能である。また、固体基板17から固体基板16への音響エネルギーの伝達を効率良く行おうとする場合、両者の音響インピーダンスの差異は少ない方が望ましい。
従って、分取装置15は、図12に示すように、固体基板16,17が音響整合層18を介して互いに密着しているため、固定基板17上の櫛歯電極4が発生した表面弾性波Wsは、固定基板16内を通過して保持部3に保持された液体へと到達し、狭隘部3aに存在する液体から微量液体Lqmを分離させる。このとき、櫛歯電極4が発生した表面弾性波は、固体基板16と固体基板17との接合面に存在する音響整合層18に到達する。このため、音響整合層18へ到達した固体弾性波は、横波から縦波、或いは縦波と横波が混在した混在波にモード変換される。これら縦波、或いは混在波のうち、モード変換された縦波音波Wlのみが固体基板16へ漏洩して固体基板16中で反射を繰り返し、暫減しながら進行してゆく。このようにして保持部3に到達した縦波音波Wlは、保持部3上にある液体Lqに漏洩する。一方、音響整合層18において変換された横波音波Wtは、音響整合層18中を伝播しながら暫時縦波音波Wlへ再度変換され固体基板16へ漏洩し、固体基板16中で反射を繰り返し、暫減しながら進行してゆく。
このとき、保持部3に保持された液体は、狭隘部3aに直交する面における断面積が狭隘部3aでは特異的に小さく、狭隘部3aに保持される液体Lnは他の部分よりも結合エネルギーが小さい。このため、狭隘部3aに保持された液体は、縦波音波Wlの音響放射圧によって微量液体Lqmが切り離される(図11参照)。
なお、実施の形態1においては、固体基板2の材料は、表面処理のし易さと圧電性の両方を考慮して選択しなければならなかった。しかしながら、本実施の形態においては、保持部3が設けられる第1の固体基板と、櫛歯電極4が設けられる第2の固体基板とを別基板にしたため、第1の固体基板は表面処理のし易さ、第2の固体基板は櫛歯電極の加工性や圧電性等を目的として材料を選択すればよく、装置を構成する材料の選択の幅が広がるという利点がある。
(実施の形態4)
次に、実施の形態4に係る微量液体分取装置及び微量液体分取方法について説明する。図13は、実施の形態4の分取装置を示す斜視図である。
分取装置20は、図13に示すように、固体基板17に設ける櫛歯電極を櫛歯電極4に代えて櫛歯電極11とし、音響整合層18を介して固定基板16,17を密着したものである。従って、分取装置20は、櫛歯電極11の電極11a,11bが円弧状に成形ているために、発生した表面弾性波が保持部3に保持された液体Lqに関し、狭隘部3aに存在する液体の櫛歯電極11から離れた縁部、即ち、分割された微量液体Lqm側に集束する。このため、分取装置20は、櫛歯電極11が発生した表面弾性波を音響整合層18でモード変換し、モード変換された縦波音波Wlを固体基板16から保持部3上にある液体Lqに漏洩することによって、狭隘部3aから微量液体Lqmを分割する。
(実施の形態5)
次に、実施の形態5に係る微量液体分取装置及び分取方法について説明する。図14は、実施の形態5の分取装置を示す斜視図である。
分取装置25は、図14に示すように、実施の形態2の分取装置10において、基板2に設ける櫛歯電極を櫛歯電極11に代えて櫛歯電極4とし、基板2に微量液体Lqmのガイド溝2aを設けたものである。ガイド溝2aは、保持部3に保持された液体から分割される微量液体の移動を案内する。従って、分取装置25は、分割された微量液体の排出進路が安定する。ここで、実施の形態5の構成は、実施の形態2〜4にも適用することができる。
(実施の形態6)
次に、実施の形態6に係る微量液体分取装置及び分取方法について説明する。図15は、実施の形態6の分取装置を示す斜視図である。
分取装置30は、図15に示すように、実施の形態2の分取装置10において、固定基板2の表面に、狭隘部3a近傍を起点とし、分割される微量液体を搬出する電極列8を設けたものである。電極列8は、複数の電極8aを有し、隣接する電極の正負を順次切り替えることにより、分割された微量液体に静電気力を作用させて搬出する。このため、分取装置30は、固定基板2を傾斜配置する必要がない。
(実施の形態7)
次に、実施の形態7に係る微量液体分取装置及び分取方法について説明する。図16は、実施の形態7の分取装置を示す斜視図である。
分取装置35は、図16に示すように、実施の形態1の分取装置1において、固定基板2の櫛歯電極4を挟む両側に液体Lqを保持する保持部3を設けると共に、狭隘部3a近傍を起点とし、分割される微量液体を搬出する電極列8を設けたものである。従って、分取装置35は、櫛歯電極4を駆動することによって、狭隘部3aに存在する液体から同時に相反する方向へ2個の微量液体Lqmを分割し、分割した微量液体Lqmを各電極列8によって搬出することができる。ここで、実施の形態7の構成は、実施の形態3にも適用することができる。
(実施の形態8)
次に、実施の形態8に係る微量液体分取装置及び分取方法について説明する。図17は、実施の形態8の分取装置を示す斜視図である。図18−1は、保持壁に設けたスリットの形状を示す図である。図18−2は、保持壁に設けた開口の形状を示す図である。
分取装置40は、図17に示すように、実施の形態2の分取装置10において、固定基板2に保持部3を囲む壁2bを設けると共に、壁2bの狭隘部3aに対応する位置にスリット2c(図18−1参照)を形成したものである。分取装置40は、固定基板2にこのような壁2bを設けることによって、保持部3に保持し得る液体の量を増加させることができる。また、壁2bにスリット2cを設けることによって、櫛歯電極11が発生した表面弾性波は、保持部3に保持された液体Lqのスリット2cの部分にのみ指向され、スリット2cの部分にある液体の凝集力に抗して微量液体が分取される。なお、実施の形態8の構成は、実施の形態1,3,4にも適用することができる。
ここで、壁2bは、スリット2cに代えて、図18−2に示す開口2dを設けてもよい。このとき、スリット2c又は開口2d部分に存在する液体の凝集力は、液体の粘性或いは表面張力とスリット2c又は開口2d部分の形状や寸法によって決まる。このとき、液体の凝集力を決定する1つの要素となる形状としては、図18−1及び図18−2に示すように、スリット2cの場合には、高さHslと幅Wslであり、開口2dの場合には高さHopと上部のアーチ部分における曲率である。
(実施の形態9)
次に、実施の形態9に係る微量液体分取装置及び分取方法について説明する。図19は、実施の形態9の分取装置を示す斜視図である。
分取装置45は、図19に示すように、実施の形態3の分取装置15において、固定基板16に肉厚の素材を用い、液体の保持溝16aと保持溝16aに保持された液体から分割される微量液体の移動を案内するガイド溝16bを設けた変形例である。保持溝16aは、液体を保持する保持部3と同一形状であり、狭隘部16cによって受容部16dが連結されている。分取装置45は、保持溝16a設けることで、保持溝16aに保持し得る液体の量を増加させることができ、ガイド溝16bを設けることで、分割された微量液体の排出進路を安定させることができる。ここで、実施の形態9の構成は、実施の形態4にも適用することができる。
(実施の形態10)
次に、実施の形態10に係る微量液体分取装置及び分取方法について説明する。図20は、実施の形態10の分取装置を示す斜視図である。
分取装置50は、図20に示すように、実施の形態2における分取装置10の固体基板2に上板51を設置するものである。上板51は、保持部3に対応した部分を除去して保持開口51aが形成されると共に、液体から分割された微量液体の移動を案内するガイド溝に対応する部分を除去して通路51bが形成されている。このため、分取装置50は、固体基板2に上板51を被着すると、保持部3に対応した部分に実施の形態9における保持溝とガイド溝が形成され、分取装置45と同じ効果を発揮することができる。ここで、上板51は、例えばシリコーン系のゴム素材であるをポリメチルシロキサン(PDMS)を用いて形成する。このとき、上板51は、PDMSの持つ自己粘着性を利用して固体基板2上に貼り付ける。
以上のように、本発明にかかる微量液体分取装置及び微量液体分取方法は、目的とする液量を超える液塊から微量の液体を精度良く定量分取するのに有用であり、特に、分注装置や分析装置に適している。
本発明の微量液体分取装置及び微量液体分取方法に係る実施の形態1を説明するもので、微量液体分取装置の斜視図である。 微量液体分取装置における液体を保持する保持部の形状を示す平面図である。 微量液体分取装置における液体を保持する保持部の形状を示す平面図である。 微量液体分取装置における液体を保持する保持部の形状を示す平面図である。 微量液体分取装置における液体を保持する保持部の形状を示す平面図である。 保持部に保持された液体の形状を示す正面図である。 保持部、音波発生手段、分割された微量液体を示す平面図である。 分割された微量液体側から見た保持部の液体を示す正面図である。 櫛歯電極が発生した表面弾性波の伝搬を示す断面図である。 固定基板における表面弾性波と、狭隘部の液体における縦波音波の伝搬を示す断面図である。 狭隘部を拡大した斜視図である。 微量液体分取装置の変形例を示す平面図である。 実施の形態2の分取装置を示す斜視図である。 実施の形態3の分取装置を示す斜視図である。 狭隘部を横断して切断した分取装置の断面図である。 実施の形態4の分取装置を示す斜視図である。 実施の形態5の分取装置を示す斜視図である。 実施の形態6の分取装置を示す斜視図である。 実施の形態7の分取装置を示す斜視図である。 実施の形態8の分取装置を示す斜視図である。 保持壁に設けたスリットの形状を示す図である。 保持壁に設けた開口の形状を示す図である。 実施の形態9の分取装置を示す斜視図である。 実施の形態10の分取装置を示す斜視図である。
符号の説明
1 分取装置
2 固体基板
3 保持部
3a 狭隘部
3b 受容部
3c 微小保持部
4,5 櫛歯電極
6 配線
7 電源
8 電極列
10,15 分取装置
16,17 固体基板
18 音響整合層
20,25 分取装置
30,35 分取装置
40,45 分取装置
50 分取装置
51 上板
Lq,Ln 液体
Lqm 微量液体
Ws 表面弾性波
Wl 縦波音波
Wt 横波音波

Claims (17)

  1. 固体基板と、
    狭隘部を介して連結され、液体を保持する保持部と、
    前記狭隘部と交差する方向から前記狭隘部に向けて音波を発生する音波発生手段と、
    を備え、前記保持部及び前記音波発生手段は、前記固体基板の同一平面上に設けられていることを特徴とする微量液体分取装置。
  2. 狭隘部を介して連結され、液体を保持する保持部と、
    前記狭隘部と交差する方向から前記狭隘部に向けて音波を発生する音波発生手段と、
    前記保持部が表面に設けられる第1の固体基板と、
    前記音波発生手段が設けられ、音響整合層を介して前記第1の固体基板に密着される第2の固体基板と、
    を備えることを特徴とする微量液体分取装置。
  3. 前記音波発生手段は、前記狭隘部と直交する方向から前記狭隘部の液体に向けて音波を発生することを特徴とする請求項1又は2に記載の微量液体分取装置。
  4. 前記固体基板又は前記第1の固体基板と前記液体との音響インピーダンスの差は、前記固体基板又は前記第1の固体基板と前記固体基板又は前記第1の固体基板が接する雰囲気との音響インピーダンスの差より小さく、かつ、前記液体と前記液体が接する雰囲気との音響インピーダンスの差より小さいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の微量液体分取装置。
  5. 前記音波発生手段は、発生する音波を前記保持部に保持される液滴の狭隘部に選択的に指向させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の微量液体分取装置。
  6. 前記音波発生手段は、表面弾性波を発生する表面弾性波発生手段であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載の微量液体分取装置。
  7. 前記表面弾性波発生手段は、平面上に直線状の電極が配列された櫛歯電極であることを特徴とする請求項6に記載の微量液体分取装置。
  8. 前記表面弾性波発生手段は、前記狭隘部の液体の当該表面弾性波発生手段から離れた縁部に前記表面弾性波を集束させることを特徴とする請求項7に記載の微量液体分取装置。
  9. 前記保持部に液体を保持したときの前記狭隘部における液体の幅は、前記表面弾性波を音源とする縦波音波の波長によって決まる所定の値であることを特徴とする請求項8に記載の微量液体分取装置。
  10. 前記保持部の表面は、親水性を有し、前記保持部に隣接する部分の表面は、疎水性を有することを特徴とする請求項9に記載の微量液体分取装置。
  11. 前記固体基板、第1の固体基板及び前記第2の固体基板は、前記音波発生手段側から前記保持部側に向かって低くなり、かつ、前記液体が前記保持部に保持される角度に傾斜配置されていることを特徴とする請求項10に記載の微量液体分取装置。
  12. 前記音響整合層は、前記液体に近い音響インピーダンスを有することを特徴とする請求項2乃至11のいずれか一つに記載の微量液体分取装置。
  13. 前記音響整合層は、前記表面弾性波を音源として、前記第1の固体基板と前記第2の固体基板との接合面で変換されて発生する縦波音波の波長を基準として所定の厚さに設定されていることを特徴とする請求項12に記載の微量液体分取装置。
  14. 前記第1の固体基板は、前記第1の固体基板と前記第2の固体基板との接合面で前記表面弾性波が変換されることによって生じた縦波音波が透過可能な音響インピーダンス又は前記液体に近い音響インピーダンスを持つ材料で形成されていることを特徴とする請求項13に記載の微量液体分取装置。
  15. 前記第1の固体基板は、前記第1の固体基板と前記第2の固体基板との接合面で前記表面弾性波が変換されることによって生じた縦波音波の波長を基準として所定厚さに設定されていることを特徴とする請求項13に記載の微量液体分取装置。
  16. 固体基板上に形成され、狭隘部を介して連結された保持部に保持された液体を、前記保持部と共に前記固体基板の同一平面上に設けられた音波発生手段が発生する音波によって分取する微量液体分取方法であって、
    前記狭隘部と交差する方向から前記狭隘部に向けて音波を出射するステップと、
    前記音波の音響放射圧によって前記狭隘部の液体から微量液体を分取するステップと、
    を含むことを特徴とする微量液体分取方法。
  17. 第1の固体基板上に形成され、狭隘部を介して連結された保持部に保持された液体を、音響整合層を介して前記第1の固体基板に密着され、前記保持部と異なる第2の固体基板上に設けられた音波発生手段が発生する音波によって分取する微量液体分取方法であって、
    前記狭隘部と交差する方向から前記狭隘部に向けて音波を出射するステップと、
    前記音波の音響放射圧によって前記狭隘部の液体から微量液体を分取するステップと、
    を含むことを特徴とする微量液体分取方法。
JP2004067948A 2004-03-10 2004-03-10 微量液体分取装置及び微量液体分取方法 Expired - Fee Related JP4469974B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004067948A JP4469974B2 (ja) 2004-03-10 2004-03-10 微量液体分取装置及び微量液体分取方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004067948A JP4469974B2 (ja) 2004-03-10 2004-03-10 微量液体分取装置及び微量液体分取方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005257408A JP2005257408A (ja) 2005-09-22
JP4469974B2 true JP4469974B2 (ja) 2010-06-02

Family

ID=35083277

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004067948A Expired - Fee Related JP4469974B2 (ja) 2004-03-10 2004-03-10 微量液体分取装置及び微量液体分取方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4469974B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20140140862A (ko) * 2013-05-30 2014-12-10 삼성디스플레이 주식회사 표시패널의 제조방법

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6040852B2 (ja) * 2013-04-22 2016-12-07 富士通株式会社 接着剤による接着方法
WO2021059923A1 (ja) * 2019-09-26 2021-04-01 パナソニックIpマネジメント株式会社 液体霧化システム、ミスト発生システム、及び液体霧化方法
JP7300662B2 (ja) * 2020-03-31 2023-06-30 パナソニックIpマネジメント株式会社 液体霧化システム

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20140140862A (ko) * 2013-05-30 2014-12-10 삼성디스플레이 주식회사 표시패널의 제조방법
KR102066007B1 (ko) 2013-05-30 2020-01-15 삼성디스플레이 주식회사 표시패널의 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005257408A (ja) 2005-09-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2013604B1 (en) Concentration and dispersion of small particles in small fluid volumes using acousting energy
Fu et al. Advances in piezoelectric thin films for acoustic biosensors, acoustofluidics and lab-on-chip applications
Tan et al. Interfacial jetting phenomena induced by focused surface vibrations
US8038337B2 (en) Method and device for blending small quantities of liquid in microcavities
JP4769423B2 (ja) 液体攪拌デバイス
US20140083174A1 (en) Sample nebulization
Lindner Sensors and actuators based on surface acoustic waves propagating along solid–liquid interfaces
JP4925819B2 (ja) ミクロキャビティでの少量液体の混合方法と装置
JP4503423B2 (ja) 容量性マイクロマシン超音波振動子及びその製造方法、並びに、超音波トランスデューサアレイ
US20040072366A1 (en) Method and device for manipulating small quantities of liquid
Lei et al. SAW-driven droplet jetting technology in microfluidic: A review
JP4469974B2 (ja) 微量液体分取装置及び微量液体分取方法
US5953027A (en) Method and apparatus for redirecting propagating acoustic waves from a substrate to a slant face to cause ink-jetting of ink material
Yabe et al. A self-converging atomized mist spray device using surface acoustic wave
US11986848B2 (en) Acoustic droplet ejection
JP4312086B2 (ja) 微量液体制御装置
JP4063014B2 (ja) 化学分析装置
Kawasaki et al. Bulk Acoustic Wave Based Mocrfluidic Particle Sorting with Capacitive Micromachined Ultrasonic Transducers
JP2005254112A (ja) 液体混合装置およびその方法
Alzuaga et al. Displacement of droplets on a surface using ultrasonic vibration
WO2021256111A1 (ja) 液滴生成方法
JP2020032956A (ja) 液中推進装置
Zhang Designs of Surface Acoustic Waves for Micro/Nano-scale Particles/Fluid Manipulation
JP2005337120A (ja) 超音波ポンプ装置
JP2007009726A (ja) マイクロポンプおよびマイクロポンプシステム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070205

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090428

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090818

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091015

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091110

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091210

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100112

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20100202

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100204

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130312

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4469974

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130312

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140312

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees