JP2006320725A - 硬質のロジン−変性ポリマーを含むゴルフボール - Google Patents

硬質のロジン−変性ポリマーを含むゴルフボール Download PDF

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Abstract

【課題】ゴルフボールに、より高い剛性を与えるための、より高い曲げ弾性率値を持つ組成物を提供する。
【解決手段】中心部10と、中間層12と、カバー14とを含み、中間層12が、イオノマー樹脂と、少なくとも約50℃なる軟化点を持つロジン材料とを含む組成物から製造したものであることを特徴とする、ゴルフボール。
【選択図】図2

Description

本発明は、ロジン-変性ポリマーを含む組成物から作成した、少なくとも一つの層を持つゴルフボールに関するものである。特に、本発明で使用する組成物は、公知のイオノマー、酸性コポリマー、またはロジン材料で変性して、該材料の曲げ弾性率を高めることにより、剛性を付与する、他の適当なポリマーを含むことができる。
イオノマー樹脂材料は、一般にゴルフボールの内側カバーおよび外側カバー層において、該ボールの耐久性を高めるために使用されている。例えば、ゴルフボールが、イオノマー材料で作られた外側カバー層を含む場合、このゴルフボールは、飛距離と耐久性との良好な組合せを与える。実際に、米国特許第4,431,193号は、多層カバーを含むゴルフボールに係り、該カバーにおいて、その内側層は、硬質の、高い曲げ弾性率を持つイオノマー樹脂製であり、また該外側層は、軟質の、低曲げ弾性率をもつイオノマー樹脂製であり、かつこれら層の一方(または両者)は、発泡イオノマー樹脂を含むことができる。
しかし、イオノマーで被覆したゴルフボールが、クラブで打った際に、硬い「感触」および低いスピン速度を持つことから、典型的に、ゴルフボールの製造業者らは、このイオノマー製のカバーを、ポリウレタンまたはポリウレアで作られた、より軟質のカバーで置換えている。該ポリウレタンおよびポリウレアの柔軟性は、より硬質の内側カバーまたは中間層によって、釣合わせることができる。
この内側カバーまたは中間層は、軟質カバーを持つゴルフボールに、ある程度の剛性を与えるためのものであるから、これらの選択された材料は、適当な曲げ弾性率値を持つべきである。それ故、イオノマー樹脂は、一般に軟質カバーを持つゴルフボールの、該内側カバー層または中間層の少なくとも一部を形成するのに使用される。しかし、これまで、市販品として入手できるイオノマー樹脂は、4-点曲げ試験により、2週間後に約482.3MPa(約70,000psi)を越える曲げ弾性率を有していない。例えば、サーリン(SURLYNTM) 8940、9650および9910は、夫々約351.4MPa(51,000 psi)、220.5MPa(32,000 psi)および316.9MPa(48,000 psi)なる曲げ弾性率値を持つ。
従って、ドライバーで打った際に低いスピン速度を与え、飛距離を高めるために、軟質カバーを持つゴルフボールについて使用するための、内側カバー層または中間層に、改善された剛性を与える組成物を製造することが有利であろう。特に、硬質で、高い曲げ弾性率値、即ち市販品として入手できる組成物よりも大きな値を持つ、ゴルフボール層用組成物に対する需要がある。
本発明は、ゴルフボールに、より高い剛性を与えるための、より高い曲げ弾性率値を持つ組成物を提供することを目的とする。
本発明は、コアと、中間層と、カバーとを含むゴルフボールを目的とし、該ゴルフボールにおいて、該中間層は、イオノマー樹脂と、少なくとも約50℃なる軟化点を持つロジン材料とを含む組成物から製造したものである。一態様においては、該ロジン材料を、ウッドオイル(wood oil)由来のロジン、タル油由来のロジン、ダイマー化ロジン、水添ロジン誘導体、変性ロジン、エステルロジン、ダイマー化ロジンのエステル、水添ロジンのエステル、変性ロジンのエステル、ロジンアミン、ロジンエトキシル化誘導体、ポリテルペンロジン、タル油ロジンの無水マレイン酸変性エステル、タル油ロジンの無水フマール酸変性エステル、水添アビエチン酸、および(存在する場合には)これらの塩、およびこれらの混合物からなる群から選択する。他の態様では、該ロジン材料は、該組成物の質量を基準として、約5〜約50質量%なる範囲の量で存在する。
この組成物は、40時間において、約482.3MPa〜約826.8MPa(約70,000〜約120,000psi)なる範囲の、曲げ弾性率を持つことができる。また、一態様において、該曲げ弾性率は、2週間後に、約551.2MPa(約80,000psi)を越える。更に、該ロジン材料は、約1〜約30なる範囲の酸価、約10〜約200なる範囲のヨウ素価、および約0.6g/cm3〜約2.4g/cm3(約5 lbs/gal〜約20 lbs/gal)なる範囲の密度を持つことができる。
本発明は、またコアとカバーとを含むゴルフボールを目的とし、該ゴルフボールにおいて、該カバーは、内側カバー層と外側カバー層とを含み、かつ該内側カバー層は、基本成分の熱可塑性材料およびロジン材料を含む組成物から作られ、該組成物は、40時間後における、約413.4MPa〜約826.8MPa(約60,000〜約120,000psi)なる範囲の曲げ弾性率、および約60ショアD〜約75ショアDなる範囲の硬さを持つ。
該基本成分の熱可塑性材料は、イオノマー樹脂、酸性コポリマー、高度に中和されたポリマー、およびこれらの混合物からなる群から選択される。一態様において、該熱可塑性材料は、その酸性基の約90%またはそれ以上が中和されている、高度に中和されたポリマーである。
他の態様では、この組成物は、40時間後に、約482.3MPa〜約826.8MPa(約70,000〜約120,000psi)なる範囲の該曲げ弾性率を持つ。更に別の態様では、該曲げ弾性率は、2週間後に、約15%またはそれ以上増加する。
本発明の組成物は、更に該耐衝撃性改良剤を含むことができる。一態様においては、この該耐衝撃性改良剤を、アルキルアクリレートを主成分とするブロックコポリマーまたはその水添誘導体、ビニル芳香族モノマー、またはこれらの混合物からなる群から選択する。
本発明は、またコアと、約30ショアD〜約60ショアDなる範囲の硬さを持つカバー、および約60ショアD〜約75ショアDなる範囲の硬さを持つ中間層とを含むゴルフボールを目的とし、該ゴルフボールにおいて、該中間層は、40時間後に、約413.4MPa〜約826.8MPa(約60,000〜約120,000psi)なる範囲の曲げ弾性率を持つロジン変性ポリマーを含有する組成物から作られ、かつ該曲げ弾性率は、2週間後に、約15%またはそれ以上増加する。一態様において、該ロジン変性ポリマーは、熱可塑性ポリマーとロジン材料とを含む。もう一つの態様において、該熱可塑性ポリマーは、その酸性基の約90%またはそれ以上が中和されている、高度に中和されたポリマーである。
更に、該ロジン材料は、ウッドオイル由来のロジン、タル油由来のロジン、ダイマー化ロジン、水添ロジン誘導体、変性ロジン、エステルロジン、ダイマー化ロジンのエステル、水添ロジンのエステル、変性ロジンのエステル、ロジンアミン、ロジンエトキシル化誘導体、ポリテルペンロジン、タル油ロジンの無水マレイン酸変性エステル、タル油ロジンの無水フマール酸変性エステル、水添アビエチン酸、および(存在する場合には)これらの塩、およびこれらの混合物からなる群から選択される。一態様において、該ロジン材料は、約1〜約30なる範囲の酸価、約10〜約200なる範囲のヨウ素価、約0.6g/cm3〜約2.4g/cm3(約5 lbs/gal〜約20 lbs/gal)なる範囲の密度、または少なくとも約50℃なる軟化点の内の、少なくとも一つを持つ。
更に、本発明のゴルフボールのカバーは、注型適性を持つ熱可塑性のポリウレタンまたはポリウレア材料、あるいはまた熱硬化性のポリウレタンまたはポリウレアを含む、注型適性を持つ反応性液体材料から製造することができる。
本発明の更なる特徴並びに利点は、後において説明される添付図面との関連で与えられる、以下の詳細な説明から、確かめることができる。
本発明は、ゴルフボールの内側カバーおよび中間層において使用する、高い剛性を持つ組成物に関するものである。特に、本発明の組成物は、ゴルフボールの層において使用するための、改善された曲げ弾性率値を持つ、ロジン-変性ポリマーを含む。
本発明の組成物は、様々なゴルフボールの構成について使用することができる。例えば、本発明の組成物は、スリーピースボールの中間層、二重カバー層を持つゴルフボールにおける内側カバー、あるいは大きなコアと比較的薄い外側カバー層とを含むゴルフボールにおけるケーシング層として使用することができる。この組成物の成分、ゴルフボールの構成、および層並びにボールの諸特性を、以下により一層詳細に論じる。
本発明の組成物
本発明の組成物は、高い剛性を得るために、ロジン-変性ポリマーを含む。本発明により、様々なポリマーを、ロジンで変性することができる。以下においてより詳細に論じるこれらポリマーは、低および高酸性イオノマー、酸性コポリマー、および高度におよび十分(完全)に中和したポリマーを包含する、公知のイオノマーを含むが、これらに限定されない。以下において、これらのポリマーを、より詳しく論じる。
ロジン
定義によれば、ロジンは、松の粗製含油樹脂由来のターペンタインの油を蒸留した後に残される、黄色乃至琥珀色で透明、かつ硬質で脆弱な、破砕された樹脂であり、また一般的にはワニス、塗料乾燥剤、印刷インキ、および弦を含む機器、例えばバイオリンの弓に塗布するために使用されている。如何なる特定の理論にも拘泥するつもりはないが、公知のゴルフボール用組成物、例えば中間並びに内側カバー層に対して使用される、熱可塑性材料へのロジンの添加は、該ゴルフボールの層の、曲げ弾性率によって測定されるような剛性を改善することが、今や見出された。このロジンの軟化点(または融点)は、好ましくは約20℃〜約150℃なる範囲にある。一態様において、該ロジンは、約30℃〜約140℃なる範囲の軟化点を持つ。更に別の態様では、該ロジンの軟化点は、少なくとも約50℃である。例えば、このロジンの軟化点は、約50℃〜約150℃なる範囲、約70℃〜約150℃なる範囲、約90℃〜約150℃なる範囲、およびこれら数値間の点にある。
適当なロジンの例は、ウッドオイルおよびタル油由来のロジン、例えばパルマイト(PalmiteTM) 79、パルマイト90、ペキサイト(PexiteTM) FF、およびペキサイトWG(夫々ハーキュルズおよびイーストマン社から市販品として入手できる);変性ロジン、例えばベルロ(BelroTM)、ペキサリン(PexalynTM) 100、ビンソール(VinsolTM)およびメルヒ(MelhiTM)(ハーキュルズ社から市販品として入手できる);エステルロジン、例えばフォラリン(ForalynTM)(イーストマン社から市販品として入手できる)、エステルガム(Ester Gum) 8BGおよびエステルガム8D-SP(夫々ウッドオイルおよびタル油ロジンのグリセロールエステル、両者共にハーキュルズ社から市販品として入手できる);ロジンのメチルエステル、例えばアバリン(AbalynTM)(イーストマン社から市販品として入手できる);ロジンアミン;ポリテルペンロジン;タル油ロジンの無水マレイン酸および無水フマール酸変性エステル、例えばシルバプリント(SylvaprintTM) 4253およびシルバプリント8200(アリゾナケミカル(Arizona Chemical)社から市販品として入手できる)およびルイゾル(Lewisol) 28-M(イーストマン社から市販品として入手できる、無水マレイン酸で変性したロジンのグリセロエステル);水添アビエチン酸;およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。当業者は、これら様々なロジンの塩も、本発明と共に使用するのに適していることを理解するであろう。
更に、米国特許公開2001/0014632号および2001/0031670号(その開示事項を本発明の参考としてここに組み入れる)は、本発明において使用することのできる、他の適当なロジンおよび粘着付与剤を開示している。例えば、クマロン-インデンを主成分とする樹脂、フェノール-ホルムアルデヒドを主成分とする樹脂、アルキルフェノールを主成分とする樹脂、ペトロリウムを主成分とする樹脂、キシレン-ホルムアルデヒドを主成分とする樹脂、ポリブテンのオリゴマー、液状ゴム、例えば液状イソプレン、およびこれらの混合物を使用することができる。市販品として入手できるペトロリウムを主成分とする樹脂は、水添テルペン樹脂である、安原化学社(Yasuhara Chemical Co., Ltd.)から入手できるクリアロン(Clearon) P105、荒川化学社(Arakawa Chemical Industries, Ltd.)から入手できるエステルガムHおよびアルコン(Arkon) P90、および三井石油化学工業社(Mitsui Petrochemical Industries, Ltd.)から入手できるペトロレジン(Petroresin) #80およびハイレッツ(Hilets) G100Xを包含する。一態様において、該ロジンは、テルペン樹脂、ロジンエステルを主成分とする樹脂、またはこれらの組合わせである。
更に、ロジン誘導体も、本発明と共に使用するのに適している。当業者は、ロジン誘導体の適当な製造方法を認識しているはずである。例えば、ロジン誘導体は、タル油または原料のマツ内に含まれるロジンを、水添、ダイマー化、またはエステル化することによって製造できる。ロジン誘導体は、三菱ガス化学社(Mitsubishi Gas Chemical Co., Ltd.)から入手できるニカノール(Nikanol) A70、リブナイト(Libnite)社から入手できるリグノール(Lignol) R70および荒川化学社から入手できるロジンエステル樹脂;ロジンエトキシル化誘導体;ダイマー化ロジン、例えばポリ-ペール(Poly-PaleTM)およびダイマレックス(DymerexTM)(イーストマン社から市販品として入手できる);ダイマー化ロジンのエステル、例えばパーマリン(PermalynTM) 505、パーマリン2085、パーマリン3100、ペンタリン(PentalynTM) A(イーストマン社から市販品として入手できる)、およびエステルガム10D(ハーキュルズ社から市販品として入手できる、部分的にダイマー化したロジンのグリセロールエステル);水添ロジンのエステル、例えばペンタリン(PentalynTM) CおよびペンタリンK(イーストマン社から市販品として入手できる);変性ロジンのエステル、例えばフォラル(ForalTM) 85、ステイベライト(StaybeliteTM)およびペンタリンGおよびペンタリンX(イーストマン社から市販品として入手できる);および水添ロジン誘導体、例えばステイベライトおよびフォラルAX(両者共にイーストマン社から市販品として入手できる)およびハーコリン(HercolynTM) D(ハーキュルズ社から市販品として入手できる、ウッドロジンの水添メチルエステル)を含み、また本発明について使用するのに適している。
本発明について使用する該ロジンの酸価は、好ましくは約0.1〜約250なる範囲にある。例えば、この酸価は、約1未満であり得る。一態様において、該ロジンの酸価は、約0.1〜約160なる範囲にある。更に別の態様では、該ロジンの酸価は、約0.1〜約100なる範囲、好ましくは約0.1〜約30なる範囲、好ましくは約1〜約30なる範囲にある。更に別の態様では、該酸価は、約12〜約40なる範囲、好ましくは約16〜約25なる範囲にある。更にまた、該酸価は、約0.1〜約4なる範囲にある。
更に、該ロジンのヨウ素価は、約10〜約200なる範囲、好ましくは約15〜約150なる範囲にある。一態様において、このヨウ素価は、約130〜約160なる範囲にある。他の態様では、このヨウ素価は、約120〜約135なる範囲にある。更に別の態様では、このヨウ素価は、約15〜約45なる範囲にある。
最後に、該ロジンの密度は、好ましくは約0.6g/cm3〜約2.4g/cm3(約5 lbs/gal〜約20 lbs/gal)なる範囲にある。一態様において、該ロジンの密度は、約0.6g/cm3〜約1.8g/cm3(約5 lbs/gal〜約15 lbs/gal)なる範囲にある。別の態様では、該ロジンの密度は、約0.6g/cm3〜約1.2g/cm3(約5 lbs/gal〜約10 lbs/gal)なる範囲にある。
イオノマー樹脂
本明細書で使用する用語「イオノマー」とは、カルボキシレートまたはスルホネート基等の酸性基を含むポリマーを包含するものであり、該酸性基は、共役塩基により少なくとも部分的に中和されている。更に、「イオノマー」は、一級、二級および三級窒素原子等の塩基性の基を含むポリマーをも包含し、該塩基性の基は、酸、有機アルキルハライド、または有機アリールハライドで、少なくとも部分的に四級化されている。
当業者は、本発明について使用するイオノマー樹脂の製法を熟知している。特に、米国特許第3,262,272号(その内容全体を、参考として、本明細書に組み入れる)は、イオノマー樹脂を得るための一般的な方法を略記している。例えば、アクリル酸またはメタクリル酸等の酸性モノマーと、少なくとも1種の他のコモノマー、例えばオレフィン、スチレンまたは酢酸ビニルの共重合、およびその後の少なくとも部分的な中和は、本発明で使用するのに適したイオノマーを生成する。あるいはまた、ポリスチレン、またはポリスチレンのブロックコポリマーを含むポリスチレンコポリマーを、官能化剤、例えばカルボン酸またはスルホン酸と反応させ、次いで少なくとも部分的に中和することによって、酸性基をポリマーに組込んで、イオノマーを製造することができる。負に帯電した酸性基、例えばカルボキシレートまたはスルホネートは、金属イオン等のカチオンで中和することが出来る。四級窒素等の正に帯電した塩基性の基は、ハライド、有機酸、または有機ハライド等のアニオンにより中和することができる。
適当なイオノマー樹脂およびそのブレンドの例は、米国特許第5,885,172号に記載されている。この特許の内容全体を、参考として本明細書に組み入れる。これらイオノマーは、モノオレフィンと、炭素原子数3〜12の不飽和モノ-またはジ-カルボン酸およびそのエステルからなる群から選択される少なくとも1種の構成員とのポリマー(このポリマーは約1質量%〜約50質量%の、該不飽和モノ-またはジ-カルボン酸および/またはそのエステルを含む)に、交差金属結合を与えることによって得られる。より具体的には、このような酸-含有エチレンコポリマーイオノマー成分は、E/X/Yコポリマーを含み、ここでEはエチレン、Xは、該ポリマーの0質量%〜約50質量%なる範囲(好ましくは、0質量%〜約25質量%なる範囲、最も好ましくは0質量%〜約20質量%なる範囲)の量で存在する、柔軟化コモノマー、例えばアクリレートまたはメタクリレートであり、またYは、該ポリマーの約5質量%〜約35質量%なる範囲の量で存在する、アクリル酸またはメタクリル酸であり、該酸部分は、イオノマーを形成するために、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、鉛、スズ、亜鉛またはアルミニウム、またはこれらカチオンの組合わせによって、約1%〜約100%(好ましくは、少なくとも約40%、最も好ましくは少なくとも約60%)の割合で中和される。
具体的な酸-含有エチレンコポリマーは、エチレン/アクリル酸、エチレン/メタクリル酸、エチレン/アクリル酸/n-ブチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/n-ブチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/イソブチルアクリレート、エチレン/アクリル酸/イソブチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/n-ブチルメタクリレート、エチレン/アクリル酸/メチルメタクリレート、エチレン/アクリル酸/メチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/メチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/メチルメタクリレートおよびエチレン/アクリル酸/n-ブチルメタクリレートを含む。好ましい酸-含有エチレンコポリマーは、エチレン/メタクリル酸、エチレン/アクリル酸、エチレン/メタクリル酸/n-ブチルアクリレート、エチレン/アクリル酸/n-ブチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/メチルアクリレートおよびエチレン/アクリル酸/メチルアクリレートコポリマーを含む。最も好ましい酸-含有エチレンコポリマーは、エチレン/メタクリル酸、エチレン/アクリル酸、エチレン/(メタ)アクリル酸/n-ブチルアクリレート、エチレン/(メタ)アクリル酸/エチルアクリレート、およびエチレン/(メタ)アクリル酸/メチルアクリレートコポリマーを含む。
該イオノマーは、また所謂「低酸性」または「高酸性」イオノマーを含むことができる。一般に、本発明者等によれば、約16%までの量で酸を含むイオン性コポリマーは、「低酸性」イオノマーであると考えられ、一方約16%を越える量で酸を含むものは、「高酸性」イオノマーであると考えられる。高酸性イオノマーは、エチレン等のオレフィンと、少なくとも16質量%のアクリル酸またはメタクリル酸等の、α,β-エチレン性不飽和カルボン酸とのコポリマーであり得、ここで約10%~約100%のカルボン酸基は、亜鉛、ナトリウム、マグネシウムまたはリチウム等の金属イオンで中和されている。好ましくは、高酸性イオノマーは、エチレンと、約17質量%~約20質量%のメタクリル酸とのコポリマーであり、ここで該カルボン酸基の約35%~約100%が、ナトリウムで中和されている。
イオノマー樹脂は、デュポン(DuPont)社から、サーリン(SURLYNTM)なる表品名およびエクソン(EXXON)社からイオテック(IotecTM)なる表品名の下で市販されている。低酸性イオノマー樹脂は、サーリン8940(Na)、サーリン9650(Zn)およびサーリン9910(Zn)を含むが、これらに限定されない。適当な低酸性イオノマーの更なる例、例えばエスコール(EscorTM) 4000/7030およびエスコール900/8000等は、米国特許第4,911,451号および同第4,884,814号に記載されている。これら特許の開示事項を、本明細書に参考として組み入れる。高酸性イオノマー樹脂は、サーリン8140(Na)およびサーリン8546(Li)を含み、これらはメタクリル酸含有率約19%を持つ。
本発明のブレンドにおいて使用するのに適した他のイオノマーは、ホモポリマー、コポリマー、またはブロックコポリマーイオノマー形状の、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリ(トリメチレンテレフタレート)、ポリスチレン、SBS、SEBS、およびポリウレタン等を包含する。
酸性コポリマー
本発明の組成物は、酸性コポリマーを基本成分とするものであり得る。例えば、酸-含有オレフィンコポリマーは、上で論じたロジンの何れかによって変性することができる。適当な酸-含有オレフィンコポリマーは、酸-含有エチレンコポリマー、酸-含有プロピレンコポリマー、酸-含有ブチレンコポリマー等を含むが、これらに限定されない。
酸-含有エチレンコポリマーの非-限定的な例は、エチレン/アクリル酸、エチレン/メタクリル酸、エチレン/アクリル酸/n-ブチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/n-ブチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/イソブチルアクリレート、エチレン/アクリル酸/イソブチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/n-ブチルメタクリレート、エチレン/アクリル酸/メチルメタクリレート、エチレン/アクリル酸/メチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/メチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/メチルメタクリレート、およびエチレン/アクリル酸/n-ブチルメタクリレートを含む。
高度にまたは十分(完全)に中和されたポリマー
本発明の組成物は、また高度に中和されたポリマー(HNP)または十分(完全)に中和されたポリマー(FNP)を基本成分とするものであり得る。ここで使用する、高度に中和されたポリマーでは、約70%を越えるその酸基が中和されている。一態様においては、該酸基の約80%またはそれ以上が中和されている。他の態様では、該酸基の約90%またはそれ以上が中和されている。例えば、脂肪酸から製造したHNPは、本発明の組成物において使用することができる。このようなHNPは、デュポン社からHPFなる名称の下で、市販品として入手できる。
また、米国特許公開2003/0225197号に記載されているように、処理上の問題点を回避するために、反応性処理助剤としての、オキサ-含有化合物を使用して、このHNPを製造することができる。特に、HNPは、酸性またはイオン性の基を含む熱可塑性樹脂成分、即ち酸性ポリマーまたは部分的に中和されたポリマーを、オキサ酸、オキサ塩、オキサエステル、またはこれらの組合わせ、および無機金属化合物あるいは有機アミン化合物との組合せで含むことができる。ここで使用する、部分的に中和されたポリマーとは、約10~約70%の中和された酸性基を含むポリマーを意味するものと理解すべきである。例えば、該HNPは、約10%~約30質量%なる範囲の量の少なくとも1種のオキサ酸、約70%~約90質量%なる範囲の量の少なくとも1種の熱可塑性樹脂成分、および約2%~約6質量%なる範囲の無機金属化合物、有機アミン、またはこれらの組合せを含むことができる。
本発明の一局面によれば、本発明の組成物は、完全に中和されたポリマーを基本成分とする。ここで使用するような、完全(十分)に中和されたポリマー、即ちFNPは、その酸性基の全て(100%)が中和されている。
ロジン-変性ポリマーの製造
本発明のロジン-変性ポリマーは、様々な方法で製造できる。例えば、これらのポリマーは、少なくとも1種の酸性コポリマーと適当なロジン材料とのその場での重合により製造でき、この生成物は、次いで適当なカチオンによる反応性加工処理されて、約10~100%なる範囲の該ポリマーの酸性基が中和される。当業者は、その場での重合が、前に製造したポリマー材料の存在下での、ポリマー材料の製造を意味し、また該カチオンを用いた反応性加工処理が、同一の反応器内で起るものであることを心得ている。加えて、この反応性加工処理は、以下においてより詳しく論じるように、更に有機酸および/または有機酸塩をも含むことができる。
本発明のロジン-変性ポリマーを製造するためのもう一つの適当な方法は、少なくとも1種の酸性コポリマー(あるいは該酸性コポリマーを製造するための成分)と、適当なロジン材料とを、一軸スクリュー押出機または二軸スクリュー押出機等のポリマー混合装置内で混合する工程を含む。一旦該ロジン-変性ポリマーを製造したら、適当な中和材料、例えばカチオンを添加する。上で議論した方法と同様に、有機酸および/または有機酸塩を、この時点において配合することもできる。
本発明のロジン-変性ポリマーの第三の製造方法は、適当な中和材料、例えばカチオンと混合する前に、ロジン材料と、別途中和されている、少なくとも1種の酸性コポリマーとを、手作業による混合または押出機を素通りさせることにより、混合する工程を含む。この方法において、該混合は、一軸スクリュー押出機または二軸スクリュー押出機等の、適当なポリマー混合装置を用いて行うことができる。この得られたロジン-変性ポリマーを、更に中和剤を用いて中和して、高度の中和度を達成する。
該ロジンおよび該ポリマーは、溶液としてブレンドすることができる。このブレンド法とは無関係に、該ロジンは、好ましくは該混合物全体を基準として、約5%~約50質量%なる範囲の量で含まれる。一態様において、該ロジンは、該混合物全体を基準として、約8%~約42質量%なる範囲の量で含まれる。他の態様では、該混合物は、該混合物を基準として、約10%~約40質量%なる範囲の量で含まれる。
添加剤
ロジンは短鎖ポリマーであるから、耐衝撃性改良剤は、本発明の組成物の耐衝撃強さを高めるために、添加することができる。しかし、当業者は、該ロジンおよびポリマーに対する相溶性をより高めるために、該耐衝撃性改良剤が官能基を含むことができ、あるいはこのような官能基を含むように、該耐衝撃性改良剤を改良する必要があることを認識するであろう。このような官能基を得るための一つの方法は、該耐衝撃性改良剤をグラフトすることである。
適当な耐衝撃性改良剤は、アルキルアクリレートを基本成分とするブロックコポリマー、例えばメチルメタクリレート-スチレン-ブタジエン(MMA-SBS)コポリマーまたはその水添誘導体、ビニル芳香族モノマーまたはその混合物を含むが、これらに限定されない。これら改良剤は、ホモポリマーおよびコポリマー両者、およびこれらの混合物を含み、該コポリマーはランダム、ブロック、ラジアルブロック、グラフト、コア-シェルコポリマーを含む。
一態様において、該アルキルアクリレートを基本成分とするブロックコポリマーは、以下に列挙するものを含む。即ち、以下の構造を持つホモポリマー:







Figure 2006320725
ここで、xは100〜100,000なる範囲の繰返し単位であり、R1、R2およびR3は独立に、H、アリール、またはCnH2n+1なる式(ここで、nは1〜6である)で表されるアルキル部分(即ち、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルおよびヘキシル)であり、またR4は、式CnH2n+1で表されるアルキル部分である;以下の構造を持つコポリマー:
Figure 2006320725
ここでxは約99〜約1質量%なる範囲にあり、yは約1〜約99質量%なる範囲にあり、R1、R2およびR3は独立に、H、アリール、またはCnH2n+1なる式(ここで、nは1〜6である)で表されるアルキル部分(即ち、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルおよびヘキシル)であり、またR4は、式CnH2n+1で表されるアルキル部分である;および以下の構造を持つターポリマー:
Figure 2006320725
ここでxは約98〜約1質量%なる範囲にあり、yは約1〜約98質量%なる範囲にあり、zは約1〜約10質量%なる範囲にあり、R1、R2、R3、R4、R5、R6、およびR7は独立に、H、アリール、またはCnH2n+1なる式(ここで、nは1〜6である)で表されるアルキル部分(即ち、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルおよびヘキシル)であり、またR8は、式CnH2n+1で表されるアルキル部分である。
該アルキルアクリレートを基本成分とするポリマーの例は、ポリ(メチルアクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチルアクリレート)、エチレン-メチルアクリレートコポリマー、およびエチレン-エチルアクリレートコポリマーを含むが、これらに限定されない。該耐衝撃性改良ポリマーは、またアクリレートを基本成分とするブロックコポリマーであっても良く、これはブロックメチルメタクリレート、ブロックメチルメタクリレート-スチレン-ブチレン、およびブロックメチルメタクリレート-スチレン-ブタジエンコポリマーを含むが、これらに限定されない。
これらの代表的な構造を以下に示す:
Figure 2006320725
適当なビニル芳香族モノマーは、ABおよびABA型のブロックおよびラジアルコポリマー並びにビニル芳香族共役ジエンコア-シェルグラフトコポリマーを含む。例えば、モノアルケニルアレンブロックおよび共役ジエンブロック、例えばブタジエンおよびイソプレン、またはオレフィンブロック、例えばエチレン-プロピレンおよびエチレン-ブチレンブロックを含むブロックコポリマーは、本発明の意図するものである。該共役ジエンブロック部分的にまたは完全に水添され、結果的にその性質はオレフィンブロックコポリマーの性質と類似する。
米国特許第3,078,254号、同第3,402,159号、同第3,297,793号、同第3,265,765号および同第3,594,452号(これら特許の開示事項全体を、参考としてここに組み入れる)は、本発明により耐衝撃性改良剤として使用するのに適したAB型のブロックコポリマーを与えており、その例は、ポリスチレン-ポリブタジエン(SBR)、ポリスチレン-ポリイソプレン、およびポリ(α-メチルスチレン)-ポリブタジエンを包含する。適当なABAトリブロックコポリマーは、米国特許第3,149,182号、同第3,231,635号、同第3,462,162号、同第3,287,333号、同第3,595,942号、同第3,694,523号、同第3,694,523号、および同第3,842,029号に記載されている。これら特許の開示事項全体を、参考として本明細書に組み入れる。
本発明について使用するのに適した、コア-シェル型のグラフトコポリマーは、主として共役ジエンのゴム状コアまたは主として架橋されたアクリレートのゴム状コアと、その上に重合され、かつモノアルケニルアレンおよび/またはアクリル酸モノマー単独、あるいは他のビニルモノマーとの組み合わせ由来の、1またはそれ以上のシェルを含む。適当なコア-シェル型のグラフトコポリマーは、PA、フィラデルフィアのローム&ハース社(Rohm & Haas Company)から、KM-611TM、KM-653TM、およびKM-330TMなる商品名の下で、市販品として入手できる。米国特許第3,808,180号、同第4,034,013号、同第4,096,202号、同第4,180,494号、および同第4,292,233号(これら特許の開示事項全体を、参考としてここに組み入れる)も、本発明について使用するのに適した、コア-シェル型のグラフトコポリマーについて論じている。
更に、本発明では、シリコーン-アクリレート耐衝撃性改良剤の使用をも意図している。米国特許公開2004/0162399号は、適当なシリコーン-アクリレート耐衝撃性改良剤を開示している。これら特許の開示事項全体を、参考として本明細書に組み入れる。他の適当な耐衝撃性改良剤は、チオコール(Thiokol)ゴム、ポリスルフィドゴム、ポリウレタンゴム、ポリエーテルゴム、例えばポリプロピレンオキシド、エピクロルヒドリンゴム、エチレン-プロピレンゴム、熱可塑性ポリエステルエラストマー、熱可塑性エーテル-エステルおよびエーテル-アミドエラストマー、およびこれらの組合せを含む。
好ましくは、該耐衝撃性改良剤は、約-100℃〜0℃なる範囲のガラス転移点(Tg)を持つ。一態様において、該耐衝撃性改良剤は、約-50℃〜約-25℃なる範囲のTgを持つ。別の態様では、該耐衝撃性改良剤のTgは、約-50℃〜約-30℃なる範囲にある。
更に、本発明の組成物は、少なくとも1種の物理化学的な発泡剤または起泡剤を添加することによって、発泡させることができる。この発泡ポリマーの使用により、ゴルフボールのデザイナーは、該ボールの密度または質量を調節して、慣性の角運動量、および結果的に該ボールのスピン速度およびその性能を調節することができる。発泡材料の使用は、またポリマー材料の使用量の低減により、経費節減をもたらす可能性がある。
有用な発泡剤または起泡剤は、有機発泡剤、例えばアゾビスホルムアミド;アゾビスイソブチロニトリル;ジアゾアミノベンゼン;N,N-ジメチル-N,N-ジ-ニトロソテレフタルアミド;N,N-ジ-ニトロソペンタメチレンテトラミン;ベンゼンスルホニル-ヒドラジド;ベンゼン-1,3-ジ-スルホニルヒドラジド;ジフェニルスルホン-3,3-ジスルホニルヒドラジド;4,4'-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド;p-トルエンスルホニルセミカルバジド;バリウムアゾジカルボキシレート;ブチルアミンニトリル;トリヒドラジノトリアジン;フェニル-メチル-ウランタン(uranthan);p-スルホンヒドラジド;パーオキシド;および無機発泡剤、例えば重炭酸アンモニウムおよび重炭酸ナトリウムを含むが、これらに限定されない。空気、窒素ガス、二酸化炭素ガス等のガスを、本発明の組成物中に、その射出成形工程中に、注入することもできる。
更に、本発明の発泡組成物は、該成形工程中にまたはその前に、該組成物と微小球とをブレンドすることにより製造できる。本発明においては、ポリマー、セラミックス、金属、およびガラス微小球が有用であり、また該微小球は、中実または中空および充填型または無充填であり得る。特に、径約1000μmまでの微小球が有用である。更に、米国特許第6,386,992号(この特許を、参考としてここに組み入れる)に記載されているように、発泡のための液体窒素の使用は、本発明において使用するための高度に均一に発泡された発泡組成物の製造を可能とする。
射出成形または圧縮成形を利用して、発泡ポリマー材料を含む層を形成することができる。例えば、本発明の組成物は、熱成形することができ、従って圧縮成形することができる。圧縮成形し、グラフト化し、メタロセン触媒処理したポリマーブレンド層に関連して、半-シェルは、公知の半-シェル型の金型内で、グラフト化し、メタロセン触媒で処理したポリマーブレンドを射出成形することにより、あるいは発泡し、グラフト化し、メタロセン触媒処理したポリマーのシートを圧縮成形することによって、製造できる。これらの半-シェルを、前に形成した中心部またはコア、カバー、またはマントル層の周りに配置し、またこのアセンブリーを圧縮成形装置に入れ、約121℃〜約204℃(約250〜約400°F)にて圧縮成形する。次いで、これらの成形したボールを、まだ金型内にある間に冷却し、最終的に、該グラフト化し、メタロセン触媒処理したポリマーブレンドの層が、変形無しに取扱い得るのに十分に硬化した際に、金型から取出す。次いで、付随的なコア、マントル、およびカバー層を、前に形成した層上に、完全なボールが製造されるまで、必要に応じて成形する。
フィラーを本発明の組成物に添加して、レオロジーおよび混合特性、比重(即ち、密度調節フィラー)、モジュラス、引裂強さ、強化等に影響を及ぼすことも可能である。これらのフィラーは、一般に無機物質であり、適当なフィラーは、多くの金属、金属酸化物および塩、例えば酸化亜鉛および酸化錫、並びに硫酸バリウム、硫酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、クレー、タングステン、炭化タングステン、シリカアレイ、リグラインド(典型的に約30メッシュ粒子まで粉砕された再利用コア材料)高-ムーニー粘度ゴムリグラインド、およびこれらの混合物を包含する。
例えば、本発明の組成物は、当業者には公知であるように、広範囲の密度調節フィラー、例えばセラミックス、ガラス球(中実、中空、および充填または無充填)、および繊維、無機粒子、および金属粒子、例えば金属フレーク、金属粉末、酸化物、およびその誘導体とブレンドすることにより、強化することも可能である。このようなフィラーの選択は、以下においてより詳しく説明するように、所定のゴルフボールの型、即ちワンピース、ツーピース、多成分、または糸巻型等に依存する。一般に、フィラーは、4g/ cm3を越える密度を持つ無機物質であり、また問題とする層内に含まれるポリマー成分の全質量を基準として、約5〜約65質量%なる範囲の量で存在するであろう。有用なフィラーの例は、酸化亜鉛、硫酸バリウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、およびシリカ、並びに他の公知の対応する塩およびその酸化物を包含する。
フィラーは、特製ボールの、コアまたは少なくとも一つの追加の層の質量を調節するのに使用することもでき、例えば低質量のボールが、スイングスピードの低い競技者にとって好ましい。
他のゴルフボール組成物において従来含まれている追加の材料を、本発明の組成物にも含めることができる。例えば、酸化防止剤、安定化剤、軟化剤、内部および外部可塑剤を含む可塑剤、強化材料、および相溶化剤は、本発明の任意の組成物にも添加することができる。当業者は、これら添加剤の使用目的およびこれら目的を満たすのに使用すべきその量を認識している。
組成物ブレンド
本発明のロジン-変性ポリマーは、他の適当な材料とのブレンド中に存在し得る。例えば、これらのロジン-変性ポリマーは、公知のイオノマー、高度に中和されたポリマー、および他の適当な熱可塑性材料とブレンドすることができる。
本発明の組成物は、好ましくは本発明の該ロジン-変性ポリマーを基準として、約1%〜約100%なる範囲の量で含まれる。一態様において、この組成物は、該ロジン-変性ポリマーを基準として、約10%〜約90%なる範囲、好ましくは該ロジン-変性ポリマーを基準として、約10%〜約75%なる範囲の量で含まれ、また約90〜約10%なる範囲、より好ましくは約90〜約25%なる範囲の量で、以下に詳述するような、他のポリマーおよび/または他の材料を含む。特に述べない限り、全ての%は、問題とするゴルフボール層の、全組成物の質量を基準とする、質量%単位で与えられている。
本発明の組成物とブレンドするのに適した、他のポリマー材料は、注型適正を持つ熱可塑性の、カチオン性およびアニオン性ウレタンイオノマーおよびウレタンエポキシ樹脂、ポリウレタンイオノマー、ポリウレアイオノマー、エポキシ樹脂、ポリエチレン、ポリアミドおよびポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリリン(polyacrylin)、シロキサンおよびエポキシ樹脂またはこれらのブレンド、およびこれらの混合物を含む。当業者は、これらのポリマー材料と本発明の組成物との混合方法について、十分に認識しているはずである。
適当なウレタンイオノマーの例は、米国特許第5,692,974号に記載されている。この特許の開示事項全体を、参考として本明細書に組み入れる。適当なポリウレタンの他の例は、米国特許第5,334,673号に記載されている。この特許の開示事項全体を、参考として本明細書に組み入れる。上に列挙したポリウレアイオノマーの製造において適したポリウレアの例は、米国特許第5,484,870号において論じられている。特に、米国特許第5,484,870号に記載のポリウレアは、ポリイソシアネートおよびポリアミン硬化剤を反応させて、ポリウレアを生成することによって調製され、これらは、ポリウレアプレポリマーと硬化剤とから製造される、本発明のポリウレアとは異なる。エポキシ基含有硬化剤で硬化された適当なポリウレタンの例は、米国特許第5,908,358号に記載されている。上記特許の開示事項全体を、参考として本明細書に組み入れる。
本発明の組成物は、また少なくとも1種の高度に中和されたポリマーまたは完全に中和されたポリマーとのブレンド状態にあってもよい。ブレンドに含めるのに適したHNPは、有機脂肪酸によって高度に中和されている、α,β-不飽和カルボン酸基またはその塩を含むポリマーを含むが、これらに限定されない。該有機酸は、脂肪族、単官能性(飽和、不飽和または多重不飽和)有機酸である。これら有機酸の塩を使用することも可能である。本発明で使用する有機酸の塩は、バリウム、リチウム、ナトリウム、亜鉛、ビスマス、クロム、コバルト、銅、カリウム、ストロンチウム、チタン、タングステン、マグネシウム、セシウム、鉄、ニッケル、銀、アルミニウム、錫、またはカルシウムの塩、脂肪酸、特にステアリン酸、ベヘン酸、エルカ酸、オレイン酸、リノレン酸、またはこれらのダイマー化誘導体の塩を包含する。本発明で使用する有機酸および塩は、比較的非-移動性であり(周囲温度条件下で、ポリマーの表面にブルーミングを起こすことがない)および非-揮発性である(溶融ブレンドに必要な温度において揮発しない)ことが好ましい。典型的にエチレンを基本成分とする、該HNPの酸性部分は、約70%を越えて、より好ましくは約90%を越えて、また最も好ましくは少なくとも約100%、中和されている。
組成物の諸特性
上で簡単に説明したように、本発明のロジン-変性ポリマー組成物は、公知のイオノマーの曲げ弾性率よりも大きな曲げ弾性率を持つことが好ましい。当業者には知られているように、材料に依存して、該曲げ弾性率値は、様々な時点において測定した場合には異なる。従って、一態様において、本発明の組成物の曲げ弾性率は、40時間において、約344.5MPa(約50,000psi)を越える。別の態様においては、本発明の組成物の曲げ弾性率は、40時間において、約413.4MPa〜約826.8MPa(約60,000〜約120,000psi)なる範囲、好ましくは40時間において、約482.3MPa〜約826.8MPa(約70,000〜約120,000psi)なる範囲にある。例えば、本発明の組成物は、40時間後において、約551.2MPa〜約757.9MPa(約80,000〜約110,000psi)なる範囲の曲げ弾性率を持つ。曲げ弾性率は、ASTM D-790およびASTM D6272-02(50%相対湿度、23℃)に従って測定する。本発明の組成物の曲げ弾性率は、時間の経過に伴って増大する。例えば、本発明の組成物の曲げ弾性率は、2週間後には、約10%またはそれ以上増大する。一態様において、該曲げ弾性率は、2週間後には、約15%またはそれ以上増大する。別の態様においては、本発明の組成物は、その剛性、即ち曲げ弾性率において、2週間後には、約20%またはそれ以上増大する。例えば、該ロジン-変性ポリマー組成物の曲げ弾性率は、2週間後には、約25%またはそれ以上増大する。
それ故に、一態様においては、本発明の組成物の曲げ弾性率は、2週間後には、約413.4MPa(約60,000psi)を越える。別の態様では、本発明の組成物の曲げ弾性率は、2週間後には、約482.3MPa(約70,000psi)を越え、好ましくは2週間後には、約516.8MPa(約75,000psi)を越える。例えば、本発明の組成物は、2週間後には、約551.2MPa(約80,000psi)を越える曲げ弾性率を持つ。更に別の態様では、本発明の組成物の曲げ弾性率は、2週間後には、約585.7MPa〜約654.6MPa(約85,000〜約95,000psi)なる範囲内にある。更に別の態様では、本発明の組成物の曲げ弾性率は、2週間後には、約620.1MPa〜約792.4MPa(約90,000〜約115,000psi)なる範囲内にある。
該組成物が、該ロジン-変性ポリマーと別のポリマーとのブレンドである場合、その曲げ弾性率は、該ロジン-変性ポリマーのみを含む本発明の組成物の値よりも低い可能性がある。例えば、80/20なる割合の、ロジン-変性ポリマーと高度に中和されたポリマーとのブレンドは、40時間後に、約310.1MPa(約45,000psi)またはそれ以上、および2週間後には、約344.5MPa〜約620.1MPa(約50,000〜約90,000psi)なる範囲の曲げ弾性率値を与えることができる。一態様において、80/20なる割合の、ロジン-変性ポリマーと高度に中和されたポリマーとのブレンドは、2週間後には、約379.0MPa〜約482.3MPa(約55,000〜約70,000psi)なる範囲の曲げ弾性率値を持つ組成物を与える。
本発明の組成物の硬さは、好ましくは約50ショアD〜約80ショアDなる範囲にある。一態様において、本発明の組成物は、約60ショアD〜約75ショアDなる範囲内の、ショアD硬さを持つ。
ゴルフボールの構成
上で簡単に論じたように、本発明の組成物は、ゴルフボールの所定性能の型に依存して、ワンピース、ツーピース、スリーピース、およびフォーピース設計、二重コア、二重カバー、中間層、多層コア、および/または多層カバーを含むが、これらに限定されない、任意の型のボール構成と共に利用することができる。即ち、本発明の組成物は、ゴルフボールのコア、中間層および/またはカバーにおいて使用することができ、その各々は、単一相または多層構造を持つことができる。
ここで使用する用語「多層」とは、少なくとも2つの層を意味する。例えば、該コアは、ワンピースコアまたは多層コア、即ち最内層成分と、その上に設けられた、1または複数の付随的なコア層とを含むコアであり得る。ここで使用する用語「コア」および「中心(部)」とは、一般に該ボールの最内層成分を表すために互換的に使用される。しかし、幾つかの態様においては、この用語「中心(部)」とは、多数のコア層、即ち中心および外側コア層が存在する場合に、使用される。
本発明のゴルフボールが、同様に1層を越える層を含む中間層を含む場合には、この中間層は、単一カバーまたは多層カバーに、単一コアまたは多重ピースコアに、単層カバーおよびコア両者に、あるいは多層カバーおよび多層コア両者に、組込むことができる。該中間層は、また内側カバー層または外側コア層、あるいはゴルフボールの内側コアと外側カバーとの間に配置された任意の他の層を意味するものであっても良い。
図1を参照すると、本発明のゴルフボール2は、中心部4および該中心部4を取巻くカバー6を含むことができる。図2を参照すると、本発明のゴルフボール8は、中心部10、カバー14、および該カバーと該中心部との間に設けられた、少なくとも一つの中間層12を含むことができる。図1または2における該カバーおよび中心層各々は、1層以上を含むことができ、即ちこのゴルフボールは、公知のスリーピース糸巻ボール、ツーピースボール、多層コアと1または複数の中間層とをもつボール等であり得る。また、図3は、大きなコア18、カバー22、および内側カバー層20を含む、本発明のゴルフボール16を示す。一態様において、該コア18は、中心および外側コア層を含む。
別の態様では、図4に示すように、本発明のゴルフボール24は、内側カバー層30および外側カバー層32の下部に設けられた、中心26と中間層28とを含む大きなコア層を含むことができる。更に、ここに詳細に示した図の何れも、該ゴルフボールの中心部とコアとの間に、随意の糸巻き層が配置された態様を含むことができる。
本発明について使用することのできるボール構成の適当な型の、非-限定的な他の例は、米国特許第6,056,842号、同第5,688,191号、同第5,713,801号、同第5,803,831号、同第5,885,172号、同第5,919,100号、同第5,965,669号、同第5,981,654号、同第5,981,658号および同第6,149,535号、並びに公開特許US2001/0009310 A1、US2002/0025862およびUS2002/0028885に記載されているものを含む。これら特許および公開された特許出願の開示事項全体を、参考として本明細書に組み入れる。
ゴルフボールコア層
本発明に従って製造したゴルフボールの該コアは、中実、半-固体、中空、流体充填または粉末充填式の、ワンピースまたは多成分コアであり得る。ここで使用する用語「流体」とは、液体、ペースト、ゲル、ガス、またはこれらの任意の組合わせを含み、また用語「流体充填」とは、中空中心またはコアを含み、また用語「半-固体」とは、ペースト、ゲル等を意味する。
当業者にとって公知の任意のコア材料が、本発明のゴルフボールにおいて使用するのに適している。適当なコア材料は、熱硬化性材料、例えばゴム、スチレンブタジエン、ポリブタジエン、イソプレン、ポリイソプレン、トランス-イソプレン、並びに熱可塑性材料、例えばイオノマー樹脂、ポリアミドまたはポリエステル、および熱可塑性並びに熱硬化性ポリウレタンエラストマー材料を含む。例えば、未-硬化状態において、典型的には約20を越える、好ましくは約30を越える、およびより好ましくは約40を越える、ムーニー粘度(ASTM D1646-99に従って測定)を持つブタジエンゴムを、本発明に従って製造したゴルフボールの、1またはそれ以上のコア層において使用することができる。更に、本発明で使用する上記ロジン-変性ポリマーを、該コアを含む、ゴルフボールの任意の成分中に配合することができる。
しばしば二者択一的にフリーラジカル開始剤とも呼ばれる、フリーラジカル源を、場合により該コア、あるいは本発明のゴルフボールの1またはそれ以上の層において、特にポリマー成分が熱硬化性材料を含む場合に使用できる。例えば、該フリーラジカル源は、好ましくはパーオキシド、より好ましくは有機パーオキシドである。このパーオキシドは、典型的には該ポリマー成分全体の100部当たり、約0.1部を越える量で、好ましくは該ポリマー成分100部当たり、約0.1〜15部なる範囲、およびより好ましくは該ポリマー成分全体の100部当たり、約0.2〜5部なる範囲の量で存在する。当業者は、幾つかの成分の存在が、ここに記載した量よりも多量のフリーラジカル源を必要とする可能性があることを理解すべきである。このフリーラジカル源は、二者択一的にまたは付随的に、電子ビーム、UVまたはγ-輻射腺、X-腺またはフリーラジカルを発生し得る任意の他の高エネルギー輻射線源であっても良い。更に、フリーラジカル開始剤としてパーオキシドを使用した場合には、熱の使用が、しばしばフリーラジカルの発生を容易にすることをも、理解すべきである。
ゴルフボールの中間層
本発明のゴルフボールが、中間層、例えば内側カバー層または外側コア層、即ちゴルフボールの内側コアと外側カバーとの間に設けられた任意の層を含む場合、この中間層は、当業者には公知の、熱可塑性および熱硬化性材料を包含する任意の材料を含むことができる。一態様において、この中間層は、少なくとも部分的に、本発明のロジン-変性ポリマーから製造する。
該中間層は、また少なくとも部分的に、1またはそれ以上のホモポリマーまたはコポリマー材料、例えばイオノマー、本来的にまたは完全に非-イオノマー性の熱可塑性材料、ビニル樹脂、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリウレア、例えば米国特許第5,484,870号に記載されているもの、ポリアミド、アクリル樹脂およびそのブレンド、オレフィン系熱可塑性ゴム、スチレンとブタジエンとのコポリマー、イソプレンまたはエチレン-ブチレンゴム、コポリ(エーテルアミド)、例えばPA、フィラデルフィアのアトフィナケミカルズ社(Atofina Chemicals, Inc.)によって市販されているPEBAX、ポリフェニレンオキシド樹脂またはそのブレンド、および熱可塑性ポリエステル等から製造できる。
例えば、この中間層は、低酸性イオノマー、例えば米国特許第6,506,130号および同第6,503,156号に記載されているもの、高酸性イオノマー、高度に中和されたポリマー、例えばUS特許出願公開2001/0018375および2001/0019971に記載されているもの、またはこれらの混合物で作ることができる。この中間層は、また米国特許第5,688,191号に記載の組成物から製造できる。これら特許および特許出願公開の開示事項全体を、特に参考として本明細書に組み入れる。
一態様において、該中間層は、米国特許第6,632,147号に記載されているように、防湿層であってもよい。従って、本発明のゴルフボールは、そのカバーよりも低い水蒸気透過率を持つ中間層を含むことができ、また更にこの中間層の主成分は、ポリブタジエン、天然ゴム、ブチルゴムを主成分とするゴム、アクリル系樹脂、トランス-ポリイソプレン、ネオプレン、塩素化したポリエチレン、バラタ、多層熱可塑性フィルム、イオノマーのブレンド、ポリビニルアルコールコポリマーおよびポリアミド、およびポリエーテルアミンの酸性塩の分散物を含む材料から作られる。他の態様では、本発明のゴルフボールは、本発明の組成物から製造した中間層または内側カバー層、および追加の防湿層を含む。
この中間層は、また張力を掛けた加工糸材料から形成した糸巻き層を含むこともできる。この加工糸は、単層であり得、また2またはそれ以上の層を含むこともできる。適当な加工糸材料は、繊維、ガラス、炭素、ポリエーテルウレア、ポリエーテルブロックコポリマー、ポリエステルウレア、ポリエステルブロックコポリマー、シンジオタクチック-またはアイソタクチック-ポリ(プロピレン)、ポリエチレン、ポリアミド、ポリ(オキシメチレン)、ポリケトン、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(p-フェニレンテレフタルアミド)、ポリ(アクリロニトリル)、ジアミノジシクロヘキシルメタン、ドデカンジカルボン酸、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン-ブタジエンコポリマー、スチレン-プロピレン-ジエンコポリマー、他の合成ゴム、またはブロック、グラフト、ランダム、交互、ブラシ、マルチ-アームスター(multi-arm star)、分岐、または樹枝状コポリマー、またはこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。当業者は、本発明について使用する加工糸材料の製法については、熟知しているはずである。
ゴルフボールのカバー層
このカバーは、該ボールとクラブとの間の界面を与える。このカバーに対して望ましい諸特性は、とりわけ、良好な成形性、高い磨耗抵抗性、高い耐衝撃性、高い引裂強さ、高いレジリエンス、および良好な離型性である。このカバー層は、少なくとも部分的に、本発明のロジン-変性ポリマーから製造することができる。
しかし、本発明のロジン-変性ポリマーを、コアまたは中間/内側カバー層に配合した場合には、該カバーは、該中間層に関連して、上記の章において論じたような、1またはそれ以上のホモポリマーまたはコポリマー材料から製造することができる。該カバーは、また少なくとも部分的に、該コアとの関連で上において論じたような、ポリブタジエン反応生成物から製造できる。
層の製造
本発明のゴルフボールは、様々な応用技術、例えば圧縮成形、フリップ成形(flip molding)、射出成形、格納式ピン(retractable pin)射出成形、反応射出成形(RIM)、液体射出成形(LIM)、注型、真空成形、粉末被覆、流し塗り、回転塗布、浸漬、噴霧等を利用して製造できる。従来、圧縮成形および射出成形は、熱可塑性材料に適用され、一方でRIM、液体射出成形、および注型は、熱硬化性材料に対して使用されていた。これらのおよびその他の製法は、米国特許第6,207,784号および同第5,484,870号に記載されている。これら特許の開示事項全体を、参考として本明細書に組み入れる。
本発明のコアは、当業者には公知の任意の適当な方法で製造できる。これらコアを、熱硬化性材料から製造する場合、圧縮成形法が、特に適した該コアの製法である。他方、熱可塑性コアを含む態様では、該コアは、射出成形することができる。更に米国特許第6,180,040号および同第6,180,722号は、二重コアを持つゴルフボールの製法を開示している。これら特許の開示事項全体を、参考として本明細書に組み入れる。
上記中間層も、当業者には公知の任意の適当な方法で製造できる。例えば、吹込み成形によって、該中間層を製造し、また射出成形、圧縮成形、注型、真空成形、粉末被覆等の技術によって形成した、ディンプルのあるカバー層で覆うことができる。この中間層を、本発明のロジン-変性ポリマー組成物で製造した場合、例えばその成分を、先ずポリマー混合装置、例えば一軸スクリューまたは二軸スクリュー押出機で混合し、次いでこれを内側ボール上に射出成形することができる。
様々なディンプルパターンおよびプロフィールを、比較的効果的な方法で与え、ゴルフボールの空力的な諸特性を改善する。それ故に、該ボール上に該ディンプルを配列する方法は、利用可能な任意の方法であり得る。例えば、該ボールは、米国特許第4,560,168号に記載されているような、二十面体を基本とするパターンまたは米国特許第4,960,281号に記載されているような、八面体を基本とするディンプルパターンを持つことができる。本発明によって製造されるゴルフボールは、典型的に約60を越える、好ましくは約65%を越える、およびより好ましくは約70%を越えるディンプル被覆率を持つであろう。
ゴルフボールの後処理
本発明のゴルフボールは、更なる利益を得るために塗装し、被覆し、あるいは表面処理することができる。例えば、ゴルフボールを、ウレタン、ウレタンハイブリッド(urethane hybrids)、ウレア、ウレアハイブリッド(urea hybrids)、エポキシド、ポリエステル、アクリル系樹脂、またはこれらの混合物で被覆して、極めて平滑な、粘着性を持たない表面を得ることができる。所望により、1層を越える被覆層を使用することもできる。該被覆層は、当業者には公知の任意の適当な方法で適用できる。一態様において、該被覆層は、金型内被覆法、例えば米国特許第5,849,168号に記載されている方法により、該ゴルフボールに適用することができる。この特許の開示事項全体を、参考として本明細書に組み入れる。
ゴルフボールの特性
諸特性、例えばコア径、中間層およびカバー層の厚み、硬さ、および圧縮率は、本発明のゴルフボールのスピン、初期速度および感触等の競技特性に影響を与えることが分かっている。
部品の寸法
ゴルフボール部品の寸法、即ち厚みおよび径は、所定の特性に応じて変えることができる。本発明の目的にとって、任意の層の厚みを用いることができる。例えば、ゴルフボールは、サイズおよび質量に関する、USGAの基準を満たすことが好ましいが、本発明は、任意のサイズのゴルフボールに関連する。USGAによる「ザルールオブゴルフ(The Rules of Golf)」は、競技用ゴルフボールのサイズを、約4.267cm(約1.680 in)を越える径に限定する規格値を指定しているが、レジャー用のゴルフ競技に対しては、任意のサイズを持つゴルフボールを使用できる。ゴルフボールの好ましい径は、約4.267cm〜約4.470cm(約1.680〜約1.760 in)なる範囲にある。約43mm(約1.680 in)〜約44mm(約1.760 in)なる範囲の径が、最も好ましいが、約4.318cm(1.700 in)〜約4.953cm(約1.950 in)なる範囲の何れかの径を利用することができる。好ましくは、該コアと、全ての中間層との全体としての径は、完成されたボールの全径の、約80%〜約98%なる範囲にある。該コアは、約1.27cm(約0.5 in)〜約4.19cm(約1.65 in)なる範囲の径を持つことができる。一態様において、本発明のコアの径は、約3.05cm(約1.2 in)〜約4.14cm(約1.630 in)なる範囲にある。別の態様では、該コアの径は、約3.30cm(約1.3 in)〜約4.06cm(約1.6 in)なる範囲、好ましくは約3.53cm(約1.39 in)〜約4.06cm(約1.6 in)なる範囲およびより好ましくは約3.81cm(約1.5 in)〜約4.06cm(約1.6 in)なる範囲にある。更に別の態様では、該コアは、約3.94cm(約1.55 in)〜約4.19cm(約1.65 in)なる範囲の径を持つ。一態様において、該コアの径は、約4.04cm(約1.59 in)またはそれ以上である。別の態様においては、該コアの径は、約4.17cm(約1.64 in)またはそれ以下である。
該コアが、内側コア層および外側コア層を含む場合、該内側コア層は、好ましくは約2.29cm(約0.9 in)またはそれ以上の厚みを持ち、また該外側コア層は、約0.254cm(約0.1 in)またはそれ以上の厚みを持つ。一態様において、該内側コア層は、約2.29mm(約0.09 in)〜約3.05cm(約1.2 in)なる範囲の径を持ち、また該外側コア層は、約0.254cm(約0.1 in)〜約2.03cm(約0.8 in)なる範囲の厚みを持つ。更に別の態様では、該内側コア層の径は、約1.27cm(約0.5 in)〜約2.79cm(約1.1 in)なる範囲にあり、また該外側コア層は、約0.508cm(約0.2 in)〜約0.762mm(約0.03 in)なる範囲の厚みを持つ。
該カバーは、典型的に十分な強度、良好な性能特性、および耐久性を与える厚みを持つ。一態様において、該カバーの厚みは、約0.508mm(約0.02 in)〜約0.305cm(約0.12 in)、好ましくは約0.254cm(約0.1 in)以下である。もう一つの態様において、該カバーの厚みは、約1.27mm(約0.05 in)以下、好ましくは約0.508mm(約0.02 in)〜約1.27mm(約0.05 in)なる範囲、およびより好ましくは約0.508mm(約0.02 in)〜約1.14mm(約0.045 in)なる範囲にある。
ゴルフボール中間層の厚みの範囲は、中間層を使用した場合の大きな可能性、即ち外側コア層、内側カバー層、糸巻き層、水分/蒸気遮断層としての可能性のために、大きくなる。本発明のゴルフボールにおいて使用する場合、該中間層または内側カバー層は、約0.762cm(約0.3 in)以下の厚みを持つことができる。一態様において、該中間層の厚みは、約0.0508mm(約0.002 in)〜約2.54mm(約0.1 in)なる範囲、好ましくは約0.254mm(約0.01 in)またはそれ以上である。別の態様では、該中間層の厚みは、約1.27mm(約0.05 in)以下、より好ましくは約0.254mm(約0.01 in)〜約1.14mm(約0.045 in)なる範囲にある。
硬さ
本発明の組成物を含むゴルフボールの層は、好ましくは約50ショアDを越える硬さを持つ。特に、当業者は、「材料の硬さ」と「ゴルフボールについて直接測定した硬さ」との間に基本的な違いがあることを理解すべきである。材料の硬さは、ASTM-D2240-00に示された手順により規定され、また一般には硬さを測定すべき材料で作成した、平坦な「スラブ」または「ボタン」の硬さの測定を含む。一般的に、ASTM-D2240-00は、ジュロメータの較正を必要とし、この装置のスケールの読みは、0〜100なる範囲にある。しかし、10以下または90以上の読みは、ASTM-D2240-00に注記されているように、信頼性が無いものと考えられ、従って本明細書における全ての硬さ値は、10〜90なる範囲内にある。
一態様において、本発明の組成物の材料硬さは、約55ショアD〜約80ショアD硬さなる範囲にある。別の態様では、この組成物は、約60ショアD〜約75ショアDなる範囲の材料硬さを持つ。
本発明のゴルフボールに含まれるコアは、特定のゴルフボール構造に依存して、変動する硬さを持つことができる。一態様において、該コアの硬さは、少なくとも約15ショアD、好ましくは製造した球について測定した値で、少なくとも約30ショアAである。別の態様では、該コアは、約50ショアA〜約90ショアDなる範囲の硬さを持つ。更に別の態様では、該コアの硬さは、約80ショアD以下である。好ましくは、該コアは、約30〜約65ショアDなる範囲の硬さを持ち、およびより好ましくは、該コアは約35〜約60ショアDなる範囲の硬さを持つ。
本発明の中間層は、また該ボールの特定の構成に応じて変えることができる。一態様において、この中間層の硬さは、約30ショアD以上である。別の態様では、この中間層の硬さは、約90ショアD以下、好ましくは約80ショアD以下、およびより好ましくは約70ショアD以下である。更に別の態様では、該中間層の硬さは、約50ショアD以上、好ましくは約55ショアD以上である。一態様において、該中間層の硬さは、約55ショアD〜約65ショアDなる範囲にある。該中間層の硬さは、また約65ショアD以上であってもよい。例えば、本発明のゴルフボールは、約60ショアD〜約75ショアDなる範囲の硬さを持つ、本発明のロジン-変性ポリマー組成物で作られた、内側カバーを含むことができる。
該コアおよび中間層と同様に、該カバーの硬さは、その構成に応じて変えることができる。カバーの硬さ対内側ボールの硬さの比は、ボールの空力的特性、特にボールのスピンを調節するために使用される、主な変数である。一般的に、該内側ボールが固いほど、ドライバーによる打球のスピンが大きく、かつ該カバーが柔軟であるほど、ドライバースピンは大きくなる。
例えば、該中間層が該ボールにおける最も固い(例えば、約60ショアD〜約75ショアDなる範囲)点となるようにした場合、該カバー材料は、そのスラブについて測定した値として、約20ショアD以上、好ましくは約25ショアD以上およびより好ましくは約30ショアD以上の硬さを持つ。他の態様では、該カバー自身は、約30ショアD以上の硬さを持つ。特に、該カバーの硬さは、約30ショアD〜約70ショアDなる範囲内の値であり得る。一態様において、該カバーは、約40ショアD〜約65ショアDなる範囲の硬さを持ち、また別の態様では、約40ショアD〜約55ショアDなる範囲の硬さを持つ。本発明の別の局面においては、該カバーは、約45ショアD未満、好ましくは約40ショアD未満、およびより好ましくは約25ショアD〜約40ショアDなる範囲の硬さを持つ。一態様において、該カバーは、約30ショアD〜約40ショアDなる範囲の硬さを持つ。
圧縮
圧縮値は、測定すべき部品の径に依存する。本発明により製造したゴルフボールの該コアまたは該コアの部分に関するアッチ圧縮は、好ましくは約80未満、より好ましくは約75未満である。ここで用いる用語「アッチ圧縮」または「圧縮」とは、アッチコンプレッションゲージ(Atti Compression Gauge)により測定した、較正されたバネの撓みに対する、ある物体または材料の撓みとして定義される。ここで、該ゲージは、NJユニオンシティーのアッチエンジニアリング社(Atti Engineering Corp.)から市販品として入手できる。アッチ圧縮は、典型的にゴルフボールの圧縮を測定するために使用される。もう一つの態様においては、該コアの圧縮は、約40〜約80なる範囲、好ましくは約50〜約70なる範囲にある。更に別の態様において、該コアの圧縮は、好ましくは約50以下、およびより好ましくは約25以下である。
別の低圧縮の態様では、該コアは、約20未満、より好ましくは約10未満、および最も好ましくは0なる圧縮を有する。しかし、当業者は熟知しているように、本発明により作られたコアの圧縮は、該アッチコンプレッションゲージの測定値以下であり得る。
一態様において、本発明のゴルフボールは、約55以上、好ましくは約60〜約120なる範囲のアッチ圧縮を持つ。別の態様では、本発明のゴルフボールのアッチ圧縮は、少なくとも約40、好ましくは約50〜約120なる範囲、およびより好ましくは約60〜100なる範囲にある。更に別の態様では、本発明のゴルフボールの圧縮は、約75以上および約95以下である。例えば、本発明の好ましいゴルフボールは、約80〜約95なる範囲の圧縮を持つことができる。
復元係数(COR)
本発明は、約38.1m/秒(約125ft/秒)なる復帰速度において、約0.700〜約0.850なる範囲のCORを持つゴルフボールを目的とする。一態様において、このCORは、約0.750以上、好ましくは約0.780以上である。別の態様では、該ボールは、約0.800以上のCORを持つ。更に別の態様では、本発明のゴルフボールのCORは、約0.800〜約0.815なる範囲にある。
あるいはまた、このボールの最大CORは、USPGA等の規制団体により設定された、初期速度要件を越えるゴルフボールを与えないものである。ここで使用する用語「復元係数」(COR)は、ゴルフボールを空気砲で発射させた際に、獲得する速度で、該ゴルフボールのリバウンド速度を割ることによって算出される。このCORテストは、ある範囲の獲得速度に渡り行われ、約38.1m/秒(約125ft/秒)なる復帰速度において、決定される。このレジリエンスの他の測定値は、「損失正接」またはtanδであり、これはある対象の動的剛性を測定した際に得られる。損失正接およびこのような動的特性に関連する述語は、典型的にASTN D4092-90に従って記載される。このように、より低い損失正接は、より高い弾性を示し、結果としてより高いリバウンド能力を示す。低い損失正接は、クラブからゴルフボールに与えられたエネルギーの殆どが、動的なエネルギー、即ち推進速度に変換され、より長い飛距離をもたらすことを示す。ゴルフボールの剛性または圧縮剛性は、例えばその動的剛性により測定される。より高い動的剛性は、より高い圧縮剛性を表す。所定の圧縮剛性を持つゴルフボールを製造するためには、架橋された材料の動的剛性は、-50℃において約50,000N/m未満であるべきである。好ましくは、該動的剛性は、-50℃において約10,000〜約40,000N/mなる範囲、より好ましくは-50℃において約20,000〜約30,000N/mなる範囲とすべきである。
スピン速度
ゴルフボールのスピン速度は、飛翔中の、該ボールの軸におけるスピンの速度を意味し、1分間当たりの回転数(rpm)単位で測定される。スピンは上昇をもたらし、従ってスピン速度は、ゴルフボールが如何に飛ぶか、および着地後に如何に迅速に停止するかに、直接影響する。ここに記載するゴルフボールは、適当なコントロール用ゴルフボールおよびゴルフクラブを使用して、初めに設定されたテスト条件により、スピン速度を測定すべくテストすることができる。例えば、標準的なゴルフドライバーで打撃を与えたゴルフボールのスピン速度は、タイトリストピナクルゴルフ(Titleist Pinnacle Golf)社のゴルフボールに対するテスト条件を用いて得た。このボールは、約255.8〜約259.0km/時(約159〜約161マイル/時)なるボール速度、約9.0度〜約10.0度なる推進角度、および約2900〜約3100rpmなる範囲のスピン速度を与える。従って、一態様において、同一の条件下でゴルフクラブドライバーで打撃した際の、本発明のゴルフボールのスピン速度は、約1200〜約4000rpmなる範囲にある。好ましい態様において、ゴルフクラブドライバーで打撃したゴルフボールのスピン速度は、約2000〜約3500rpmなる範囲、より好ましくは約2500〜3100rpmなる範囲にある。
8番アイアンによるボールスピンテストに関連して、標準的な8番アイアンクラブで打撃したゴルフボールのスピン速度は、タイトリストプロ(Titleist Pro) V1ゴルフボールに関するテスト条件を用いて得た。このボールは、約183.4〜約186.6km/時(約114〜約116マイル/時)なるボール速度、約18.5度〜約19.5度なる推進角度、および約8100〜約8300rpmなる範囲のスピン速度を与える。このように、一態様において、平均的な、クリーンに打撃した8番アイアンショットによる、ゴルフボールのスピン速度は、5500rpm〜10,000rpmなる範囲にある。好ましい一態様において、同一のテスト条件下で、平均的に、クリーンに打撃した8番アイアンショットによる、ゴルフボールのスピン速度は、6000rpm〜8500rpmなる範囲、より好ましくは約6500〜約7500rpmなる範囲にある。
水分、蒸気の透過度
本発明の組成物から形成したゴルフボール部分の水分蒸気透過度は、吸収、例えば特定条件下での質量増加またはサイズ増加によって、および透過度、例えばASTM E96-00による水分蒸気透過率(MVTR)によって表すことができる。MVTRは、特定の温度および湿度の差における単位面積当たり、かつ単位時間当たりの、所定の厚みを持つ物質内に拡散する水蒸気の質量を意味する。例えば、100%相対湿度および約22.2℃(72°F)における、7週間なる期間に渡り監視した、ゴルフボール部分の質量変化は、どのボールがより良好な耐水性をもつかを明らかにするのに役立つ。一態様において、本発明のゴルフボール部分は、7週間後に約0.15g以下という質量増加を示す。別の態様においては、本発明のゴルフボールは、7週間の保存期間後に、約0.13g以下という質量増加を示す。更に別の態様では、本発明のゴルフボールの質量増加は、7週間後に約0.09g以下である。更に別の態様では、この質量増加は、7週間なる期間後に、約0.06g以下である。本発明のゴルフボールは、好ましくは7週間の保存期間後に、約0.03g以下という質量増加を示す。
サイズ増加も、耐水性の指標として用いることができる。即ち、ゴルフボールがより多くの水を取込む程、該ゴルフボール部分の最外層下部に収容された水のために、該ゴルフボールはより一層大きくなる。従って、本発明のゴルフボールは、好ましくは認識し得る程のサイズ増加を示さない。一態様において、7週間なる期間後における、本発明のゴルフボールのサイズ増加は、約0.0254mm(約0.001 in)以下である。
ゴルフボールまたはその一部のMVTRは、38℃および90%相対湿度において、約2g/(m2x日)以下であり、例えば約0.45〜約0.95g/(m2x日)、約0.01〜約0.9g/(m2x日)以下である。
以下の実施例は、本発明のゴルフボール組成物およびゴルフボールにおいて使用するための材料および方法の、単なる代表的なものであり、本発明を何等限定するものと考えるべきではない。
実施例1:ロジン-変性内側カバー層
2種のロジン-変性組成物および1種の未変性組成物(コントロール)を材料性能、並びに完成されたボールの一部分としての性能についてテストした。特に、処方物#1は、15.4%の、リチウムイオンで中和された酸基を含む、エチレン/アクリル酸コポリマーを含む。同様に、処方物#2は、15.4%の、ナトリウムイオンで中和された酸基を含む、エチレン/アクリル酸コポリマーを含む。処方物#1のメルトインデックス(MI)は5であり、一方処方物#2のMIは1である。該コントロールブレンド(コントロール#1)は、メタクリル酸(MAA)基が部分的にリチウムイオンで中和された、エチレン/メタクリル酸(EMAA)コポリマーと、ナトリウムイオンで中和されたEMAAコポリマーとの50/50混合物を含む。
これら処方物を、硬さおよび曲げ弾性率についてテストした。次に、これらの処方物を、ショアD硬さ約52、圧縮約71、復元係数(COR)約0.807、および径約3.93cm(約1.548 in)を持つポリブタジエンコアの周りに、内側カバー層(グレバー処理(glebar)に付した)を形成するのに使用した。最後に、これらの内側カバー層を、比較的薄いポリウレタンカバーで覆った。得られた結果を、以下の表1に示す。













Figure 2006320725
処方物#1および#2の曲げ弾性値(2週間後)は、夫々約600.1MPa(87,100 psi)および約633.9MPa(92,000 psi)であったが、これらは2週間後の公知のイオノマーの曲げ弾性率よりも著しく高い。更に、処方物#1および#2は、該コントロールの内側カバーよりも硬かった。更に、本発明のロジン-変性ポリマーを使用した、該完成されたボール、即ち処方物#1および#2に関するCOR値は、該コントロールの内側カバー層を用いたボールのCOR値よりも大きかった。
実施例2:未変性組成物と比較した、ロジン-変性組成物
ロジン-変性組成物および3種の未変性組成物(コントロール)を、材料性能、並びに完成されたボールの一部分としての性能についてテストした。特に、処方物#3は、穏やかに酸性(中酸性)のロジン-変性イオノマー、即ち約14.5~約15.5%の酸基を含み、処方物#4および#5は、高度に酸性のロジン-変性イオノマー、即ち約16%を越える酸基を含み、コントロール#2は、穏やかに酸性のイオノマーを含み、コントロール#3は、高度に酸性のイオノマーを含み、およびコントロール#4は、メタクリル酸(MAA)基が部分的にリチウムイオンで中和された、エチレン/メタクリル酸(EMAA)コポリマーと、ナトリウムイオンで中和されたEMAAコポリマーとの50/50混合物を含む。
実施例1におけるように、これらの処方物を、硬さおよび曲げ弾性率に付き、両者共に40時間後および2週間後に、テストした。次いで、これら処方物を、ショアD硬さ約52、圧縮約71、復元係数(COR)約0.807、および径約3.93cm(約1.548 in)を持つポリブタジエンコアの周りに、内側カバー層(グレバー処理(glebar)に付した)を形成するのに使用した。最後に、これらの内側カバー層を、薄いポリウレタンカバーで覆った。得られた結果を、以下の表2に示す。

Figure 2006320725
処方物#3-#5の(2週間後の)曲げ弾性率値は、40時間後および2週間後において、公知のイオノマーの曲げ弾性率値(コントロール#2-#4)よりも高かった。更に、処方物#3-#5は、これらコントロールから作成した内側カバーよりも硬かった。更に、本発明のロジン-変性ポリマーを用い、ウレタン被覆により完成させたボールに関するCOR値は、これらコントロールから作成した内側カバー層を持つボールに関するCOR値に等しい(例えば処方物#3の場合)か、あるいは高(即ち、処方物#4-#5)かった。
実施例3:未変性組成物と比較した、ロジン-変性組成物
3種のロジン-変性組成物(#6-#8)および1種の未変性組成物(コントロール#5)を、材料性能、並びに完成されたボールの一部分としての性能についてテストした。該コントロールは、MAA基が部分的にリチウムイオンで中和された、エチレン/メタクリル酸(EMAA)コポリマーと、ナトリウムイオンで中和されたEMAAコポリマーとの50/50混合物を含む。組成物#6および#7は、該コントロールのロジン-変性バージョンである。
実施例1および2におけるように、これらの処方物を、硬さおよび曲げ弾性率に付き、両者共に40時間後および2週間後に、テストした。次いで、これら処方物を、ショアD硬さ約52、圧縮約71、復元係数(COR)約0.807、および径約3.93cm(約1.548 in)を持つポリブタジエンコアの周りに、内側カバー層(グレバー処理に付した)を形成するのに使用した。最後に、これらの内側カバー層を、薄いポリウレタンカバーで覆った。得られた結果を、以下の表3に示す。
Figure 2006320725
処方物#6-#7の(2週間後の)曲げ弾性率値は、2週間後の、公知のイオノマーの曲げ弾性率値よりも高かった。加えて、本発明の組成物は、即ち処方物#6-#7は、該コントロールから作成した内側カバーよりも硬かった。更に、本発明のロジン-変性ポリマーを使用して完成させたボールに関するCOR値は、該コントロールブレンドから作成した内側カバー層を含むボールに関するCOR値よりも高かった。最後に、耐久性に関するデータは、本発明のロジン-変性組成物が、より剛性が高いにも拘らず、耐衝撃性改良剤が、本発明の組成物から製造した層の耐久性を改善するのに、明らかに有用であることを示している。
実施例3:ロジン-変性ブレンド
実施例1および2において与えられた本発明の組成物を、高度に中和されたポリマーとブレンドし、材料性能並びに完成されたボールの一部としての性能についてテストした。特に、処方物#8は、80質量%の処方物#1、即ち15.4%の、リチウムイオンで中和された酸基を含む、エチレン/アクリル酸コポリマーと、20質量%の高度に中和されたポリマー、即ちデュポン社から入手できるHPF 1000とを含む。同様に、処方物#9は、80質量%の処方物#2、即ち15.4%の、ナトリウムイオンで中和された酸基を含む、エチレン/アクリル酸コポリマーと、20質量%のHPF 1000とを含む。処方物#10は、80質量%の中酸性のロジン-変性イオノマーと、20質量%のHPF 1000とを含む。処方物#11および12は、各々20質量%のHPF 1000とブレンドされた、80質量%の高度に酸性のロジン-変性イオノマーを含む。コントロール#6は、HPF 1000とブレンドされた、中酸性のイオノマーを含み、またコントロール#7は、HPF 1000とブレンドされた、高度に酸性のイオノマーを含む。コントロール#8は、メタクリル酸(MAA)基が部分的にリチウムイオンで中和された、エチレン/メタクリル酸(EMAA)コポリマーと、ナトリウムイオンで中和されたEMAAコポリマーとの50/50混合物を含む。
前の実施例におけるように、次いで、これらの処方物を、ショアD硬さ約52、圧縮約71、復元係数(COR)約0.807、および径約3.93cm(約1.548 in)を持つポリブタジエンコアの周りに、内側カバー層(グレバー処理に付した)を形成するのに使用した。最後に、これらの内側カバー層を、薄いポリウレタンカバーで覆った。得られた結果を、以下の表4に示す。
Figure 2006320725








Figure 2006320725
該HNPの添加は、本発明のブレンドの曲げ弾性率値を減少させた。更に、このブレンドの硬さの値は、HNPを含まない、前の実施例よりも低かった。最後の、このブレンドの硬さは、該コントロール組成物よりも僅かに高かった。
実施例以外、または特に述べない限り、全ての数値範囲、量、値および%、例えば材料の量、反応の時間および温度、量の比、分子量(数平均分子量「Mn」であれ、重量平均分子量「Mw」であれ)の値、および本明細書の以下の部分におけるその他のものは、「約」なる用語が、これらの値、量または範囲と共にわざわざ示されていなくとも、「約」なる用語が、先行しているものとして読むことができる。従って、これに対して特に述べない限り、上記の明細書に示され、かつ添付した特許請求の範囲に示された数値パラメータは、本発明が得ようとしている所定の特性に依存して、変えることのできる近似値である。少なくとも、また本発明の特許請求の範囲に対する等価物に関する原則の適用を制限しようとするものでは、全くないが、各数値パラメータは、報告された有効数字を持つ数値に照らして、また通常の概数化技術を適用することによって、解釈されるべきである。
本発明の広い範囲を示している数値範囲およびパラメータが、近似値であるにも拘らず、特定の実施例に示した数値は、できる限り正確に報告されている。しかし、任意の数値は、本来的に各テストの測定値において見られる標準偏差に起因する、幾分かの必然的な誤差を含んでいる。更に、変動する範囲に関する数値範囲を、ここに記載した場合には、列挙された数値を含むこれら値の任意の組合せが、使用できることを意図している。
ここに記載し、かつ特許請求した本発明は、ここに記載した特定の態様によって、その範囲が限定されるものではない。というのは、これらの態様は、本発明の幾つかの局面の例示を意図しているからである。あらゆる等価な態様は、本発明の範囲に入るものであることを意図している。例えば、本発明の組成物は、またゴルフ用品、例えばパターのインサート、ゴルフクラブヘッドおよびその一部分、ゴルフシューズ部分、およびゴルフバッグ部分等において使用することもできる。事実、ここに示され、かつ記載されたもの以外に、本発明の様々な態様が、上記説明から、当業者には明らかとなるであろう。このような改良も添付した本発明の特許請求の範囲内に入るものである。上記テキスト内で引用された特許並びに特許出願は、その全記載事項を、参考としてここに組み入れる。
ツーピースゴルフボールの断面図であり、ここで該ボールのカバーは、本発明の組成物で作られている。 多成分ゴルフボールの断面図であり、ここで該ボールの少なくとも一つの層が、本発明の組成物で作られている。 大きなコアを持つ多成分ゴルフボールの断面図であり、ここで該ボールの少なくとも一つの層が、本発明の組成物で作られている。 二重コアおよび二重カバーを含む多成分ゴルフボールの断面図であり、ここで該ボールの少なくとも一つの層が、本発明の組成物で作られている。
符号の説明
2、8、16、24・・・ゴルフボール;
4、10、26・・・中心;
6、14、22・・・カバー;
12、28・・・中間層;
18・・・大きなコア;
20、30・・・内側カバー層;
32・・・外側カバー層

Claims (20)

  1. コアと、中間層と、カバーとを含み、該中間層が、イオノマー樹脂と、少なくとも約50℃なる軟化点を持つロジン材料とを含む組成物から製造したものであることを特徴とする、ゴルフボール。
  2. 該ロジン材料を、ウッドオイル由来のロジン、タル油由来のロジン、ダイマー化ロジン、水添ロジン誘導体、変性ロジン、エステルロジンおよびその塩、ダイマー化ロジンのエステルおよびその塩、水添ロジンのエステルおよびその塩、変性ロジンのエステルおよびその塩、ロジンアミンおよびその塩、ロジンエトキシル化誘導体、ポリテルペンロジン、タル油ロジンの無水マレイン酸変性エステルおよびその塩、タル油ロジンの無水フマール酸変性エステルおよびその塩、水添アビエチン酸およびその塩、およびこれらの混合物からなる群から選択する、請求項1記載のゴルフボール。
  3. 該ロジン材料が、該組成物の質量を基準として、約5〜約50質量%なる範囲の量で存在する、請求項1記載のゴルフボール。
  4. 該カバーを、ポリウレタンまたはポリウレアを含む、注型適性を持つ反応性液体材料から製造する、請求項1記載のゴルフボール。
  5. 該組成物が、40時間において、約482.3MPa〜約826.8MPa(約70,000〜約120,000psi)なる範囲の、曲げ弾性率を持つ、請求項1記載のゴルフボール。
  6. 該曲げ弾性率が、2週間後に、約551.2MPa(約80,000psi)を越える、請求項5記載のゴルフボール。
  7. 該ロジン材料が、約1〜約30なる範囲の酸価、約10〜約200なる範囲のヨウ素価、および約0.6g/cm3〜約2.4g/cm3(約5 lbs/gal〜約20 lbs/gal)なる範囲の密度を持つ、請求項1記載のゴルフボール。
  8. コアとカバーとを含み、該カバーが、内側カバー層と外側カバー層とを含み、かつ該内側カバー層が、基本成分の熱可塑性材料、およびロジン材料を含む組成物から作られ、該組成物が、40時間後における、約413.4MPa〜約826.8MPa(約60,000〜約120,000psi)なる範囲の曲げ弾性率、および約60ショアD〜約75ショアDなる範囲の硬さを持つことを特徴とする、ゴルフボール。
  9. 該基本成分の熱可塑性材料を、イオノマー樹脂、酸性コポリマー、高度に中和されたポリマー、およびこれらの混合物からなる群から選択する、請求項8記載のゴルフボール。
  10. 該熱可塑性材料が、その酸性基の約90%またはそれ以上が中和されている、高度に中和されたポリマーである、請求項9記載のゴルフボール。
  11. 該曲げ弾性率が、40時間後に、約482.3MPa〜約826.8MPa(約70,000〜約120,000psi)なる範囲にある、請求項8記載のゴルフボール。
  12. 該曲げ弾性率が、2週間後に、約15%またはそれ以上増加する、請求項8記載のゴルフボール。
  13. 更に、耐衝撃性改良剤をも含む、請求項8記載のゴルフボール。
  14. 該耐衝撃性改良剤が、アルキルアクリレートを主成分とするブロックコポリマーまたはその水添誘導体、ビニル芳香族モノマー、またはこれらの混合物からなる群から選択される、請求項8記載のゴルフボール。
  15. コアと、約30ショアD〜約60ショアDなる範囲の硬さを持つカバー、および約60ショアD〜約75ショアDなる範囲の硬さを持つ中間層とを含み、該中間層が、40時間後に、約413.4MPa〜約826.8MPa(約60,000〜約120,000psi)なる範囲の曲げ弾性率を持つロジン変性ポリマーを含有する組成物から作られ、かつ該曲げ弾性率が、2週間後に、約15%またはそれ以上増加する、ことを特徴とするゴルフボール。
  16. 該ロジン変性ポリマーが、熱可塑性ポリマーとロジン材料とを含む、請求項15記載のゴルフボール。
  17. 該熱可塑性ポリマーが、その酸性基の約90%またはそれ以上が中和されている、高度に中和されたポリマーである、請求項16記載のゴルフボール。
  18. 該ロジン材料を、ウッドオイル由来のロジン、タル油由来のロジン、ダイマー化ロジン、水添ロジン誘導体、変性ロジン、エステルロジンおよびその塩、ダイマー化ロジンのエステルおよびその塩、水添ロジンのエステルおよびその塩、変性ロジンのエステルおよびその塩、ロジンアミンおよびその塩、ロジンエトキシル化誘導体、ポリテルペンロジン、タル油ロジンの無水マレイン酸変性エステルおよびその塩、タル油ロジンの無水フマール酸変性エステルおよびその塩、水添アビエチン酸およびその塩、およびこれらの混合物からなる群から選択する、請求項16記載のゴルフボール。
  19. 該ロジン材料が、約1〜約30なる範囲の酸価、約10〜約200なる範囲のヨウ素価、約0.6g/cm3〜約2.4g/cm3 (約5 lbs/gal〜約20 lbs/gal)なる範囲の密度、または少なくとも約50℃なる軟化点の内の少なくとも一つを持つ、請求項16記載のゴルフボール。
  20. 該カバーを、ポリウレタンまたはポリウレアを含む、注型適性を持つ反応性液体材料から製造する、請求項15記載のゴルフボール。
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