JP3629205B2 - フルオロポリマー含有ゴルフボール、及びその製造方法 - Google Patents
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Description
(関連出願の説明)
本出願は、1996年6月25日に出願された米国特許出願第08/668,652号の一部継続出願である。
【0002】
(発明の技術分野)
本発明は、ゴルフボール、より詳細にはフルオロポリマーを含有するカバー、コーティング又はコアを有するゴルフボール、及びその製造方法に関する。本発明に従って製造されたゴルフボールは、耐磨耗性、切断抵抗性及び耐久性を含む特性が改善されることを特徴としている。
【0003】
(発明の背景)
ゴルフボールは、それらのプレーに関連した特徴、例えば耐久性、飛距離及び制御性などを改善するように設計され大きく発達してきている。現在のゴルフボールは、ワンピースボール、ツーピースボール及びスリーピースボールに分類することができる。
【0004】
ワンピースボールは、成形されたディンプルパターンを持つ材料の均質な塊から製造される。ワンピースボールは、安価で耐久性があるが、比較的高スピンで低速度であるために、大きい飛距離は提供しない。
【0005】
ツーピースボールは、今日使用される中で最も人気があるボール種である。これらは、固形コアの周りに成形されたカバーを有している。通常はツーピース及びスリーピースゴルフボールは両方とも、折畳ピン式金型に保持されたコアの周りへのカバー素材の射出成形によるか、もしくはコアの周りへの予備成形されたハーフシェルの圧縮成形によるかのいずれかによる、ボールコアの周りのカバーの成形により製造される。予備成形されたハーフシェルは、ハーフシェル金型にカバー素材を射出し、かつカバー素材を対応する形状に固化することにより製造される。
【0006】
糸巻き又はソリッドゴルフボールのいずれのコア直径も、典型的には1.4〜1.6インチ(3.5〜4.1cm)である。カバーがコアの周りに成形され、全米ゴルフ協会(USGA)が規定した最小直径1.68インチ(4.3cm)を有するゴルフボールが製造される。典型的には、カバーは厚さ約0.060インチ(1.52mm)を有する。ツーピースボールは典型的には、より長い飛距離のボールをもたらすが、これは低スピン量を持ち、その結果ボールの制御能が劣るような、硬い「耐切断性」のカバーを有する。
【0007】
スリーピース又は糸巻きボールは、糸巻き中心の周りへのカバーの成形によって製造される。この中心は、典型的にはゴムで製造され、固形、半固形又は例えば流体充填型のように流体であることができる。糸巻き中心は、この中心の周りに弾性材料の細い糸を巻きつけることによって製造される。次に糸巻き中心は耐久性のあるカバー材料によって覆われる。糸巻きボールは一般に比較的軟らかく、かつより大きいスピンを提供し、その結果ボール全般の制御性は向上するが、このようなボールは、典型的にはツーピースボールの飛行距離よりも飛行距離が短い。糸巻きボールは一般に、その構造がより複雑である結果、ツーピースボールよりも製造により経費がかかる。
【0008】
ゴルフボールのカバーは、一般にバラタ又はサーリン(SURLYN)(登録商標)及びIOTEK(登録商標)などのアイオノマー樹脂のような様々な材料により製造される。バラタは、天然又は合成のトランス−ポリイソプレンゴムであるが、これはこれらのカバー材料の中で最も軟らかい。バラタカバーボールは、そのカバーの軟らかさにより、プレーヤーが、特に短いショットにおいて、ボールの方向及び飛距離をより正確に制御するのに十分なスピン量を達成することができるので、比較的熟練したゴルフプレーヤーに好まれている。
【0009】
しかしバラタカバーボールは、他のカバー材料と比べると高価でありかつ耐久性が低い。特にバラタカバーボールは、ゴルフクラブのミスショットの結果、もしくはカート路などへの着地及び/又は岩、樹木などとの接触のために、切欠き(nick)又は切断を受ける。このような切欠き又は切断は、このようなボールの飛行特性を損ない、ボールはほとんど使い物にならなくなる。従ってバラタカバーボールのものに近いスピン量及び打球感を伴うボールを提供する一方で、更に高い耐久性及び総合距離を伴うゴルフボールを提供する試みにおいて、カバー組成物が開発されている。
【0010】
アイオノマー樹脂は、カバー素材としてかなりの範囲でバラタに置き換わってきている。化学的には、アイオノマー樹脂は、オレフィンと、カルボン酸群(carboxylic acid group)の10〜90%が金属イオンによって中和されたα、β−エチレン性−不飽和カルボン酸のコポリマーである。米国特許第3,264,272号を参照のこと。市販のアイオノマー樹脂は、例えばエチレンとメタクリル酸又はアクリル酸のコポリマーを含む。これらはデュポン社(E. I. DuPont de Nemours and Co.)から商標“サーリン(登録商標)”として、エクソン社から商標“ESCOR(登録商標)”及び商標“IOTEK(登録商標)”として販売されている。これらのアイオノマー樹脂は、金属イオンの種類、酸の量、及び中和の程度によって区別される。更にシェブロン・ケミカル社は、エチレンアクリレートをベースにしたコポリマーから製造されるアイオノマーファミリーを商標“IMAC(登録商標)”として販売している。
【0011】
米国特許第3,454,280号、第3,819,768号、第4,323,247号、第4,526,375号、第4,884,814号及び第4,911,451号は全て、ゴルフボールカバーにおけるサーリン(登録商標)型組成物の使用に関連している。しかし先行する特許において開示されたサーリン(登録商標)で被覆されたゴルフボールは、事実上耐切断性のカバーを有するが、これらはバタラカバーボールと比べて、スピン及び打球感の特性が劣っている。
【0012】
1986年にデュポン社は、アイオノマー樹脂の新規種類をふたつ紹介した。ひとつは、低い曲げ弾性率を有するナトリウム及び亜鉛アイオノマー樹脂であった。デュポン社は、ゴルフボールカバー製造のためにこれを他のアイオノマー樹脂と共に使用しかつ配合することを示した。これらの曲げ弾性率が低いアイオノマー樹脂から製造されたゴルフボールカバーは、スピン及び打球感の改善された特性を有するが、速度は相対的に遅い。もう一方は、エチレン及びメタクリル酸のコポリマーのリチウムアイオノマー樹脂であった。これらのリチウムアイオノマー樹脂は、非常に大きい曲げ弾性率、典型的には60,000psi(415MPa)を有する。デュポン社は、リチウムアイオノマー樹脂を使って、ナトリウム又は亜鉛アイオノマー樹脂のいずれかから製造されたカバーよりもより切断抵抗性でありかつ硬いゴルフボールカバーを製造することができることを示した。デュポン社は更に、リチウムアイオノマー樹脂から製造されたカバーを有するゴルフボールが、ナトリウム及び亜鉛アイオノマー樹脂並びにそれらの配合物のような他の公知のアイオノマー樹脂から製造されたゴルフボールよりも、より遠くへ飛び、より大きい反発係数を有し、かつ切断され難い(すなわちより耐久性である)ことを示した。デュポン社は更に、リチウムアイオノマー樹脂は、他の樹脂よりもより良い切断抵抗性を授けることができるような他のアイオノマー樹脂との配合物中で使用することができることを示した。
【0013】
USGAは、ゴルフボールは、指定された条件下でUSGA試験機を用いて打った場合に、255フィート(78m)/秒、すなわち許容度2%で250フィート(76m)/秒を超える初速を有してはならないというルールを発表している。低い曲げ弾性率を有するアイオノマー樹脂から製造されたカバーを伴うゴルフボールは、この最大値よりもはるかに(woefully)小さく、当然察せられるように、全てのゴルフボール製造業者は、この限界にできる限り近づくように努力している。
【0014】
ゴルフ産業は、理想的なゴルフボールを製造しようとする様々な試みにおいて、硬質アイオノマー樹脂(すなわち、ASTM D−2240法により測定したショアDスケールで硬度約60〜約70を有するアイオノマー樹脂)を、多くの比較的軟質の高分子材料、例えば比較的軟質のポリウレタンと配合している(例えば、Molitorらの米国特許第4,674,751号を参照)。しかしこの硬質アイオノマー樹脂と軟質高分子材料の配合物は、これらのボールが多くの加工上の問題を有する点において一般に満足し難いものである。加えてこのような組合せによって製造されたボールは、通常飛距離が短い。
【0015】
これに加えて、様々な硬質−軟質アイオノマー配合物、すなわち著しく異なる硬度及び/又は曲げ弾性率のアイオノマー樹脂の混合物が試みられている。米国特許第4,884,814号は、様々な硬度のメタクリル酸をベースにしたアイオノマー樹脂と、同程度又はより多量の1種以上の「軟質」アイオノマーであるメタクリル酸をベースにしたアイオノマー樹脂(すなわちショアDスケールで測定して硬度約25〜40を有するアイオノマー樹脂)とを配合し、先行技術の硬質アイオノマーカバーと比べて単に軟質であるだけではなく、更に繰り返しのプレーに十分な程度の耐久性も示すような比較的低弾性率のゴルフボールカバー組成物を製造することを開示している。これらの比較的低弾性率のカバー組成物は、一般に約25〜70%の硬質アイオノマー樹脂及び約30〜75%の軟質アイオノマー樹脂を含む。
【0016】
米国特許第5,324,783号は、比較的多量、例えば70〜90重量%の硬質アイオノマー樹脂と、比較的少量、例えば約25〜30重量%の軟質アイオノマーのような配合物を含有するゴルフボールカバー組成物を開示している。この硬質アイオノマーは、炭素原子を2〜8個有するオレフィン及び炭素原子を3〜8個有する不飽和モノカルボン酸のコポリマーのナトリウム又は亜鉛塩である。この軟質アイオノマーは、炭素原子を2〜8個有するオレフィン、メタクリル酸、及び炭素原子を1〜21個有するアクリル酸エステル類の不飽和モノマーのターポリマーのナトリウム又は亜鉛塩である。
【0017】
低コストでバラタカバーボールの特性に似せるために、当該技術分野は、様々なカバー組成物を有するボールを開発している。デュポン社及びエクソン社から入手できる、金属陽イオンの種類及び量、分子量、基本樹脂の組成(すなわちエチレン及びメタクリル酸及び/又はアクリル酸群の相対含量)並びに強化剤などのような追加成分などによって異なる広範な特性を伴う市販品のアイオノマーが50種以上ある。前述のように、これらの先行技術の組成物は、バラタカバーボールと比べて、かなり高い切断抵抗性及び耐久性を有する。「硬質」アイオノマー樹脂によってもたらされる改善された衝撃抵抗性及びキャリーでの飛距離特性だけではなく、より熟練したゴルファーが依然欲するような特性であるこれまでの「軟質」バラタカバーに関連したプレー性能(すなわち「スピン」)特性も発揮するようなゴルフボールカバー組成物を開発するために、非常に多くの研究が続けられている。
【0018】
ボールの所望の白色度を得、かつゴルフボールカバー材料の表面に記されたロゴ及び/又は商標を保護するために、塗料の仕上塗りがゴルフボールの成形された表面に塗布されることが多い。このようなコーティングの磨耗及び切断に対する抵抗性は、典型的には充填剤の添加、より硬い樹脂、すなわちより高いガラス転移温度(Tg)を有する樹脂の使用、スリップ剤及び擦傷剤(mar agent)の利用、及び/又はポリマーの架橋結合密度の上昇により調節される。
【0019】
米国特許第3,992,014号は、例えばゴムポリマー1〜50重量%のような固形粒状充填剤を、成形製品に特定の特性を付与するための必要性及び要求性に応じて、調合物中に含有することができることを開示している。例えば、ゴルフボールの用途に関して、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、シリカ、HiSil 233のような水和されたシリカ、カーボンブラック、酸化リチウムなどの充填剤物質を、有利なことに該組成物の掻き傷及び磨耗に対する抵抗性を改善するために使用することができる。第3,992,014号は、このようなゴルフボールの速度を改善する目的で、架橋したゴムポリマーを主成分としている均質なゴルフボール組成物中にシランを含有することも開示している。
【0020】
米国特許第4,486,319号は、コーティングポリマーのメルトフローインデックスが低くなればなるほど、該組成物の磨耗抵抗性が高まることを開示している。第4,486,319号は、アイオノマーが磨耗抵抗性を持ち、このことがこのような商品をゴルフボールカバーとして有用なものにしていることも開示している。
【0021】
米国特許第5,197,740号は、サーリンを含有するカバーが、際立って切断及び磨耗に対して抵抗性があるカバーを生じる点で大きい利点があることを開示している。これらのボールは、一般にゴルフ業界ではカットレスボールと称されている。しかし第5,197,740号は、サーリンボールの問題点も列挙している:米国特許第3,454,280号に開示されたゴルフボールは、切断抵抗性の点で大きい利点がある一方で、氷点下でのそれらの使用を可能にするような低温での亀裂特性を有さないという欠点も持っている。実際に、氷点下でこのようなボールでプレーすると、ゴルフクラブで打った際にボールが亀裂又は破裂する傾向がある。同様に、この特許に従って製造されたボールは、その反発係数、ゴルフボールがドライバーで打ち出された場合の飛距離に関連した特性を欠いている。
【0022】
米国特許第5,409,233号は、ヘキサメチレンジイソシアナートを主成分にした生成物を用いて調製されるコーティングが、化学物質及び磨耗に対する抵抗性を示すことを開示している。第5,409,233号は、擦傷剤及びスリップ剤の使用も開示している。
【0023】
先行するいずれの特許も、厳しい条件下での使用に適した産業的に許容し得るコーティングを伴うゴルフボールを提供する際に存続している問題点の解決法は開示していない。ゴルフボールカバーの切断、擦傷及び磨耗によって引き起こされる問題点に関して、ゴルフボールの性能特性全般に悪影響を及ぼすことなく改善された切断及び磨耗抵抗性並びに密着性を提供することが可能であるようなゴルフボールカバー及びコーティングの必要性が存在する。
【0024】
ごく最近になって、多くのゴルフボール製造業者が、従来のツーピースボールの増大された初速及び飛距離のようなこれらのボールの正の属性を維持しつつも、固い打球感のような従来のツーピースボールの望ましくない態様のいくつかを克服しようとして、多層ゴルフボール、すなわち複数のコア層、複数の中間層又はマントル層及び/又は複数のカバー層を有するボールを採り入れている。カバー層及び様々な中間層の物理特性は、このような層の構造、更には材料の選択に応じて変動する。
【0025】
多層ゴルフボールは、様々な構造を用いて製造することができる。例えば、多層ボールは、従来のコアの周りに成形された2個以上のカバー層を有することができる。あるいは、これらは従来のカバー及びコアを、カバーとコアの間に配置された1個以上の中間層とともに含み得る。同様に多層ボールは、1個を超えるコア層を有するコアから形成することができ、かつ任意に1個以上の中間層及び/又はカバー層を含むことができる。多層ボールは、周りに少なくとも1個の中間層及び/又は少なくとも1個のカバー層が成形された従来の糸巻きコアを含むことさえある。通常はこれらの層の1個以上が、他の層と比べて軟らかい。多層ボールの例には、Episode(タイトリスト社)、Altus Newing(ブリジストン社)、Giga(スポルディング社)、Metal Mix(ダンロップ社)及びUltra Tour Balata(ウイルソン社)がある。
【0026】
ゴルフボールコアは、通常ポリブタジエン、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、及びポリイソプレンのような基材エラストマーから製造される。 典型的にはゴルフボールコアは主にポリブタジエンから製造される。所望のゴルフボールの物理特性を得るために、製造業者は、ポリブタジエンに不飽和カルボン酸金属塩のような架橋剤を添加する。添加される架橋剤の量は、典型的にはポリブタジエン100部につき約20〜50部である。最も一般的には、この目的のために、ジアクリル酸亜鉛又はジメタクリル酸亜鉛が使用される。これら2種の架橋剤のうちジアクリル酸亜鉛は、ジメタクリル酸亜鉛よりもより大きい初速を有するゴルフボールを製造することがわかっている。
【0027】
本願明細書において使用された“pph”は、基材エラストマー100部あたりの部を意味する。典型的には、酸化亜鉛(ZnO)約5〜50pph(100部あたりの部)も、該組成物に添加される。この材料は、充填剤及びジアクリル酸亜鉛/過酸化物硬化システムの活性化剤の両方として利用される。ジアクリル酸亜鉛/過酸化物硬化システムは当業者には周知のものであるが、これはコア成形加工時にポリブタジエンを架橋する。比重が大きい酸化亜鉛(5.57)は、活性化剤としての作用に加え、ゴルフボール重量の調節の二重の目的で使用される。
【0028】
(発明の概要)
本発明は、フルオロポリマー含有ゴルフボールに関する。フルオロポリマーは一般に一部又は全てのゴルフボールカバーの製造において使用されるが、これは更にもしくは代わりに一部又は全てのコア、及び/又は中間層(複数)を構成することもできる。本発明のフルオロポリマーは、ゴルフボールのコア、中間層及び/又はカバーの1〜100重量%を構成する。
【0029】
特に本発明は、フルオロポリマー樹脂、例えば、スルホン化、カルボキシル化、エポキシ化、マレエート化、アミン化又はヒドロキシル化された官能性フルオロポリマー樹脂を含むゴルフボールコア、中間層(複数)、及び/又はカバー層に関する。
【0030】
更に詳細に述べると、本発明は第一の実施態様において、カバーが少なくとも1種のフルオロポリマー樹脂を含有する組成物によって製造されているような、カバー及びコアを少なくとも含むゴルフボールに関する。好ましくは、このような組成物は、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエステル又は酸コポリマーもしくはそれらのアイオノマー誘導体又はそれらの配合物のような、フルオロポリマー樹脂と相溶性がある第二成分を含有する。
【0031】
本発明は更に第二の実施態様において、中間層が少なくとも1種のフルオロポリマー樹脂を含有する組成物によって製造されているような、カバー、コア及びカバーとコアの間に配置された少なくとも1個の中間層を含むゴルフボールに関する。カバー層と同じように、このような組成物は、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエステル又は酸コポリマーもしくはそれらのアイオノマー誘導体又はそれらの配合物のような第二の成分を含有することが好ましい。
【0032】
それに加えて本発明は第三の実施態様において、カバー及び少なくとも1個の中間層の両方が少なくとも1種のフルオロポリマー樹脂を含有する組成物によって製造されているような、カバー、コア及びカバーとコアの間に配置された少なくとも1個の中間層を含むゴルフボールに関する。
【0033】
加えて、本発明は更に、第四の実施態様において、コアが少なくとも1種のフルオロポリマー樹脂を含有する組成物によって製造されているような、少なくともカバー及びコア、並びに任意に1個以上のカバーとコアの間に配置された中間層を含むゴルフボールに関する。任意に、カバー及び/又は中間層(複数)も、少なくとも1種のフルオロポリマー樹脂を含有する組成物によって製造され得る。
【0034】
本発明のゴルフボールカバーにおいて、フルオロポリマー樹脂は、カバーの10〜90重量%を構成する一方で、カバーの90〜10重量%は1種以上の常用のフッ素化されていないアイオノマー及び/又は非アイオノマー熱可塑性ポリマーによって構成されることが好ましい。
【0035】
本発明は、フルオロポリマーを含有するワンピースゴルフボール、更には少なくとも1個のカバー層及びコアを有するツーピース及びスリーピースゴルフボールであって、少なくとも1個のカバー層がフルオロポリマーを含有するようなもの、更にはコア又は2個以上の層を有するカバーを含むゴルフボールも包含している。
【0036】
本発明は更に、ゴルフボールの切断及び磨耗に対する抵抗性を増強する方法を提供している。この方法は、常用の手段によりゴルフボールコアを成形する工程、引き続きコアの周りにフルオロポリマーを含有するカバー素材の予備成形されたハーフシェルを圧縮成形すること、もしくはコアの周りにフルオロポリマーを含有するカバー素材を射出成形することのいずれかにより、このコアの周りにカバーを形成する工程を含む。この方法で製造されたゴルフボールは、他の類似のカバーにフルオロポリマーを含有しないゴルフボールよりも優れた切断及び磨耗に対する抵抗性を有するであろう。
【0037】
更に本発明において、ゴルフボール製造に使用したフルオロポリマーは、少なくとも1種の追加の熱可塑性アイオノマー及び/又は少なくとも1種の非アイオノマー熱可塑性樹脂と配合することができる。
【0038】
本発明の新規ゴルフボールは、先行技術において開示されたゴルフボールと比べて改善された力学特性、例えば改善された磨耗−抵抗性、切断−抵抗性及び耐久性を提供する。更にこれらのボールは、それらの「プレー性能」特性、すなわちそれらの衝撃抵抗性、スピン、「当たり」及び「打球感」、圧縮度などに悪影響を及ぼすことなく、かつ多くの場合はこれらを改善しつつ、増大された飛距離(すなわちレジリエンス)も提供することができる。
【0039】
(好ましい実施態様の説明)
大まかに言って、本発明は、フルオロポリマーを含有するゴルフボールを意図している。このボールは、完全にフルオロポリマーからなる、もしくは、フルオロポリマーと以下に記すような従来のゴルフボールカバー材料の配合物を含む均質な塊から製造されたワンピースボールであることができる。一般にワンピースボールは、それに成形されたディンプルパターンを有する。本発明のワンピースボールは、極めて耐久性があるが、高スピン及び低速度のために大きい飛距離は提供しない。
【0040】
より好ましい本発明の態様は、本願明細書に記された種類の官能性フルオロポリマーを含有するコア、中間層及び/又はカバーを有するツーピース、多層及び/又は糸巻きボールを含んでいる。
【0041】
フルオロポリマー
フルオロポリマーは一般に、式−(H)C=C(H)−の単位を含み、1個以上の水素原子がフッ素原子で置換されているようなモノマーが、同一のモノマー、又はより一般的には1種以上の異なるモノマーと反応し、ポリマーを生成しているようなオレフィン系ポリマーである。好ましいフルオロポリマーはペルフルオロポリマーである。すなわち、可能な限り全ての水素がフッ素で置換されている。更に好ましくは、フルオロポリマーは官能化されている。すなわちこのポリマーは、スルホニル基、カルボキシル基、エポキシ基、マレイル基、アミン基又はヒドロキシル基のような反応性基を、ポリマーの特性に影響を及ぼすのに十分な程度含んでいる。
【0042】
本発明のフルオロポリマーは、下記式を有することが好ましい:
【0043】
【化13】
(式中、aは1〜100の整数であり;bは99〜1の整数であり;R1−R7は、H、F、アルキル(好ましくはC1−C4アルキル)及びアリールからなる群よりそれぞれ独立して選択され;並びにR8は、H、F又は下記式の残基である:
−(O−CF2−CF(CF3))m−O−CF2−CF2−Z
(式中、mは1〜18の整数であり;並びにZは、SO2F、SO3H、SO3 −Mv+、COF、CO2H及びCO2 −Mv+;各々下記式を有する、ヒドロキシル、エポキシ、アミン、4級アミン、マレエート化された化合物、ハーフエステル化合物、又はフルエステル化合物:
【0044】
【化14】
(式中、vはMの原子価であり;かつMはI、Ia、IIa、IIb、IIIa、IIIb、IVa、IVb族及び遷移元素より選択された陽イオンであり; R14=R15=H又は低級アルキル;R16=H、低級アルキル又は芳香族基;並びに、R17=R18=H又は低級アルキルである。)からなる群より選択される。))。
別の好ましい実施態様において、本発明で使用するためのフルオロポリマーは、下記式のターポリマーであることができる:
【0045】
【化15】
(式中、a、b及びR1−R8は、先に定義したものであり、cは1〜50の整数であり、R9−R11は、H、F、アルキル及びアリールからなる群よりそれぞれ独立して選択され、R12は下記からなる群より選択される:
−C(O)−OR13;−C(O)−OH;−C(O)−O−M+;
【0046】
【化16】
(式中、R13はC1−C12直鎖又は分枝鎖のアルキル基であり;R14=R15=H又は低級アルキル;R16=H、低級アルキル又は芳香族基;並びに、R17=R18=H又は低級アルキルである))。
【0047】
より好ましい本発明で使用するためのフルオロポリマーは、下記式を有する:
【0048】
【化17】
(式中、Zは先に定義したものであり、xは1〜100であり、yは99〜1であり、かつmは1〜12の整数、より好ましくは7〜10である。)。
【0049】
このようなフルオロポリマーは、下記構造の化合物:
CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2Z;
又はより広範には下記構造のビニルエーテル:
CF2=CF(X)nOCF2CFRZ;
及び/又は
CF2=CF(X)nOCF(Z)CF2R
の共重合により生成される(式中、XはO(CF2)2−10、OCF2CFY、又はOCFYCF2であり;Y=F又はCF3;並びにZは先に定義されたものである。)。これらの式において、RはF又は炭素原子を最大10個有するペルフルオロアルキル基であり、nは0、1又は2である。これらのビニルエーテルは、ペルフルオロエチレン及び/又はペルフルオロ−α−オレフィンと共重合される。これらのポリマーは、分子量1000〜500,000のものが有用である。このようなポリマーは、米国特許第3,041,317号、第3,282,875号及び第3,624,053号に開示されており、それらの内容は明確に本願明細書に参照として組入れられている。スルホン化されたポリマーのいくつかは、デュポン社から商標NAFION(登録商標)で市販されている。
【0050】
本発明においてゴルフボールを製造するために使用することができる他のポリマーは、下記構造の分子単位を有するポリマーを含む:
【0051】
【化18】
(式中、X、Z、R及びnは先に定義したものである。)。このようなポリマーは、先に記したビニルエーテルの、任意にペルフルオロカーボン溶媒中での、ペルフルオロペルオキシド又はフッ化窒素のような過フッ素化されたフリーラジカル開始剤を用いる重合により調製することができる。ビニルエーテルを、水性媒質中で、過酸化物又はレドックス開始剤を用いて重合することも可能である。これらのフルオロポリマーの調製は、米国特許第3,282,875号及び第3,882,093号に開示されており、これらも本願明細書に参照として組入れられている。
【0052】
別の好ましい本発明で使用するためのフルオロポリマーの群は下記式のものである:
−(OCF2CF(CF3))m−OCF2CF2Z
(式中、Zは先に定義したものであり、かつmは7〜10の数である。)。mが7〜10であるフルオロポリマーは、より大きいレジリエンスを有し、その結果より良い飛距離特性を有するゴルフボールカバーを提供する。
【0053】
ポリマー合成の技術分野において所定の化合物を調製するための多くの様々な合成プロトコールを使用することができることは周知であるので、本発明のフルオロポリマーは様々な方法により合成することができる。異なる経路には、ある程度は高価な試薬、比較的容易なもしくは困難な分離又は精製法、簡便な又は面倒なスケールアップ、並びに多い又は少ない収率が関係する。熟練した有機高分子合成化学者は、合成戦略の競合する特性を釣り合わせる方法を熟知している。従って本発明の化合物は、合成戦略の選択によって限定されるものではなく、前述の所望の化合物を得るようなあらゆる合成戦略を使用することができる。しかしながら、このようなポリマーは、例えば前述のようにデュポン社から商標NAFION(登録商標)として市販されているので合成する必要がないことが多い。
【0054】
カバー及び中間層組成物
本発明において、フルオロポリマーは、ゴルフボールカバー組成物及び/又は中間層組成物の1〜100重量%を構成している。特に記さない限りは、全ての百分率は総組成物に対する重量%を示している。好ましくは、フルオロポリマーは、カバー組成物及び/又は中間層組成物の約10〜約90%、より好ましくは約10〜約75%、及び最も好ましくは約15〜約40%を構成している。カバー及び/又は中間層組成物の約90〜10%、より好ましくは約90〜約25%、及び最も好ましくは約85〜約60%は、1種以上の別のフッ素化されないポリマー、例えばアイオノマー、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリエチレン、ポリアミド及びポリエステルなどであるが、これらに限定されるものではないものを含んでいる。
【0055】
例えば、このような追加のポリマーは、前述のサーリン(登録商標)、ESCOR(登録商標)、IOTEK(登録商標)及びIMAC(登録商標)コポリマーのようなアイオノマーを含むこともできる。このようなアイオノマーは、炭素原子3〜12個を有する不飽和モノ−又はジ−カルボン酸及びそれらのエステルからなる群より選択された少なくとも1種により、モノオレフィンポリマーに熱不安定のイオン架橋を提供することによって得られる(このポリマーは、不飽和モノ−又はジ−カルボン酸及び/又はそれらのエステルを1〜50重量%含む。)。より詳細に述べると、このような酸含有エチレンコポリマーアイオノマー成分は、E/X/Yコポリマーを含み(式中、Eはエチレンであり、Xはアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルのような軟化性コモノマーであり、該ポリマーの0〜50(好ましくは0〜25、最も好ましくは0〜20)重量%で存在し、かつYはアクリル酸又はメタクリル酸であり、該ポリマーの5〜35(好ましくは10〜35、より好ましくは少なくとも約16〜35、最も好ましくは少なくとも約16〜20)重量%で存在する)、この酸部分は1〜90%(好ましくは少なくとも40%、最も好ましくは少なくとも約60%)が、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、鉛、スズ、亜鉛又はアルミニウムのような陽イオン、もしくはこのような陽イオンの組合せによって中和され、アイオノマーを生成している。具体的な酸含有エチレンコポリマーは、エチレン/アクリル酸、エチレン/メタクリル酸、エチレン/アクリル酸/n−ブチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/n−ブチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/イソ−ブチルアクリレート、エチレン/アクリル酸/イソ−ブチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/n−ブチルメタクリレート、エチレン/アクリル酸/メチルメタクリレート、エチレン/アクリル酸/メチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/メチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/メチルメタクリレート、及びエチレン/アクリル酸/n−ブチルメタクリレートを含む。好ましい酸−含有エチレンコポリマーは、エチレン/メタクリル酸、エチレン/アクリル酸、エチレン/メタクリル酸/n−ブチルアクリレート、エチレン/アクリル酸/n−ブチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/メチルアクリレート及びエチレン/アクリル酸/メチルアクリレートコポリマーを含む。最も好ましい酸−含有エチレンコポリマーは、エチレン/メタクリル酸、エチレン/アクリル酸、エチレン/(メタ)クリル酸/n−ブチルアクリレート、エチレン/(メタ)クリル酸/エチルアクリレート及びエチレン/(メタ)クリル酸/メチルアクリレートコポリマーを含む。
【0056】
これらのアイオノマーの製造方法は、当該技術分野において周知であり、例えば米国特許第3,262,272号に開示されている。
【0057】
前述のように、カバー及び/又は中間層の製造のために、すなわちフルオロポリマー化合物との併用に適した他の材料は、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリエチレン、ポリアミド及びポリエステルを含む。例えばカバー及び/又は中間層は、少なくとも1種のフルオロポリマー化合物の配合物、並びに熱可塑性又は熱硬化性ウレタン/ポリウレタン、ウレタンアイオノマー及びウレタンエポキシド及びそれらの配合物から製造することができる。適当なウレタンアイオノマーの例は、1995年6月7日に出願された同時係属米国特許出願第08/482,519号「ゴルフボールカバー」に開示されており、その内容は全体が本願明細書に参照として組入れられている。
【0058】
ポリウレタンは、ポリウレタンプレポリマーと硬化剤の間の反応生成物である。ポリウレタンプレポリマーは、ポリオールとジイソシアナートの反応によって生成された生成物である。この硬化剤は、典型的にはジアミン又はグリコールのいずれかである。この硬化剤とポリウレタンプレポリマーの間の反応を促進するために、しばしば触媒が使用される。
【0059】
従来、熱硬化性ポリウレタンは、2,4−トルエンジイソシアナート(TDI)又はメチレンビス−(4−シクロヘキシルイソシアナート)(HMDI)のようなジイソシアナートと、メチレンジアニリン(MDA)のようなポリアミン、又はトリメチロールプロパンのような三官能価グリコール、もしくはN,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンのような四官能価グリコールによって硬化されるポリオールを用いて調製される。しかし本発明は、これらの具体的なポリウレタンの種類に限定されるものではない。
【0060】
とりわけ適当な熱可塑性ポリウレタンは、ブッロクコポリウレタンであり、これはブロックコポリ(エーテル−ウレタン)についてはポリエーテルオリゴマー、ブロックコポリ(エステル−ウレタン)についてはポリエステルオリゴマー、もしくはブロックコポリ(ブタジエン−ウレタン)についてはポリブタジエン又は水素化されたポリブタジエンオリゴマーのいずれかの、比較的低い軟化点のブロックの代わりにポリウレタンオリゴマー(比較的高い軟化点を有する物質)のブロックを典型的には含む。このポリエーテルオリゴマーは、典型的には例えばポリテトラメチレンエーテルグリコールのようなポリエーテルマクログリコールである。ポリブタジエンオリゴマーは、ジヒドロキシ末端を有するポリブタジエンオリゴマーであり、これは任意に部分的又は完全に水素化され得る。ポリウレタンブロックは、典型的には4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート、トルエンジイソシアナート(2,4−及び2,6−異性体のいずれかの組合せ)又はパラ−フェニレンジイソシアナートからなり、全ての鎖は脂肪族ジオール、典型的には1,4−ブタンジオールにより延長されている。適当な市販の熱可塑性ポリウレタンの例は、B.F.グッドリッヒ社のESTANE(登録商標)であり、これはESTANE(登録商標)58133、58134、58144及び58311を含み;ダウケミカル社のPELLETHANE(登録商標)シリーズであり、これはPELLETHANE(登録商標)2102−90A及び2103−70Aを含み;BASF社のELASTOLLAN(登録商標);バイエル社のDESMOPAN(登録商標)及びTEXIN(登録商標);並びに、モートン・インターナショナル社のQ−THANE(登録商標)を含む。
【0061】
更にカバー及び/又は中間層は、少なくとも1種のオキサ酸化合物及びポリアミドの配合物で製造することもできる。とりわけ本発明の配合物を生成するのに有用なポリアミド成分はナイロンである。このポリアミド成分は、ホモポリマー、コポリマー、ブロックコポリマー又はポリアミドのいずれかの種類の2種以上の異形の配合物を含むことができる。
【0062】
ポリアミドホモポリマー及びコポリマーは、2種の常法により生成される。第一には、1個の有機酸型末端基及び1個のアミン末端基を有する化合物で環状モノマーを生成する。次にこのモノマーから開環付加重合により、ポリアミドを生成する。これらのポリアミドは、通常ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12などと称され、ここで数字は該モノマーの環を形成している炭素原子数を示す。第二の方法は、二塩基酸とジアミンの縮合重合に関する。これらのポリアミドは、通常ナイロン4,6、ナリロン6,6、ナイロン6,9、ナイロン6,10、ナイロン6,12などと称され、ここで最初の数字はジアミンの2個のアミン基に結合している炭素原子数を示し、二番目の数は酸根を含む二塩基酸の2個の酸に結合している炭素原子数を示す。これに加えて、ポリアミドコポリマーは、2種以上のポリアミドメルトの配合、及びこれらの材料を溶融状態に部分的又は完全なランダム化が生じるのに十分な時間維持することにより生成される。通常ポリアミドコポリマーは、記号“/”によりホモポリマーについて記号で分離されて示される。この用途のために、最初に記された成分は、コポリマーの多量又は少量のいずれかの成分であることができる。
【0063】
好ましいポリアミドホモポリマー及びコポリマーは、ナイロン4、ナイロン6、ナイロン7、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン13、ナイロン4,6、ナイロン6,6、ナイロン6,9、ナイロン6,10、ナイロン6,12、ナイロン12,12、ナイロン13,13及びそれらの混合物を含む。より好ましいポリアミドホモポリマーは、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン4,6、ナイロン6,6、ナイロン6,9、ナイロン6,10、ナイロン6,12及びそれらの混合物を含む。
【0064】
ブロックポリアミドコポリマーは、様々なポリマーの主鎖ブロックによって分割されたポリアミド又はコポリアミドの主鎖ブロック又はセグメントを含む物質である。分割されたポリマーブロックは、ポリ(アルキレンオキシド)のようなポリエーテルであることができる。ポリ(エチレンオキシド)が分割するポリマーブロックとして使用される場合は、この材料は、エルフ−アトケム社からPEBAX(登録商標)として、又はDSM社からArnitel(登録商標)として市販されている、公知のコポリエーテルアミドブロックコポリマーである。
【0065】
カバー及び/又は中間層を製造するためのフルオロポリマーと組合せるのに適したエポキシ樹脂は、典型的には下記反応に従って、ビスフェノールA(b)とエピクロロヒドリン(a)の反応により生成される:
【0066】
【化19】
【0067】
この反応は実際には、重合は等量の水酸化ナトリウムの存在下で進行するので、ビスフェノールAのナトリウム塩に関連している。典型的反応温度は50〜95℃の範囲である。
【0068】
液体又は固形のいずれかのプレポリマーを、例えば液体プレポリマーについては“n”を1未満に、及び固形プレポリマーについては“n”を2〜30にするように、分子量を制御して生成することができる。エピクロロヒドリンは、様々なヒドロキシル、カルボキシル及びアミン化合物と反応し、エポキシ基を2個以上有するモノマーを生成することができる。
【0069】
適当なエポキシ樹脂の構造の一般的代表例を以下に示す:
【0070】
【化20】
【0071】
(式中、R,R’=H又はCnH2n+1であり(ここでn=1〜6);Aα=環式又は芳香族であり、酸及び塩のような置換された誘導体を含むことができ;X=(CH3)−C−(CH3)又はO=S=Oである。)。適当な市販のエポキシ樹脂の例は、シェル社から入手できる“Epon”樹脂、及びダウ社から入手できる“Novolac”を含むが、これらに限定されるものではない。
【0072】
カバー及び/又は中間層を製造するのに適したポリエチレンは、無水マレイン酸、カルボン酸及びヒドロキシル基のような官能基を有するエチレンのホモポリマー及びコポリマーを含む。例えばこれらの官能基は、デュポン社(カナダ)から商標“FUSABOND”として市販されている無水マレイン酸のグラフト反応の場合のように、いずれかの化学的グラフト反応により導入される。加えて、このような官能基は、エチレンモノマーの、デュポン社から“NUCREL”の商標で販売されているメタクリル酸のような不飽和カルボン酸コモノマーとの共重合により導入することができる。
【0073】
本発明で使用されるポリエチレンのホモポリマー及びコポリマーは、メタロセンベースの触媒を使用するものを含む、周知のフリーラジカル及びイオン重合法により生成することができる。本発明に適したエチレンコポリマーの構造の一般的代表例を以下に示す:
【0074】
【化21】
【0075】
(式中、X=0〜100;Y=1〜50;Z=1〜30;R1、R2、R3及びR5は、水素又はCnH2n+1であり(n=1〜5);R4及びR6は、水素又はCnH2n+1である(n=1〜12)。)。本発明での使用に適したポリエステルは、二酸のジオールとの直接のエステル化(以下に説明する)、又はヒドロキシカルボン酸の自己−縮合により生成することができる。例えば、二塩化アシルとジオール(複数)の低温での反応を、ポリエステルの生成に使用することができる。
【0076】
【化22】
【0077】
酢酸マンガン、酸化アンチモン及びチタンアルコキシドのような触媒が、ポリエステルを生成するための重合において通常使用される。適したポリエステルの構造の一般的代表例を以下に示す:
【0078】
【化23】
【0079】
(式中、R=置換又は未置換の脂環式又は芳香族であり;R1=脂肪族又は芳香族(例えば、ビスフェノールA又はビスフェノールS);及びn>50)。市販の適当なポリエステルの例は、いくつか名前を挙げると、イーストマン・ケミカル社から商標“Eastpac”PETポリエステル及び“Easter”PETGで、並びにデュポン社から“Dacron”及び“Terglene”で、シェル社からPTT(ポリトリメチレンテレフタレート)として販売されている材料を含む。
【0080】
ゴルフボールカバー組成物及び/又は中間層組成物において請求される発明のフルオロポリマーと組合せて使用することができるその他の具体的なポリマー又はポリマーファミリーの例は以下を含む:ポリ(エチルエチレン)、ポリ(ヘプチルエチレン)、ポリ(ヘキシルデシルエチレン)、ポリ(イソペンチルエチレン)、ポリ(1,1−ジメチルトリメチレン)、ポリ(1,1,2−トリメチルトリメチレン)、脂肪族ポリケトン(例えばシェル社から商標“Carilon”で市販されているエチレン、一酸化炭素−プロピレン)、ポリ(ブチルアクリレート)、ポリ(4−シアノブチルアクリレート)、ポリ(2−エチルブチルアクリレート)、ポリ(ヘプチルアクリレート)、ポリ(2−メチルブチルアクリレート)、ポリ(3−メチルブチルアクリレート)、ポリ(N−オクタデシルアクリルアミド)、ポリ(オクタデシルメタクリレート)、ポリ(ブトキシエチレン)、ポリ(メトキシエチレン)、ポリ(ペンチルオキシエチレン)、ポリ(1,1−ジクロロエチレン)、ポリ(シクロペンチルアセトキシエチレン)、ポリ(4−ドデシルスチレン)、ポリ(4−テトラデシルスチレン)、ポリ(オキシエチルエチレン)、ポリ(オキシテトラメチレン)、ポリ(オキシトリメチレン)、ポリ(オキシカルボニルペンタメチレン)、ポリ(オキシカルボニル−3−メチルペンタメチレン)、ポリ(オキシカルボニル−1,5−ジメチルペンタメチレン)、ポリ(シラン)、ポリ(シラザン)、ポリ(フランテトラカルボン酸ジイミド)、及びポリ(フッ化ビニリデン)、更にはそれらが属するポリマークラスを含む。
【0081】
ゴルフボールカバー及び/又は中間層の製造において請求される発明のフルオロポリマーと組合せて使用することができるとりわけ好ましいポリマーは以下を含む:ブロックポリ(エーテル−エステル)コポリマー、例えばデュポン社から入手できるHYTREL(登録商標)など、ブロックポリ(エーテル−アミド)コポリマー、例えばエルフアトケム社から入手できるPEBAX(登録商標)、部分的又は完全に水素化されたスチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、例えばシェルケミカル社から入手できるKRATON D(登録商標)グレード、スチレン(エチレン−プロピレン)−スチレン又はスチレン−(エチレン−ブチレン)−スチレンブロックコポリマー、例えばシェルケミカル社から入手できるKRATON G(登録商標)シリーズ、クラレ社からのSepton HG−252、無水マレイン酸又はスルホングラフト又はヒドロキシル官能基とのKRATON(登録商標)型コポリマーのいずれか、例えばシェルケミカル社から入手できるKRATON FD(登録商標)又はKRATON FG(登録商標)シリーズ、オレフィン系コポリマー、例えばクアンタム・ケミカル社から入手できるエチレン−メチルアクリレート又はエチレン−ブチルアクリレートシリーズ、メタロセン触媒によって生成されたエチレン−オクテンコポリマー、例えばダウ社から入手できるAFFINITY(登録商標)又はENGAGE(登録商標)シリーズ、メタロセン触媒によって生成されたエチレン−αオレフィン系コポリマー及びターポリマー、例えばエクソン社から入手できるEXACT(登録商標)、ブロックポリ(ウレタン−エステル)又はブロックポリ(ウレタン−エーテル)又はブロックポリ(ウレタン−カプロラクトン)、例えばBFグッドリッヒ社のESTANE(登録商標)シリーズ、ポリエチレングリコール、例えばユニオンカーバイド社から入手できるCARBOWAX(登録商標)、ポリカプロラクトン、ポリカプロラクタム、ポリエステル、例えばイーストマン社から入手できるEKTAR(登録商標)、ポリアミド、例えばデュポン社及びICI社から入手できるナイロン6又はナイロン6,6、エチレン−プロピレン−(ジエンモノマー)ターポリマー及びそれらのスルホン化又はカルボキシル化された誘導体、及びモンサント社のSANTOPRENE(登録商標)である。
【0082】
本発明のポリマー配合物は、ポリマー配合に関わる当業者に周知であるように、追加の相溶剤を伴う又は伴わずに、かつ変動する分子量、タクチシティ、ブロック度(blockiness)などのような配合物成分の変動する分子設計を伴い調製することができる。
【0083】
好ましくは、本発明のゴルフボールカバー又は中間層を製造するために使用される素材は、本発明のフルオロポリマー樹脂とその他のポリマーの配合物である。これらのポリマーの配合は、常法に従い通常の装置を用いて行われる。良好な結果が、固形でペレット状のこれらのポリマー又は樹脂を混合し、次にこの混合物を、射出成形装置の加熱したバレルへと供給するために使用されるホッパーに充填することで得られる。更に混合は、加熱されたバレル中のスクリュによって行われる。射出成形装置は、コアの周りへの圧縮成形用に予備成形されたハーフシェルの製造、もしくは、折畳可能なピン付き金型を用いて流動性カバー素材のコアの周りへの成形のいずれかのために使用される。
【0084】
これに加えて、本発明のカバー組成物に添加することができる常用の成分は、例えばTINUVIN(登録商標)213及び TINUVIN(登録商標)328などのような紫外線安定剤を含む。更に例えばTINUVIN(登録商標)770及びTINUVIN(登録商標)765のような光安定剤も使用することができる。TINUVIN(登録商標)製品は、チバガイギー社から入手できる。染料、更には光学的光沢剤及び蛍光顔料も、本発明に従って生成されたポリマー類で製造されるゴルフボールカバーにおいて使用することができる。このような添加成分は、それらの目的を達成する量で使用することができる。しかし通常の量は、約0.05%〜約1.5%、より好ましくは約0.5%〜約1.0%の範囲である。
【0085】
白色顔料及び/又は紫色顔料(violet agent)の有効量も、カバー組成物にとって望ましい場合には添加することができる。適当な紫色顔料は、ヘキスト・セラネセ社のPV Fast Violet RL Special及びHostapern Violet RL Extra Strong;及びサンケミカル社から販売されているViolet 23である。カバー組成物に添加される紫色顔料の量は、カバー素材の総重量に対して約0.0005%〜約0.002%が好ましい。約0.001重量%で良好な結果が得られている。好ましくは、本発明のカバー素材において、カバー組成物の総重量に対して白色顔料約3.5%が使用される。
【0086】
群青顔料も、本発明に従って製造されたゴルフボールカバーにおいて使用することができる。好ましくは、使用される群青顔料の量は、約0.01%〜約1.0%、より好ましくは約0.4%〜約0.8%の範囲である。
【0087】
適当な白色顔料は、二酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化亜鉛及び硫化亜鉛である。これらの白色顔料は、本発明のゴルフボールカバーにとって望ましい白色度の均一な白色を提供するのに適しているいずれかの量で使用することができる。特にこれらの白色顔料は、約0.001%〜約5.0%の量で混合することができる。白色顔料のより好ましい範囲は、約0.2%〜約0.4%である。
【0088】
他の常用の成分、例えば充填剤も、当業者には周知であり、本発明のカバー及び中間層配合物中にそれらの公知の目的を達成するのに有効量で含むことができる。
【0089】
任意の充填剤成分を、先に説明された成分の配合物に追加の密度をもたらすように選択することができる。このような充填剤(複数)の選択は、望まれるゴルフボールの種類(すなわちワンピース、ツーピースの多層又は糸巻き)に応じて決まるが、これについては以下により詳細に説明する。一般に充填剤は、無機で密度が約2g/ccより大きく、好ましくは4g/ccより大きく、かつ該ポリマー成分の総重量に対して5〜65重量%の量で存在するであろう。有用な充填剤の例は、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ケイ酸亜鉛及びタングステンカーバイド、更にはその他の周知のこれらに対応する塩及び酸化物である。これらの充填剤成分は、前述のポリマー成分とは反応しないことが好ましい。
【0090】
本発明のゴルフボール製造において有用な追加の任意の添加剤は、充填剤物質(例えばZnO)と該ポリマーのいずれかの酸残基の反応を阻止するような酸コポリマーワックス(例えば、数平均分子量が2,040であるエチレン/16〜18%アクリル酸コポリマーであると考えられているAllied wax AC143);光学的光沢剤;界面活性剤;加工助剤などを含む。
【0091】
本ポリマーは、通常の配合技術のいずれかを用いるように、前述のいずれかの追加成分と配合することができる。例えば本化合物は、ペレット化されたポリマー樹脂を含む容器に充填し、かつ300°F〜500°F(150℃〜260℃)に加熱することができる。材料の混合は、加熱された容器の中のスクリュによって達成される。
【0092】
ゴルフボールコア
本発明に従って製造されるゴルフボールコアを形成するための代表的エラストマーを主成分にした組成物は、エラストマーとしてポリブタジエンを含み、かつポリブタジエン100部に対する重量部(pph)で示すと、20〜50pphのアクリル酸金属塩、例えばジアクリル酸、ジメタクリル酸又はモノメタクリル酸の塩、好ましくはジアクリル酸亜鉛、並びに最大約75pphの少なくとも1種のフルオロポリマー樹脂を含有する。
【0093】
ポリブタジエンは、シス−1,4が含量約90%以上であり、より好ましくは約96%以上である。市販のポリブタジエンは、シェルケミカル社が製造したShell 1220、エニケム・エラストマー社が製造したNeocis BR40、及び宇部興産が製造したUbepol BR150がある。このポリブタジエンは所望であるならば、コアの特性を更に改質するために、当該技術分野において公知の他のエラストマー、例えば天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、及び/又はポリイソプレンと混合することもできる。エラストマー混合物を使用する場合には、コア組成物中のその他の成分の量は総エラストマー混合物の100重量部を基にする。
【0094】
本発明での使用に適したジアクリル酸、ジメタクリル酸及びモノメタクリル酸の金属塩は、金属がマグネシウム、カルシウム、亜鉛、アルミニウム、ナトリウム、リチウム又はニッケルであるようなものである。ジアクリル酸亜鉛が好ましいが、その理由は、これがUSGA試験において高い初速のゴルフボールを提供することがわかっているからである。ジアクリル酸亜鉛の純度は様々な等級であることができる。本発明の目的のためには、ジアクリル酸亜鉛中に存在するステアリン酸亜鉛の量は少ないほうが、ジアクリル酸亜鉛の純度はより高くなる。約10%未満のステアリン酸亜鉛を含有するジアクリル酸亜鉛が好ましい。より好ましいのは約4〜8%のステアリン酸亜鉛を含有するジアクリル酸亜鉛である。適当な市販のジアクリル酸亜鉛は、ロックランド・リアクト−ライト(Rckland Read−Rite)社及びサルトマー(Sartomer)社からのものである。使用されるジアクリル酸亜鉛の好ましい濃度は、ポリブタジエン100pph、あるいは100pphと等しい他のエラストマーと混合されたポリブタジエンに対して20〜50pphである。
【0095】
ジアクリル酸、ジメタクリル酸又はモノメタクリル酸の金属塩とポリブタジエンの架橋を促進するために、フリーラジカル開始剤が使用される。本発明での使用に適したフリーラジカル開始剤は、過酸化化合物、例えばジクミルペルオキシド、1,1−ジ−(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、a−aビス(t−ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、又はジ−t−ブチルペルオキシド及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されるものではない。他の有用な開始剤は、当業者には特に例示しなくとも容易に明らかであろう。100%の活性のある開始剤(複数)は、好ましくは、ブタジエン又は1種以上の他のエラストマーと混合されたブタジエン100pphに対して約0.05〜2.5pph量で添加される。より好ましくは、添加される開始剤の量は、約0.15〜2pph、最も好ましくは約0.25〜1.5pphの範囲である。
【0096】
典型的ゴルフボールコアは、コアの成形加工時にポリブタジエンを架橋するジアクリル酸亜鉛−過酸化物の硬化システム中に酸化亜鉛を5〜50pph混合する。
【0097】
本発明において、フルオロポリマーは、このようなコア組成物のための配合物に、コア及び/又は本願明細書において記した完成ボールに有利な特性を付与するような量で添加することができる。単一のフルオロポリマー樹脂又は2種以上の異なるフルオロポリマー樹脂の配合物を、本発明において使用することができる。このフルオロポリマーは約75pphの量で存在することができる。好ましくはフルオロポリマーは約1〜約50pph量で存在する。より好ましくはフルオロポリマーは約5〜約40pph量で存在する。最も好ましくはフルオロポリマーは約5〜約25pph量で存在する。
【0098】
本発明の組成物は更に、コアの密度及び/又は比重を調節するためにエラストマー組成物に添加される充填剤を含むことができる。本願明細書に記されているように、用語「充填剤」は、目的のゴルフボールコアの密度及び/又は硬度特性変えるために使用することができるいずれかの化合物又は組成物を含む。本発明のゴルフボールコアにおいて有用な充填剤は、例えば酸化亜鉛、硫酸バリウム、及び粉砕再生材料(これは粒度30メッシュに粉砕された再生されたコア成形マトリックスである)を含む。USGAによって規定されている最大ゴルフボール重量は1.620オンス(45.92g)であるので、利用される充填剤の量及び種類は、該組成物中の他成分の量及び重量によって左右される。適当な充填剤は一般に比重約2.0〜5.6の範囲を有する。
【0099】
抗酸化剤も本発明に従って製造されたエラストマーコアの中に含むことができる。抗酸化剤は、エラストマーの崩壊を阻止する化合物である。本発明において有用な抗酸化剤は、キノリン型抗酸化剤、アミン型抗酸化剤、及びフェノール型抗酸化剤を含むが、これらに限定されるものではない。
【0100】
その他の成分、例えばテトラメチルチウラムのような促進剤、加工助剤、プロセス油、可塑剤、染料及び顔料、更には当業者には周知の他の添加剤も、本発明において、それらが通常使用される目的を達成するのに十分な量で使用することができる。
【0101】
本発明のコア組成物は、ポリブタジエン、ジアクリル酸亜鉛、及び少なくとも1種のフルオロポリマー樹脂を含有する混合物の成形により製造することができる。コア配合物の調製において、予め定められた条件のセット、すなわち混合の時間及び温度に合致する場合は、フリーラジカル開始剤が出発成分の量及び相対比に応じた量で添加され、これらは全て当業者にはよく理解されていることである。特にこれらの成分が混合される場合に生じる剪断は、混合物の温度の上昇を招く。過酸化物(複数)のフリーラジカル開始剤(複数)が、成形工程において架橋の目的で混合物に配合される。
【0102】
混合を完了した後、ゴルフボールコア組成物は、微粉砕され、手作業でプリプとするか、もしくは、金型に適した小片(「プリプ(preps)」)へと押出される。その後微粉砕されたプリプを、高温で圧縮成形し、コアとする。典型的には160℃(320°F)で15分間がこの目的に適している。その後これらのコアを使い、コアの周りをマントル及び/又はカバー材料で取り囲むことによって、完成ゴルフボールを製造するために使用される。
【0103】
本発明は、単に従来のツーピース及び糸巻きゴルフボールにおいて使用するためのコアのみではなく、更に多層ゴルフボール用のコアにも関する。実際に、本発明は、ここで請求されたコアを、あらゆる構造のゴルフボールにおいて使用することができることを意図しており、ここで構造は固形コアを含んでいる。
【0104】
ゴルフボール製造
本発明のポリマーは、あらゆる種類のゴルフボールの製造に使用することができる。特にコアを取り囲んでいるカバーを有するツーピースゴルフボールは、糸巻きゴルフボール同様、本発明の範囲内であり、ここでは液体、半固形、又は固形のコアが弾性の合成材料によって取り囲まれている。本願明細書において使用される用語「固形コア」は、ワンピースコアのみではなく、米国特許第4,431,193号(その内容は本願明細書に参照として組入れられている)に開示されているようなカバーの下側及びコアの上側に独立した固形層を有するコア、及び他の多層及び/又は非糸巻きコアも意味している。あらゆる種類のゴルフボールコアを、本発明のゴルフボールにおいて使用することができる。しかし好ましいコアは、若干量のシス−ブタジエンを含む。目的のポリマーも、多層カバー及び/又は多層コアを有するゴルフボールにおいて使用することができる。
【0105】
典型的には、カバーは、固形又は糸巻きコアの周りへのカバー素材の予備成形されたハーフシェルの圧縮成形又はコアの周りへのカバー素材の射出成形のいずれかにより形成される。ハーフシェルは、カバー素材の通常のハーフシェル金型への常法の射出成形により製造される。好ましい方法は予備成形されたハーフシェルの圧縮成形である。
【0106】
圧縮成形においては、前述の素材のハーフシェルが、カバー素材の通常のハーフシェル金型への300°F〜520°F(150〜250℃)の短時間の射出成形により製造される。その後予備成形されたハーフシェルがコアの周りに配置され、この集成体が圧縮成形装置へと装填される。この圧縮成形装置は、上下の金型プレートを具備する液圧プレスである。米国特許第4,508,309号に開示されているように、このような金型プレートは金型の半分を有し、それらの各々が、反対側の金型プレートの別の半分の金型と位置合わせされる。これらのハールシェルがコアの周りに約250〜400°F(120〜205℃)で圧縮成形された場合に、本発明のカバーを伴うゴルフボールが製造されることはわかっている。成形されたボールは次に、金型に保持されたままで冷やされ、カバーを変形せずに取り扱うことができるような十分な固さになった時に最終的に取り外される。
【0107】
あるいは、ゴルフボールは、コア集成体が金型の空洞に配置される射出成形装置を用いる射出成形技術の使用により単独でカバーをつけることもできる。コア集成体は、何本かの折畳式ピンを用いて適所に支えられている。このような射出成形装置は、当該技術分野において周知である。溶融されたカバー材料が、コアの周りの空洞に射出される。カバー材料が冷え固くなってから、ピンを折畳み、かつ成形されたボールが金型から取り出される。その後ボールは、例えばバフ磨き、塗装及び刻印のような通常の仕上げ操作を受ける。この種のカバー構造は、一般にワンピースボールと称される。
【0108】
本発明は、望ましい寸法のゴルフボールを製造するために使用することができる。USGA規定は、競技用ゴルフボールの寸法を、直径1.680インチ(4.27cm)以上と規定しているが、娯楽目的のゴルフプレーにはあらゆる寸法のゴルフボールを使用することができる。好ましいゴルフボール直径は、約1.680インチ〜約1.800インチ(4.27cm〜4.57cm)である。より好ましい直径は、約1.680インチ〜約1.760インチ(4.27cm〜4.47cm)である。最も好ましい直径は、約1.680インチ〜約1.740インチ(4.27cm〜4.41cm)であるが、約1.70インチ〜約1.95インチ(4.32cm〜4.95cm)の範囲の直径も使用することができる。直径が約1.760インチ(4.47cm)以上約2.75(6.99cm)程度のような過度に大きいゴルフボールも、本発明の範囲内である。
【0109】
上記本文において引用された特許は全て、その全体が表現上本願明細書に参照として組入れられている。
【0110】
特許請求の範囲は、本発明の精神及び範囲を逸脱しないような、例証のために本願明細書において選択された本発明の好ましい実施態様のあらゆる変更及び修飾に及ぶことが意図されていることは理解されるであろう。
Claims (34)
- カバー、コア、及びカバーとコアの間に配置された少なくとも1個の中間層を有し、この中間層が少なくとも1種のフルオロポリマー化合物を含有する組成物から製造されている、ゴルフボールであって、前記フルオロポリマーが下記式を有するゴルフボール:
-(O-CF2-CF(CF3))m-O-CF2-CF2-Z
(式中、mは1〜18の整数であり;並びにZは、SO2F;SO3H;SO3 -Mv+;COF;CO2H;CO2 -Mv+;
- カバー、コア、及びカバーとコアの間に配置された少なくとも1個の中間層を有し、この中間層が少なくとも1種のフルオロポリマー化合物を含有する組成物から製造されている、ゴルフボールであって、前記フルオロポリマーが下記式を有するターポリマーであるゴルフボール:
−(O−CF2−CF(CF3))m−O−CF2−CF2−Z
(式中、mは1〜18の整数であり;Zは、SO2F;SO3H;SO3 −Mv+;COF;CO2H;CO2 −Mv+からなる群から選択される)、
R9−R11は、H、F、アルキル及びアリールからなる群よりそれぞれ独立して選択され、並びにR12は下記からなる群より選択される:
−C(O)−OR13;−C(O)−OH;−C(O)−O−M+;
- 前記mが7〜10の整数である、請求項3記載のゴルフボール。
- カバー、コア、及びカバーとコアの間に配置された少なくとも1個の中間層を有し、この中間層が少なくとも1種のフルオロポリマー化合物を含有する組成物から製造されている、ゴルフボールであって、前記フルオロポリマーが、下記からなる群より選択された構造を有するビニルエーテルの共重合により生成される、ゴルフボール:
CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2Z;
CF2=CF(X)nOCF2CFRZ;及び
CF2=CF(X)nOCF(Z)CF2R
(式中、XはO(CF2)2−10、OCF2CFY、又はOCFYCF2であり;Y=F又はCF3;ZはSO2F、SO3H、SO3 −Mv+、COF、CO2H、及びCO2 −Mv+からなる群より選択され;ここでvはMの原子価であり;かつMはI、Ia、IIa、IIb、IIIa、IIIb、IVa、IVb族及び遷移元素より選択された陽イオンであり;RはF又は炭素原子を最大10個有するパーフルオロアルキル基であり;nは0、1又は2である。)。 - カバー、コア、及びカバーとコアの間に配置された少なくとも1個の中間層を有し、この中間層が少なくとも1種のフルオロポリマー化合物を含有する組成物から製造されている、ゴルフボールであって、前記フルオロポリマーが、下記からなる群より選択される構造を有する、ゴルフボール:
- カバー、コア、及びカバーとコアの間に配置された少なくとも1個の中間層を有し、この中間層が少なくとも1種のフルオロポリマー化合物を含有する組成物から製造されている、ゴルフボールであって、前記フルオロポリマーが、スルホン化、カルボキシル化、エポキシ化、マレエート化、アミン化又はヒドロキシル化されたパーフルオロポリマーである、ゴルフボール。
- コアが少なくとも1種のフルオロポリマー化合物を含有するようなコア配合物から製造される、カバー及びコアを含有するゴルフボールであって、前記フルオロポリマーが下記式を有するゴルフボール:
-(O-CF2-CF(CF3))m-O-CF2-CF2-Z
(式中、mは1〜18の整数であり;並びにZは、SO2F;SO3H;SO3 -Mv+;COF;CO2H;CO2 -Mv+;
- 前記mが7〜10の整数である、請求項10記載のゴルフボール。
- コアが少なくとも1種のフルオロポリマー化合物を含有するようなコア配合物から製造される、カバー及びコアを含有するゴルフボールであって、前記フルオロポリマーが、下記からなる群より選択された構造を有するビニルエーテルの共重合により生成される、ゴルフボール:
CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2Z;
CF2=CF(X)nOCF2CFRZ;及び
CF2=CF(X)nOCF(Z)CF2R
(式中、XはO(CF2)2−10、OCF2CFY、又はOCFYCF2であり;Y=F又はCF3;Zは、SO2F、SO3H、SO3 −Mv+、COF、CO2H、CO2 −Mv+からなる群より選択され;ここでvはMの原子価であり;かつMはI、Ia、IIa、IIb、IIIa、IIIb、IVa、IVb族及び遷移元素より選択された陽イオンであり;RはF又は炭素原子を最大10個有するパーフルオロアルキル基であり;並びにnは0、1又は2である。)。 - 前記フルオロポリマーが、スルホン化、カルボキシル化、エポキシ化、マレエート化、アミン化又はヒドロキシル化されたパーフルオロポリマーである、請求項8記載のゴルフボール。
- 前記コア配合物が更にエラストマーを含有する、請求項8記載のゴルフボール。
- 前記コア配合物が更にポリブタジエン及びアクリル酸金属塩を含有する、請求項8記載のゴルフボール。
- 前記フルオロポリマー化合物が、該コア配合物中にエラストマー100部につき最大約75部の量で存在する、請求項14記載のゴルフボール。
- 前記フルオロポリマー化合物が、該配合物中にエラストマー100部につき約5〜約40部の量で存在する、請求項14記載のゴルフボール。
- 前記カバーが、フルオロポリマー化合物を含有する配合物から製造される、請求項8記載のゴルフボール。
- 更にカバー及びコアの間に配置された少なくとも1個の中間層を含む、請求項8記載のゴルフボール。
- 前記中間層がフルオロポリマー化合物を含有する組成物から製造される、請求項19記載のゴルフボール。
- 前記ゴルフボールが、更にカバー及びコアの間に配置された弾性糸の層を含む糸巻きボールである、請求項8記載のゴルフボール。
- 前記フルオロポリマーが、スルホン化、カルボキシル化、エポキシ化、マレエート化、アミン化又はヒドロキシル化されたパーフルオロポリマーである、請求項12記載のゴルフボール。
- 前記組成物が更に、少なくとも1種の追加成分を含有し、この少なくとも1種の追加成分が、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエステル、酸コポリマーまたはそれらのアイオノマー誘導体、メタロセンベースの触媒を用いて製造されたポリエチレンのホモ及びコポリマー、ブロックポリ(エーテル−エステル)コポリマー、ブロックポリ(エーテル−アミド)コポリマー又はそれらの配合物からなる群より選択された化合物である、請求項1記載のゴルフボール。
- 前記カバーが少なくとも1種のフルオロポリマー化合物を含む組成物から製造される、請求項1記載のゴルフボール。
- 前記組成物が更に、少なくとも1種の追加成分を含有し、この少なくとも1種の追加成分が、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエステル、酸コポリマーまたはそれらのアイオノマー誘導体、メタロセンベースの触媒を用いて製造されたポリエチレンのホモ及びコポリマー、ブロックポリ(エーテル−エステル)コポリマー、ブロックポリ(エーテル−アミド)コポリマー又はそれらの配合物からなる群より選択された化合物である、請求項2記載のゴルフボール。
- 前記カバーが少なくとも1種のフルオロポリマー化合物を含む組成物から製造される、請求項2記載のゴルフボール。
- 前記組成物が更に、少なくとも1種の追加成分を含有し、この少なくとも1種の追加成分が、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエステル、酸コポリマーまたはそれらのアイオノマー誘導体、メタロセンベースの触媒を用いて製造されたポリエチレンのホモ及びコポリマー、ブロックポリ(エーテル−エステル)コポリマー、ブロックポリ(エーテル−アミド)コポリマー又はそれらの混合物からなる群より選択された化合物である、請求項3記載のゴルフボール。
- 前記カバーが少なくとも1種のフルオロポリマー化合物を含む組成物から製造される、請求項3記載のゴルフボール。
- 前記組成物が更に、少なくとも1種の追加成分を含有し、この少なくとも1種の追加成分が、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエステル、酸コポリマーまたはそれらのアイオノマー誘導体、メタロセンベースの触媒を用いて製造されたポリエチレンのホモ及びコポリマー、ブロックポリ(エーテル−エステル)コポリマー、ブロックポリ(エーテル−アミド)コポリマー又はそれらの混合物からなる群より選択された化合物である、請求項5記載のゴルフボール。
- 前記カバーが少なくとも1種のフルオロポリマー化合物を含む組成物から製造される、請求項5記載のゴルフボール。
- 前記組成物が更に、少なくとも1種の追加成分を含有し、この少なくとも1種の追加成分が、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエステル、酸コポリマーまたはそれらのアイオノマー誘導体、メタロセンベースの触媒を用いて製造されたポリエチレンのホモ及びコポリマー、ブロックポリ(エーテル−エステル)コポリマー、ブロックポリ(エーテル−アミド)コポリマー又はそれらの混合物からなる群より選択された化合物である、請求項6記載のゴルフボール。
- 前記カバーが少なくとも1種のフルオロポリマー化合物を含む組成物から製造される、請求項6記載のゴルフボール。
- 前記組成物が更に、少なくとも1種の追加成分を含有し、この少なくとも1種の追加成分が、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエステル、酸コポリマーまたはそれらのアイオノマー誘導体、メタロセンベースの触媒を用いて製造されたポリエチレンのホモ及びコポリマー、ブロックポリ(エーテル−エステル)コポリマー、ブロックポリ(エーテル−アミド)コポリマー又はそれらの混合物からなる群より選択された化合物である、請求項7記載のゴルフボール。
- 前記カバーが少なくとも1種のフルオロポリマー化合物を含む組成物から製造される、請求項7記載のゴルフボール。
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