JP5662488B2 - ゴルフボールのためのポリマーブレンド用の相溶化剤としての疎水性熱可塑性ポリウレタン - Google Patents

ゴルフボールのためのポリマーブレンド用の相溶化剤としての疎水性熱可塑性ポリウレタン Download PDF

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Description

本出願は2010年3月10日出願の米国仮出願第61/312,282号の恩典を主張し、その内容全体が参照により本明細書に組み入れられる。
発明の分野
本発明はゴルフボールに関する。本発明の特定の局面は、疎水性熱可塑性ポリウレタン相溶化剤により調製されるポリマーブレンドにより調製されるゴルフボールに関する。
背景
ゴルフは、広範なプレーヤー − 性別が異なる、ならびに年齢および/または能力レベルが著しく異なるプレーヤーによって楽しまれている。ゴルフは、このような多様なプレーヤーの集まりが互いに直接試合をする場合でさえも、ゴルフ試合で一緒に競技することができ(例えばハンディをもらう採点法を用いて、一打目を打つ場所を変えて、チーム方式で、など)、なおもゴルフ大会または試合を楽しむことができるという点で、スポーツ界では類を見ないスポーツである。このような要因が、テレビのゴルフ番組(例えば、ゴルフトーナメント、ゴルフニュース、ゴルフの歴史、および/または他のゴルフ番組)の供給力の増大および少なくとも一部には著名なゴルフスーパースターの出現とあいまって、米国だけでなく世界中で、近年のゴルフの人気を高めている。
あらゆる能力レベルのゴルファーが、自身のパフォーマンスを改善し、自身のゴルフスコアを下げ、そうした次のパフォーマンス「レベル」に到達しようとする。あらゆる種類のゴルフ用品製造者がこのような要求に応えており、近年、産業界ではゴルフ用品の劇的な変化および改善が起こっている。例えば広範囲の様々なゴルフボールモデルが現在利用可能であり、ボールは、特定のスウィング速度および/またはその他のプレーヤーの特徴または好みを補完するように設計され、例えば、一部のボールは、さらに遠くまでおよび/または真っ直ぐ飛ぶように設計され;一部のボールは、より高くまたはより平坦な弾道を与えるように設計され;一部はよりスピン、コントール、および/または感触(特にグリーン付近における)を高めるように設計され;一部は、より速いまたはより遅いスウィング速度用に設計される、等が行われている。多くのスウィングおよび/または補助教材も市場で利用可能であり、ゴルフスコアを下げるのを助けることを約束している。
競技中にゴルフボールを動かす唯一の道具であるゴルフクラブも、近年、多くの技術的研究および進歩の対象となっている。例えば、市場では近年、パター設計、ゴルフクラブのヘッド設計、シャフト、およびグリップにおける劇的な変化および改善が見られる。さらに、ゴルフクラブの種々の構成要素および/または特徴ならびにゴルフボールの特徴が、特定のユーザーのスウィング特性または特徴により良く合うようにする試みにおいて、他の技術的進歩もなされている(例えば、クラブフィッティング技術、ボール打ち出し角度の測定技術、ボールスピン速度の測定技術、ボールフィッティング技術など)。
一般に、現代のゴルフボールは、1ピース構成を含むか、またはコアを取り囲む外側カバーを含むいくつかの層を含むかのいずれかである。いくつかのゴルフボール層は熱可塑性エラストマー(例えばポリウレタン(TPU))またはポリオレフィン型材料を含む。ウレタン型ポリマーは、ショートアイアンおよびグリーンの周りでのその高いスピン性が理由で、熟練したプレーヤおよびプロフェッショナルに好まれている。しかし、ウレタンカバー材料は、水蒸気透過率(WVTR)が(アイオノマー)材料よりも約1〜2桁大きいという点で、ボールに負の影響を与える。この問題は、水分がボールに経時的に浸透してボールのゴムコアまたは任意の他のゴム層を固化する場合に生じる。これによりボールの性能が最終的に変化する。ポリオレフィンがそれらの優れた反発性が理由で望ましい。しかし、ポリオレフィン系材料は、低い擦り傷性能を示す傾向があり、すなわち、ゴルフクラブのフェースで打ったときに容易に擦り傷が付く。特に、ボールにスピンを発生させるように設計されたウェッジおよびショートアイアンの場合にそうである。
TPUなどの熱可塑性エラストマーとポリオレフィンとを組み合わせることにより、優れたスピン性および耐久性ならびに優れた反発性の両方を有するポリマーブレンドを得ることが望ましい。しかし、TPUおよびポリオレフィンは一般に非混和性であり、したがって非相溶性である。これにより、低い性質を有する許容されない材料が生じる。さらに、この種類のブレンドから調製される層は、それ自体の内側で層間剥離する傾向がある。各々の望ましい特性を得るには、TPUとポリオレフィンとのブレンドを与えることが望ましい。
産業界では、近年、ゴルフ用品に対する劇的な変化および改善が起こっているが、一部のプレーヤーは、自身のゴルフショット、特に自身のドライブまたはロングアイアンのショットの距離の増大、および/または特にグリーン付近での自身のショットのスピンまたはコントロールの改善を探索し続けている。従って、当技術分野においてゴルフ技術にはさらなる前進の余地がある。
概要
以下に、本開示およびその種々の局面の基本的理解を提供するために、本開示の局面の一般的な概要を示す。この概要は、本開示の範囲を多少なりとも限定することを意図するものではなく、後に続くより詳細な説明のための全体的な概説および内容を提供するだけのものである。
本発明の局面は、熱可塑性エラストマーおよびポリオレフィンと、疎水性熱可塑性ポリウレタンを含む有効量の相溶化剤とを含む相溶化ブレンドを用いて調製される少なくとも一つの層を有する、ゴルフボールに関する。
本発明の局面は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)およびポリオレフィンと、疎水性熱可塑性ポリウレタンを含む有効量の相溶化剤とを含む相溶化ブレンドを用いて調製される少なくとも一つの層を有する、ゴルフボールに関する。
本発明の他の局面は、相溶化ブレンドを含む層を塗布するための方法に関する。
[本発明1001]
コア、
中間層、および
カバー層
を含み、
中間層が、熱可塑性エラストマーおよびポリオレフィンと疎水性熱可塑性ポリウレタンを含む有効量の相溶化剤とを含む相溶化ブレンドを含む、
ゴルフボール。
[本発明1002]
コア、および
カバー
を含み、
カバーが、熱可塑性エラストマーおよびポリオレフィンと疎水性熱可塑性ポリウレタンを含む有効量の相溶化剤とを含む相溶化ブレンドを含む少なくとも一つの層を含む、
ゴルフボール。
[本発明1003]
疎水性熱可塑性ポリウレタンが、(1)疎水性ポリオールと、(2)ポリイソシアネートと、(3)5個の炭素原子または7〜12個の炭素原子を含有する直鎖延長剤との反応生成物を含み、疎水性ポリオールが、約1,000〜約4,000の範囲内の数平均分子量を有し、半結晶性の熱可塑性ポリウレタンが、50,000〜1,000,000の範囲内の重量平均分子量を有し、半結晶性の熱可塑性ポリウレタンが、80℃〜150℃の範囲内の融点を有する、本発明1001または1002のゴルフボール。
[本発明1004]
熱可塑性エラストマーが、熱可塑性ポリウレタンである、本発明1001〜1003のいずれかのゴルフボール。
[本発明1005]
中間層またはカバー層が、25℃、相対湿度50%、168時間後において1300g/m 2 未満、または25℃、相対湿度50%、168時間後において1000g/m 2 未満、または25℃、相対湿度50%、168時間後において750g/m 2 未満の水蒸気透過率(WVTR)を有する、本発明1001〜1004のいずれかのゴルフボール。
[本発明1006]
中間層がショアD硬度20〜65を有するか、またはカバー層がショアD硬度20〜50を有する、本発明1001〜1005のいずれかのゴルフボール。
[本発明1007]
中間層またはカバー層が、0.80超の比重を有する、本発明1001〜1006のいずれかのゴルフボール。
[本発明1008]
相溶化ブレンドが、約20〜約65のショアD硬度を有する熱可塑性エラストマーを用いて調製される、本発明1001〜1007のいずれかのゴルフボール。
[本発明1009]
相溶化ブレンドが、約20,000〜約500,000の重量平均分子量を有する熱可塑性エラストマーを用いて調製される、本発明1001〜1008のいずれかのゴルフボール。
[本発明1010]
相溶化ブレンドが、ブレンド中の熱可塑性エラストマーおよびポリオレフィンの総重量を基準にして、約5重量パーセント〜約95重量パーセントの熱可塑性エラストマーと、約95重量パーセント〜約5重量パーセントのポリオレフィンとを含む、本発明1001〜1009のいずれかのゴルフボール。
[本発明1011]
相溶化剤の有効量が、ブレンド中の熱可塑性エラストマーおよびポリオレフィン合計100重量部当たり約0.25〜約15重量部である、本発明1001〜1010のいずれかのゴルフボール。
[本発明1012]
熱可塑性エラストマーおよびポリオレフィンと疎水性熱可塑性ポリウレタンを含む有効量の相溶化剤とを含む防湿層である、中間層またはカバー層として、相溶化ブレンドをゴルフボールに塗布する段階を含む、ゴルフボールを調製する方法。
[本発明1013]
相溶化ブレンドを含む層が、ゴルフボールのコアまたは中間層の表面に成形される、本発明1012の方法。
[本発明1014]
疎水性熱可塑性ポリウレタンが、(1)疎水性ポリオールと、(2)ポリイソシアネートと、(3)5個の炭素原子または7〜12個の炭素原子を含有する直鎖延長剤との反応生成物を含み、疎水性ポリオールが、約1,000〜約4,000の範囲内の数平均分子量を有し、半結晶性の熱可塑性ポリウレタンが、50,000〜1,000,000の範囲内の重量平均分子量を有し、半結晶性の熱可塑性ポリウレタンが、80℃〜150℃の範囲内の融点を有する、本発明1012または1013の方法。
[本発明1015]
中間層またはカバー層が、25℃、相対湿度50%、168時間後において1300g/m 2 未満、または25℃、相対湿度50%、168時間後において1000g/m 2 未満、または25℃、相対湿度50%、168時間後において750g/m 2 未満の水蒸気透過率(WVTR)を有する、本発明1012〜1014のいずれかの方法。
添付図面を考慮して以下の詳細な説明を参照することにより、本発明およびその特定の利点のより完全な理解を獲得することができる。
ディンプルを有するゴルフボールを模式的に示す。 図1のゴルフボールの断面図を模式的に示す。 図1のゴルフボールの別の断面図を模式的に示す。 様々な疎水性TPUブレンドの水蒸気透過率を示す。
読者は、これらの図面に示される種々の部分が必ずしも一定縮尺でないことに注意する。
詳細な説明
種々の例示構造についての以下の説明において、その一部を形成しておりかつ種々のゴルフボール構造例が例示目的で示されている、添付の図面を参照する。さらに、部分および構造について他の特定の配置も利用でき、本発明の範囲から逸脱することなく構造上および機能上の変更も行えることを理解すべきである。また、「上」、「下」、「前」、「後」、「リヤ」、「サイド」、「アンダーサイド」、「オーバーヘッド」などの用語は、本明細書において、本発明の種々の例示的な特性および要素を記載するために使用されうるが、これらの用語は本明細書において、便宜上、例えば図中に示される例示方向および/または通常使用における方向に基づいて使用される。本明細書におけるいずれも、構造について特定の三次元的または空間的な方向付けが必要であると解釈されるべきではない。
A.ゴルフボールおよび製造システムおよび製造法の概説
ゴルフボールは、例えばワンピースボール、ツーピースボール、スリーピースボール(糸巻きボールを含む)、フォーピースボール、ファイブピースボールなどの多様な構成を有しうる。これらの様々な種類の構成よりもたらされるプレーの特徴における違いは、かなり顕著となる場合がある。一般にゴルフボールは、ソリッドボールまたは糸巻きボールとして分類され得る。ツーピース構成、典型的には、ブレンドカバー(例えばアイオノマー樹脂)によって包まれた、架橋ゴムのコア、例えば、ジアクリル酸亜鉛および/または類似の架橋剤で架橋されたポリブタジエンを有するソリッドボールは、多くの平均的な趣味のゴルファーに人気がある。コアとカバー材料の組み合わせにより、ゴルファーが事実上破壊できずかつボールに大きな初速を与える比較的「硬い」ボールが提供され、結果として距離が延びる。ボールを形成する材料が非常に硬いので、ツーピースボールは、クラブで打ったときに硬い「感触」を有する傾向にある。同様に、その硬さのために、これらのボールは、ドライバーから離れた時にスピン速度が比較的小さく、このことは同じく、長い距離に役立つ。
糸巻きボールは一般に、ピンと張ったエラストマー材料によって囲まれ、耐久性のあるカバー材料、例えばアイオノマー樹脂、またはより柔軟なカバー材料、例えばバラタもしくはポリウレタンで被覆された、リキッドセンターまたはソリッドセンターで構築される。糸巻きボールは一般に、パフォーマンス(performance)ゴルフボールであると考えられ、ゴルフクラブで打つと良好な弾力性、望ましいスピン特徴、および良い「感触」を有する。しかし、糸巻きボールは一般に、ソリッドゴルフボールに比べて製造が困難である。
より最近では、スリーピースボールおよびフォーピースボールが、どちらも平均的な趣味のゴルファー用のボールとして、ならびに、プロおよび他のエリートレベルのプレーヤー用のパフォーマンスボールとして、人気を集めている。このようなボールは典型的に、コア(任意で、内側コアおよび外側コアなどの多重コア)、一つまたは複数のマントルまたは中間層(「内側カバー」層とも呼ぶ)、および外側カバー層を含む。
種々のゴルフボールが、特定の競技特徴を提供するように設計されている。これらの特徴は一般に、ゴルフボールの初速およびスピンを含み、これを種々のタイプのプレーヤーに対して最適化することができる。例えば、あるプレーヤーは、グリーン付近においてゴルフボールを制御しかつ停止させるために、スピン速度の大きなボールを好む。他のプレーヤーは、距離を最大限に伸ばすためにスピン速度が小さく弾力性が大きいボールを好む。一般に、硬いコアおよび軟らかいカバーを有するゴルフボールは、スピン速度が大きい。反対に、硬いカバーおよび軟らかいコアを有するゴルフボールは、スピン速度が小さい。硬いコアおよび硬いカバーを有するゴルフボールは一般に、距離のために非常に高い弾力性を有するが、硬さを感じて、グリーン付近での制御が難しい場合がある。
一部の従来のツーピースボールの飛距離は、典型的な単層コアおよび単層カバー層構成を改変して多層ボール、例えば二重カバー層、二重コア層、および/またはカバーとコアとの間に配置された中間層を有するボールを提供することによって、改善されている。スリーピースボールおよびフォーピースボールは、現在一般に見出され、市販されている。本発明の局面は、上述の糸巻きボール、ソリッドボール、および/または多層ボールの構成を含む、あらゆる種類のボール構成に適用されうる。
図1は、本発明の一つの局面のソリッドゴルフボール100の斜視図である。ゴルフボール100は、概ね球形であることができ、複数のディンプル102がゴルフボール100の外側表面108にパターン112で配設されている。
内部に関しては、ゴルフボール100は、任意の所望の数のピースを有する多層ソリッドゴルフボールとして一般に構築されうる。言い換えれば、複数の材料層を一緒に融着、ブレンドまたは圧縮することによりボールを形成することができる。ゴルフボールの物理的特徴は、コア層、オプションとしてのマントル層、およびカバーの性質の組み合わせにより決定されうる。これら各構成要素の物理的特徴は、それらの各化学組成により決定されうる。ゴルフボール中の構成要素の大部分はオリゴマーまたはポリマーを含む。オリゴマーおよびポリマーの物理的性質は、含まれるモノマー単位、分子量、架橋度などを含むそれらの組成に非常に依存しうる。そのような性質の例としては溶解度、粘度、比重(SG)、弾性、硬度(例えばショアD硬度として測定)、反発弾性、耐擦り傷性などを挙げることができる。また、使用されるオリゴマーおよびポリマーの物理的性質は、ゴルフボールの構成要素を作製するために使用される工業プロセスに影響しうる。例えば、使用される加工方法が射出成形である場合、非常に粘度の高い材料がプロセスを遅らせることがあり、したがって粘度は生産の制限段階となりうる。
図2に示すように、そのようなゴルフボールの一つの局面(全般的に200と呼ぶ)は、コア204、カバー208、およびコア204とカバー208との間の中間層206を含む。カバー208は、ボールのコアおよび任意の他の内層を取り囲み、包囲し、包含しなどする。カバー208は、複数のディンプルを含むディンプルパターンを含みうる外側表面を有する。
図3に示すように、そのようなゴルフボールの別の局面(全般的に300と呼ぶ)は、コア304、カバー308、ならびにコア304とカバー308との間の中間層306および310を含む。カバー308は、ボールのコアおよび任意の他の内層を取り囲む、包囲する、包含する、等をする。カバー308は、複数のディンプルを含むディンプルパターンを含みうる外側表面を有する。
センター
ゴルフボールは、例えば低圧縮のセンターを有するように形成されてもよいが、これは依然として従来のツーピースのディスタンス(distance)ボールのものに近いボール完成品のCORおよび初速を示す。センターは、例えば約60以下の圧縮を有してもよい。こうしたセンターを用いて製造されたボール完成品は、インバウンド(inbound)速度125ft./s.にて測定した場合に、約0.795〜約0.815のCORを有する。「COR」とは反発係数を指し、これは、ボールの跳ね返り速度をその初速(すなわち入力速度)で除することによって得られる。この試験は、ある範囲の試験速度(例えば75〜150ft/s)にわたって垂直のスチールプレートに空気砲からサンプルを発射することによって行われる。高いCORを有するゴルフボールがプレートに衝突してそこから跳ね返る場合、その総エネルギーのうち消散するエネルギーは、より低いCORを有するボールよりも少ない。
「点」および「圧縮点」という用語は、圧縮スケールまたはATTI Engineering Compression Testerに基づく圧縮スケールを指す。このスケールは、当業者に周知であり、センターまたはボールの相対圧縮を測定する際に使用される。
センターは例えば、約40〜約80のショアC硬度を有しうる。センターは、約0.75インチ〜約1.68インチの直径を有しうる。センターを形成するためのベース組成物は、例えば、ポリブタジエンと、約20〜50部のジアクリル酸金属塩、ジメタクリル酸金属塩、またはモノメタクリル酸金属塩とを含みうる。所望ならば、センターの性質をさらに改変するために、ポリブタジエンを、天然ゴム、スチレンブタジエン、および/またはイソプレンなどの当技術分野において公知の他のエラストマーと混合することもできる。エラストマーの混合物を使用する際、センター組成物中の他の構成要素の量は通常、100重量部とした全エラストマー混合物に基づく。他の例において、センター(またはコア)は、Wilmington, DelawareのE.I. DuPont de Nemours and Companyから市販されている、HPF樹脂などの樹脂材料(任意で、硫酸バリウムを含有する)から製造されうる。
ジアクリル酸金属塩、ジメタクリル酸金属塩、およびモノメタクリル酸金属塩には、非限定的に、該金属がマグネシウム、カルシウム、亜鉛、アルミニウム、ナトリウム、リチウムまたはニッケルであるものが含まれる。例えばジアクリル酸亜鉛は、米国ゴルフ協会(「USGA」)試験において大きな初速を有するゴルフボールを提供する。
ジアクリル酸金属塩、ジメタクリル酸金属塩、またはモノメタクリル酸金属塩とポリブタジエンとの架橋を促進するためにフリーラジカル開始剤を使用することが多い。適切なフリーラジカル開始剤には、過酸化物化合物、例えばジクミルペルオキシド;1,1-ジ(t-ブチルペルオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサン;ビス(t-ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン;2,5-ジメチル-2,5ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキサン;またはジ-t-ブチルペルオキシド;およびこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。100%活性における開始剤は、ブタジエン、または一種または複数種の他のエラストマーと混合したブタジエン100部に基づいて、約0.05〜約2.5pphの範囲の量で添加されうる。添加される開始剤の量は、約0.15〜約2pphの範囲であることが多く、約0.25〜約1.5pphの範囲であることがさらに多い。ゴルフボールセンターは、コアの成形プロセスの際にポリブタジエンと架橋するジアクリル酸亜鉛-過酸化物硬化系に、5〜50pphの酸化亜鉛(ZnO)を組み入れてもよい。
センター組成物はまた、センターの密度および/または比重を調整するためにエラストマー(またはそれ以外)組成物に添加される、充填剤も含みうる。充填剤の非限定例には、酸化亜鉛、硫酸バリウム、およびリグラインド、例えば約30メッシュの粒径に粉砕されたリサイクルコア成形用マトリックスが含まれる。利用される充填剤の量および種類は、USGAによって最大ゴルフボール重量が1.620ozと確立されていることを踏まえ、組成物中の他の成分の量および重量によって決定される。充填剤は通常、約2.0〜約5.6の範囲の比重である。センターの比重が低下するようにセンター中の充填剤の量をより少なくしてもよい。
センターの比重は、センター、カバー、中間層およびボール完成品の大きさ、ならびにカバーおよび中間層の比重等の要素に依存して、例えば約0.8〜約1.3の範囲であってもよい。促進剤、例えばテトラメチルチウラム、加工助剤、加工オイル、可塑剤、染料および顔料、酸化防止剤、ならびに当業者に周知の他の添加剤などの他の成分もまた、それらが通常使用される目的を達成するのに十分な量で、使用されうる。
中間層
ゴルフボールはまた、例えば、動的加硫された熱可塑性エラストマー、官能化スチレン-ブタジエンエラストマー、熱可塑性ゴム、ポリブタジエンゴム、天然ゴム、熱硬化性エラストマー、熱可塑性ウレタン、メタロセンポリマー、熱硬化性ウレタン、アイオノマー樹脂、またはこれらのブレンドから形成される、一つまたは複数の中間層を有してもよい。例えば中間層は、熱可塑性または熱硬化性のポリウレタンを含んでもよい。市販の動的加硫された熱可塑性エラストマーは、非限的に、SANTOPRENE(登録商標)、SARLINK(登録商標)、VYRAM(登録商標)、DYTRON(登録商標)、およびVISTAFLEX(登録商標)が含まれる。SANTOPRENE(登録商標)は、動的加硫されたPP/EPDMである。官能化スチレン-ブタジエンエラストマー、すなわち無水マレイン酸またはスルホン酸などの官能基を有するスチレン-ブタジエンエラストマーの例には、テキサス州ヒューストンのShell Corporationから入手可能なKRATON FG-1901xおよびFG-1921xが含まれる。
適切な熱可塑性ポリウレタンの例には、オハイオ州クリーブランドのLubrizolから市販されている、ESTANE(登録商標)58133、ESTANE(登録商標)58134およびESTANE(登録商標)58144が含まれる。
メタロセンポリマー、すなわちメタロセン触媒を用いて形成されたポリマーの例には、マサチューセッツ州ハイアニスのSentinel Productsから市販されているものが含まれる。適切な熱可塑性ポリエステルには、ポリブチレンテレフタレートが含まれる。
熱可塑性アイオノマー樹脂は、モノオレフィンのポリマーに対して、3〜12個の炭素原子を有する不飽和モノカルボン酸または不飽和ジカルボン酸およびこれらのエステルからなる群より選択される少なくとも一つの物質による、交差金属結合(cross metallic bond)を与えることによって得ることができる(このポリマーは、1〜50重量%の不飽和モノカルボン酸もしくは不飽和ジカルボン酸および/またはこれらのエステルを含有する)。より詳細には、酸含有エチレンコポリマーアイオノマーなどの低弾性率アイオノマーには、E/X/Yコポリマー(ここでEはエチレンであり、Xは軟化コモノマー、例えばアクリレートまたはメタクリレートである)が含まれる。アイオノマー樹脂の非限定例には、それぞれDuPontおよびExxonから市販されているSURLYN(登録商標)およびIOTEK(登録商標)が含まれる。
あるいは、中間層は、第1および第2の成分のブレンドであってもよく、ここで第1の成分は、動的加硫された熱可塑性エラストマー、官能化スチレン-ブタジエンエラストマー、熱可塑性もしくは熱硬化性のポリウレタン、またはメタロセンポリマーであり、第2の成分は、熱可塑性もしくは熱硬化性のポリウレタン、熱可塑性ポリエーテルエステルもしくはポリエーテルアミド、熱可塑性アイオノマー樹脂、熱可塑性ポリエステル、別の動的加硫されたエラストマー、別の官能化スチレン-ブタジエンエラストマー、別のメタロセンポリマー、またはこれらのブレンドなどの材料である。第1および第2の成分の少なくとも一方が、熱可塑性または熱硬化性のポリウレタンを含みうる。
1つまたは複数の中間層はまた、エチレンメタクリル酸/アクリル酸コポリマーを含有するブレンドから形成されてもよい。酸含有エチレンコポリマーの非限定例には、エチレン/アクリル酸;エチレン/メタクリル酸;エチレン/アクリル酸/n-ブチルアクリレートまたはイソブチルアクリレート;エチレン/メタクリル酸/n-ブチルアクリレートまたはイソブチルアクリレート;エチレン/アクリル酸/メチルアクリレート;エチレン/メタクリル酸/メチルアクリレート;エチレン/アクリル酸/イソボルニルアクリレートまたはメタクリレート、およびエチレン/メタクリル酸/イソボルニルアクリレートまたはメタクリレートが含まれる。市販のエチレンメタクリル酸/アクリル酸コポリマーの例には、DuPontから入手可能なNUCREL(登録商標)ポリマーが含まれる。
あるいは、中間層は、エチレンメタクリル酸/アクリル酸コポリマーと熱可塑性材料を含む第2の成分とを含む、ブレンドから形成されてもよい。中間ブレンドに使用するのに適した熱可塑性材料としては、ポリエステルエステルブロックコポリマー、ポリエーテルエステルブロックコポリマー、ポリエーテルアミドブロックコポリマー、アイオノマー樹脂、動的加硫された熱可塑性エラストマー、無水マレイン酸もしくはスルホン酸などの官能基が結合したスチレン-ブタジエンエラストマー、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性ポリエステル、メタロセンポリマー、および/またはこれらのブレンドが含まれるが、これらに限定されない。
中間層は、約0.80以上の比重を有する場合が多い。一部の例では、中間層は、1.0超の、例えば約1.02〜約1.3の範囲の比重を有する。中間層の比重は、例えば、硫酸バリウム、酸化亜鉛、二酸化チタンおよびこれらの組み合わせなどの充填剤を添加することによって調整されうる。
中間層ブレンドは、約15,000psi未満、多くの場合約5,000〜約8,000psiの曲げ弾性率を有してもよい。中間層は、約35〜70のショアD硬度を有することが多い。中間層およびコア構成は一緒になって、約65未満、多くの場合約50〜約65の圧縮を有してもよい。通常、中間層は、約0.020インチ〜約0.2インチの厚さを有する。ゴルフボールは、単一の中間層または複数の中間層を含んでもよい。ボールが複数の中間層を含む場合、コアの外側の第1の中間層は、例えばコアの硬度を上回る硬度を有する熱可塑性材料またはゴム材料(合成または天然ゴム)を含んでもよい。
第2の中間層は、第1の中間層の周りに配置されてもよく、第1の中間層を上回る硬度を有してもよい。第2の中間層は、ポリエーテルまたはポリエステル熱可塑性ウレタン、熱硬化性ウレタン、およびアイオノマー、例えば酸含有エチレンコポリマーアイオノマーなどの材料で形成されてもよい。
さらに、望ましければ、第3の中間層(またはさらなる層)を、第1と第2の中間層の間に配置してもよい。第3の中間層は、上述のような種々の材料から形成されてもよい。例えば第3の中間層は、第1の中間層を上回る硬度を有してもよい。
カバー層
ゴルフボールは通常、熱可塑性または熱硬化性の材料の層を一つまたは複数含む、カバー層も有する。アイオノマー樹脂、熱可塑性ポリウレタン、バラタおよびこれらのブレンドなどの種々の材料を使用してもよい。
カバーは、弾性率の非常に低いアイオノマー(VLMI)を含む組成物で形成されてもよい。本明細書において使用される場合、「弾性率の非常に低いアイオノマー」という用語または頭字語「VLMI」は、ポリマー中に約10重量%〜約50重量%で存在する、一般に(メタ)アクリレートエステルである軟化コモノマーXをさらに含む、アイオノマー樹脂である。VLMIは、エチレンなどのα-オレフィン、n-ブチルアクリレートまたはイソブチルアクリレートなどの軟化剤、および、アクリル酸またはメタクリル酸などのα,β-不飽和カルボン酸のコポリマーであり、ここで酸基の少なくとも一部がマグネシウムカチオンによって中和されている。軟化コモノマーの他の例には、n-ブチルメタクリレート、メチルアクリレート、およびメチルメタクリレートが含まれる。一般にVLMIは、約2,000psi〜約10,000psiの曲げ弾性率を有する。VLMIは「軟質」アイオノマーと称されることがある。
アイオノマー、例えば酸含有エチレンコポリマーアイオノマーにはE/X/Yコポリマーが含まれるが、ここでEはエチレンであり、Xは、ポリマーの0〜50重量%で存在する軟化コモノマー、例えばアクリレートまたはメタクリレートであり、Yは、ポリマーの5〜35(多くの場合10〜20)重量%で存在するアクリル酸またはメタクリル酸であり、ここで酸部分は、カチオン、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、鉛、スズ、亜鉛もしくはアルミニウム、またはこのようなカチオンの組み合わせ(リチウム、ナトリウムおよび亜鉛が最も好ましい)によって1〜90%(通常は少なくとも40%)中和されて、アイオノマーを形成する。特定の酸含有エチレンコポリマーとしては、エチレン/アクリル酸、エチレン/メタクリル酸、エチレン/アクリル酸/n-ブチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/n-ブチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/イソブチルアクリレート、エチレン/アクリル酸/イソブチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/n-ブチルメタクリレート、エチレン/アクリル酸/メチルメタクリレート、エチレン/アクリル酸/メチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/メチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/メチルメタクリレート、およびエチレン/アクリル酸/n-ブチルメタクリレートが含まれる。
カバー原料の加工を補助するため、アイオノマー樹脂を、所望の特徴を有するカバーを得るためにブレンドしてもよい。この理由から、カバーは、2種以上のアイオノマー樹脂のブレンドから形成されてもよい。当該ブレンドは、例えば非常に軟質な材料およびより硬質な材料を含んでもよい。カバー原料の所望の特徴を得るために、異なるメルトフローインデックスを有するアイオノマー樹脂が使用されることが多い。SURLYN(登録商標)8118、7930および7940は、それぞれ約1.4、1.8、および2.6g/10minのメルトフローインデックスを有する。SURLYN(登録商標)8269およびSURLYN(登録商標)8265はそれぞれ、約0.9g/10minのメルトフローインデックスを有する。アイオノマー樹脂のブレンドは、例えば約1〜約3g/10minのメルトフローインデックスを有するカバーを形成するために使用されてもよい。カバー層は、例えば約20〜約80の範囲のショアD硬度を有してもよい。
カバーはまた、熱可塑性および/または熱硬化性材料を含んでいてもよい。例えば、カバーは、ウレタンまたはポリウレタンのような熱可塑性材料を含んでいてもよい。ポリウレタンは、ポリウレタンプレポリマーと硬化剤との間の反応生成物である。ポリウレタンプレポリマーは、ポリオールとジイソシアネートとの反応によって形成される生成物である。多くの場合、触媒を使用して、硬化剤とポリウレタンプレポリマーとの反応を促進する。注型ポリウレタンの場合、硬化剤は、典型的にはジアミンまたはグリコールである。
別の例として、熱硬化性注型ポリウレタンを使用してもよい。熱硬化性注型ポリウレタンは一般に、ジイソシアネート、例えば2,4-トルエンジイソシアネート(TDI)、メチレンビス-(4-シクロヘキシルイソシアネート)(HMDI)、またはパラフェニレンジイソシアネート(「PPDI」)、および、メチレンジアミン(MDA)などのポリアミンで硬化するポリオール、またはトリメチロールプロパンなどの三官能性グリコール、またはN,N,N',N'-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンなどの四官能性グリコールを用いて調製される。他の適切な熱硬化性材料としては、熱硬化性ウレタンアイオノマーおよび熱硬化性ウレタンエポキシ樹脂が含まれるが、これらに限定されない。熱硬化性材料の他の例には、ポリブタジエン、天然ゴム、ポリイソプレン、スチレン-ブタジエン、およびスチレン-プロピレン-ジエンゴムが含まれる。
カバーが複数層、例えば内側カバー層および外側カバー層を含む場合、種々の構成および材料が好適である。例えば内側カバー層で中間層を囲み、外側カバー層をその上に配置することができ、または、内側カバー層で複数の中間層を囲むことができる。内側および外側カバー層の構成を用いる場合、外側カバー層材料は、上述のような注入成形可能な(castable)反応性液体材料およびその反応生成物の少なくとも一つを含む熱硬化性材料であってもよく、約30ショアD〜約60ショアDの硬度を有してもよい。
内側カバー層は、硬質(例えば約50ショアD以上)で高い曲げ弾性率を有する広範な弾性材料から形成されてもよく、これはゴルフボールの隣接層に使用される他の材料と適合性である。内側カバー層材料は、約65,000psi以上の曲げ弾性率を有してもよい。適切な内側カバー層材料は、硬質で曲げ弾性率の高いアイオノマー樹脂およびそれらのブレンドを含み、これは、モノオレフィンのポリマーに対して3〜12個の炭素原子を有する不飽和モノカルボン酸または不飽和ジカルボン酸およびこれらのエステルからなる群より選択される少なくとも一つとの交差金属結合を与えることによって得られうる(このポリマーは、1〜50重量%の不飽和モノカルボン酸もしくは不飽和ジカルボン酸および/またはこれらのエステルを含有する)。より詳細には、こうした酸含有エチレンコポリマーアイオノマー成分は、E/X/Yコポリマーを含み、ここでEはエチレンであり、Xは、ポリマーの0〜50重量%で存在する軟化コモノマー、例えばアクリレートまたはメタクリレートであり、Yは、ポリマーの5〜35重量%で存在するアクリル酸またはメタクリル酸であり、ここで酸部分は、カチオン、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、鉛、スズ、亜鉛、もしくはアルミニウム、またはそのようなカチオンの組み合わせによって約1〜90%中和されて、アイオノマーを形成する。特定の酸含有エチレンコポリマーの例には、エチレン/アクリル酸、エチレン/メタクリル酸、エチレン/アクリル酸/n-ブチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/n-ブチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/イソブチルアクリレート、エチレン/アクリル酸/イソブチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/n-ブチルメタクリレート、エチレン/アクリル酸/メチルメタクリレート、エチレン/アクリル酸/メチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/メチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/メチルメタクリレート、およびエチレン/アクリル酸/n-ブチルメタクリレートが含まれる。
存在してもよい他の適切な内側カバー材料の例には、熱可塑性または熱硬化性のポリウレタン、ポリエーテルエステル、ポリエーテルアミド、またはポリエステル、動的加硫されたエラストマー、官能化スチレン-ブタジエンエラストマー、メタロセンポリマー、ポリアミド、例えばナイロン、アクリロニトリルブタジエン-スチレン-コポリマー(ABS)、またはこれらのブレンドが含まれる。
製造プロセス
本発明の例に従うゴルフボールは、本発明から逸脱することなく、当技術分野において公知でありかつ使用される従来の様式を含む任意の望ましい様式で製造され得、ゴルフボールを製造するためのある一般的な技術とは、積層プロセスである。センターの周りに多層を形成するために積層体が最初に形成される。積層体は、少なくとも2つの層を含み、3つの層を含む場合がある。各層について使用するべき未硬化コア材料を混合し、該材料をカレンダー圧延して薄いシートにすることによって、積層体が形成されうる。または、未硬化中間層材料を混合し、該材料を圧延してシートにすることによって積層体を形成してもよい。積層体シートを一緒に積み重ね、カレンダー圧延機を用いて3つの層を有する積層体を形成できる。または、シートは押出成形によって形成されてもよい。
積層体はまた、各材料層の間に接着剤を用いて形成してもよい。例えば、エポキシ樹脂を接着剤として使用してもよい。接着剤は、良好な剪断強度および引張強度、例えば約1500psiを超える引張強度を有するべきである。接着剤は、硬化時に約60未満のショアD硬度を有することが多い。シートに適用される接着剤層は非常に薄く、例えば厚さ約0.004インチ未満にすべきである。
好ましくは、各積層体シートは、ゴルフボール完成品における層の厚さをわずかに上回る厚さに形成される。これらの厚さは異なっていてもよいが、すべて、好ましくは約0.1インチ未満の厚さを有する。シートは非常に均一な厚さを有するべきである。
本方法における次の工程は、センターの周りに多層を形成させることである。これは、金型の上型と下型との間に2つの積層体を配置することによって達成されうる。積層体は、金型半型中でキャビティを形成してもよい。次いで積層体は、結合したときにセンターの周りに積層体層が形成されるようなパターンに切断されうる。例えば、積層体を切断して、野球ボールまたはテニスボールのカバーと同様に、数字の8形状またはバーベル様のパターンにしてもよい。他のパターン、例えば湾曲三角形、半球状のカップ形、楕円形、または、センターの周りに積層体層を形成するために一緒に結合することができる他のパターンを使用してもよい。次いでパターンを金型間に配置し、金型半型中でキャビティを形成させてもよい。層の厚さの均一性が維持されるように、真空源を使用して、積層体を金型キャビティへと形成させることが多い。
積層体をキャビティへと形成した後、次いでセンターを、積層体間に挿入する。次に積層体は、当技術分野で周知の温度および圧力の条件下でセンターの周りに圧縮成形される。金型半型は通常、圧縮成形プロセスの際に積層体から過剰な層材料を流出させるための孔を有する。圧縮成形の代替として、コアおよび/または中間層は、射出成形または他の適切な技術によって形成されてもよい。
次の工程は、ゴルフボールコアの周りにカバーを形成することを含む。センターおよび任意の中間層を含むコアは、一対のカバー金型半型の内部で複数の引き込み式ピンによって支持されてもよい。引き込み式ピンは、当業者に公知の従来手段によって作動させうる。
コアを支持するピンと共に金型半型を閉じた後、複数の射出ポートまたはゲート、例えば縁部ゲートまたはサブゲートを通して、カバー材料を液体状態で金型内に射出する。縁部ゲートにより、得られるゴルフボールはすべて相互連結しており、大きなマトリックスとして一緒に金型半型から取り出すことができる。サブゲーティング(sub-gating)により、金型半型からゴルフボールを取り出している間にゴルフボールから金型ランナーが自動的に分離される。
所定量のカバー材料を金型半型内に射出して、コアを実質的に囲んだ後、引き込み式ピンを引っ込めることができる。コアと金型半型との間の同心性を維持しながら液体カバー材料を流動させて、コアと金型半型との間のキャビティを実質的に満たす。次いでカバー材料をコアの周りで固化させ、ゴルフボールを金型半型から取り出して、コーティング、塗装、および/または、以下でより詳細に記載されるような本発明の実施例に従うプロセスを含むその他の仕上げプロセスを含む、仕上げプロセスに供する。
B. 疎水性TPUを含有する熱可塑性エラストマー/ポリオレフィンブレンドの概説
疎水性TPUは、熱可塑性ポリウレタン(TPU)などの熱可塑性エラストマーとポリオレフィンとのブレンドに有効な相溶化剤である。相溶化剤は、材料を組み合わせて、その材料を相溶性または混和性にすることで、許容可能でありかつ/または改善された性質を有するブレンドを生成する能力を示す。
相溶化ブレンドは、熱可塑性エラストマーおよびポリオレフィン、ならびに相溶化剤としての有効量の疎水性熱可塑性ポリウレタン(疎水性TPU)を含む。相溶化ブレンドは、カバー層の一部、例えばカバー層の内層を形成しうるし、あるいは、コアとカバー層との間の中間層または内層の一つを形成しうる。相溶化ブレンドは、例えば成形プロセス工程によって任意の適切なやり方でゴルフボールに塗布される。
C. 本発明の局面
本発明の一つの局面は、熱可塑性エラストマーおよびポリオレフィン、ならびに相溶化剤としての有効量の疎水性熱可塑性ポリウレタン(疎水性TPU)の相溶化ブレンドにより形成される層を有する、ゴルフボールに関する。
一つの局面において、相溶化ブレンドはゴルフボールの少なくとも一つの中間層として使用される。他の局面において、相溶化ブレンドはゴルフボールの少なくとも一つの外層として使用される。
上記で示した本発明の様々な例示的局面の概説を前提として、本発明のゴルフボール構造の様々な具体例のより詳細な説明を以下に示す。
D. 本発明の局面の例示的ゴルフボールおよび方法の詳細な説明
以下の考察および添付図面は、本発明の局面の様々な例示的ゴルフボールを記述する。一つを超える図面で同じ参照番号が見られる場合、その参照番号は、本明細書および図面を通して同じまたは類似するパーツを指すために一貫して使用される。
本発明の局面は、熱可塑性エラストマーおよびポリオレフィン、ならびに相溶化剤としての有効量の疎水性熱可塑性ポリウレタン(疎水性TPU)の相溶化ブレンドを利用する。特に、熱可塑性エラストマーは熱可塑性ポリウレタン(TPU)である。
ゴルフボールの少なくとも一つの層として塗布される相溶化ブレンドは、有効な耐湿保護をゴルフボールに与える。特に、相溶化ブレンドは、25℃、相対湿度50%、168時間後において1300未満、例えば1000未満、好ましくは750未満の水蒸気透過率(WVTR)を有する防湿層を与える。
相溶化ブレンドにより形成される層のショアD硬度は20〜65である。「ショアD硬度」とは、デュロメータによる材料の硬度、特に材料の押込抵抗の尺度を意味する。ショアD硬度は、ASTM法D2240に従ってデュロメータによってコア、層、カバーなどの曲面に対して直接測定することができる。他の態様では、スタンダードプラークを利用して硬度を測定することができる。
相溶化ブレンドが内層または中間層として塗布される場合、ショアD硬度は概ね30〜65である。相溶化ブレンドがカバー層の内層として塗布される場合、ショアD硬度は概ね30〜65である。ショアDの代替尺度はショアA硬度である。ショアA硬度は概ね60〜99である。
層の比重は0.80超である。ゴルフボールの複合層の比重は、USGAに適合するボールを得るために、1.620オンスというUSGAの制限に近づくほど十分に高いがそれを超えないものであるべきである。「比重(SG)」とは、特定の温度および圧力での所与の固体(または液体)の密度対水の密度の比という通常の意味を示す。
疎水性TPUは、米国特許出願公開第20090192262号に記載されており、また(1)疎水性ポリオールと、(2)ポリイソシアネートと、(3)5個の炭素原子または7〜12個の炭素原子を含有する直鎖延長剤との反応生成物で構成される半結晶性の熱可塑性ポリウレタンであり、ここで疎水性ポリオールは、約1,000〜約4,000の範囲内の数平均分子量を有し、半結晶性の熱可塑性ポリウレタンは、50,000〜1,000,000の範囲内の重量平均分子量を有し、半結晶性の熱可塑性ポリウレタンは、80℃〜150℃の範囲内の融点を有する。米国特許出願公開第20090192262号は参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
疎水性ポリオールは、共役ジオレフィンモノマーのジオール、ポリイソブチレンジオール、脂肪族ジオールおよび/もしくは脂肪族二酸から調製されるポリエステルポリオール、またはそれらの混合物でありうる。例えば、疎水性ポリオールはダイマー脂肪族アルコールおよび/またはダイマー脂肪酸から調製されうる。使用可能な共役オレフィンモノマーのジオールとしては、水素化ポリブタジエンジオールおよび水素化ポリイソプレンジオールが挙げられる。水素化ポリブタジエンポリオールは三菱化学(株)により商品名POLYTAILで販売されており、Kratonポリオールはテキサス州ヒューストンのKraton Polymersにより販売されている。
ダイマー酸ポリエステルポリオールは約18〜約44個の炭素原子を含有しうる。ダイマー酸(およびそのエステル)は、周知の市販のクラスのジカルボン酸(またはエステル)である。ダイマー酸材料は通常26〜44個の炭素原子を含有する。特に、例としては、C36およびC44ダイマー酸(またはエステル)をそれぞれ生じさせるC18およびC22不飽和モノカルボン酸(またはエステル)から誘導される、ダイマー酸(またはエステル)が挙げられる。リノール酸およびリノレン酸などの酸を含むC18不飽和酸(C36ダイマー酸を生じさせる)から誘導されるダイマー酸が特に周知である。また、ダイマー酸生成物は通常、ある割合のトリマー酸(C18出発酸を使用する場合はC54酸)、場合によってはさらに高次のオリゴマー、および少量のモノマー酸を含有する。いくつかの異なるグレードのダイマー酸が商業的供給源から入手可能であり、これらは主に一塩基酸部分およびトリマー酸部分の量ならびに不飽和度において互いに異なる。Priplast(商標)ポリエステルポリオールは、疎水性ポリオールとして特に有用な分岐C36二量化脂肪酸である。Priplast(商標)ポリエステルポリオールはオランダのUniqema of Goudaから市販されている。通常、疎水性TPUを合成する上で使用される疎水性ポリオールは約1,500〜約4,000の範囲内の数平均分子量および約2,000〜約3,000の範囲内の数平均分子量を有する。
通常、疎水性TPUを作製する上で使用される直鎖延長剤は以下の構造式を有する。
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式中、nは5の整数または7〜12の整数を表す。したがって、直鎖延長剤は1,5-ペンタンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,11-ウンデカンジオール、1,12-ドデカンジオールおよびそれらの混合物からなる群より選択されうる。
ポリイソシアネートは脂肪族ジイソシアネートおよび芳香族ジイソシアネートなどのジイソシアネートでありうる。架橋を引き起こす多官能性イソシアネート化合物、すなわちトリイソシアネートなどは一般に回避され、したがって、たとえ存在したとしてもその使用量は、使用される様々なイソシアネート全ての総モルに対して概ね4モルパーセント未満、好ましくは2モルパーセント未満である。適切なジイソシアネートとしては、4,4'-メチレンビス-(フェニルイソシアネート)(MDI)、m-キシレンジイソシアネート(XDI)、フェニレン-1-4-ジイソシアネート、ナフタレン-1,5-ジイソシアネート、ジフェニルメタン-3,3'-ジメトキシ-4,4'-ジイソシアネートおよびトルエンジイソシアネート(TDI)などの芳香族ジイソシアネート、ならびにイソホロンジイソシアネート(IPDI)、1,4-シクロヘキシルジイソシアネート(CHDI)、デカン-1,10-ジイソシアネートおよびジシクロヘキシルメタン-4,4'-ジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネートが挙げられる。上記ジイソシアネートのダイマーおよびトリマーも使用することができ、同様に2種以上のジイソシアネートのブレンドも使用することができる。
ポリイソシアネートは、イソシアネートで末端封止された低分子量のポリマーまたはオリゴマーの形態でありうる。例えば、先に記載のヒドロキシル末端ポリエーテル中間体をイソシアネート含有化合物と反応させることにより、イソシアネートで末端封止された低分子量ポリマーを作り出すことができる。TPUの技術分野において、そのような材料を通常プレポリマーと呼ぶ。そのようなプレポリマーは通常約500〜約10,000の範囲内の数平均分子量(Mn)を有する。
一種または複数種のジイソシアネートのモル比は、一種または複数種の疎水性ポリオールと一種または複数種の鎖延長剤との総モル1モル当たり概ね約0.95〜約1.05モル、または約0.98〜約1.03モルである。鎖延長剤とポリオールとのモル比は、典型的には約0.3:1〜10:1の範囲内、より典型的には約0.4:1〜5:1の範囲内である。鎖延長剤とポリオールとのモル比は、約0.5:1〜3:1の範囲内、または約0.5:1〜2:1の範囲内でありうる。
米国特許出願公開第20090192262号では、疎水性TPUを作製する様々な方法がさらに記載されている。任意の適切な方法が本出願に許容される。
第一錫および他の金属のカルボキシレートならびに第三級アミンなどの触媒を使用して疎水性TPUを調製することができる。金属カルボキシレート触媒の例としてはオクタン酸第一錫、ジブチル錫ジラウレート、プロピオン酸フェニル水銀、オクタン酸鉛、鉄アセチルアセトネート、マグネシウムアセチルアセトネートなどが挙げられる。第三級アミン触媒の例としてはトリエチレンジアミンなどが挙げられる。一種または複数種の触媒の量は、形成される末端TPUポリマー100万重量部当たり概ね約50〜約100重量部である。
疎水性TPUポリマーの重量平均分子量(Mw)は約50,000〜約500,000ダルトン、約100,000〜約500,000ダルトン、および約120,000〜約300,000ダルトンの範囲である。TPUポリマーのMwは、ポリスチレン標準物質に対するゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)に従って測定される。
より高分子量の疎水性TPUポリマーを所望の場合、2.0超の平均官能価を有する少量の架橋剤を使用して架橋を誘導することによりそれを実現することができる。架橋剤の使用量は、鎖延長剤の総モルの2モルパーセント未満または1モルパーセント未満である。1モルパーセント未満の鎖延長剤をトリメチロールプロパン(TMP)で置き換えることができる。TPUポリマーを製造するために、2.0超の平均官能価を有する架橋剤を、疎水性ポリオール、イソシアネート化合物および鎖延長剤と共に反応混合物中に加えることにより、架橋を達成する。TPUポリマーを作製するために反応混合物中で使用される架橋剤の量は、所望の分子量、および使用される特定の架橋剤の有効性に依存する。通常、TPUポリマーを作製する上で使用される鎖延長剤の総モルに対して2.0モルパーセント未満または1.0モルパーセント未満が使用される。架橋剤の使用レベルは、鎖延長剤の総モルに対して概ね約0.05モルパーセント〜約2.0モルパーセントである。
架橋剤は、2.0超の平均官能価を有しかつTPUポリマーを架橋する能力を有する、任意のモノマーまたはオリゴマー材料でありうる。トリメチロールプロパン(TMP)およびペンタエリスリトールなどのそのような材料が熱硬化性ポリウレタンの技術分野において周知である。
疎水性TPUは、約80℃〜約150℃の範囲内の融点を有する。典型的には約90℃〜約145℃の範囲内の融点を有し、より典型的には約110℃〜約140℃の範囲内の融点を有する。
疎水性TPUは、熱可塑性エラストマー/ポリオレフィンブレンド、特にTPU/ポリオレフィンブレンド用の相溶化剤として有効である。
熱可塑性エラストマーは、TPE、TPO、TPU、SEB、SBS、SEBS、PEBA、TPVおよびTPRを含むがそれに限定されない任意の適切なエラストマーでありうる。特に、熱可塑性エラストマーは熱可塑性ポリウレタン(TPU)である。
疎水性TPUと組み合わせるために適したTPUは、ポリウレタンプレポリマーと硬化剤との間の反応の生成物である。ポリウレタンプレポリマーは、ポリオールとジイソシアネートとの間の反応により形成される生成物である。多くの場合、触媒を使用して、硬化剤とポリウレタンプレポリマーとの間の反応を促進する。さらに、鎖延長剤を使用してポリウレタンの分子量を増大させることができる。
「ポリイソシアネート」とは、二つ以上のイソシアネート官能基を有する有機分子(例えばジイソシアネート)を意味する。本明細書において有用なポリイソシアネートは、脂肪族もしくは芳香族、または芳香族と脂肪族との組み合わせでありうるものであり、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、イソプレンジイソシアネート(IPDI)などを挙げることができるがそれらに限定されない。
「ポリオール」とは、二つ以上のヒドロキシル官能基を有する有機分子を意味する。
第一錫および他の金属のカルボキシレートならびに第三級アミンなどの触媒を使用してTPUを調製することができる。金属カルボキシレート触媒の例としてはオクタン酸第一錫、ジブチル錫ジラウレート、プロピオン酸フェニル水銀、オクタン酸鉛、鉄アセチルアセトネート、マグネシウムアセチルアセトネートなどが挙げられる。第三級アミン触媒の例としてはトリエチレンジアミンなどが挙げられる。一種または複数種の触媒の量は少なく、形成される末端TPUポリマー100万重量部当たり概ね約50〜約100重量部である。
「鎖延長剤」とは、比較的低分子量のポリウレタンの分子量を比較的高分子量のポリウレタンに増大させる薬剤を意味する。鎖延長剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオールなどの一種または複数種のジオール、トリメチロールプロパン、グリセリンなどのトリオール、およびポリテトラメチレンエーテルグリコールなどを挙げることができる。
TPUは概ね約20〜約60のショアD硬度および約1.2超の比重を有する。TPUは概ね約20,000〜約500,000の重量平均分子量を有する。
参照により本明細書に組み入れられる米国特許第6,054,533号では、通常の熱可塑性ポリウレタンの種類およびそれらの合成用の技術が記載されている。適切な熱可塑性ポリウレタンの例としては、オハイオ州クリーブランドのLubrizolから市販されているESTANE(登録商標)58133、ESTANE(登録商標)58134およびESTANE(登録商標)58144が挙げられる。
そのような相溶化ブレンドにおいて利用されるポリオレフィンは、2〜約6個の炭素原子を含有するオレフィンモノマーから作製することができ、ポリオレフィンとしてはポリエチレン(高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレンなどを含む)、ポリプロピレン(アタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、およびポリプロピレンとエラストマーとのブレンドを含む)、ポリブチレン、ならびにそのようなオレフィンモノマーのコポリマーなどがある。そのようなポリオレフィンの重量平均分子量は概ね約40,000〜約2,000,000、好ましくは約100,000〜約1,500,000である。
ブレンド中の熱可塑性エラストマーの量は、熱可塑性エラストマーおよびポリオレフィンの総重量を基準にして約5重量パーセント〜約95重量パーセント、典型的には約15重量パーセント〜約85重量パーセント、さらには20重量パーセント〜約80重量パーセント、または30重量パーセント〜70重量パーセントであり、ポリオレフィンの量は、熱可塑性エラストマーおよびポリオレフィンの総重量を基準にして相補的な量であり、概ね約5重量パーセント〜約95重量パーセントである。
相溶化ブレンドを形成するために利用される本発明の相溶化剤の量は、熱可塑性エラストマーの種類、特定のポリオレフィンの種類などに依存する。概ね、相溶化剤の量は、熱可塑性エラストマーとポリオレフィンとのブレンド100重量部当たり約0.25重量部〜約15重量部であり、典型的には約0.5または0.75重量部〜約6または10重量部である。
熱可塑性エラストマー、ポリオレフィンおよび疎水性TPUは適切に混合またはブレンドされる。混合は、通常の溶融加工技術を利用可能であり、バッチ式、または例えば一軸もしくは二軸押出機の使用を通じた連続式のいずれかでありうる。混合温度はTPUおよび疎水性TPUの融点を概ね超える。そのような温度は概ね約180℃〜約240℃である。混合時間は、一緒にブレンドされる成分の量、使用される混合装置、および混合温度に応じて自然に変動する。
流動添加剤、傷/スリップ(mar/slip)添加剤、接着促進剤、増粘剤、光沢低減剤、軟化剤、架橋添加剤、耐引掻性を強化するかまたは作り出すためのイソシアネートまたは他の薬剤、光学的光沢剤(optical brightener)、およびUV吸収剤などのさらなる添加剤を、任意で相溶化ブレンドに組み込んでもよい。そのような添加剤の量は通常0〜約20重量%、多くの場合0〜約6重量%の範囲である。
様々な例において十分に示されるように、相溶化された後、そのような熱可塑性ポリオレフィンブレンドは、同じ二つのポリマーの非相溶化ブレンドに対して改善された、耐衝撃性、良好な引張強さ、少ない層間剥離、良好な引裂抵抗、少ない摩耗などの性質を示す。
相溶化ブレンドは、例えば一回の成形プロセス工程によってゴルフボールに塗布される。樹脂を塗布する方法は限定されない。
塗布されるブレンドの厚さ(乾燥後、硬化後、冷却後、固化後または凝固後)は通常約0.5〜約5.0mm、いくつかの例では約0.75〜約3.0mmの範囲である。
本発明のゴルフボール本体はその構造に制限がなく、1ピースゴルフボール、2ピースゴルフボール、少なくとも三つの層を含む複数ピースゴルフボール、および糸巻きコアゴルフボールを含む。本発明はすべての種類のゴルフボールに適用することができる。
以下の表は6つの異なるブレンドおよびそれらの対応する水蒸気透過率(WVTR)を示す。図4は、疎水性TPU(H-TPU)の割合が0%から5%、10%へと増大する際の蒸気透過の傾向を示す。ブレンド6は最低の透過率を示すが硬度が高すぎる。
ブレンド:
Figure 0005662488
性能:
Figure 0005662488
III.結論
本発明を、種々の例示的構造、特性、要素、ならびに構造、特性、および要素の組み合わせに関して、添付の図面および上記にて説明する。しかし、開示によって与えられる目的は、本発明に関連した種々の特性および概念の例を提供することであり、本発明の範囲を限定するものではない。関連分野の当業者は、多数の変形および変更が、添付の特許請求の範囲によって規定されるような本発明の範囲から逸脱することなく、上述の態様に対して行うことができることを認識するであろう。例えば、図と組み合わせて上記で説明した種々の特性および概念は、個々におよび/または本発明から逸脱することなくいずれかの組み合わせまたは部分的組み合わせにて使用できる。

Claims (17)

  1. コア、
    中間層、および
    カバー層
    を含み、
    中間層が、熱可塑性エラストマーおよびポリオレフィンと、半結晶性の疎水性熱可塑性ポリウレタンを含む有効量の相溶化剤とを含む相溶化ブレンドを含み、
    該半結晶性の疎水性熱可塑性ポリウレタンが、(1)疎水性ポリオールと、(2)ポリイソシアネートと、(3)5個の炭素原子または7〜12個の炭素原子を含有する直鎖延長剤との反応生成物を含み、疎水性ポリオールが、1,000〜4,000の範囲内の数平均分子量を有し、半結晶性の熱可塑性ポリウレタンが、50,000〜1,000,000の範囲内の重量平均分子量を有し、半結晶性の熱可塑性ポリウレタンが、80℃〜150℃の範囲内の融点を有する、
    ゴルフボール。
  2. コア、および
    カバー
    を含み、
    カバーが、熱可塑性エラストマーおよびポリオレフィンと、半結晶性の疎水性熱可塑性ポリウレタンを含む有効量の相溶化剤とを含む相溶化ブレンドを含む少なくとも一つの層を含み、
    該半結晶性の疎水性熱可塑性ポリウレタンが、(1)疎水性ポリオールと、(2)ポリイソシアネートと、(3)5個の炭素原子または7〜12個の炭素原子を含有する直鎖延長剤との反応生成物を含み、疎水性ポリオールが、1,000〜4,000の範囲内の数平均分子量を有し、半結晶性の熱可塑性ポリウレタンが、50,000〜1,000,000の範囲内の重量平均分子量を有し、半結晶性の熱可塑性ポリウレタンが、80℃〜150℃の範囲内の融点を有する、
    ゴルフボール。
  3. 熱可塑性エラストマーが、熱可塑性ポリウレタンである、請求項1または2のいずれか一項記載のゴルフボール。
  4. 中間層またはカバー層が、25℃、相対湿度50%、168時間後において1300g/m未満水蒸気透過率を有する、請求項1〜3のいずれか一項記載のゴルフボール。
  5. 中間層またはカバー層が、25℃、相対湿度50%、168時間後において1000g/m 未満の水蒸気透過率を有する、請求項1〜3記載のゴルフボール
  6. 中間層またはカバー層が、25℃、相対湿度50%、168時間後において750g/m 未満の水蒸気透過率を有する、請求項1〜3記載のゴルフボール
  7. 中間層がショアD硬度20〜65を有するか、またはカバー層がショアD硬度20〜50を有する、請求項1〜のいずれか一項記載のゴルフボール。
  8. 中間層またはカバー層が、0.80超の比重を有する、請求項1〜のいずれか一項記載のゴルフボール。
  9. 相溶化ブレンドが、約20〜約65のショアD硬度を有する熱可塑性エラストマーを用いて調製される、請求項1〜のいずれか一項記載のゴルフボール。
  10. 相溶化ブレンドが、約20,000〜約500,000の重量平均分子量を有する熱可塑性エラストマーを用いて調製される、請求項1〜のいずれか一項記載のゴルフボール。
  11. 相溶化ブレンドが、ブレンド中の熱可塑性エラストマーおよびポリオレフィンの総重量を基準にして、約5重量パーセント〜約95重量パーセントの熱可塑性エラストマーと、約95重量パーセント〜約5重量パーセントのポリオレフィンとを含む、請求項1〜10のいずれか一項記載のゴルフボール。
  12. 相溶化剤の有効量が、ブレンド中の熱可塑性エラストマーおよびポリオレフィン合計100重量部当たり約0.25〜約15重量部である、請求項1〜11のいずれか一項記載のゴルフボール。
  13. 熱可塑性エラストマーおよびポリオレフィンと半結晶性の疎水性熱可塑性ポリウレタンを含む有効量の相溶化剤とを含む防湿層である、中間層またはカバー層として、相溶化ブレンドをゴルフボールに塗布する段階を含む、ゴルフボールを調製する方法であって、
    該半結晶性の疎水性熱可塑性ポリウレタンが、(1)疎水性ポリオールと、(2)ポリイソシアネートと、(3)5個の炭素原子または7〜12個の炭素原子を含有する直鎖延長剤との反応生成物を含み、疎水性ポリオールが、1,000〜4,000の範囲内の数平均分子量を有し、半結晶性の熱可塑性ポリウレタンが、50,000〜1,000,000の範囲内の重量平均分子量を有し、半結晶性の熱可塑性ポリウレタンが、80℃〜150℃の範囲内の融点を有する、
    方法。
  14. 相溶化ブレンドを含む層が、ゴルフボールのコアまたは中間層の表面に成形される、請求項13記載の方法。
  15. 中間層またはカバー層が、25℃、相対湿度50%、168時間後において1300g/m未満の水蒸気透過率を有する、請求項13または14記載の方法。
  16. 中間層またはカバー層が、25℃、相対湿度50%、168時間後において1000g/m 未満の水蒸気透過率を有する、請求項13または14記載の方法。
  17. 中間層またはカバー層が、25℃、相対湿度50%、168時間後において750g/m 未満の水蒸気透過率を有する、請求項13または14記載の方法。
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