JP2006320428A - 吸収性物品 - Google Patents

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章 野田
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Abstract

【課題】 透湿性シートを通じて染み出てきた尿や血液が、衣類や寝具に移行することを防止し得る吸収性物品を提供すること。
【解決手段】 吸収性物品1は、液不透過性ないし液難透過性で且つ透湿性の多孔質フィルム3aの一面に繊維層3bが貼り合わされてなる複合シートを備える。多孔質フィルム3aにおける繊維層3bの貼り合わせ面31が親水性である。複合シートを、裏面シート3又は立体ギャザー形成用シート62として用い、該複合シートにおける繊維層3bが外面を向くように該複合シートが配されている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、透湿性のシートを備えた吸収性物品に関する。
使い捨ておむつや生理用ナプキンを始めとする各種吸収性物品においては、使用中における着装内の湿度を低下させ、蒸れやそれに起因する肌のかぶれ等を防止することを目的として、裏面シートとして透湿性の多孔質フィルムがしばしば用いられている。この多孔質フィルムには、水蒸気の放出のために、直径数μmの孔が無数に形成されている。この孔は非常に小さいので、水蒸気は孔を通して外部に放出されるが、尿や血液は表面張力によって外部へ漏れ出にくくなっている。
着装内の湿度を低下させて着用感を向上させる観点からは、多孔質フィルムの透湿性は高いほどよい。このためには、多孔質フィルムに形成される孔の大きさを大きくする必要がある。しかし、その場合には、多孔質フィルムの防水性が低下し、孔を通じて尿や血液が外部へ染み出しやすくなる。
多孔質フィルムの透湿度を高めつつ、尿や血液の染み出しを防止することを目的として、透湿度と厚みとの関係を規定したポリオレフィン系の多孔質フィルムが提案されている(特許文献1参照)。また、多孔質フィルムの原料樹脂組成物に、ひまし油とシリコーン類との混合物を配合することで、多孔質フィルムに撥水性を付与することが提案されている(特許文献2参照)。
また、体液処理用吸収性物品のバックシートを、透湿性プラスチックフィルムとその外面に一体的にラミネートされた透湿性繊維質シートから構成し、該繊維質シートを第1成分層と、これに接する第2成分層とから構成し且つ第1成分層の体液濡れ特性を第2成分層のそれよりも高くすることが提案されている(特許文献3参照)。この提案の吸収性物品は、少量の水蒸気が外部へ放出された場合であれば、衣類が湿ることを防止することができる。しかし、水蒸気ではなく、尿や血液そのものが染み出してきた場合には、前記の繊維質シートによって尿等を捕捉することができず、衣類に湿り気を与えてしまう。
特開2001−294695号公報 特開2003−26839号公報 特開平10−272154号公報
従って本発明の目的は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る透湿性の複合シート及びそれを用いた吸収性物品を提供することにある。
本発明は、液不透過性ないし液難透過性で且つ透湿性の多孔質フィルムの一面に繊維層が貼り合わされてなる複合シートを備えた吸収性物品であって、該多孔質フィルムにおける該繊維層の貼り合わせ面が親水性である吸収性物品を提供することにより前記目的を達成したものである。
また本発明は、液不透過性ないし液難透過性で且つ透湿性の多孔質フィルムの一面に繊維層が貼り合わされてなり、該多孔質フィルムにおける該繊維層の貼り合わせ面が親水性である複合シートを提供するものである。
本発明によれば、多孔質フィルムにおける繊維層との貼り合わせ面が親水性になっているので、多孔質フィルムを通じて染み出してきた尿等の体液が、繊維層に移行する前に、前記の貼り合わせ面方向に拡散する。その拡散によって、尿等が空気と触れる面積が増大し、その乾燥速度が高まる。その結果、尿等の体液は前記の貼り合わせ面上で乾燥し、繊維層の表面はドライな状態が維持される。また、尿等の体液中の着色成分は前記の貼り合わせ面上に残り、衣類や寝具に移行しないので、これらが汚れることが防止される。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には、本発明の吸収性物品の一実施形態である使い捨ておむつを、その引き伸ばした状態下に表面シート側からみた平面図が示されている。
おむつ1は、表面シート2、裏面シート(図示せず)、及び両シート間に介在された液保持性の吸収体4を備えている展開型のものである。表面シート2は、液透過性の材料から構成されている。吸収体4は、液保持性の材料から構成されている。おむつ1は、長手方向の中央部に股下部Aを有し、且つ股下部Aから長手方向前後にそれぞれ延びる背側部B及び腹側部Cを有している。背側部Bの両側部にはサイドフラップSが形成されており、そのサイドフラップSにはファスニングテープFTが取り付けられている。ファスニングテープFTには、メカニカルファスナのフック部材(図示せず)が取り付けられている。このフック部材としては当該技術分野においてで公知のものを特に制限なく用いることができる。腹側部Cにおける裏面シートの表面には、ファスニングテープFTが止着される部位であるランディングテープ5が貼り付けられている。
おむつ1は、股下部Aの両側縁が内向きの円弧状に湾曲しており、全体として長手方向中央部が内方に括れた砂時計状の形状となっている。表面シート2は、吸収体4よりも外形寸法の大きい略矩形状の平面視形状を有しており、裏面シートの幅方向中央部に配されている。裏面シートは、おむつの外形形状に一致する砂時計状の外形を有している。表面シート2及び裏面シートは、それぞれ、吸収体4の両側縁41,41及び両端縁42a,42bから外方に延出しており、それらの延出部において互いに接合されている。裏面シートの長手方向の両側部は、表面シート2の両側縁から幅方向外方に延出している。
おむつ1における長手方向の両側にはそれぞれ、弾性ストランド61を有する立体ギャザー形成用のシート材62が、表面シート2の両側を覆うように配されている。これによって一対の立体ギャザーが形成される。弾性ストランド61は、それぞれ糸状の形態を有し、シート材62の自由端63と略平行に複数本配されている。更に、おむつ1における長手方向の両側にはそれぞれ、複数本のレッグ部弾性ストランド71,71が略直線状に配されている。これによってレッグギャザーが形成されている。弾性ストランド61及びレッグ部弾性ストランド71は、何れもおむつ1の長手方向に沿って配設されており、また、背側部Bと腹側部Cとの間に亘って配設されている。
背側部B及び腹側部Cのウエスト部Dには、ウエスト部弾性バンド81が配設されてウエスト伸縮部8が形成されている。また、背側部Bの胴回り部Eの両側部には、それぞれ複数本の胴回り部弾性ストランド91が配設されて一対のサイド伸縮部9,9が形成されている。背側部Bの胴回り部Eは、おむつ1を、その各部の弾性部材を伸張させて平面状に拡げた状態(緊張状態)とし、背側部B側を上側、腹側部C側を下側と考えた場合に、ウエスト部弾性部材81が配された部位よりも下方に位置し且つ股下部Aより上方に位置する部分である。
図2には、裏面シート3の要部拡大図が示されている。裏面シート3は、液不透過性ないし液難透過性で且つ透湿性の多孔質フィルム3aと、その一面に貼り合わされた繊維層3bとを有する複合シートからなる。複合シートからなる裏面シート3は、その繊維層3bがおむつ1の外面を向くように配されている。なお、以下の説明においては、多孔質フィルム3aの面のうち、繊維層3bの貼り合わせ面を外面31といい、繊維層3bの貼り合わせ面と反対の面を内面32という。
複合シートからなる裏面シート3においては、多孔質フィルム3aの外面31が親水性になっている。多孔質フィルム3aの外面31が親水性になっている複合シートを裏面シート3として用いることで、本実施形態のおむつ1においては、排泄された液が裏面シート3を通して染み出しても、液が衣類や寝具に移行することが効果的に防止される。この理由を、図3を参照しながら説明する。
図3に示すように、使用者から排泄された液は、一旦吸収体4に吸収される。この状態下におむつに体圧が加わると、吸収体4に吸収されている液が、多孔質フィルム3aに形成されている微細孔を通じて外部へ染み出す。この場合、多孔質フィルム3aの外面が親水性になっているので、染み出した液は、繊維層3bへ移行する前に、多孔質フィルム3aの外面31の平面方向へ拡散する。平面方向へ拡散した液は、空気と接触する面積が増大するので、その乾燥速度が高まる。その結果、液は多孔質フィルム3aの外面31で乾燥し、繊維層3bはドライな状態が保たれる。従って、染み出した液で衣類や寝具が濡れることが効果的に防止される。しかも、液が多孔質フィルム3aの外面31で乾燥するので、液の着色成分がフィルム3aの外面に残り、衣類や寝具に色が付くことも防止される。
多孔質フィルム3aの外面31における平面方向への液の拡散を確実に行う観点から、外面31の親水性の程度は、濡れ指数で表して450μN/cm、特に480μN/cm以上であることが好ましい。また、実質上は、上限は700μN/cm程度であればよい。濡れ指数はJIS K6768に準じて測定される。但し、濡れ試薬の塗布は、軸径2mm、脱脂綿重量160g、脱脂綿長さ12mmの綿棒で行う。以下、濡れ指数というときは、この方法で測定された値をいう
多孔質フィルム3aの外面31における平面方向への液の拡散を一層確実に行う観点から、繊維層3bは疎水性であることが好ましい。同様の観点から、繊維層3bが疎水性であることに加えて、該層3bはその坪量が10g/m2以上であることが好ましく、特に10〜30g/m2、とりわけ13〜30g/m2であることが好ましい。
液の染み出しを一層防止する観点から、多孔質フィルム3aの内面32は疎水性であることが好ましい。内面32の疎水性の程度が、濡れ指数で表して好ましくは400μN/cm以下であると、液の染み出しを一層効果的に防止できる。また、実質的には下限は300μN/cm程度であることが好ましい。
多孔質フィルム3aとしては、吸収性物品の技術分野における透湿性シートとして通常用いられるものと同様のものを特に制限なく用いることができる。例えば熱可塑性樹脂及び炭酸カルシウム等のフィラーを含む樹脂組成物から得られた成形シートを一軸又は二軸延伸して得られるフィルムを用いることができる。多孔質フィルム3aは、その透湿度(JIS Z0208、但し環境温度をおむつ使用時に合わせるため40℃から30℃に変更して測定、以下、透湿度というときには、この方法で測定されたものをいう)が2.4〜4.0g/(100cm2・h)、特に3.0〜3.6g/(100cm2・h)であることが、液の染み出しを防止しつつ、使用中のおむつ1の内部の湿度を十分に低下させ得る点から好ましい。
また、多孔質フィルム3aと繊維層3bとの貼り合わせ面での尿の乾燥速度を高める観点から、該貼り合わせ面における多孔質フィルム3aの表面は表面積が大きくなるよう凹凸であることが好ましい。例えば多孔質フィルム3aの成形時に用いられる、溶融樹脂に触れる冷却ロールの表面を梨地にして、それを多孔質フィルム3aに転写することで、いわゆるマット地にすることなどが好ましい。これとは別に、尿のしみ出しを防止する観点から、多孔質フィルム3aは、延伸が均一に行われたものであって、延伸むらが少ないことが好ましい。例えばポリエチレン樹脂を用いて多孔質フィルム3aを製造する場合には、樹脂の密度は0.93g/cm3よりも低いことが好ましい。
多孔質フィルム3aの外面31を親水性にするためには、例えば該面をコロナ放電処理等の表面改質処理に付せばよい。或いは、該面を高濃度の界面活性剤で処理すればよい。界面活性剤としては、例えば陽イオン界面活性剤や陰イオン界面活性剤、或いは非イオン界面活性剤の何れもが使用できる。多孔質フィルム3aに外面31に界面活性剤を施すには、例えばフレキソ印刷機やグラビア印刷機を用いることができる。或いは、界面活性剤を剥離紙等に塗布し、次いで該界面活性剤を多孔質フィルム3aに転写する方法を採用しても良い。
一方、多孔質フィルム3aの内面32を疎水性にするためには、例えば該面を親油剤で処理すればよい。尤も、多孔質フィルム3aを構成する熱可塑性樹脂は、本来的に疎水性であるものが多いので、そのような樹脂を用いる場合には、特別な処理を施すことなく内面32を疎水性とすることができる。
繊維層3bは、多孔質フィルム3aの透湿性を損なわないようにする観点から、間欠的、不連続に多孔質フィルム3aに貼り合わせられることが好ましい。例えばスパイラルパターンやビードパターンなどの間欠的なパターンでホットメルト接着剤を塗工し、多孔質フィルム3aと繊維層3bとを貼り合わせることが好ましい。また、繊維層3bと多孔質フィルム3aとを部分的にヒートシール又は超音波シールして貼り合わせてもよい。特に、多孔質フィルム3aの外面31の親水性及び多孔質フィルム3aの透湿性を損なわないように、繊維層3bと多孔質フィルム3aとを首尾良く貼り合わせる観点から、ホットメルト接着剤を用いる場合には、スパイラル塗工を用いて両者を貼り合わせることが好ましい。スパイラル塗工では、その塗布パターンとしてホットメルト接着剤を糸状に塗布するので、ホットメルト接着剤の塗布坪量に比べて塗布面積が少なくなる。
繊維層3bとしては、例えば各種合成繊維を原料とする繊維や、レーヨンなどの再生繊維、コットン及びパルプなどの天然繊維を用いることができる。繊維層3bを疎水性となす場合には、疎水性の合成樹脂を原料とする繊維を用いることが好ましい。繊維層3bの形態としては、ウエブ、該ウエブ中の繊維交点を固定化して得られた不織布、織布、編布などを特に制限なく用いることができる。製造のしやすさや経済性の観点からは、ウエブや不織布を用いることが好ましい。不織布としては、スパンボンド法、スパンレース法、エアスルー法、エアレイ法、メルトブロー法などで製造されたものを用いることができる。或いは、これらの不織布の複合体、例えばスパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(以下、SMSという)不織布を用いることもできる。繊維層3bの構成繊維の太さは、肌触りや経済性の観点から0.5〜12dtex程度であることが好ましい。また、繊維層3bの坪量は、10〜50g/m2、特に10〜40g/m2であることが好ましい。
繊維層3b及び多孔質フィルム3aを有する複合シートは、その全体の透湿度が1.5〜3.0g/(100cm2・h)、特に2.0〜2.8g/(100cm2・h)であることが、液の染み出しを防止しつつ、使用中のおむつ1の内部の湿度を十分に低下させ得る点から好ましい。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記実施形態においては、多孔質フィルム3a及び繊維層3bを有する複合シートを、おむつ1の裏面シート3として用いたが、これに代えて立体ギャザー形成用シート62として、該複合シートを用いることもできる。その場合にも、複合シートにおける繊維層が外面を向くように該複合シートを配する。
また、前記実施形態においては、繊維層3bは単層であったが、これに代えて繊維層を多層構造となしてもよい。
また、多孔質フィルム3aの外面31には、該面31の親水性が損なわれない範囲において、文字、図形、記号等が印刷されていてもよい。これにより、おむつ1の商品価値を高めることができる。
また前記実施形態は、本発明を展開型の使い捨ておむつに適用した例であるが、本発明は他の吸収性物品、例えばパンツ型の使い捨ておむつ、失禁パッド、生理用ナプキン、おりものシート等にも同様に適用できる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲はかかる実施例に制限されない。
〔実施例1〕
結晶性ポリプロピレン樹脂58重量部と、炭酸カルシウム37重量部とを含む樹脂組成物を原料として用いインフレーション成形を行った。得られたフィルムを一軸延伸して多孔質フィルムを得た。このフィルムの一面に界面活性剤を塗布し親水化させた。用いた界面活性剤は非イオン性界面活性剤(花王(株)製のマイドール10)であった。この界面活性剤を、ヨシミツ精機製のYBA型ベーカーアプリケーター4型を用いて、ガラス板上に載せた剥離紙にクリアランス0の条件で塗布した。その後、界面活性剤を前記の多孔質フィルムに転写した。この多孔質フィルムの透湿度、坪量、濡れ指数を表1に示す。
多孔質フィルムとは別に、ポリプロピレン製のSMS不織布を製造した。不織布の坪量及び濡れ指数を表1に示す。
多孔質フィルムにおける界面活性剤を塗布した面に、SMS不織布を貼り合わせた。貼り合わせには、ビードパターンで塗布されたホットメルト接着剤を用いた。接着剤の坪量は1.2g/m2であった。このようにして複合シートを得た。得られた複合シートの透湿度を表1に示す。
得られた複合シートを裏面シートとして用い、エアスルー不織布を表面シートとして用い、またフラッフパルプと高吸収性ポリマーとの積繊体をティッシュペーパーで包んだものを、吸収体として用いて、図1に示す使い捨ておむつを得た。エアスルー不織布は、ポリエチレンテレフタレートを芯、ポリエチレンを鞘とする芯鞘型複合繊維からなり、坪量は15g/m2であった。吸収体はその坪量が520g/m2であり、フラッフパルプと高吸収性ポリマーとの重量比は1:1であった。また、立体ギャザー形成用のシート材としては、坪量15g/m2のスパンボンド不織布を用いた。
〔比較例1〕
多孔質フィルムに界面活性剤を塗布しなかった以外は実施例1と同様にして複合シート及び使い捨ておむつを得た。
〔比較例2〕
特開平10−272154号公報の記載に従い使い捨ておむつを得た。実施例1において用いた多孔質フィルムにコロナ放電処理を行わず、該フィルムの一面に2層構造の繊維層を貼り合わせた。貼り合わせは実施例1と同様に行った。
2層構造の繊維層は、坪量16g/m2のレーヨンスパンレース不織布からなる層と、坪量20g/m2のエアスルー不織布からなる層から構成されていた。エアスルー不織布は、ポリエチレンテレフタレートを芯、ポリエチレンを鞘とする芯鞘型複合繊維からなるものであった。レーヨンスパンレース不織布とエアスルー不織布とは、ビードパターンで塗布されたホットメルト接着剤によって接合されていた。接着剤の坪量は1.2g/m2であった。またレーヨンスパンレース不織布は、界面活性剤に浸漬した後に乾燥させて、繊維表面に親水剤を塗布し親水性を与えておいた。親水剤は、アルキルリン酸エステルカリウム塩70重量%とアルキルグリコール30重量%との混合物であった。
2層構造の繊維層のうち、レーヨンスパンレース不織布が、多孔質フィルムに対向するように、繊維層は多孔質フィルムに貼り合わされた。これら以外は実施例1と同様にして複合シート及び使い捨ておむつを得た。
〔評価〕
得られた複合シートについて、以下の方法で液体の染み出し防止性を評価した。また得られた使い捨ておむつを、幼児の下半身の形状を模したアクリル製の人形に装着し、着装内の蒸れの程度を以下の方法で評価した。これらの結果を表1に示す。
〔液体の染み出し防止性〕
濾紙の上に、150mm×150mmに裁断した複合シートを載置した。この場合、多孔質フィルムが上を向くようにした。複合シート上に、直径36mmの円筒を置き、その中に360μN/cm(36dyn)の濡れ試薬に相当する表面張力の液を4mL静かに注ぎ入れた。30分経過後、濾紙に染み出しがないか否かを目視観察した。染み出しが観察されない場合を「○」、観察された場合を「×」と評価した。
〔着装内の蒸れ〕
評価環境は23℃50%RHとした。アクリル人形はその内部に温水を循環させて表面温度を36℃に維持した。得られた使い捨ておむつをアクリル人形に装着した。30分経過後、36℃に加熱した人口尿200ccを8秒間で排尿部該当ポイントからおむつに注入した。湿度計をアクリル人形の股間に固定しておき、おむつ以外の衣服は装着せずに注入1時間経過後の内部湿度を測定した。人形の姿勢はあおむけであり、人形の下に布を敷き人形が水平になるように載置した。人口尿は尿素194g、塩化ナトリウム79.54g、硝酸マグネシウム11.058g、塩化カルシウム6.208g、硫酸カリウム19.788g、顔料(赤色2号)0.5g、界面活性剤(花王製、エマルゲンン935)0.35g、イオン交換水9688.10gの混合物であり、36℃に加熱後用いた。
Figure 2006320428
表1に示す結果から明らかなように、実施例の複合シートでは液体の染み出しは観察されず、しかも該シートを備えた使い捨ておむつでは着装内の湿度が低く保たれることが判る。比較例1においては内部湿度は低いが、染み出し評価で濾紙ほぼ全面に低表面張力の液体が染み込んだ。また比較例3においても、内部湿度は低いが、染み出し評価で濾紙の一部に低表面張力の液体が染み込んだ。
本発明の吸収性物品の一実施形態である使い捨ておむつを、その引き伸ばした状態下に表面シート側からみた平面図である。 裏面シートの要部拡大図である。 液の染み出し防止を模式的に示す説明図である。
符号の説明
1 使い捨ておむつ(吸収性物品)
2 表面シート
3 裏面シート
3a 多孔質フィルム
3b 繊維層
31 外面
32 内面
4 吸収体

Claims (6)

  1. 液不透過性ないし液難透過性で且つ透湿性の多孔質フィルムの一面に繊維層が貼り合わされてなる複合シートを備えた吸収性物品であって、該多孔質フィルムにおける該繊維層の貼り合わせ面が親水性である吸収性物品。
  2. 前記複合シートを、裏面シート又は立体ギャザー形成用シートとして用い、該複合シートにおける前記繊維層が外面を向くように該複合シートが配されている請求項1記載の吸収性物品。
  3. 前記多孔質フィルムにおける前記繊維層の貼り合わせ面とは反対の面が疎水性である請求項1又は2記載の吸収性物品。
  4. 前記繊維層が疎水性であり且つその坪量が7〜40g/m2である請求項1ないし3の何れかに記載の吸収性物品。
  5. 前記複合シートの透湿度(JIS Z0208、但し環境温度を30℃にして測定)が1.7〜2.9g/(100cm2・h)である請求項1ないし4の何れかに記載の吸収性物品。
  6. 液不透過性ないし液難透過性で且つ透湿性の多孔質フィルムの一面に繊維層が貼り合わされてなり、該多孔質フィルムにおける該繊維層の貼り合わせ面が親水性である複合シート。
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