JP2006319789A - 車両用障害物検知センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の圧電素子を用いた超音波センサに比べてより近い位置に存在する障害物を非接触で検知することが可能な車両用障害物検知センサを提供する。
【解決手段】車両用障害物検知センサDは、音波を送波可能な送波素子10および送波素子10を駆動する駆動回路20を有する送波装置1と、送波素子10から送波され障害物Obで反射された音波を受波するとともに受波した音波を電気信号である受波信号に変換する受波素子30を有する受波装置3と、送波素子10が音波を送波してから当該音波が受波素子30に受波されるまでの時間に基づいて障害物Obまでの距離と障害物Obの存在する方位とを求める演算部を有する信号処理回路4とを備え、送波素子10は、空気に熱衝撃を与えることにより音波を発生させる音波発生素子であることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】車両用障害物検知センサDは、音波を送波可能な送波素子10および送波素子10を駆動する駆動回路20を有する送波装置1と、送波素子10から送波され障害物Obで反射された音波を受波するとともに受波した音波を電気信号である受波信号に変換する受波素子30を有する受波装置3と、送波素子10が音波を送波してから当該音波が受波素子30に受波されるまでの時間に基づいて障害物Obまでの距離と障害物Obの存在する方位とを求める演算部を有する信号処理回路4とを備え、送波素子10は、空気に熱衝撃を与えることにより音波を発生させる音波発生素子であることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、車両に搭載され車両のドア周辺の障害物を検知する車両用障害物検知センサに関するものである。
従来から、図15に示すように、車両101の後部に配置されるドア(バックドア)102の先端部に、ドア102の開動作時にドア102が障害物と接触して損傷するのを防止するための損傷防止機構103を設けることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。ここにおいて、図15では、ドア102が閉じているときの損傷防止機構103の状態を同図(a)に示し、ドア102が途中まで開いたときの損傷防止機構103の状態を同図(b)に示してある。なお、上記特許文献1には、損傷防止機構103に障害物を検出する接触式センサを設け、接触式センサにより障害物が検出されたときにドア102の開動作を停止させるか若しくはドア102を閉動作させることも提案されている。
また、従来から、車両のドアに搭載される超音波センサを備え、超音波センサの送波素子により超音波を送波してから障害物での反射波を受波素子にて受波するまでの時間が所定時間未満のときにドアの開動作を禁止するようにした車両用ドア制御装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。ここにおいて、上記特許文献2では、送波素子と受波素子との両方に圧電素子を用いている。
特開2005−47461号公報
特開平4−166579号公報
ところで、上記特許文献1に開示された損傷防止機構103を備えた車両101では、損傷防止機構103の構成要素の一部が障害物に接触することによりドア102の損傷が防止されるので、障害物が人体の場合に人体に怪我を負わせてしまったり、障害物がガラス製の物品のように割れやすい物体の場合に当該物体が割れてしまう憂いがあった。
また、上記特許文献2に開示された車両用ドア制御装置における超音波センサでは、圧電素子からなる送波素子を間欠的に駆動した場合、送波素子から発生する音波は図16に示すような振動波形となり、共振のQ値が大きいほど、振動波形の振幅が最大となるまでの時間T1および残響振動が収束するまでの時間(残響時間)T2が長くなって、超音波を送波してから受波するまでの時間が短くなり、圧電素子の近傍に位置する物体を検出することができなくなる。ここで、超音波の音速c〔m/s〕は、温度をt〔℃〕とすれば、c=331.5+0.6tであるから、例えば、音速cが340〔m/s〕であり(この場合、超音波は1msで34cmだけ進む)、残響時間T2が2msであるとすれば、圧電素子からの距離が34cm以下の位置に存在する障害物を検出することが不可能となる。要するに、上記特許文献2に開示された車両用ドア制御装置では、超音波センサの送波素子から送波される超音波における残響成分に起因した不感帯が長く、比較的近くに存在する障害物を検出することができないので、ドアと障害物との間の距離が34cm以下の場合に、ドアが障害物と接触してしまう憂いがあった。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、従来の圧電素子を用いた超音波センサに比べてより近い位置に存在する障害物を非接触で検知することが可能な車両用障害物検知センサを提供することにある。
請求項1の発明は、車両に所定のドアに取り付けられ当該ドアの周辺に存在する障害物を検知する車両用障害物検知センサであって、音波を送波可能な送波素子および送波素子を駆動する駆動回路を有する送波装置と、送波素子から送波され障害物で反射された音波を受波するとともに受波した音波を電気信号である受波信号に変換する受波素子を有する受波装置と、送波素子が音波を送波してから当該音波が受波素子に受波されるまでの時間に基づいて障害物までの距離と障害物の存在する方位との少なくとも一方を求める演算部とを備え、送波素子は、空気に熱衝撃を与えることにより音波を発生させる音波発生素子であることを特徴とする。
この発明によれば、送波素子が空気に熱衝撃を与えることにより音波を発生させる音波発生素子からなるので、送波素子から送波される音波における残響成分に起因した不感帯を従来の圧電素子を用いた超音波センサに比べて短くすることができ、従来の圧電素子を用いた超音波センサに比べてより近い位置に存在する障害物を非接触で検知することが可能となる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記送波素子は、ベース基板と、ベース基板の一表面側に形成された発熱体層と、ベース基板の前記一表面側でベース基板と発熱体層との間に介在する熱絶縁層とを備え、発熱体層への通電に伴う発熱体層の温度変化により空気に熱衝撃を与えることで音波を発生することを特徴とする。
この発明によれば、送波素子から発生期間が短く且つ残響時間の短い音波を送波することができる。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記受波素子は、音波の音圧を静電容量の変化に変換する静電容量型のマイクロホンからなることを特徴とする。
この発明によれば、前記受波素子として圧電素子を用いる場合に比べて、前記受波素子から出力される受波信号における残響成分を低減することができ、前記受波素子から出力される受波信号における残響成分に起因した不感帯を短くすることができる。
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3の発明において、前記受波装置が前記受波素子を複数個備えるとともに前記各受波素子が一平面上に配列され、前記演算部は、前記各受波素子で音波を受波した時間の時間差と前記各受波素子の配置位置とに基づいて前記受波装置に対する音波の到来方向を求める方位検出手段を備えることを特徴とする。
この発明によれば、方位検出手段により前記受波装置に対する音波の到来方向、つまり、前記受波装置に対する障害物の存在する方位を求めることができる。
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4の発明において、前記送波素子が一表面側に取り付けられた第1の支持基板および前記受波素子が取り付けられた第2の支持基板を収納するハウジングを備え、第2の支持基板は、衝撃緩衝部材を介してハウジングへ取り付けられてなることを特徴とする。
この発明によれば、ハウジングの振動が第2の支持基板へ伝わるを抑制することができ、ハウジングの振動により前記受波素子の受波信号に発生するノイズを低減できる。
請求項6の発明は、請求項5の発明において、前記ハウジングと前記ドアにおける前記ハウジングの取付部位との間に挟装される防振部材を備えてなることを特徴とする。
この発明によれば、前記車両の前記ドアから前記ハウジングへ振動が伝わるのを防止することができ、前記ハウジングの振動により前記受波素子の受波信号に発生するノイズをより低減できる。
請求項1の発明では、従来の圧電素子を用いた超音波センサに比べてより近い位置に存在する障害物を非接触で検知することが可能となるという効果がある。
本実施形態では、図1(a)に示すように車両101の所定のドア(ここでは、車両101の後部に配置されたバックドア)102に取り付けられ当該ドア102の周辺に存在する障害物Obを検知する車両用障害物検知センサDを備えた車両用ドア制御システムを例示する。
車両用ドア制御システムは、図14に示すように、車両101内に設けられドア102の開動作および閉動作を指示するための操作スイッチSW1と、車両101のドア102を開閉駆動する駆動源としてのモータMと、モータMを駆動するモータ駆動部104と、上述の車両用障害物検知センサDと、車両101内に設けられ少なくとも車両用障害物検知センサDにより障害物Obが検知されたときに障害物Obの存在を車両101の運転者や乗員に報知する報知装置(例えば、ディスプレイや発光ダイオードのような表示装置、ブザーのような音響出力装置など)105と、車両101内に設けられ操作スイッチSW1の出力および車両用障害物検知センサDの出力に基づいてモータ駆動部104を介してモータMを制御するとともに報知装置105を制御するマイクロコンピュータからなる制御部110とを備えている。
この車両用ドア制御システムでは、操作スイッチSW1によりドア102の開動作が指示されると、操作スイッチSW1の出力を受けた制御部110が車両用障害物検知センサDの動作を開始させる。その後、制御部110は、車両用障害物検知センサDにより障害物Obが検知されない場合にはドア102が開くようにモータ駆動部104を介してモータMの駆動を開始し、ドア102の先端部が閉鎖位置から所定の開放位置に到達する前に車両用障害物検知センサDにより障害物Obが検知されると、直ちにモータ駆動部104を介してモータMの駆動を停止させるか、あるいはモータMの回転速度を減速させてからモータMの駆動を停止させる。また、制御部110は、車両用障害物検知センサDの動作を開始させた後、モータMを駆動する前に車両用障害物検知センサDにより障害物Obが検知されると、モータMを駆動せず、車両用障害物検知センサDにより障害物Obが検知されなくなってから、ドア102が開くようにモータ駆動部104を介してモータMを駆動するように構成されている。なお、上述の車両用ドア制御システムでは、報知装置105を備えているので、車両用障害物検知センサDにより障害物Obが検知されたときに放置装置10により適宜の報知を行うことで、車両101の運転者や乗員に注意を促すことができ、安全性を高めることができる。
以下、車両用障害物検知センサDについて図1〜図13を参照しながら説明する。
車両用障害物検知センサDは、図1(b)に示すように、音波(疎密波)を空気中に間欠的に送波する送波装置1と、障害物Obによる反射波を受波する受波装置3と、受波装置3の出力を信号処理する信号処理回路4とを備え、送波装置1による音波の送波から受波装置3により反射波が受波されるまでの時間差に基づいて障害物Obまでの距離および障害物Obの存在する方位を求めるように構成されている。
送波装置1は、音波を送波可能な送波素子10と、送波素子10から音波が間欠的に送波されるように送波素子10を駆動する駆動回路20とを備えている。なお、駆動回路20は、送波素子10から音波を間欠的に送波するタイミングを制御するタイミング制御部を有している。また、送波素子10は、矩形板状のガラスエポキシ基板からなる第1の回路基板23上に実装されており、第1の回路基板23が、送波素子10が一表面側に取り付けられた第1の支持基板を構成している。
一方、受波装置3は、送波素子10から送波され障害物Obで反射された音波を受波するとともに受波した音波を電気信号である受波信号に変換する複数の受波素子30を有している。ここにおいて、車両用障害物検知センサDは、障害物Obまでの距離だけでなく障害物Obの存在する方位も測定できるように、10個の受波素子30を1枚の矩形板状のガラスエポキシ基板からなる第2の回路基板24の一平面上に配列してある。具体的には、第2の回路基板24の1辺に沿った方向に5個の受波素子30を所定ピッチで配列するとともに、上記1辺に直交する方向に5個の受波素子30を所定ピッチで配列してある。なお、本実施形態では、第2の回路基板24が、受波素子30が一表面側に取り付けられた第2の支持基板を構成している。
説明を簡単にするために、受波素子30が同一平面上において上記1辺に沿った方向のみに所定ピッチで配列されているとし、受波素子30が配列された面に対する音波の波面の角度がθである場合を想定すると、図10に示すように、音波の到来方向(すなわち、受波装置3に対して障害物Obの存在する方位角)はθになり、音速をc、音波の波面が隣り合う受波素子30のうちの一方の受波素子30に到達する時刻における音波の波面と他方の受波素子30の中心との間の距離(遅延距離)をd、隣り合う受波素子30の中心間距離(上記所定ピッチ)をLとすれば、音波の波面が隣り合う受波素子30間に到達する時間差Δtは、Δt=d/c=L・sinθ/cになる。したがって、時間差Δtが分かれば、障害物Obの存在する方位を演算することができる。ここにおいて、上記所定ピッチは、送波素子10から送波する音波の波長の0.5倍程度に設定することが望ましい。
信号処理回路4は、各受波素子30から出力された受波信号をそれぞれ増幅する複数のアンプ41aを有する信号増幅部41と、各アンプ41aにて増幅されたアナログの受波信号それぞれをディジタルの受波信号に変換して出力するA/D変換部42と、A/D変換部42の出力が格納されるメモリ43と、上記タイミング制御部から音波の送波タイミングを制御する制御信号に同期して出力されるタイミング信号を受けたときにA/D変換部42を所定の受波期間だけ作動させメモリ43に格納された受波信号のデータを用いて障害物Obまでの距離を求める演算および障害物Obの存在する方位を求める演算を行うマイクロコンピュータからなる演算部44とを備えており、演算部44により求めた距離および方位の各データが車両101内の信号線を介して上述の制御部110へ伝送される。なお、信号処理回路4は、矩形板状のガラスエポキシ基板からなる第3の回路基板25に設けられている。
ここにおいて、演算部44は、上記タイミング信号を受けた時刻(つまり、送波素子10から音波を送波したタイミング)と、ディジタルの受波信号がメモリ43に格納された時刻(信号処理回路4内での遅れ時間を無視すれば、受波素子30により音波を受波したタイミング)との時間差(言い換えれば、送波装置1が音波を送波してから受波装置3が受波するまでの時間)に基づいて、障害物Obまでの距離を演算する距離演算手段と、メモリ43に格納された各受波素子30の受波信号のデータを利用して障害物Obの存在する方位(障害物Obにより反射された音波の到来方向)を求める方位検出手段とを備えている。ここにおいて、方位検出手段は、各受波素子30で音波を受波した時間の時間差と各受波素子30の配置位置とに基づいて受波装置3に対する音波の到来方向を求める。
なお、本実施形態の車両用障害物検知センサDは、最大測定距離を例えば1mとすれば、音波は空気中において最大で2mの距離を伝搬すればよいが、送波素子10から送波された音波は拡散損失(距離減衰)や吸収損失や反射損失などの伝搬損失により45dB程度減衰するので、各アンプ41aの増幅利得(電圧利得)を40dB〜60dBに設定することでS/N比の低下を防止している。また、上述のように最大測定距離を1mとすれば、音波が空気中で2mの距離を伝搬するのに要する時間は6ms程度であるから、上述の受波期間は6ms程度に設定すればよい。また、メモリ43には、受波期間における各受波素子30それぞれの受波信号が格納される、言い換えれば、メモリ43には、〔受波素子30の個数〕×〔各受波素子30からの受波信号のデータ数〕の数だけデータが格納されることになるので、例えば、受波素子30の個数を10個、受波期間を6ms、A/D変換部42のサンプリング周期を1μs(サンプリング周波数を1MHz)とした場合には、1データを16bitとして、(10〔個〕)×{(6×10−3)÷(1×10−6)×16}=960000bit=120kbyteの容量が必要となるから、120kbyte以上の容量のSRAMなどを使用すればよい。
上述の方位検出手段は、メモリ43に格納された各受波素子30それぞれの受波信号をそれぞれ各受波素子30の配列パターン(配置位置)に応じた遅延時間で遅延させた受波信号を組にして出力する遅延手段と、遅延手段により遅延された受波信号の組を加算する加算器と、加算器の出力波形のピーク値と適宜の閾値との大小関係を比較し閾値を超えるピーク値が得られたときに遅延手段で設定されている遅延時間の組み合わせに対応する方向を障害物Obの存在する方位(音波の到来方向)と判断する判断手段とを備えている。なお、演算部44の距離演算手段および方位検出手段は、演算部44を構成するマイクロコンピュータに適宜のプログラムを搭載することにより実現できる。
ところで、車両用障害物検知センサDは、送波素子10として、空気に熱衝撃を与えることにより音波を発生させる熱励起式の音波発生素子を用いることで、送波素子10の共振特性のQ値を圧電素子に比べて十分に小さくして残響時間が短い音波を送波するようにし、かつ、受波素子30として共振特性のQ値が圧電素子に比べて十分に小さく受波信号に含まれる残響成分の発生期間が短い静電容量型のマイクロホンを用いている。
ここにおいて、送波素子10は、図4に示すように、単結晶のp形のシリコン基板からなるベース基板11の一表面(図4における上面)側に多孔質シリコン層からなる熱絶縁層(断熱層)12が形成され、熱絶縁層12上に金属薄膜からなる発熱体層13が形成され、ベース基板11の上記一表面側に発熱体層13と電気的に接続された一対のパッド14,14が形成された熱励起式の音波発生素子により構成してある。ベース基板11の平面形状は長方形状であって、熱絶縁層12、発熱体層13それぞれの平面形状も長方形状に形成してある。なお、発熱体層13は、ベース基板11の少なくとも上記一表面側に形成されていればよい。
上述の送波素子10では、発熱体層13の両端のパッド14,14間に通電して発熱体層13に急激な温度変化を生じさせると、発熱体層13に接触している空気に急激な温度変化(熱衝撃)が生じる(つまり、発熱体層13に接触している空気に熱衝撃が与えられる)。したがって、発熱体層13に接触している空気は、発熱体層13の温度上昇時には膨張し発熱体層13の温度下降時には収縮するから、発熱体層13への通電を適宜に制御することによって空気中を伝搬する音波を発生させることができる。要するに、送波素子10を構成する熱励起式の音波発生素子は、発熱体層13への通電に伴う発熱体層13の急激な温度変化を媒質の膨張収縮に変換することにより媒質を伝搬する音波を発生する。なお、本実施形態では、発熱体層13が薄板状の発熱体を構成している。ここに、熱励起式の音波発生素子は、少なくとも薄板状の発熱体を備えていればよく、例えば、アルミニウム製の薄板を発熱体として当該発熱体への通電に伴う発熱体の急激な温度変化による熱衝撃によって音波を発生させるものでもよい。
また、上述の送波素子10は、ベース基板11としてp形のシリコン基板を用いており、熱絶縁層12を多孔度が略60〜略70%の多孔質シリコン層により構成しているので、ベース基板11として用いるシリコン基板の一部をフッ化水素水溶液とエタノールとの混合液からなる電解液中で陽極酸化処理することにより熱絶縁層12となる多孔質シリコン層を形成することができる。多孔質シリコン層は、多孔度が高くなるにつれて熱伝導率および熱容量が小さくなるので、熱絶縁層12の熱伝導度および熱容量をベース基板11の熱伝導度および熱容量に比べて小さくし、熱絶縁層12の熱伝導度と熱容量との積をベース基板11の熱伝導度と熱容量との積に比べて十分に小さくすることにより、発熱体層13の温度変化を空気に効率よく伝達することができ発熱体層13と空気との間で効率的な熱交換が起こり、かつ、ベース基板11が熱絶縁層12からの熱を効率良く受け取って熱絶縁層12の熱を逃がすことができて発熱体層13からの熱が熱絶縁層12に蓄積されるのを防止することができる。なお、熱伝導率が148W/(m・K)、熱容量が1.63×106J/(m3・K)の単結晶のシリコン基板を陽極酸化して形成される多孔度が60%の多孔質シリコン層は、熱伝導率が1W/(m・K)、熱容量が0.7×106J/(m3・K)であることが知られている。本実施形態では、上述のように熱絶縁層12を多孔度が略70%の多孔質シリコン層により構成してあり、熱絶縁層12の熱伝導率が0.12W/(m・K)、熱容量が0.5×106J/(m3・K)となっている。
発熱体層13は、高融点金属の一種であるタングステンにより形成してあるが、発熱体層13の材料はタングステンに限らず、例えば、タンタル、モリブデン、イリジウム、アルミニウムなどを採用してもよい。また、上述の送波素子10では、ベース基板11の厚さを300〜700μm、熱絶縁層12の厚さを1〜10μm、発熱体層13の厚さを20〜100nm、各パッド14の厚さを0.5μmとしてあるが、これらの厚さは一例であって特に限定するものではない。また、ベース基板11の材料としてSiを採用しているが、ベース基板11の材料はSiに限らず、例えば、Ge,SiC,GaP,GaAs,InPなどの陽極酸化処理による多孔質化が可能な他の半導体材料でもよい。
上述のように送波素子10は、一対のパッド14,14を介した発熱体層13への通電に伴う発熱体層13の温度変化に伴って音波を発生するものであり、発熱体層13へ与える駆動電圧波形あるいは駆動電流波形からなる駆動入力波形を例えば周波数がf1の正弦波波形とした場合、理想的には、発熱体層13で生じる温度振動の周波数が駆動入力波形の周波数f1の2倍の周波数f2となり、駆動入力波形f1の略2倍の周波数の音波を発生させることができる。すなわち、上述の送波素子10は、平坦な周波数特性を有しており、発生させる音波の周波数を広範囲にわたって変化させることができる。また、上述の送波素子10では、例えば正弦波波形の半周期の孤立波を駆動入力波形として駆動回路20から一対のパッド14,14間へ与えることによって、図5(a)に示すような残響の少ない略1周期の音波P1を発生させることができる。本実施形態では、図5(a)に示すような略1周期の音波P1を発生させる場合、当該音波P1の1周期の時間を50kHz〜70kHz程度の超音波の1周期の時間に設定してあるが、この数値は特に限定するものではない。
また、上述の送波素子10では、一対のパッド14,14を介して発熱体層13へ与える駆動電圧の波形を図6(a)に示すようなガウス波形状の電圧波形とした場合、図6(b)に示すようなガウス波形状の音波を送波することができる。
ここにおいて、送波素子10から図6(b)に示すようなガウス波形状の音波(ここでは、当該音波の発生期間を50kHz〜70kHz程度の超音波の1周期の時間に設定してある)を送波させるには、駆動回路20として、例えば図7に示す回路を採用すればよい。図7に示す構成の駆動回路20は、直流電源Eの両端間にスイッチSW2を介してコンデンサCが接続され、コンデンサCの両端間にサイリスタThとインダクタLと抵抗R1と保護用抵抗R2との直列回路が接続され、保護用抵抗R2の両端間に送波素子10を接続するように構成されている。また、駆動回路20は、上述のように送波素子10から音波を送波させるタイミングを制御する上述のタイミング制御部を有しており、タイミング制御部によってスイッチSW2のオンオフが制御されるとともにサイリスタThへ制御信号を与えるタイミングが制御される。ここにおいて、駆動回路20では、スイッチSW2のオン期間にコンデンサCが充電されるが、タイミング制御部は、コンデンサCの両端電圧を検出しており、コンデンサCの両端電圧が所定のしきい値を超えるとスイッチSW2をオフさせてからサイリスタThのゲートへ制御信号を与える。すなわち、図7に示す構成の駆動回路20では、直流電源EからコンデンサCに電荷を蓄積し、コンデンサCの両端電圧が所定のしきい値を超えると、タイミング制御部からサイリスタThへ制御信号が与えられてサイリスタThがターンオンし、送波素子10のパッド14,14間に電圧が印加されて発熱体層13の温度変化に伴って音波が送波される。ここに、インダクタLのインダクタンスおよび抵抗R1の抵抗値を適宜設定することにより、図6(a)に示すようなガウス波形状の駆動電圧波形を送波素子10のパッド14,14間へ印加することができる。
また、上述の受波素子30を構成する静電容量型のマイクロホンは、マイクロマシンニング技術を利用して形成されており、例えば、図8に示すように、シリコン基板に厚み方向に貫通する窓孔31aを設けることで形成された矩形枠状のフレーム31と、フレーム31の一表面側においてフレーム31の対向する2つの辺に跨る形で配置されるカンチレバー型の受圧部32とを備えている。ここにおいて、フレーム31の一表面側には熱酸化膜35と熱酸化膜35を覆うシリコン酸化膜36とシリコン酸化膜36を覆うシリコン窒化膜37とが形成されており、受圧部32の一端部がシリコン窒化膜37とを介してフレーム31に支持され、他端部が上記シリコン基板の厚み方向においてシリコン窒化膜37に対向している。また、シリコン窒化膜37における受圧部32の他端部との対向面に金属薄膜(例えば、クロム膜など)からなる固定電極33aが形成され、受圧部32の他端部におけるシリコン窒化膜37との対向面とは反対側に金属薄膜(例えば、クロム膜など)からなる可動電極33bが形成されている。なお、フレーム31の他表面にはシリコン窒化膜38が形成されている。また、受圧部32は、上記各シリコン窒化膜37,38とは別工程で形成されるシリコン窒化膜により構成されている。
図8に示した構成の静電容量型のマイクロホンからなる受波素子30では、固定電極33aと可動電極33bとを電極とするコンデンサが形成されるから、受圧部32が音波の圧力を受けることにより固定電極33aと可動電極33bとの間の距離が変化し、固定電極33aと可動電極33bとの間の静電容量が変化する。したがって、固定電極33aおよび可動電極33bに設けたパッド(図示せず)間に直流バイアス電圧を印加しておけば、パッドの間には音波の音圧に応じて微小な電圧変化が生じるから、音波の音圧を電気信号に変化することができる。
受波素子30として用いる静電容量型のマイクロホンの構造は図8の構造に特に限定するものではなく、例えば、図9に示すように、シリコン基板141の一表面側に、中央部が周部に比べて薄肉である第1のダイアフラム部145を有するシリコン層が設けられ、シリコン基板141の他表面に凹所142を設けることによりシリコン基板141の中央部に第1のダイアフラム部145とギャップ144を介して対向する第2のダイアフラム部143が形成された構造体において、第1のダイヤフラム部145に可動電極146を設けるとともに第2のダイアフラム部143に固定電極(図示せず)を設けた構造としてもよい。また、受波素子30として用いる静電容量型のマイクロホンとしては、シリコン基板などをマイクロマシンニング技術などにより加工して形成され、音波を受けるダイヤフラム部からなる可動電極と、ダイヤフラム部に対向する背板部からなる固定電極との間に、音波を受けていない状態でのダイヤフラム部と背板部とのギャップ長を規定するスペーサ部が介在し、背板部に複数の排気孔が貫設された構造を有するものでもよい。
ところで、図4に示した熱励起式の音波発生素子からなる送波素子10は共振特性のQ値が1程度であり、図8に示した静電容量型のマイクロホンからなる受波素子30の共振特性のQ値は3〜4程度であり、圧電素子に比べてQ値が十分に小さく、従来のように送波素子および受波素子に圧電素子を用いている場合に比べて、角度分解能を改善することができる。なお、受波素子30として圧電式の受波素子を用いた場合、受波素子30の受波信号に図5(c)に示すように受波素子30の残響に起因した信号P4が発生する可能性があり、しかも、障害物Obによる反射波(間接波)に起因した受波信号P3の発生期間が、図5(b)に示すように送波素子10から送波された音波P1(図5(a)参照)に比べて長くなるので、受波素子30としては、上述の静電容量型のマイクロホンを採用することが望ましい。
以上説明したように、車両用障害物検知センサDは、送波素子10が空気に熱衝撃を与えることにより音波を発生させる音波発生素子により構成されているので、送波素子10の共振特性のQ値が圧電素子の共振特性のQ値に比べて小さく、従来のように送波素子として圧電素子を用いている場合に比べて、送波する音波の残響時間を短くできる。言い換えれば、従来に比べて送波素子10から送波する音波に含まれる残響成分が少なく、残響成分の発生期間を従来に比べて短くできる。要するに、車両用障害物検知センサDは、送波素子10が空気に熱衝撃を与えることにより音波を発生させる音波発生素子からなるので、送波素子10から送波される音波における残響成分に起因した不感帯を従来の圧電素子を用いた超音波センサに比べて短くすることができ、従来の圧電素子を用いた超音波センサに比べてより近い位置に存在する障害物Obを非接触で検知することが可能となる。したがって、上述の車両用ドア制御システムでは、従来のドア制御装置に比べて、ドア102により近い位置に存在する障害物Obを検知して障害物Obにドア102が接触するのを防止することができる。
また、受波素子30が音波の音圧を静電容量の変化に変換する静電容量型のマイクロホンにより構成されているので、受波素子の共振特性のQ値が圧電素子の共振特性のQ値に比べて小さく音波の周波数に共振周波数を持たず、従来のように受波素子として圧電素子を用いている場合に比べて、受波信号における残響時間を短くできる。言い換えれば、受波素子30の受波信号に含まれる残響成分の発生期間を従来に比べて短くできる。したがって、受波素子30として圧電素子を用いる場合に比べて、受波素子30から出力される受波信号における残響成分を低減することができ、受波素子30から出力される受波信号における残響成分に起因した不感帯を短くすることができる。
ところで、車両用障害物検知センサDは、送波素子10が実装された第1の回路基板23、各受波素子30が実装された第2の回路基板24、信号処理回路4が設けられた第3の回路基板25などが収納されるハウジング50(図2(a)参照)を備えている。
ハウジング50は、図2(a)に示すように、一面(図2(a)における上面)が開放された矩形箱状に形成された合成樹脂製のハウジング本体51と、ハウジング本体51の上記一面側に固着された矩形板状のハウジング蓋52とで構成されている。ここにおいて、ハウジング蓋52には、送波素子10の送波面および各受波素子30の受波面を露出させる開口部として、送波素子10の送波面を露出させる第1の窓孔52aと各受波素子30の受波面を露出させる第2の窓孔52bとが別々に形成されているので、両窓孔52a,52bが連続して形成されている場合に比べて、送波素子10から各受波素子30へ音波が直接伝搬して図5(b),(c)に示すような直接波に起因した受波信号P2が発生するのを抑制することができ、各受波素子30それぞれから出力される受波信号のノイズを低減することができるとともに、音波を送波するタイミングと上記受波期間を開始するまでの期間T3,T4(図5(b),(c)参照)を短くすることが可能となる。なお、各窓孔52a,52bは、ハウジング蓋52の厚み方向に貫設されており、開口形状が矩形状となっている。
また、本実施形態の車両用障害物検知センサDでは、上述の送波素子10および各受波素子30がハウジング50内において各窓孔52a,52bが形成された部位から後退して配置されるとともに、第1の回路基板23と第2の回路基板24とがハウジング蓋52に平行な面内で離間して配置され、第1の回路基板23におけるハウジング蓋52との対向面において送波素子10を囲む矩形枠状の第1の吸音部材6aと、第2の回路基板24におけるハウジング蓋52との対向面において各受波素子30を囲む矩形枠状の第2の吸音部材6bとを備えているので、送波素子10から各受波素子30へ音波が直接伝搬するのをより確実に防止することができる。
また、上述の第3の回路基板25は、ハウジング本体51の内底面に接着剤により固着されており、第1の回路基板23および第2の回路基板24と第3の回路基板25との間には吸音部材7を介在させてあるので、送波素子10の振動が第3の回路基板25を介して第2の回路基板24へ伝わって信号処理回路4で信号処理する受波信号に送波素子10の振動に起因したノイズが発生するのを防止することができる。なお、各受波素子30から出力される受波信号は第2の回路基板24と第3の回路基板25とを電気的に接続しているコネクタ60を介して信号処理回路4へ伝送される。
また、車両用障害物検知センサDは、図2(a)および図11(b)に示すように、ハウジング蓋52の各窓孔52a,52bを、通音性を有する防水性シート(例えば、多孔質のプラスチック膜など)8により覆い、防水シート8の周部をハウジング蓋52と同じ材料により形成した枠状のベゼル9(図2(a)および図12参照)で固定する。ここにおいて、ベゼル9とハウジング蓋52との間に防水性シート8の周部を挟持した形でベゼル9をハウジング蓋52の外面に固着してあるので、塵、埃、昆虫などの異物がハウジング50内に侵入して回路がショートしたり、雨や水滴がハウジング50内に浸入して送波素子10および各受波素子30が劣化したり破壊されたりするのを防止することができ、信頼性を高めることができる。なお、本実施形態では、防水性シート8の外周形状を矩形状とし、ベゼル9の形状を矩形枠状としてある。また、図11(a)に示した吸音部材6は、上述の吸音部材6a,6bを一体化して1部材としたものであり、このような1部材の吸音部材6を用いることにより、2つの吸音部材6a,6bを用いる場合に比べて、部品点数の削減を図れるとともに、第1の回路基板23および第2の回路基板4それぞれとハウジング蓋52との間の距離を精度良く揃えることができる。
また、車両用障害物検知センサDでは、第1の回路基板23が複数個(例えば、4個)のスペーサ17a(図2(b)参照)を介してハウジング蓋52に固定ねじ(図示せず)により取り付けられ、第2の回路基板24が複数個(例えば、4個)の衝撃緩衝部材17b(図2(b)参照)を介してハウジング蓋52に取り付けられている。ここで、第2の回路基板24とハウジング蓋52との間に介在する各衝撃緩衝部材17bは、第2の回路基板24およびハウジング蓋52それぞれと接着剤により固着されている。ここにおいて、各受波素子30が実装された第2の回路基板24が衝撃緩衝部材17bを介してハウジング50に取り付けられていることにより、ハウジング50の振動が第2の回路基板24へ伝わるを抑制することができ、ハウジング50の振動により各受波素子30の受波信号に発生するノイズを低減できる。すなわち、受波素子30の受波信号に、ハウジング50の振動に起因したノイズP5(図5(c)参照)が発生するのを防止することが可能となる。また、車両用障害物検知センサDは、ハウジング50と車両101のドア102におけるハウジング50の取付部位との間に挟装される防振部材(図示せず)を備えているので、車両101からハウジング50へ振動が伝わるのを防止することができ、ハウジング50の振動により各受波素子30の受波信号に発生するノイズをより低減できる。
ここで、ハウジング本体51およびハウジング蓋52の材料としては、ポリアセタール、例えばデルリン(商品名)やジュラコン(商品名)など、を採用している。なお、本実施形態では、ハウジング本体51およびハウジング蓋52をポリアセタールなどの合成樹脂により形成してあるが、これらの材料は合成樹脂に限定するものではなく、金属に比べて密度が小さく絶縁性を有する材料であればよく、例えば、セラミックにより形成してもよい。ここにおいて、ハウジング本体51とハウジング蓋52とで構成されるハウジング50が合成樹脂やセラミックにより形成されていることにより、ハウジング50を金属により形成する場合に比べて、ハウジング50を形成する材料の密度を小さくすることができ、音波がハウジング50を伝わりにくくなるとともに、送波素子10から送波される音波にハウジング50が共振しにくくなり、各受波素子30の受波信号にハウジング50の振動に起因したノイズP5が発生するのを防止することができる。また、衝撃緩衝材17bおよび上記防振部材としては、シリコーンを主原料とするゲル状素材、例えばアルファゲル:αGEL(登録商標)などを用いればよい。
以上説明した本実施形態の車両用障害物検知センサDでは、上述のように、従来に比べて、より近距離に存在する障害物Obを非接触で検知することができる。ここにおいて、車両用障害物検知センサDを図1(a)に示すように配置する場合、ハウジング50のハウジング蓋52がハウジング本体51よりも上側となるように配置すればよく、ドア102が開く際に接触する可能性のある障害物Obを確実に検知し、且つ、路面を検出しないように、図13に示すように車両101の左右方向に直交する平面内における最大測定距離(検知距離)および視野角により決まる検知エリアAは比較的狭く設定することが望ましい。
なお、上記実施形態では、車両101の所定のドア102として車両101の後部に配置されるバックドアを想定しているが、所定のドア102はバックドアに限らず、車両101の側部に配置されるサイドドアでもよい。また、上記実施形態では、信号処理回路4の演算部44が障害物Obまでの距離と障害物Obの存在する方位との両方を求めるように構成されているが、演算部44は障害物Obまでの距離と障害物Obの存在する方位との少なくとも一方を求めるように構成してもよい。
1 送波装置
3 受波装置
4 信号処理回路
10 送波素子
20 駆動回路
30 受波素子
101 車両
102 ドア
D 車両用障害物検知センサ
M モータ
Ob 障害物
3 受波装置
4 信号処理回路
10 送波素子
20 駆動回路
30 受波素子
101 車両
102 ドア
D 車両用障害物検知センサ
M モータ
Ob 障害物
Claims (6)
- 車両に所定のドアに取り付けられ当該ドアの周辺に存在する障害物を検知する車両用障害物検知センサであって、音波を送波可能な送波素子および送波素子を駆動する駆動回路を有する送波装置と、送波素子から送波され障害物で反射された音波を受波するとともに受波した音波を電気信号である受波信号に変換する受波素子を有する受波装置と、送波素子が音波を送波してから当該音波が受波素子に受波されるまでの時間に基づいて障害物までの距離と障害物の存在する方位との少なくとも一方を求める演算部とを備え、送波素子は、空気に熱衝撃を与えることにより音波を発生させる音波発生素子であることを特徴とする車両用障害物検知センサ。
- 前記送波素子は、ベース基板と、ベース基板の一表面側に形成された発熱体層と、ベース基板の前記一表面側でベース基板と発熱体層との間に介在する熱絶縁層とを備え、発熱体層への通電に伴う発熱体層の温度変化により空気に熱衝撃を与えることで音波を発生することを特徴とする請求項1記載の車両用障害物検知センサ。
- 前記受波素子は、音波の音圧を静電容量の変化に変換する静電容量型のマイクロホンからなることを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両用障害物検知センサ。
- 前記受波装置が前記受波素子を複数個備えるとともに前記各受波素子が一平面上に配列され、前記演算部は、前記各受波素子で音波を受波した時間の時間差と前記各受波素子の配置位置とに基づいて前記受波装置に対する音波の到来方向を求める方位検出手段を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の車両用障害物検知センサ。
- 前記送波素子が一表面側に取り付けられた第1の支持基板および前記受波素子が取り付けられた第2の支持基板を収納するハウジングを備え、第2の支持基板は、衝撃緩衝部材を介してハウジングへ取り付けられてなることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の車両用障害物検知センサ。
- 前記ハウジングと前記ドアにおける前記ハウジングの取付部位との間に挟装される防振部材を備えてなることを特徴とする請求項5記載の車両用障害物検知センサ。
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