JP2006319634A - 映像信号処理装置とグラデーション段差検出方法 - Google Patents

映像信号処理装置とグラデーション段差検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】映像信号の量子化の粗さに起因して表示画像中のグラデーション領域内に生じる縞模様の段差を検出する。
【解決手段】水平HPF回路A11を通過した信号は、水平検出回路A15によって画素値の差が一定範囲内にある領域を水平平坦領域として検出し、この検出領域の水平方向の境界を求め、境界前後の画素値の差または変化の度合い(傾斜)が規定範囲内にある場合には、その境界をグラデーション領域内の段差と判定する。同様に、垂直HPF回路A12を通過した信号は、垂直検出回路A16によって垂直平坦領域を検出し、この検出領域の垂直方向の境界を求め、境界前後の画素値の差または変化の度合い(傾斜)からグラデーション領域内の段差か否かを判定する。
【選択図】図3

Description

本発明は、映像信号をデジタル処理する映像信号処理装置に係り、特に映像信号の量子化の粗さに起因して表示画像中のグラデーション領域内に生じる縞模様の段差を検出し、縞模様の改善に寄与するグラデーション領域内の段差検出方法に関する。
従来、主にパーソナルコンピュータ(以下、PCと略称する)の映像信号処理装置(通称、グラフィック・ボード)では、映像信号を階調8ビットで処理し、最終的に階調6ビットに変換し、減らした2ビットによっていわゆるディザ処理を施してディスプレイに出力することで、8ビット相当の階調表現を実現している。また、デジタル処理によるテレビジョン受像機(以下、TVと略称する)の映像信号処理装置では、映像信号を階調10ビットで処理し、最終的に階調8ビットに変換し、減らした2ビット分で、例えば魔方陣アルゴリズムと称するディザ(通称、FRC:フレーム・レート・コントロール)処理を施してディスプレイに出力することで、10ビット相当の階調表現を実現している。
しかしながら、上記のような従来の映像信号処理装置では、映像信号の量子化の粗さをディザ処理によって緩和しているものの、緩やかに階調が変化するグラデーション領域では、量子化ビットの切り替わり部分の段差が目立ち、縞模様となって表示されてしまう。
なお、本発明に関連する技術を開示した例として、特許文献1に、予め、画面上の映像に生じる輝度むらの補正データを、画面を水平及び垂直方向に一定間隔で区切った補正ポイント毎に格納しておき、その補正データを用いて映像信号の非線形補間演算を行うことで補正データをデジタルデータに付加するようにしたデジタル信号処理方法がある。但し、ここで提案される技術は輝度むらの補正処理に関するもので、映像信号の量子化の粗さに起因するグラデーション領域の段差解消に利用可能なものではない。
特開2002−108298号公報
以上述べたように、従来のPCやTVの映像信号処理装置では、映像信号の量子化の粗さをディザ処理によって緩和しているものの、緩やかに階調が変化するグラデーション領域では、量子化ビットの切り替わり部分の段差が目立ち、縞模様となって表示されてしまう。
本発明の目的は、映像信号の量子化の粗さに起因して表示画像中のグラデーション領域内に生じる縞模様の段差を検出し、縞模様の改善に寄与する映像信号処理装置とグラデーション領域内の段差検出方法を提供することにある。
本発明に係る映像信号処理装置は、量子化された映像信号のフレーム画像について、水平方向の画像処理を行う水平方向処理部と垂直方向の画像処理を行う垂直方向処理部を備え、前記水平方向処理部は、前記フレーム画像の水平方向に隣接する画素を順次入力し、出力する水平フィルタ手段と、前記水平フィルタ手段から出力された値が一定範囲内にある領域を検出する第1の領域検出手段と、前記第1の領域検出手段で検出される領域の前記水平フィルタ出力が規定範囲内にある場合には前記水平方向の境界をグラデーション領域内の段差と判定し、規定範囲から外れる場合には別領域の境界と判定する第1の判定手段と、前記第1の判定手段でグラデーション領域内の段差と判定されたとき前記水平方向の境界前後の階調を補正する第1の階調補正手段とを備え、前記垂直方向処理部は、前記フレーム画像の垂直方向に隣接する画素を順次入力し、出力する垂直フィルタ手段と、前記垂直フィルタ手段から出力された値が一定範囲内にある領域を検出する第2の領域検出手段と、前記第2の領域検出手段で検出される領域の前記垂直フィルタ出力が規定範囲内にある場合には前記垂直方向の境界をグラデーション領域内の段差と判定し、規定範囲から外れる場合には別領域の境界と判定する第2の判定手段と、前記第2の判定手段でグラデーション領域内の段差と判定されたとき前記垂直方向の境界前後の階調を補正する第2の階調補正手段とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明に係るグラデーション段差検出方法は、量子化された映像信号のフレーム画像について、水平方向及び垂直方向の画像処理を行う映像信号処理装置に用いられ、前記水平方向の画像処理は、前記フレーム画像の水平方向に隣接する画素を順次入力し、出力する水平フィルタ処理ステップと、前記水平フィルタ処理ステップで出力された値が一定範囲内にある領域を検出する第1の領域検出ステップと、前記第1の領域検出ステップで検出される領域の前記水平フィルタ出力が規定範囲内にある場合には前記水平方向の境界をグラデーション領域内の段差と判定し、規定範囲から外れる場合には別領域の境界と判定する第1の判定ステップと、を備え、前記垂直方向の画像処理は、前記フレーム画像の垂直方向に隣接する画素を順次入力し、出力する垂直フィルタ処理ステップと、前記垂直フィルタ処理ステップで出力された値が一定範囲内にある領域を検出する第2の領域検出ステップと、前記第2の領域検出ステップで検出される領域の前記垂直フィルタ出力が規定範囲内にある場合には前記垂直方向の境界をグラデーション領域内の段差と判定し、規定範囲から外れる場合には別領域の境界と判定する第2の判定ステップと、を備えることを特徴とするものである。
上記した発明によれば、映像信号の量子化の粗さに起因して表示画像中のグラデーション領域内に生じる縞模様の段差を検出し、縞模様の改善に寄与する映像信号処理装置とグラデーション領域内の段差検出方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の一実施形態に係るTV放送受信対応のノート型パーソナルコンピュータを示した構成図である。
図1に示すように、コンピュータ10は、コンピュータ10と、ディスプレイ装置23とから構成されている。ディスプレイ装置23にはLCD(Liquid CrystalDisplay)からなる表示装置が組み込まれており、そのLCDの表示画面121はディスプレイ装置23のほぼ中央に位置されている。
ディスプレイ装置23は、コンピュータ10に対して解放位置と閉塞位置との間を回動自在に取り付けられている。コンピュータ10の本体側は薄い箱形の筐体を有しており、その上面にはパワーボタン114、キーボード111、パームレスト上にはタッチパッド112、および左右2つのボタン113a、113b、光ディスク装置17等が配置されている。
図2は、本発明が適用される、TV放送受信対応PCの全体構成を示すブロック図である。
図2において、TV放送受信部11によって、ユーザ指定のチャンネル番組を受信してTV信号を復調し、映像信号と音声信号を分離する。このうち映像信号はスイッチ12を介してビデオデコーダ13に送られる。なお、スイッチ12は、TV映像信号と他の映像再生機器(例えばDVDプレーヤ等)からの映像信号を選択するためのものである。
ビデオデコーダ13は、入力映像信号をベースバンド信号(YUV)に変換してデジタル化する。このとき、映像信号を8ビットで階調表現する。このデジタル映像信号はPCIバス14を介してサウスブリッジ15に送られる。このサウスブリッジ15は、ハードディスク装置(HDD)16、光ディスク装置(ODD)17等を収容し、これらの装置の記録媒体に制御命令に従って入力データの書き込み・読み出しを実行する。サウスブリッジ15はノースブリッジ18に接続されており、このノースブリッジ18はCPU(演算処理装置)19及びメインメモリ20によるソフトウェア処理によってサウスブリッジ15のデータ処理を制御する。すなわち、サウスブリッジ15に入力された映像信号は、ノースブリッジ18からの制御命令に基づいてノースブリッジ18に送られ、ソフトウェアによる画像処理が施された後、グラフィック処理部21に送られる。
このグラフィック処理部21に入力された映像信号は、正方スケーラ回路211でピクセル形状が整えられ、YUV/RGB変換回路212で信号形式が変換され、画質調整回路213で画質バランスが調整され、αブレンド/スケーラ回路214で画像サイズがディスプレイサイズに合わせて変更された後、本発明に係る階調処理回路215で適宜階調の補正が施される。この階調処理回路215から出力される映像信号は、ビット変換・ディザ回路216でデータサイズが6ビットに変更された後、ディザが施され、D/A変換部22を経由してディスプレイ装置23に送られる。
すなわち、上記構成によるグラフィック処理部21では、従来と同様に、映像信号処理を8ビットで行い、出力のところで6ビットに変換するようにし、削減された2ビットにて出力映像信号にディザを加えて、階調表現として8ビット相当としている。したがって、擬似的ではあるが、実際に最大表現可能な階調はRGB各8ビット相当に留まる。このとき、量子化の粗さに起因して表示画像中のグラデーション領域内に縞模様の段差を生じる。そこで、本発明では、階調処理回路215において、表示画像中のグラデーション領域内に生じる縞模様の段差を検出し、この段差が目立たなくなるように適切な補正を施すようにしている。
図3は上記階調処理回路215の具体的な構成を示すブロック図である。なお、図3において、入力映像信号の信号形態はRGBの3種類であるが、ここでは説明を簡単にするため、あたかも一つの信号であるかのように説明を行うものとする。
図3において、αブレンド・スケーラ回路214から出力されたRGB信号は、水平HPF(ハイパス・フィルタ)回路(水平フィルタ手段)A11、垂直HPF(ハイパス・フィルタ)回路(垂直フィルタ手段)A12、1H遅延線A13、RGBフレームメモリ回路A14のそれぞれに入力される。
水平HPF回路A11に入力されたRGB信号のうち、水平HPF回路A11を通過した信号は、水平検出回路A15に出力される。
水平検出回路A15は、入力された信号を用いて、水平平坦領域、水平境界、水平傾斜のそれぞれを検出する。具体的には、入力された画素値の水平HPF回路出力が一定範囲内にある領域を水平平坦領域(グラデーション領域)として検出し、この検出領域の水平方向の境界を求める。そして、境界前後の水平HPF回路出力が規定範囲内にある場合には、水平方向の境界をグラデーション領域内の段差と判定し、規定範囲から外れる場合には別領域の境界と判定する。
一方、垂直HPF回路A12に入力されたRGB信号のうち、垂直HPF回路A12を通過した信号は、垂直検出回路A16に入力される。
垂直検出回路A16は、入力された信号を用いて、垂直平坦領域、垂直境界、垂直傾斜のそれぞれを検出する。具体的には、入力された画素値の垂直HPF回路出力が一定範囲内にある領域を垂直平坦領域として検出し、この検出領域の垂直方向の境界を求める。そして、境界前後の垂直HPF回路出力が規定範囲内にある場合には、垂直方向の境界をグラデーション領域内の段差と判定し、規定範囲から外れる場合には別領域の境界と判定する。
上記RGBフレームメモリ回路A14は入力したRGB信号を1フレーム遅延することで、上記の検出処理に要する時間を確保する。ここで1フレーム遅延されたRGB信号は、水平境界階調補間回路A17及び垂直境界階調補間回路A18を介して階調処理回路215から出力され、ビット変換・ディザ回路216に送られる。
ここで、上記水平境界階調補間回路A17は、上記水平検出回路A15で平坦領域内の境界がグラデーション領域内の段差であると判定された場合に、その境界前後でディザ処理を施して、境界部分の段差を目立たなくする。同様に、上記垂直境界階調補間回路A18は、上記垂直検出回路A16で平坦領域内の境界がグラデーション領域内の段差であると判定された場合に、その境界前後でディザ処理を施して、境界部分の段差を目立たなくする。
以上の処理により、グラデーション領域内に生じる縞模様の段差(境界)を絵柄のよる境界と区別して検出することができ、この境界部分が目立たなくなるように補正をかけることができる。
図4〜図7は、それぞれ上記階調処理回路215の水平HPF回路A11、水平検出回路A15、垂直HPF回路A12、垂直検出回路A16によるグラデーション段差検出処理をソフトウェア処理で実現する場合のアルゴリズムを示すフローチャートである。図4及び図5は水平方向のグラデーション段差検出処理、図6及び図7は垂直方向のグラデーション段差検出処理の実施例である。
なお、条件としてRGBフレームメモリ回路A14に画像データが格納されているものとし、画像空間は水平X画素、垂直Y画素とする。また、表記の例として、“i,j”はそれぞれメモリの水平、垂直アドレスを示し、(i,j)はアドレス“i,j”の画素値を表し、sは階調ステップ数、メモリAは水平方向同一階調エリアの記憶メモリ、メモリBは下り水平方向境界線記憶メモリ、メモリCは上り方向境界線記憶メモリ、メモリDは垂直方向同一階調エリアの記憶メモリ、メモリEは下り垂直方向境界線記憶メモリ、メモリFは上り方向境界線記憶メモリを意図している。
まず、水平方向のグラデーション段差検出処理について説明する。
図4及び図5において、ステップS1として画像取り込みがスタートすると、まずステップS3では、フレーム画像の水平方向に隣接する画素を順次HPFに取り込む。例えば、(i,j),(i+1,j)を取り込む。なお、スタート画素アドレスは“1,1”とする。
ステップS5では、(i+1,j)が水平HPF回路A11に入力され、その値を検出する。続いて、ステップS7では、HPFの出力=0か否かを判断し、NOならばステップS11に進み、YESならばステップS9に進む。ステップS9では、同一階調エリア検出用に確保してある画像空間と一致する水平X、垂直YのメモリAに対し、アドレス“i,j”と“i+1,j“の両方にbit=1を立てて、ステップS11に進む。
ステップS11では、HPFの出力が、hd<HPFの出力<0か否かを判断し、NOならばステップS15に進み、YESならばステップS13に進む。ステップS13では、下り水平方向境界検出用に確保してある画像空間と一致する水平X、垂直YのメモリBに対し、アドレス“i,j”にbit=1を立てて、ステップS15に進む。
ステップS15では、HPFの出力が、0<HPFの出力<hdか否かを判断し、NOならばステップS19に進み、YESならばステップS17に進む。ステップS17では、上り水平方向境界検出用に確保してある画像空間と一致する水平X、垂直YのメモリCに対し、アドレス“i,j”にbit=1を立てて、ステップS19に進む。
ステップS19では、i=Xに達したか否かを判断し、達していなければ(NO)、ステップS21にて、iをインクリメントして次の水平画素に進んでステップS3に戻る。i=Xに達していれば(YES)、ステップS23に移行してj=Yに達したか否かを判断し、達していなければ(NO)、ステップS25にて、jをインクリメントして次の水平画素列に進んでステップS3に戻る。
上記ステップS23でj=Yに達している場合には(YES)、ステップS27(図5参照)に進む。ステップS27では、メモリAにおいて、bit=1が連続しているかを調べる。続いてステップS29ではbit=1がk個以上連続しているか否かを判断する。k個以上連続していれば(YES)、ステップS33に進み、連続していない場合には(NO)、ステップS31にて、メモリAのk個未満のビット列のbit=1をbit=0に置き換えてステップS33に進む。
ステップS33では、i=Xに達したか否かを判断し、達していなければ(NO)、ステップS35にて、次の水平画素に進んでステップS27に戻る。i=Xに達していれば(YES)、ステップS37に移行してj=Yに達したか否かを判断し、達していなければ(NO)、ステップS39にて、jをインクリメントして次の水平画素列に進んでステップS27に戻る。
上記ステップS37でj=Yに達している場合には(YES)、ステップS41に進み、平坦なエリア領域と境界線アドレスが一致しているかを調べる。ここで、ステップS43において、メモリBでbit=1が立っているアドレスに対してメモリAで同じアドレスに水平アドレス1を加えたアドレスでbit=1が立っているか否かを判断する。bit=1が立っていれば(YES)ステップS47に進み、立っていなければ(NO)、ステップS45にて、メモリBのbit=1をbit=0に置き換えてステップS47に進む。ステップS47では、メモリBで1が立っている全てのアドレスについてメモリAと比較したか否かを判断する。全て比較していない場合には(NO)ステップS43に戻り、全て比較した場合には(YES)ステップS49に進む。
ステップS49では、メモリCでbit=1が立っているアドレスに対してメモリAで同じアドレスに水平アドレス1を加えたアドレスでbit=1が立っているか否かを判断する。bit=1が立っていれば(YES)ステップS53に進み、立っていなければ(NO)、ステップS51にて、メモリCのbit=1をbit=0に置き換えてステップS53に進む。ステップS53では、メモリCで1が立っている全てのアドレスについてメモリAと比較したか否かを判断する。全て比較していない場合には(NO)ステップS49に戻り、全て比較した場合には(YES)ステップS55に進む。
ステップS55では、メモリB,Cの内容を水平境界階調補正回路A17に通知し、ステップS57で次の画像を取り込んでステップS3に戻る。これにより、水平方向のグラデーション段差検出処理が完了する。
次に、垂直方向のグラデーション段差検出処理について説明する。
図6及び図7において、ステップS101として画像取り込みがスタートすると、まずステップS103では、フレーム画像の垂直方向に隣接する画素を順次HPFに取り込む。例えば、(i,j),(i,j+1)を取り込む。なお、スタート画素アドレスは“1,1”とする。続いて、ステップS105では、(i,j+1)が垂直HPF回路A12に入力され、その値を検出する。
S107では、HPFの出力=0か否かを判断し、NOならばステップS111に進み、YESならばステップS109に進む。ステップS109では、同一階調エリア検出用に確保してある画像空間と一致する水平X、垂直YのメモリDに対し、アドレス“i,j”と“i,j+1“の両方にbit=1を立てて、ステップS111に進む。
ステップS111では、HPFの出力が、vd<HPFの出力<0か否かを判断し、NOならばステップS115に進み、YESならばステップS113に進む。ステップS113では、下り垂直方向境界検出用に確保してある画像空間と一致する水平X、垂直YのメモリEに対し、アドレス“i,j”にbit=1を立てて、ステップS115に進む。
ステップS115では、HPFの出力が、0<HPFの出力<vdか否かを判断し、NOならばステップS119に進み、YESならばステップS117に進む。ステップS117では、上り垂直方向境界検出用に確保してある画像空間と一致する水平X、垂直YのメモリFに対し、アドレス“i,j”にbit=1を立てて、ステップS119に進む。
ステップS119では、j=Yに達したか否かを判断し、達していなければ(NO)、ステップS121にて、jをインクリメントして次の垂直水平画素に進んでステップS103に戻る。j=Yに達していれば(YES)、ステップS123に移行してi=Xに達したか否かを判断し、達していなければ(NO)、ステップS125にて、iをインクリメントして次の垂直画素列に進んでステップS103に戻る。
上記ステップS123でi=Xに達している場合には(YES)、ステップS127(図7参照)に進む。ステップS127では、メモリDにおいて、bit=1が連続しているかを調べる。続いてステップS129ではbit=1がk個以上連続しているか否かを判断する。k個以上連続していれば(YES)、ステップS133に進み、連続していない場合には(NO)、ステップS131にて、メモリDのk個未満のビット列のbit=1をbit=0に置き換えてステップS133に進む。
ステップS133では、j=Yに達したか否かを判断し、達していなければ(NO)、ステップS139にて、jをインクリメントして次の垂直画素に進んでステップS127に戻る。j=Yに達していれば(YES)、ステップS137に移行してi=Xに達したか否かを判断し、達していなければ(NO)、ステップS139にて、iをインクリメントして次の垂直画素列に進んでステップS127に戻る。
上記ステップS137でi=Xに達している場合には(YES)、ステップS141に進み、平坦なエリア領域と境界線アドレスが一致しているかを調べる。ここで、ステップS143において、メモリEでbit=1が立っているアドレスに対してメモリDで同じアドレスに垂直アドレス1を加えたアドレスでbit=1が立っているか否かを判断する。bit=1が立っていれば(YES)ステップS147に進み、立っていなければ(NO)、ステップS145にて、メモリEのbit=1をbit=0に置き換えてステップS147に進む。ステップS147では、メモリEで1が立っている全てのアドレスについてメモリDと比較したか否かを判断する。全て比較していない場合には(NO)ステップS143に戻り、全て比較した場合には(YES)ステップS149に進む。
ステップS149では、メモリFでbit=1が立っているアドレスに対してメモリDで同じアドレスに垂直アドレス1を加えたアドレスでbit=1が立っているか否かを判断する。bit=1が立っていれば(YES)ステップS153に進み、立っていなければ(NO)、ステップS151にて、メモリFのbit=1をbit=0に置き換えてステップS153に進む。ステップS153では、メモリFで1が立っている全てのアドレスについてメモリDと比較したか否かを判断する。全て比較していない場合には(NO)ステップS149に戻り、全て比較した場合には(YES)ステップS155に進む。
ステップS155では、メモリE,Fの内容を垂直境界階調補正回路A18に通知し、ステップS157で次の画像を取り込んでステップS103に戻る。これにより、垂直方向のグラデーション段差検出処理が完了する。
続いて、図8、図9を参照して、上記水平・垂直境界階調補間回路A17,A18における補間処理について説明する。
いま、図8に示すように、ディスプレイ装置23の画面中央部に、背景色に対して僅かに明るい楕円の縞500が映し出されていたとする。明るさの違いは1階調(量子化8ビットの場合はダイナミックレンジの1/256)とすると、明るい所と暗い所の境界の水平部分の信号を拡大すると(拡大部分520参照)、段差になっている。境界部分の位置と明るさの傾斜は、図3で説明したように水平検出回路A15により検出されているので、この境界部分に対して(図8の例では、境界部分で画面左から右に向かって暗い方に傾斜している)フレーム単位で境界の位置を振るようにディザ処理を施す。
すなわち、図9に示すように、原信号に対して、1フレーム目、2フレーム目、3フレーム目、4フレーム目の4フレーム周期で境界の位置を振ることにより、視覚的には4フレーム合成後の視覚的イメージとなり、1/4階調ずつの細かい階調表現となる。この例の場合、信号処理が8ビットであるが、境界付近では10ビットの表現が可能である。このような操作を水平方向、垂直方向の境界部分全体に施すことにより、量子化によって発生した縞模様を目立たなくすることができる。
したがって、上記構成による階調処理回路215を備えたPCでは、映像信号の量子化の粗さに起因して表示画像中のグラデーション領域内に生じる縞模様の段差を検出することができ、境界部分の画素値の差、傾斜情報を取得することができるので、適切な階調補間を施して段差部分を目立たないようにすることができる。
なお、上記実施形態ではRGB信号で階調処理される場合について説明としたが、YUV信号の段階で行っても同様の効果を得られることは言うまでもない。
また、上述した実施形態では、グラフィック処理部21で階調処理される場合について説明したが、CPU19、メインメモリ20、ノースブリッジ18で形成されるソフトウェア処理で行っても同様の効果が得られることはいうまでもない。
(第2の実施形態)
また、本発明は、テレビジョン受像機にも適用可能である。図10に本発明をテレビジョン受像機に適用した場合の構成を示す。
図10において、アナログ放送受信部31からの映像信号出力と映像信号ライン入力は、スイッチ32で任意に切り替えられてビデオデコーダ回路33でベースバンド信号(YUV)としてデジタル化されて、バックエンドプロセッサ34に送られる。一方、デジタル放送受信部35で受信されたデジタル放送信号も、MPEG2−TSデコーダ回路36で映像信号が復調された後、同じくバックエンドプロセッサ34に送られる。
バックエンドプロセッサ34に入ったそれぞれの映像信号は、スケーラ回路341で画像サイズが調整され、画質調整回路342で画質が調整され、YUV−RGB変換回路343でRGB信号に変換された後、本発明に係る階調処理回路344でグラデーション段差部分の補正が施される。最終的に、ビット変換・階調補正回路345で2ビット削減された後、FRC(フレームレートコントロール)によって階調が補正される。階調補正された信号はD/A変換部35でD/A変換された後、ディスプレイ部36に送られる。なお、上記階調処理回路344は、図11に示すように構成される。但し、図3に示した回路構成と同様であるので、ここでは図3と同一部分に同一符号を付して、その説明を省略する。
すなわち、上記構成によるテレビジョン受像機において、バックエンドプロセッサ34では、映像信号を10ビットで処理し、最終段で8ビットに変換して階調補正を施すようにしており、内部の階調の表現の最大値は10ビットが限界となっている。このようなプロセッサ34に対し、本発明に係る階調処理回路344を最終段のビット変換・階調補正回路345の前に配置し、グラデーション領域内の段差部分(境界部分)を検出して、例えば図8に示したように、境界部分でディザ処理を行う。これにより、境界部分では12ビット相当で表現され、グラデーション領域内の段差部分は目立たなくなり、視覚的に非常に滑らかなグラデーション表示を実現することができる。
なお、本実施形態においても、RGB信号で階調処理される場合について説明としたが、YUV信号の段階で行っても同様の効果を得られることは言うまでもない。
また、本発明は上記した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を種々変形して具体化することができる。また、上記した実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜に組み合わせることにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良いものである。さらに、異なる実施の形態に係る構成要素を適宜組み合わせても良いものである。
本発明の第1実施形態に係るTV放送受信対応のノート型パーソナルコンピュータを示した構成図。 本発明の第1実施形態に係るTV放送受信対応PCの全体構成を示すブロック図。 本発明の第1実施形態に係る階調処理回路の具体的な構成を示すブロック図。 図3の階調処理回路の水平方向グラデーション段差検出処理をソフトウェア処理で実現する場合のアルゴリズムを示すフローチャート。 図4に続くアルゴリズムを示すフローチャート。 図3の階調処理回路の垂直方向グラデーション段差検出処理をソフトウェア処理で実現する場合のアルゴリズムを示すフローチャート。 図6に続くアルゴリズムを示すフローチャート。 図3の水平・垂直境界階調補間回路における補間処理について説明するための概念図。 水平・垂直境界階調補間回路における補間処理について説明した模式図。 本発明をテレビジョン受像機に適用した場合の構成を示す図。 本発明の第2実施形態に係る階調処理回路の具体的な構成を示すブロック図。
符号の説明
11…TV放送受信部、12…スイッチ、13…ビデオデコーダ、14…PCIバス、15…サウスブリッジ、16…ハードディスク装置(HDD)、17…光ディスク装置(ODD)、18…ノースブリッジ、19…CPU(演算処理装置)、20…メインメモリ、21…グラフィック処理部、211…正方スケーラ回路、212…YUV/RGB変換回路、213…画質調整回路、214…αブレンド/スケーラ回路、215…階調処理回路、216…ビット変換・ディザ回路、22…D/A変換部、23…ディスプレイ装置、A11…水平HPF回路、A12…垂直HPF回路、A13…1H遅延線、A14…RGBフレームメモリ回路、A15…水平検出回路、A16…垂直検出回路、A17…水平境界階調補間回路、A18…垂直境界階調補間回路、31…アナログ放送受信部、32…スイッチ、33…ビデオデコーダ回路、34…バックエンドプロセッサ、35…デジタル放送受信部、36…MPEG2−TSデコーダ回路、341…スケーラ回路、342…画質調整回路、343…YUV−RGB変換回路、344…階調処理回路、345…ビット変換・階調補正回路、35…D/A変換部。

Claims (4)

  1. 量子化された映像信号のフレーム画像について、水平方向の画像処理を行う水平方向処理部と垂直方向の画像処理を行う垂直方向処理部を備え、
    前記水平方向処理部は、
    前記フレーム画像の水平方向に隣接する画素を順次入力し、出力する水平フィルタ手段と、
    前記水平フィルタ手段から出力された値が一定範囲内にある領域を検出する第1の領域検出手段と、
    前記第1の領域検出手段で検出される領域の前記水平フィルタ出力が規定範囲内にある場合には前記水平方向の境界をグラデーション領域内の段差と判定し、規定範囲から外れる場合には別領域の境界と判定する第1の判定手段と、
    前記第1の判定手段でグラデーション領域内の段差と判定されたとき前記水平方向の境界前後の階調を補正する第1の階調補正手段とを備え、
    前記垂直方向処理部は、
    前記フレーム画像の垂直方向に隣接する画素を順次入力し、出力する垂直フィルタ手段と、
    前記垂直フィルタ手段から出力された値が一定範囲内にある領域を検出する第2の領域検出手段と、
    前記第2の領域検出手段で検出される領域の前記垂直フィルタ出力が規定範囲内にある場合には前記垂直方向の境界をグラデーション領域内の段差と判定し、規定範囲から外れる場合には別領域の境界と判定する第2の判定手段と、
    前記第2の判定手段でグラデーション領域内の段差と判定されたとき前記垂直方向の境界前後の階調を補正する第2の階調補正手段とを備えることを特徴とする映像信号処理装置。
  2. 前記第1及び第2の階調補正手段は、それぞれ前記境界前後でディザ処理を施すことを特徴とする請求項1記載の映像信号処理装置。
  3. 前記ディザ処理は、前記境界前後の画素値の差または変化の度合いに基づいて施すことを特徴とする請求項1記載の映像信号処理装置。
  4. 量子化された映像信号のフレーム画像について、水平方向及び垂直方向の画像処理を行う映像信号処理装置に用いられ、
    前記水平方向の画像処理は、
    前記フレーム画像の水平方向に隣接する画素を順次入力し、出力する水平フィルタ処理ステップと、
    前記水平フィルタ処理ステップで出力された値が一定範囲内にある領域を検出する第1の領域検出ステップと、
    前記第1の領域検出ステップで検出される領域の前記水平フィルタ出力が規定範囲内にある場合には前記水平方向の境界をグラデーション領域内の段差と判定し、規定範囲から外れる場合には別領域の境界と判定する第1の判定ステップと、を備え、
    前記垂直方向の画像処理は、
    前記フレーム画像の垂直方向に隣接する画素を順次入力し、出力する垂直フィルタ処理ステップと、
    前記垂直フィルタ処理ステップで出力された値が一定範囲内にある領域を検出する第2の領域検出ステップと、
    前記第2の領域検出ステップで検出される領域の前記垂直フィルタ出力が規定範囲内にある場合には前記垂直方向の境界をグラデーション領域内の段差と判定し、規定範囲から外れる場合には別領域の境界と判定する第2の判定ステップと、を備えることを特徴とするグラデーション段差検出方法。
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